JP2001232667A - データ格納用両面ディスク形状物品を製造する型 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 より容易でより速いスタンパ交換を提供し、
厚さ、平坦さ、内外径および同心性等の改良された処理
印を有する基板および最終データ格納物品を提供し、単
一基板両面ディスクの製造を容易にする。 【解決手段】 単一基板両面ディスク等のデータ格納物
品を製造するのに使用される型および方法が開示され
る。１つの構成において、基板を製造するための型１０
０は、スタンパ３０と、スタンパとの界面を有する少な
くとも１つのホルダ１０と、ホルダとスタンパとの間の
界面１１を維持するために保持力を加えるための真空管
路２０と、を含む。別の構成において、型は、基板をス
タンパから分離するのを補助するために基板に成型品取
出力を加える成型品取出ラインを含む。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、主にデータ格納分
野に関し、特に、データ格納用両面ディスク形状物品を
製造するための方法および装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】データ格納ディスク用基板を製造するた
めの従来の型は一般に、可動側と固定側とを含み、閉じ
たときに、少なくとも部分的にディスク形状キャビティ
の境界を形成する。一般に型の可動側に位置するスタン
パを使用して、形成された物品または基板に表面プロフ
ァイルを与える。製造過程の間に、新しい製品用に型を
再編成するためにスタンパの交換が必要であり、また
は、部品品質を確実にするためにスタンパの交換が必要
であり、場合によっては、スタンパの交換が頻繁に発生
する。

【０００３】従来のシステムでは現在のスタンパを交換
するのは、困難であり時間がかかることが多い。たとえ
ば、従来のシステムは、スタンパを型内にクランプする
ためのホルダを含むことが多い。ホルダは一般に、機械
的取付具を使用して適所に保持される。スタンパを交換
しなければならないときには、機械的取付具はホルダを
解除するために除去され、スタンパが除去されて新しい
スタンパが挿入される。ホルダは、再度適所に取り付け
られる。これは、特に頻繁な交換が必要な用途では、時
間のかかる過程である。

【０００４】従来のシステムの別の特徴は、成形後に型
から基板を除去することに関連する困難さである。１つ
の解決法は、型から基板を除去するために成型品取出特
徴を使用することであった。成型品取出特徴は、加圧さ
れた気体を基板の裏面に直接加えて、ディスクの除去を
容易にする。加圧された気体は、型キャビティの壁を通
る一群の開口を通って加えられる。型の壁の開口の位置
は、型キャビティのスタンパとは反対の側である。その
ような構成によって、型樹脂は、成形過程の間に、成型
品取出特徴の開口内を通ることができる。型キャビティ
の壁のこれらの開口またはキャビティ内に型樹脂が通る
ことは、基板の平坦さに悪影響を与える可能性がある。

【０００５】従来のシステムに関するさらなる問題は、
型構成要素の熱膨張の速度が異なるため、キャビティが
型構成要素の間に形成されることである。一般的な成形
の操作の間に、型構成要素の温度は、室温から１３０度
またはそれ以上の間を変動しうる。これらのキャビティ
内に流れる樹脂は、形成されたディスクの厚さ、平坦
さ、同心性および内外径に対する処理制御にも影響を与
える可能性がある。

【０００６】一般に、従来の型を使用して、一方の側に
情報を有するディスク用の基板を製造する。両側に情報
を有するディスクは一般に、２つの単面ディスクを接着
剤の層で結合することによって形成される。このように
して、両面に情報を有するディスクは、２つのディスク
の各々で見られる変動、および、ディスクの間の接着剤
結合に見られる変動を含む公差スタックアップを有す
る。したがって、両面ディスクを製造するときに、厚
さ、平坦さ、同心性および外径等の様々な処理印を維持
することはより困難である。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記理由のため、およ
び、本明細書を読み理解すれば当業者には明らかである
下記の他の理由のため、業界には、スタンパ交換の容易
さを改良する型が必要である。さらに、厚さ、平坦さ、
同心性および内外径等の改良された処理印を有する基板
および最終格納物品が必要である。

