JP2001224286A - 魚釣用両軸受型リール - Google Patents

魚釣用両軸受型リール

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JP2001224286A
JP2001224286A JP2000033738A JP2000033738A JP2001224286A JP 2001224286 A JP2001224286 A JP 2001224286A JP 2000033738 A JP2000033738 A JP 2000033738A JP 2000033738 A JP2000033738 A JP 2000033738A JP 2001224286 A JP2001224286 A JP 2001224286A
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braking force
braking
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Mikiharu Kobayashi
幹春 小林
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Daiwa Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定した制動力を与えると共に、構造が簡単
なバックラッシュ防止装置を組み込んだ魚釣用両軸受型
リールを提供する。 【解決手段】 本発明の魚釣用両軸受型リールは、リー
ル本体の両側板間にスプールを回転可能に支持し、前記
スプールに釣糸を巻回保持すると共に、仕掛投擲時等の
釣糸放出状態にあるスプールの過回転を防止するべく制
動力を付与するバックラッシュ防止装置を備えており、
このバックラッシュ防止装置70は、リール本体に取付
けられた制動力発生手段100と、スプールと一体的に
回転しスプール軸方向に移動可能に支持され、制動部材
90を保持している保持部材80とを有している。この
保持部材は、制動力発生手段に向けて前記制動部材を風
圧によって移動させるべく形成された移動手段を有して
いる。前記制動力は、スプールの回転速度に応じた前記
移動手段に受ける風圧の変化により制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、釣糸放出時のバッ
クラッシュの防止を図るバックラッシュ防止装置(制動
装置)を備えた魚釣用両軸受型リールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ルアー釣によく使われているベイ
キャスティングリールと呼ばれている小型の魚釣用の両
軸受型リールには、釣糸繰出時におけるスプールの過回
転によるバックラッシュ防止を目的とした制動装置を備
えたものが一般的である。
【0003】前記制動装置は、様々な構成が知られてお
り、一般的なものとしては、磁石を利用して制動力を発
生させるもの(マグネットブレーキ;非接触)、及び遠
心力を利用した摩擦力により制動力を発生させるもの
(遠心ブレーキ;接触)が挙げられる。
【0004】しかし、上記した技術の内、マグネットブ
レーキは、スプール回転の低速時における制動力が強す
ぎるため、仕掛投擲時において、仕掛が所望の着水場所
に到達する前に失速してしまい仕掛の飛距離が伸びな
い。また、上記した遠心ブレーキは、制動部材が常時摩
擦部材と接触しているため仕掛投擲時の初速(回転の立
ち上がり)が遅く、仕掛の飛距離が伸びないと同時に、
制動部材の摩擦による耐久性の低下や、摩擦による重量
減に起因するブレーキ力の変化(経年変化によるブレー
キ力の低下)、及び仕掛投擲時における擦り音等の異音
の発生がする等の不都合がある。
【0005】上記不具合を解消すべく、特開平10-30915
8号公報には、スプール回転時の遠心力でスプールの半
径方向に移動するカラーをスプールに形成した傾斜面と
接触させて、スプールと一体的に回転する制動部材をス
プール軸方向にスライドさせて制動力を変化させること
で、スプールの回転速度に応じた最適な制動力を付与す
る構成が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記公報の構
成は、部品点数が多く複雑な構成であるため、製造コス
トが高くなり、現状のままでは安価な汎用リールに搭載
することが困難である。又、部品数が多いため、スプー
ルの慣性重量が大きくなりスプール回転の立ち上がりが
遅くなってしまい、更なる飛距離の増大を望むことが困
難であり、依然改良の余地が残されている。
【0007】本発明は、上記した問題点に着目してなさ
れたものであり、スプールに対して安定した制動力を与
