JP2001226485A - ポリベンザゾールおよびその繊維 - Google Patents
ポリベンザゾールおよびその繊維Info
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Abstract
糸切れがなく安定に生産するのに好適なポリベンザゾー
ル、およびそれからなる繊維を提供する。 【解決手段】 下記一般式(I)で表されるAA−PB
Zモノマーと下記一般式(II)で表されるBB−PB
Zモノマーとを脱水重縮合してなり、かつBB−PBZ
モノマーの残留量が0.010重量%以下であるポリベ
ンザゾール、およびそれを成形してなる繊維である。 【化1】 【化2】 (式中、Arは四価の芳香族有機残基を示し、XはO、
SまたはNHを示し、Zは置換されていてもよい二価の
芳香族有機残基を示し、Wはカルボキシル基またはカル
ボキシル基から誘導されるAA−PBZモノマー中の−
XHと反応し得る基を示す。)
Description
高い繊維やフィルムに成形することができるポリベンザ
ゾールおよびそれから得られる繊維に関する。
ゾビスチアゾール、ポリベンゾビスイミダゾールに代表
されるポリベンザゾール類は、高強度(例えば高引張強
度)、高弾性率(例えば高引張弾性率)で耐熱性の高い
繊維やフィルムに成形することができる。こうしたポリ
ベンザゾール類は、その特徴である高強度、高弾性率を
発現させるために、数平均重合度100以上にまで反応
を進行させ、液晶性を示すポリマー濃度のドープから成
形することが好ましいが、そのためには、特開平6−3
16636号公報に記載されているように、五酸化リン
で高濃度にしたポリリン酸中でポリマーを製造すること
が必要である。この方法で得られるポリマードープは、
剛直な分子鎖を持つポリマーが高濃度で溶解しているた
めに、極めて粘度が高いものとなり、繊維化は難しくな
る。特に期待される物理的性質を引き出すために、紡糸
速度を速く、単糸デニールを細くした場合には、糸切れ
が非常に多く発生し、生産性を大きく低下させてしま
う。
て、装置面での改良が進められている。例えば、特開平
7−157918号公報では、繊維を製造する場合、口
金の形状を工夫することにより、高速でかつ単糸デニー
ルの小さい条件下での生産性を上げることを提案してい
る。しかし、こうした装置面での改良では効果が不十分
であり、ポリマー自体の改良が求められていた。
単糸デニールが小さい条件でも、糸切れがなく安定に生
産するのに好適なポリベンザゾール、およびそれからな
る繊維を提供するものである。
を解決するために鋭意検討した結果、ポリベンザゾール
中の未反応のBB−PBZモノマーの残留量を0.01
0重量%以下とすることにより、上記課題を解決し、そ
の生産性を大幅に改善出来ることを見出し、ついに本発
明を完成するに至った。
ーと下記一般式(II)で表されるBB−PBZモノマ
ーとを脱水重縮合してなり、かつBB−PBZモノマー
の残留量が0.010重量%以下であるポリベンザゾー
ル。
し、XはO、SまたはNHを示す。)
芳香族有機残基を示し、Wはカルボキシル基またはカル
ボキシル基から誘導されるAA−PBZモノマー中の−
XHと反応し得る基を示す。) (2) AA−PBZモノマーが4,6−ジアミノレゾル
シノールである、上記(1)記載のポリベンザゾール。 (3) BB−PBZモノマーがテレフタル酸である、上
記(1)記載のポリベンザゾール。 (4) ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールであ
る、上記(1)記載のポリベンザゾール。 (5) BB−PBZモノマーの残留量が0.005重量
%以下である、上記(1)記載のポリベンザゾール。 (6) 数平均重合度が30以上である、上記(1)記載のポ
リベンザゾール。 (7) 数平均重合度が200以上である、上記(1)記載の
ポリベンザゾール。 (8) 上記(1)〜(7)のいずれかに記載のポリベンザゾー
ルを成形してなる繊維。 (9) 引張強度が35g/d以上である、上記(8)記載の
