JP2001220620A - インペラーによる溶融金属の攪拌方法 - Google Patents
インペラーによる溶融金属の攪拌方法Info
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Abstract
し、しかも溶融金属と添加剤との反応効率を損なわない
インペラーを用いた攪拌方法を提供する。 【解決手段】 インペラーの浸漬深さ、回転直径および
回転数が適正な範囲を維持しながらインペラーを回転す
る。
Description
法に関し、特に高温の溶銑や溶鋼等の溶融金属中にイン
ペラーを浸漬して回転させ、添加剤と溶融金属とを効率
良く攪拌、混合する方法に関する。
下、インペラーという)を溶融金属に浸漬して溶融金属
中で回転させ、溶融金属を攪拌する方法が知られてい
る。たとえば溶銑鍋に収納した溶銑に脱硫剤を添加し、
インペラーを用いて攪拌して脱硫処理を行なう等の方法
が行なわれている。
よる溶銑の脱硫方法が開示されている。この方法は、溶
銑鍋の溶銑浴面の中央部を小型インペラーによって局部
的に高速回転攪拌し、溶銑浴面の中央部に局部的渦流を
生ぜしめ、溶銑表面に浮上している脱硫剤を渦流に巻込
ませることにより、脱硫を進行させようとするものであ
る。しかしこの方法は、インペラーを用いて溶銑浴面を
高速回転攪拌するため、溶銑の飛散が増加し、かつイン
ペラーを構成する耐火物の溶損速度も増大するという問
題があった。
問題を解消し、溶融金属と添加剤との反応効率を損なわ
ず、しかも溶融金属の飛散およびインペラー耐火物の溶
損を抑制する攪拌方法を提供することを目的とする。
ンペラーを浸漬して回転させる溶融金属の攪拌方法にお
いて、溶融金属の浴面からインペラーの上端までの浸漬
深さh(m)、インペラーの回転直径d(m)および回
転数N(回/分)が下記の (1)式の関係を満足する溶融
金属の攪拌方法である。
さ(m) d:インペラーの回転直径(m) N:インペラーの回転数(回/分) 前記した発明においては、好適態様として、溶融金属が
溶銑または溶鋼であることが好ましい。
融金属4中にインペラー2を浸漬して、静止させた状態
の例を示す断面図である。インペラー2はインペラー回
転軸3の下端部に配設されている。溶融金属4の浴面か
らインペラー2の上端までの浸漬深さをh(m)とし、
インペラー回転軸3が回転することによって形成される
インペラー2の回転体の直径すなわちインペラー回転軸
3の中心からインペラー2の翼端までの距離の2倍(以
下、回転直径という)をd(m)とする。
転させた状態の例を示す断面図である。溶融金属4に脱
硫剤等の粉粒状の添加剤を投入した場合、特に溶銑や溶
鋼等の溶融鉄合金(比重7程度)にソーダ灰や石灰等の
フラックス(比重2程度)を添加する場合のように、比
重が2倍以上も相違する物質を混合する場合に、浴面上
に浮遊した添加剤を効率良く溶融金属4に混合するため
に、インペラー2を回転させて渦を発生し、浴面に窪み
を生じさせる。添加剤は浴面の窪みに巻き込まれ、さら
に添加剤が窪み直下で回転しているインペラー2に到達
すると、インペラー2の回転によって添加剤は溶融金属
4中へ弾き出されるように分散する。
中へ弾き出すためには、インペラー2の回転数を高める
必要がある。しかし、発明者らは添加剤が溶融金属4中
へ弾き出される状態になれば、それ以上インペラー2の
回転数を高めても溶融金属4と添加剤との混合の度合い
は変化しないことを見出した。したがってインペラー2
を回転させて溶融金属4を攪拌する際に、溶融金属4と
添加剤とを混合し、溶融金属4と添加剤との反応を進行
させるための最小限の回転数に抑えることによって、溶
融金属4の飛散を抑制し、かつインペラー2の耐火物の
溶損を抑制することが可能であると考えた。
金属4中へ弾き出され、溶融金属4と添加剤との反応が
進行する状態となる回転数N(回/分)の範囲を求める
ために、溶融金属4の浴面からインペラー2の上端まで
の浸漬深さh(m),インペラー2の回転直径d(m)
およびインペラー2の回転数N(回/分)を種々の条件
にして溶融金属4の攪拌を行ない、溶融金属4と添加剤
との混合の度合い,溶融金属4の飛散量,インペラー2
の耐火物の寿命を調査した。
混合して反応を進行させ、かつ溶融金属4の飛散やイン
ペラー2の耐火物の溶損を抑制するためのインペラー2
の回転数Nの範囲として、下記の (1)式の関係が得られ
た。 163.3 ×h1/2 /d≦N≦ 200×h1/2 /d ・・ (1) h:溶融金属の浴面からインペラーの上端までの浸漬深
さ(m) d:インペラーの回転直径(m) N:インペラーの回転数(回/分) すなわち、インペラー2の回転数Nが 163.3×h1/2 /
dで算出される値未満の場合は、溶融金属4と添加物と
は十分に混合されず、反応が進行しない。インペラー2
の回転数Nが 200×h1/2 /dで算出される値を超える
場合は、溶融金属4の飛散量が増大し、かつインペラー
2の耐火物の寿命が短くなる。したがってインペラー2
の回転数Nは、 (1)式から算出される範囲を満足する必
要がある。
する石灰系脱硫剤を添加した。脱硫剤の添加量は、溶銑
1tあたり 7.5kgであった。そして図1に示すような、
4枚のインペラー2が十文字形状になるようにインペラ
ー回転軸3の下端部に配設された攪拌装置を用いて、溶
銑を攪拌した。攪拌時間は15分であった。
の上端までの浸漬深さh(m),インペラー2の回転直
径d(m)およびインペラー2の回転数N(回/分)を
変化させて、脱硫率(%),溶銑飛散量(kg),インペ
ラー2の耐火物の寿命(回)を調査した。その結果を表
1に示す。なお脱硫率(%)は下記の (2)式で算出さ
れ、溶銑飛散量(kg)は下記の (3)式で算出される。
使用できなくなるまでに溶銑の攪拌で使用した回数であ
る。
インペラー2の上端までの浸漬深さh(m),インペラ
ー2の回転直径d(m)およびインペラー2の回転数N
(回/分)が (1)式の関係を満足する例である。すなわ
ち発明例1では、d=1.3 m,h=0.8 mであり、 (1)
式から算出されるN(回/分)の範囲 112.4≦N≦137.