【０００８】

【課題を解決するための手段】従来の型内に見られる上
述の欠点に対処する改良された型が、本明細書に記載さ
れる。たとえば、１つの実施態様において、本発明は、
ディスクを製造するための型に関し、スタンパの一部上
に延在するホルダを含む。スタンパに対するホルダの配
置を維持するために、真空管路が真空力をホルダの裏側
にかける。別の実施態様において、型は、基板をスタン
パから分離するのを補助するために成型品取出力を加え
る成型品取出ラインを含む。様々な実施態様の型は、デ
ータ格納物品の両面にデータを格納するために単一基板
両面データ格納物品を製造するのに使用することができ
る。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１は、従来の型内に見られる上
述の欠点に対処する改良された型１００の１つの実施態
様の断面図である。改良された型は、スタンパ交換の容
易さを改良し、基板および最終データ格納物品の厚さ、
平坦さ、同心性、および、内外径に対する改良された処
理制御を提供し、単一基板両面データ格納物品の製造を
容易にする。

【００１０】より具体的には、型１００は、外側部分１
３と内側部分１２とを含み、これらは即座に変わりう
る。図１の例示された実施態様において、外側部分１３
は機械的に締結されたホルダ１５を含み、一方、内側部
分１２は、２つの真空駆動ホルダ１０を含む。各ホルダ
１０は、スタンパ３０の一部上に延在するリップ１７を
含む。真空管路２０を使用して、リップ１７がホルダ１
０とスタンパ３０との間の界面１１を維持するように、
真空圧または保持力２１をホルダ１０に加える。ホルダ
１０とスタンパ３０との間の界面１１は、ホルダ１０と
スタンパ３０との間にバリヤを形成し、そのため、型１
００の樹脂は真空管路２０を通って流れることができな
い。これによって、樹脂が真空管路２０に入るのを妨
げ、したがって、形成された基板および最終データ格納
物品４１０の処理印に対する制御を改良する。真空管路
２０によって形成された保持力２１を減じることによっ
て、１つの実施態様では真空管路２０を経由してホルダ
１０に対して正の力を供給することによって、ホルダ１
０を解除しスタンパ３０を除去することができ、それに
よって、締結具を除去し再設置する必要性を排除して、
スタンパ３０の交換の容易さを改良する。

【００１１】真空駆動ホルダ１０および真空管路２０
は、型１００の固定側１１０の内側部分１２を含む型１
００のいずれの部分にも使用することができ、そこで
は、スペースおよび型１００の内側部分１２への接近が
一般に制限されている。一般に型の可動側のみにスタン
パを含む従来の型とは異なり、本実施態様の特徴を使用
して、型１００の固定側１１０および可動側１２０の両
方にスタンパ３０を有する型１００を形成することがで
きる。このようにして、型１００を使用して、単一基板
両面格納物品４１０用の基板４１２を製造することがで
きる。

【００１２】図２は、単一基板両面格納物品４１０用の
基板４１２を製造するための改良された型２００の別の
実施態様の断面図であり、この実施態様の改良された型
２００は、ホルダ１０および真空管路２０と組み合わせ
て成型品取出ライン４０を含む。この実施態様におい
て、型２００は、成型品取出ライン４０と組み合わせ
て、スタンパ３０および真空管路２０の一部上に延在す
るホルダ１０を含む。真空管路２０を使用して、ホルダ
１０とスタンパ３０との間で界面１１を維持するため
に、真空圧または保持力２１をホルダ１０に加える。ひ
とたび物品が成形されると、成型品取出ライン４０を使
用して、成型品取出力４１を直接、形成された基板にか
けて、基板をスタンパ３０から分離するのを補助する。
ここで、ホルダ１０とスタンパ３０との間の界面１１
は、成形過程の間に、樹脂が真空管路２０に入るのを妨
げるバリヤを形成する。

【００１３】先の実施態様と同様に、真空管路２０によ
って形成された保持力２１を減じることによって、１つ
の実施態様では真空管路２０を通して正の空気圧を提供
することによって、ホルダ１０を解除しスタンパ３０を
除去することができ、それによって、締結具を除去し再
設置する必要性を排除して、スタンパ３０の交換の容易
さを改良する。成型品取出ライン４０、ホルダ１０およ
び真空管路２０は、型２００の固定側１１０の内側部分
１２を含む型２００のいずれの部分にも使用することが
でき、そこでは、スペースおよび型２００の内側部分１
２への接近は一般に制限されている。一般に型の可動側
のみにスタンパを含む従来の型とは異なり、本実施態様
の特徴を使用して、型２００の固定側１１０および可動
側１２０の両方に成型品取出ライン４０およびスタンパ
３０を有する型２００を形成することができる。このよ
うにして、型２００を使用して、単一基板両面格納物品
４１０用の基板４１２を製造することができる。

