JPS6013655Y2 - インクリボンのテンシヨン装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はインクリボンのテンション装置、特に１方の巻
上げ歯車を駆動して他方の巻上げ歯車からインクリボン
を巻上げる駆動機構を含むインクリボン送り装置のテン
ション装置に関するものである。

事務処理機械の入出力情報あるいは計算機の計算結果そ
の他の記録情報を記録する為に種々のプリンタが周知で
あり、これらのプリンタでは記録用紙の上を移動するイ
ンクリボンを活字あるいはドツトマトリクスピンなどに
より打撃して記録用紙上に所望の文字、数字その他の記
号を記録する。

周知のように、インクリボンはプリント作用の度毎に送
り移動され濃淡むらのない文字が得らるように構成され
ている。

インクリボンの送り装置としては、送り専用のモータ装
置を有するものあるいは印字機構の駆動力を利用して巻
上げ歯車を駆動するものとがある。

前者は高速度の連続した送りを得る利点があるが、装置
が大型化し、又、価格が上昇するという欠点があった。

後者は巻上げ歯車のラチェツト歯及び駆動爪からなる簡
単な構成で送り装置を提供出来る利点があり、小型のイ
ンクリボン送り装置として好適である。

これら従来のいづれの送り装置においても、送り作動中
にインクリボンにたるみが生じる欠点があった。

即ち、モータ送り装置においては駆動側の巻上げ歯車は
一定した回転速度を保つことができるが、従動側の巻上
げ歯車では摩擦力変化等により一定した追従回転が不可
能であり、この結果、インクリボンにたるみが生じる。

またラチェット送りによるインクリボン送り装置では巻
上げ歯車が間欠的に駆動され、送り作用は駆動爪による
衝撃力として巻上げ歯車に供給される。

この結果、被巻上げ側の巻上げ歯車には送りの度にたる
みが生じる欠点があった。

インクリボンのたるみは文字の印字品質を著しく低下さ
せ、この為に従来装置においては、テンションローラに
よるたるみ防止機構が設けられていた。

第１図には従来のラチェット送り型インクリボン送り装
置の概略が示されている。

第１図の基板１０にはスプールシャフト１２．１４が植
立固定されている。

スプールシャフト１２には第２図に示されるように巻上
げ歯車１６が回転可能に軸支されている。

巻上げ歯車１６はシャフト１２のフランジ１８と基板１
０との間に保持され、基板１０からはづれることかない
。

スプールシャフト１４にも同様に巻上げ歯車２０が軸止
され、両シャフト１２．１４にそれぞれリボンスプール
２２゜２４が装着保持されている。

リボンスプール２２には２個の突部２６，２Ｂが設けら
れ、これらの突部２６，２８が巻上げ歯車１６の透孔３
０，３２にそれぞれ係合し、リボンスプール２２が巻上
げ歯車１６と一体に回転される。

両リボンスプール２２，２４にはインクリボン３４がそ
の両端を固定されて巻回されている。

インクリボン３４が基板１０に植立固定されたガイドロ
ーラ３６，３８によりガイドされ、活字ドラム４０と複
数のノ＼ンマ群４２との間に導かれている。

活字ドラム４０は例えばフライングタイプのプリンタは
連続的に回転し周面に設けられた活字が所定位置にきた
とき所望桁おハンマ４２が活字ドラム４０に向って打撃
され、インクリボン３４と活字ドラム４０との間に挿入
される記録用紙に文字が印字される。

巻上げ歯車１６及び２０はそれらの外周にラチェツト歯
１６ ａ、 ２０ ａを有し、これらのラチェット歯
１６ａ、２０ａのいづれか一方が駆動爪４４により間欠
的に駆動される。

駆動爪４４は図示していない周知の印字機構により駆動
され、駆動側の巻上げ歯車のラチェットを衝撃的に駆動
する。

この衝撃送りによって被駆動側の巻上げ歯車はその慣性
により必要以上に回転し、インクリボン３４にたるみを
生じる。

従来装置ではインクリボン３４のたるみを取る為に基板
１０に軸止されたテンションレバー４６の先端に固定さ
れたテンションローラ４８をインクリボン３４に圧接し
て行なっている。

テンションレバー４６の他端と基板１０との間にはテン
ションスプリング５０が掛けられテンションローラ４８
が常にインクリボン３４に圧接される。

このたるみ防止機構は両巻上げ歯車の近傍に設けられ、
第１図において巻上げ歯車１６側にはテンションレバー
５２、テンションローラ５４及びテンションスプリング
５６が示されている。

この従来のたるみ防止機構ではインクリボン３４が衝撃
的に送らるとき、テンションローラ４８もしくは５４は
必要以上に回動運動を行ない、インクリボン３４のたる
みをむしろ増加させる欠点があった。

本考案は前述した従来の課題に鑑みなされたものであり
、その目的は、モータ送りあるいは駆動爪による衝撃的
な送り作用時においてもインクリボンにたるみが生じる
ことのない改良されたインクリボンのテンション装置を
提供することにある。

上記目的を達成する為に、本考案は各巻上げ歯車に摩擦
結合された両テンションレバー間にテンションスプリン
グを張架することによって慣性の少ないテンション機構
を形成したことを特徴とする。