6 を満足する回転数N=125 (回/分)で攪拌した。発
明例2では、d=1.0m,h=0.5 mであり、 (1)式か
ら算出されるN(回/分)の範囲 115.5≦N≦141.4 を
満足する回転数N=125 (回/分)で攪拌した。
びN(回/分)が (1)式の関係を満足しない例である。
たとえば比較例1では、d=1.3 m,h=0.8 mである
から、 (1)式から算出されるN(回/分)の範囲は 11
2.4≦N≦137.6 となるのに対して、回転数N=150
(回/分)で攪拌した。すなわち比較例1は、溶銑を攪
拌するときのインペラー2の回転数Nが、 (1)式から算
出される範囲の上限より大きい例である。
mであるから、 (1)式から算出されるN(回/分)の範
囲は 137.6≦N≦168.5 となるのに対して、回転数N=
125(回/分)で攪拌した。比較例3では、d=1.3
m,h=0.8 mであるから、 (1)式から算出されるN
(回/分)の範囲は 112.4≦N≦137.6 となるのに対し
て、回転数N=100 (回/分)で攪拌した。比較例4で
は、d=1.0 m,h=0.8mであるから、 (1)式から算
出されるN(回/分)の範囲は 146.1≦N≦178.9とな
るのに対して、回転数N=125 (回/分)で攪拌した。
すなわち比較例2〜4は、溶銑を攪拌するときのインペ
ラー2の回転数Nが、 (1)式から算出される範囲の下限
より小さい例である。
例1は (1)式の関係を満足する範囲で攪拌したので、脱
硫率は90%と高くなり、しかも溶銑飛散量は 100kgと低
く抑えられている。またインペラー2の耐火物の寿命は
50回と長く、耐火物の溶損も低く抑えられている。一
方、比較例1は、dおよびhは発明例1と同じである
が、Nは (1)式から算出される範囲の上限より大きい。
Nを過大に設定しても脱硫反応は促進されず、脱硫率は
発明例1と同等である。しかしNが過大であるために、
溶銑飛散量が増大し、インペラー2の耐火物の寿命が短
くなっている。
であるが、hは発明例1より大きい。つまり比較例2で
はインペラー2が溶銑中に深く浸漬されており、Nは
(1)式から算出される範囲の下限より小さい。そのた
め、溶銑飛散量およびインペラー2の寿命は発明例1と
同等であるが、脱硫率は発明例1より低下している。比
較例3は、dおよびhは発明例1と同じであるが、Nは
発明例1より小さい。つまり比較例3ではインペラー2
の回転数が少なく設定されており、Nは (1)式から算出
される範囲の下限より小さい。そのため、溶銑飛散量お
よびインペラー2の寿命は発明例1と同等であるが、脱
硫率は発明例1より低下している。
は (1)式の関係を満足する範囲で攪拌したので、脱硫率
は90%と高くなり、しかも溶銑飛散量は 100kgと低く抑
えられている。またインペラー2の耐火物の寿命は50回
と長く、耐火物の溶損も低く抑えられている。一方、比
較例4は、dおよびNは発明例1と同じであるが、hは
発明例2より大きい。つまり比較例4ではインペラー2
が溶銑中に深く浸漬されており、Nは (1)式から算出さ
れる範囲の下限より小さい。そのため、溶銑飛散量およ
びインペラー2の寿命は発明例1と同等であるが、脱硫
率は発明例2より低下している。
4と比べて、溶銑の飛散およびインペラー2の耐火物の
溶損を抑制し、しかも脱硫反応を促進することができ
る。なお、ここでは4枚の長方形のインペラー2が十文
字形状にインペラー回転軸3の下端部に配設された攪拌
装置を用いる例について説明したが、本発明において
は、インペラー2の数や形状は特定の構成に限定しな
い。たとえば半円形のインペラー2を3枚配設した攪拌
装置、あるいは門型の攪拌装置を用いても、同様の効果
が得られる。
効率を損なわず、しかも溶融金属の飛散およびインペラ
ー耐火物の溶損の抑制が達成できる。
態の例を示す断面図である。
を示す断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 溶融金属にインペラーを浸漬して回転さ
せる溶融金属の攪拌方法において、前記溶融金属の浴面
から前記インペラーの上端までの浸漬深さh(m)、前
記インペラーの回転直径d(m)および回転数N(回/
分)が下記の関係を満足することを特徴とする溶融金属
の攪拌方法。 163.3 ×h1/2 /d≦N≦ 200×h1/2 /d h:溶融金属の浴面からインペラーの上端までの浸漬深
さ(m) d:インペラーの回転直径(m) N:インペラーの回転数(回/分) - 【請求項2】 前記溶融金属が溶銑または溶鋼であるこ
とを特徴とする請求項1に記載の溶融金属の攪拌方法。
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