JP2001226508A - 低密度熱可塑性樹脂シートおよびその製造方法 - Google Patents

低密度熱可塑性樹脂シートおよびその製造方法

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JP2001226508A JP2000039039A JP2000039039A JP2001226508A JP 2001226508 A JP2001226508 A JP 2001226508A JP 2000039039 A JP2000039039 A JP 2000039039A JP 2000039039 A JP2000039039 A JP 2000039039A JP 2001226508 A JP2001226508 A JP 2001226508A
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resin sheet
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Jun Sakamoto
純 坂本
Kenji Tsunashima
研二 綱島
Tetsuya Machida
哲也 町田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】白色度と隠蔽性に優れた、高品質で低コストな
紙代替シートとして好適な低密度熱可塑性樹脂シートを
提供すること。 【解決手段】架橋構造を有する高分子物質からなる粒子
Aを含有した熱可塑性樹脂シートであって、その粒子の
周辺には熱可塑性樹脂との間に空隙が形成されており、
見かけ密度が0.7g/cm3以下である低密度熱可塑
性樹脂シートである。この低密度熱可塑性樹脂シート
は、架橋高分子物質からなる粒子を熱可塑性樹脂に添加
し、それを押し出し延伸することによって得ることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙の代替品として
使用可能な優れた特性を有する低密度熱可塑性樹脂シー
トおよびその製造方法に関するものであり、具体的に
は、低密度かつ低コストでありながら優れた白色性と隠
蔽性を有する低密度熱可塑性樹脂シートおよびその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、紙の代替品たる熱可塑性樹脂シー
トとしては、熱可塑性樹脂に炭酸カルシウム、二酸化チ
タン、硫酸バリウムなどの無機粒子を多量に添加したも
の、またはお互いに相溶しない熱可塑性樹脂同士をブレ
ンドしたものが(特開平2−29438号公報)知られ
ている。また、これらの熱可塑性樹脂シートは、延伸に
よって粒子または分散相の周辺に空隙を形成し、白色度
の向上、低密度化を図っている。さらに、紙の代替品と
してこれらの熱可塑性樹脂シートとは異なり、微細な合
成繊維を集合させ、適宜加工を施した不織布が存在す
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の熱可塑性樹脂シートでは、次のような欠点が
存在した。すなわち、無機粒子を添加した熱可塑性樹脂
シートの場合、紙代替シートとして使用するために十分
な特性を得るには、熱可塑性樹脂よりも密度の高い無機
粒子を多量に添加することが必要であり、このため熱可
塑性樹脂シート自体の見かけ密度が高まることから、単
位面積あたりのシート価格が高くならざるを得なかっ
た。また、お互いに相溶しない熱可塑性樹脂同士をブレ
ンドした熱可塑性樹脂シートの場合は、シート表面など
に存在する分散相がシートの接着性・塗れ性を低下さ
せ、これを防止するために非相溶樹脂を含有しない表層
部を設ける必要があった。このような表層部は、微細空
隙が存在する芯層部よりも剛性が高く、シート折り曲げ
の際には挫屈を生じ、これが折れしわとなり、シート品
質を低下させていた。
【0004】本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解
消し、紙代替として使用可能な品質・コストともに優れ
た低密度熱可塑性樹脂シートと、その低密度熱可塑性樹
脂シート得ることができる製造方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述した問
