JP2001226273A - 抗炎症剤および皮膚化粧料 - Google Patents

抗炎症剤および皮膚化粧料

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JP2001226273A JP2000077222A JP2000077222A JP2001226273A JP 2001226273 A JP2001226273 A JP 2001226273A JP 2000077222 A JP2000077222 A JP 2000077222A JP 2000077222 A JP2000077222 A JP 2000077222A JP 2001226273 A JP2001226273 A JP 2001226273A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安全性の高い天然物由来の物質を有効成分と
する多用途抗炎症剤、および、それを用いて抗炎症性皮
膚化粧料を提供する。 【解決手段】 ヒャクジツセイの茎柄および葉、コウカ
ツツジの花および樹皮、モウボクジュの樹皮、サラソウ
ジュの樹皮、およびコウザンレキの樹皮からなる群から
選ばれた植物体構成部位より抽出される抗炎症性物質を
利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の原因による
皮膚の炎症の防止に有用な、皮膚化粧料等に配合して使
用する抗炎症剤、および皮膚化粧料に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】接触性皮膚炎(かぶれ)、乾癬、尋常性
天疱瘡、先天性水疱瘡、その他肌荒れを伴う各種皮膚疾
患等の原因や発症機構は多種多様であるが、その主なも
のと対策には次のようなものがあった。
【0003】 ホスホリパーゼA2によるもの ホスホリパーゼA2はアラキドン酸の代謝経路であるア
ラキドン酸カスケードの重要酵素であって、この酵素の
作用が活発化するとアラキドン酸代謝に異常が起こり、
炎症、アレルギー、喘息、虚血、心筋梗塞などを引き起
こす。したがって、この酵素を阻害する物質により上記
障害に対処する試みがなされ、メパクリン、パラブロモ
フェナシルブロミド、デキサメタゾンなどが使われてき
た。しかし、これらは合成品であり、副作用が問題とな
っていた。
【0004】 ヒアルロニダーゼによるもの ヒアルロニダーゼはヒアルロン酸を加水分解する酵素で
あるが、ヒアルロン酸は間充組織に見られるムコ多糖で
あって微生物や毒物の侵入および伝播の防止に役立って
いるものであるから、ヒアルロニダーゼの作用が活発化
するとヒアルロン酸による防御作用が減退することによ
る障害が起こりやすくなる。また、I型アレルギー反応
にも関係し、マストセルからの脱顆粒反応を支配する酵
素であると考えられている。そこで、このヒアルロニダ
ーゼの作用を阻害する物質を用いた抗炎症剤や抗アレル
ギー剤、たとえばトラニラスト、DSCG、バイカレイ
ン等が提供されたが、やはり副作用が問題になってい
た。
【0005】 ヒスタミン遊離によるもの ヒスタミンはマスト細胞内に存在し、脱顆粒反応により
放出されたものが起炎物質として作用する。このヒスタ
ミンの遊離を抑制することによりアレルギー症状を抑制
するのに有効な物質としては、トラニラスト、クロモグ
リク酸ナトリウム、バイカリン、バイカレイン、塩酸プ
ロメタジン等がある。しかしながら、これらの物質も副
作用があり、一般的な皮膚化粧料に配合するには安全性
の点で問題があった。
【0006】さらに、抗炎症剤として有効な上記従来の
薬剤はいずれもホスホリパーゼA2阻害、ヒアルロニダ
ーゼ阻害、ヒスタミン遊離抑制等のいずれか一つにしか
効果がなかったので、発症原因が不特定の炎症に有効な
抗炎症剤や皮膚化粧料を得ようとすると複数の薬剤を併
用する必要があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、安全
性の高い天然物由来の物質の中から多種類の炎症に対し
て有効な物質を見いだし、多目的な抗炎症剤として提供
することにある。
【0008】本発明の他の目的は、複数の炎症発症原因
に対して有効な物質を配合してなる抗炎症性皮膚化粧料
