JP2001225535A - プリンタにおけるインクリボンの巻き取り装置及びプリンタ - Google Patents

プリンタにおけるインクリボンの巻き取り装置及びプリンタ

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JP2001225535A
JP2001225535A JP2000041103A JP2000041103A JP2001225535A JP 2001225535 A JP2001225535 A JP 2001225535A JP 2000041103 A JP2000041103 A JP 2000041103A JP 2000041103 A JP2000041103 A JP 2000041103A JP 2001225535 A JP2001225535 A JP 2001225535A
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rack
coil spring
arm
ink ribbon
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Toshio Kuriyama
利夫 栗山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピニオンをラック側へ付勢しながらも、キャ
リッジが進行方向を変えたときに、ラック方向(ピニオ
ンの進行方向)の力が急激に増加することによる衝撃や
振動が生じることのないような構造を備えるプリンタに
おけるインクリボンの巻き取り装置を提供すること。 【解決手段】 プリンタに設けられるラック23と、ラ
ックと歯合するピニオン37と、ラックに沿って移動可
能なキャリッジ1と、キャリッジに設けられピニオンの
回転軸に対して一端が回動可能に接続されているアーム
41と、アームの他端側に接続され、ピニオンの回転駆
動が伝達される第1ギア25と、第1ギアに接続するイ
ンクリボン巻き取り駆動伝達機構27、7、15と、ピ
ニオンをラックに付勢するピニオン付勢手段43と、ピ
ニオン付勢手段によるラックの延びる方向への付勢成分
を相殺する方向に作用する衝撃緩和手段45とを備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタで使用す
るインクリボンカートリッジ内に設けられるインクリボ
ン用の巻き取り駆動ローラを安定して回転駆動させるた
めの装置及びそれを備えたプリンタに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】プリンタで使用するインクリボンカート
リッジは、インクを含浸したインクリボンを、カートリ
ッジ内の巻き取り駆動ローラを駆動させて巻き取りなが
ら、常に新しい面をヘッドに臨ませるようにして印字動
作を行うものである。
【0003】図6に、従来のインクリボンの巻き取り装
置の一例(特開平9−277676号)を示す。図6
中、符号101はキャリッジを示し、該キャリッジ10
1にインクリボンカートリッジ(図示せず)が嵌め込ま
れるようになっている。インクリボンカートリッジ内に
は、巻き取り駆動ローラ105が設けられ、該巻き取り
駆動ローラ105は、ギア列109を介してキャリッジ
101に設けられたピニオン107と接続できるように
なっている。ピニオン107は、プリンタ側に設けられ
たラック109と歯合しており、キャリッジ101が移
動することによりピニオン107が回転して、この回転
駆動力を複数のギア列109を介して巻き取り駆動ロー
ラ105に伝達するようになっている。
【0004】また、ギア列109は、太陽ギア111及
び遊星ギア113を含み、キャリッジ101が往復動す
るときに、ピニオン107の回転方向が変わっても、遊
星ギア113が太陽ギアの周りで公転して第1伝達ギア
115から離れ、第2伝達ギア117に歯合することに
より、巻き取り駆動ローラ105が常に同一方向に回転
するようになっている。