以下図面に基づいて本考案の好適な実施例を説明する。

第３図には本考案に係るテンション装置の設けられたイ
ンクリボン送り装置の概略が示され第４図には巻上げ歯
車機構の詳細が示されている。

各図において第１，２図に示した従来装置と同一の部材
には同一符号を付して説明を省略する。

巻上げ歯車１６には第４図の下方に向って突出されたフ
ラ牢ジ部１６ｂが設けられ、このフランジ部１６ｂには
テンションレバー６０が回動可能に摩擦結合されている
。

巻上げ歯車１６とテンションレバー６０との間には皿ば
ね６２が挿入され、巻上げ歯車１６とテンションレバー
６０との間の摩擦力をほぼ一定値に維持している。

テンションレバー６０の一端６０ａは図示のように折曲
げられ、基板１０に設けられた開口部６４を貫通してい
る。

開口部６４の両側壁６４ａ、６４ｂはテンションレバー
６０の可動範囲を規制する為のストッパを形成している
。

巻上げ歯車２０にも同様のテンションレバー６６が摩擦
結合され、又、テンションレバー６６の可動範囲は基板
１０に設けられた開口部６８の両側壁６８ａ、６８ｂに
て規制されている。

両開口部６４及び６８により定まるテンションレバー６
０．６６の可動範囲は巻上げ歯車１６もしくは２０の送
り運動時に生じるゆるみ量に応じて適宜設定されている
。

テンションレバー６０と６６との間にはテンシヨンスプ
リング４０が張架されている。

テンションスプリング７０は第３図の張架状態において
被巻上げ側の巻上げ歯車とテンションレバーとの間の摩
擦力よりも小さな張力になるように設定されている。

本考案に係るテンション装置は以上の構成からなり、次
にその作用を説明する。

第３図は駆動機構の駆動爪４４が巻上げ歯車１４のラチ
ェット１６ａと係合する状態を示しインクリボン３４は
矢印Ａ方向に送られる。

巻上げ歯車１６が矢印Ｂ方向に回転すると共に、テンシ
ョンレバー６０も同一方向に回転するがその運動は開口
部６４の側壁６４ｂにて停止される。

巻上げ歯車１６の以降の回転時にはテンションレバー６
０は巻上は歯車１６とスリップしてこの位置にとどまる
。

一方、巻上げ歯車２０は巻上げ歯車１６の回転により回
転され、同時にテンションレバー６６も同一方向に回動
する。

テンションレバー６６は開口部６８の側壁６８ｂにて停
止され、以降巻上げ歯車２０とテンションレバー６６と
はスリップする。

駆動爪４４により駆動歯車が衝撃的に送り駆動されると
巻上げ歯車２０も必要量以上送られインクリボン３４に
たるみを生じさせる。

このとき、テンションレバー６６はテンションスプリン
グ７０により引張られているのでテンションレバー６６
及び巻上げ歯車２０はインクリボン３４のたるみ分だけ
は矢印Ｃ方向に若干戻される。

開口部６８の大きさで定まるテンションレバー６６の可
動範囲は巻上げ歯車２０のたるみよりも大きく設定され
ているので、インクリボン３４のたるみは直ちに吸収さ
れプリンタの印字特性に悪影響ヲ与えることはない。

テンションレバー６６の戻り運動は次の送り時に巻上げ
歯車２０の回転と共に回動するとにより消失する。

以上のように被巻上げ側のテンションレバーが送り作動
時に往復運動することによってインクリボンのたるみが
遅れなく保障される。

図示した実施例では、テンションレバー６０゜６６は基
板１０に設けられた開口部６４．６８にてそれらの可動
範囲が規制されているが、例えば基板１０に植立された
ストッパピンなどによす可動範囲を規制することも可能
である。

以上説明したように、本考案によれば送り作用によるイ
ンクリボンのたるみを効果的に吸収することが出来、又
、送り装置に設けられるテンションローラなどの付属部
品を省略腰巻上げ歯車に係合スルテンションレバーと、
このテンションレバーに張架されたテンションスプリン
グのみでテンション機構を得ることが出来、構成を簡略
化する利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のインクリボン送り装置を示す斜視図、第
２図は第１図の巻上げ歯車機構を示す要部断面図、第３
図は本考案に係るテンション装置を用いたインクリボン
送り装置の概略斜視図、第４図は第３図の巻上げ歯車の
要部を示す断面図である。 １６．２０・・・・・・巻上げ歯車、２２．２４・・・
・・・リボンスプール、４４・・・・・・駆動爪、６０
．６６・・・・・・テンションレバー ７０・・・・・
・テンションスプリング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 リボンスプールが装着保持されリボンスプールを往復巻
   上げするための一対の巻上げ歯車と、いづれか一方の巻
   上げ歯車を駆動するための駆動機構と、 各巻上げ歯車に摩擦結合され巻上げ歯車のたるみを吸収
   するための可動範囲を有するテンションレバーと、 両テンションレバー間に張架され被巻上げ側の巻上げ歯
   車とテンションレバーとの間の摩擦力よりも小さな張力
   を有するテンションスプリングと、 を含むインクリボンのテンション装置。