JP2000333570A - 釣り用リール - Google Patents

釣り用リール

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JP2000333570A
JP2000333570A JP11146683A JP14668399A JP2000333570A JP 2000333570 A JP2000333570 A JP 2000333570A JP 11146683 A JP11146683 A JP 11146683A JP 14668399 A JP14668399 A JP 14668399A JP 2000333570 A JP2000333570 A JP 2000333570A
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JP
Japan
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spool
brake shoe
brake
magnet
centrifugal
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JP11146683A
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Inventor
Takashi Kitayama
剛史 北山
Naohisa Katagiri
尚久 片桐
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Mamiya OP Co Ltd
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Mamiya OP Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレーキシューを具備する両軸受の遠心力
ブレーキ装置を設けた釣り用リールに関し、ブレーキシ
ューに加える付勢力を円滑且つ安定して発揮する機能を
具備せしめる。 【解決手段】 ブレーキシュー2の枢支部6の近傍に
回動マグネット8aを装着し、スプール側面2cの部材
における回動マグネット8aの回動軌道の近接して、上
記回動マグネット8と反発する同磁極の固定マグネット
8bを設け、この両マグネット8a,8bの同磁極間に
生じる反発力により、ブレーキシュー7の先端側がスプ
ール2の中心側へ向けて常時付勢されるように構成した
ものであり、上記ブレーキシュー7に対してマグネット
8a,8bの反発力を利用することにより、ブレーキシ
ュー7の作動を円滑にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、遠心力ブレーキ
を具備する釣り用リールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の両軸受リールを使用してルアーフ
ィッシングを行なう場合、キャストした後、ルアーが着
水する直前に、スプールから繰り出される糸の速度が急
に遅くなる。そして、上記したように、ルアーが着水す
る時には、糸の繰り出しが急に弱まるが、糸の繰り出し
により逆回転するスプールは、糸の繰り出し速度が遅く
なった後も、慣性力によって、ルアーの着水以前の速度
と殆ど変わらない速度で回転しようとする。その結果、
糸の繰り出し速度よりもスプールの回転速度が早くな
り、糸のバッククラッシュが生じてしまう。
【0003】したがって、上記したように、両軸受けリ
ールを使用してキャストする場合、キャストした後に、
スプールを指で押さえて適度なブレーキをかける技術、
所謂サミングを用いて糸の引きだし速度とスプールの逆
回転速度をうまく合わせることにより、上記した如きバ
ッククラッシュを防止していた。しかし、上記したサミ
ング等のテクニックは初心者には非常に難しい技術であ
って、容易にできるものではない。
【0004】そこで従来の両軸受けリールの中には、上
記したようにキャスティング時に生じる糸のバッククッ
ラシュを、サミングを用いることなく防止するために、
