JP2001226484A - 有機絶縁膜材料、有機絶縁膜及びその製造方法 - Google Patents

有機絶縁膜材料、有機絶縁膜及びその製造方法

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JP2001226484A
JP2001226484A JP2000038767A JP2000038767A JP2001226484A JP 2001226484 A JP2001226484 A JP 2001226484A JP 2000038767 A JP2000038767 A JP 2000038767A JP 2000038767 A JP2000038767 A JP 2000038767A JP 2001226484 A JP2001226484 A JP 2001226484A
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JP2000038767A
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Masahiro Tada
昌弘 多田
Mitsumoto Murayama
三素 村山
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は電気特性、熱特性、低吸水性に優れ
た有機絶縁膜材料、有機絶縁膜及び製造方法を提供する
事を目的とする。 【解決手段】 一般式(1)で表される構造単位を有す
るポリベンゾオキサゾール樹脂とオリゴマーとを反応さ
せた共重合体からなる有機絶縁膜材料、およびこれを用
いた一般式(1)で表される構造単位を有するするポリ
ベンゾオキサゾール樹脂層が微細孔を有してなることを
特徴とする有機絶縁膜。 【化1】 (但し、一般式(1)中のnは2〜1000の整数を示
す。Xは4価及びYは2価の有機基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気特性、熱特
性、機械特性及び物理特性に優れた有機絶縁膜材料及び
有機絶縁膜に関するものであり、半導体用の層間絶縁
膜、保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張
板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜な
どとして適用できる。
【0002】
【従来の技術】半導体材料には、必要とされる特性に応
じて無機系材料、有機系材料などの材料が、様々な部分
で用いられている。例えば、半導体用の層間絶縁膜とし
ては、化学気相法で作製した二酸化シリコン等の無機の
絶縁膜が使用されている。しかしながら、近年の半導体
の高機能化、高性能化に伴い、二酸化シリコン等の無機
絶縁膜では、誘電率、吸水率が高いこと等が問題となっ
ている。この改良手段のひとつとして、有機材料の適用
が検討されつつある。
【0003】半導体用途の有機材料としては、耐熱性、
機械特性などの優れたポリイミド樹脂が挙げられ、ソル
ダーレジスト、カバーレイ、液晶配向膜などに用いられ
ている。しかしながら、一般にポリイミド樹脂は、イミ
ド環にカルボニル基を2個有していることから、電気特
性、耐吸水性に問題がある。これらの問題に対して、フ
ッ素ならびにトリフルオロメチル基を高分子内に導入す
ることにより、電気特性と耐吸水性、耐熱性を改良する
ことも試みられているが、現時点での要求には対応し得
ない。
【0004】このような事から、ポリイミド樹脂に比べ
て、電気特性、耐吸水性に関して優れた性能を示すポリ
ベンゾオキサゾール樹脂を半導体用途の絶縁材料に適用
することが試みられている。ポリベンゾオキサゾール樹
脂は、電気特性、熱特性、物理特性のいずれかの特性の
みを満足することは容易であり、例えば、4,4'−ジ
アミノ−3,3'−ジヒドロキシビフェニルとテレフタ
ル酸からなるポリベンゾオキサゾール樹脂は、非常に優
れた耐熱分解性、高Tg等の耐熱性を有するが、一方、
誘電率、誘電正接等の電気特性は満足しない。また、
2,2−ビス (3− アミノ−4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパンとテレフタル酸からなるポ
リベンゾオキサゾール樹脂は、低誘電率等の良好な電気
特性を示すが、耐熱性等は好ましくない。近年、さらに
誘電率が2.5を下回るような低誘電率材料が期待され
ており、この要求を満たし、かつ他の電気特性、熱特
性、及び物理特性もすぐれた樹脂は得られていないのが
現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電気特性、
熱特性及び物理特性に優れた有機絶縁膜材料、有機絶縁
膜及びその製造方法を提供する事を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
の問題点を鑑み、鋭意検討を重ねた結果、一般式(1)
で表される構造単位を有するポリベンゾオキサゾール樹
脂とオリゴマーとを反応させた共重合体を含んでなる有
機絶縁膜材料を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、(a)〜(h)項に記載の通り
である。
【0008】(a) 一般式(1)で表される構造単位