繊維。
本発明のポリベンザゾールは、上記一般式(I)で表さ
れるAA−PBZモノマーと上記一般式(II)で表さ
れるBB−PBZモノマーとを脱水重縮合してなるポリ
マーである。
は上記一般式(I)で表され、当該一般式(I)におい
て、Arは四価の芳香族有機残基であり、例えば、ベン
ゼンテトライル基、ビフェニルテトライル基等が挙げら
れ、中でも特にベンゼンテトライル基が好ましい。Xは
O、SまたはNHである。
モノマーの具体例としては、4,6−ジアミノレゾルシ
ノール、2,4−ジアミノ−1,5−ベンゼンジチオー
ル、2,5−ジアミノ−1,4−ベンゼンジチオール、
1,2,4,5−テトラアミノベンゼン、3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラミン等が挙げられる。ま
た、これらのモノマーの塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の
無機酸塩を使用することも可能である。
は上記一般式(II)で表され、当該一般式(II)に
おいて、Zは置換されていてもよい二価の芳香族有機残
基であり、例えば、フェニレン基、ビフェニレン基、ナ
フチレン基等が挙げられ、中でも特にフェニレン基が好
ましい。当該芳香族有機残基の置換基としては、水酸
基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコ
キシル基、ハロゲン原子またはスルホン酸基等が挙げら
れる。これら置換基は1つでもそれ以上でもよい。
から誘導される上記一般式(I)のAA−PBZモノマ
ー中の−XHと反応し得る基であり、具体的には、カル
ボキシル基、カルボン酸エステル基、カルボン酸ハライ
ド基が挙げられる。
Zモノマーの具体例としては、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸等のジカルボン酸;テレフタル酸
ジクロライド、イソフタル酸ジクロライド、4,4’−
ビフェニルジカルボン酸ジクロライド、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸ジクロライド等のジカルボン酸ジハラ
イド;テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、
4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジメチル、2,6−
ナフタレンジカルボン酸ジメチル等のジカルボン酸ジエ
ステル等が挙げられる。
は、ポリパラフェニレンベンゾビスチアゾール、ポリパ
ラフェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリパラフェニ
レンベンゾビスイミダゾール等の他に、下記一般式
(1)〜(3)で表される繰り返し単位を有するポリマ
ーが挙げられる。これらの繰り返し単位は1種のみでも
2種以上であってもよい。
(4)〜(7)が挙げられる。
もよく、それぞれ水素原子、水酸基、炭素数1〜4のア
ルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、ハロゲン原
子またはスルホン酸基等を表す。)
合体であってもよく、その形態はランダム、シーケンシ
ャルあるいはブロックのいずれでもよい。また、50重
量%を超えない範囲でポリアラミドまたはポリイミドと
共重合しても良い。
の点から、ポリベンザゾールとして、ポリパラフェニレ
ンベンゾビスチアゾール、ポリパラフェニレンベンゾビ
スオキサゾール、ポリパラフェニレンベンゾビスイミダ
ゾールが好ましい。
平均重合度は、好ましくは30以上であり、より好まし
くは100以上、特に好ましくは200以上である。数
平均重合度が30未満であると、高強度、高弾性率の繊
維やフィルムを得ることができないおそれがあり、好ま
しくない。なお、数平均重合度は、ポリマーをメタンス
ルホン酸に溶解し、強アニオン交換樹脂カラムを用いた