題に鑑み、鋭意検討した結果、架橋構造を有する高分子
物質からなる粒子Aを含有した低密度熱可塑性樹脂シー
トおよびその製造方法によって前記問題が解決できるこ
とを見出し本発明に至った。
【0006】すなわち、本発明の低密度熱可塑性樹脂シ
ートは、架橋構造を有する高分子物質からなる粒子Aを
含有した熱可塑性樹脂シートであって、該粒子の周辺に
は熱可塑性樹脂との間に空隙が形成されており、かつ見
かけ密度が0.7g/cm3以下であることを特徴とす
る低密度熱可塑性樹脂シートである。
【0007】また、本発明の低密度熱可塑性樹脂シート
の製造方法の一態様は、粒子Aを含有した熱可塑性樹脂
を溶融したのち口金から押し出して未延伸シートを得る
工程、および該未延伸シートを少なくとも1方向に延伸
する工程を少なくとも有する製造方法であり、また、他
の態様は、粒子Aおよび熱可塑性樹脂をそれぞれ押出機
に供給して溶融混練したのち口金から押し出して未延伸
シートを得る工程、および該未延伸シートを少なくとも
1方向に延伸する工程を少なくとも有する低密度熱可塑
性樹脂シートの製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について説明する。
【0009】本発明の低密度熱可塑性樹脂シートは、架
橋構造を有する高分子物質からなる粒子Aを含有してお
り、その粒子の周辺には熱可塑性樹脂との間に空隙が形
成されており、見かけ密度が0.7g/cm3以下であ
ることを特徴とする。
【0010】本発明における架橋構造を有する高分子物
質からなる粒子Aとは、その分子構造中に架橋構造を有
するものであり、熱硬化性樹脂など実質的に熱可塑性を
有さないものである。架橋の存在はNMRやIRによる
構造分析で確認することができ、さらに、粒子Aとして
は、示差走査熱量計(DSC)による測定で実質的に融
点を有さないものが好ましい。このような粒子Aとして
は、例えば、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体を主
成分とした高分子粒子、アクリル酸および/またはその
誘導体、さらにはスチレンとの共重合体を主成分とした
高分子粒子、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリパラ
フェニレンサルファイド樹脂、エポキシ樹脂、シリコー
ン樹脂、ポリイミド樹脂などから形成される粒子を挙げ
ることができる。このような粒子Aは、実質的に熱可塑
性がないため、シートを構成する熱可塑性樹脂と溶融押
し出し成形しても、無機粒子の場合と同様に、熱可塑性
樹脂と非相溶な粒子としてシート中に存在させることが
できる。さらに、粒子Aとしては、臨界表面張力が好ま
しくは3×10-2N/m以下であるものが、空隙形成に
有利であり好ましく用いられる。
【0011】なお、臨界表面張力とは、異なる表面張力
γlを有する液体(例えば水、エチレングリコール、ホ
ルムアミド、ヨウ化メチレンなど)と固体表面との接触
角θを測定装置(例えば協和界面化学(株)製接触角計
CA−D型など)で測定し、縦軸にcosθ、横軸にγ
lをプロットする。該プロットは直線となるので、co
sθ=1となる点を外挿して得られる表面張力を固体の
臨界表面張力とする。
【0012】粒子Aは、乳化重合法、シード重合法、懸
濁重合法によれば重合段階から粒子として得ることがで
きるが、架橋や熱硬化済みの高分子組成物を粉砕するこ
とによっても得ることができ、粉砕による方法がコスト
的にも有利である。粉砕は、ハンマーミルやボールミル
などによって荒く粉砕を行ない、続いてサンドグライン
ダーやジェットミルなどによって微細な粒子を得、分級
処理を行なって粒子Aを得ることができる。粒子Aの平
均粒子径としては、0.1〜20μmの範囲が好まし
く、より好ましくは1〜10μmである。粒子径が大き
ければシートの低密度化には有利であるが、得られる熱
可塑性樹脂シートの白色度や隠蔽性が低下してくる。一
方、粒子経が小さければ、白色度や隠蔽性が向上するも
のの、低密度化および粒子のコストがアップする要因と
なる。なお、本発明における平均粒子径とは、電子顕微
鏡または光学顕微鏡観察による等価円直径の平均値をさ
す。等価円直径とは、観察した粒子と同じ面積を有する
円の直径のことである。
【0013】このような粒子Aは、密度が無機粒子など