えると共に、仕掛の飛距離の向上が図れ、静粛であり、
構造が簡単なバックラッシュ防止装置を組み込んだ魚釣
用両軸受型リールを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の魚釣用両軸受型リールは、リール本
体の両側板間にスプールを回転可能に支持し、前記スプ
ールに釣糸を巻回保持すると共に、仕掛投擲時等の釣糸
放出状態にあるスプールの過回転を防止するべく制動力
を付与するバックラッシュ防止装置を備えており、前記
バックラッシュ防止装置は、前記リール本体に取付けら
れた制動力発生手段と、前記スプールと一体的に回転し
スプール軸方向に移動可能に支持され、制動部材を保持
している保持部材とを有し、前記保持部材は、前記制動
力発生手段に向けて前記制動部材を風圧によって移動さ
せるべく形成された移動手段を有し、前記制動力は、前
記スプールの回転速度に応じた前記移動手段に受ける風
圧の変化により、制御されることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の魚釣用両軸受型リ
ールの第1の実施の形態について、添付の図面を参照し
て説明する。
【0010】図1は、本実施の形態の魚釣用両軸受型リ
ールの概略的な水平断面図である。魚釣用両軸受型リー
ル1が、左右フレーム2a、2bと、これら左右フレー
ム2a、2bに夫々装着された左右側板3a、3bとを
備えたリール本体4を有している。
【0011】前記左右フレーム2a、2b(左右側板3
a、3b)間には、スプール軸6が軸受7a、7bを介
して回転可能に支持されており、スプール軸6には、釣
糸が巻回されるスプール6aが固着されている。このス
プール6aは、釣糸巻回部6bの略中央部に形成された
円板状の連結部6cを介してスプール軸6に固着されて
おり、前記釣糸巻回部6bとスプール軸6との間で凹所
を規定している。この場合、凹所は右フレーム側及び左
フレーム側に規定されるが、図面では、左フレーム側に
規定される凹所を符号110で示している。
【0012】前記スプール6aは、ハンドル10を回転
操作することによって回転し得るように構成されてお
り、このハンドル10は、右側板3bから突出したハン
ドル軸10aの端部に取付けられている。
【0013】前記ハンドル軸10aは、右フレーム2b
と右側板3bとの間に、軸受16a、16bを介して回
転自在に支持されていると共に、右側板3bとの間に介
在された一方向クラッチ17によって釣糸巻取方向にの
み回転可能に構成されている。
【0014】前記右フレーム2bと右側板3bとの間に
は、ハンドル10の回転運動をスプール軸6に伝達する
駆動機構20と、魚釣時にスプール6aから釣糸が繰出
された際、スプール6aにドラグ力を付与するドラグ機
構40とが収容されている。
【0015】前記駆動機構20は、ハンドル軸10aに
回転可能に支持された駆動歯車21と、この駆動歯車2
1に噛合するピニオン22とを備えている。
【0016】このピニオン22は、軸受23a、23b
を介して右フレーム2bと右側板3bとの間に回転自在
に支持されている。また、ピニオン22の外周には、円
周溝22aが形成されており、この円周溝22aには、
クラッチ操作部材(図示しない)によって、軸方向に移
動可能なクラッチプレート26が係合されている。この
場合、クラッチ操作部材を操作してピニオン22を軸方
向に移動させることによって、図1に示すような駆動力
伝達状態(クラッチON状態)、或いは、スプール軸6
からピニオン22が外れたスプールフリー回転状態(ク
ラッチOFF状態)に切り替えることができる。なお、
クラッチOFF状態からクラッチON状態への復帰操作
は、前記クラッチ操作部材を復帰操作するか、あるいは
ハンドル10の巻き取操作によってクラッチ復帰体43
を介して自動的に復帰させることが可能である。
【0017】上記ドラグ機構40は、スプール6aに巻
回される釣糸の繰出しで一体的に回転する回転体(スプ
ール又はスプールと連動回転する回転体)と非回転体と
の間に複数の摩擦部材を設け、調節つまみ41の回転操
作で非回転体の摩擦部材に対する押圧力を強弱に加減
し、これによってスプールの釣糸の繰出し方向への回転
に制動をかける。
【0018】前記左右フレーム2a、2bの間には、レ
ベルワインド装置60が設けられており、このレベルワ
インド装置60は、左右方向に沿って長孔(図示しな
い)が形成された案内筒61と、この案内筒61内に回
転可能に支持されたウォームシャフト62と、前記案内
筒61を囲繞して取付けられ且つ前記長孔を介してウォ
ームシャフト62に係合するピン(図示せず)を有する
係合部材63と、この係合部材63に取付けられた釣糸
案内部(図示しない)とを備えている。
【0019】前記ウォームシャフト62の右フレーム側
