JP2001221818A - 電力検出装置 - Google Patents

電力検出装置

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JP2001221818A
JP2001221818A JP2000213272A JP2000213272A JP2001221818A JP 2001221818 A JP2001221818 A JP 2001221818A JP 2000213272 A JP2000213272 A JP 2000213272A JP 2000213272 A JP2000213272 A JP 2000213272A JP 2001221818 A JP2001221818 A JP 2001221818A
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voltage
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resistor
operational amplifier
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JP2000213272A
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Tadashi Morita
忠 森田
Atsuhiko Tamaki
淳彦 玉城
Katsuhiko Asada
勝彦 浅田
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Tsubakimoto Chain Co
Original Assignee
Tsubakimoto Chain Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数が少なく、部品コストを低減できる
電流増幅回路を備え、ホール素子を利用した電力検出装
置の提供。 【解決手段】 負荷(図示せず)に印加された電圧を検
出する電圧検出回路PC1〜PC4と、電圧検出回路P
C1〜PC4の検出電圧に応じた電流を出力する電流変
換回路IC15と、出力端子及び反転入力端子が接続さ
れた演算増幅器IC14、出力端子に一端が接続された
第1抵抗R37、及び演算増幅器IC14の非反転入力
端子に一端が接続された第2抵抗R38を有し、電流変
換回路IC15が出力し非反転入力端子に与えられた電
流を増幅し、増幅した電流を第1抵抗R37及び第2抵
抗R38の各他端の共通接続節点から出力する電流増幅
回路13と、電流増幅回路13が増幅し出力した電流を
制御電流とし、負荷に流れる電流による磁束を受けてホ
ール電圧を出力するホール素子H1とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホール素子を利用
した電力検出装置に関し、特にホール素子に電流を流
し、また、磁界を与えたときに検出されるホール電圧に
含まれるオフセット電圧を補正するホール素子のオフセ
ット電圧補正方法を利用した電力検出装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図7は、従来の電流検出装置又は電力検
出装置の構成例を示す回路図である。この電流検出装置
(電力検出装置については後述する)は、一方の入力端
子bが接地され、他方の入力端子aが、抵抗R1を介し
て、オペアンプIC1(演算増幅器)の反転入力端子に
接続されている。オペアンプIC1は、抵抗R2により
負帰還がかけられ、非反転入力端子が抵抗R3を通じて
接地されている。
【0003】オペアンプIC1の出力端子は、ホール素
子H1の正側電流端子に接続され、ホール素子H1の負
側電流端子は接地されている。ホール素子H1の正側電
圧端子は、抵抗R4を介して、オペアンプIC2の反転
入力端子に接続され、負側電圧端子は、抵抗R6を介し
て、オペアンプIC2の非反転入力端子に接続されてい
る。オペアンプIC2は、抵抗R5により負帰還がかけ
られ、非反転入力端子が抵抗R7を通じて接地されてい
る。
【0004】オペアンプIC2の出力端子は、抵抗R8
を介して、オペアンプIC3の反転入力端子に接続さ
れ、オペアンプIC3の非反転入力端子は抵抗R10を
通じて接地されている。オペアンプIC3は、可変抵抗
VR1及び抵抗R9により負帰還がかけられ、出力端子
cから検出信号が出力される。オフセット調整回路10
が、直流電源Vcc,−Vcc間に直列接続された抵抗R1
1、可変抵抗VR2及び抵抗R12により構成され、可
変抵抗VR2の抵抗可変端子は、オペアンプIC3の反
転入力端子に接続されている。
【0005】以下に、このような構成の電流検出装置の
動作を説明する。この電流検出装置は、入力端子a,b
間に一定電圧Viが与えられ、オペアンプIC1は、こ
の一定電圧Viに応じた一定電圧ViHを出力する。こ
の一定電圧ViHは、ホール素子H1に印加され、制御
電流Icを生じさせる。尚、電圧電流変換回路を付加し
て、制御電流Icを直接出力制御しても良い。この状態
で、検出すべき電流による磁界を、図示しない磁性体に
より集束した磁束Bが、ホール素子H1に与えられる
と、ホール効果により、磁束Bに応じたホール電圧VH
が、ホール素子H1の電圧端子間に発生する。
【0006】このとき、電圧端子間に生じるホール電圧
VHは、後述するオフセット電圧を無視すれば、(1)
式のようになる。 VH=KH・Ic・Bcosθ (1) 但し、KHはホール素子の比例定数であり、θは電流
(制御電流)Ic及びホール電圧VHに垂直な方向に対
する磁束Bの傾きである。磁束Bは、検出すべき電流に
比例しており、ホール電圧VHは、磁束Bに関連してい
るので、ホール電圧VHは、検出すべき電流に関連して
いる。ホール電圧VHは、オペアンプIC2により反転
増幅され、反転増幅されたホール電圧VHは、オペアン
プIC3により更に反転増幅されて、検出すべき電流値
として出力される。
【0007】ところで、ホール電圧VHは、磁束Bが0
のときでも、0Vにはならないオフセット電圧を含んで
いる。その為、この電流検出装置では、オフセット調整
回路10の可変抵抗VR2を調整することにより、検出