【0005】更に本従来例では、使用する用紙の種類に
応じて記録ヘッドとプラテンとの距離、即ちペーパーギ
ャップを変更したときに、ラック109とピニオン10
7との噛み合わせが一定状態に維持できるように、ねじ
りコイルバネ119を使用して、該ねじりコイルバネ1
19の自由端側をほぼ45度傾斜させた状態でピニオン
107に係合して、ねじりコイルバネ119の付勢力に
よりピニオン107を常時ラック109側に押し当てる
ようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のインク
リボンの巻き取り装置の構造では、ねじりコイルバネ1
19の自由端側をほぼ45度傾斜させた状態でピニオン
107に係合させて、ラック109側に付勢しているた
め、ピニオン107は、ラック109側へ垂直に押し当
てられる力(図6の垂直方向成分f)の他に、ラック
の延びる方向への力(図6のラック方向成分f)を受
ける。
【0007】そのため、キャリッジ101が図示の方向
Aに進行しているときには、ラック109及びピニオン
107の噛み合っている歯同士は、ラック方向成分f
を打ち消すようなラック方向の力(f−α)で噛み合
うが、キャリッジ101がラック方向成分fの向きと
反対の方向Aに進行方向を変えると、ラック109及び
ピニオン107の噛み合っている歯同士は、ラック方向
成分fに新たに他のラック方向の力+αが加わった状
態で噛み合うようになる。
【0008】従って、キャリッジ101が方向Aから方
向Bに進行方向を変える瞬間に、ラック109及びピニ
オン107の噛み合っている歯に急激にラック方向の力
2αが加わることになり、これが衝撃となって振動を生
じさせたり、ピニオン107の歯を痛めたり、歯飛びす
る原因となることがある。
【0009】本発明の目的は、ピニオンをラック側へ付
勢しながらも、キャリッジが進行方向を変えたときに、
上記ラック方向(ピニオンの進行方向)の力が急激に増
加することによる衝撃や振動が生じることのないような
構造を備えるプリンタにおけるインクリボンの巻き取り
装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願請求項1に記載されたプリンタにおけるインク
リボンの巻き取り装置は、プリンタに固定的に設けられ
るラックと、前記ラックと歯合するピニオンと、前記ラ
ックに沿って移動可能なキャリッジと、前記キャリッジ
に設けられ、前記ピニオンの回転軸に対して一端が回動
可能に接続されているアームと、前記アームの他端側に
接続され、前記ピニオンの回転駆動が伝達される第1ギ
アと、前記第1ギアに接続するインクリボン巻き取り駆
動伝達機構と、前記ピニオンを前記ラックに付勢するピ
ニオン付勢手段と、前記ピニオン付勢手段による前記ラ
ックの延びる方向への付勢成分の変化による衝撃を緩和
する衝撃緩和手段とを備えることを特徴とするものであ
る。
【0011】本発明によれば、ピニオン付勢手段により
ピニオンをラックに付勢しているときに作用するラック
の延びる方向への力(ラック方向作用力)が、キャリッ
ジの移動方向の変化に伴い変化するとき、当該衝撃緩和
手段が前記ラック方向作用力の変化の速度を緩和して、
衝撃や振動を抑制することができる。従って、キャリッ
ジが移動方向を変えたときに、ラック及びピニオンの歯
に掛かる衝撃力が弱まるため、ラック及びピニオンの歯
を痛めたり、歯飛びすることを防止することができる。
【0012】また、本願請求項2に記載の発明は、請求
項1に記載されたプリンタにおけるインクリボンの巻き
取り装置において、前記ピニオン付勢手段は、一端が前
記アームに接続され、他端が固定されている第1引っ張
りコイルバネであり、前記衝撃緩和手段は、前記アーム
を挟んで前記ピニオン付勢手段の反対側に位置し、一端
が前記アームに接続され、他端が固定されている第2引
っ張りコイルバネであり、前記アームは、前記第1引っ
張りコイルバネと前記第2引っ張りコイルバネとから互
いに反対方向への引っ張り力を常時受けており、両引っ
張りコイルバネの引っ張り力の合力により、前記アーム
