JP2001219868A - 後輪操舵装置 - Google Patents

後輪操舵装置

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JP2001219868A
JP2001219868A JP2000034924A JP2000034924A JP2001219868A JP 2001219868 A JP2001219868 A JP 2001219868A JP 2000034924 A JP2000034924 A JP 2000034924A JP 2000034924 A JP2000034924 A JP 2000034924A JP 2001219868 A JP2001219868 A JP 2001219868A
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    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
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    • B62D7/00Steering linkage; Stub axles or their mountings
    • B62D7/06Steering linkage; Stub axles or their mountings for individually-pivoted wheels, e.g. on king-pins
    • B62D7/14Steering linkage; Stub axles or their mountings for individually-pivoted wheels, e.g. on king-pins the pivotal axes being situated in more than one plane transverse to the longitudinal centre line of the vehicle, e.g. all-wheel steering
    • B62D7/148Steering linkage; Stub axles or their mountings for individually-pivoted wheels, e.g. on king-pins the pivotal axes being situated in more than one plane transverse to the longitudinal centre line of the vehicle, e.g. all-wheel steering provided with safety devices

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  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御手段が故障した場合でも後輪を直進方向
に戻すことができる後輪操舵装置を提供することを課題
とする。 【解決手段】 互いに逆ねじとなる一対のねじ部を有す
るねじ部材と、一対のねじ部に各々螺合し、逆ねじ作用
により接離する一対のスライド部材と、一対の後輪を転
舵させる操舵軸とを備え、電動機によってねじ部材を回
転させ、一方のスライド部材と連結した操舵軸を一方の
後輪側に移動させて後輪を操舵する後輪操舵装置であっ
て、電動機を制御する制御手段40,50と、制御手段
40,50からの信号に基づいて、4個のスイッチング
素子で構成したブリッジ回路によって電動機を正転駆動
または逆転駆動する電動機駆動手段とを備える後輪操舵
装置において、制御手段40,50とは別に構成され、
制御手段40,50の故障時に、一対のスライド部材を
接近させる方向に電動機を駆動するスイッチング素子に
所定時間通電する故障時対応回路70を備えることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の前輪の操舵