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による抗炎症剤
は、ヒャクジツセイの茎柄および葉、コウカツツジの花
および樹皮、モウボクジュの樹皮、サラソウジュの樹
皮、およびコウザンレキの樹皮からなる群から選ばれた
植物体構成部位より抽出された抗炎症性物質を有効成分
として含有することを特徴とする。
【0010】上記本発明の抗炎症剤が含有する植物体由
来の抗炎症性物質は、ホスホリパーゼA2阻害作用、ヒ
アルロニダーゼ阻害作用、およびヒスタミン遊離抑制作
用のいずれか2以上を併有することが特徴である。
【0011】本発明による皮膚化粧料は、上記本発明に
よる抗炎症剤を配合してなるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】最初に、本発明による抗炎症剤の
有効成分として使われた抗炎症性物質の取得法について
述べる。抗炎症性物質の抽出原料となる植物は次のよう
なものである。
【0013】 ヒャクジツセイ(学名:Podoca
rpus riifolius) マキ科の常緑高木である。木材として、家具や船の製作
に利用されているものである。抗炎症性物質の抽出原料
とするのはその茎柄および葉の部分である。
【0014】 コウカツツジ(学名:Rhodode
ndron arboreum) ツツジ科の低木である。抗炎症性物質の抽出原料とする
のはその花および樹皮である。陰干しした花が気管支
炎、月経不順、消化道出血の治療に有効であるとされて
いる。樹皮はランプの芯に利用されることがある程度で
ある。
【0015】 モウボクジュ(学名:Schima
wallichii) ツバキ科の常緑小高木である。抗炎症性物質の抽出原料
とするのはその樹皮部分であるが、この樹皮について
は、魚毒として利用可能であることが知られている。
【0016】 サラソウジュ(学名:Shorea
robusta) フタバガキ科の落葉高木である。花はお茶にして飲ま
れ、木材は建築用材や鉄道枕木として利用される。抗炎
症性物質の抽出原料とするのはその樹皮部分である。
【0017】 コウザンレキ(学名:Quercus
semicarpifolia) ブナ科の常緑または半常緑の高木である。葉や種子が、
解毒作用を有し腸炎等の治療に有効であるとされている
が、樹皮が抗炎症性物質を含有することは知られていな
かった。
【0018】上述の抽出原料が含有する抗炎症性物質
は、有機溶媒、例えばメタノール、エタノール等の低級
脂肪族アルコール(含水アルコールでもよい)、アセト
ン、1,3−ブチレングリコール、ブロピレングリコー
ル等の極性溶媒のほか、クロロホルム、酢酸エチル等の
中間極性溶媒を用いて、常温または加熱下に抽出するこ
とができる。
【0019】各抽出原料から得られる抽出物は、いずれ
も、下記のとおり抗炎症に有効な複数の作用を有するこ
とが確認されている(後記実施例参照)。 ヒャクジツセイ抽出物:ホスホリパーゼA2阻害,ヒス
タミン遊離抑制 コウカツツジ抽出物:ホスホリパーゼA2阻害,ヒアル
ロニダーゼ阻害,ヒスタミン遊離抑制 モウボクジュ抽出物:ホスホリパーゼA2阻害,ヒアル
ロニダーゼ阻害 サラソウジュ抽出物:ヒアルロニダーゼ阻害,ヒスタミ
ン遊離抑制 コウザンレキ抽出物:ホスホリパーゼA2阻害,ヒアル
ロニダーゼ阻害,ヒスタミン遊離抑制
【0020】これらの活性成分は経皮的に吸収されやす
い物質であるから、皮膚化粧料等に適量を配合して皮膚
表面から炎症部位に到達させ、炎症を沈静化させるのに
利用することができる。
【0021】本発明による抗炎症剤を配合するのに適し
た皮膚化粧料の具体例としては、軟膏、パップ、クリー
ム、乳液、ローション、パック、ゼリー等がある。
【0022】本発明の抗炎症剤を配合して皮膚化粧料を
製造する場合は、抗炎症作用を発揮させるのに妨げとな
らない限り、該抗炎症剤と共にその皮膚化粧料の製造に
通常使用される化粧料構成成分その他任意の物質を併用
することができる。併用可能な皮膚化粧料構成成分の例
としては次のようなものがある。
【0023】収斂剤:クエン酸またはその塩、酒石酸ま
たはその塩、乳酸またはその塩、硫酸亜鉛、オトギリソ
ウエキス、ダイオウエキス、ヤグルマソウエキス、マロ
ニエエキス、サルビアエキス、メリッサエキス等。
【0024】殺菌・抗菌剤:安息香酸またはその塩、パ
ラオキシ安息香酸エステル、サリチル酸、サリチル酸ナ