信号からこのオフセット電圧分を除去して補正するよう
になっており、補正後のホール電圧VHcが、(1)式
のように表される。
【0008】この電流検出装置を電力検出装置として使
用する場合は、入力端子a,b間に負荷に与えられる電
圧を印加し、オペアンプIC1は、この電圧に応じた電
圧を出力する。この電圧は、ホール素子H1に印加さ
れ、制御電流Icを生じさせる。尚、電圧電流変換回路
を付加して、制御電流Icを直接出力制御しても良い。
この状態で、負荷に流れる電流による磁界を、図示しな
い磁性体により集束した磁束Bを、ホール素子H1に与
えると、後述するオフセット電圧を無視すれば、ホール
効果により、(1)式に示したように、制御電流Ic及
び磁束Bに応じたホール電圧VHが、ホール素子H1の
電圧端子間に発生する。
【0009】ここで、制御電流Icは、負荷に供給され
た電圧に関連する値であり、磁束Bは、負荷に供給され
た電流に関連する値である。従って、(1)式より、ホ
ール電圧VHは、負荷への供給電力=(負荷への供給電
圧)×(負荷への供給電流)に関連する値であり、ホー
ル電圧VHを検出することにより、負荷への供給電力を
検出することが出来る。ホール電圧VHは、オペアンプ
IC2により反転増幅され、反転増幅されたホール電圧
VHは、オペアンプIC3により更に反転増幅されて、
検出すべき電力値として出力される。
【0010】ところで、ホール電圧VHは、磁束Bが0
のときでも、0Vにはならないオフセット電圧を含んで
いる。その為、この電力検出装置では、オフセット調整
回路10の可変抵抗VR2を調整することにより、検出
信号からこのオフセット電圧分を除去して補正するよう
になっており、補正後のホール電圧VHcが、(1)式
のように表される。
【0011】図8は、従来の電力検出装置の構成例を示
す回路図である。この電力検出装置は、例えば電動モー
タ等の図示しない負荷の一方の電源端子が、抵抗R32
を介して、フォトカプラPC1の1次側である発光ダイ
オードのカソード及びフォトカプラPC2の1次側であ
る発光ダイオードのアノードと接続されている。負荷の
他方の電源端子は、抵抗R33を介してフォトカプラP
C2の発光ダイオードのカソード及びフォトカプラPC
1の発光ダイオードのアノードと接続されている。
【0012】フォトカプラPC1の2次側であるフォト
トランジスタのコレクタは、直流電源Vccと接続されて
いる。このフォトトランジスタのエミッタは、抵抗R1
3と抵抗R14との直列回路を介してフォトカプラPC
2の2次側であるフォトトランジスタのコレクタと接続
されている。このフォトトランジスタのエミッタは、直
流電源−Vccと接続されている。抵抗R13と抵抗R1
4との接続節点は接地されている。抵抗R13とR14
との直列回路には、フォトカプラPC1,PC2及び後
述するフォトカプラPC3,PC4の電流伝達比の相違
を保証する可変抵抗VR3が並列接続されている。この
可変抵抗VR3は単なる抵抗に置き換えることができ
る。
【0013】可変抵抗VR3の抵抗可変端子は、抵抗R
15を介して、オペアンプIC15の反転入力端子と接
続されている。オペアンプIC15の出力端子は、フォ
トカプラPC3の1次側である発光ダイオードのカソー
ド及びフォトカプラPC4の1次側である発光ダイオー
ドのアノードと接続されている。この発光ダイオードの
カソード及びフォトカプラPC3の発光ダイオードのア
ノードは、共通接続されてホール素子H1の正側の電流
入力端子に接続されている。オペアンプIC15は、コ
ンデンサC1により負帰還がかけられている。
【0014】フォトカプラPC3の2次側であるフォト
トランジスタのコレクタは、直流電源Vccと接続されて
いる。このフォトトランジスタのエミッタは、フォトカ
プラPC4の2次側であるフォトトランジスタのコレク
タと接続され、そのエミッタは直流電源−Vccと接続さ
れている。このフォトトランジスタのコレクタとフォト
カプラPC3のフォトトランジスタのエミッタとの接続
節点は、オペアンプIC5の非反転入力端子と接続さ
れ、抵抗R16を介して接地されている。フォトカプラ
PC1,PC2,PC3及びPC4の各電流伝達比は略
同じ値に選定されている。
【0015】ホール素子H1の負側の電流入力端子は接
地されている。ホール素子H1の正側の電圧出力端子
は、抵抗R19を介してオペアンプIC16の反転入力
端子と接続され、負側の電圧出力端子は、抵抗R21を
介してオペアンプIC16の非反転入力端子と接続され
ている。オペアンプIC16の非反転入力端子は、抵抗
R22を介して接地され、出力端子は、抵抗R20によ
り負帰還が掛けられ、電力信号の一方の出力端子に接続
されている。電力信号の他方の出力端子は接地されてい
る。
【0016】ホール素子H1には、オペアンプIC15
が出力する電圧に応じて、フォトカプラPC3,PC4
の電流伝達比を補償した電流Iinが、制御電流として正
側の電流入力端子から負側の電流入力端子に流すと共
に、負荷に供給された電流により発生する磁束を図示し
ない磁性体で集束し、この磁性体の磁気回路の途中にホ
ール素子H1を設置して磁束Bを与え、電流Iinが流れ
る方向と垂直方向に生じる起電力を、電圧出力端子によ
り取り出す。
【0017】以下に、このような構成の電力検出装置の
動作を説明する。負荷の電源端子間に印加された交流電
圧の正、負側電圧に応じた各電流が、それぞれフォトカ
プラPC1,PC2の各発光ダイオードに流れて各発光
ダイオードが交互に発光する。各発光ダイオードがそれ
ぞれ発光した光を、フォトカプラPC1,PC2の各フ
ォトトランジスタがそれぞれ受光して交互にオンし、直
流電源Vcc,−Vccから各フォトトランジスタを通じて
抵抗R13,R14に電流がそれぞれ流れ、可変抵抗V
R3の抵抗可変端子には、各電流に応じた正側電圧及び
負側電圧が生じる。
【0018】即ち、検出すべき交流電圧に応じた交流電
圧の正側電圧及び負側電圧が生じる。ところで、各フォ
トトランジスタを流れる各電流は、フォトカプラPC
1,PC2の電流伝達比が周囲温度により左右されるこ
とにより変化し、この各電流は各発光ダイオードの各電
流に整合せず、各フォトトランジスタの電流に応じた電
圧と、負荷の電源端子間に入力された交流電圧とは整合