に伴って、後輪を操舵する後輪操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の前輪の操舵に対応させて後輪を操
舵する後輪操舵装置を備える4輪操舵システムが知られ
ている。後輪操舵装置には、高速時安定性を向上させる
ために後輪を前輪と同じ方向に操舵する同位相操舵また
は/および小回り性を向上させるために後輪を前輪とは
逆方向に操舵する逆位相操舵を行うものがある。
【0003】一般に、後輪操舵装置は、操舵軸にリンク
機構を介して一対の後輪を連結し、この操舵軸を一方の
後輪側に移動させて後輪を操舵する。後輪操舵装置に
は、この操舵軸を左右軸方向に移動させるために、例え
ば、操舵軸にねじ部材を並行して配設し、このねじ部材
上で一対のスライド部材を往復移動させる方式がある。
この方式では、クラッチ機構を介して一対のスライド部
材の一方を操舵軸に連結し、スライド部材の往復移動に
よって操舵軸を連結したスライド部材側に移動させる。
そして、操舵軸を左右軸方向に移動させることによっ
て、後輪の向きを左方向または右方向に転舵させる。な
お、後輪操舵装置は、前輪の操舵情報に対応して後輪の
目標舵角や転舵方向を設定するとともに、後輪が転舵方
向に目標舵角分転舵するように制御する制御手段を備え
る。さらに、このような後輪操舵装置は、一般に、舵角
センサの故障等のシステム異常時に自動的に後輪を直進
方向に戻すフェイルセーフシステムが組み込まれてい
る。したがって、後輪操舵装置のシステムに異常がある
と、4輪操舵システムを搭載した車両は、自動的に前輪
操舵のみの2輪操舵となる。
【0004】例えば、本出願人による特願平10−18
2090号には電動式舵角制御装置の発明に係る電動式
後輪転舵装置が記載されている。この電動式後輪転舵装
置は、前記したスライド部材を往復移動させるために、
前記したねじ部材(回転軸)に軸方向中央から互いに逆
ねじとなる一対のねじ部が形成され、このねじ部に前記
した一対のスライド部材(スライドブロック)が各々螺
合する。そして、電動式後輪転舵装置は、このねじ部材
を電動モータで正転駆動または逆転駆動し、逆ねじ作用
によって一対のスライド部材を接近させたりまたは離間
させたりする。さらに、この電動式後輪転舵装置は、こ
の電動モータに電流を供給するために、通常時用モータ
駆動回路と異常時用モータ駆動回路を備える。そして、
電動式後輪転舵装置は、通常、電子制御ユニットからの
信号に基づいて、通常時用モータ駆動回路から電動モー
タに電流を供給する。また、電動式後輪転舵装置は、フ
ェイルセーフシステムとして、異常時検出回路によって
通常時用モータ駆動回路異常等のシステム異常を検出す
ると、異常時用モータ駆動回路から電動モータに電流を
供給し、スライド部材を接近させて中立位置に戻す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この電
動式後輪転舵装置は、電子制御ユニットや異常時検出回
路等からなる制御手段自体が故障した場合、後輪を中立
位置に戻すことがきない。つまり、電動式後輪転舵装置
は、異常時検出回路が故障している場合、システム異常
が発生しても通常時用モータ駆動回路から異常時用モー
タ駆動回路に切り換えることができない。そのため、こ
の電動式後輪転舵装置は、システム異常が発生していて
も電子制御ユニットからの信号に基づいて通常時用モー
タ駆動回路から電動モータに電流を供給し、後輪を転舵
させる。
【0006】そこで、本発明の課題は、制御手段が故障
した場合でも後輪を直進方向に戻すことができる後輪操
舵装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決した本発
明に係る後輪操舵装置は、電動機と、互いに逆ねじとな
る一対のねじ部を有するねじ部材と、前記一対のねじ部
に各々螺合し、逆ねじ作用により接離する一対のスライ
ド部材と、一対の後輪を転舵させる操舵軸とを備え、前
記電動機によって前記ねじ部材を回転させ、一方の前記
スライド部材と連結した前記操舵軸を一方の後輪側に移
動させて後輪を操舵する後輪操舵装置であって、前記電
動機を制御する制御手段と、前記制御手段からの信号に
基づいて、4個のスイッチング素子で構成したブリッジ
