JP2001224998A - コーティングヘッドおよび塗布方法 - Google Patents

コーティングヘッドおよび塗布方法

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JP2001224998A
JP2001224998A JP2000039456A JP2000039456A JP2001224998A JP 2001224998 A JP2001224998 A JP 2001224998A JP 2000039456 A JP2000039456 A JP 2000039456A JP 2000039456 A JP2000039456 A JP 2000039456A JP 2001224998 A JP2001224998 A JP 2001224998A
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manifold
coating head
block
supply hole
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JP2000039456A
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Daiki Minamino
大樹 南野
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コーティングヘッド内に気泡の滞留を起こさ
せることなく、且つ、均一な塗布液の流れを形成し、塗
膜の局所的な薄膜化や、塗膜の途切れを解消するための
コーティングヘッドおよび塗布方法を提供する。 【解決手段】 第1のブロックの平らな境界面と、第2
のブロックの溝のスリットとは反対側の端部とがなす角
度が10°以上50°以下であることを特徴とするコー
ティングヘッド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗布液供給口、マ
ニホールド、及び、スリットを有するコーティングヘッ
ドおよび塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】支持体上に塗布液を塗布し、塗膜を形成
する手段としては、リバースロールコーティング方式、
グラビアロールコーティング方式などの各種ロール塗布
方式や、ブレードコーティング方式、ワイヤーバーコー
ティング方式、又は、ダイコーティング方式等各種の塗
布方式が知られている。
【0003】これら塗布方式の中で、塗布精度が高く、
且つ、塗布液の溶媒として揮発性の高い有機溶剤を使用
する場合には、塗布液を支持体上に吐出するまでに外気
との接触が少なく、溶媒揮発による塗布液物性の変化が
起こりにくい事等から、ダイコーティング方式を用いる
ことは好ましい。
【0004】ダイコーティング方式に用いるコーティン
グヘッド(塗布液を吐出するための先端部材)は、塗布
液を取り入れる供給孔、該供給孔から取り入れた塗布液
をコーティングヘッド内部で塗布幅方向に広げるための
マニホールド(液溜め空間)、及び、該マニホールドか
ら塗布液を支持体上に吐出するためのスリットを有す
る。通常、一つのマニホールドと一つのスリットを形成
するのに、2つのブロックが使用され、当該マニホール
ドとスリットとは、前記2つのブロックの境界に形成さ
れる。
【0005】図6〜図8に、従来の一般的なエクストル
ージョン型ダイコーティングヘッドの模式図を示す。
【0006】図6は、コーティングヘッドを構成する2
つのブロックのうち、片方にのみマニホールドを形成す
るための半円形の溝を設け、他方の境界面が平らなブロ
ックと合わせることによって半円形のマニホールドとス
リットとを構成するタイプのコーティングヘッドを示
し、図6(a)はコーティングヘッドの2つのブロック
の分解して示す図、図6(b)は2つのブロックを各境
界面で合わせてコーティングヘッドを構成した図であ
る。図中、参照番号1は第1のブロック、1kは第1の
ブロック1の境界面、2は第2のブロック、2kは第2
のブロック2の境界面、2mはマニホールドを形成する
ための半円形の溝である。また、Mは境界面1kと境界
