JPH0225346B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はシリアルプリンタに関し、特にその活
字選択及びリボンフイード機構に関する。

この種のシリアルプリンタにおいては、最小限
紙送り動作、印字ヘツド部横送り動作、リボン送
り動作、活字選択動作（シフト動作及びローテー
ト動作）、および印字ハンマリング動作が必要で
ある。近年のシリアルプリンタではこれらの各動
作はそれぞれ独立した駆動部（サーボモータ、パ
ルスモータ、ソレノイド等）を有していて、それ
ぞれ独立に制御されている。しかし、この様に完
全に独立した駆動部を有することは、その分駆動
源が必要となり、製品コストが高くなる。したが
つて、本発明の目的は、駆動源の数を減らしたシ
リアルプリンタを提供することである。

本発明によれば、活字選択シフト動作及びリボ
ンフイード動作を一つのモータにより行なうよう
にしたシリアルプリンタを得ることができる。

次に本発明の実施例を示した図面を参照して、
本発明を詳細に説明する。

第１図を参照すると、本発明の一実施例におい
て、キヤリヤユニツト１はプラテン２に対置され
ている。プラテン２およびトラクタユニツト３
は、用紙送りパルスモータ４により作動され、プ
ラテン２に巻回された用紙１９を送る。キヤリヤ
ユニツト１は、複数個のガイドベアリング５を介
して、フレームに固定された２本のガイドシヤフ
ト６に載せられており、プラテン２と平行に移動
する。この移動力はスペーシングモータ７からス
ペーシングワイヤ８を介して伝えられる。

第２図および第３図を参照すると、リボンカセ
ツト９はキヤリヤベース１０の腕部及び図示され
ていないストツパにより支持されており、リボン
カセツト９のフイードローラ部にリボンフイード
ピース７４のシヤフト部８０が係合している。リ
ボン１１はリボンカセツト９の腕部よりカセツト
の外に出て２本のリボンガイド１６の外側を通
り、もう一方の腕部へ戻つている。これにより、
リボン１１は活字１２とプラテン２の間を通る。

印字ヘツド１２はキヤリヤベース１０に固定さ
れたローテートモータ１３のシヤフト１４に固定
された活字マウントユニツト１５により支持され
ている。印字ヘツド１２は本実施例では第４図に
示すように、カツプ型をしており、上下２段の円
周上に印字２０が配置されていて、それぞれ弾性
をもつたフインガー２１により支持されている。
ハンマサポートユニツト１７は、キヤリヤベース
１０に固定されていて、ハンマ１８を活字ヘツド
１２の裏側に支持している。

ローテートモータ１３は、ステツプモータであ
るが、第７図に示すように、ステータ２５が、ロ
ータ２６よりも長く、また、シヤフトを支持する
ベアリング２８が回転方向だけでなくスラスト方
向にも一定量のシヤフトの移動を可能にしたタイ
プのものであり、これによつて、シヤフトを回転
軸方向に動かせる特殊なステツプモータである。
なお、モータ内部に組みこまれたスプリング２７
はシヤフトを一定方向に付勢している。

次に第５図および第６図を参照して、印字時の
各部の動作を説明する第５図は印字ヘツド１２の
上側の円周上にある活字２０を印字している状態
であり、ハンマ１８が励磁されると、ハンマシヤ
フト２３が前方へ飛び出し、フインガー２１にあ
たつて、活字２０をプラテン２に押しつける。こ
の時、活字２０とプラテン２との間には、リボン
１１及び用紙１９がはさまれ、用紙１９にリボン
１１のインクが転写される。第６図は印字ヘツド
１２の下側の活字を印字している状態であり、第
５図との相異はローテートモータ１３のシヤフト
１４の位置である。すなわち、シヤフト１４を上
下させることが活字選択のシフトとなる。

以下にこのシフト動作のための機構を説明す
る。第１２図に示すように、ローテートモータ１
３の下部にはカムカバー３４が固定されており、
このカムカバーに平面カム３０がベアリング３１
を介して取りつけられている。ローテートモータ
１３のシヤフトにはカムフオロワ２４が固定され
ており、平面カム３０のカム面に接している。平
面カム３０のカム曲線は第８図ａに示す様になつ
ている。すなわち、第８図ａの330゜〜360゜、0゜〜
30゜の区間にカムフオロワがあるときには第５図
の状態、また第８図ａの180゜〜240゜の区間にカム
フオロワがあるときには第６図の状態となる。平
面カム３０は後述のようにステツプモータ５０に
より駆動される。