は前記ピニオンを前記ラックに付勢するように回動する
力を受けていることを特徴とするものである。
【0013】本発明によれば、第2引っ張りコイルバネ
が第1引っ張りバネの反対側に設けられているため、第
1引っ張りコイルバネによるアームの急激な回動を第2
引っ張りコイルバネが規制することができる。従って、
ラック方向作用力が、キャリッジの移動方向の変化に伴
い変化するとき、アームの回動を規制することにより、
該ラック方向作用力の変化の速度を緩和して、衝撃や振
動を抑制することができる。
【0014】また、本願請求項3に記載の発明は、請求
項1または2に記載されたプリンタにおけるインクリボ
ンの巻き取り装置において、前記キャリッジは、ペーパ
ーギャップを調節するために移動可能であることを特徴
とするものである。本発明によれば、キャリッジがペー
パーギャップを調整するために移動しても、ピニオン付
勢手段によりピニオンが常時ラックに付勢されているか
ら、ラックとピニオンとの歯合状態を維持することがで
きる。
【0015】また、本願請求項4に記載のプリンタにお
けるインクリボンの巻き取り装置は、プリンタに設けら
れるラックと、前記ラックと歯合するピニオンと、前記
ラックに沿って移動可能であり、ペーパーギャップを調
節可能に配設されたキャリッジと、前記キャリッジに設
けられ、前記ピニオンの回転軸に対して一端が回動可能
に接続されているアームと、前記アームの他端側に接続
され、前記ピニオンの回転駆動が伝達される第1ギア
と、前記第1ギアに接続するインクリボン巻き取り駆動
伝達機構と、前記ピニオンを前記ラックに付勢するピニ
オン付勢手段とを備え、前記ピニオン付勢手段が、前記
ペーパーギャップが最小になるように調節されたとき、
前記第1ギアの回転軸と、ピニオンの回転軸と、ピニオ
ン付勢手段によるピニオンの付勢方向とがほぼ直線上に
位置するように設けられていることを特徴とするもので
ある。
【0016】本発明によれば、ペーパーギャップが最小
であるとき、ピニオンの付勢方向がラックに対して垂直
となるため、ラック方向作用力が発生しない。従ってキ
ャリッジが移動方向を変えたときに、ラック及びピニオ
ンの歯に掛かる衝撃力がほとんどなくなり、ラック及び
ピニオンの歯を痛めたり、歯飛びすることを防止するこ
とができる。またペーパーギャップが最小状態から大き
くなっても、ピニオンの付勢方向はラックに対してほぼ
垂直方向であることに変わりなく、ラック方向作用力が
発生しても非常に小さいから、キャリッジが移動方向を
変えたときに、ラック及びピニオンの歯に掛かる衝撃力
がほとんど生じない。
【0017】また、本願請求項5に記載の発明は、請求
項4に記載されたプリンタにおけるインクリボンの巻き
取り装置において、前記ピニオン付勢手段は引っ張りコ
イルバネであり、該引っ張りコイルバネの一端がアーム
に接続され、他端が前記第1ギアの回転軸から前記ラッ
クの延びる方向に対して垂直方向の延長線上に位置して
いることを特徴とするものである。
【0018】本発明によれば、ペーパーギャップが最小
のときは、引っ張りコイルバネがアームの延びる方向に
沿って延びるため、ピニオンの付勢方向がラックに対し
て垂直となり、ラック方向作用力が発生しない。またペ
ーパーギャップが最小状態から大きくなると、引っ張り
コイルバネは傾き、ピニオンがラックに付勢されるよう
にアームを回動させようとする。このとき引っ張りコイ
ルバネの引っ張り力の分力としてラック方向作用力が発
生するが、この力は非常に小さいため、キャリッジが移
動方向を変えたときに、ラック及びピニオンの歯に掛か
る衝撃力がほとんど生じない。
【0019】また、本願請求項6に記載の発明に係るプ
リンタは、請求項1から5のいずれか1項に記載された
インクリボンの巻き取り装置を備えたことを特徴とする
ものである。本発明によれば、プリンタによる記録動作
時にキャリッジが主走査方向に往復動して移動方向を変
える際に、ラック及びピニオンの歯に掛かる衝撃力がほ
とんどなくなり、ラック及びピニオンの歯を痛めたり、