に比較して小さく、熱可塑性樹脂に多量に添加した場合
にも熱可塑性樹脂シートの見かけ密度をほとんど高めな
い。粒子Aの密度(真比重)としては、0.5〜1.4
g/cm3の範囲が好ましく、さらには0.6〜1.2
g/cm3の範囲が好ましい。なお、粒子の密度は、粒
子を密度が既知である液体に分散して比重びんで重量W
1を測定し、次にこれを蒸発乾固して重量W2を測定す
る。比重びんの重量W0、液体のみを満たした比重びん
の重量をWSとすれば、粒子密度=(W2−W0)×
(液体密度)/((W2−W0)−(W1−WS))と
なる。
【0014】また、低密度熱可塑性樹脂シートにおける
粒子Aの添加量は、5〜60重量%の範囲が好ましく、
さらには10〜40重量%の範囲が諸特性のバランスか
ら好ましい。本発明の低密度熱可塑性樹脂シートは、紙
の代替用として用いる上で、白色度が70%以上、隠蔽
性を示す光学濃度が0.5以上であることが好ましい。
本発明における熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ
エチレン、ポリプロピレンに代表されるポリオレフィン
樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレートに代表されるポ
リエステル樹脂などを挙げることができるが、これらの
なかでも、紙代替品としては、ポリエステル樹脂、特に
ポリエチレンテレフタレートを主成分とする樹脂が特性
面から好ましく用いられる。
【0015】次に、本発明の低密度熱可塑性樹脂シート
の製造方法について説明する。
【0016】本発明の低密度熱可塑性樹脂シートを製造
する方法としては、(a)粒子Aを含有した熱可塑性樹
脂を溶融したのち口金から押し出して未延伸シートを得
る工程、およびその未延伸シートを少なくとも1方向に
延伸する工程を少なくとも有する方法と、(b)粒子A
および熱可塑性樹脂をそれぞれ押出機に供給して溶融混
練したのち口金から押し出して未延伸シートを得る工
程、およびその未延伸シートを少なくとも1方向に延伸
する工程を少なくとも有する方法が挙げられる。
【0017】いずれの製造方法においても、粒子Aを含
有した未延伸熱可塑性樹脂シートを得て、少なくとも一
方向にこれを延伸するのである。粒子Aを熱可塑性樹脂
に添加する方法としては、あらかじめ粒子Aを熱可塑性
樹脂に高濃度に添加したマスターチップを製造し、その
チップを熱可塑性樹脂チップとブレンドして押出機に供
給、シート化する方法がある。マスターチップは、粒子
Aまたは粒子Aを分散させたスラリーを2軸溶融混練
機、ベント式押出機等に供給し、熱可塑性樹脂へ高濃度
に添加させる方法を採ることができる。マスターチップ
における粒子Aの濃度は、30〜70重量%が好まし
い。
【0018】また、粒子Aをあらかじめマスターチップ
化することなく、直接押出機に熱可塑性樹脂とともに供
給して溶融押し出しし、シート化する方法を採用するこ
ともできる。この場合には、熱可塑性樹脂チップと粒子
Aをブレンドして押出機ホッパーに供給する方法や、別
々のフィーダーから定量を押出機に供給する方法を採す
ることができる。
【0019】マスターチップによる方法または直接粒子
Aと熱可塑性樹脂を押出機で混練するいずれかの方法に
よって粒子Aを含有した溶融樹脂シートをTダイなどの
口金から押出、溶融シートを回転冷却体によって冷却固
化することによって、未延伸熱可塑性樹脂シートを得る
ことができる。溶融シートを回転冷却体に密着させるに
は、従来公知の密着方法、例えば、溶融シートに電極か
ら電荷を注入する静電印可キャスト法、圧空によって溶
融シートを冷却体に密着させるエアーナイフ法、回転冷
却体に水膜を塗布する方法など、任意の方法を採ること
ができる。熱可塑性樹脂としてポリエステル樹脂を用い
る場合、特に静電印可キャスト法を用いることが好まし
い。
【0020】回転冷却体としては、内部に通液構造を有
する金属ドラムが好ましく、その表面粗さは1S未満、
より好ましくは0.5S未満である。このようなドラム
に例えば温度制御された冷水などを通液することによっ
てドラム表面温度を制御するのである。
【0021】このようにして得られた未延伸シートは、
引き続き少なくとも一方向に延伸される。延伸は、縦一
軸延伸、横一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸な