トリウム、ソルビン酸、レゾルシン、フェノキシエタノ
ール、ビサボロール、ヒノキチオール、メントール、キ
トサン、キトサン分解物、ユッカエキス、アロエエキ
ス、ケイヒエキス等。
【0025】美白剤:アスコルビン酸およびその誘導
体、イオウ、胎盤抽出物、コウジ酸およびその誘導体、
アルビチンおよびその誘導体、グルタチオン、油溶性甘
草エキス、オウゴンエキス、センキュウエキス、ソウハ
クヒエキス、マンネンタケ菌糸体培養物またはその抽出
物、ギムネマエキス、シナノキエキス、モモ葉エキス、
ボタンピエキス、ハマメリスエキス、オトギリソウエキ
ス等。
【0026】保湿剤:セリン、グリシン、コラーゲン、
加水分解コラーゲン、フィブロネクチン、ケラチン、ロ
ーヤルゼリー、グリセロリン脂質、グリセロ糖脂質、ス
フィンゴリン脂質、リノール酸またはそのエステル、ペ
クチン、ビフィズス菌発酵物、乳酸菌発酵物、酵母抽出
物、ダイズリン脂質、γ−オリザノール、ヨクイニンエ
キス、ジオウエキス、カイソウエキス、キダチアロエエ
キス、ゴボウエキス、マンネンロウエキス、小麦フス
マ、コメヌカエキス等。
【0027】細胞賦活剤:リボフラビンまたはその誘導
体、パントテン酸またはその誘導体、ニンジンエキス、
オタネニンジンエキス、ヘチマエキス、ボタンピエキ
ス、シャクヤクエキス、ムクロジエキス、ベニバナエキ
ス、ビワ葉エキス、ユキノシタエキス、黄杞エキス、マ
ンネンロウエキス等。
【0028】消炎・抗アレルギー剤:アズレン、アラン
トイン、インドメタシン、塩化リゾチーム、オキシベン
ゾン、グリチルリチン酸またはその誘導体、グリチルレ
チン酸またはその誘導体、塩酸ジフェンヒドラミン、ト
ラネキサム酸またはその誘導体、エストラジオール、コ
ルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、コルチ
コステロン、アルニカエキス、サンシシエキス、ヨモギ
エキス、センキュウエキス、ボウフウエキス等。
【0029】抗酸化・活性酸素消去剤:没食子酸プロピ
ル、バイカリン、バイカレイン、スーパーオキサイドデ
ィスムターゼ、カタラーゼ、オウゴンエキス、エイジツ
エキス、キナエキス、シソエキス、タイムエキス、キャ
ラウェイエキス、ナツメグエキス、メースエキス、ロー
レルエキス、クローブエキス、ヤナギタデエキス等。
【0030】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を説明する。 製造実施例1 粗砕した原料植物体100gに抽出溶媒2000mlを
加え、ゆるく撹拌しながら3時間、70℃に保って可溶
性成分を溶出させる。その後、濾過して得られた抽出液
を40℃で減圧下に濃縮し、減圧乾燥機で乾燥する。
【0031】ヒャクジツセイ(茎柄および葉)、コウカ
ツツジ(花)、モウボクジュ(樹皮)、サラソウジュ
(樹皮)、およびコウザンレキ(樹皮)を原料とし、8
0%含水エタノールまたはエタノールを溶媒にして上記
抽出処理を行なった。抽出物の収率は表1のとおりであ
った。
【0032】
【表1】 抽出物収率(重量%) 原料植物 80エタノール抽出物 エタノール抽出物 ヒャクジツセイ 26.0 23.8 コウカツツジ 21.4 18.2 モウボクジュ 19.8 15.1 サラソウジュ 31.6 28.8 コウザンレキ 11.8 10.9
【0033】試験例1 製造実施例1で得られた5種類の80%エタノール抽出
物について、下記の方法でホスホリパーゼA2阻害作用
を試験した。
【0034】試験法:ラット白血病細胞のRBL−2H
3細胞を75cmのフラスコで15%FBS含有ME
M培地にて37℃、5%CO下で培養し、常法により
細胞を集める。得られた細胞を15%FBS含有MEM
培地にて5×10個/mlになるよう調整し、さらに
H〕アラキドン酸(50μCi/500μl)を、
3μl/10mlの割合で加える。得られた調整液を2
4well plateに1ml播種し、5%CO
下、37℃で一夜培養する。各well中の培地を捨
て、PBS(−)で洗浄後、無血清MEM培地を加え、
37℃で30分間、preincubationする。
次いで、無血清MEM培地に製造実施例1で得られた試
料をそれぞれ溶解した溶液を加え、同様に10分間pr
eincubationする。さらに、1mM A23