を有するポリベンゾオキサゾール樹脂の末端のカルボキ
シル基とアミノ基を有するオリゴマーとを反応させた共
重合体を含んでなる有機絶縁膜材料。
【0009】
【化2】
【0010】(但し、一般式(1)中のnは2〜100
0の整数を示す。Xは4価及びYは2価の有機基を表
す。)
【0011】(b) アミノ基を有するオリゴマーの繰
り返し単位の骨格がプロピレンオキサイド、エチレンオ
キサイド、メチルメタクリレート、スチレン及びカーボ
ナートからなる群から選ばれてなる前記(a)項に記載
の有機絶縁膜材料。
【0012】(c) アミノ基を有するオリゴマーの分
子量が100〜10000である前記(a)項又は
(b)項に記載の有機絶縁膜材料。
【0013】(d) アミノ基を有するオリゴマーが一
般式(1)で表される構造単位を有するポリベンゾオキ
サゾール樹脂に対し5〜40%の重量比でポリベンゾオ
キサゾール末端のカルボキシル基と反応していることを
特徴とする前記(a)、(b)又は(c)項に記載の有
機絶縁膜材料。
【0014】(e) 前記(a)〜(d)項のいずれか
1項に記載の有機絶縁膜材料を用いて得られる一般式
(1)で表される構造単位を有するポリベンゾオキサゾ
ール樹脂層が微細孔を有してなることを特徴とする有機
絶縁膜。
【0015】(f) 前記(a)〜(d)項のいずれか
1項に記載の有機絶縁膜材料により成膜した後、加熱す
ることによりオリゴマーを熱分解及び気化にて揮散さ
せ、微細孔を有する一般式(1)で表される構造単位を
有するポリベンゾオキサゾール樹脂層を得ることを特徴
とする有機絶縁膜の製造方法。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の有機絶縁膜材料は、一般
式(1)で表される構造単位を有するポリベンゾオキサ
ゾール樹脂の末端のカルボキシル基とアミノ基を有する
オリゴマーとを反応させた共重合体を含んでなるもので
あり、本発明の有機絶縁膜は、一般式(1)で表される
構造単位を有するポリベンゾオキサゾール樹脂により形
成される樹脂層が微細孔を有することを特徴とするもの
で、微細孔により樹脂層全体の誘電率を低減させるもの
である。
【0017】本発明の有機絶縁膜において、樹脂層が有
する微細孔は、その直径が50nm以下のものであり、
好ましくは、10nm以下、更に好ましくは、5nm以
下のものである。また、本発明において、微細孔は、前
記ポリベンゾオキサーゾル樹脂膜に含まれるオリゴマー
を熱分解により揮散させて形成するが、共重合体におい
て、一般式(1)で表される構造単位を有するポリベン
ゾオキサゾール樹脂に対し、オリゴマーが5〜40%の
重量比の割合で、反応していることが好ましい。
【0018】本発明に用いる前記共重合体の反応に用い
る一般式(1)で表される構造単位を有するポリベンゾ
オキサゾール樹脂は、4価のアミノフェノール化合物と
2価のカルボン酸とを反応させて合成することにより得
られ、少なくとも一方の末端にカルボキシル基を有して
いれば良い。
【0019】4価のアミノフェノール化合物としては、
一般式(2)で表される通りであり、例えば3,3’−
ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,
4' −ジアミノ−3,3'−ジヒドロキシビフェニル、
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−
ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2
−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサ
フルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ヒ
ドロキシフェニル)テトラフルオロベンゼン、4,4’
−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)オクタ
フルオロビフェニル、2,2−ビス(3−アミノ−4−
ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサ
フルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒ
ドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒド
ロキシ−5−ペンタフルオロエチルフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン、2−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−
5−トリフルオロメチルフェニル)−2−(3−アミノ
−4−ヒドロキシ−5−ペンタフルオロエチルフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパンなどを挙げることができる
が、必ずしもこれらに限られるものではない。また2種
以上のアミノフェノールを組み合わせて使用することも
可能である。
【0020】
【化3】
【0021】(式(2)中、Xは4価の有機基を表す)
【0022】2価のカルボン酸については、一般式
(3)で表される通りであり、例えばイソフタル酸、テ