スプールに遠心力ブレーキ装置を設けたものがある。
【0005】図11及び図12は、従来の遠心力ブレー
キ装置110付きの両軸受リール100を示している。
上記した両軸受リール100は、左右の両側枠101,
102の間にスプール103を回転自在に軸承してあ
る。そして、右側の側枠102の内面側には、固定リン
グ104を周設すると共に、スプール102右側の側面
に、円板状の取り付け板105を嵌装し、スプール10
3に対して取り付け固定してある。また、上記取り付け
板105の外側面の円周上には、等間隔を置いて4本の
支持ピン106を突設し、これら各支持ピン106をブ
レーキシュー107の基端部に嵌挿して、同ブレーキシ
ュー107がスプール軸芯側の退動位置と、上記固定リ
ング104の内周面との間を回動して移動するように構
成してある。さらに、上記した各ブレーキシュー107
の支持ピン106には、バネ108を装着し、このバネ
108の付勢力により、上記ブレーキシュー107を退
動方向へ常時付勢している。
【0006】上記した如く構成した遠心力ブレーキ装置
110を備える両軸受リール100は、キャストした際
に、糸の繰り出しによりスプール103が一定の速度で
逆回転する。この際、支持ピン106により軸支された
各ブレーキシュー107に遠心力が生じ、バネ108の
付勢力に抗して外周側に向けて回動し、同ブレーキシュ
ー107の先端が固定リング104の内周104aに接
触する。その結果、スプール103の回転に適度な抵抗
が加わって、この回転抵抗によりキャスト時におけるス
プール103の慣性回転を低減し、バッククラッシュの
発生を防止する。また、ルアーが着水した後には、各ブ
レーキシュー107は上記バネ108の付勢力により再
び退動位置まで戻る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した如く構成した
両軸受リール100に設けた遠心力ブレーキ装置110
は、各ブレーキシュー107に適度な復元力を与えるた
めに、バネ108を使用しているが、バネの弾性力は、
個体差や装着状態によって一定した弾性力を維持するこ
とが難しい。そのため、バネ108によって上記各ブレ
ーキシュー107の先端部を固定リング104に対する
接触圧力、即ち、キャスト時においてスプール103に
対して常時安定したブレーキを作用させることが困難で
あった。特に、空気抵抗の大きなルアーや、軽量のルア
ーをキャストする際、さらには、強い向かい風の中をオ
ーバーヘッドでキャストする際には、スプール103に
対して必要なブレーキをかけることが重要な要素となる
ため、上記したような遠心力ブレーキ装置付きの両軸受
リールであっても、糸のバックラッシュを生じてしまう
場合もあった。
【0008】本発明の課題は、上記した如き遠心力ブレ
ーキ装置を設けた釣り用リールに関し、上記ブレーキシ
ューに加える退動方向の付勢力を円滑且つ安定して発揮
し得る機能を具備せしめることにある。
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した課題
を解決するために、両軸受リールが備えるスプールの側
面に、該スプールの軸芯と平行する支持ピンを突設し、
該支持ピンにより略長片形に形成したブレーキシューの
基端部を軸支して、該ブレーキシューの先端部が同スプ
ール側面の外周側と中心側との間を回動するように構成
し、且つ、上記スプールを回転自在に軸支するリール側
枠側の部材に、上記スプールの側面に設けたブレーキシ
ューを包囲する固定リングを設け、上記スプールが逆回
転する際の遠心力により、上記ブレーキシューの先端部
が回動して固定リングの内周面に接触するように構成し
た釣り用リールにおいて、前記ブレーキシューの枢支部
の近傍に、回動マグネットのS極若しくはN極のどちら
か一方を装着すると共に、上記スプール側面の部材にお
ける回動マグネットの回動軌道に近接した部位に、上記
回動マグネットと反発する同磁極の固定マグネットを設
け、これら両マグネットの同磁極間に生じる反発力によ
り、上記ブレーキシューの先端側がスプールの中心側へ
向けて常時付勢されるように構成したものである。