歯飛びすることを防止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の第1の実施の形
態を図1乃至図3に基づいて説明する。図1は本発明に
係るプリンタにおけるインクリボンの巻き取り装置を適
用したキャリッジ周辺の構造を示す概略側面図、図2は
同インクリボンの巻き取り装置とインクリボンカートリ
ッジ周辺の構造を示す正面図、図3は第1の実施の形態
におけるラック、ピニオンおよび巻き取り駆動ローラ周
辺の構成を示す概略正面図である。
【0021】図1において、符号1はキャリッジであ
り、このものはプリンタの基体3に設けられたガイド軸
に沿って水平方向(主走査方向)に往復動できるように
なっている。キャリッジ1にはラチェット7が設けら
れ、該ラチェット7の軸9がキャリッジ1の前面側(図
1の左側)へ延びている。またキャリッジ1の前面には
記録ヘッド11が突出して設けられている。このヘッド
11の下方にはプラテン12が臨んでおり、印刷時には
用紙搬送路(図示せず)の上流側から送られた用紙がプ
ラテン12上を通過し、その際に記録ヘッド11で用紙
に印刷を行うようになっている。該ヘッド11とプラテ
ン12との間の距離、即ちペーパーギャプGは、品質の
良い綺麗な印刷を実現するために、用紙の厚さや種類に
よって変更しなければならず、そのためキャリッジ1自
体が前記ヘッド11とプラテン12との間の距離を変え
る方向に移動する公知の機構(図示せず)を備えてい
る。
【0022】図1及び図2に示す如く、ヘッド11の周
囲にはインクリボンカートリッジ13を取り付けること
ができるようになっている。インクリボンカートリッジ
13は巻き取り駆動ローラ15を備え、該巻き取り駆動
ローラ15の中心にラチェット7の軸9が嵌まり込むよ
うにして、前記ヘッド11にインクリボンカートリッジ
13をセットすることができる構成となっている。
【0023】インクリボンカートリッジ13内にはイン
クを含浸させたインクリボン17が収納されており、該
インクリボン17は後述するように巻き取り駆動ローラ
15の巻き取り作用によって、ヘッド作用部19を経て
巻き取り駆動ローラ15に順次巻き取り循環されるよう
になっている。この際、リボン押圧片21がインクリボ
ン17に作用して、インクリボン17にテンションを付
与するようになっている。
【0024】次に、図1及び図3を参照しながら巻き取
り駆動ローラ15を駆動するための構造について説明す
る。プリンタの基体3にはラック23が固定して設けら
れ、キャリッジ1には、該ラック23とラチェット7と
の間に第1ギアである太陽ギア25が設けられている。
太陽ギア25の周囲には遊星ギア27が設けられ、太陽
ギア25の回転軸と遊星ギア27の回転軸とが第1揺動
アーム29によって接続されることにより、遊星ギア2
7は太陽ギア25に歯合しながら揺動(公転)可能とな
っている。なお遊星ギア27から巻き取り駆動ローラ1
5までの駆動伝達機構をインクリボン巻き取り駆動伝達
機構と定義する。
【0025】ラチェット7には、第1中間ギア31と第
2中間ギア33とが歯合しており、第2中間ギア33に
は、第3中間ギア35が歯合している。そして遊星ギア
27は、太陽ギア25の周囲を公転することにより、第
1中間ギア31と第3中間ギア35とに選択的に歯合可
能となっている。
【0026】一方、ラック23にはピニオン37が歯合
しており、図1に示した如く、該ピニオン37と同軸の
揺動ギア39が太陽ギア25に歯合している。揺動ギア
39の回転軸と太陽ギア25の回転軸とは第2揺動アー
ム41によって接続されており、これによって揺動ギア
39は太陽ギア25の周囲で揺動可能となっている。
【0027】第2揺動アーム41を挟んで一方の側に
は、ピニオン付勢手段である第1引っ張りコイルバネ4
3が設けられ、該バネ43の一端はキャリッジ1の本体
ケースに固定され、他端は第2揺動アーム41に接続さ
れている。図3に示す如く、第1引っ張りコイルバネ4
3は、第2揺動アーム41が常時、反時計周りに回転す