しない。
【0019】しかし、可変抵抗VR3の抵抗可変端子の
各電圧が、オペアンプIC15の反転入力端子に入力さ
れると、オペアンプIC15は、反転入力端子に入力さ
れた電圧に応じた電圧を出力し、その電圧に応じた電流
が、フォトカプラPC3,PC4の各発光ダイオードを
通って、ホール素子H1の制御電流として正側の電流入
力端子から負側の電流入力端子に流される。そして、フ
ォトカプラPC3,PC4の各発光ダイオードが電流に
応じて交互に発光し、それによりフォトカプラPC3,
PC4の各フォトトランジスタが交互にオンして、直流
電源Vcc,−Vccから各フォトトランジスタを通って抵
抗R16に電流が流れ、抵抗R16の端子電圧は、オペ
アンプIC15の出力電流に応じた正側電圧又は負側電
圧になり、これらの電圧がオペアンプIC15の非反転
入力端子へ入力される。
【0020】オペアンプIC15は、非反転入力端子に
入力された電圧と反転入力端子に入力された電圧との差
を増幅し、オペアンプIC15が出力する電圧に応じ
て、フォトカプラPC3,PC4の電流伝達比を補償し
た電流Iinが、フォトカプラPC3,PC4の各発光ダ
イオードを通じて、ホール素子H1の制御電流として正
側の電流入力端子から負側の電流入力端子に流される。
【0021】一方、ホール素子H1には、負荷に供給さ
れた電流により発生した磁束を集束した磁束Bが与えら
れ、ホール効果により、電流Iinが流れる方向と垂直方
向に起電力が生じ、電圧出力端子から取り出される。電
圧出力端子間に生じるホール電圧VHは(2)式のよう
になる。 VH=KH・Iin・Bcosθ (2) 但し、KHはホール素子の比例定数であり、θは電流
(制御電流)Iin及びホール電圧VHに垂直な方向に対
する磁束Bの傾きである。
【0022】ここで、電流Iinは、上述したように、負
荷の電源端子間に入力された交流電圧に整合する値であ
り、磁束Bは、負荷に供給された電流に関連する値であ
る。従って、(2)式より、ホール電圧VHは、負荷へ
の供給電力=(負荷への供給電圧)×(負荷への供給電
流)に関連する値であり、このホール電圧VHをオペア
ンプIC6により増幅し検出することにより、負荷への
供給電力値を検出することが出来る。しかし、電流Iin
が小さい為、ホール素子H1の出力電圧が小さく、オペ
アンプIC16の増幅率を大きくする必要があった。そ
の為、オペアンプIC16には、オフセット電圧が小さ
く、精度が良いオペアンプを使用する必要があった。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】従来の電流検出装置及
び電力検出装置では、上述したように、ホール素子が発
生させるホール電圧VHは、磁束Bを0にしても、0V
にはならないオフセット電圧を含んでいる。また、ホー
ル電圧VHの絶対値は、通常数mV程度と非常に小さい
ので、高ゲインのオペアンプを使用する必要があるが、
このオペアンプにもその出力電圧にオフセット電圧が発
生する。従って、従来の電流検出装置及び電力検出装置
では、ホール電圧VHのオフセット電圧及びオペアンプ
のオフセット電圧を補正する為の補正回路を付加しなけ
ればならず、また、これらを調整する手間が必要であっ
た。
【0024】また、上述した従来の電力検出装置では、
ホール素子の出力電圧が小さく、それを増幅率が大きい
オペアンプで増幅していた為、オフセットの影響が大き
い。その為、高精度で高価なオペアンプを使用してお
り、部品コストが上昇するという問題があった。本発明
は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、
第1発明では、ホール素子に加える電流を増幅し、従っ
て、ホール素子の出力電圧を増幅するオペアンプの増幅
率が小さくても良く、部品コストを低減できる電流増幅
回路を備えた電力検出装置を提供することを目的とす
る。第2発明では、ホール素子のオフセット電圧補正を
自動的に実行できる電力検出装置を提供することを目的
とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る電力検出
装置は、負荷に印加された電圧を検出する電圧検出回路
と、該電圧検出回路が検出した電圧に応じた電流を出力
する電流変換回路と、出力端子及び反転入力端子が接続
された演算増幅器と、前記出力端子に一端が接続された
第1抵抗と、前記演算増幅器の非反転入力端子に一端が
接続された第2抵抗とを有し、前記電流変換回路が出力
し、前記非反転入力端子に与えられた電流を増幅し、そ
の増幅した電流を前記第1抵抗及び第2抵抗の各他端の
共通接続節点から出力する電流増幅回路と、該電流増幅
回路が増幅し出力した電流を制御電流とし、前記負荷に
流れる電流による磁束を受けてホール電圧を出力するホ
ール素子とを備え、該ホール素子が出力したホール電圧
を、前記負荷への供給電力値として出力すべくなしてあ
ることを特徴とする。
【0026】この電力検出装置では、電圧検出回路が負
荷に印加された電圧を検出し、電流変換回路が、電圧検
出回路が検出した電圧に応じた電流を出力する。電流増
幅回路は、出力端子及び反転入力端子が接続された演算
増幅器と、出力端子に一端が接続された第1抵抗と、演
算増幅器の非反転入力端子に一端が接続された第2抵抗
とを有し、電流変換回路が出力し、演算増幅器の非反転
入力端子に与えられた電流を増幅し、その増幅した電流
を第1抵抗及び第2抵抗の各他端の共通接続節点から出
力する。ホール素子は、電流増幅回路が増幅し出力した
電流を制御電流とし、前記負荷に流れる電流による磁束
を受けてホール電圧を出力し、ホール素子が出力したホ
ール電圧を、前記負荷への供給電力値として出力する。
これにより、部品コストを低減できる電流増幅回路を備
え、ホール素子を利用した電力検出装置を実現すること
が出来る。
【0027】第2発明に係る電力検出装置は、前記制御
電流を流す方向を所定時間毎に切り換える切換回路と、
該切換回路が切り換えた制御電流の各方向における前記
ホール電圧を検出する手段と、該手段が検出した制御電
流の各方向におけるホール電圧の差を演算する手段とを
更に備え、該手段が演算した差に基づき、前記負荷への
供給電力値を検出すべくなしてあることを特徴とする。