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより決定す
ることができる。
限粘度は、メタンスルホン酸中で25℃で測定した場
合、好ましくは10dl/g以上、より好ましくは15
dl/g以上、特に好ましくは20dl/g以上であ
る。極限粘度が10dl/g未満であると、高強度、高
弾性率の繊維やフィルムを得ることができないおそれが
あり、好ましくない。
サゾールの場合、例えば、4,6−ジアミノレゾルシノ
ールと芳香族ジカルボン酸またはその誘導体と反応させ
ることにより、ポリベンゾビスチアゾールの場合、例え
ば、2,5−ジアミノ−1,4−ベンゼンジチオールと
芳香族ジカルボン酸またはその誘導体と反応させること
により、ポリベンゾビスイミダゾールの場合、例えば、
1,2,4,5−テトラアミノベンゼンと芳香族ジカル
ボン酸またはその誘導体と反応させることにより、それ
ぞれ製造される。
リンを加えたポリリン酸中で行われる。通常、ポリリン
酸の濃度はリン酸換算で110〜130重量%のものが
反応に用いられる。ポリマードープに好ましいポリリン
酸の最終的な濃度は105〜120重量%であり、より
好ましくは112〜118重量%、さらに好ましくは1
15〜117重量%である。
的特性を発現させるために、ポリマードープは液晶性を
示すことが必要である。そのためには、ポリマー濃度は
約7重量%以上、より好ましくは10重量%以上、さら
に好ましくは14重量%以上が好適である。最大ポリマ
ー濃度はポリマーの溶解度やドープ粘度によって実施可
能性の制約を受けるため、ポリマー濃度30重量%以上
のドープを用いることはほとんど無く、通常20重量%
以下の濃度のドープを使用する場合がほとんどである。
付近から漸次温度を上げていき、最終的には200℃以
上の温度で反応させ、目的とする重合度まで達した時点
で直ちに温度を180℃以下に下げ、反応がそれ以上進
行しないようにする。反応温度を230℃以上に上げる
ことは、ポリマーの劣化を招くだけでなく、装置の腐食
も進むため、好ましくない。反応時間は温度に依存する
が、おおよそ、70〜130℃で2〜5時間、150℃
〜180℃で2〜8時間、180〜210℃で1時間程
度である。
予めAA−PBZモノマーとBB−PBZモノマーのモ
ル比のいずれか一方を過剰に仕込む方法、もしくはその
後に不足分のモノマーを追加して調整する方法;o−ア
ミノフェノールや安息香酸等の末端封鎖剤を用いる方
法;軸トルク等でポリマードープの粘度を観察し(この
ポリマードープの粘度によりポリマーの重合度がわか
る)、所望の重合度に到達した時点で、温度を下げて反
応を実質的に停止する方法;等があり、これらの方法を
組み合わせて使用してもよい。
応のBB−PBZモノマーの残留量とは、ポリベンザゾ
ールの重量と未反応のBB−PBZモノマーの残留重量
の合計量に対する割合をいう。
0.010重量%以下のポリベンザゾールは、上記の所
望の重合度を得るための方法で挙げた方法に加えて、以
下の方法により得られる。即ち、ポリベンゾビスオキサ
ゾールの場合は、例えば、4,6−ジアミノレゾルシノ
ールを芳香族ジカルボン酸またはその誘導体よりも0.
1〜1.0モル%過剰に用い、ポリベンゾビスチアゾー
ルの場合は、例えば、2,5−ジアミノ−1,4−ベン
ゼンジチオールを芳香族ジカルボン酸またはその誘導体
よりも0.1〜1.0モル%過剰に用い、ポリベンゾビ
スイミダゾールの場合は、例えば、1,2,4,5−テ
トラアミノベンゼンを芳香族ジカルボン酸またはその誘
導体よりも0.1〜1.0モル%過剰に用い、かつ20
0℃以上の温度で5分以上反応させ、重合反応終了後、
減圧により未反応のBB−PBZモノマーを除くことに
よって得られる。BB−PBZモノマーが昇華性である
場合には、180℃以上で数分間〜数10分間ホールド
し、二軸の混練機のような高剪断場で表面更新を盛んに
行って除去することもできる。
ち、重合反応を2段階に分け、まず、第1段階では、A
A−PBZモノマーをBB−PBZモノマーよりも2.