るように作用し、その結果としてピニオン37を常時ラ
ック23に付勢する作用をなす。
【0028】これは前述したようにペーパーギャップG
を調節するためにキャリッジ1が上下に移動したとき
に、揺動ギア39とラック23とが常時、確実に歯合す
るようにするための構造である。従って、例えば図3に
示す状態でペーパーギャップGを小さくするためにキャ
リッジ1が下方に移動したときは、ラック23の位置は
固定されているため、第1引っ張りコイルバネ43の引
っ張り力により第2揺動アーム41が反時計回りに回転
し、これに伴い揺動ギア39が上方へ移動するようにな
るから、ピニオン37とラック23との歯合状態が維持
される。
【0029】一方、第2揺動アーム41を挟んで第1引
っ張りコイルバネ43の反対側には、本発明の特徴的構
成要素である第2引っ張りコイルバネ45が設けられて
いる。この第2引っ張りコイルバネ45の一端は、第2
揺動アーム41に接続され、他端はキャリッジ1の本体
ケースに固定されている。第2引っ張りコイルバネ45
は、常時、第2揺動アーム41を時計回り方向へ回動さ
せるように作用している。しかし第2引っ張りコイルバ
ネ45の引っ張り力は、第1引っ張りコイルバネ43の
引っ張り力よりも弱く設定され、第1引っ張りコイルバ
ネ43と第2引っ張りコイルバネ45との合力の結果、
ピニオン37をラック23に付勢するように第2揺動ア
ーム41が反時計回り方向に回動する力が常時働いてい
る。
【0030】本実施の形態では、第1引っ張りコイルバ
ネ43の引っ張り力が、第2引っ張りコイルバネ45の
引っ張り力よりも強くなるように、両方のバネを選択し
ているが、同じ性能のバネを第1引っ張りコイルバネ4
3と第2引っ張りコイルバネ45とに適用することも可
能である。この場合、例えば第1引っ張りコイルバネ4
3を第2揺動アーム41のより揺動ギア39に近い地点
に接続し、第2引っ張りコイルバネ45を第1引っ張り
コイルバネ43の接続地点よりも太陽ギア25に近い第
2揺動アーム41上に接続する方法を採り得る。この方
法によれば、両バネの第2揺動アーム41への接続位置
が異なることに起因して、太陽ギア25の回転軸を中心
として第2揺動アーム41が反時計回り方向へ回転する
ような回転モーメントが優勢に働くため、ピニオン37
が常時ラック23に付勢されることになる。
【0031】また同様に、同じ性能のバネを使用して、
第1引っ張りコイルバネ43を第2引っ張りコイルバネ
45よりも長く延ばした状態で、第2揺動アーム41に
接続することにより、両者の復帰力の差を利用してピニ
オン37が常時ラック23に付勢されるようにしてもよ
い。
【0032】本発明の第1の実施の形態は以上述べたよ
うな構造を備えるものであり、以下巻き取り駆動ローラ
15によるインクリボン17の巻き取り作用を説明し、
併せて第2引っ張りコイルバネ45の作用を説明する。
【0033】図3において、印刷時にキャリッジ1が例
えば左方向に進行すると、ピニオン37はラック23上
を転動するようにして回転する。ピニオン37の回転に
より、揺動ギア39が回転し、この回転駆動が太陽ギア
25を矢印Aの方向へ回転させる。遊星ギア27は、太
陽ギア25のA方向への回転駆動によって、太陽ギア2
5の周囲で反時計回りに公転する力を受けるため、第1
中間ギア31に歯合する。
【0034】第1中間ギア31は、ラチェット7を矢印
Cの回転方向に駆動し、同時に巻き取り駆動ローラ15
が同じ方向に回転駆動する。これにより巻き取り駆動ロ
ーラ15は、キャリッジ1の移動速度に比例してインク
リボン17を巻き取り、ヘッド作用部19に隣接するイ
ンクリボン17の面を常時、新しい面に変えながら印刷
を行うことができる。
【0035】キャリッジ1が最も左側の位置まで到達す
ると、移動方向が反転して右方向に移動するようにな
る。このときピニオン37、揺動ギア39及び太陽ギア
25は、それぞれキャリッジ1が左方向へ移動している
ときとは逆の方向に回転するようになる。しかし遊星ギ
ア27は、太陽ギア25のB方向への回転により、太陽