端部には、ウォーム歯車67が取付けられている。この
ウォーム歯車67は、前記ハンドル軸10aに固定され
た歯車68と噛合しており、前記ハンドル10を回転操
作した際の回転運動は、ハンドル軸10aから、歯車6
8を介してこのウォーム歯車67に伝達される。これに
より、ウォームシャフト62が回転し、レベルワインド
装置60の係合部材63が、ウォームシャフト62に係
合するピンを介して左右に摺動され、釣糸は、係合部材
63の釣糸案内部を介してスプール6aに均等に巻回さ
れる。
【0020】さらに、本実施の形態の魚釣用両軸受型リ
ール1には、釣糸繰出時におけるスプール6aの過回転
を防止するよう、風圧を利用するバックラッシュ防止装
置が設けられている。以下、本実施の形態におけるバッ
クラッシュ防止装置の構成及び動作について、図1乃至
図4を参照して説明する。なお、図2は、図1のスプー
ル及びバックラッシュ防止装置を拡大した概略的な横断
面図である。図3及び図4は、バックラッシュ防止装置
における保持部材の構成を示す斜視図である。
【0021】図1及び図2に示すように、魚釣用両軸受
型リール1には、前記スプール軸6の左フレーム側にバ
ックラッシュ防止装置70が設けられている。このバッ
クラッシュ防止装置70は、制動部材90を保持してい
る保持部材80と、制動力発生手段100とを有してい
る。
【0022】図3及び図4に示すように、この保持部材
80は、円板形状を成し、その中央部にスプール軸6
(図2参照)が挿通される孔80bを有する基部80a
を備えている。この孔80bには、軸方向に延出する一
対の溝80cが形成されており、これらの溝80cに
は、スプール軸6に設けられた一対の突出ピン6d(図
2参照)が係合されている。これにより、保持部材80
は、スプール軸6の端部領域(スプール6aと干渉しな
い位置)で、スプール軸6と一体回転し、かつ軸方向に
移動可能に支持されている。また、保持部材80は、ス
プール軸6の端部に配置された付勢部材80e(図2参
照)によって、常時スプール側に向けて付勢された状態
にある。
【0023】また、前記保持部材80の基部80aに
は、移動手段80dが一体形成されており、これによ
り、スプール6aが回転した際に、この移動手段80d
により生じる風圧によって保持部材80を左フレーム側
に移動し得る。図3に示すように、本実施の形態では、
この移動手段80dが、保持部材80の表面側におい
て、円周方向に所定間隔で突出形成された突出部80f
と、各突出部間において反時計方向に次第に上昇するよ
う湾曲形成された湾曲部80gとを備えた構造になって
おり、保持部材80がスプール6aと共に釣糸放出方向
に回転した際、前記凹所110内に空気を送り込むよう
になっている。
【0024】図4に示すように、前記制動部材90は、
ピン状に構成されており、前記保持部材80の裏面側に
おいて、円周方向に沿って所定間隔で設けられている。
【0025】前記制動力発生手段100は、リール本体
(例えば、左フレーム2a)に取付けられており、本実
施の形態では、前記ピン状の制動部材90との摩擦によ
ってスプールに対して制動力を付与するように構成され
ている。具体的には、制動力発生手段100は、前記保
持部材80に設けられた前記制動部材90に対向するよ
うに輪帯状の摩擦板101(図2参照)で構成されてお
り、前記保持部材80が左フレーム側に移動した際、こ
の摩擦板101に、前記保持部材80の複数の制動部材
90が接触するようになっている。
【0026】次に、上記したバックラッシュ防止装置7
0の動作を説明する。
【0027】前記スプール6aの回転速度小さいとき
(例えば、仕掛投擲時におけるスプール回転初期時)
は、図2に示されているように、前記保持部材80は、
前記付勢部材80eの付勢力により、制動部材90が摩
擦板101から離された状態に位置されている。このと
き、この制動部材90と摩擦板101との間にはスプー
ル6aに対する制動力は作用しない。すなわち、仕掛投
擲時におけるスプール回転初期時にスプール6aの初速
が低下することがなく、仕掛の飛距離が低下するような
ことはない。
【0028】そして、キャスティング初期等、スプール
が高速で過回転状態になる(スプール6aが急激に高速
回転する)と、スプール6aと共に回転する保持部材8
0に形成された前記移動手段80dにより前記凹所11
0内に風が送られ、この風圧により、保持部材80のス
プール6a側(凹所110)と摩擦板101側とに圧力
差が生じる。この圧力差により、保持部材80は、保持
している前記制動部材90と一体的に、付勢部材80e
の付勢力に抗して摩擦板101に向かって移動する。そ
して、制動部材90と、摩擦板101とが接触すること
により摩擦力が発生し、スプール6aに対して制動を加
え、過回転を抑制する。