回路によって前記電動機を正転駆動または逆転駆動する
電動機駆動手段とを備える後輪操舵装置において、前記
制御手段とは別に構成され、前記制御手段の故障時に、
前記一対のスライド部材を接近させる方向に前記電動機
を駆動するスイッチング素子に所定時間通電する故障時
対応回路を備えることを特徴とする。この後輪操舵装置
によれば、制御手段が故障した場合に、故障時対応回路
によってスイッチング素子に所定時間通電し、電動機を
所定時間回転駆動する。そして、後輪操舵装置は、この
電動機の回転によってスライド部材を接近させる方向に
ねじ部材が回転する。その結果、後輪操舵装置は、この
所定時間の間にスライド部材が中立位置に戻ると共に操
舵軸も中立位置に戻り、後輪を直進方向に戻す。
【0008】なお、所定時間は、操舵軸が最大量移動し
ている場合でも、一対のスライド部材を接近させる方向
に電動機を駆動することによって、操舵軸を中立位置に
戻すことができる十分な時間とする。ちなみに、本実施
の形態では、所定時間を10秒に設定する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
係る後輪操舵装置の実施の形態を説明する。
【0010】本発明に係る後輪操舵装置は、この装置の
制御手段が故障した場合に、スライド部材および操舵軸
を中立位置に戻し、後輪を直進方向に戻すことができ
る。この後輪操舵装置は、前輪操舵に伴って後輪を転舵
させる4輪操舵システムを搭載する車両に組み込まれ、
高速安定性または/および小回り性を向上させる。な
お、車両としては、土木工事用の大型車両から普通乗用
車まで様々な車両を対象とする。
【0011】本実施の形態に係る後輪操舵装置は、制御
手段としてメインCPU[Central Proce
ssing Unit]とサブCPUの2個のCPUを
備える。さらに、この後輪操舵装置は、2個のCPUの
少なくとも1個が故障した場合に後輪を直進方向に戻す
ために、故障時対応回路を備える。本実施の形態では、
後輪操舵装置を一般的な4輪自動車に搭載し、前輪操舵
装置と共に4輪操舵システムを構成する。なお、本実施
の形態では、「前」は自動車の進行方向であり、「後」
は自動車の後退方向である。また、「左右方向」は自動
車の幅方向であり、「左」は自動車の進行方向の左側で
あり、「右」は自動車の進行方向の右側である。
【0012】まず、図1を参照して、本実施の形態に係
る後輪操舵装置1の全体構成について説明する。後輪操
舵装置1は、主として、後輪操舵機構2、電子制御装置
3、電動モータ4から構成される。なお、本実施の形態
では、電動モータ4が、特許請求の範囲に記載の電動機
に相当する。
【0013】後輪操舵機構2は、一対の後輪WL,WR
を転舵させる後輪操舵装置1のメカニカルな部分であ
り、電子制御装置3により制御され、電動モータ4によ
って回転駆動力が加えられる。後輪操舵機構2は、精密
センサによる制御によらないで、中立位置(すなわち、
後輪WL,WRの直進方向)を機構的に位置決めできる
機構として構成される。そのために、後輪操舵機構2
は、電動モータ4の回転駆動力を直線駆動力に変換する
直線駆動機構10、転舵方向を選択するクラッチ機構2
0および後輪WL,WRを転舵させるために左右に従動
する操舵シャフト30からなる。
【0014】後輪操舵機構2は、クラッチ機構20を点
対称な作動原理を採る2個の機能ブロックに分け、さら
に三重の同軸シリンダ構造のねじ式延縮機構である。つ
まり、後輪操舵機構2の直線駆動機構10は、電動モー
タ4に回転駆動される1個の外部回転筒11内で、一対
の中間部スライド筒12,13を左右方向(操舵シャフ
ト30の軸方向)に延縮させる。ちなみに、後輪WL,
WRを転舵させる場合には中間部スライド筒12,13
を外部回転筒11の左右外方に延び出して離間させ、後
輪WL,WRを直進方向に戻す場合には中間部スライド
筒12,13を外部回転筒11の内方に引き込み中立位
置で停止させる。さらに、後輪操舵機構2は、中間部ス
ライド筒12,13内にクラッチ機構20の左右の機能
ブロック20L,20R(図2参照)を各々配設し、ク
ラッチ機構20によって中間部スライド筒12,13の