187 10μlを加え、37℃で5分間incuba
tionする。反応後、氷冷下に上清400μlを取
り、シンチレーションカクテル6μlを加えて液体シン
チレーションカウンターで放射活性を測定する。同様に
して、空試験(A23187刺激なし)およびコントロ
ール(試料溶液の溶媒)について測定し、次式によりホ
スホリパーゼA2活性阻害率を求める。
【0035】阻害率(%)=〔1−(A−C)/(B−
C)〕×100 但し、 A:試料添加時の放射活性 B:コントロールの放射活性 C:空試験の放射活性 試料濃度を段階的に変更して上記測定を行い、阻害率が
50%になる試料濃度を内挿法により求める。試験結果
は表2のとおりであった。
【0036】
【表2】 80%エタノール抽出物のホスホリパーゼA
2阻害活性 50%阻害濃度(mg/ml) ヒャクジツセイ抽出物 0.013 コウカツツジ抽出物 0.9 モウボクジュ抽出物 4.9 サラソウジュ抽出物 >50 コウザンレキ抽出物 10.1
【0037】試験例2 製造実施例1で得られた5種類の80%エタノール抽出
物について、下記の方法でヒアルロニダーゼ阻害作用を
試験した。
【0038】試験法:ヒアルロニダーゼ溶液(400ユ
ニット/ml,pH9.1ホウ酸緩衝液)0.1mlと
試料溶液0.2mlを混合し、37℃に20分間加温し
たのち、活性化剤溶液(0.01%Compound4
8/80,2.5mM−CaCl,0.15M−Na
Cl)0.2mlを加え、37℃に20分間加温して酵
素を活性化する。ヒアルロン酸カリウム緩衝液0.5m
lを加え、37℃で40分間反応させた後、0.4N水
酸化ナトリウム0.2mlを加えると共に氷冷して反応
を停止させる。次いで0.8Mホウ酸溶液(pH9.
1)0.2mlを加え、沸騰湯浴中で3分間加熱後、直
ちに10分間氷冷する。DMAB試薬(p−ジメチルア
ミノベンズアルデヒド10gを10N塩酸12.5ml
と酢酸87.5mlの混合液に溶解し、酢酸で10倍に
希釈したもの)6.0mlを加えて37℃に20分間保
つことにより上記酵素反応で遊離したN−アセチルグル
コサミンを発色させ、波長585nmの吸光度を測定す
る。コントロールとして、試料溶液の代わりに水を加え
た場合について、同様の操作と吸光度測定を行う。
【0039】以上の測定結果から、下記の計算式により
ヒアルロニダーゼ活性の阻害率を算出する。 阻害率(%)=〔1−(A−A)/(A
)〕×100 但し、A:試料溶液を添加した場合の吸光度;酵素反
応開始前 A:試料溶液を添加した場合の吸光度;酵素反応終了
後 A:コントロール;酵素反応開始前 A:コントロール;酵素反応終了後 試料溶液の濃度を段階的に変更して上記阻害率を測定
し、阻害率が50%になる試料濃度を内挿法により求め
る。試験結果は表3のとおりであった。
【0040】
【表3】 80%エタノール抽出物のヒアルロニダーゼ
阻害活性 50%阻害濃度(mg/ml) ヒャクジツセイ抽出物 >400 コウカツツジ抽出物 196 モウボクジュ抽出物 163 サラソウジュ抽出物 149 コウザンレキ抽出物 248
【0041】試験例3 製造実施例1で得られた5種類の80%エタノール抽出
物について、下記の方法でヒスタミン遊離抑制作用を試
験した(細胞内のヒスタミンが遊離されると同時にヘキ
ソサミニダーゼも遊離されることから、ヘキソサミニダ
ーゼ遊離を指標にヒスタミン遊離抑制作用を評価する方
法である。)。
【0042】試験法:25mlのフラスコに入れた15
%FBS添加MEM培地にRBL−2H3細胞1.0×
10個を播種し、5%CO下、37℃で4日間培養
する。その後トリプシン処理および遠心処理(1000
rpm,2分間)を行なって細胞を沈殿物として得る。
これを上記培地と同じ培地に4.0×10cell/
ml懸濁させ、そこにマウスモノクロナール抗ジニトロ
フェニル基IgE(DNP−specific Ig
E)を5μl添加し、濃度を0.5μg/mlとする。
得られた細胞浮遊液を96穴プレートに80μl播種
し、5%CO下37℃で24時間培養する。培養終了
後、各穴中の培地を除去し、シリガリアン緩衝液で洗浄
する。次に上記緩衝液30μlおよび試料溶液10μl
を加え、37℃で10分間インキュベートする。次にジ
ニトロフェニル化ウシ血清アルブミン(DNP−BS
A)10μlを加え、さらに37℃で15分間インキュ
