JPH037173Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、印字リボンを介してプラテンに圧接
したサーマルヘツドを、プラテン行方向（軸方
向）に移動しながら印字リボンの巻取りと発熱動
作を行うようにしたシリアルサーマルプリンタに
関する。

従前からサーマルヘツドによつて印字リボンの
上から発熱転写するプリンタにあつては、印字リ
ボンをプラテンの行方向にリボンガイドに挿通し
て一端で巻取る単純な手動タイプライタに類似の
構造が多用されてきている。サーマル式シリアル
プリンタにおいて要求される性能としては、印字
の品質つまり鮮明で整然とした印字であることと
印字のために必要な部材や機構を塔載したキヤリ
ツジを敏速確実且つ円滑に行送りできることであ
るが、特にドツト型印字におけるドツト間隔が
0.1乃至0.2ミリ程度であるから印字ヘツドのプラ
テンに対向してセツト又はリセツトするストロー
ク運動のスピードと印字リボン送りやキヤリツジ
の移動の条件選定が難かしく殊にヘツド送りとリ
ボン巻取に夫々専用のモータを用いていた。殊に
タイミングの設定上、高速動作したときに印字リ
ボンカセツトの巻取機構との関連で印字リボンが
プラテンから遠ざかる方向に引張られてドツト印
字位置で転写紙、印字リボン、印字ヘツドとの重
合が離間して印字の分解能を著るしく損ねてい
た。また印字リボンの巻取りは印字ストローク運
動に連動して円滑に作動しないとリボンを破断
し、キヤリツジの行送りにも支障を来すことにな
る。

かかる欠点を解消する為に、プラテンに対し平
行移動可能に構成されたキヤリツジフレーム上
に、前記印字ヘツドのプラテン接離動作を行う第
１のソレノイドと、前記キヤリツジフレームの移
動により、プラテンに対し平行に建設するガイド
ロープより、印字リボン巻取りスプールと同軸に
連結した巻取りギアに回転力を伝達する回転力伝
達機構と、該回転力伝達機構と巻取りギア間を離
接させる第２のソレノイドを塔載し、前記第１の
ソレノイドによる印字ヘツド離間動作（リセツト
動作）と連動して第２のソレノイドを駆動させ回
転力伝達機構と巻き取りギア間を離間可能に構成
する事も考えられる。

かかる構成によれば、前記キヤリツジフレーム
とガイドロープの相対移動によりリボン巻取りが
行われる為に、高速プリント動作を行つた場合に
おいても追従性がよく、又第１のソレノイドを利
用して印字ヘツドとプラテン間の転写紙と印字リ
ボンとの圧接を行う為に、圧接が均一且つ強固に
行う事が出来、この為印字の分解能も向上する。
印字リセツト動作と連動して駆動する第２のソレ
ノイドにより回転力伝達機構と巻き取りギア間の
離間を行う為に、リボンの巻取制御が円滑に行わ
れる。

而も本技術によれば前記各駆動制御を専用のモ
ータを用いる事なく一対のソレノイド等により行
うように構成した為に小型化が可能で且つキヤリ
ツジフレームへの塔載も容易になるという効果を
有する。

しかしながら前記技術においてはソレノイドを
用いて各種セツトを行う構成を取る為に、該セツ
ト時に衝撃力が発生し、例えば第１のソレノイド
により印字ヘツドのセツト動作を行う際の衝撃力
により前記印字エレメントと巻取りリール間の印
字リボンに過大張力が発生して破断し易く、又印
字ヘツドとプラテン間の衝撃的圧接により転写紙
と印字リボン間の重合がスムーズにいかない場合
もあつた。

又第２のソレノイドにおいても回転力伝達機構
と巻き取りギア間の衝撃的な接離動作により巻取
りギアを介して印字リボン巻取りスプールに過大
張力が発生し易く、又前記第２のソレノイドによ
り回転力伝達機構が固持されている為に、ガイド
ロープ側より回転力伝達機構と巻取りギアを介し
て印字リボン巻取りスプールに過大張力が発生し
た場合にこれを吸収する事が出来ず、これにより
印字リボンに過大張力が発生して破断してしまう
恐れがあつた。

本考案はかかる従来技術の欠点に鑑み、前記印
字動作及びリボン巻取制御にソレノイドを用いた
場合の欠点を解消し、より具体的には前記ソレノ
イド駆動動作時の衝撃力や固持力に起因して発生
する印字リボンの破断や転写紙と印字リボン間の
重合ずれ等を防止し、円滑な印字動作及びリボン
巻取制御を行い得るサーマルプリンタを提供する
事を目的とする。