面2kを向かい合わせて形成したマニホールド、Sは境
界面1kと境界面2kの間隙であってマニホールドMか
ら塗布液の吐出方向に伸びたスリット、Lは塗布液の吐
出口としてのリップである。このコーティングヘッドに
おいて、境界面1kと、スリットSが形成されている側
に対して反対側の溝2mの端部とがなす角度θは、溝2
mが半円形であるため直角である。(角度θは、境界面
1kと、第1のブロック1と第2のブロック2の接点に
おける溝2mの半円の接線とのなす角度である)E1
は、第2のブロック2のスリットSからマニホールドM
に至る部分であるが、スリットSを構成する境界面2k
の平面と、溝2mの曲面とがぶつかって角(稜)を形成
している。また、E2は、第2のブロック2の溝2mの
スリットSとは反対側の端部であり、溝2mの曲面と、
境界面1kの平面とがぶつかって角(稜)を形成する。
尚、図6においては、マニホールドMに塗布液を供給す
るための供給孔は省略してある。
【0007】図7は、別の従来例であり、コーティング
ヘッドを構成する2つのブロックの両方にマニホールド
用の半円形の溝を設け、2つを合わせて円形のマニホー
ルドを形成するタイプのコーティングヘッドの模式図で
ある。参照符合Hは、塗布液の供給孔である。
【0008】図8は、図7のコーティングヘッドのII−
II断面図である。コーティングヘッドの塗布幅方向(図
中横方向)の中央部に、マニホールドMの塗布幅方向に
対して直交する方向に設けられた塗布液の供給孔Hは、
図示しない塗布液供給源から塗布液をコーティングヘッ
ド内のマニホールドMに取り込むためのものである。供
給孔Hは、通常、図8のように一定の太さの管状に加工
され、マニホールドMの塗布幅方向に対し直角に連結し
ている。供給孔Hから取り入れた塗布液は、マニホール
ドM全域に広がり、さらにスリットSを伝ってリップL
の間から支持体上に吐出することとなる。E3は供給孔
HのマニホールドMに至る合流部であり、供給孔Hの内
壁面と、マニホールドMの内壁面がぶつかって、角
(稜)を形成している。
【0009】図6または図7に示すコーティングヘッド
においては、スリットMからマニホールドMへ至る部分
E1に、また、図6のコーティングヘッドにおいては、
前述の第1のブロック1と第2のブロック2の溝2mの
スリットSとは反対側の端部E2とがぶつかる部分に角
が存在する。これらE1の角およびE2の角は直角であ
るが、このような角が存在すると、コーティングヘッド
内に塗布液を満たす段階で、気泡がコーティングヘッド
内に滞留しやすいことが判明した。滞留した気泡は、塗
布液の流路を妨げ、当該妨げられた部分には塗布液が行
き渡らないため、このまま塗布を行うと、気泡の位置に
対応して塗膜が薄くなったり、あるいは塗膜が得られな
い部分が局所的に生ずることとなる。
【0010】コーティングヘッド内の気泡を除去する方
法としては、コーティングヘッド内への塗布液充填段階
で、塗布時の塗布液流量より多量の塗布液を流して気泡
を押し出したり、スリットS内にリップL側からスリッ
トSの間隙より薄いシム等を挿入して気泡を掻き出した
りする方法があるが、これでは気泡の除去は完全ではな
く、準備に時間もかかり、塗布液を無駄に消費するとい
う問題もあった。
【0011】また、このようなコーティングヘッドで
は、気泡が内部に滞留していなくても、コーティングヘ
ッド内の塗布液の流れがスムーズでない場合、流れの少
ない部分で塗布液が長時間滞留して劣化したり、極端に
流れの速い部分で塗布液流量が所望以上に増えたりする
問題もあった。
【0012】特開平10−146556号には、スリッ
トからマニホールドに至る部分を鈍角に加工することに
よって、塗布液の流れがスムーズになるようにする発明
が開示されているが、ここを鈍角としても依然として気
泡の滞留を完全に解消することは出来ていないことがわ
かった。
【0013】更に、図8からもわかるように、従来のコ
ーティングヘッドにおいては、供給孔Hのマニホールド
Mに至る合流部E3も、90°の角が存在していること
がわかる。発明者の研究によれば、E3の90°の角
は、やはり塗布液の流れに乱れを生じ、これにより気泡
の滞留も起こりやすいことがわかった。このため塗布液