0−5.0モル%過剰に用いて、低重合度のポリベンザ
ゾールのオリゴマーを得る。次いで、第2段階で、この
オリゴマーと、メジアン径3μm以下のBB−PBZモ
ノマーをポリリン酸に十分に分散させたBB−PBZモ
ノマーのスラリーとを、単軸または多軸押出機に連続的
に供給する。押出機中で190〜230℃で5〜30分
間滞留させて反応させることにより、BB−PBZモノ
マーの残留量が0.010重量%以下のポリベンザゾー
ルのポリマードープが得られる。ここで、BB−PBZ
モノマーのスラリーは、115重量%以上のポリリン酸
に真空下で24時間以上攪拌して分散させたものであ
り、固形分濃度は3−15重量%、スラリー粘度は50
〜500poise(60℃における)であることが好まし
い。この範囲を外れると、押出機中での上記オリゴマー
との混合が不十分となったり、BB−PBZモノマーの
残留量が多くなってしまうおそれがある。
ザゾールの特徴は、未反応のBB−PBZモノマーの残
留量が0.010重量%以下、好ましくは0.005重
量%以下、より好ましくは0.001重量%以下であ
る。この残留量が0.010重量%を超えると、高速で
かつ単糸デニールが小さい条件で繊維化した際に、糸切
れが生じて安定に生産することができない。
影響はほとんどない。0.1重量%程度残存した場合で
も、BB−PBZモノマーの残留量が0.010重量%
以下であれば、高速でかつ単糸デニールが小さい条件で
繊維化した際に、糸切れが生じることはない。
関しては多数の特許が提案されており、4,6−ジアミ
ノレゾルシノールを用いて得られるポリベンゾアゾール
ポリマーおよびコポリマーも、従来公知の方法、例え
ば、米国特許5296185号、米国特許529439
0号により製造することができる。
ラフェニレンベンゾビスオキサゾールを例に挙げて製造
方法を具体的に説明する。
塩、微粉化された、特に好ましくはメジアン径が3μm
以下のテレフタル酸、116重量%のポリリン酸および
五酸化リンをリボン型の攪拌翼を備えた槽型の反応器に
仕込む。この際、ポリマー濃度は14重量%となるよう
に、また反応終了後のポリリン酸の濃度が116重量%
になるように各原料の仕込み量を調整し、さらに、4,
6−ジアミノレゾルシノール2塩酸塩を微粉化されたテ
レフタル酸に比べ、0.1〜0.5モル%過剰となるよ
うに調整する。
70℃から徐々に温度を上げて、160℃程度で5〜8
時間反応させる。さらに反応を進行させるために、2軸
の混練機の様な強力な剪断力を持つ反応器に供給する。
温度を210℃まで上げて反応を進め、攪拌に要する軸
トルクによりポリマードープの粘度を観察し(このポリ
マードープの粘度によりポリマーの重合度がわかる)、
所望の重合度に到達した時点で、直ちに温度を170〜
180℃まで下げる。温度を170〜180℃に保った
まま、10mmHg以下に系を減圧し、残留している未
反応のテレフタル酸を反応系から除いて、ポリパラフェ
ニレンベンゾビスオキサゾールのポリマードープを得
る。
レゾルシノール2塩酸塩を、微粉化された、特に好まし
くはメジアン径が3μm以下のテレフタル酸に比べ、
2.0〜5.0モル%過剰となるように、4,6−ジア
ミノレゾルシノール2塩酸塩、微粉化されたテレフタル
酸を、上記と同様に、116重量%のポリリン酸および
五酸化リンと共に、リボン型の攪拌翼を備えた槽型の反
応器に仕込む。上記各原料を仕込んだ後、攪拌しながら
約70℃から徐々に温度を上げて、160℃程度で5〜
10時間反応させて、ポリパラフェニレンベンゾビスオ
キサゾールのオリゴマーを得る。このオリゴマーと、メ
ジアン径約2.0μmの超微粉化したテレフタル酸を約
116重量%ポリリン酸中に約10重量%となるように
分散させたスラリーであって、真空下で24時間以上攪
拌した、粘度160poise(60℃における)のテレフ
タル酸スラリーとを、二軸押出機に供給する。二軸押出
機を190〜220℃に加熱して反応を完結させて、ポ