いずれか一方を操舵シャフト30に連結させる。そし
て、後輪操舵機構2は、操舵シャフト30を右方向に移
動させて後輪WL,WRを左方向に転舵させ、あるいは
操舵シャフト30を左方向に移動させて後輪WL,WR
を右方向に転舵させる。なお、後輪操舵機構2は、図示
しないタイロッドおよびナックルアームを含む左右のリ
ンク機構31,32を介して操舵シャフト30の両端部
が後輪WL,WRに各々連結する。なお、本実施の形態
では、外部回転筒11が特許請求の範囲に記載のねじ部
材に相当し、中間部スライド筒12,13が特許請求の
範囲に記載のスライド部材に相当し、操舵シャフト30
が特許請求の範囲に記載の操舵軸に相当する。また、本
実施の形態では、「外」は自動車Aの幅方向の外側であ
り、「内」は自動車Aの幅方向の中央側である。
【0015】電子制御装置3は、前輪操舵装置FSから
の前輪操舵情報SFや車速センサSPSからの車速信号
Vに基づいて、後輪WL,WRの目標舵角と転舵方向を
設定する。さらに、電子制御装置3は、設定した目標舵
角と転舵方向に応じて、後輪操舵機構2の左右の電磁ア
クチュエータ21,22を作動するためのソレノイド電
流ISおよび電動モータ4を回転駆動するための電動機
電圧VMを出力し、電磁アクチュエータ21,22およ
び電動モータ4を制御する。
【0016】電動モータ4は、減速機構4aを介して、
外部回転筒11を正回転または逆回転させる。ちなみ
に、外部回転筒11が正回転されると一対の中間部スラ
イド筒12,13が離間し、外部回転筒11が逆回転さ
れると一対の中間部スライド筒12,13が接近する。
電動モータ4は、直流モータであり、電動機電圧VMが
印加されると電動機電流IMが流れ、正転駆動または逆
転駆動する。なお、電動モータは、励磁方法の種類によ
って異なる駆動回路を用いれば、その他の異なる電動モ
ータを用いてもよい。
【0017】次に、図2乃至図6を参照して、後輪操舵
機構2について詳細に説明する。後輪操舵機構2は、直
線駆動機構10により電動モータ4の回転駆動力を直線
駆動力に変換する。そして、後輪操舵機構2は、クラッ
チ機構20の左機能ブロック20Lまたは右機能ブロッ
ク20Rのいずれか一方で直線駆動機構10と駆動シャ
フト30を連結し、直線駆動機構10の直線駆動力で操
舵シャフト30を従動する。なお、後輪操舵機構2は、
左機能ブロック20Lで連結した場合には操舵シャフト
30が左方向に移動し、後輪WL,WRを右方向に転舵
させる。他方、後輪操舵機構2は、右機能ブロック20
Rで連結した場合には操舵シャフト30が右方向に移動
し、後輪WL,WRを左方向に転舵させる。また、後輪
操舵機構2は、機構上の中立位置に戻すことによって、
後輪WL,WRを直進方向に戻す。
【0018】まず、図2を参照して、直線駆動機構10
について説明する。直線駆動機構10は、主として、外
部回転筒11と左右の中間部スライド筒12,13から
なる。
【0019】外部回転筒11は、外周面に、減速機構4
aの最終歯車4b(図4参照)に噛合する外歯歯車11
aが形成される。そして、外部回転筒11は、電動モー
タ4の駆動歯車からの回転駆動力が減速機構4aを介し
て外歯歯車11aに伝達され、回転する。なお、外部回
転筒11は、ケーシング(図示せず)内に回転自在に支
持される。
【0020】さらに、外部回転筒11は、内周面に、中
央部から左右に振り分けて互いに逆ねじとなる左ねじ部
11bと右ねじ部11cが螺刻される。そして、外部回
転筒11は、左右両側から一対の中間部スライド筒1
2,13が螺入される。なお、外部回転筒11と中間部
スライド筒12,13は、同軸となる。
【0021】中間部スライド筒12,13は、各外周面
の内端部から中央部に、左ねじ部11bまたは右ねじ部
11cに各々螺合するねじ部12a,13aが螺刻され
る。さらに、中間部スライド筒12,13は、各外周面
の外端部に摺動案内用の突起12b,13bが各々形成
されるとともに、各内周面の内端側に移動突起12c,
13cが操舵シャフト30に向けて各々形成される。こ
の突起12b,13bをケーシングに設けられた軸方向
の溝(図示せず)に係合させることによって、中間部ス