レフタル酸、3−フルオロイソフタル酸、2−フルオロ
イソフタル酸、3−フルオロフタル酸、2−フルオロフ
タル酸、2−フルオロテレフタル酸、2,4,5,6−
テトラフルオロイソフタル酸、3,4,5,6−テトラ
フルオロフタル酸、4,4’−ヘキサフルオロイソプロ
ピリデンジフェニル−1,1'−ジカルボン酸、パーフ
ルオロスベリン酸、2,2’−ビス(トリフルオロメチ
ル)−4,4’−ビフェニレンジカルボン酸、4,4’
−オキシジフェニル−1,1’−ジカルボン酸などが挙
げられるが、必ずしもこれらに限られるものではない。
また2種以上のカルボン酸を組み合わせて使用すること
も可能である。
【0023】
【化4】
【0024】(式(3)中、Yは2価の有機基を表す)
【0025】本発明で用いるオリゴマーは、一般的な方
法で、末端にアミノ基を導入したもので、一般式(1)
で表される構造単位を有するポリベンゾオキサゾール樹
脂の末端のカルボキシル基に反応させた後に、熱分解し
て揮散させ得る温度が、一般式(1)で表される構造単
位を有するポリベンゾオキサゾール樹脂の熱分解温度よ
りも低いオリゴマーであれば良く、さらに一般式(1)
で表される構造単位を有するポリベンゾオキサゾール樹
脂のガラス転移温度よりも低いオリゴマーであれば、よ
り好ましい。例えば、該オリゴマーの骨格がプロピレン
オキサイド、エチレンオキサイド、メチルメタクリレー
ト、スチレン及びカーボナート等の繰り返し単位からな
るアミノ基を有するオリゴマーなどが挙げられる。
【0026】該オリゴマーは、分子量が100〜100
00の範囲のものが好ましい。分子量が100未満であ
ると誘電率が目的とするレベルまで低くできず、また分
子量が10000を越えるものでは空隙が大きくなりす
ぎて、膜の機械的強度が低くなったり、膜表面に達する
連続気泡ができる等の問題が発生する。
【0027】該オリゴマーの加熱分解前は、ポリベンゾ
オキサゾール樹脂に対して該オリゴマーが5〜40%の
重量比でポリベンゾオキサゾール樹脂のカルボキシル基
末端と反応していることが望ましい。重量比が5%未満
であると誘電率が目的とするレベルまで低くできず、ま
た重量比が40%を越えると、空隙が多くなりすぎて、
機械的強度が低くなったり絶縁膜表面に連続気泡ができ
たり熱的特性にも悪影響がでる等の問題が発生する。
【0028】一般にポリベンゾオキサゾール樹脂の合成
法には、大きく分けて2通り有り、ポリベンゾキサゾー
ルの前駆体であるポリヒドロキシアミドを経由し加熱閉
環させる間接重縮合法と、ポリヒドロキシアミドを経由
せずに化学的に重合と同時に閉環させる直接重縮合法と
がある。本発明に用いるポリベンゾオキサゾール樹脂の
合成方法は後記の直接重縮合法で行われる。間接重合法
では、ポリヒドロキシアミドを閉環型のポリベンゾオキ
サゾール樹脂にする場合、好ましくは300℃以上の高
温で30分以上の加熱処理が必要である。これよりも低
温、および短時間で加熱処理した場合はポリヒドロキシ
アミドの閉環が完全には起こらず、誘電率の上昇や耐熱
性の低下などの問題が発生する。またオリゴマーの熱分
解での揮散により樹脂中に微細孔を形成する際も、ポリ
ヒドロキシアミドの加熱閉環時にオリゴマーが分解する
と樹脂中の微細孔の比率が低くなり、低誘電率化の効果
が低減されるという問題が発生する。
【0029】本発明に用いるポリベンゾオキサゾール樹
脂の直接重合法は完全に閉環されたポリベンゾオキサゾ
ールが得られるため、樹脂膜を作製する際は溶剤を除去
する程度の熱処理だけでよく、また樹脂中に微細孔を形
成する場合もポリヒドロキシアミドの加熱閉環時に分解
してしまうような熱分解温度の比較的低いオリゴマーも
利用可能であり、簡便である。
【0030】直接重縮合法によるポリベンゾオキサゾー
ル樹脂とオリゴマーとの共重合体の合成の例を挙げる
と、まず4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジ
フェニル−1,1’−ジカルボン酸と2,2−ビス
(3− アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフル
オロプロパンに五酸化リンの7.5wt%メタンスルホ
ン酸溶液であるイートン試薬(Eaton’s試薬、ア
ルドリッチ社製など)を加え、乾燥窒素雰囲気下で攪拌
しながら150℃に加熱し、そのまま24時間攪拌を続
け反応させる。続けて末端をアミノ化したオリゴマーを
加え、さらに150℃で3時間攪拌し反応させる。反応
液をアルカリ水溶液に滴下し、共重合体を析出させ、回
収後乾燥することにより、ポリベンゾオキサゾール樹脂
とオリゴマーとの共重合体からなる有機絶縁膜材料を得
ることができる。
【0031】本発明の有機絶縁膜材料は、通常、これを
溶剤に溶解し、ワニス状にして使用するのが好ましい。
溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチ
ロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、N、N−
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、
ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレング
リコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノ
メチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル
−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブ
チレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン
酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプ
ロピオネート、テトラヒドロフラン等を1種、または2
種以上混合して用いることが出来る。
【0032】本発明の有機絶縁膜の製造方法は、有機絶
縁膜材料を上記溶剤に溶解し、適当な支持体、例えばガ
ラス、金属、シリコンウエハーやセラミック基盤等に塗
布する。塗布方法としては、スピンナーを用いた回転塗
布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、
ロールコーティング等が挙げられる。このようにして、
塗膜を形成した後、オリゴマーが分解しない温度、例え
ば250℃程度の温度で窒素雰囲気下で加熱処理をし
て、溶剤を揮散させ、この樹脂層を更に窒素または空気
雰囲気下でオリゴマーの分解温度以上の温度で加熱する
ことによりオリゴマーを熱分解及び気化、揮散させ微細
孔を形成することが好ましい。
【0033】必要により有機絶縁膜材料のワニスに各種
添加剤として、界面活性剤やカップリング剤等を添加
し、半導体用層間絶縁膜、保護膜、多層回路の層間絶縁
膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジ
スト膜、液晶配向膜等として用いることができる。
【0034】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
るが、実施例の内容になんら限定されるものではない。
以下、部は重量部を示す。
【0035】(プロピレンオキサイドオリゴマー末端の
アミノ基導入) 「合成例1」オリゴマーとして分子量3000のプロピ
レンオキサイドオリゴマー(第一工業製薬株式会社製ポ
リハードナD−300)30部(9.68mmol)を
乾燥窒素雰囲気下で乾燥したテトラヒドロフラン80部
に溶解し、ピリジン1.15部(14.52mmol)
を滴下後、5℃でテトラヒドロフラン20部に4−ニト
ロ安息香酸クロリド2.63部(14.52mmol)
を溶解したものを30分かけて滴下した。滴下終了後、
室温まで戻し、室温で24時間攪拌した。その後、反応
液を濾過してピリジン塩酸塩を除去し、溶媒を濃縮して
除去することによりプロピレンオキサイドオリゴマーの
4−ニトロ安息香酸エステルを得た。このプロピレンオ
キサイドオリゴマーの4−ニトロ安息香酸エステルをテ
トラヒドロフラン100部に溶解した後、5%パラジウ
ム炭素0.5部を水素ガス雰囲気下で混合し、室温で2
4時間攪拌した。その後、反応液をセライトで濾過し、
溶媒を濃縮して除去することにより末端を4−アミノ安
息香酸エステル化したプロピレンオキサイドオリゴマー
を得た。
【0036】「合成例2」合成例1に用いた分子量30
00のプロピレンオキサイドオリゴマー30部(9.6
8mmol)に代え分子量1000のプロピレンオキサ
イドオリゴマー(第一工業製薬株式会社製)11部
(9.68mmol)を用いた以外は合成例1と同様に
して末端を4−アミノ安息香酸エステル化したプロピレ
ンオキサイドオリゴマーを得た。
【0037】「合成例3」合成例1に用いた分子量30
00のプロピレンオキサイドオリゴマー30部(9.6
8mmol)に代え分子量4000のプロピレンオキサ
イドオリゴマー(第一工業製薬株式会社製)39部
(9.68mmol)を用いた以外は合成例1と同様に
して末端を4−アミノ安息香酸エステル化したプロピレ
ンオキサイドオリゴマーを得た。
【0038】「実施例1」 (1)ポリベンゾオキサゾール樹脂の合成 2,2−ビス (3− アミノ−4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン4.14部(11.31m
mol)と4,4'−ヘキサフルオロイソプロピリデン
ジフェニル−1,1'−ジカルボン酸4.26部(1
1.65mmol)にイートン試薬(Eaton’試
薬、アルドリッチ社製)50mlを加え、乾燥窒素雰囲
気下で攪拌しながら150℃に加熱し、そのまま24時
間攪拌することによりポリベンゾオキサゾール樹脂溶液
を得た。GPCにより、前記樹脂の分子量を測定したと
ころ、スチレン換算で、数平均分子量(Mn)が2.5
X104、重量平均分子量(Mw)が3.5X104であ
った。
【0039】(2)絶縁膜材料とワニスの調整 次いで合成例1で得た4−アミノ安息香酸エステル化し
たプロピレンオキサイドオリゴマー2.00部(0.6
7mmol)を加え、さらに乾燥窒素雰囲気下で150
℃で3時間攪拌した。反応終了後、反応液を5%アンモ
ニア水溶液1500mlに滴下し、共重合体を析出さ
せ、回収後乾燥することにより絶縁膜材料を得た。これ
をテトラヒドロフランに溶解して混合し、、20重量%
の溶液とした後、0.2μmのテフロンフィルターで濾
過しワニスを得た。