ギア25の周囲で時計回りに公転する力を受けるため、
第3中間ギア35に歯合するようになる。第3中間ギア
35の回転駆動は、第2中間ギア33を経てラチェット
7に伝達されるため、ラチェット7はキャリッジ1が左
方向へ移動しているときと同様に、時計回りに回転す
る。このようにしてキャリッジ1の進行方向が変わって
も、巻き取り駆動ローラ15の回転方向は変わらず、イ
ンクリボン17を連続して巻き取ることができる。
【0036】上記のような動作において、キャリッジ1
の進行方向が左方向から右方向へ変わる場合に、ピニオ
ン37に掛かる力について考えてみる。ここで、従来の
ように第2引っ張りコイルバネ45がなく、第1引っ張
りコイルバネ43だけが第2揺動アーム41に作用して
いると仮定すると、ピニオン37には、ラック23の方
へ垂直に付勢される力と、ラックの延びる方向の左方向
(第1引っ張りコイルバネ43による引っ張り方向)へ
働く力とが作用する。以下、本明細書において、前者を
ラック垂直付勢力Fと呼び、後者をラック方向作用力
と呼ぶ。
【0037】キャリッジ1が左方向へ進行していると
き、キャリッジ1の移動によりラック方向作用力F
働く方向とは逆方向の力−αが作用するため、これらの
合力はF−αとなり、ラック方向作用力が相殺される
ことになる。
【0038】一方、キャリッジ1が右方向へ進行してい
るとき、キャリッジの移動によりラック方向作用力F
の働く方向と同方向の力+αが作用するため、これらの
合力はF+αとなる。従って、キャリッジ1の進行方
向が左方向から右方向へ変わるとき、ラック23及びピ
ニオン37の歯には+2αの力が瞬時に加算されること
になり、これが衝撃となって振動を生じさせたり、ピニ
オン37の歯を痛めたり、歯飛びする原因となることが
ある。
【0039】これに対して本願発明では、第2引っ張り
コイルバネ45を第1引っ張りコイルバネ43の反対方
向に設けているから、第2引っ張りコイルバネ45の緩
衝作用によりラック方向作用力の変化の速度が遅くな
り、+2αの力が瞬時に加わることが解消される。従っ
て、キャリッジ1の進行方向が左方向から右方向へ変わ
るときに、あるいは右方向から左方向へ変わるときに、
衝撃や振動を生じることがなくなり、ピニオン37の歯
を痛めたり、歯飛びすることがなくなる。
【0040】次に、本願発明の第2の実施の形態につい
て図4及び図5を参照しながら説明する。図4は本発明
に係る巻き取り装置の第2の実施の形態を示し、ペーパ
ーギャップが最小の時のラック、ピニオン及び巻き取り
駆動ローラ周辺の構成を示す図であり、図5は同第2の
実施の形態において、ペーパーギャップが最小の状態か
ら拡大したときのラック、ピニオン及び巻き取り駆動ロ
ーラ周辺の構成を示す図である。
【0041】図4及び図5に示すように、第2の実施の
形態では、1つの引っ張りコイルバネ47だけを使用す
る点で第1の実施の形態とは異なるが、その他の構成は
第1の実施の形態と同様である。なお、図4及び図5に
おいて、図3中の符号と同一の符号を付した部材は、第
1の実施の形態に関して説明した部材と同一であるので
説明を省略する。
【0042】図4は、ペーパーギャップGが最小となる
ようにキャリッジ1が下方に移動したときの様子を示
す。図4から明らかなように、本実施の形態における引
っ張りコイルバネ47は、ペーパーギャップGが最小で
あるとき、一端が第2揺動アーム41に接続され、他端
が太陽ギア25の回転軸からラック23の延びる方向に
対して垂直方向の延長線上にほぼ位置するようにして固
定されている。このとき太陽ギア25の回転軸と、ピニ
オン37の回転軸と、引っ張りコイルバネ47による引
っ張り方向、即ちピニオン37の付勢方向とがほぼ直線
上に位置するようになっている。
【0043】引っ張りコイルバネ47がこのような配置
を採ることにより、引っ張りコイルバネ47の作用でピ
ニオン37を常時ラック23に対して付勢することがで
きるとともに、第1の実施の形態の説明の中で述べたラ
ック方向作用力Fが極めて小さいかゼロに近くなるた