【００１４】基板４１２をスタンパ３０から分離するの
を補助するために成型品取出ライン４０を使用すること
は、基板をスタンパから分離する間にそるのを防ぐこと
によって、基板４１２の処理印を維持するのも助ける。
さらに、成型品取出ライン４０を使用することによっ
て、形成された基板がスタンパ３０にくっつきやすい場
合、型２００を損傷するのを避けることができる。成型
品取出ライン４０は、型２００内で少し開いた基板で閉
鎖する型２００のため、スタンパ３０およびミラーブロ
ック６０を損傷するのを防ぐことができる。これによっ
て、型構成要素の交換および製造過程への破壊による追
加出費を防ぐことができる。

【００１５】従来の型の固定側１１０の内側部分１２上
のスペースは、従来の型が一般に、型樹脂の射出のため
に型１００の固定側１１０の内側部分１２に射出ノズル
５０を含むため、制限される。ホルダ１０とスタンパ３
０との間の界面１１を維持するために真空管路２０を使
用することによって、スペースが制限される型１００の
固定側１１０の内側部分１２にホルダ１０を入れること
ができる。さらに、真空管路２０は、締結具の必要性を
排除して、したがって、製造の間にスタンパ３０交換に
必要な時間を減じる。これは、スタンパ３０を頻繁に交
換する必要がある製造状況で特に有用である。

【００１６】図３は、上述の装置および方法によって形
成された基板４１２を含む単一基板両面格納物品４１０
の１つの実施態様の図を例示する。単一基板両面データ
格納物品の１つの用途は、ニアフィールドフォーマット
用途にある。基板４１２は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹
脂、ガラスおよび金属等の材料または樹脂から形成され
ることができる。別の実施態様において、基板は、ポリ
カーボネート材料から形成されることができる。基板４
１２は、表面プロファイル４０７および４０９を含む。
コーティング４２９は、それぞれ表面プロファイル４０
７および４０９上に形成され、データを格納するのに適
切である。型１００、２００を使用して、様々な所望の
厚さの格納物品４１２を製造することができる。

【００１７】型１００、２００をスタンパ３０とともに
使用して、正または負の表面プロファイル４０７または
４０９のいずれかを与えることができる。１つの実施態
様において、装置１００、２００および方法を使用し
て、格納物品４１０の各側に正または負の表面プロファ
イルのいずれかを有する単一基板両面格納物品４１０を
製造することができる。表面プロファイル４０７および
４０９は、多くの形状および形態を取ることができる。
たとえば、プロファイル４０７および４０９の形状配置
は、連続であってもよく、短いセグメントに割れてもよ
く、２つの組み合わせであってもよい。これらのプロフ
ァイル４０７および４０９は、例をいくつか挙げると、
連続したらせん、円形形状、または半径方向の形状配置
であってもよい。プロファイル４０７および４０９の形
状配置は、物理的な高さ、配向および密度で変動しう
る。プロファイル４０７および４０９の形状配置は、射
出の方向に平行である形状配置の側部に、傾斜した抜き
勾配を有してもよい。

【００１８】１つの実施態様において、基板４１２の第
１の側部４１４および第２の側部４１６に表面プロファ
イル４０７および４０９を有する基板４１２が、空気入
射単一基板両面データ格納物品４１０に使用される。１
つの実施態様において、基板４１２は、両側にコーティ
ング４２９を有する再書込可能な光学単一基板両面デー
タ格納物品４１０に使用され、コーティング４２９は、
記録層を含む。１つの実施態様において、記録層は、磁
気光学材料を具備する。１つの実施態様において、記録
層は、米国特許第５，９７２，４６１号に記載されたも
のと実質的に同一の方法で基板４１２に形成される。別
の実施態様において、データ格納物品４１０は、データ
格納物品の各側に反射層と第１の誘電層と記録層と第２
の誘電層とを含むコーティング４２９を有する基板４１
２を使用して形成される。１つの実施態様において、反
射層と第１の誘電層と記録層と第２の誘電層とは、米国
特許第５，９７２，４６１号に記載されたものと実質的
に同一の方法で基板に形成される。