【0009】上記した如き手段によれば、通常時におい
ては、ブレ−キシュ−の枢支部近傍に設けた回動マグネ
ットと、この回動マグネットの回動軌道に近接して設け
た固定マグネットとが同極であるため、両マグネット間
に反発力が生じ、この反発力により上記ブレーキシュー
が、スプールの中心側に向けて付勢され、退動位置に定
置される。
【0010】一方、キャストした際における糸の繰り出
しによって、スプールが勢いよく逆回転すると、この回
転に伴って同スプールの側面に設けた各ブレーキシュー
に、上両マグネットによる反発力に優る強い遠心力が生
じる。よって、各ブレーキシューは、基端側の支持ピン
を中心に回動し、同ブレーキシューの先端部がそれぞれ
固定リングの内周面に当接する。その結果、スプールに
対して適度な摩擦力を発生せしめて、同スプールから引
き出される糸に適度な張力を与える。そして、糸先のル
アーが着水する間際になると、上記スプールからの糸の
繰り出しが徐々に少なくなり、スプールの回転も低下し
てくる。あるところまで、スプールの回転が低下する
と、各ブレーキシューに加わる遠心力が減衰し、両マグ
ネットによる反発力により再び退動位置まで戻ることに
なる。
【0011】請求項2記載の釣り用リールは、上記マグ
ネットを具備する遠心力ブレーキ装置と共に、固定リン
グの内周面とスプール中心側との間を自由に移動する移
動ブレーキシューを具備する遠心力ブレーキ装置を併用
して設けて成るものである。
【0012】この場合、回動マグネット及び固定マグネ
ットを具備するブレーキシューによる摩擦力はスプール
に対して強く作用する。これに比較して、固定リングの
内周面とスプール中心側との間を自由に移動するブレー
キシューは、スプールに与える摩擦力が比較的弱い。換
言するならば、回動マグネットを具備するブレーキシュ
ーに加わる遠心力は、もう一方の移動ブレーキシューに
加わる遠心力よりも大きく、スプールに与える抵抗も大
きくなる。
【0013】したがって、前記したように、キャストし
た際における糸の繰り出しによって、スプールが逆回転
すると、同スプールの側面に設けた回動マグネットを有
するブレーキシューと、移動ブレ−キシュ−とにそれぞ
れ遠心力が生じる。これにより、回動マグネットを具備
するブレーキシューは、基端側の支持ピンを中心として
回動し、同ブレーキシューの先端部位が固定リングの内
周面に当接して、糸が強く引き出される間、スプールに
対して摩擦力を発生せしめる。これと同時に、移動ブレ
ーキシューも外周へ向けて移動し、固定リングの内周面
に当接して比較的弱い摩擦力を生じる。その結果、上記
スプールから引き出される糸に適度な張力が与えられ
る。
【0014】そして、スプールからの糸の繰り出しが徐
々に弱くなると、上記スプールからの糸の繰り出しが少
なくなり、スプールの回転も低下してくる。スプールの
回転があとるところまで低下すると、まず回転マグネッ
トを具備するブレーキシューに加わる遠心力が低減し、
両固定マグネットによる反発力により同ブレーキシュー
が退動位置まで戻される。しかし、この時点においても
移動ブレーキは、引き続き固定リングの内周面に当接し
て比較的弱い摩擦力を発生する。この摩擦力は、糸先の
ルアーが着水する間際まで維持される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて説明する。図1及び図2は、本発明を実施した
両軸受リールAであり、2種類の遠心力ブレーキ装置b
1,b2とを具備している。この両受け軸リールAは、
所定の間隔を介して配設した左右両側枠1a,1bの間
に、スプール2を回転自在に軸承し、右側の側枠1bに
は、上記スプール2を回転せしめる巻き取り用のハンド
ル4を設けてある。
【0016】上記スプール2の左側の側面には、略円板
状に形成した台座5を嵌装し、この台座5の側面に2種
類の遠心力ブレーキ装置b1,b2を設置してある。台
座5は外形を略リング形に形成し、上記スプール2左端
部の支軸2a外周部分に嵌合することによりスプール2
と係合し、同スプール2と一体化して回転する。前述し
たように、台座5には、2種類の遠心力ブレーキ装置b
1,b2を設けてある。各遠心力ブレーキ装置b1,b