のマニホールドMの塗布幅方向への広がりが妨げられ、
支持体上に塗布された塗膜の厚みに不均一を生じさせる
原因となりかねない。また、供給孔HのマニホールドM
への塗布液の流速が速い場合、このE3の90°の角に
よって乱流を生じ、気泡の発生や塗布液の広がりを妨害
する原因を生じることもわかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、コー
ティングヘッド内に気泡の滞留を起こさせることなく、
且つ、均一な塗布液の流れを形成し、塗膜の局所的な薄
膜化や、塗膜の途切れを解消するためのコーティングヘ
ッドおよび塗布方法である。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記の構成により達成された。
【0016】1.境界面が平らな第1のブロックと、境
界面にマニホールドを形成するための溝を有する第2の
ブロックとを、前記境界面同士において合わせて、前記
第1のブロックと前記第2のブロックとの境界に前記マ
ニホールドと前記マニホールドから伸びるスリットとを
形成してなるコーティングヘッドにおいて、前記第1の
ブロックの境界面と、前記第2のブロックの前記溝の前
記スリットとは反対側の端部とがなす角度θが10°以
上50°以下であることを特徴とするコーティングヘッ
ド。
【0017】2.前記第2のブロックの前記スリットか
ら前記マニホールドに至る部分が、角を有さないことを
特徴とする上記1に記載のコーティングヘッド。
【0018】3.前記スリットから前記マニホールドに
至る部分の曲率半径R1と、前記スリットの幅hとの関
係が、R1>2hを満たすことを特徴とする上記2に記
載のコーティングヘッド。
【0019】4.第1のブロックと第2のブロックとの
境界にマニホールドと、前記マニホールドから伸びるス
リットとを形成してなるコーティングヘッドにおいて、
前記マニホールドに塗布液を供給するための供給孔を有
し、前記供給孔の前記マニホールドに至る合流部におい
て、前記供給孔の断面積が、前記塗布液の供給方向に向
かって拡大していることを特徴とするコーティングヘッ
ド。
【0020】5.前記合流部における前記供給孔の前記
拡大後の断面積が、前記拡大前の断面積の1.2倍以上
であることを特徴とする上記4に記載のコーティングヘ
ッド。
【0021】6.前記合流部が角を有さないことを特徴
とする上記5に記載のコーティングヘッド。
【0022】7.前記角を有さない合流部の曲率半径R
2が1〜5mmであることを特徴とする上記6に記載の
コーティングヘッド。
【0023】8.上記4〜7のいずれか1項に記載のコ
ーティングヘッドを用いた塗布方法において、前記合流
部における塗布液がレイノルズ数Re2000以下の層
流であることを特徴とする塗布方法。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明をするが、本発明はこれに
限定されない。
【0025】図1は、本発明のコーティングヘッドの一
形態を示す模式図で、図1(a)は2つのブロックを分
解して示す図、図1(b)は2つのブロックをそれぞれ
の境界面で合わせてコーティングヘッドを構成した図で
ある。図中、前述した部材と同一の部材については同一
の参照符合を付してある。図において1は第1のブロッ
クで、平らな境界面1kを有している。2は第2のブロ
ックで、第2のブロック2は、第1ブロック1と合わせ
る境界面2k側に溝2mを有している。第1のブロック
1の境界面1kと第2のブロック2の境界面2kとを合
わせた境界には、マニホールドMと当該マニホールドM
とつながるスリットSが形成されている。Lは塗布液の
吐出口としてのリップである。
【0026】本発明においては、第1のブロックの境界
面1kと、第2のブロック2において、図中の溝2mを
挟んで下側の境界面2kに対して、図中の右側にやや退
避した位置の上側の境界面2kと前記第1のブロックの
境界面1kとで作られるスリットSとは反対側の溝2m
の端部C2とがなす角度θ(前記端部C2における接線
と前記境界面1kとのなす角度θと換言しうる)を10
°〜50°となるように構成してある。当該構成とした
ことにより、コーティングヘッド内の気泡の滞留や、塗