【0028】この電力検出装置では、切換回路が、ホー
ル素子の制御電流を流す方向を所定時間毎に切り換え、
検出する手段が、切換回路が切り換えた制御電流の各方
向におけるホール素子のホール電圧を検出する。演算す
る手段は、検出する手段が検出した制御電流の各方向に
おけるホール電圧の差を演算し、演算する手段が演算し
た差に基づき、前記負荷への供給電力値を検出する。こ
れにより、ホール素子のオフセット電圧補正を自動的に
実行できる電力検出装置を実現することが出来る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を、その実施の形
態を示す図面に基づき説明する。 実施の形態1.図1は、本発明に係る電力検出装置の実
施の形態の構成を示す回路図である。この電力検出装置
は、例えば電動モータ等の図示しない負荷の一方の電源
端子が、抵抗R32を介して、フォトカプラPC1(電
圧検出回路)の1次側である発光ダイオードのカソード
及びフォトカプラPC2(電圧検出回路)の1次側であ
る発光ダイオードのアノードと接続されている。負荷の
他方の電源端子は、抵抗R33を介してフォトカプラP
C2の発光ダイオードのカソード及びフォトカプラPC
1の発光ダイオードのアノードと接続されている。
【0030】フォトカプラPC1の2次側であるフォト
トランジスタのコレクタは、直流電源Vccと接続されて
いる。このフォトトランジスタのエミッタは、抵抗R1
3と抵抗R14との直列回路を介してフォトカプラPC
2の2次側であるフォトトランジスタのコレクタと接続
されている。このフォトトランジスタのエミッタは、直
流電源−Vccと接続されている。抵抗R13と抵抗R1
4との接続節点は接地されている。抵抗R13とR14
との直列回路には、後述する4個のフォトカプラの電流
伝達比の相違を補償する可変抵抗VR3が並列接続され
ている。この可変抵抗VR3は単なる抵抗に置き換える
ことができる。
【0031】可変抵抗VR3の抵抗可変端子は、抵抗R
15を介して、オペアンプIC15(電流変換回路)の
反転入力端子と接続されている。オペアンプIC15の
出力端子は、フォトカプラPC3(電圧検出回路)の1
次側である発光ダイオードのカソード及びフォトカプラ
PC4(電圧検出回路)の1次側である発光ダイオード
のアノードと接続されている。この発光ダイオードのカ
ソード及びフォトカプラPC3の発光ダイオードのアノ
ードは、共通接続されて電流増幅回路13の入力端子に
接続されている。オペアンプIC15は、コンデンサC
1により負帰還がかけられている。電流増幅回路13の
構成及び動作は、後述する図6の電流増幅回路の構成及
び動作と同様であるので、説明を省略する。
【0032】フォトカプラPC3の2次側であるフォト
トランジスタのコレクタは、直流電源Vccと接続されて
いる。このフォトトランジスタのエミッタは、フォトカ
プラPC4の2次側であるフォトトランジスタのコレク
タと接続され、そのエミッタは直流電源−Vccと接続さ
れている。このフォトトランジスタのコレクタとフォト
カプラPC3のフォトトランジスタのエミッタとの接続
節点は、オペアンプIC5の非反転入力端子と接続さ
れ、抵抗R16を介して接地されている。フォトカプラ
PC1,PC2,PC3及びPC4の各電流伝達比は略
同じ値に選定されている。
【0033】電流増幅回路13の出力端子は、ホール素
子H1の正側の電流入力端子に接続され、ホール素子H
1の負側の電流入力端子は接地されている。ホール素子
H1の正側の電圧出力端子は、抵抗R19を介してオペ
アンプIC16の反転入力端子と接続され、負側の電圧
出力端子は、抵抗R21を介してオペアンプIC16の
非反転入力端子と接続されている。オペアンプIC16
の非反転入力端子は、抵抗R22を介して接地され、出
力端子は、抵抗R20により負帰還が掛けられ、電力信
号の一方の出力端子に接続されている。電力信号の他方
の出力端子は接地されている。
【0034】ホール素子H1には、電流増幅回路13の
出力電流Iout を、制御電流として正側の電流入力端子
から負側の電流入力端子に流すと共に、負荷に供給され
た電流により発生する磁束を図示しない磁性体で集束
し、この磁性体の磁気回路の途中にホール素子H1を設
置して磁束Bを与え、電流Iout が流れる方向と垂直方
向に生じる起電力を、電圧出力端子により取り出す。こ
のとき、電圧出力端子間に生じるホール電圧VHは、ホ
ール効果により(3)式のようになる。 VH=KH・Iout ・Bcosθ (3) 但し、KHはホール素子の比例定数であり、θは電流
(制御電流)Iout 及びホール電圧VHに垂直な方向に
対する磁束Bの傾きである。
【0035】ここで、電流Iout は、負荷の電源端子間
に供給された電圧に関連する値であり、磁束Bは、負荷
に供給された電流に関連する値である。従って、(3)
式より、ホール電圧VHは、負荷への供給電力=(負荷
への供給電圧)×(負荷への供給電流)に関連する値で
あり、ホール電圧VHを検出することにより、負荷への
供給電力を検出することが出来る。
【0036】以下に、このような構成の電力検出装置の
動作を説明する。負荷の電源端子間に印加された交流電
圧は、抵抗R32,R33による電圧降下により低電圧
となって、フォトカプラPC1,PC2の各発光ダイオ
ードに印加される。そして、負荷の電源端子から、抵抗
R32,R33で制限され、交流電圧の正、負側電圧に
応じた各電流が、それぞれ各発光ダイオードに流れて各
発光ダイオードが交互に発光する。各発光ダイオードが
それぞれ発光した光を、フォトカプラPC1,PC2の
各フォトトランジスタがそれぞれ受光し、各フォトトラ
ンジスタが交互にオンし、直流電源Vcc,−Vccから各
フォトトランジスタを通じて抵抗R13,R14に電流
がそれぞれ流れ、可変抵抗VR3の抵抗可変端子には、
各電流に応じた正側電圧及び負側電圧が生じる。
【0037】即ち、検出すべき交流電圧に応じた交流電
圧の正側電圧及び負側電圧が生じる。ところで、各フォ
トトランジスタを流れる各電流は、フォトカプラPC
1,PC2の電流伝達比が周囲温度により左右されるこ
とにより変化し、この各電流は各発光ダイオードの各電
流に整合せず、各フォトトランジスタの電流に応じた電
圧と、負荷の電源端子間に入力された交流電圧とは整合