ど、各種方法によって行なうことができ、通常は二軸延
伸することによって機械的バランスのとれた熱可塑性樹
脂シートを得ることができる。延伸工程によって粒子A
と熱可塑性樹脂との間に剥離が生じ、さらに剥離が空隙
へと成長するのである。空隙を効率よく形成することが
熱可塑性樹脂シートの低密度化には必要であり、そのた
めには延伸張力が大きい条件で延伸することが好まし
い。このような条件としては、例えば、延伸温度を熱可
塑性樹脂のガラス転移点温度(Tg)付近で実施するこ
とが好ましく、Tg−5℃〜Tg+10℃が好ましい。
さらに延伸倍率を高めることも効果的であり、一方向に
3〜6倍の範囲で延伸することが好ましい。さらに延伸
は、周速度の異なるロール間で行なう方法やクリップに
よってシートを把持し、該クリップ間隔を変更するテン
ター方式で行なうことができる。 延伸の後には、必要
に応じて熱可塑性樹脂シートに熱処理を施すことができ
る。本発明の粒子Aは実質的に熱可塑性ではないので、
熱処理によって粒子が変形したり粒子周辺に形成された
空隙がつぶれることはない。
【0022】本発明の低密度熱可塑性樹脂シートには、
このようにして粒子Aと熱可塑性樹脂との界面に空隙が
形成される。空隙とは、粒子Aと熱可塑性樹脂との間に
形成される隙間・空洞のことであり、延伸によって粒子
Aと熱可塑性樹脂との界面が剥離する事で形成される。
空隙は粒子を核として延伸によって形成されるため、シ
ート面方向に広がった形状をしており、粒子周辺に形成
される空隙の大きさは粒子Aと同等以上である。
【0023】また、本発明の低密度熱可塑性樹脂シート
は、このようにして、粒子Aの周辺に空隙を形成するこ
とによって、低密度化を図ることができ、本発明では見
かけ密度を0.7g/cm3以下、好ましくは0.5g
/cm3以下にすることができ、シートの強度などの点
から下限は0.3g/cm3程度とすることが好まし
い。
【0024】次に、本発明による低密度熱可塑性樹脂シ
ートを、ポリエチレンテレフタレート樹脂に架橋ポリス
チレン/ジビニルベンゼン粒子を用いた例を用いて、よ
り具体的に説明する。
【0025】原料としてポリエチレンテレフタレート樹
脂および架橋ポリスチレン粒子を準備し、乾燥したのち
2軸溶融混練機に供給して混練し、マスターチップ化し
ておく。次に、そのマスターチップおよびポリエチレン
テレフタレート樹脂、または必要に応じて他の化合物を
添加ブレンドした原料、例えば、他の熱可塑性樹脂や酸
化珪素、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化チタ
ン、酸化アルミニウム、架橋ポリエステル、架橋ポリス
チレン、マイカ、タルク、カオリンなどの無機化合物、
エチレンビスステアリルアミド、イオン性高分子化合物
アイオノマー等の有機化合物等を添加した原料、いった
ん溶融させた原料、さらには本発明のシートの回収原料
などを混合した原料などを準備し、これを乾燥・脱水し
た後、一軸押出機、二軸押出機、ベント押出機、タンデ
ム押出機などの溶融押出機に供給し、分子量、例えば、
固有粘度[η]を極力低下させないように窒素気流下、
あるいは真空下で溶融押出する。なお、原料中の異物を
除去するために、溶融樹脂を適宜のフィルター、例え
ば、焼結金属、多孔性セラミック、サンド、金網等で濾
過しながら押出ことが好ましい。押出機から押し出さ
れ、濾過された溶融樹脂はTダイ型口金へ導かれる。口
金から溶融シートを押出すときのドラフト比(=口金リ
ップ間隔/押出されたシート厚み)は、好ましくは3以
上、より好ましくは7〜20範囲とすることにより、厚
みむらの小さい、平面性の良いシートが得られやすい。
【0026】かくして溶融シートを口金から押し出すに
際しては、溶融シートと冷却ドラムが接する地点の上部
付近にワイヤー状電極をシート幅方向に張っておき、こ
の電極に直流高電圧を印加しながらキャスティングし、
冷却媒体のドラムに密着させて急冷してキャストする。
【0027】かくして得られたキャストシートは次に延
伸処理されるが、例えば、逐次二軸延伸法であれば、キ
ャストシートをまず予熱ロールによってTg以上に加熱
し、周速度の異なるロールによって長手方向に3〜6倍
延伸し、冷却ロールによってシートを冷却する。次い
で、長手方向に延伸されたシートはテンター式横延伸機