【0040】(3)微細孔を有した絶縁膜の製造 上記調整により得られたワニスをスピンコーターを用い
てアルミニウムを蒸着したシリコンウエハー上に塗布し
た。このとき熱処理後の膜厚が約1μmとなるようにス
ピンコーターの回転数と時間を設定した。塗布後、10
0℃のホットプレート上で120秒間乾燥した後、窒素
を流入して酸素濃度を100ppm以下に制御したオー
ブンを用いて、250℃/60分で加熱して溶剤を揮散
させ、絶縁膜材料の被膜を得た。さらに前記の溶剤揮散
後の被膜を、空気中で250℃/10時間加熱してオリ
ゴマーを分解し、細孔を有する絶縁膜を得た。この絶縁
膜上にアルミニウムを蒸着してパターンニングを行い所
定の大きさの電極(以下、上部電極という)を形成し
た。シリコンウエハー側のアルミニウムとこの上部電極
による容量を測定し、測定後に絶縁膜の電極隣接部を酸
素プラズマによりエッチングして、表面粗さ計により膜
厚を測定することにより、周波数1MHzにおける誘電
率を算出したところ2.2であった。空気中での熱分解
処理後の絶縁膜の耐熱性をTG−DTAにより評価した
ところ窒素雰囲気での5%重量減少温度は514℃であ
った。また、この絶縁膜についてTEMで観察したとこ
ろ50nm以下の細孔ができていることを確認した。
【0041】「実施例2」実施例1のポリベンゾオキサ
ゾール樹脂の合成において用いた2,2−ビス(3−
アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
パンの4.14部(11.31mmol)を4.02部
(10.98mmol)とし、ポリベンゾオキサゾール
樹脂とオリゴマーとの反応において4−アミノ安息香酸
エステル化した分子量3000のプロピレンオキサイド
オリゴマーの2.00部(0.67mmol)を4.0
0部(1.33mmol)とする以外は、全て実施例1
と同様にして、絶縁膜材料を得て、ワニスを調整した。
GPCにより、前記樹脂の分子量を測定したところ、ス
チレン換算で、Mnが1.8X104、Mwが2.3X
104であった。このワニスを用いて実施例1と同様に
して、絶縁膜を作製し評価を行った。その結果、誘電率
は、2.1であった。5%重量減少温度は505℃であ
った。また、この絶縁膜は、50nm以下の細孔ができ
ていることを確認した。
【0042】「実施例3」実施例1のポリベンゾオキサ
ゾール樹脂の合成において用いた2,2−ビス(3−
アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
パンの4.14部(11.31mmol)を3.61部
(9.85mmol)とし、ポリベンゾオキサゾール樹
脂とオリゴマーとの反応において4−アミノ安息香酸エ
ステル化した分子量3000のプロピレンオキサイドオ
リゴマー2.00部(0.67mmol)を、合成例3
で得られた4−アミノ安息香酸エステル化した分子量1
000のプロピレンオキサイドオリゴマー3.60部
(3.6mmol)とする以外は全て実施例1と同様に
して、絶縁膜材料を得て、ワニスを調整した。GPCに
より、前記樹脂の分子量を測定したところ、スチレン換
算で、Mnが8.5X103、Mwが1.1X104であ
った。このワニスを用いて実施例1と同様にして、絶縁
膜を作製し評価を行った。その結果、誘電率は、2.0
であった。5%重量減少温度は502℃であった。ま
た、この絶縁膜は、50nm以下の細孔ができているこ
とを確認した。
【0043】「実施例4」実施例1のポリベンゾオキサ
ゾール樹脂の合成において用いた2,2−ビス(3−
アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
パン4.14部(11.31mmol)に代え4,4'
−ジアミノ−3,3'−ジヒドロキシビフェニル2.4
5部(11.31mmol)を、4,4'−ヘキサフル
オロイソプロピリデンジフェニル−1,1'−ジカルボ
ン酸4.26部(11.65mmol)に代えテレフタ
ル酸1.55部(11.65mmol)を用いた以外は
実施例1と同様にして、絶縁膜材料を得て、ワニスを調
整した。GPCにより、前記樹脂の分子量を測定したと
ころ、スチレン換算で、Mnが1.0X104、Mwが
1.4X104であった。このワニスを用いて実施例1
と同様にして、絶縁膜を作製した。その結果、誘電率
は、2.2であった。5%重量減少温度は530℃であ
った。また、この絶縁膜は、50nm以下の細孔ができ
ていることを確認した。
【0044】「実施例5」実施例1のポリベンゾオキサ
ゾール樹脂の合成において用いた2,2−ビス(3−
アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
パンの4.14部(11.31mmol)を4.58部
(10.67mmol)に代え、ポリベンゾオキサゾー
ル樹脂とオリゴマーとの反応において用いた4−アミノ
安息香酸エステル化した分子量3000のプロピレンオ
キサイドオリゴマー2.00部(0.67mmol)
を、合成例3で得られた4−アミノ安息香酸エステル化
した分子量1000のプロピレンオキサイドオリゴマー
2.00部(2.00mmol)に代えた以外は実施例
1と同様にして、絶縁膜材料を得て、ワニスを調整し
た。GPCにより、前記樹脂の分子量を測定したとこ
ろ、スチレン換算で、Mnが1.4X104、Mwが