しない。
【0038】しかし、可変抵抗VR3の抵抗可変端子の
各電圧が、オペアンプIC15の反転入力端子に入力さ
れると、オペアンプIC15は、反転入力端子に入力さ
れた電圧に応じた電圧を出力し、その電圧に応じた電流
が、フォトカプラPC3,PC4の各発光ダイオードを
通って電流増幅回路13に入力される。そして、フォト
カプラPC3,PC4の各発光ダイオードが電流に応じ
て交互に発光し、それによりフォトカプラPC3,PC
4の各フォトトランジスタが交互にオンして、直流電源
Vcc,−Vccから各フォトトランジスタを通って抵抗R
16に電流が流れ、抵抗R16の端子電圧は、オペアン
プIC15の出力電流に応じた正側電圧又は負側電圧に
なり、これらの電圧がオペアンプIC15の非反転入力
端子へ入力される。
【0039】オペアンプIC15は、非反転入力端子に
入力された電圧と反転入力端子に入力された電圧との差
を増幅し、オペアンプIC15が出力する電圧に応じ
て、フォトカプラPC3,PC4の電流伝達比を補償し
た電流Iinが、フォトカプラPC3,PC4の各発光ダ
イオードを通じて、電流増幅回路13に入力される。電
流増幅回路13は、入力された電流Iinを、所定の増幅
率により増幅して、その出力電流Iout をホール素子H
1の正側の電流入力端子に与える。電流Iout は、ホー
ル素子H1の正側の電流入力端子から負側の電流入力端
子に流れる。
【0040】従って、フォトカプラPC1,PC2,P
C3,PC4の電流伝達比を略同じ値に選定しておけ
ば、フォトカプラPC3,PC4の各発光ダイオードに
流れる電流は、フォトカプラPC1,PC2の電流伝達
比を補償した電流に整合し、フォトカプラPC1,PC
2の電流伝達比を補償した電流が、ホール素子H1に流
れたのと同様になり、ホール素子H1に流れた電流は、
負荷の電源端子間に入力された交流電圧に整合する。
【0041】このようにして略等しい電流伝達比のフォ
トカプラPC1,PC2,PC3,PC4を使用し、そ
れらを同じ温度条件下に配設することにより、フォトカ
プラPC1,PC2の電流伝達比を補償した電流が得ら
れて、負荷に供給された電圧を高精度に検出することが
できる。
【0042】一方、ホール素子H1には、負荷に供給さ
れた電流により発生した磁束を集束した磁束Bが与えら
れ、ホール効果により、電流Iout が流れる方向と垂直
方向に起電力が生じ、電圧出力端子から取り出される。
電圧出力端子間に生じるホール電圧VHは、上述したよ
うに、(3)式のようになる。 VH=KH・Iout ・Bcosθ (3) 但し、KHはホール素子の比例定数であり、θは電流
(制御電流)Iout 及びホール電圧VHに垂直な方向に
対する磁束Bの傾きである。
【0043】ここで、電流Iout は、上述したように、
負荷の電源端子間に入力された交流電圧に整合する値で
あり、磁束Bは、負荷に供給された電流に関連する値で
ある。従って、(3)式より、ホール電圧VHは、負荷
への供給電力=(負荷への供給電圧)×(負荷への供給
電流)に関連する値であり、このホール電圧VHをオペ
アンプIC6により増幅し検出することにより、負荷へ
の供給電力値を検出することが出来る。また、上述した
電力検出装置の回路は、インダクタンス成分を含まない
ので、交流電圧及び交流電流の位相差が生じることがな
い。また、変成器を使用しないから小型、軽量に構成で
きる。
【0044】実施の形態2.図2、図3は、本発明に係
る電力検出装置の実施の形態の構成を示す回路図であ
る。この電力検出装置は、例えば電動モータ等の図示し
ない負荷の一方の電源端子が、抵抗R32を介して、フ
ォトカプラPC1(電圧検出回路)の1次側である発光
ダイオードのカソード及びフォトカプラPC2(電圧検
出回路)の1次側である発光ダイオードのアノードと接
続されている。以下の、図2に示すフォトカプラPC
1,PC2から電流増幅切換回路14(図3)の前迄の
構成及び動作は、上述した図1におけるフォトカプラP
C1,PC2から電流増幅回路13の前迄の構成及び動
作と同様であるので、説明を省略する。
【0045】電流増幅切換回路14は、フォトカプラP
C3,PC4の各発光ダイオードからの入力電流Iinが
与えられ、後述する情報処理部11により切換制御され
るアナログスイッチ15(デマルチプレクサ)と、アナ
ログスイッチ15の2つの切換端子にそれぞれ反転入力
端子及び非反転入力端子が接続されたオペアンプIC1
7とを備えている。オペアンプIC17の反転入力端子
とアナログスイッチ15の切換端子との間には、動作を
安定させる為に抵抗R40が接続されている。オペアン
プIC17は、抵抗R34により負帰還がかけられ、出
力端子及び非反転入力端子間に抵抗R36及び抵抗R3
5が直列接続され、抵抗R36及び抵抗R35の共通接
続節点が電流増幅切換回路14の出力端子となり、ホー
ル素子H1の制御電流を出力する。尚、R34=R35
+R36である。
【0046】このような構成の電流増幅切換回路14で
は、アナログスイッチ15が情報処理部11により+側
(オペアンプIC17の非反転入力端子側)に切換えら
れると、(R35+R36)Iin/R36=+Icとな
り、(R35+R36)/R36倍に増幅された制御電
流+Icが出力される。アナログスイッチ15が情報処
理部11により−側(オペアンプIC17の反転入力端
子側)に切換えられると、−(R34/R36)Iin=
−(R35+R36)Iin/R36=−Icとなり、
(R35+R36)/R36倍に増幅された制御電流−
Icが出力される。従って、アナログスイッチ15が切
換えられることにより、ホール素子H1の制御電流は極
性が反転する。
【0047】電流増幅切換回路14の出力端子は、ホー
ル素子H1の正側電流端子に接続され、ホール素子H1
の負側電流端子は接地されている。ホール素子H1の正
側電圧端子は、抵抗R25を通じて、オペアンプIC1
2の反転入力端子に接続され、負側電圧端子は、抵抗R
26を介して、オペアンプIC12の非反転入力端子に
接続されている。オペアンプIC12は、抵抗R27に
より負帰還がかけられ、非反転入力端子が抵抗R28を
通じて接地されている。
【0048】オペアンプIC12の出力端子は、抵抗R