ベートする。その後、氷冷下で上清液10μlを新たな
96穴プレートに移し替え、これに1mM p−ニトロ
フェニル−N−アセチル−β−D−グルコサミド溶液1
0μlを加え、37℃で1時間インキュベートする。反
応終了後、0.1M NaCO・NaHCO溶液
250μlを加え、マイクロプレートリーダーにて41
5nmにおける吸光度Aを測定する。試料溶液を添加し
ない細胞浮遊液についても同様の処理と吸光度測定を行
う(このとき測定される吸光度をBとする)。また、細
胞浮遊液のかわりに上記緩衝液を用いて同様の処理と吸
光度測定を行う(このとき測定される吸光度をCとす
る)。そして、次式によりヘキソサミニダーゼ遊離抑制
率を算出する。
【0043】ヘキソサミニダーゼ遊離抑制率(%)=
〔1−(A−C)/(B−C)〕×100 試料溶液の濃度を段階的に変更して上記方法により抑制
率を測定し、抑制率が50%になる試料溶液の濃度を内
挿法により求める。試験結果は表4のとおりであった。
【0044】
【表4】 80%エタノール抽出物のヒスタミン遊離抑
制活性 50%抑制濃度(mg/ml) ヒャクジツセイ抽出物 345 コウカツツジ抽出物 124 モウボクジュ抽出物 >400 サラソウジュ抽出物 138 コウザンレキ抽出物 247
【0045】製造実施例2 粗砕した原料植物体100gに抽出溶媒1000mlを
加え、ゆるく撹拌しながら3時間、50℃に保つ。その
後、濾過して、抽出液を得る。ヒャクジツセイ(茎柄お
よび葉)、コウカツツジ(樹皮)、モウボクジュ(樹
皮)、サラソウジュ(樹皮)、およびコウザンレキ(樹
皮)を原料とし、50%含水1,3−ブチレングリコー
ルを溶媒にして上記抽出処理を行なった。得られた抽出
液の固形分濃度から計算された固形分収量は表5のとお
りであった。
【0046】
【表5】 1,3−ブチレングリコール抽出の結果原料植物 抽出液固形分収量(g) ヒャクジツセイ 49.9 コウカツツジ 38.9 モウボクジュ 41.7 サラソウジュ 41.5 コウザンレキ 38.0
【0047】試験例4 製造実施例2による5種類の50%1,3−ブチレング
リコール抽出液について、試験例1〜3と同様にしてホ
スホリパーゼA2阻害作用、ヒアルロニダーゼ阻害作用
およびヒスタミン遊離抑制作用の試験を行なった。その
結果を表6〜表8に示す。
【0048】
【表6】 ホスホリパーゼA2阻害活性 50%抑制濃度(mg/ml) ヒャクジツセイ抽出物 0.021 コウカツツジ抽出物 0.98 モウボクジュ抽出物 6.3 サラソウジュ抽出物 >50 コウザンレキ抽出物 8.7
【0049】
【表7】 ヒアルロニダーゼ阻害活性 50%抑制濃度(mg/ml) ヒャクジツセイ抽出物 >400 コウカツツジ抽出物 200 モウボクジュ抽出物 172 サラソウジュ抽出物 133 コウザンレキ抽出物 221
【0050】
【表8】 ヒスタミン遊離抑制活性 50%抑制濃度(mg/ml) ヒャクジツセイ抽出物 365 コウカツツジ抽出物 162 モウボクジュ抽出物 >400 サラソウジュ抽出物 119 コウザンレキ抽出物 239
【0051】試験例5 製造実施例1による5種類の80%エタノール抽出物の
1種または2種を含有するローション状塗布液、およ
び、80%エタノール抽出物を含有しないほかは同じ組
成の対照液を調製し、それらについて、カミソリ負け防
止効果を試験した。各塗布液の組成およびカミソリ負け
防止効果の評価は表9のとおりである。
【0052】
【表9】
【0053】(注1)塗布液組成:数値はg;精製水を
用いて全量を100mlとした。 (注2)カミソリ負け防止効果試験法:カミソリ負けす
る男性被験者50名を8名ずつ5群に分け、各群ごとに
異なる塗布液を、ひげ剃り直後の剃りあとに塗布させて
塗布効果を次の判定基準で申告させる。 カミソリ負け改善効果の判定基準: 著効あり カミソリ負けが消失 有効 カミソリ負けが弱くなった やや有効 カミソリ負けがやや弱くなった 無効 カミソリ負けに変化が認められない 上記判定基準で“無効”と判定した被験者が20%未満
のものをA、20%以上50%未満のものをB、50%
以上80%未満のものをC、80%以上のものをDと評
価した。
【0054】なお、上記カミソリ負け防止についての判
定と同時に、肌に対する刺激(ヒリヒリ感)の程度につ
いて感想を述べさせたが、すべての塗布液について、全