ライド筒12,13がケーシングに対して回転不能に支
持される。
【0022】そのため、外部回転筒11がケーシングに
対して回転すると、中間部スライド筒12,13は、外
部回転筒11に螺合するため、ケーシングに対して左右
軸方向に移動する。したがって、電動モータ4が正転駆
動すると、逆ねじ作用によって、中間部スライド筒1
2,13が外部回転筒11から左右外方に延び出して離
間する。なお、左右外方に延び出した場合、突起12
b,13bがケーシングの左右端部の各ストッパ(図示
せず)に各々当接し、中間部スライド筒12,13は最
外延出位置で停止する。ちなみに、中間部スライド筒1
2,13が最外延出位置を越えて延び出さないように、
ケーシング内での各部の取付位置および取付方向が予め
調節されている。他方、電動モータ4が逆転駆動する
と、逆ねじ作用によって、中間部スライド筒12,13
が外部回転筒11の内方に引き込まれ、機構上の中立位
置に戻る。
【0023】なお、中間部スライド筒12,13の一方
に、駆動ストロークセンサ14が設けられる(図1およ
び図4)。なお、本実施の形態では、左中間部スライド
筒12の突起12bの延出方向に、駆動ストロークセン
サ14が設けられる。駆動ストロークセンサ14は、両
中間部スライド筒12,13の軸方向の移動距離L2を
検出する。
【0024】次に、図2および図3を参照して、クラッ
チ機構20について説明する。クラッチ機構20は、左
右機能ブロック20L,20Rを有し、中間部スライド
筒12,13に各々配設される。なお、左機能ブロック
20Lと右機能ブロック20Rは点対称で同一構成を有
するので、図3に示す左機能ブロック20Lの構成を代
表して説明する。
【0025】左機能ブロック20Lは、左電磁アクチュ
エータ21、左内部クラッチ筒23、左バネ機構25、
案内用貫通溝26aおよび案内用溝26bからなる。
【0026】左電磁アクチュエータ21は、ソレノイド
を内蔵し、左内部クラッチ筒23の外周部に配置され
る。左電磁アクチュエータ21は、ソレノイドに通電さ
れると可動ピン21aを突き出すアクチュエータであ
る。なお、電磁アクチュエータは、機構部での取付位置
や取付方向によって、回動作動に伴い可動ピンを揺動さ
せるものであってもよい。
【0027】左内部クラッチ筒23は、左中間部スライ
ド筒12に内接し、左中間部スライド筒12と同軸に摺
動回転する。左内部クラッチ筒23は、外周面の外端側
に、アーム状のクラッチレバー23aが突設される。ク
ラッチレバー23aは、左中間部スライド筒12に形成
された案内用貫通溝26aに突き出し、案内用貫通溝2
6aに沿って移動可能である。なお、案内用貫通溝26
aは、左中間部スライド筒12の外端部からL字状に内
周面から外周面に貫通して削設される。また、ケーシン
グにも同様に、案内用溝26bが形成される。そして、
左内部クラッチ筒23は、クラッチレバー23aが左バ
ネ機構25に付勢され、軸端部から見て反時計回り方向
に回転付勢される。なお、左バネ機構25は、例えば、
ねじりバネ等のバネである。
【0028】そのため、左機能ブロック20Lは、中間
部スライド筒12,13が中立位置の時に左電磁アクチ
ュエータ21に通電されると、可動ピン21aの先端部
が押し出され、左バネ機構25による回転付勢に抗して
クラッチレバー23aが案内用貫通溝26aおよび案内
用溝26bに沿って押し下げられる。すると、左機能ブ
ロック20Lは、クラッチレバー23aが案内用貫通溝
26aおよび案内用溝26bに導かれて、左内部クラッ
チ筒23が左中間部スライド筒12内で一定角度回転
(軸端部から見て時計回り方向に回転)する。つまり、
左内部クラッチ筒23は、クラッチレバー23aが案内
用貫通溝26aおよび案内用溝26bによって案内可能
な中間部スライド筒12,13が中立位置の時だけ回転
可能である。
【0029】さらに、左内部クラッチ筒23は、内周面
の外端部に、複数の内歯歯車状のクラッチ歯23c,・
・・23cが突設される。なお、クラッチ歯23c,・
・・23cは、所定ピッチで形成される。そして、操舵
シャフト30の外周面に、クラッチ歯23cと同数の外
歯歯車状の係合歯30a,・・・30aが突設される。