1.7X104であった。このワニスを用いて実施例1
と同様にして、絶縁膜を作製し評価を行った。その結
果、誘電率は、2.2であった。5%重量減少温度は5
12℃であった。また、この絶縁膜は、50nm以下の
細孔ができていることを確認した。
【0045】「実施例6」実施例1のポリベンゾオキサ
ゾール樹脂の合成において用いた2,2−ビス(3−
アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
パンの4.14部(11.31mmol)を4.22部
(11.52mmol)に代え、ポリベンゾオキサゾー
ル樹脂とオリゴマーとの反応において用いた4−アミノ
安息香酸エステル化した分子量3000のプロピレンオ
キサイドオリゴマー2.00部(0.67mmol)
を、合成例4で得られた4−アミノ安息香酸エステル化
した分子量4000のプロピレンオキサイドオリゴマー
1.00部(0.25mmol)に代えた以外は実施例
1と同様にして、絶縁膜材料を得て、ワニスを調整し
た。GPCにより、前記樹脂の分子量を測定したとこ
ろ、スチレン換算で、Mnが9.8X104、Mwが
1.3X105であった。このワニスを用いて実施例1
と同様にして、絶縁膜を作製し評価を行った。その結
果、誘電率は、2.2であった。5%重量減少温度は5
10℃であった。また、この絶縁膜は、50nm以下の
細孔ができていることを確認した。
【0046】(エチレンオキサイドオリゴマー末端のア
ミノ基導入) 「合成例4」合成例1に用いた分子量3000のプロピ
レンオキサイドオリゴマー30部(9.68mmol)
を分子量3000のエチレンオキサイドオリゴマー30
部(9.68mmol)に代えた以外は合成例1と同様
にして末端を4−アミノ安息香酸エステル化したエチレ
ンオキサイドオリゴマーを得た。
【0047】「実施例7」実施例1のポリベンゾオキサ
ゾール樹脂とオリゴマーとの反応において用いた4−ア
ミノ安息香酸エステル化した分子量3000のプロピレ
ンオキサイドオリゴマーを、合成例4で得られた4−ア
ミノ安息香酸エステル化した分子量3000のエチレン
オキサイドオリゴマーに代えた以外は実施例1と同様に
して、絶縁膜材料を得て、ワニスを調整した。GPCに
より、前記樹脂の分子量を測定したところ、スチレン換
算で、Mnが2.5X104、Mwが3.5X104であ
った。このワニスを用いて実施例1と同様にして、絶縁
膜を作製した。その結果、誘電率は、2.2であった。
5%重量減少温度は512℃であった。また、この絶縁
膜は、50nm以下の細孔ができていることを確認し
た。
【0048】(カーボナートオリゴマー末端のアミノ基
導入) 「合成例5」合成例1に用いた分子量3000のプロピ
レンオキサイドオリゴマー30部(9.68mmol)
に代え分子量3000のカーボナートオリゴマー30部
(9.68mmol)を用いた以外は合成例1と同様に
して末端を4−アミノ安息香酸エステル化したカーボナ
ートオリゴマーを得た。
【0049】「実施例8」実施例1のポリベンゾオキサ
ゾール樹脂とオリゴマーとの反応において用いた4−ア
ミノ安息香酸エステル化した分子量3000のプロピレ
ンオキサイドオリゴマーを、合成例5で得られた4−ア
ミノ安息香酸エステル化した分子量3000のカーボナ
ートオリゴマーに代えた以外は実施例1と同様にして、
絶縁膜材料を得て、ワニスを調整した。GPCにより、
前記樹脂の分子量を測定したところ、スチレン換算で、
Mnが2.5X104、Mwが3.5X104であった。
このワニスを用いて実施例1と同様にして、絶縁膜を作
製した。その結果、誘電率は、2.1であった。5%重
量減少温度は508℃であった。また、この絶縁膜は、
50nm以下の細孔ができていることを確認した。
【0050】(スチレンオリゴマー合成とオリゴマー末
端のアミノ基導入) 「合成例6」スチレン10部(96mmol)を、乾燥
窒素雰囲気下で乾燥したテトラヒドロフラン100部に
溶解して−78℃まで冷却し、ここへ反応試剤としてse
c-ブチルリチウムを加えて3時間攪拌した。続けてエチ
レンエポキサイド0.044部(1.0mmol)を加
えて3時間攪拌した後メタノール3部を加え、この溶液
を濃縮して溶媒を除去したものをテトラヒドロフラン1
00部に溶解し濾過した。得られた濾液を減圧濃縮、乾
燥させることにより、末端が水酸基で分子量9600の
スチレンオリゴマーを得た。
【0051】合成例1に用いた分子量3000のプロピ
レンオキサイドオリゴマー30部(9.68mmol)
に代え上記合成により得られた分子量9600のスチレ
ンオリゴマー93部(9.68mmol)を用いた以外
は合成例1と同様にして、末端を4−アミノ安息香酸エ
ステル化した分子量9600のスチレンオリゴマーを得
た。
【0052】「実施例9」実施例1のポリベンゾオキサ
ゾール樹脂とオリゴマーとの反応において用いた2,2
−ビス (3− アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキ
サフルオロプロパンの4.14部(11.31mmo
l)を4.23部(11.55mmol)に代え、ポリ
ベンゾオキサゾール樹脂とオリゴマーとの反応において
用いた4−アミノ安息香酸エステル化した分子量300
0のプロピレンオキサイドオリゴマー2.00部(0.