第９図に示すように、平面カム３０にはマグネ
ツト３２，３３が接着されており、カムカバー３
４に接着されたホールIC３５により、このマグ
ネツト３２，３３を検出している。第８図ｂはカ
ムの回転角とホールICの出力の関係を示す。す
なわち、ホールIC３５がＬのとき、カムフオロ
ワ１５は平面カム３０のカム面の平坦部にある様
に、マグネツト３２，３３及びホールIC３５は
配置される。更に、平面カム３０はその側面に開
口部３７，３８を有している。また、カムカバー
３４にはトーシヨンスプリング３９により付勢さ
れたデテント４０が回転自在に取付けられてい
る。この開口部３７，３８及びデテント４０の作
用により、平面カム３０は一方向（第９図におい
て、時計回り）には自在に回転するが、逆方向で
はラツチされてしまう箇所が生じる。このラツチ
されてしまう箇所は、第８図カム回転角でｄ及び
ｅの箇所、すなわち、自在に回転できる方向に平
面カム３０を回転していつて、カムフオロワ２４
がカム面の平坦部にはいり、ホールIC３５の出
力が、Ｌになつた直後である。

シフト動作およびリボンフイード動作の双方の
駆動源となるステツプモータ５０は両方向にシヤ
フトの出ているタイプのモータであり、キヤリヤ
ベース１０に固定されている。第１０図に示すよ
うに、このステツプモータの下側につき出たシヤ
フトにはバーチカルクラツチユニツト５１のクラ
ツチシヤフト５２が圧入されている。バーチカル
クラツチユニツト５１は、クラツチシヤフト５
２、クラツチアーム５３、クラツチカバー５４、
スプリング５５よりなり、クラツチシヤフト５２
とクラツチアーム５３は接着により一体化されて
いる。第１０図ｂで明らかなようにクラツチシヤ
フト５２が一方向（Ａ方向）に回転すると、クラ
ツチアーム５３のアーム部６０とクラツチカバー
５４の内部に形成された歯部６１が噛み合つてク
ラツチカバー５４はクラツチシヤフト５２と一体
化し回転する。また、クラツチシヤフト５２が逆
方向（Ｂ方向）に回転すると、第１０図ｃに示す
ように、クラツチアーム５３のアーム部６０が中
心方向にたわんでしまいトルフの伝達はこの部分
ではおこらない。ただしクラツチカバー５４はス
プリング５５によつてフリクシヨン部６２がクラ
ツチアーム５３に押しつけられているため、この
時も一定量のトルクは伝わる。クラツチカバー５
４の外周にはギヤが形成されており、前述平面カ
ム３０の外周に形成されたギヤとかみ合つて平面
カム３０を駆動する。

シフト動作は次のように行なわれる。ステツプ
モータ５０がＡ方向に回転するとバーチカルクラ
ツチユニツト５１は前述のようにかみ合つた状態
となり、平面カム３０を回転させる。（この平面
カム３０の回転方向は第９図の時計回り方向であ
る。）ホールIC３５の出力がＬになつたら、ステ
ツプモータを更に１ステツプだけ同方向に進め停
止する。これで、平面カム３０はカムフオロワ３
５が、カムの平坦部に位置して停止する。またデ
テント４０は平面カム３０の開口部３７もしくは
３８のどちらかに落ちこみ、この後、ステツプモ
ータ５０が逆方向に回転したときに平面カム３０
が回転するのを止める。ここで、ホールIC３５
の出力がＬになつたのち、ステツプモータ５０を
１ステツプ進めるのは、ホールIC３５がＬにな
る位置とデテント４０がおちこむ位置がわずかに
ずらしてある〔このため、デテント４０におちこ
んでいるときは、必ずホールIC３５がＬとなつ
ている〕のをカバーするためである。また、動作
速度をあげると、ステツプモータ５０を停止して
も平面カム３０が慣性で動く。これは、スプリン
グ５５の強さで決まるバーチカルクラツチユニツ
トの空転方向のトルクによつて吸収される。

また、電源を入れた時には、平面カムがどの位
置にあるか不明であるので、この位置を知る必要
があり、これは次の手順で行なう。まず、ホール
IC３５の出力がＬになるところまで、平面カム
３０を回転させ、次にステツプモータ５０の動作
ステツプ数をカウントしながらもう一度ホール
IC３５の出力がＬになるまで、平面カム３０を
回転する。第８図ｂで明らかな様にマグネツト３
２と３４は非対称にとりつけられているために、
上記のカウント数によつて現在どちら側の平坦部
にいるか知ることができる。