2は、台座5の外周部分に沿って種類別に2個ずつ、合
計4個の遠心力ブレーキ装置b1,b2が配設してあ
る。また、上記遠心力ブレーキ装置b1,b2は、同じ
種類のものが上記台座5上において相対向する位置関係
にて設置してある(図2−A,図2−B)。即ち、上記
遠心力ブレーキ装置b1,b2は、台座5の外周に沿っ
て90゜の間隔を置いて交互に配設されることになる。
ここで、本実施例においては、遠心力ブレーキ装置b
1,b2は、90゜の間隔で4箇所に配置したが、各遠
心力ブレーキ装置が円周方向へ等間隔に配置されていれ
ば足り、例えば、上記したような遠心力ブレーキ装置
を、6箇所に配置する場合は各々の間を60゜間隔に、
また、8箇所に配置する場合には各々の間を45゜間隔
に配置するとよい。
【0017】一方の遠心力ブレーキ装置b1は、上記台
座5の内側面を凹状に形成して凹部5aを形成し、この
凹部5a内にブレーキシュー7を回動可能に設けてあ
る。即ち、上記凹部5a内の外周寄りの部位には、スプ
ール2の軸芯と平行するように支持ピン6を突設せし
め、該支持ピン6を略長片形に形成したブレ−キシュ−
7の基端部に嵌合することにより、同ブレーキシュー7
がスプール側面の中心側と外周側との間を回動するよう
に構成してある(図2−B)。また、上記台座5の凹部
5aを形成するために、同台座5の外周部に沿って凸縁
部5bを形成してある。そして、この凸縁部5bにおけ
る上記ブレーキシュー7の回動範囲と緩衝する部分は、
切欠部5cとして切欠し、上記ブレーキシュー7の回動
が支障なく行なわれるように構成してある。
【0018】図2にて示すように、ブレ−キシュ−7は
先細状の長片形状に形成し、その先端部に、後述する固
定リング11の内周面11aと接触する接触面7aを形
成してある。また、上記ブレーキシュー7の基端部は、
略円形状に形成し、その中心部に前記台座5に取り付け
支持した支持ピン6を嵌挿してある。これにより、ブレ
ーキシュー7の先端側が、固定リング11の内周面11
aと、スプール2中心側の退動位置との間を自由に回動
するようにしてある。上記ブレーキシュー7は、退動位
置において、スプール2の巻き込み方向に傾斜する状態
で保持され、キャスティング時においてスプールが逆回
転する際に生じる遠心力により、固定リング11の内周
面11aに向けて先端部の接触部7aが回動するように
構成してある。尚、上記した固定リング11は、左側の
即枠1aの内面から一体に突出せしめてリング状に形成
し、該リング11の突出縁部の外側にスプール2の右側
側面が非接触状態で嵌合するように構成してある(図
1)。
【0019】ところで、上記した如く構成したブレーキ
シュー7の基端部と、スプール2側面2cの所定部位と
には、回動マグネット8a,固定マグネット8bが設け
てある。図2にて示すように、支持ピン6に嵌合するブ
レーキシュー7の基端部の円周に合わせて円弧形の回動
マグネット8aを止着してある。また、スプール2側面
2cにおける上記回動マグネット8aの回動軌道上に沿
っては、略円弧形の固定マグネット8bを取り付け固定
してある。上記した回動マグネット8aと固定マグネッ
ト8bとは、必ず同極同士、例えばS極同士,若しくは
N極同士が対向するように設け、互いに反発する方向へ
力が加わるように構成してある。即ち、図2−Bにて示
すように通常時のブレーキシュー7は、上記した如く設
けた両マグネット8a,8bの間に生じる反発力によ
り、同ブレーキシュー7が退動位置にて停止した状態と
なる。
【0020】次ぎに、台座5に装着するもう一方の遠心
力ブレーキ装置b2について説明する。この遠心力ブレ
ーキ装置b2は、従来から用いられている摺動式のもの
であり、略短筒形のブレーキシュー22と、該ブレ−キ
シュ−22を摺動自在に嵌装するガイドピン21とを用
いて構成してある。上記した台座5に設ける遠心力ブレ
ーキ装置b2は、台座5の外周における相対する位置に
設けた2個の凹部5d内にガイドピン21を挿入し、そ
の基端部を台座5に嵌着して、同ピン21の先端側が同
台座5の外周から突出するように取り付け支持してあ
る。上記した如く台座5に対して取り付け支持したガイ