め、キャリッジ1の進行方向が左方向から右方向へ変わ
るときに、あるいはその逆に変わるときに、衝撃により
ピニオン37の歯を痛めたり、歯飛びするなどの現象を
極力なくすことが可能となる。
【0044】図5は、ペーパーギャップGが最小の状態
から拡大したときの状態を示している。図5に示す如
く、ペーアーギャップGが最小でないときは、図4の状
態に比べてキャリッジ1が上方に移動しているため、ピ
ニオン37が時計回り方向へ若干回転するようになる。
【0045】このときピニオン37は、引っ張りコイル
バネ47の作用により、ラック23へ付勢される力の他
に左方向へのラック方向作用力Fを受けることになる
が、引っ張りコイルバネ47がラック23を挟んで太陽
ギア25の反対側から作用しているために、このラック
方向作用力Fは非常に小さなものであり、従ってキャ
リッジ1の進行方向が左方向から右方向へ変わるとき
に、あるいはその逆に変わるときに、ラック方向作用力
に起因する衝撃は非常に小さなものとなる。
【0046】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、ピニオ
ン付勢手段によりピニオンをラックに付勢しているとき
に作用するラックの延びる方向への力(ラック方向作用
力)が、キャリッジの移動方向の変化に伴い変化すると
き、当該衝撃緩和手段が該ラック方向作用力の変化の速
度を緩和して、衝撃や振動を抑制することができる。従
って、キャリッジが移動方向を変えたときに、ラック及
びピニオンの歯に掛かる衝撃力が弱まるため、ラック及
びピニオンの歯を痛めたり、歯飛びすることを防止する
ことができる。
【0047】また、請求項4記載の発明によれば、ペー
パーギャップが最小であるとき、ピニオンの付勢方向が
ラックに対して垂直となるため、ラック方向作用力が発
生しない。従ってキャリッジが移動方向を変えたとき
に、ラック及びピニオンの歯に掛かる衝撃力がほとんど
なくなり、ラック及びピニオンの歯を痛めたり、歯飛び
することを防止することができる。また、ペーパーギャ
ップが最小状態から大きくなっても、ピニオンの付勢方
向はラックに対してほぼ垂直方向であることに変わりな
く、ラック方向作用力が発生しても非常に小さいから、
キャリッジが移動方向を変えたときに、ラック及びピニ
オンの歯に掛かる衝撃力がほとんど生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリンタにおけるインクリボンの巻き
取り装置の第1の実施の形態を含むキャリッジ周辺の構
造を示す概略側面図である。
【図2】上記第1の実施の形態のインクリボンの巻き取
り装置とインクリボンカートリッジ周辺の構造を示す概
略正面図である。
【図3】上記第1の実施の形態におけるラック、ピニオ
ン及び巻き取り駆動ローラ周辺の構成を示す概略正面図
である。
【図4】本発明のプリンタにおけるインクリボンの巻き
取り装置の第2の実施の形態を示し、ペーパーギャップ
が最小の時のラック、ピニオン及び巻き取り駆動ローラ
周辺の構成を示す概略正面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示し、ペーパーギ
ャップが最小の状態から拡大したときのラック、ピニオ
ン及び巻き取り駆動ローラ周辺の構成を示す概略正面図
である。
【図6】従来のインクリボンの巻き取り装置の一例を示
すラック及びピニオン周辺の図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ 2 ガイド軸 3 基体 7 ラチェット 9 ラチェットの軸 11 記録ヘッド 12 プラテン 13 インクリボンカートリッジ 15 巻き取り駆動ローラ 17 インクリボン 23 ラック 25 太陽ギア 27 遊星ギア 29 第1揺動アーム 31 第1中間ギア 33 第2中間ギア 35 第3中間ギア 37 ピニオン 39 揺動ギア 41 第2揺動アーム 43 第1引っ張りコイルバネ 45 第2引っ張りコイルバネ 47 引っ張りコイルバネ G ペーパーギャップ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリンタに固定的に設けられるラック