布液の乱流を防止するという本発明の効果を奏すること
が出来る。角度θは好ましくは10°〜40°である。
角度θが10°より小さいと、第2のブロック2の端部
C2をコーティングヘッドの塗布幅方向に角度θが一定
となるようブロックを作成することが機械加工上困難で
あり、角度θの精度が悪い場合には、コーティングヘッ
ドの塗布幅方向の塗膜厚みが不均一を生じやすい。一
方、角度θが50°より大きいと、コーティングヘッド
内の気泡の滞留が著しく多くなるので好ましくない。
【0027】図2は、本発明に係るコーティングヘッド
の別の形態を示す模式図である。尚、図2以降の図にお
いても、前述した部材等については、同一の参照番号を
付してある。第1のブロック1の境界面1kとマニホー
ルドMの端部C2を通る接線とのなす角度θは、同様に
10°〜50°である。また、本実施の形態では、第2
のブロック2のスリットSからマニホールドMに至る部
分C1が、角を有さない曲面となっている。このC1の
曲面の曲率半径をR1(mm)、スリットSの幅をh
(mm)としたとき、R1>2hを満たすことによっ
て、本発明の効果をより奏することがわかった。
【0028】C1が、曲率の変化する連続曲面であると
きは、最小曲率半径がR1である。また、スリットの幅
hはリップLにおける幅のことを差す。
【0029】尚、図1および図2に示したコーティング
ヘッドの模式図は、後述する図3のコーティングヘッド
の模式図のような塗布液の供給孔Hは省略しているが、
当然ながらマニホールドMに連結する供給孔を有してい
るものである。
【0030】図3は、本発明の供給孔のマニホールドに
至る合流部において、供給孔の断面積が、塗布液の供給
方向に向かって拡大していることを示すためのコーティ
ングヘッドの模式図である。図3(a)はコーティング
ヘッド全体を示す図、図3(b)は供給孔Hとマニホー
ルドMを拡大した図である。供給孔Hは、塗布液の供給
方向に向かって、その直径がd1からd2へとラッパ状に
拡大していることがわかる。この直径d1からd2に至る
連続曲面(合流部C3)の曲率半径R2は1〜5mmで
あることが好ましい。曲率半径R2が1mmより小さい
と、本発明の効果が充分得られず、また、5mmより大
きいと、効果はあるが、ブロックの加工精度上困難であ
る。
【0031】図4は、図3に示したコーティングヘッド
のI−I断面図である。図の横方向がコーティングヘッ
ドの塗布幅方向ということになる。図中、Hは塗布液の
供給孔、Mはマニホールド、Sはスリット、Lはリップ
である。マニホールドMの断面形状は、図3のように円
形であるが、上述の図1ないし図2のコーティングヘッ
ドのような形状であっても当然よい。本発明の効果をよ
り奏するためには、本発明の図1ないし図2で説明した
断面形状を有するコーティングヘッドであることが好ま
しい。
【0032】供給孔Hは管状であって、塗布液をマニホ
ールドMに送り込むものであるが、少なくとも前記供給
孔HのマニホールドMに至る合流部C3において、塗布
液の供給方向に向かってその断面積が拡大するように構
成してある。当該拡大後の供給孔Hの断面積は、当該拡
大前の供給孔Hの断面積の1.2倍以上であることが好
ましい。供給孔Hの断面形状は問わないが、内壁に角の
ないなめらかな形状であることが好ましく、その中では
円形が最も好ましい。よって、供給孔Hの断面が円形の
場合、供給孔Hの拡大後の円直径をd2、拡大前の円直
径をd1とすると、1/4πd2 2(直径がd2のときの円
の面積)が、1/4πd1 2(直径がd1のときの面積)
の少なくとも1.2倍以上であることが好ましいという
ことになる。
【0033】ここで、拡大後の供給孔Hの断面積とは、
マニホールドMの塗布幅方向の両端部の内壁をそのまま
中央部の供給孔Hと連結する部分にも延長したと仮定し
て、当該延長内壁と供給孔Hが交差した位置における供
給孔Hの開口面積(塗布液が通過可能な面積)のことを
言う。また、拡大前の供給孔Hの断面積とは、前記拡大
後の供給孔Hの断面より上流方向に、連続的に縮小して
いく供給孔Hの断面積の極小値のことである。本実施の
形態では、合流部C3が角を有さないものである。つま
り、供給孔HからマニホールドMに連結する部分が連続