係合歯30a,・・・30aは、各クラッチ歯23c,
・・・23cに対向する位置に同様のピッチで形成され
る。そのため、クラッチ歯23cと係合歯30aは、各
係合歯30aと各クラッチ歯23cをスプライン結合さ
せると、各係合歯30aを各クラッチ歯23c,23c
間に形成される谷溝23e内に滑り込ませることができ
る配置である。したがって、左電磁アクチュエータ21
に通電し、クラッチレバー23aを押し下げて左内部ク
ラッチ筒23を回転させ、各クラッチ歯23cを各係合
歯30a,30a間に形成される谷溝30b内に滑り込
ませることができる。
【0030】なお、左右電磁アクチュエータ21,22
(図1参照)が通電されず非励磁の場合、左右機能ブロ
ック20L,20Rと操舵シャフト30がそれぞれ係合
(クラッチオン)状態にある。他方、左右電磁アクチュ
エータ21,22(図1参照)が通電されて励磁された
場合、左右機能ブロック20L,20Rと操舵シャフト
30が非係合(クラッチオフ)状態にある。なお、中間
部スライド筒12,13が中立位置以外の位置では、案
内用溝26b、27bにより内部クラッチ筒23,24
が元に戻らない(すなわち、回転不能)構造であるた
め、左右機能ブロック20L,20Rが作動しない。
【0031】また、各内部クラッチ筒23,24は、内
端部に、係止鈎23d、24dが設けられる。係止鈎2
3d、24dは、両内部クラッチ筒23,24が同時に
回転した時に互いに係止し合って左右移動を抑止するた
めに、内部クラッチ筒23,24の各内端から延び出し
て形成される。
【0032】次に、図2および図3を参照して、操舵シ
ャフト30について説明する。操舵シャフト30は、内
部クラッチ筒23,24内に挿入される。なお、操舵シ
ャフト30は、外部回転筒11、中間部スライド筒1
2,13および内部クラッチ筒23,24と同軸であ
る。さらに、操舵シャフト30は、図示しないタイロッ
ドおよびナックルアームを含む左右のリンク機構31,
32(図1参照)を介して両端部が左右の後輪WL,W
Rに各々連結する。そのため、後輪WL,WRは、キン
グピン(図示せず)を介して転舵可能となる。
【0033】また、操舵シャフト30は、外周面の一方
の軸端部に、ガイドピン30c,30cが突設される。
操舵シャフト30は、ガイドピン30c,30cがケー
シングに凹状に削設されたガイド(図示せず)に沿って
摺動し、左右軸方向に移動可能に軸支されるとともに、
ケーシングに対して回り止めされる。
【0034】さらに、操舵シャフト30は、外周面の中
央部に、左右中間部スライド筒12,13に向けて左右
センタリング突起30e,30fが突設される。なお、
前記した左右中間部スライド筒12,13の移動突起1
2c、13cは、左右センタリング突起30e,30f
の軸方向外端面30g,30hと当接する位置に形成さ
れる。
【0035】なお、操舵シャフト30のガイドピン30
c、30cの延出方向に、操舵シャフト30の左右軸方
向への従動による移動距離を検出する操舵ストロークセ
ンサ33(図1、図4参照)が設けられる。操舵ストロ
ークセンサ33は、操舵シャフト30の左右移動方向と
移動距離L1を検出する。
【0036】それでは、図4および図5を参照して、後
輪操舵機構2の動作について説明する。ここでは、動作
の一例として、操舵シャフト30を右方向に移動させて
後輪WL,WRを左方向に転舵し、転舵後、操舵シャフ
ト30を中立位置に戻して後輪WL,WRを直進方向に
戻す場合について説明する。
【0037】まず、左右中間部スライド筒12,13が
中立位置の時に、左電磁アクチュエータ21(図1参
照)が、通電されて励磁し、可動ピンによって左内部ク
ラッチ筒23のクラッチレバー23aを押し下げる(図
2参照)。すると、左内部クラッチ筒23が回転し、左
内部クラッチ筒23の各クラッチ歯23c(図2参照)
が操舵シャフト30の各谷溝30bと対向する位置に回
転する。そして、左機能ブロック20Lと操舵シャフト
30が非係合(クラッチオフ)状態になる。このとき、
右電磁アクチュエータ22は非励磁なので、右機能ブロ
ック20Rは、各係合歯30aを介して操舵シャフト3