67mmol)を、合成例6で得られた4−アミノ安息
香酸エステル化した分子量9600のスチレンオリゴマ
ー2.00部(0.21mmol)に代えた以外は実施
例1と同様にして、絶縁膜材料を得て、ワニスを調整し
た。GPCにより、前記樹脂の分子量を測定したとこ
ろ、スチレン換算で、Mnが1.0X105、Mwが
1.3X105であった。このワニスを用いて実施例1
と同様にして、絶縁膜を作製した。その結果、誘電率
は、2.1であった。5%重量減少温度は507℃であ
った。また、この絶縁膜は、50nm以下の細孔ができ
ていることを確認した。
【0053】(メチルメタクリレートオリゴマー合成と
オリゴマー末端のアミノ基導入) 「合成例7」合成例6のオリゴマー合成において用いた
スチレン10部(96mmol)をメチルメタクリレー
ト10部(96mmol)を用いた以外は、合成例6と
同様にオリゴマーを合成して末端を4−アミノ安息香酸
エステル化した分子量9600のメチルメタクリレート
オリゴマーを得た。
【0054】「実施例10」実施例1のポリベンゾオキ
サゾール樹脂の合成において用いた2,2−ビス(3−
アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプ
ロパンの4.14部(11.31mmol)を4.23
部(11.55mmol)に代え、ポリベンゾオキサゾ
ール樹脂とオリゴマーとの反応において用いた4−アミ
ノ安息香酸エステル化した分子量3000のプロピレン
オキサイドオリゴマー2.00部(0.67mmol)
を、合成例7で得られた4−アミノ安息香酸エステル化
した分子量9600のメチルメタクリレートオリゴマー
2.00部(0.217mmol)に代えた以外は実施
例1と同様にして、絶縁膜材料を得て、ワニスを調整し
た。GPCにより、前記樹脂の分子量を測定したとこ
ろ、スチレン換算で、Mnが1.0X105、Mwが
1.3X105であった。このワニスを用いて実施例1
と同様にして、絶縁膜を作製した。その結果、誘電率
は、2.1であった。5%重量減少温度は508℃であ
った。また、この絶縁膜は、50nm以下の細孔ができ
ていることを確認した。
【0055】「比較例1」 1)ポリベンゾオキサゾール樹脂の合成とそのワニスの
調整 2−ビス (3− アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘ
キサフルオロプロパン18.3部(50.0mmol)
と4,4'−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニ
ル−1,1'−ジカルボン酸19.6部(50.0mm
ol)にイートン試薬(Eaton’s試薬、アルドリ
ッチ社製)250mlを加え、乾燥窒素雰囲気下で攪拌
しながら150℃に加熱し、そのまま24時間攪拌する
ことによりポリベンゾオキサゾール溶液を得た。GPC
により、前記樹脂の分子量を測定したところ、スチレン
換算で、Mnが1.2X105、Mwが1.5X105
あった。この溶液をテトラヒドロフランに溶解して混合
し、、20重量%の溶液とした後、0.2mmのテフロン
フィルターで濾過しワニスを得た。
【0056】(2)ポリベンゾオキサゾール樹脂膜の製
造 このワニスをスピンコーターを用いてアルミニウムを蒸
着したシリコンウエハー上に塗布した。このとき熱処理
後の膜厚が約1μmとなるようにスピンコーターの回転
数と時間を設定した。塗布後、100℃のホットプレー
ト上で120秒間乾燥した後、窒素を流入して酸素濃度
を100ppm以下に制御したオーブンを用いて、25
0℃/60分で加熱して溶剤を揮散させ、ポリベンゾオ
キサゾール樹脂の被膜を得た。被膜上にアルミニウムを
蒸着してパターンニングを行い所定の大きさの上部電極
を形成した。シリコンウエハー側のアルミニウムとこの
上部電極による容量を測定し、測定後に被膜の電極隣接
部を酸素プラズマによりエッチングして表面粗さ計によ
り膜厚を測定することにより周波数1MHzにおける誘
電率を算出したところ2.6であった。TG−DTAに
より耐熱性を評価したところ窒素雰囲気での5%重量減
少温度は516℃であった。
【0057】(カーボナート末端のアミノ基導入) 「合成例8」合成例1に用いた分子量3000のプロピ
レンオキサイドオリゴマー30部(9.68mmol)
に代え分子量88のカーボナート0.9部(9.68m
mol)を用いた以外は合成例1と同様にして、末端を
4−アミノ安息香酸エステル化したカーボナートを得
た。
【0058】「比較例2」実施例1のポリベンゾオキサ
ゾール樹脂とオリゴマーとの反応において用いた2,2
−ビス (3− アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキ
サフルオロプロパンの4.14部(11.31mmo
l)を3.57部(8.96mmol)に代え、ポリベ
ンゾオキサゾール樹脂とオリゴマーとの反応において用
いた4−アミノ安息香酸エステル化した分子量3000
のプロピレンオキサイドオリゴマー2.00部(0.6
7mmol)を、合成例8で得られた4−アミノ安息香
酸エステル化した分子量88のカーボナート0.47部
(5.38mmol)に代えた以外は実施例1と同様に
して、絶縁膜材料を得て、ワニスを調整した。GPCに
より、前記樹脂の分子量を測定したところ、スチレン換
算で、Mnが5.0X103、Mwが5.5X103であ
った。このワニスを用いて実施例1と同様にして絶縁膜
を作製した。その結果、誘電率は、2.6であった。5
%重量減少温度は516℃であった。また、この絶縁膜
は、50nm以下の細孔ができていることを確認した。
【0059】(メチルメタクリレートオリゴマー合成と
オリゴマー末端のアミノ基導入) 「合成例9」合成例6のオリゴマー合成において用いた
スチレン10部(96mmol)に代えメチルメタクリ
レート30部(288mmol)を用いた以外は、合成
例6と同様に分子量30000のメチルメタクリレート
オリゴマーを合成した。
【0060】次いで合成例1に用いた分子量3000の