次に、リボンフイード機構について説明する。
ステツプモータ５０の上側に出ているシヤフトに
は、第１１図に示すように、リボンフイードモー
タギヤ７０が圧入されていて、アイドルギヤ７１
を介してリボンフイードユニツト７２にトルクを
伝達する。リボンフイードユニツト７２はリボン
フイードギヤ７３、リボンフイードピース７４、
リボンフイードデテント７５から構成されてい
る。リボンフイードデテント７５はキヤリヤベー
ス１０に固定され、その他は回転可能に支持され
ている。リボンフイードピース７４はリボン１１
を送るリボンフイードシヤフト部８０と、リボン
フイードアーム部８１からなつている。リボンフ
イードアーム部８１にはクラツチアーム５３（第
１０図）と同様のアーム部が上下２列に設けられ
ていて、上段の１列は、リボンフイードギヤ７３
の内部に設けられた歯部と、また下段の１列はリ
ボンフイードデテントの歯車と対向しており、ク
ラツチアーム５３とクラツチカバ５４の関係と同
様な一方向のかみ合いをおこす。このため、Ａ方
向（すなわちシフト動作をおこす方向）のステツ
プモータの回転のときは、リボンフイードデテン
ト７５とリボンフイードピース７４はかみ合い方
向であり、リボンフイードギヤ７３とリボンフイ
ードピース７４はすべり方向であるため、リボン
フイードギヤ７３は空転する。また、この逆のＢ
方向の回転（すなわちシフト動作に影響のない方
向）のときはリボンフイードピース７４とリボン
フイードデテント７５はすべり方向であり、リボ
ンフイードギヤ７３とリボンフイードピース７４
がかみ合うことにより、リボン１１が送られる。
なお、ステツプモータ５０は、ハンマの駆動によ
る印字毎に、その印字後、Ｂ方向に駆動されるの
で、印字動作後インクリボンは所定量だけ送られ
る。印字後シフト動作が必要な場合には、Ａ方向
駆動によるシフト動作後Ｂ方向に駆動される。

以上説明したように、一つのモータにより活字
選択のシフト動作とリボンフイード動作を行なう
ことにより、低コストのプリンタを提供する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の斜視図、第２図お
よび第３図はキヤリヤユニツト部の平面図および
側面図。第４図は活字ヘツドの斜視図、第５図お
よび第６図は活字ヘツドのシフト動作を示す側断
面図、第７図はローテートモータの側断面図、第
８図ａ，ｂおよび第９図ａ，ｂ，ｃは平面カムの
動作を説明する図、第１０図ａ，ｂ，ｃはハーチ
カルクラツチユニツトの側断面図および動作を説
明する図、第１１図はリボンフイード部の側断面
図、第１２図はシフト動作機構部の側断面図であ
る。 １……キヤリアユニツト、２……プラテン、３
……トラクタ、４……用紙送りパルスモータ、５
……ガイドベアリング、６……ガイドシヤフト、
７……スペーシングモータ、８……スペーシング
ワイヤ、９……リボンカセツト、１０……キヤリ
アベース、１１……リボン、１２……活字ヘツ
ド、１３……ローテートモータ、１４……ローテ
ートモータのシヤフト、１５……活字マウントユ
ニツト、１６……リボンガイド、１７……ハンマ
サポートユニツト、１８……ハンマ、１９……用
紙、２０……活字、２１……フインガー、２３…
…ハンマシヤフト、２４……カムフオロワ、２５
……ステータ、２６……ロータ、２７，５５……
スプリング、２８，３１……ベアリング、３０…
…平面カム、３２，３３……マグネツト、３４…
…カムカバー、３５……ホールIC、３７，３８
……開口部、３９……トーシヨンスプリング、４
０……デテント、５０……ステツプモータ、５１
……バーチカルクラツチユニツト、５２……クラ
ツチシヤフト、５３……クラツチアーム、５４…
…クラツチカバー、６０……クラツチアームのア
ーム部、６１……クラツチカバーの歯部、６２…
…フリクシヨン部、７０……リボンモータギア、
７１……アイドルギア、７２……リボンフイード
ユニツト、７３……リボンフイードギア、７４…
…リボンフイードピース、７５……リボンフイー
ドデテント、８０……リボンフイードシヤフト
部、８１……リボンフイードアーム部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 高さの異なる第一および第二の円周上に各々
   複数の活字が配置された活字体と、 前記高さ方向に摺動可能に設けられ前記活字体
   をその中心軸の回りに回転させるシヤフトを有す
   る第一のモータと、 互いに逆の第一および第二の方向に回転し、前
   記第一の方向の回転によつて前記活字体の周囲に
   配置されるインクリボンを駆動する第二のモータ
   と、 前記第二のモータの前記第二の方向の回転を前
   記第一のモータのシヤフトの前記高さ方向の摺動
   に変換する機構とを有し、 前記活字体の同一円周上の複数の活字の選択を
   前記第一のモータの回転によつて行ない、前記活
   字体の前記第一および第二の円周の選択を前記第
   二のモータの前記第二の方向の回転によつて行な
   うことを特徴とするシリアルプリンタ。