0と係合する。その結果、操舵シャフト30が、右機能
ブロック20Rを介して右中間部スライド筒13と連結
し、右中間部スライド筒13に従動して右方向に移動可
能となる。
【0038】続いて、図4に示すように電動モータ4を
正回転させると、外部回転筒11が回転する。すると、
外部回転筒11のねじ部11b,11cと左右中間部ス
ライド筒12,13のねじ部12a、13aによる逆ね
じ作用により、左右中間部スライド筒12,13が外部
回転筒11の外方に延び出し離間する。このとき、左内
部クラッチ筒23の各クラッチ歯23cと操舵シャフト
30の各係合歯30aは係合しないが、右内部クラッチ
筒24の各クラッチ歯24cと操舵シャフト30の各係
合歯30aは係合している(図2参照)。そのため、操
舵シャフト30が、右内部クラッチ筒24を介して右中
間部スライド筒13に押しやられるため、右中間部スラ
イド筒13の延出に伴って右方向に従動する。さらに、
操舵シャフト30の右方向への移動(すなわち、右後輪
WR側への移動)に連動して、両後輪WL,WRが自動
車Aの直進方向に対して左方向に転舵する。
【0039】転舵後、図5に示すように電動モータ4を
逆回転させると、外部回転筒11が逆回転する。する
と、外部回転筒11のねじ部11b,11cと左右中間
部スライド筒12,13のねじ部12a、13aによる
逆ねじ作用により、左右中間部スライド筒12,13が
外部回転筒11の内方に引き込まれ接近する。このと
き、右中間部スライド筒13の移動突起13cが、左方
向に移動し、操舵シャフト30のセンタリング突起30
fに当接する。そして、移動突起13cの移動に伴って
センタリング突起30fが左方向に移動するため、右中
間部スライド筒13の引込に伴って操舵シャフト30が
左方向に従動する。さらに、操舵シャフト30の左方向
への移動(すなわち、左後輪WL側への移動)に連動し
て、両後輪WL,WRの転舵方向が左方向から直進方向
に変わる。そして、操舵シャフト30および左右中間部
スライド筒12,13が中立位置となり、両後輪WL,
WRの転舵方向が直進方向に戻される。
【0040】なお、後輪操舵を行う場合、電子制御装置
3は、駆動ストロークセンサ14によって左右中間部ス
ライド筒12,13および操舵ストロークセンサ33に
よって操舵シャフト30を監視しながら、前輪の操舵状
況を前提条件として左右電磁アクチュエータ21,22
および電動モータ4を制御する。そして、後輪操舵装置
1は、前輪操舵に協働させて後輪WL,WRを左方向ま
たは右方向に転舵したり、直進方向に戻して、自動車A
の姿勢制御をアシストする後輪操舵を実現している。
【0041】次に、図6を参照して、左右内部クラッチ
筒23,24の係止鈎23d,24dによる作用につい
て説明する。
【0042】なお、ケーシングの各案内用溝26b,2
7bの中央縦部26c、27cの長さは、左右中間部ス
ライド筒12,13の各案内用貫通溝26a、27aの
中央縦部26d,27dより短く形成してある。これ
は、左右内部クラッチ筒23,24の各クラッチレバー
23a,24aが案内用貫通溝26a、27aから外れ
落ちないようにするためである。
【0043】左右電磁アクチュエータ21,22のいず
れか一方が作動すると、作動した側の内部クラッチ筒2
3または24が回転する。このとき、左右内部クラッチ
筒23,24の係止鈎23d,24dは、相対的に接近
するが、互いに係止し合う位置までは接近しない。
【0044】しかし、両電磁アクチュエータ21,22
が作動して両内部クラッチ筒23,24が同時に回転す
ると、係止鈎23d,24dは、互いに係止し合う位置
まで移動することができる。そして、係止鈎23d,2
4d同士が係止し合うと両電磁アクチュエータ21,2
2の同時作動による誤った後輪操舵とみなし、両内部ク
ラッチ筒23,24が係止鈎23d,24dの係止によ
って外方に延び出さない構造となっている。したがっ
て、両電磁アクチュエータ21,22が同時に作動した
場合には、後輪WL,WRは操舵されずに直進方向が維
持される。
【0045】それでは、図7を参照して、電子制御装置
3について説明する。電子制御装置3は、メインCPU