プロピレンオキサイドオリゴマー30部(9.68mm
ol)を上記合成により得られた分子量30000のメ
チルメタクリレートオリゴマー290部(9.68mm
ol)に、ピリジンの1.15部(14.52mmo
l)を3.56部(0.45mmol)に、4−ニトロ
安息香酸クロリドの2.63部(14.52mmol)
を0.08部(0.45mmol)とした以外は合成例
1と同様にして、末端を4−アミノ安息香酸エステル化
した分子量30000のメチルメタクリレートオリゴマ
ーを得た。
【0061】「比較例3」実施例1のポリベンゾオキサ
ゾール樹脂の合成において用いた2,2−ビス(3−
アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
パンの4.14部(11.31mmol)を4.24部
(11.59mmol)に代え、ポリベンゾオキサゾー
ル樹脂とオリゴマーとの反応において用いた4−アミノ
安息香酸エステル化した分子量3000のプロピレンオ
キサイドオリゴマーの2.00部(0.67mmol)
を合成例9で得られた4−アミノ安息香酸エステル化し
た分子量30000のメチルメタクリレートオリゴマー
2.00部(0.07mmol)に代えた以外は実施例
1と同様にして、絶縁膜材料を得て、ワニスを調整し
た。GPCにより、前記樹脂の分子量を測定したとこ
ろ、スチレン換算で、Mnが1.0X105、Mwが
1.3X105であった。このワニスを用いて実施例1
と同様にして絶縁膜を作製した。その結果、誘電率は、
上下電極がショートし測定できなかった。5%重量減少
温度は455℃であった。また、この絶縁膜は、1μm
の細孔もできていた。
【0062】実施例1〜10の本発明のポリベンゾオキ
サゾール樹脂とオリゴマーとを反応させ、加熱操作でオ
リゴマーを熱分解及び気化し、揮散させ微細孔を含有し
た絶縁膜は、いずれも誘電率が低く2.0〜2.2であ
り、さらに耐熱性が高いという良好な特性が得られた。
【0063】比較例1では、ポリベンゾオキサゾール樹
脂に細孔を含んでいないため耐熱性は同等で良好である
が、誘電率は実施例1〜10より大幅に高い2.6であ
った。
【0064】比較例2ではオリゴマーの分子量が100
未満と小さかったために誘電率は2.6と実施例1〜1
0より大幅に高かった。
【0065】比較例3ではオリゴマーの分子量が100
00を越える高分子量物であったため膜厚約1μmの被
膜を形成した場合には上下に貫通する穴が生成してしま
い上下電極がショートしてしまった。
【0066】
【発明の効果】本発明により、電気特性、熱特性、機械
特性及び物理特性に優れた絶縁膜材料及び有機絶縁膜を
得ることができる。従って、本発明の絶縁膜材料は、電
気特性、熱特性、機械特性及び物理特性が要求される様
々な分野、例えば半導体用の層間絶縁膜、保護膜、多層
回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコー
ト、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜などとして適用で
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 CM021 GH00 GP03 GQ01 HA05 4J038 CC021 CG141 DF021 DJ001 GA06 GA09 MA14 NA21 PB09 4J043 PA01 PB14 QB21 RA52 SA06 SA54 SA71 SB01 SB02 TA12 TA47 TB01 TB02 UA122 UA131 UA132 UA141 UB021 UB061 UB062 UB072 UB122 XA03 YA28 YB08 YB21 YB32 ZA46 ZB03 ZB47 ZB50 5F058 AA04 AA10 AC10 AF04 AG01 AH02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表される構造単位を有す
    るポリベンゾオキサゾール樹脂の末端のカルボキシル基
    とアミノ基を有するオリゴマーとを反応させた共重合体
    を含んでなる有機絶縁膜材料。 【化1】 (但し、一般式(1)中のnは2〜1000の整数を示
    す。Xは4価及びYは2価の有機基を表す。)
  2. 【請求項2】 アミノ基を有するオリゴマーの繰り返し
    単位の骨格がプロピレンオキサイド、エチレンオキサイ
    ド、メチルメタクリレート、スチレン及びカーボナート
    からなる群から選ばれてなる請求項1記載の有機絶縁膜
    材料。
  3. 【請求項3】 アミノ基を有するオリゴマーの分子量が
    100〜10000である請求項1又は2記載の有機絶
    縁膜材料。
  4. 【請求項4】 アミノ基を有するオリゴマーが一般式
    (1)で表される構造単位を有するポリベンゾオキサゾ
    ール樹脂に対し5〜40%の重量比でポリベンゾオキサ
    ゾール末端のカルボキシル基と反応していることを特徴
    とする請求項1、2又は3記載の有機絶縁膜材料。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の有
    機絶縁膜材料を用いて得られる、一般式(1)で表され
    る構造単位を有するポリベンゾオキサゾール樹脂層が微
    細孔を有してなることを特徴とする有機絶縁膜。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の有
    機絶縁膜材料により成膜した後、加熱することによりオ
    リゴマーを熱分解及び気化にて揮散させ、微細孔を有す
    る一般式(1)で表される構造単位を有するポリベンゾ
    オキサゾール樹脂層を得ることを特徴とする有機絶縁膜
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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