【0029】この場合、前記移動手段80dが発生させ
る風圧は、スプール軸6の回転速度に応じて変化するた
め,制動部材90の摩擦板101に対する押圧力もスプ
ール軸6の回転速度に応じて変化する。この結果、制動
力がスプールの回転速度に応じて連続的に制御されるよ
うになり、スプールの過回転を効果的に抑制し、バック
ラッシュが確実に防止される。
【0030】また、キャスティング終期では、スプール
の回転速度が減少する。このとき、前記移動手段80d
により前記凹所110内に送られていた風が弱まり、保
持部材80のスプール6a側と摩擦板101側との風圧
による圧力差が減少する。このため前記保持部材80
は、付勢部材80eの付勢力により、摩擦板101から
離間される。この結果、キャスティング終期においてス
プールの回転速度が減少した際、スプール6aに作用す
る制動力が解除され、仕掛の飛距離が低下することはな
い。
【0031】また、前記保持部材80は、スプール6a
と干渉しない位置で、スプール軸方向に対して平行に移
動し、スプール6aと接触することはないため、仕掛投
擲時における摺り音等の異音の発生を抑えられる。さら
に、上記の構成により、スプール6aと保持部材80と
の間で、保持部材の移動を案内するための余計な部材を
必要としないため、部品数を少なくすることが可能であ
り、組立などのコストを削減することが出来る。
【0032】この実施の形態に示されているピン状の制
動部材90の個数、及び移動手段80dの突出部80f
や、これに対応する湾曲部80gの数は、任意であり、
限定されることはない。さらに、制動部材90は、所定
間隔をおいてピン状に構成されているが、制動力発生手
段との間に所望の摩擦力を発生し得るならば、その構成
において限定されることはない。前記スプール軸6の突
出ピン6d及と、これに対応する溝80cは、一対で互
いに対応するように形成されているが、所望の移動のた
めの案内に使用可能であれば、数及び形状において限定
されることはない。
【0033】次に、本発明の魚釣用両軸受型リールの第
2の実施の形態を説明する。この実施の形態は、保持部
材の構成が上記第1の実施の形態と異なっているだけで
あり、それ以外は、図1に示す構成と同一である。この
ため、保持部材のみを図示する。
【0034】図5は、本実施の形態に適用される保持部
材を表面側からみた斜視図であり、図6は、裏面側から
みた斜視図である。
【0035】図5及び図6に示すように、保持部材12
0が、円板形状を成し、その中央部にスプール軸6(図
2参照)が挿通される孔120bを有する基部120a
を備えている。この孔120bには、軸方向に延出する
一対の溝120cが形成されており、これらの溝120
cには、スプール軸6に設けられた一対の突出ピン6d
(図2参照)が係合されている。これにより、保持部材
120は、スプール軸6の端部領域で、スプール軸6と
一体回転し、かつ軸方向に移動可能に支持されている。
また、保持部材120は、スプール軸6の端部に配置さ
れた付勢部材80e(図2参照)によって、常時スプー
ル側に向けて付勢された状態にある。
【0036】また、この保持部材120には、スプール
6aが回転した際に、風圧によってこれ自体を左フレー
ム側に移動するように前記基部120aに移動手段12
0dが形成されている。そして、この移動手段120d
は、前記基部120aの外周面に所定間隔をおいて径方
向に延出する6枚の羽根状部材120hを有している。
各羽根状部材120hは、反時計方向に上昇するよう湾
曲形成された湾曲部120gを備えており、保持部材1
20がスプール6aと共に釣糸放出方向に回転した際、
前記凹所110内に空気を送りこむようになっている。
【0037】また、各羽根状部材120hの裏面側に
は、湾曲部120gに対応した湾曲凹部120iが形成
されており、隣接する羽根状部材の湾曲部120gによ
り多くの風を送り込めるようになっている。これによ
り、保持部材120が釣糸放出方向に回転した際、前記
凹所110により多くの風を送ることが可能となり、さ
らに安定した保持部材120の移動を可能にする。な
お、羽根状部材120hの裏面には、前記第1の実施の
形態と同様に、円周方向に沿って所定の間隔をおいてピ
ン状の前記制動部材90が設けられている。
【0038】この実施の形態に示されている移動手段1
20dの羽根状部材の数及び形状は、所望の風圧を発生
し得るならば任意であり、限定されることはない。
【0039】次に、本発明の魚釣用両軸受型リールの第
3の実施の形態を説明する。この実施の形態は、バック
ラッシュ防止装置の構成が第1及び第2の実施の形態と
異なっているだけであり、それ以外は、図1に示す構成
と同一である。以下、前述の実施の形態と同様な機能を
有する構成部材については、同一の参照符号を付す。