本考案はかかる目的達成の為に、 前記印字ヘツドの出口側に配設するピンチロー
ラを該印字ヘツドの発熱面よりプラテン側に近接
させた点 該ピンチローラを弾性変形可能にほぼ垂直に弾
発起立さしめ点 前記回転力伝達機構を、前記ガイドロープより
回転力を受動するギア付きプーリと、前記巻取り
ギアと離接する方向に前記ギア付きプーリ周囲を
公転する遊星ギアと、前記ギア付きプーリと巻取
りギアをギア付きプーリ軸を中心として揺動自在
に一体的に軸支し、弾性力により前記遊星ギアを
前記巻取りギアに歯合させる連結板とにより構成
した点 前記第２のソレノイドと前記連結板間をクラン
ク板を介して首振り自在に連結した点、 を特徴とするものである。

かかる技術手段によれば、ピンチローラを該印
字ヘツドの発熱面よりプラテン側に近接させてほ
ぼ垂直に弾発起立さしめた為に、例えば第１のソ
レノイドにより印字ヘツドのセツト動作を行う際
には、先ず弾性的に付勢されたピンチローラがプ
ラテンに当接する為に緩衝作用が働き、前記ソレ
ノイドの衝撃力を緩和する事が出来る為に、印字
ヘツドとプラテン間が緩衝的に圧接される事な
く、転写紙と印字リボン間の重合がスムーズにい
く。

又印字動作中に前記印字エレメントと巻取りリ
ール間の印字リボンに過大張力が発生した場合に
おいても前記弾性的に付勢されたピンチローラの
弾性的変形により前記過大張力が吸収されその破
断の防止を図る事が出来る。

又第２のソレノイドにおいても、該第２のソレ
ノイドと連結させた回転力伝達機構間をクランク
板を介して首振り自在に連結した為に、該クラン
ク板と回転力伝達機構側の弾性付勢力を効果的に
組あわせて巻き取りギア間のソレノイドによる接
離動作により印字リボン巻取りスプールに過大張
力が発生するのを防止し、且つガイドロープ側よ
り回転力伝達機構と巻取りギアを介して印字リボ
ン巻取りスプールに過大張力が発生した場合にこ
れを容易に吸収し、これにより印字リボンに過大
張力が発生する事なく円滑な張力調整が可能とな
る。

以下図面とともに本考案の一実施例について説
明する。

第１図Ａは本考案装置の上面図、同図Ｂは要部
後面図、同図Ｃ及びＤは夫々同図Ａの要部側面図
であり、第２図はプラテン側からみたヘツド部を
含む要部斜視図である。

さて固定したプラテン１の行方向にキヤリツジ
フレーム６０上に載置したヘツド部２０、第１の
ソレノイド４０、第２のソレノイド５０、及び巻
取調整機構７０等をヘツド部２０の支板３０の基
部に設けたブツシユ４に挿通したガイドシヤフト
３上を滑動するように並設され、上記ガイドシヤ
フト３と並行して張架したガイドロープ６上を上
記巻取調整機構７０の連結板７４に軸止したギア
付プーリ７１が滑動するように配置されている。
先づヘツド部２０は印字エレメント２１の下端部
を発熱面がプラテン１に対向して露出するように
前後面でヘツドホルダ２２と基部の台座にブツシ
ユ４を備えた支板３０とにより挟持し、この支板
３０の背面に印字のためにヘツド部２０のプラテ
ン１に当接、離間を繰返すストローク運動力がプ
ランジヤ４１、クランク４２、を介して第１のソ
レノイド４０から加えられる。

更に第２図に示すように印字印刷Ｐに最も近接
して印字リボン（図示せず）にプラテン１側へ圧
接するためのピンチローラ５を弾性支柱７に軸止
固定してある。ここにピンチローラ５の印字リボ
ンとの接触は印字エレメント２１の発熱面よりも
先に圧接力を作用させるために印字エレメント２
１の露出面よりもピンチローラ５の外周面を若干
プラテン１寄りに突出する程度に固定する。

次に巻取調整機構７０について説明する。

５０は前記第１のソレノイド４０のヘツドリセ
ツト動作に応動して印字テープの巻取りヘツド部
２０の印字位置を一定ピツチ移動させる第２のソ
レノイド５０で、印字リボン巻取スプール７３に
同軸と同軸に連結した巻取りギア７３ａに回転力
の伝達を行う伝達機構の一部をなす連結板をクラ
ンク板７５を介して首振り自在にピンを介して連
結軸支する。

回転力伝達機構は、前記キヤリツジフレーム６
０の移動により、プラテン１に対し平行に延設す
るガイドロープ６より回転力を受動するギア付き
プーリ７１と、前記巻取りギア７３ａと離接する
方向に前記ギア付きプーリ７１周囲を公転する遊
星ギア７２と、前記ギア付きプーリ７１と巻取り
ギア７３ａをギア付きプーリ７１軸を中心として
揺動自在に一体的に軸支し、バネＳにより弾性力
が付勢されて前記遊星ギア７２を前記巻取りギア
７３ａに歯合させる連結板７４とにより構成され
る。