ドピン21には、略短筒形に形成したブレーキシュー2
2を嵌装し、同ガイドピン21に沿って摺動するように
装着してある。
【0021】したがって、上記遠心力ブレーキ装置b2
は、通常時において、上記ガイドピン21に嵌装したブ
レーキシュー22が、固定リング11の内周面11aと
台座5凹部5dとの間を自由に摺動する状態にある。し
かし、キャスト時における糸の繰り出しによりスプール
2が逆回転すると、その際に生じる遠心力により上記ブ
レーキシュー22がガイドピン21に沿って外周側、即
ち制動位置まで移動し、その端面が固定リング11の内
周面11aと接触して摩擦力を生じる。上記した如く構
成した遠心力ブレーキ装置b2により生じる摩擦力は、
前記した如く両マグネット8a,8bを具備した遠心力
ブレーキ装置b1と比較すると小さいが、ブレーキシュ
ー22は何等の付勢力も受けない状態で設けてあるの
で、弱いながらスプール2の逆転が停止する直前まで摩
擦力を発生することができる。
【0022】上記した如く構成した遠心力ブレーキ装置
b1,b2を具備する両軸受リールAは、キャスティン
グ時において、スプール2から糸が繰り出されて同スプ
ール2が逆回転すると、遠心力ブレーキ装置b1の両ブ
レーキシュー7に加わる遠心力が上記両マグネット8
a,8b同士の反発力に優り、図2−Bにて示すように
両ブレーキシュー7が外周方向へ回動して、先端部の接
触面7aが固定リング11の内周面11aに接触し、ス
プール2に対して適度な摩擦力を発生せしめる。これと
同時に、遠心力ブレーキ装置b2の移動ブレーキシュー
22がガイドピンも外周へ向けて移動し、固定リングの
内周面に当接して比較的弱い摩擦力を生じる。その結
果、上記スプール2から引き出される糸に適宜張力が与
えられる。
【0023】また、スプール2からの糸の繰り出しが徐
々に弱くなると、スプール2からの糸の繰り出しが少な
くなり、スプール2の回転も低下してくる、そして、ブ
レーキシュー7に加わる遠心力が低減すると同時に、相
対的に大きくなった両マグネット8a,8bによる反発
力によりブレーキシュー7が前記した退動位置まで徐々
に復帰する。しかし、糸の繰り出しが徐々に弱くなった
時点においても、遠心力ブレーキ装置b2は、引き続き
固定リングの内周面に当接して比較的弱い摩擦力を発生
する。この摩擦力は、糸先のルアーが着水する間際まで
維持される。
【0024】即ち、上記したように、比較的強い摩擦力
を生じる遠心力ブレーキ装置b1のブレーキシュー7
と、比較的弱い摩擦力を生じ続ける遠心力ブレーキ装置
b2の移動ブレーキシュー22とを併用することによ
り、キャストした際の糸の繰り出し状態の変化に伴っ
て、キャストの直後の高速時からルアーが着水する低速
時まで、糸に対して適宜な張力を与えることが可能とな
る。
【0025】次ぎに、図3,図4にて示す両軸受リール
A2が具備する遠心力ブレーキ装置を説明する。図3,
図4にて示す遠心力ブレーキ装置b3,b2は、上述し
た遠心力ブレーキ装置b1,b2と同様に構成される
が、遠心力ブレーキ装置b3のブレ−キシュ−27の基
端部と、スプール2の側面2cとに設けるマグネット2
8a,28bの取り付け構造が異なっている。即ち、ス
プール2側面2cにおける、台座5の凹部5a内にて軸
支されるブレーキシュー7の支持ピン6に対応する部位
に、略円柱形の固定マグネット28bを嵌入して固定し
てある(図4)。そして、ブレーキシュー7の支持ピン
6の近傍に設けた回動マグネット28aが描く回動軌道
の終端部付近(退動側)の部位に、上記固定マグネット
28bが位置するように構成してある。
【0026】また、上記した回動マグネット28aと固
定マグネット28bとは、前記したものと同様に、同極
同士、例えばS極同士,若しくはN極同士が対向するよ
うに設け、互いに反発するように構成してある。即ち、
図4にて示すように通常時のブレーキシュー7は、上記
した如く設けた両マグネット28a,28bの間に生じ
る反発力により、ブレーキシュー27が退動位置にて停
止した状態となる。
【0027】上記した如く構成した遠心力ブレーキ装置
b3,b2を設けた両軸受リールA2は、キャスティン