【００１９】データ格納物品用の基板を製造するために
改良された型用に、様々な実施態様が記載される。１つ
の実施態様において、ホルダがスタンパとの界面を維持
するように、保持力がホルダに加えられる。ホルダとス
タンパとの間の界面は、成形過程の間に、樹脂が真空管
路と他の型キャビティとの両方に入るのを妨げるバリヤ
を提供する。別の実施態様において、成型品取出力を基
板にかけて、基板をスタンパから分離するのを補助し、
ホルダがスタンパとの界面を維持するように、保持力を
ホルダにかける。ホルダとスタンパとの間の界面は、成
形過程の間に、樹脂が真空管路と他の型キャビティとに
入るのを妨げるバリヤを提供する。

【００２０】呈された実施態様は、基板の増加した平坦
さ、および、基板の第１の側と第２の側との両方におけ
るの増加した格納スペースのため、増加した格納容量を
有する単一基板両面データ格納物品を提供する。本発明
によると、単一基板両面データ格納物品の製造が、２つ
の単面ディスクを結合するときに見られるような従来の
両面ディスクを製造する方法に一般に含まれるステップ
を排除する。さらに、スタンパに対するホルダの位置を
維持し解除するために真空管路および保持力を使用する
ことによって、スタンパの交換がより容易により速く行
える。さらに、成型品取出ラインの位置および設計が、
型構成要素に対して高くつく損傷を減じることができ、
製造過程の遅れを減じることができる。

【００２１】呈された実施態様は、単一基板両面データ
格納物品を製造するための型に関するが、上記実施態様
の特徴を使用して、表面プロファイルと、改良された処
理印を有する表面プロファイルに形成されたコーティン
グとを備えた基板を有する単面データ格納物品を製造す
るための型を製造することができる。１つの実施態様に
おいて、改良された処理印を有する単面基板を使用し
て、空気入射データ格納物品を製造することができる。
１つの実施態様において、改良された処理印を有する単
面基板を使用して、基板入射データ格納物品を製造する
ことができる。１つの実施態様において、改良された処
理印を有する単面基板を、別の単面基板に結合して、両
面データ格納物品を製造することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 ホルダおよび真空管路を有する型の実施態様
の断面図である。

【図２】 ホルダ、真空管路および成型品取出ラインを
有する型の実施態様の断面図である。

【図３】 単一基板両面ディスクの図である。

【符号の説明】

１０ ホルダ １１ 界面 １２ 内側部分 １３ 外側部分 １５ ホルダ １７ リップ ２０ 真空管路 ２１ 保持力 ３０ スタンパ ４０ 成型品取出ライン ５０ 射出ノズル ６０ ミラーブロック １００ 型 １１０ 固定側 １２０ 可動側 ２００ 型 ４０７ 表面プロファイル ４０９ 表面プロファイル ４１０ 単一基板両面データ格納物品 ４１２ 基板 ４１４ 第１の側部 ４１６ 第２の側部 ４２９ コーティング

フロントページの続き (72)発明者 ジェフリー・エム・ノボトニー アメリカ合衆国55128ミネソタ州オークデ イル、イメイション・プレイス１番 (72)発明者 チャド・アール・サンドストロム アメリカ合衆国55128ミネソタ州オークデ イル、イメイション・プレイス１番

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ディスクを製造するための型であって、 スタンパと、 該スタンパとの界面を有する少なくとも１つのホルダ
   と、 該ホルダと該スタンパとの間の上記界面を維持するため
   の保持力を加える真空管路と、を具備する型。
2. 【請求項２】 前記ディスクを前記スタンパから分離す
   るのを補助するために、該ディスクに成型品取出力を加
   える成型品取出ラインをさらに具備する請求項１記載の
   型。
3. 【請求項３】 第１の表面および第２の表面を有する型
   基板と、 該第１の表面上の第１のコーティングと、 該第２の表面上の第２のコーティングと、を具備する、
   データを格納するための単一基板両面ディスク。
4. 【請求項４】 前記第１のコーティングおよび前記第２
   のコーティングが、記録層を具備する請求項３記載のデ
   ィスク。