リパラフェニレンベンゾビスオキサゾールのポリマード
ープを得る。
おけるポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール中の
未反応のテレフタル酸の残留量は0.010重量%以下
となる。
を、紡糸部に供給し、直径0.1〜0.3mmの紡糸口
金から通常100℃以上の温度で非凝固性の気体中、例
えば、窒素中に吐出する。吐出されたドープ糸条(ポリ
リン酸を抽出する前の状態にある糸条)は、ゴデットロ
ールなどの応力隔離装置により200m/min以上の
一定の速度で引き取られ、非凝固性の気体中で延伸され
る。
条は、水系もしくはアルコール系の溶液が用いられた凝
固浴に導かれる。凝固浴を通過した糸条はゴデットロー
ルを通過し、最終的に水、メタノール等の抽出浴中にお
いて、糸条が含有するリン酸が1.0重量%以下、好ま
しくは0.5重量%以下となるまで洗浄される。さらに
水酸化ナトリウム水溶液などで中和、次いで水洗され
る。
た乾燥機により乾燥される。かくして得られる繊維は、
好ましくは35g/d以上、より好ましくは40g/d
以上の十分な引張強度と、好ましくは1000g/d以
上、より好ましくは1100g/d以上の十分な高引張
弾性率を有している。また、この紡糸の工程中、糸切れ
の発生頻度は好ましくは1件/10万m以下、より好ま
しくは1件/20万m以下である。なお、本発明でいう
「繊維」とは、マルチフィラメント、ステープルファイ
バーおよびモノフィラメントを含む。
説明するが、本発明は実施例により限定されるものでは
ない。尚、実施例中、ポリベンザゾールポリマーの極限
粘度はメタンスルホン酸を溶媒として、25℃で測定し
た値である。未反応のBB−PBZモノマーの残留量
は、ポリマーをメタンスルホン酸に溶解した後、水とヘ
キサフルオロイソプロパノールの混合溶媒で低分子量物
を抽出し、高速液体クロマトグラフィーで定量した。ま
た、ポリベンザゾールの数平均重合度は、ポリマーをメ
タンスルホン酸に溶解し、強アニオン交換樹脂カラムを
用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより
決定した。また、引張強度および引張弾性率は、JIS
L 1096に従って測定した(温度20℃、湿度6
5%RH、チャック間距離20cm、引張速度20cm
/min)。
下、五酸化二リン14.49kgを加えた後、4,6−
ジアミノレゾルシノール2塩酸塩9.10kg、および
メジアン径2μmの微粉化したテレフタル酸7.05k
gを加え、70℃で槽型反応器内で1時間攪拌混合し
た。4時間かけて150℃にまで温度を上げ、さらに1
0時間加熱混合した後、210℃に加熱した単軸の押出
機にギヤポンプで供給した。押出機から吐出されたドー
プを180℃に冷却しながら、ベントラインを備えた2
軸押出機に供給し、ベントラインから減圧にして未反応
モノマーを除いた。こうして得られたシス−ポリパラフ
ェニレンベンゾビスオキサゾールのポリマードープ中の
ポリマーの極限粘度は30dl/gであり、数平均重合
度は440であった。また、未反応のBB−PBZモノ
マーであるテレフタル酸の残留量は、ポリマー中0.0
02重量%であった。
0kgを、温度を170℃に保ち、押出機よりギアポン
プに送液して、孔径0.20mm、孔数116を有する
紡糸口金から170℃で紡出し、温度60℃の冷却風を
用いて吐出糸条を冷却した後、リン酸水溶液に接触させ
て、600m/minの速度でゴデットロールで引き取
った。こうして得られた糸条を、含有するリン酸が0.
5重量%となるまで洗浄し、水酸化ナトリウム水溶液で
中和した後、さらに水洗して200℃で乾燥した。得ら
れた糸の引張強度は38g/d、引張弾性率は1034
g/dであった。この紡糸の工程中糸切れの発生は平均
1件/160万mであった。
下、五酸化二リン14.49kgを加えた後、2,5−
ジアミノ−1,4−ベンゼンジチオール2塩酸塩10.