グ時において、糸が繰り出されてスプール2が逆回転す
ると、遠心力ブレーキ装置b3の両ブレーキシュー27
に加わる遠心力が、上記マグネット28a,28b同士
の反発力に優り、両ブレーキシュー27が外周方向へ回
動して、接触面27aが固定リング11の内周面11a
に接触し、スプール2に対して適度な摩擦力を与える。
【0028】また、上記両軸受リールA2の遠心力ブレ
ーキ装置b2は、前記した両軸受リールAのものと同様
に構成してあり、上記遠心力ブレーキ装置b3が両マグ
ネット28a,28bの反発力により退動した後にも、
引き続き固定リング11の内周面11aに当接して比較
的弱い摩擦力を発生する。即ち、上記した遠心力ブレー
キ装置b3,b2を具備する両軸受リールA2は、前記
した両軸受リールAと同様な効果を奏する。
【0029】よって、上記ブレーキシュー27が、キャ
スト時におけるスプール2の逆回転時に生じる遠心力に
より、先端部の接触面27aが固定リング11の内周面
11aに当接するまで回動すると、同ブレーキシュー2
7の基端側に設けた回転マグネット28aと、スプール
の側面2cに設けた固定マグネット28bとが略重なり
合った状態となる(図4)。この際、両マグネット28
aと28bとは略重なり合った状態となるが、上記両マ
グネット28a,28bは同極であるために、互いに反
発し合って、上記ブレーキシュー27を退動位置へ押し
戻すように作用する(図9)。
【0030】図5にて示す両軸受リールA3は、前記し
た両軸受リールA2と同様に構成してあるが、台座5の
中心部周りに形成した多角形状の嵌合凹部5eと、スプ
ール2側面2cの中心部周りに形成した多角形状の嵌合
凸部2bとを嵌合することにより、台座5とスプール2
とを一体的に嵌合接続してある。上記嵌合凸部2bと、
嵌合凹部5eとは、着脱可能に嵌合せしめてあり、この
両部材2a,2bの嵌合を外して円周方向へ一コマずつ
ずらして嵌合することにより、ブレーキシュー27の退
動位置、及び制動位置における回動マグネット28a及
び固定マグネット28bとの間隔を増減調節し、両マグ
ネット28a,28b間に生じる反発力の強弱を調節す
るように構成してある。
【0031】例えば、図5において、スプール2の嵌合
凸部2bに対して、台座5の嵌合凸部5eを右回りに一
コマずらして嵌合することにより、両マグネット28
a,28bの間隔が一コマ分近づくことになり、両マグ
ネット28a,28b間に生じる磁力による反発力は強
くなる。また、これとは反対に、スプール2の嵌合凸部
2bに対して台座5の嵌合凸部5eを左回りに一コマず
らして嵌合することにより、両マグネット28a,28
b間に加わる磁力による反発力は低減される。
【0032】尚、上記した実施例においては、スプール
2と台座5の嵌合凸部5eとを多角形の凹凸により嵌係
合することにより、両マグネット28a,28b間の距
離、即ち、反発力を調節した。しかし、スプールと台座
の嵌合部の位置調節は、上記した多角形の凹凸を嵌合す
ることによる構造に限定するものではなく、スプールの
多角形部分をピンやネジ止めにより両部材間のマグネッ
ト28a,28b同士の間隔を調節するようにしてもよ
い。また、上記実施例においては、台座5と共に回転マ
グネット28aが移動するように構成したが、これとは
反対に、台座5側を固定して固定マグネット28b側を
移動させるように構成してもよい(図示せず)。
【0033】図6及び図7にて示す両軸受リールはA4
は、上記した両軸受けリールA3と同様に構成される
が、ブレーキシュー37に設ける回動マグネット38a
と、台座5に設ける固定マグネット38bとの取り付け
構造が異なる遠心力ブレーキ装置b4具備している。図
7にて示すように、ブレーキシュー37に取り付ける回
転マグネット38aは、同ブレーキシュー37の支軸と
なる支持ピン6の右端において略角形に突出させた状態
で付設してある。
【0034】もう一方の固定マグネット38bは、上記
台座5の中心部回りに突出形成した受け口部5fにおけ
る上記ブレ−キシュ−37の回動マグネット38aと対
向する位置に嵌入する形で設けてあり、上記ブレーキシ
ュー37が退動位置にある状態において、両マグネット