29を通じて、オペアンプIC13の反転入力端子に接
続され、オペアンプIC13の非反転入力端子は抵抗R
31を通じて接地されている。オペアンプIC13は、
可変抵抗VR4及び抵抗R30により負帰還がかけら
れ、出力端子cから検出信号が出力される。出力端子c
から出力された検出信号は、マイクロコンピュータから
なる情報処理部11(検出する手段、演算する手段)に
与えられ、情報処理部11は与えられた検出信号を、所
定の演算により補正し、補正済検出信号として出力す
る。
【0049】以下に、このような構成の電力検出装置の
動作を説明する。この電力検出装置は、電流増幅切換回
路14が、フォトカプラPC1,PC2により検出した
負荷にかかる電圧に応じた制御電流を出力する。この状
態で、検出すべき電力の電流による磁界を、図示しない
磁性体により集束した磁束Bが、ホール素子H1に与え
られると、ホール効果により、磁束Bに応じたホール電
圧VHが、ホール素子H1の電圧端子間に発生する。
【0050】このとき、電圧端子間に生じるホール電圧
VHは、オフセット電圧を無視すれば、(4)式のよう
になる。 VH=KH・Ic・Bcosθ (4) 但し、KHはホール素子の比例定数であり、θは電流
(制御電流)Ic及びホール電圧VHに垂直な方向に対
する磁束Bの傾きである。磁束Bは、検出すべき電力の
電流に比例しており、ホール電圧VHは、負荷にかかる
電圧に応じた制御電流Ic及び磁束Bに関連しているの
で、ホール電圧VHは、検出すべき電力に関連してい
る。ホール電圧VHは、オペアンプIC12により反転
増幅され、反転増幅されたホール電圧VHは、オペアン
プIC13により更に反転増幅されて、検出信号として
出力される。
【0051】ところで、ホール電圧VHは、磁束Bが0
のときでも、0Vにはならないオフセット電圧を含んで
いる。オフセット電圧Voを含めて、ホール電圧VHo
を表せば、 VHo=KH・Ic・Bcosθ+Vo (5) となる。ここで、制御電流Icの向きを逆にした(極性
を反転した)ときのホール電圧VHorを表せば、 VHor=−KH・Ic・Bcosθ+Vo (6) となる。従って、補正後のホール電圧VHc=KH・I
c・Bcosθを得るには、(5)−(6)を演算し、
その結果を2で割れば良い。
【0052】図4は、情報処理部11の動作を示すフロ
ーチャートである。情報処理部11は、先ず、電流増幅
切換回路14の出力を正側に切り換え(S2)、オペア
ンプ及びホール素子H1等の素子が安定状態になる為の
所定時間が経過すると(S4)、そのときの出力値VH
p(検出信号;実際には、ホール電圧の増幅信号)をA
/D変換(アナログ/デジタル変換)して読み込み(S
6)、記憶する(S8)。このとき、 VHp=KH・Ic・Bcosθ+Vo である。
【0053】次に、情報処理部11は、電流増幅切換回
路14の出力を負側に切り換え(S10)、オペアンプ
及びホール素子H1等の素子が安定状態になる為の所定
時間が経過すると(S12)、そのときの出力値VHm
(検出信号;実際には、ホール電圧の増幅信号)をA/
D変換(アナログ/デジタル変換)して読み込む(S1
4)。このとき、 VHm=−KH・Ic・Bcosθ+Vo である。次に、情報処理部11は、検出値VHc=(V
Hp−VHm)/2 を演算して補正後の検出値VHc
=KH・Ic・Bcosθ を求め(S16)、補正後
の検出値VHc(補正済検出信号;実際には増幅信号)
を出力する(S18)。また、検出値VHcを電力値に
換算して表示することも出来る。
【0054】図5は、ホール素子のオフセット電圧補正
方法及び電流検出装置の構成を示す回路図である。この
電流検出装置は、一方の入力端子bが接地され、他方の
入力端子aが制御電流切換回路12の入力端子に接続さ
れている。制御電流切換回路12の出力は、マイクロコ
ンピュータからなる情報処理部11から与えられる切換
信号により、極性が反転するように切り換え制御され
る。
【0055】制御電流切換回路12の出力端子は、ホー
ル素子H1の正側電流端子に接続され、ホール素子H1
の負側電流端子は接地されている。ホール素子H1の正
側電圧端子は、抵抗R25を通じて、オペアンプIC1
2の反転入力端子に接続され、負側電圧端子は、抵抗R
26を介して、オペアンプIC12の非反転入力端子に
接続されている。オペアンプIC12は、抵抗R27に
より負帰還がかけられ、非反転入力端子が抵抗R28を
通じて接地されている。
【0056】オペアンプIC12の出力端子は、抵抗R
29を通じて、オペアンプIC13の反転入力端子に接
続され、オペアンプIC13の非反転入力端子は抵抗R
31を通じて接地されている。オペアンプIC13は、
可変抵抗VR4及び抵抗R30により負帰還がかけら
れ、出力端子cから検出信号が出力される。出力端子c
から出力された検出信号は、情報処理部11(検出する
手段、演算する手段)に与えられ、情報処理部11は与
えられた検出信号を、所定の演算により補正し、補正済
検出信号として出力する。
【0057】以下に、このような構成の電流検出装置の
動作を説明する。この電流検出装置は、入力端子a,b
間に一定電圧Viが与えられ、制御電流切換回路12
は、この一定電圧Viに応じた制御電流Icを出力す
る。この状態で、検出すべき電流による磁界を、図示し
ない磁性体により集束した磁束Bが、ホール素子H1に
与えられると、ホール効果により、磁束Bに応じたホー
ル電圧VHが、ホール素子H1の電圧端子間に発生す
る。
【0058】このとき、電圧端子間に生じるホール電圧
VHは、オフセット電圧を無視すれば、(4)式のよう
になる。 VH=KH・Ic・Bcosθ (4) 但し、KHはホール素子の比例定数であり、θは電流
(制御電流)Ic及びホール電圧VHに垂直な方向に対
する磁束Bの傾きである。磁束Bは、検出すべき電流に
比例しており、ホール電圧VHは、磁束Bに関連してい
るので、ホール電圧VHは、検出すべき電流に関連して
いる。ホール電圧VHは、オペアンプIC12により反
転増幅され、反転増幅されたホール電圧VHは、オペア
ンプIC13により更に反転増幅されて、検出信号とし
て出力される。
【0059】ところで、ホール電圧VHは、磁束Bが0
のときでも、0Vにはならないオフセット電圧を含んで