曲面を描いているが、このように合流部が角を有さない
形状である方が本発明の効果を有利に奏することができ
る。尚、図4における白矢印は、塗布液の流入方向であ
る。
【0034】図5は、供給孔のマニホールドに至る合流
部において、供給孔の断面積が、塗布液の供給方向に向
かって拡大しているコーティングヘッドの図4とは別の
形態を示す断面図である。本実施の形態では、合流部が
角を有しているタイプである。
【0035】本発明のコーティングヘッドは、図1〜5
に示したマニホールドおよびスリットを1つづつ有する
コーティングヘッドに限らず、3以上のブロックを組み
合わせて構成し、複数のマニホールドおよび複数のスリ
ットを有するものであっても当然よい。
【0036】本発明のコーティングヘッドを使用して塗
布を行うことによって、コーティングヘッド内の気泡の
滞留を防止し、塗布液の均一な流れを形成し、塗膜の局
所的な薄膜化や、塗膜の途切れを解消することが可能と
なったが、更に、当該塗布方法において使用する塗布液
の供給孔HからマニホールドMに至る合流部におけるレ
イノルズ数Reが2000以下の層流であることが本発
明の効果をより奏する結果となって好ましい。尚、レイ
ノルズ数Reは以下の一般式によって定義される無次元
の数である。
【0037】Re=ρuD/μ (ρ:塗布液密度[Pa・s]、u:平均流速[m/
s]、D:供給孔の円換算の直径[m]、μ:塗布液粘
度[kg/m3]) ここにおいてDは、供給孔が合流していない部分(幅方
向の両端)のマニホールドの内壁を、供給孔の合流部に
も延長したと仮定した場合に、当該延長したと仮定した
内壁が供給孔とマニホールドとを区切る位置における供
給孔の円換算の直径のことであり、uは同位置における
塗布液の平均流速を差す。
【0038】本発明の塗布方法に使用できる塗布液の種
類は特に限定はないが、溶媒として揮発性の高い有機溶
剤を使用した塗布液の場合、本発明の供給孔、マニホー
ルドおよびスリットを有するコーティングヘッドを用い
ることによって、外気への開放部分が少ないため有機溶
媒の揮発による塗布液物性変化を抑制でき、より塗布精
度を高めることが可能となる。
【0039】
【実施例】〈塗布条件〉メチルエチルケトンを溶媒とし
て、固形分濃度15wt%で高分子バインダを溶解さ
せ、粘度20mPa・s、表面張力25×10-3N/m
の塗布液を調整した。この塗布液を2つに分け、強制的
に気泡を混入させたものをA液、静置して気泡を完全に
取り除いたものをB液とした。下記表に示す各種コーテ
ィングヘッドにA液を充填した後、B液を流入し、それ
と同時に100μm厚みのポリエチレンテレフタレート
フィルム支持体上に、当該支持体とコーティングヘッド
のリップとの距離を100μmとして塗布直後のウェッ
ト膜厚60μmとなるように調整して、塗布速度50m
/minで塗布を行った。
【0040】〈評価方法〉上記塗布開始から1分後の塗
膜のサンプルを目視観察し、気泡欠点[個/m2]なら
びに局所的に支持体上でスジ状に見える塗布不良[本/
塗布幅1m]の有無を確認した。結果を合わせて下記表
に示す。
【0041】(実施例1)下記表に示すマニホールドお
よびスリット形状を有するコーティングヘッドを使用
し、上記塗布条件にて塗布を行い、得られた試料を上記
評価方法にて評価した。但し、各コーティングヘッドの
供給孔の形状は、図8に示すものを用いた。結果を合わ
せて下記表に示す。
【0042】
【表1】
【0043】本発明のコーティングヘッドを用いた塗布
では、目視の気泡欠点および塗布不良ともに優れている
ことがわかる。
【0044】(実施例2)供給孔のマニホールドとの合
流部における形状を下記表のごとく変化させたコーティ
ングヘッドを使用して、実施例1と同様の塗布条件で塗
布を行い、同様に評価を行った。但し、各コーティング
ヘッドのマニホールドおよびスリット形状は、図6のも
のとした。結果を合わせて下記表に示す。
【0045】
【表2】
【0046】コーティングヘッドの供給孔のマニホール
ドとの合流部における形状が、本発明の塗布液供給方向
に向かってその断面積が拡大しているタイプのものは、
優れた効果を示していることがわかる。
【0047】(実施例3)上記実施例1で使用した試料