に導かれ、シート両端をクリップによって把持し熱風に
よってシートをTg以上に加熱する。両端クリップの幅
を広げることでシートを横方向に3〜6倍延伸し、さら
に必要に応じて熱風によってシートを熱処理する。
【0028】本発明の低密度熱可塑性樹脂シートは、ラ
ベルや印刷材料等の紙代替品として好適に使用される。
【0029】[物性の測定法]次に、本発明で使用した
諸物性の測定法について以下に述べる。
【0030】1.シートの見かけ密度測定 試料シートを10cm各の正方形にサンプリングし、
(株)三豊製作所製ダイヤルゲージNo.2109−1
0に直径10ミリの測定子No.7002を取り付け、
10点の厚みを測定して平均厚みt(μm)を計算す
る。その後該サンプルの重量w(g)を0.1mgの単
位まで化学天秤で秤量し、次式でシートの見かけ密度を
求める。 シート見かけ密度(g/cm3)=w/t×100 2.シートの白色度および光学濃度の測定 シートの白色度は、JIS−L−1015に基づき、波
長450nmの反射率をB%とし、波長550nmの反
射率をG%とし、次式からシートの白色度を求める。
シートの白色度(%)=4×B−3×Gまた、シートの
光学濃度は、マクベス社製光学濃度計TR927によ
り、Visフィルタを用いて測定する。 シートの光学濃度=−log(I/I0) I:入射光強度 I0:透過光強度。
【0031】3.DSC測定 セイコー電子工業製DSC RDC220型を用い、サ
ンプルを20mg秤量し、窒素ガス雰囲気下20℃/分
の速度で昇温して300℃になった時点でクエンチし、
再度20℃/分の速度で300℃まで昇温しながらガラ
ス転移点Tg、結晶化発熱ピーク温度Tcc、融点Tm
を測定する。300℃に到達したのちさらに20℃/分
の速度で降温させ、結晶化発熱ピーク温度Tmcを測定
する。
【0032】4.平均粒子径の測定 シートを超薄切片に加工し、透過型電子顕微鏡によって
観察し、写真を撮影した。写真から粒子の等価円直径を
株式会社PIAS製イメージアナライザーPIASIVに
よって測定し、粒子1000個の平均値として粒子径を
求める。
【0033】
【実施例】実施例により、本発明をさらに詳細に説明す
る。
【0034】(実施例1)粒子AとしてJSR株式会社
製架橋ポリスチレン粒子(平均粒子径2μm、融点な
し)を準備し、これを真空乾燥機によって100℃で2
4時間乾燥した。さらに、熱可塑性樹脂としてポリエチ
レンテレフタレート樹脂を準備し、これを乾燥機によっ
て水分率が20ppm以下となるように乾燥した。それ
ぞれ乾燥した原料を2軸混練機によって溶融混練し、粒
子濃度が40%のマスターチップBを得た。
【0035】次いで、ポリエチレンテレフタレート樹
脂、およびマスターチップBを先ほどと同様に水分率2
0ppm以下となるように乾燥し、ポリエチレンテレフ
タレート樹脂100重量部に対してマスターチップBを
100重量部ブレンドし、公知の溶融押出機に供給して
280℃で溶融し、10μmカットの繊維燒結金属フィ
ルターを通過させて濾過した後、溶融樹脂をTダイ口金
に導入し、溶融体をシート状に押出した。架橋ポリスチ
レン粒子の粒子濃度は20%であった。
【0036】溶融シートは、直径1.5mの表面がハー
ドクロムメッキされた表面粗度0.1Sのキャスティン
グドラムへ押し出し、さらに溶融シートとドラムが接地
している部分の上部に溶融シートから5ミリ離れた位置
に直径0.15ミリのタングステンワイヤーを張り、該
ワイヤー電極に+8KVの正極直流電圧を印可した。こ
のとき、ドラムには冷却水を通水し、ドラム表面温度を
25℃とした。
【0037】このようにして未延伸シートを得た。続い
て、得られた未延伸シートを、ロール式長手方向延伸機
で延伸温度80℃で3倍延伸した後、30℃以下に冷却
した。ロール延伸終了後、続いて該長手方向延伸シート
の両端をクリップで把持しながらテンタに導き、延伸温
度90℃に加熱された熱風雰囲気中で幅方向に3倍延伸
後、200℃で熱固定し、厚さ75μmの二軸延伸シー
トを得た。得られた熱可塑性樹脂シートの見かけ密度
は、0.65であり、白色度、隠蔽性に優れたものであ
った。該シートに生成した空隙は、粒子の周辺にシート
面方向に広がった形をしており、シート体積の51%を
占めていた。結果を表1に示す。
【0038】(比較例1)粒子として、平均粒子径が2