いる。オフセット電圧Voを含めて、ホール電圧VHo
を表せば、 VHo=KH・Ic・Bcosθ+Vo (5) となる。ここで、制御電流Icの向きを逆にした(極性
を反転した)ときのホール電圧VHorを表せば、 VHor=−KH・Ic・Bcosθ+Vo (6) となる。従って、補正後のホール電圧VHc=KH・I
c・Bcosθを得るには、(5)−(6)を演算し、
その結果を2で割れば良い。
【0060】情報処理部11の動作は図4のフローチャ
ートで示される。情報処理部11は、先ず、制御電流切
換回路12の出力を正側に切り換え(S2)、オペアン
プ及びホール素子H1等の素子が安定状態になる為の所
定時間が経過すると(S4)、そのときの出力値VHp
(検出信号;実際には、ホール電圧の増幅信号)をA/
D変換(アナログ/デジタル変換)して読み込み(S
6)、記憶する(S8)。このとき、 VHp=KH・Ic・Bcosθ+Vo である。
【0061】次に、情報処理部11は、制御電流切換回
路12の出力を負側に切り換え(S10)、オペアンプ
及びホール素子H1等の素子が安定状態になる為の所定
時間が経過すると(S12)、そのときの出力値VHm
(検出信号;実際には、ホール電圧の増幅信号)をA/
D変換(アナログ/デジタル変換)して読み込む(S1
4)。このとき、 VHm=−KH・Ic・Bcosθ+Vo である。次に、情報処理部11は、検出値VHc=(V
Hp−VHm)/2 を演算して補正後のVHc=KH
・Ic・Bcosθ を求め(S16)、補正後の検出
値VHc(補正済検出信号;実際には増幅信号)を出力
する(S18)。また、検出値VHcを電流値に換算し
て表示することも出来る。
【0062】上述した電流検出装置を電力検出装置とし
て使用する場合は、入力端子a,b間に負荷に与えられ
る電圧を印加し、制御電流切換回路12は、この電圧に
応じた制御電流Icを出力する。この状態で、負荷に流
れる電流による磁界を、図示しない磁性体により集束し
た磁束Bを、ホール素子H1に与えると、後述するオフ
セット電圧を無視すれば、ホール効果により、(4)式
に示したように、制御電流Ic及び磁束Bに応じたホー
ル電圧VHが、ホール素子H1の電圧端子間に発生す
る。
【0063】ここで、制御電流Icは、負荷に供給され
た電圧に関連する値であり、磁束Bは、負荷に供給され
た電流に関連する値である。従って、(4)式より、ホ
ール電圧VHは、負荷への供給電力=(負荷への供給電
圧)×(負荷への供給電流)に関連する値であり、ホー
ル電圧VHを検出することにより、負荷への供給電力を
検出することが出来る。ホール電圧VHは、オペアンプ
IC12により反転増幅され、反転増幅されたホール電
圧VHは、オペアンプIC13により更に反転増幅され
て、検出すべき電力値として出力される。
【0064】ところで、ホール電圧VHは、磁束Bが0
のときでも、0Vにはならないオフセット電圧を含んで
いる。その為、互いに制御電流Icが逆向きのときの出
力値VHp,VHmを求めて、その差を2で割ることに
より、補正後の検出値VHc=KH・Ic・Bcosθ
を求め、検出値VHc(補正済検出信号;実際には増
幅信号)を出力する。また、検出値VHcを電力値に換
算して表示することも出来る。その他の構成及び動作
は、上述した電流検出装置(図5)の構成及び動作と同
様であるので、説明を省略する。
【0065】図6は、電流増幅回路の構成を示す回路図
である。この電流増幅回路は、オペアンプIC14(演
算増幅器)が、出力端子及び反転入力端子が接続されて
直接負帰還がかけられ、その出力端子に抵抗R37(第
1抵抗の)一端が接続され、その非反転入力端子に抵抗
R38(第2抵抗)の一端が接続されている。入力電流
Iinは、オペアンプIC14の非反転入力端子に与えら
れ、出力電流Iout は、抵抗R37及び抵抗R38の各
他端の共通接続節点から出力される。
【0066】以下に、このような構成の電流増幅回路の
動作を説明する。入力電流Iinが増加したとき、抵抗R
38に流れる電流が増加し、オペアンプIC14の非反
転入力端子の電圧が上昇する。非反転入力端子の電圧
が、反転入力端子の電圧より高くなると、オペアンプI
C14の出力電圧が上昇する。オペアンプIC14の出
力電圧は、直接反転入力端子に帰還されている為、オペ
アンプIC14の出力電圧の上昇により、反転入力端子
の電圧も上昇し、やがて(実際には瞬時に)、非反転入
力端子の電圧と一致する(バーチャル・ショート)。こ
のとき、抵抗R37に流れる電流も増加し、その結果、
出力電流Iout も増加する。
【0067】バーチャル・ショートの状態のとき、抵抗
R37に流れる電流I3とすると、 Iin・R38=I3・R37 (7) Iin+I3=Iout (8) (7)(8)式からI3を消去して、 Iin・R38=(Iout −Iin)・R37 よって、電流増幅率は、Iout /Iin=(R37+R3
8)/R37となる。
【0068】(付記1)負荷に印加された電圧を検出す
る電圧検出回路と、該電圧検出回路が検出した電圧に応
じた電流を出力する電流変換回路と、該電流変換回路が
出力した電流を増幅する電流増幅回路と、該電流増幅回
路が増幅し出力した電流を制御電流とし、前記負荷に流
れる電流による磁束を受けてホール電圧を出力するホー
ル素子とを備え、該ホール素子が出力したホール電圧
を、前記負荷への供給電力値として出力すべくなしてあ
ることを特徴とする電力検出装置。
【0069】この電力検出装置では、電圧検出回路が、
負荷に印加された電圧を検出し、電流変換回路が、電圧
検出回路が検出した電圧に応じた電流を出力し、付記1
に記載された電流増幅回路が、電流変換回路が出力した
電流を増幅する。ホール素子は、電流増幅回路が増幅し
出力した電流を制御電流とし、負荷に流れる電流による
磁束を受けてホール電圧を出力する。そして、ホール素
子が出力したホール電圧を、負荷への供給電力値として
出力する。これにより、部品コストを低減できる電流増
幅回路を備えた電力検出装置を実現することが出来る。
【0070】(付記2)ホール素子に電流を流している
状態で、磁界を与えたときに検出されるホール電圧に含
まれるオフセット電圧を補正するホール素子のオフセッ
ト電圧補正方法であって、前記電流を流す方向を所定時