No.2のマニホールドおよびスリット形状有し、且
つ、実施例2で使用した試料No.9の供給孔の合流部
の形状を有するコーティングヘッドを用いて、同様に塗
布および評価を行ったところ、下記表のような非常に優
れた効果を示した。
【0048】
【表3】
【0049】
【発明の効果】コーティングヘッド内に気泡の滞留を起
こさせることなく、且つ、均一な塗布液の流れを形成
し、塗膜の局所的な薄膜化や、塗膜の途切れを解消する
ためのコーティングヘッドおよび塗布方法を提供するこ
とが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコーティングヘッドの一形態を示す模
式図である。
【図2】本発明のコーティングヘッドの別の形態を示す
模式図である。
【図3】本発明の供給孔のマニホールドに至る合流部に
おいて、供給孔の断面積が、塗布液の供給方向に向かっ
て拡大しているコーティングヘッドの模式図である。
【図4】図3に示したコーティングヘッドのI−I断面
図である。
【図5】図4とは別の形態のコーティングヘッドの断面
図である。
【図6】従来のコーティングヘッドの模式図である。
【図7】従来のコーティングヘッドの模式図である。
【図8】図7のコーティングヘッドのII−II断面図であ
る。
【符号の説明】
1 第1のブロック 2 第2のブロック M マニホールド S スリット L リップ H 供給孔

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 境界面が平らな第1のブロックと、境界
    面にマニホールドを形成するための溝を有する第2のブ
    ロックとを、前記境界面同士において合わせて、前記第
    1のブロックと前記第2のブロックとの境界に前記マニ
    ホールドと前記マニホールドから伸びるスリットとを形
    成してなるコーティングヘッドにおいて、 前記第1のブロックの境界面と、前記第2のブロックの
    前記溝の前記スリットとは反対側の端部とがなす角度θ
    が10°以上50°以下であることを特徴とするコーテ
    ィングヘッド。
  2. 【請求項2】 前記第2のブロックの前記スリットから
    前記マニホールドに至る部分が、角を有さないことを特
    徴とする請求項1に記載のコーティングヘッド。
  3. 【請求項3】 前記スリットから前記マニホールドに至
    る部分の曲率半径R 1と、前記スリットの幅hとの関係
    が、R1>2hを満たすことを特徴とする請求項2に記
    載のコーティングヘッド。
  4. 【請求項4】 第1のブロックと第2のブロックとの境
    界にマニホールドと、前記マニホールドから伸びるスリ
    ットとを形成してなるコーティングヘッドにおいて、 前記マニホールドに塗布液を供給するための供給孔を有
    し、前記供給孔の前記マニホールドに至る合流部におい
    て、前記供給孔の断面積が、前記塗布液の供給方向に向
    かって拡大していることを特徴とするコーティングヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 前記合流部における前記供給孔の前記拡
    大後の断面積が、前記拡大前の断面積の1.2倍以上で
    あることを特徴とする請求項4に記載のコーティングヘ
    ッド。
  6. 【請求項6】 前記合流部が角を有さないことを特徴と
    する請求項5に記載のコーティングヘッド。
  7. 【請求項7】 前記角を有さない合流部の曲率半径R2
    が1〜5mmであることを特徴とする請求項6に記載の
    コーティングヘッド。
  8. 【請求項8】 請求項4〜7のいずれか1項に記載のコ
    ーティングヘッドを用いた塗布方法において、前記合流
    部における塗布液がレイノルズ数Re2000以下の層
    流であることを特徴とする塗布方法。
JP2000039456A 2000-02-17 2000-02-17 コーティングヘッドおよび塗布方法 Pending JP2001224998A (ja)

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