被験者が刺激を感じないと答えた。
【0055】実施例1 製造実施例1によるヒャクジツセイ80%エタノール抽
出物を加えて抗炎症作用を付与した下記組成のクリーム
を、クリーム製造の常法により製造した。 ヒャクジツセイ抽出物 1.0重量% ステアリン酸 2.0 ステアリルアルコール 7.0 ラノリン 2.0 スクワラン 5.0 グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0 ポリオキシエチレン(25EO)セチルアルコルエーテル 3.0 2−オクチルドデシルアルコール 6.0 プロピレングリコール 5.0 エチルパラベン 0.3 香料 適量 精製水 残部
【0056】実施例2 製造実施例1によるコウカツツジ80%エタノール抽出
物を加えて抗炎症作用を付与した下記組成の乳液を乳液
製造の常法に従い製造した。 コウカツツジ抽出物 1.0重量% ステアリン酸 2.0 セチルアルコール 1.5 ワセリン 5.0 流動パラフィン 10.0 ポリオキシエチレン(10EO)オレイン酸エステル 2.0 ポリエチレングリコール1500 3.0 トリエタノールアミン 1.0 エチルパラベン 0.3 香料 適量 精製水 残部
【0057】実施例3 製造実施例1による3種類の80%エタノール抽出物を
加えて抗炎症作用を付与した下記組成のパックを製造し
た。 モウボクジュ抽出物 1.0重量% サラソウジュ抽出物 1.0 コウザンレキ抽出物 2.0 ポリビニルアルコール 13.0 エチルアルコール 7.0 ジプロピレングリコール 5.0 ポリオキシエチレン(60EO)硬化ヒマシ油 5.0 オリーブ油 5.0 酢酸トコフェロール 0.2 エチルパラベン 0.2 香料 適量
【0058】実施例4 製造実施例1によるサラソウジュ80%エタノール抽出
物を加えて抗炎症作用を付与した下記組成のゼリー状化
粧料を製造した。 サラソウジュ抽出物 3.0重量% 95%エチルアルコール 10.0 ジプロピレングリコール 15.0 ポリオキシエチレン(50EO)オレイルアルコールエーテル 2.0 カルボキシビニルポリマー 0.05 L−アルギニン 0.1 エチルパラベン 0.3 香料 適量 精製水 残部
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればホ
スホリパーゼA2、ヒアルロニダーゼ等、炎症性の酵素
が関与する種々の皮膚疾患、肌荒れ等の予防と改善に有
効で安全性にも優れた抗炎症剤を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 29/00 A61P 29/00 43/00 111 43/00 111 113 113 Fターム(参考) 4C083 AA111 AA112 AA122 AB052 AC012 AC022 AC072 AC082 AC092 AC102 AC122 AC182 AC252 AC352 AC402 AC482 AC542 AC582 AD042 AD092 AD512 AD662 BB04 CC02 CC05 CC07 CC21 DD23 DD31 DD41 EE13 4C088 AB03 AB12 AB44 AB45 AC03 AC05 AC06 CA06 MA07 MA17 NA14 ZB11 ZB13 ZC20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒャクジツセイの茎柄および葉、コウカ
    ツツジの花および樹皮、モウボクジュの樹皮、サラソウ
    ジュの樹皮、およびコウザンレキの樹皮からなる群から
    選ばれた植物体構成部位より抽出された抗炎症性物質を
    有効成分として含有することを特徴とする抗炎症剤。
  2. 【請求項2】 抗炎症性物質の抗炎症作用がホスホリパ
    ーゼA2阻害作用、ヒアルロニダーゼ阻害作用、および
    ヒスタミン遊離抑制作用のいずれか2種以上によるもの
    である請求項1記載の抗炎症剤。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の抗炎症
    剤を含有することを特徴とする皮膚化粧料。
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