【0040】図7は、本発明の第3の実施の形態に従っ
た魚釣用両軸受型リールの概略的な水平断面図である。
図8は、図7のスプール及びバックラッシュ防止装置を
拡大した概略的な横断面図である。図9及び図10は、
本実施の形態のバックラッシュ防止装置における保持部
材の構成を示す斜視図である。
【0041】図7及び図8に示すように、本実施の形態
に従った魚釣用両軸受型リール1には、第1及び第2の
実施の形態と同様な位置にバックラッシュ防止装置13
0が、設けられている。このバックラッシュ防止装置1
30は、制動部材150を保持している保持部材140
と、制動力発生手段160とを有している。
【0042】図9及び図10に示すように、この保持部
材140は、これ自身の中央部に前記スプール軸6(図
8参照)が挿通される孔140bを有する基部140a
を備えている。この孔140bには、軸方向に延出する
一対の溝140cが形成されており、そして、これらの
溝140cには、前記スプール軸6に設けられた一対の
前記突出ピン6d(図8参照)が係合されている。これ
により、保持部材140は、スプール軸6の端部領域で
(スプール6aと干渉しない位置)、スプール軸6と一
体回転し、かつ軸方向に移動可能に支持されている。ま
た、保持部材140は、スプール軸6の端部に配置され
た付勢部材140e(図8参照)によって、常時スプー
ル側に向けて付勢された状態にある。
【0043】また、前記保持部材140の基部140a
には、移動手段140dが一体形成されている。図10
に示すように、本実施の形態の移動手段140dは、前
記基部140aの外周面に所定の間隔をおいて径方向に
延伸している複数の羽根部材140fを有している。ま
た、この基部140aの外周面の左フレーム側端部に
は、外周面を一周するような円板状の支持部材140g
が設けられている。
【0044】前記羽根部材140fの夫々は、板状に形
成されて、スプール軸6に直行する面に対して傾斜して
前記基部140aに設けられている。そして、左フレー
ム2a側の一端の一部が、前記支持部材140gの表面
に支持されており、他の部分が支持部材の外周面を超え
て左フレーム2a側に延伸している。このような形状に
より、前記移動手段140dを有する保持部材がスプー
ル6aと共に釣糸放出方向に回転した際、前記凹所11
0内に風を送り込むようになっている。
【0045】本実施の形態の制動部材及び制動力発生手
段は、磁力によってスプールに制動力を付与するように
構成されている。前記制動部材150は、円筒形状に形
成され、前記支持部材140gの裏面に設けられてい
る。この制動部材150は、アルミニウムや銅等の導電
体で形成されている。
【0046】前記制動力発生手段160は、スプール軸
6に対して同心的に配置された環状の複数の160aと
160bとを有しており、これらは、所定の間隔160
eを規定してリール本体に設けられている。この間隔1
60e内には、前記円筒形状に形成された制動部材15
0が各磁石160a及び160bに接触せずに挿入され
得るようになっている。
【0047】ここで、上記したバックラッシュ防止装置
130の動作を説明する。
【0048】スプール6aの回転速度小さいときは、図
8に示されているように、前記保持部材140は、前記
付勢部材140eの付勢力により、制動部材150が制
動力発生手段160から離された状態に位置している。
このため、磁石160a及び160bの磁力の作用によ
る制動部材150に対する制動力は生じない。すなわ
ち、スプール6aの初速が低下することはなく、仕掛の
飛距離が低下することはない。
【0049】そして、キャスティング初期等、スプール
が高速で過回転状態になると、前記移動手段により前記
凹所110内に風が送られ、保持部材140のスプール
6a側(凹所110)と制動力発生手段160側とに圧
力差が生じる。この圧力差により、保持部材140は、
保持している前記制動部材150と一体的に、付勢部材
140eの付勢力に抗して制動力発生手段160に向か
って移動する。そして、制動部材150は、徐々に制動
力発生手段160の間隔160e中に挿入され、前記磁
石160a及び160bにより発生する磁束を横切るよ
うになる。このことにより、前記磁石160a及び16
0bの磁力の作用により導電体である制動部材150に
渦電流が発生し、スプール6aに制動力が加えられ過回
転を抑制する。この渦電流の強さは、間隔160e中に
挿入される前記制動部材150の深さに応じて変化す
る。この場合、前記移動手段による移動距離は、スプー
ル軸6の回転速度に応じて変化するため、前記磁石16
0a及び160bの前記制動部材150への渦電流もス
プール軸6の回転速度に応じて変化する。この結果、制
動力がスプールの回転速度に応じて連続的に制御される
ようになり、スプールの過回転を効果的に抑制し、バッ