今ギア付プーリ７１を介して何等かの過負荷が
加わると、連結板７４と一体に軸止されているギ
アの内、遊星ギア７２がクランク板７５の首振作
用でプーリ７１と巻取リール７３のギア部と噛合
が解除されて印字リボンの巻取回転を停止するの
で、印字リボン限度を超えた張力が加わらないよ
うに、常に安定且つ一定の速度で円滑に作動す
る。従つて、印字位置とその近傍での印字リボン
のプラテン１からの離間を弾発支柱に取付けたピ
ンチローラ５，５が常にプラテン１寄りに圧接防
止し、プラテン１，１から遠い巻取リール７３ま
で一定の張力で巻取りを進行させることができ
る。

次にかかる実施例の作用を説明する。

印字動作を行う場合は第１のソレノイド４０を
往動させる事により、先ず弾性支柱７に軸支され
たピンチローラ５がプラテン１に当接する為に緩
衝作用が働き、ヘツド部２２とプラテン１間が緩
衝的に圧接され、転写紙と印字リボン間の重合が
円滑に行われる。

そしてヘツド部２２の印字エレメント２１を選
択的に発熱させながらキヤリツジフレーム６０を
移動させる事により、プラテン１に対し平行に延
設するガイドロープ６より回転力伝達機構と巻取
りギアを介して、印字リボン巻取りスプール７３
に回転力が伝達され、所定の印字動作が行われ
る。

この際前記印字エレメント２１と巻取りスプー
ル７３に嵌合させた巻取りリール（不図示）間の
印字リボン（不図示）に過大張力が発生した場合
においても前記ピンチローラ５の弾性支柱７の弾
性的変形により前記過大張力が吸収されその破断
の防止を図る事が出来る。

又バネＳにより連結板に付勢された弾性力とク
ランク板７５の首振り機能により第２のソレノイ
ド５０と回転力伝達機構間が緩衝的に連結される
事になる為、ガイドロープ６側より回転力伝達機
構と巻取りギア７３ａを介して印字リボン巻取り
スプール７３に過大張力が発生した場合にもこれ
を容易に吸収出来る。

そして印字リセツトを行う場合には第１のソレ
ノイド４０による印字ヘツド離間動作（リセツト
動作）と連動して第２のソレノイド５０を駆動さ
せ回転力伝達機構と巻き取りギア７３ａ間を離間
させればよく、この場合にも印字エレメント２１
と巻取りリール間の印字リボンのたるみ発生等を
前記ピンチローラ５の弾性支柱７を利用して緩衝
させる事が可能となる。

従つて本実施例によれば前記した本考案の効果
を円滑に達成し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の上面図、要部後面図、及
び要部側面図であり、第２図は要部の斜視図であ
る。 １……プラテン、３……ガイドシヤフト、４…
…ブツシユ、５……ピンチローラ、６……ガイド
ロープ、２０……ヘツド部、２１……印字エレメ
ント、２２……ヘツドホルダ、３０……支板、４
０……主動力源、５０……補助動力源、６０……
キヤリツジフレーム、７０……巻取調整機構、７
１……ギア付きプーリ、７２……遊星ギア、７３
……印字リボン巻取リール。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 プラテンに対し平行移動可能に構成されたキヤ
   リツジフレーム上に、前記印字ヘツドのプラテン
   接離動作を行う第１のソレノイドと、前記キヤリ
   ツジフレームの移動により、プラテンに対し平行
   に延設するガイドロープより、印字リボン巻取り
   スプールと同軸に連結した巻取りギアに回転力を
   伝達する回転力伝達機構と、該回転力伝達機構と
   巻取りギア間を離接させる第２のソレノイドを塔
   載し、前記第１のソレノイドによる印字ヘツド離
   間動作（リセツト動作）と連動して第２のソレノ
   イドを駆動させ回転力伝達機構と巻き取りギア間
   を離間可能にしたサーマルプリンタにおいて 前記印字ヘツドの出口側に配設するピンチロー
   ラを該印字ヘツドの発熱面よりプラテン側に近接
   させてほぼ垂直に弾発起立さしめ、 一方前記回転力伝達機構を、前記ガイドロープ
   より回転力を受動するギア付きプーリと、前記巻
   取りギアと離接する方向に前記ギア付きプーリ周
   囲を公転する遊星ギアと、前記ギア付きプーリと
   巻取りギアをギア付きプーリ軸を中心として揺動
   自在に一体的に軸支し、弾性力により前記遊星ギ
   アを前記巻取りギアに歯合させる連結板とにより
   構成するとともに、前記第２のソレノイドと前記
   連結板間をクランク板を介して首振り自在に連結
   させた事を特徴とするサーマルプリンタ。