38a,38bが制動位置まで回動し、近接した状態で
相対向するように構成しててある。また、上記台座5受
け口5fの装着孔5gに装着する固定マグネット38b
は、一体のものであってもよいが、図8にて示す遠心力
ブレーキ装置b4’のように、同受け口5fに穿設した
装着孔5gの中に数枚に分けて着脱可能に嵌入し、この
分割したマグネット38b’の枚数を増減することによ
り、両マグネット38a,38b間に作用する磁気によ
る反発略を調節し得るように構成してもよい。
【0035】尚、上記した実施例の両軸受リールA〜A
4においては、マグネットを利用した遠心力ブレーキ装
置b1,b3,b4と共に、固定リング11の内周面1
1aとスプール2中心側との間を自由に移動する移動式
のブレーキシュー22を有する遠心力ブレーキをb2併
用して構成したが、本発明の主旨によれば、図10にて
示す両軸受リールA5のように、マグネットを利用した
遠心力ブレーキ装置b1だけを具備するものであっても
よい。また、上記した如きマグネットを利用した遠心力
ブレーキb1〜b4と併用して設ける摺動式のブレーキ
シュー22も、上記した遠心力ブレーキb2のような構
造に限定するものではなく、スプール中心側との間を自
由に移動する移動式のブレーキシューを用いるものであ
れば、既存のどのようなものを用いてもよい。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の釣り用リ
ールは、ブレーキシューの枢支部の近傍に、回動マグネ
ットのS極若しくはN極のどちらか一方を装着すると共
に、スプール側面の部材における回動マグネットの回動
軌道に近接して、上記回動マグネットと反発する同磁極
の固定マグネットを設け、これら両マグネットの同磁極
間に生じる反発力により、上記ブレーキシューの先端側
がスプールの中心側(退動位置)へ向けて常時付勢する
ように遠心力ブレーキを具備したものである。したがっ
て、従来の両軸受リールのように、遠心力ブレーキ装置
のブレーキシューを退動位置へ向けて付勢するためにバ
ネを使用していたものと比較すると、ブレーキシューの
回動が極めてスムースに行なわれる。さらに、キャステ
ィングの際には上記マグネットの同極同士の反発力に抗
して、ブレーキシューの先端部を固定リングの内周面に
対して、円滑且つ安定して圧接せしめ、スプールに対し
て常時安定した摩擦力を与えることができる。その結
果、悪条件の中におけるキャスティング時においても糸
の繰り出しによるスプールの回転に安定した摩擦力を加
え、バックラッシュの発生を確実に防止することが可能
となる。
【0037】請求項2記載の釣り用リールは、上記請求
項1記載の釣り用リールを設けた遠心力ブレーキ装置の
ように、スプールに対する摩擦力が比較的強く作用する
マグネットの磁力を利用したブレーキシューと、スプー
ルに対する摩擦力が比較的弱い移動ブレーキとを併用し
て成るものであるから、キャストした直後における強い
糸の繰り出しによって、スプールが勢いよく逆回転して
いる状態において、摩擦力の強いマグネットを具備した
ブレーキシューにて逆回転するスプールに必要な摩擦力
を加える。また、スプールからの糸の繰り出しが徐々に
弱くなると、スプールの回転も低下してくるが、その回
転(遠心力)があるところまで低下すると、上記したよ
うにマグネットを具備するブレーキシューは、両マグネ
ットによる反発力により退動位置まで戻る。しかし、ス
プールの回転が落ちた時点においても、移動ブレーキ
は、引き続き固定リングの内周面に当接して比較的弱い
摩擦力を与え続ける。この摩擦力は、糸先のルアーが着
水する間際まで維持される。すなわち、上記したように
比較的強い摩擦力を生じるマグネットを利用したブレー
キシューと、比較的弱い摩擦力を生じ続ける移動ブレー
キとを併用して構成することにより、キャストした際の
糸の繰り出し状態の変化に伴って、必要な摩擦力をキャ
ストの直後の高速時からルアーが着水する低速時まで、
繰り出された糸に適宜な張力を与えることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施した両軸受リールを一部切欠