47kg、微粉化した4,4’−ビフェニルジカルボン
酸5.15kg、およびメジアン径2.2μmの微粉化
したテレフタル酸3.53kgを加え、70℃で槽型反
応器内で、1時間攪拌混合した。6時間かけて150℃
にまで温度を上げ、さらに12時間加熱混合した後、2
15℃に加熱した単軸の押出機にギヤポンプで供給し
た。押出機から吐出されたドープを180℃に冷却しな
がら、ベントラインを備えた2軸押出機に供給し、ベン
トラインから減圧にして未反応モノマーを除いた。こう
して得られたトランス−ポリパラビフェニレンベンゾビ
スチアゾールとトランス−ポリパラフェニレンベンゾビ
スチアゾールの共重合ポリマードープ中のポリマーの極
限粘度は30dl/gであり、数平均重合度は420で
あった。また、未反応のBB−PBZモノマーである
4,4’−ビフェニルジカルボン酸とテレフタル酸の残
留量は合わせてポリマー中0.001重量%であった。
0kgを、実施例1と同様に紡糸した。得られた糸の引
張強度は41g/d、引張弾性率は1081g/dであ
った。この紡糸の工程中糸切れの発生は平均1件/12
5万mであった。
下、五酸化二リン7.25kgを加えた後、2,5−ジ
アミノ−1,4−ベンゼンジチオール2塩酸塩5.24
kg、およびメジアン径2.2μmの微粉化したテレフ
タル酸3.20kgを加え、70℃で槽型反応器内で、
1時間攪拌混合した。6時間かけて150℃にまで温度
を上げ、さらに12時間加熱混合してトランス−ポリパ
ラフェニレンベンゾビスチアゾールのオリゴマーのドー
プを得た。一方で、116%のポリリン酸21.93k
gに窒素気流下、五酸化二リン7.25kgを加えた
後、4,6−ジアミノレゾルシノール2塩酸塩4.50
kgおよび4,4’−ビフェニルジカルボン酸4.80
kgを加え、70℃で槽型反応器内で、1時間攪拌混合
した。6時間かけて150℃にまで温度を上げ、さらに
12時間加熱混合してシス−ポリパラビフェニレンベン
ゾビスオキサゾールのオリゴマーのドープを得た。
したテレフタル酸0.70kgを150℃の槽型反応器
で1時間混合した後、215℃に加熱した単軸の押出機
にギヤポンプで供給した。押出機から吐出されたドープ
を180℃に冷却しながら、ベントラインを備えた2軸
押出機に供給し、ベントラインから減圧にして未反応モ
ノマーを除いた。こうして得られたトランス−ポリパラ
フェニレンベンゾビスチアゾールとシス−ポリパラビフ
ェニレンベンゾビスオキサゾールとのブロックコポリマ
ーのドープ中のポリマーの極限粘度は28dl/gであ
り、数平均重合度は390であった。また、未反応のB
B−PBZモノマーであるテレフタル酸と4,4’−ビ
フェニルジカルボン酸の残留量は合わせてポリマー中
0.004重量%であった。
0kgを、実施例1と同様に紡糸した。得られた糸の引
張強度は42g/d、引張弾性率は1081g/dであ
った。この紡糸の工程中糸切れの発生は平均1件/60
万mであった。
下、五酸化二リン14.49kgを加えた後、4,6−
ジアミノレゾルシノール2塩酸塩9.10kg、および
メジアン径3.0μmの微粉化したテレフタル酸6.8
7kgを加え、60℃で槽型反応器内で1時間攪拌混合
した。6時間かけて160℃にまで温度を上げ、さらに
10時間加熱混合して、シス−ポリパラフェニレンベン
ゾビスオキサゾールのオリゴマーを得た。
粉化したテレフタル酸7.30kgと116重量%ポリ
リン酸90.00kgを、リボン型の攪拌翼を備えた槽
型反応器に仕込み、60℃で48時間、1mmHg未満
の真空下で攪拌し分散させてテレフタル酸スラリーを得
た。このスラリー粘度は60℃で230poiseであっ
た。
スオキサゾールのオリゴマーのドープとテレフタル酸ス
ラリーとを210℃に加熱した二軸押出機に連続的に供
給して、シス−ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾ
ールのポリマードープを得た。ここで、ポリマードープ
の粘度は、押出機の先端圧で粘度を検出しながら、供給
するテレフタル酸スラリー量を調整することにより、調
整し、よって所望のポリマーの重合度とした。こうして
得られたシス−ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾ
ールのポリマードープ中のポリマーの極限粘度は29d
l/gであり、数平均重合度は410であった。また、
未反応のBB−PBZモノマーであるテレフタル酸の残
留量は、ポリマー中0.001重量%であった。
0kgを用いて、実施例1と同様の方法により紡糸して