ミクロンである炭酸カルシム粒子を用いた以外は、実施
例1と全く同様にして熱可塑性樹脂シートを得た。結果
を表1に示すが、シートの見かけ密度は1.0と大きい
ものであった。
【0039】(実施例2)熱硬化したフェノール樹脂を
ハンマーミルで粉砕した後、ジェットミルによって微分
散し、さらに乾式分級装置によって平均粒子径5μmの
フェノール樹脂粒子を得た。この粒子を架橋ポリスチレ
ン粒子に代えて用いた以外は、実施例1と全く同様にし
て熱可塑性樹脂シートを得た。空隙の形状などは実施例
1とほとんど差なく、シート体積の50%を占めてい
た。結果を表1に示す。
【0040】(実施例3)実施例2で得られた粒子Aと
ポリエチレンテレフタレート樹脂を乾燥した後、それぞ
れフィーダーに供給した。フィーダーによって、粒子A
20重量部に対してポリエチレンテレフタレート樹脂を
80重量部の割合で溶融押出機に供給し、実施例1と同
様の方法によって未延伸樹脂シートを得た。次いで、未
延伸樹脂シートを実施例1と全く同様の方法によって延
伸・熱処理し、熱可塑性樹脂シートを得た。空隙の形状
などは実施例1とほとんど差なく、シート体積の50%
を占めていた。結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、架橋高分子からなる粒
子Aを含有させた熱可塑性樹脂シートを延伸すること
で、見かけ密度が0.7g/cm3以下の低密度熱可塑
性樹脂シートを低コストで得ることができる。この低密
度熱可塑性樹脂シートは、白色度と隠蔽性に優れてお
り、紙代替シートとしての優れた特性を有している。本
発明の低密度熱可塑性樹脂シートは、紙代替としてラベ
ルや印刷材料として好ましく使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA32 AA59 AA66 AA97 AE01 AE06 AG20 CA02 CA03 CA04 CC02Y CC04Y CC04Z CC05Z DA02 DA52

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋構造を有する高分子物質からなる粒
    子Aを含有した熱可塑性樹脂シートであって、該粒子の
    周辺には熱可塑性樹脂との間に空隙が形成されており、
    かつ見かけ密度が0.7g/cm3以下であることを特
    徴とする低密度熱可塑性樹脂シート。
  2. 【請求項2】 粒子Aが架橋構造を有する高分子物質の
    粉砕物である請求項1記載の低密度熱可塑性樹脂シー
    ト。
  3. 【請求項3】 粒子Aが実質的に融点を有さない粒子で
    ある請求項1または2記載の低密度熱可塑性樹脂シー
    ト。
  4. 【請求項4】 粒子Aの平均粒子経が1〜20μmの範
    囲である請求項1〜3のいずれかに記載の低密度熱可塑
    性樹脂シート。
  5. 【請求項5】 粒子Aを5〜60重量%含有する請求項
    1〜4のいずれかに記載の低密度熱可塑性樹脂シート。
  6. 【請求項6】 白色度が70%以上、かつ光学濃度が
    0.5以上である請求項1〜5のいずれかに記載の低密
    度熱可塑性樹脂シート。
  7. 【請求項7】 熱可塑性樹脂がポリエチレンテレフタレ
    ートまたはその共重合体からなる請求項1〜6のいずれ
    かに記載の低密度熱可塑性樹脂シート。
  8. 【請求項8】 架橋構造を有する高分子物質からなる粒
    子Aを含有した熱可塑性樹脂を溶融したのち口金から押
    し出して未延伸シートを得る工程、および該未延伸シー
    トを少なくとも1方向に延伸する工程を少なくとも有す
    ることを特徴とする低密度熱可塑性樹脂シートの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 架橋構造を有する高分子物質からなる粒
    子Aおよび熱可塑性樹脂をそれぞれ押出機に供給して溶
    融混練したのち口金から押し出して未延伸シートを得る
    工程、および該未延伸シートを少なくとも1方向に延伸
    する工程を少なくとも有することを特徴とする低密度熱
    可塑性樹脂シートの製造方法。
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