間毎に切り換え、切り換えた電流の各方向における前記
ホール電圧を検出し、検出した各方向におけるホール電
圧の差を演算することにより、前記オフセット電圧を相
殺し、演算した前記差の1/2を検出すべき電圧値とし
て、前記オフセット電圧を補正することを特徴とするホ
ール素子のオフセット電圧補正方法。
【0071】(付記3)第1電流をホール素子に流し、
第2電流による磁界を該ホール素子に与えたときに検出
されるホール電圧に基づき、前記第2電流を検出する電
流検出装置において、前記第1電流を流す方向を所定時
間毎に切り換える切換回路と、該切換回路が切り換えた
第1電流の各方向における前記ホール電圧を検出する手
段と、該手段が検出した第1電流の各方向におけるホー
ル電圧の差を演算する手段とを備え、該手段が演算した
差に基づき、前記第2電流を検出すべくなしてあること
を特徴とする電流検出装置。
【0072】付記2に係るホール素子のオフセット電圧
補正方法及び付記3に係る電流検出装置では、第1電流
をホール素子に流し、第2電流による磁界を該ホール素
子に与えたときに検出されるホール電圧に基づき、第2
電流を検出する。切換回路が、第1電流を流す方向を所
定時間毎に切り換え、検出する手段が、切換回路が切り
換えた第1電流の各方向におけるホール電圧を検出す
る。演算する手段は、検出する手段が検出した第1電流
の各方向におけるホール電圧の差を演算し、演算する手
段が演算した差に基づき、第2電流を検出する。これに
より、手動によらず自動的に実行できるホール素子のオ
フセット電圧補正方法、及びホール素子のオフセット電
圧補正を自動的に実行できる電流検出装置を実現するこ
とが出来る。
【0073】(付記4)負荷に印加された電圧に応じて
変換された第1電流をホール素子に流し、前記負荷に流
れる第2電流による磁界を前記ホール素子に与えたとき
に検出されるホール電圧に基づき、前記負荷に供給され
た電力を検出する電力検出装置において、前記第1電流
を流す方向を所定時間毎に切り換える切換回路と、該切
換回路が切り換えた第1電流の各方向における前記ホー
ル電圧を検出する手段と、該手段が検出した第1電流の
各方向におけるホール電圧の差を演算する手段とを備
え、該手段が演算した差に基づき、前記負荷に供給され
た電力を検出すべくなしてあることを特徴とする電力検
出装置。
【0074】付記4に係る電力検出装置では、負荷に印
加された電圧に応じて変換された第1電流をホール素子
に流し、負荷に流れる第2電流による磁界をホール素子
に与えたときに検出されるホール電圧に基づき、負荷に
供給された電力を検出する。切換回路が、第1電流を流
す方向を所定時間毎に切り換え、検出する手段が、切換
回路が切り換えた第1電流の各方向におけるホール電圧
を検出する。演算する手段は、検出する手段が検出した
第1電流の各方向におけるホール電圧の差を演算し、演
算する手段が演算した差に基づき、負荷に供給された電
力を検出する。これにより、ホール素子のオフセット電
圧補正を自動的に実行できる電力検出装置を実現するこ
とが出来る。
【0075】
【発明の効果】第1発明に係る電力検出装置によれば、
部品コストを低減できる電流増幅回路を備え、ホール素
子を利用した電力検出装置を実現することが出来る。
【0076】第2発明に係る電力検出装置によれば、ホ
ール素子のオフセット電圧補正を自動的に実行できる電
力検出装置を実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電力検出装置の実施の形態の構成
を示す回路図である。
【図2】本発明に係る電力検出装置の実施の形態の構成
を示す回路図である。
【図3】本発明に係る電力検出装置の実施の形態の構成
を示す回路図である。
【図4】情報処理部の動作を示すフローチャートであ
る。
【図5】ホール素子のオフセット電圧補正方法及び電流
検出装置の構成を示す回路図である。
【図6】電流増幅回路の構成を示す回路図である。
【図7】従来の電流検出装置又は電力検出装置の構成例
を示す回路図である。
【図8】従来の電力検出装置の構成例を示す回路図であ
る。
【符号の説明】
11 情報処理部(検出する手段、演算する手段) 12 制御電流切換回路(切換回路) 13 電流増幅回路 14 電流増幅切換回路(切換回路) 15 アナログスイッチ B 磁束 H1 ホール素子 IC14,IC16,IC17 オペアンプ(演算増幅
器) IC15 オペアンプ(演算増幅器、電流変換回路) Iin 入力電流 Iout 出力電流(制御電流) PC1〜PC4 フォトカプラ(電圧検出回路) R34〜R36 抵抗 R37 抵抗(第1抵抗) R38 抵抗(第2抵抗) VH ホール電圧

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負荷に印加された電圧を検出する電圧検
    出回路と、 該電圧検出回路が検出した電圧に応じた電流を出力する
    電流変換回路と、 出力端子及び反転入力端子が接続された演算増幅器と、
    前記出力端子に一端が接続された第1抵抗と、前記演算
    増幅器の非反転入力端子に一端が接続された第2抵抗と
    を有し、前記電流変換回路が出力し、前記非反転入力端
    子に与えられた電流を増幅し、その増幅した電流を前記
    第1抵抗及び第2抵抗の各他端の共通接続節点から出力
    する電流増幅回路と、 該電流増幅回路が増幅し出力した電流を制御電流とし、
    前記負荷に流れる電流による磁束を受けてホール電圧を
    出力するホール素子とを備え、 該ホール素子が出力したホール電圧を、前記負荷への供
    給電力値として出力すべくなしてあることを特徴とする
    電力検出装置。
  2. 【請求項2】 前記制御電流を流す方向を所定時間毎に
    切り換える切換回路と、該切換回路が切り換えた制御電
    流の各方向における前記ホール電圧を検出する手段と、
    該手段が検出した制御電流の各方向におけるホール電圧
    の差を演算する手段とを更に備え、該手段が演算した差
    に基づき、前記負荷への供給電力値を検出すべくなして
    ある請求項1記載の電力検出装置。
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