糸を得た。得られた糸の引張強度は45g/d、引張弾
性率は1220g/dであった。この紡糸の工程中糸切
れの発生は平均1件/100万mであった。
下、五酸化二リン14.49kgを加えた後、4,6−
ジアミノレゾルシノール2塩酸塩9.10kg、および
メジアン径2μmの微粉化したテレフタル酸7.06k
gを加え、70℃で槽型反応器内で、1時間攪拌混合し
た。4時間かけて150℃にまで温度を上げ、さらに1
0時間加熱混合した後、210℃に加熱した単軸の押出
機にギヤポンプで供給した。こうして得られたシス−ポ
リパラフェニレンベンゾビスオキサゾールのポリマード
ープ中のポリマーの極限粘度32dl/gであり、数平
均重合度は460であった。また、未反応のBB−PB
Zモノマーであるテレフタル酸の残留量はポリマー中
0.024重量%であった。
200kgを実施例1と同様に紡糸した。得られた糸の
引張強度は40g/d、引張弾性率は1041g/dで
あったが、紡糸工程中の糸切れ発生件数は1件/6万m
であった。
ベンゾビスチアゾールのオリゴマーのドープとシス−ポ
リパラビフェニレンベンゾビスオキサゾールのオリゴマ
ーのドープを得た。これらのオリゴマーのドープと微粉
化したメジアン径2.1μmのテレフタル酸0.65k
gを150℃の槽型反応機で1時間混合した後、210
℃に加熱した単軸の押出機にギヤポンプで供給した。こ
うして得られたトランス−ポリパラフェニレンベンゾビ
スチアゾールとシス−ポリパラビフェニレンベンゾビス
オキサゾールとのブロックコポリマーのドープ中のポリ
マーの極限粘度は34dl/gであり、数平均重合度は
450であった。また、未反応のBB−PBZモノマー
であるテレフタル酸と4,4’−ビフェニルジカルボン
酸の残留量は合わせてポリマー中0.026重量%であ
った。
300kgを実施例1と同様に紡糸した。得られた糸の
引張強度は27g/d、引張弾性率は1012g/dで
あったが、紡糸工程中の糸切れ発生件数は平均1件/4
万mであった。
フタル酸の代わりに、メジアン径が6.0μmのテレフ
タル酸を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてポ
リマードープを得た。得られたポリマーの極限粘度は2
2dl/gであり、数平均重合度は320であった。ま
た、未反応のBB−PBZモノマーであるテレフタル酸
の残留量はポリマー中0.085重量%であった。
て得られた糸の引張強度は32g/d、引張弾性率は1
010g/dであったが、紡糸工程中の糸切れ発生件数
は平均1件/1万mであった。
よれば、ポリベンザゾール中の未反応のBB−PBZモ
ノマーの残留量が0.010量%以下であるので、この
ようなポリベンザゾールを成形して得られたポリベンザ
ゾール繊維は、高速でかつ単糸デニールが小さい条件で
も、製造工程中に糸切れがなく安定に生産することがで
きる。
Claims (9)
- 【請求項1】 下記一般式(I)で表されるAA−PB
Zモノマーと下記一般式(II)で表されるBB−PB
Zモノマーとを脱水重縮合してなり、かつBB−PBZ
モノマーの残留量が0.010重量%以下であるポリベ
ンザゾール。 【化1】 (式中、Arは四価の芳香族有機残基を示し、XはO、
SまたはNHを示す。) 【化2】 (式中、Zは置換されていてもよい二価の芳香族有機残
基を示し、Wはカルボキシル基またはカルボキシル基か
ら誘導されるAA−PBZモノマー中の−XHと反応し
得る基を示す。) - 【請求項2】 AA−PBZモノマーが4,6−ジアミ
ノレゾルシノールである、請求項1記載のポリベンザゾ
ール。 - 【請求項3】 BB−PBZモノマーがテレフタル酸で
ある、請求項1記載のポリベンザゾール。 - 【請求項4】 ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾ
ールである、請求項1記載のポリベンザゾール。 - 【請求項5】 BB−PBZモノマーの残留量が0.0
05重量%以下である、請求項1記載のポリベンザゾー
ル。 - 【請求項6】 数平均重合度が30以上である、請求項
1記載のポリベンザゾール。 - 【請求項7】 数平均重合度が200以上である、請求
項1記載のポリベンザゾール。 - 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載のポリベ
ンザゾールを成形してなる繊維。 - 【請求項9】 引張強度が35g/d以上である、請求
項8記載の繊維。
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