して示す正面図。
【図2】 図1のII−IIに沿う一部切欠側面図であ
り、(A)はブレーキシューが退動位置にある状態を示
し、(B)は同ブレーキシューが制動位置にある状態を
示す。
【図3】 マグネットとして略円柱形のものを使用し
て成る両軸受けリールを一部切欠して示す正面図。
【図4】 図3におけるIV−IV線に沿う一部切欠側面
図。
【図5】 多角形の凹凸の嵌合を利用して両マグネッ
トの間隔を調節可能とした両軸受リールの即枠部を縦断
して示す側面図。
【図6】 マグネットをブレーキシューの枢支部の近
傍と、スプール端部の受け口の外周に設けた両軸受リー
ルを一部切欠して示す正面図。
【図7】 図6におけるVI−VI線に沿う一部切欠側面
図。
【図8】 スプール端部の受け口に穿設した装着孔の
中に数枚に分割した数枚のマグネットを嵌装した両軸受
リールのブレーキシューの基端部を示す拡大図。
【図9】 図4にて示すリールのマグネットが退動側
にある時と、制動位置にある時にをけるマグネット間に
生じる磁力の影響を拡大して示す縦断面図。
【図10】 マグネットを利用したブレ−キシュ−だ
けを設けて成るリールにおける即枠部の縦断側面図。
【図11】 従来の遠心力ブレーキ装置を具備する両
軸受リールを一部切欠して示す正面図。
【図12】 従来の遠心力ブレーキ装置を具備する両
軸受リールを示す縦断側面図。
【符号の説明】
A〜A5・・・両軸受リール b1,b3,b4,b4’・・・遠心力ブレーキ装置 b2・・・遠心力ブレーキ装置 1a,1b・・・側枠 2・・・スプール 2c・・・スプール側面 5・・・台座 6・・・支持ピン 7,27,37,・・・ブレーキシュー 22・・・ブレーキシュー 8a,28a,38a・・・回動マグネット 8b,28b,38b・・・固定マグネット

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両軸受リールが備えるスプールの側面
    に、該スプールの軸芯と平行する支持ピンを突設し、該
    支持ピンにより略長片形に形成したブレーキシューの基
    端部を軸支して、該ブレーキシューの先端部が同スプー
    ル側面の外周側と中心側との間を回動するように構成
    し、且つ、上記スプールを回転自在に軸支するリール側
    枠側の部材に、上記スプールの側面に設けたブレーキシ
    ューを包囲する固定リングを設け、上記スプールが逆回
    転する際の遠心力により、上記ブレーキシューの先端部
    が回動して固定リングの内周面に接触するように構成し
    た釣り用リールにおいて、前記ブレーキシューの枢支部
    の近傍に、回動マグネットのS極若しくはN極のどちら
    か一方を装着すると共に、上記スプール側面の部材にお
    ける回動マグネットの回動軌道に近接する部位に、上記
    回動マグネットと反発する同磁極の固定マグネットを設
    け、これら両マグネットの同磁極間に生じる反発力によ
    り、上記ブレーキシューの先端側がスプールの中心側へ
    向けて常時付勢されるように構成した釣り用リール。
  2. 【請求項2】 上記マグネットを具備する遠心力ブレ
    ーキ装置と共に、固定リングの内周面とスプール中心側
    との間を自由に移動する移動ブレーキシューを具備する
    遠心力ブレーキ装置を併用して設けて成る請求項1記載
    の釣り用リール。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014082938A (ja) * 2012-10-19 2014-05-12 Shimano Inc 両軸受リールのスプール制動装置
JP2014082937A (ja) * 2012-10-19 2014-05-12 Shimano Inc 両軸受リールのスプール制動装置
CN108778972A (zh) * 2016-02-16 2018-11-09 光辉瑞典有限公司 通过角加速度调节的旋转摩擦制动器和包括旋转摩擦制动器的鱼线轮

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