クラッシュが確実に防止される。
【0050】また、キャスティング終期では、スプール
の回転速度が減少する。このとき、前記移動手段140
dにより前記凹所110内に送られていた風が弱まり、
保持部材140のスプール6a側(凹所110)と制動
力発生手段160側との風圧による圧力差が減少する。
このため付勢部材140eの付勢力により、この間隔1
60eから前記制動部材が離脱する。この結果、キャス
ティング終期においてスプールの回転速度が減少した
際、スプール6aに作用する制動力が解除され、仕掛の
飛距離が低下することはない。
【0051】また、前記制動部材150と制動力発生手
段160とは、非接触であるため仕掛投擲時における摺
り音等の異音の発生を抑える。さらに、これらが非接触
であるため、これらの摩擦による耐久性の低下や、重量
減に起因する制動力の低下が生じないため、長期間に渡
って安定した制動力を発揮し得る。
【0052】本発明の特定な実施の形態が、図示され説
明されているが、上記した移動手段は、前記凹所110
内に風を送り込むことが可能であれば、この形状は、任
意であり限定されることはない。また、上記した制動力
発生手段は、スプールの回転に応じて移動する保持部材
に設けられた制動部材の影響により、所望のスプールに
対する制動力を発生し得るのであれば、形状及び種類に
おいて任意であり、限定されることはない。このような
各種の変形及び改良が、本発明の請求の範囲にから逸脱
することなく成されることは、当業者には、明白であろ
う。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、スプールに対して安定
した制動力を与えると共に、仕掛の飛距離の向上が図
れ、静粛で、構造が簡単なバックラッシュ防止装置を組
み込んだ魚釣用両軸受型リールが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の魚釣用両軸受型リールの第1の実施の
形態を示す概略的な断面図である。
【図2】図1に示した魚用両軸受型リールのスプール及
びバックラッシュ防止装置を拡大した概略的な横断面図
である。
【図3】図2に示した本発明の第1の実施の形態のバッ
クラッシュ防止装置の保持部材の斜視図である。
【図4】図3に示す保持部材を反対側から見た斜視図で
ある。
【図5】図2に示した本発明の第2の実施の形態のバッ
クラッシュ防止装置の保持部材の斜視図である。
【図6】図5に示す保持部材を反対側から見た斜視図で
ある。
【図7】本発明の魚釣用両軸受型リールの第3の実施の
形態を示す概略的な断面図である。
【図8】図7に示した魚釣用両軸受型リールのスプール
及びバックラッシュ防止装置を拡大した概略的な横断面
図である。
【図9】図7に示した本発明の第3の実施の形態のバッ
クラッシュ防止装置の保持部材の斜視図である。
【図10】図9に示す保持部材を反対側から見た斜視図
である。
【符号の説明】
1…魚釣用両軸受型リール 4…リール本体 70、130…バックラッシュ防止装置 80、120、140…保持部材 80a、120a、140a…基部 80b、120b、140b…孔 80c、120c、140c…溝 80d、120d、140d…移動手段 90、150…制動部材 100、160…制動力発生手段 101…摩擦板 110…凹所

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リール本体の両側板間にスプールを回転
    可能に支持し、前記スプールに釣糸を巻回保持すると共
    に、仕掛投擲時等の釣糸放出状態にあるスプールの過回
    転を防止するべく制動力を付与するバックラッシュ防止
    装置を備えた魚釣用両軸受型リールにおいて、 前記バックラッシュ防止装置は、前記リール本体に取付
    けられた制動力発生手段と、前記スプールと一体的に回
    転しスプール軸方向に移動可能に支持され、制動部材を
    保持している保持部材とを有し、 前記保持部材は、前記制動力発生手段に向けて前記制動
    部材を風圧によって移動させるべく形成された移動手段
    を有し、 前記制動力は、前記スプールの回転速度に応じた前記移
    動手段に受ける風圧の変化により、制御されることを特
    徴とする魚釣用両軸受型リール。
  2. 【請求項2】 前記制動力発生手段は、摩擦により制動
    力を発生させることを特徴とする請求項1に記載の魚釣
    用両軸受型リール。
  3. 【請求項3】 前記制動力発生手段は、磁力により制動
    力を発生させることを特徴とする請求項1に記載の魚釣
    用両軸受型リール。
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