    と、 前記ラックと歯合するピニオンと、 前記ラックに沿って移動可能なキャリッジと、 前記キャリッジに設けられ、前記ピニオンの回転軸に対
    して一端が回動可能に接続されているアームと、 前記アームの他端側に接続され、前記ピニオンの回転駆
    動が伝達される第1ギアと、 前記第1ギアに接続するインクリボン巻き取り駆動伝達
    機構と、 前記ピニオンを前記ラックに付勢するピニオン付勢手段
    と、 前記ピニオン付勢手段による前記ラックの延びる方向へ
    の付勢成分の変化による衝撃を緩和する衝撃緩和手段と
    を備えることを特徴とするプリンタにおけるインクリボ
    ンの巻き取り装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記ピニオン付勢手
    段は、一端が前記アームに接続され、他端が固定されて
    いる第1引っ張りコイルバネであり、前記衝撃緩和手段
    は、前記アームを挟んで前記ピニオン付勢手段の反対側
    に位置し、一端が前記アームに接続され、他端が固定さ
    れている第2引っ張りコイルバネであり、 前記アームは、前記第1引っ張りコイルバネと前記第2
    引っ張りコイルバネとから互いに反対方向への引っ張り
    力を常時受けており、両引っ張りコイルバネの引っ張り
    力の合力により、前記アームは前記ピニオンを前記ラッ
    クに付勢するように回動する力を受けていることを特徴
    とするプリンタにおけるインクリボンの巻き取り装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記キャリ
    ッジは、ペーパーギャップを調節するために移動可能で
    あることを特徴とするプリンタにおけるインクリボンの
    巻き取り装置。
  4. 【請求項4】 プリンタに固定的に設けられるラック
    と、 前記ラックと歯合するピニオンと、 前記ラックに沿って移動可能であり、ペーパーギャップ
    を調節可能に配設されたキャリッジと、 前記キャリッジに設けられ、前記ピニオンの回転軸に対
    して一端が回動可能に接続されているアームと、 前記アームの他端側に接続され、前記ピニオンの回転駆
    動が伝達される第1ギアと、 前記第1ギアに接続するインクリボン巻き取り駆動伝達
    機構と、 前記ピニオンを前記ラックに付勢するピニオン付勢手段
    とを備え、 前記ピニオン付勢手段が、前記ペーパーギャップが最小
    になるように調節されたとき、前記第1ギアの回転軸
    と、ピニオンの回転軸と、ピニオン付勢手段によるピニ
    オンの付勢方向とがほぼ直線上に位置するように設けら
    れていることを特徴とするプリンタにおけるインクリボ
    ンの巻き取り装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記ピニオン付勢手
    段は引っ張りコイルバネであり、該引っ張りコイルバネ
    の一端がアームに接続され、他端が前記第1ギアの回転
    軸から前記ラックの延びる方向に対して垂直方向の延長
    線上に位置していることを特徴とするプリンタにおける
    インクリボンの巻き取り装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれか1項に記載さ
    れたインクリボンの巻き取り装置を備えたプリンタ。
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WO2010120131A2 (ko) * 2009-04-15 2010-10-21 주식회사 이엔에프테크놀로지 폐유기용제의 처리방법

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