40、サブCPU50、ソレノイド通電手段60、故障
時対応回路70、電動機駆動手段80および電動機電流
検出手段90から構成される。電子制御装置3は、メイ
ンCPU40が前輪操舵装置FSからの前輪操舵情報S
Fおよび車速センサSPSからの車速信号V等に基づい
て目標舵角θrと操舵方向Drを設定する。そして、電
子制御装置3は、メインCPU40が目標舵角θrと操
舵方向Drに基づいて、メインFET[Field E
ffect Transistor]制御による電動モ
ータ4への制御と左右電磁アクチュエータ21,22へ
の制御を行う。さらに、電動機駆動手段80のメインF
ETが故障した場合、電子制御装置3は、サブCPU5
0がサブFET制御による電動モータ4への制御を行
う。また、メインCPU40およびサブCPU50の少
なくとも一方が故障した場合、電子制御装置3は、故障
時対応回路70が逆回転用メインFET制御による電動
モータ4への制御を行う。なお、メインCPU40とサ
ブCPU50は、互いにCPUを監視し、双方向通信す
る。なお、本実施の形態では、メインCPU40とサブ
CPU50が特許請求の範囲に記載の制御手段に相当
し、故障時対応回路70が特許請求の範囲に記載の故障
時対応回路に相当する。
【0046】まず、図7を参照して、メインCPU40
について説明する。メインCPU40は、目標舵角設定
部41、転舵方向設定部42、減算部43、PID演算
部44、駆動制御部45、第1実舵角計測部46および
第2実舵角計測部47からなる。メインCPU40は、
電動モータ4を制御するために電動機駆動手段80のメ
インFET回路80a(図9参照)に対してメインFE
T制御を行うとともに、左右電磁アクチュエータ21,
22の制御を行う。なお、メインFET制御は、故障時
対応回路70の論理判定を介して行なわれる。そのため
に、メインCPU40は、故障時対応回路70に電動機
制御信号SMCを出力するとともに、転舵方向Drの情
報を内蔵レジスタに設定する。さらに、メインCPU4
0は、サブCPU50を監視し、サブCPU50にサブ
CPU監視情報SSMを送信する。また、メインCPU
40は、ウォッチドッグタイマによる自己監視機能を備
え、サブCPU50から送信されるメインCPU監視情
報SMM等を加味して自己の故障を判断し、故障時対応
回路70にメイン信号SMを送信する。
【0047】目標舵角設定部41は、前輪操舵装置FS
からの前輪操舵情報SFと車速センサSPSからの車速
信号Vおよび第1実舵角計測部46からの第1実舵角θ
R1が入力され、後輪WL,WRの目標舵角θrと操舵
方向Drおよび制御モードを設定する。目標舵角設定部
41は、前輪操舵情報SFに含まれる前輪舵角および車
速信号Vに基づいて、後輪WL,WRの目標舵角θrを
設定する。さらに、目標舵角設定部41は、目標舵角θ
r、前輪の操舵方向および第1実舵角θR1に基づい
て、操舵方向Drおよび制御モードを設定する。ちなみ
に、第1実舵角θR1は、正負の値であり、この符号に
よって後輪WL,WRの実際の操舵方向の情報も含む。
なお、車速センサSPSは、後輪操舵装置1の専用セン
サであってもよいし、他のシステムの車速センサを利用
してもよい。車速センサSPSの車速信号Vは単位時間
当たりのパルス数であり、メインCPU40は、このパ
ルス数から車速を演算する。また、車速の情報は、車速
センサSPSから得る情報ではなく、前輪操舵情報SF
に含めて前輪操舵装置FSから入力される情報としても
よい。
【0048】転舵方向設定部42は、目標舵角設定部4
1で設定した転舵方向Drを内蔵レジスタに設定する。
【0049】減算器43は、目標舵角設定部41で設定
した目標舵角θrから第1実舵角計測部46で演算され
た第1実舵角θR1を減算し、実際に後輪WL,WRを
転舵させる角度である舵角偏差Δθrを演算する。
【0050】PID演算部44は、減算器43で演算さ
れた舵角偏差Δθrからその比例項、積分項および微分
項を演算する。なお、これら比例項等のパラメ−タは、
舵角偏差Δθrに基づく値である。また、各種の演算係
数は、後輪操舵機構2の構造特性に基づいて決まる値で
あり、予め作動試験等で求めた統計上の平均値等を用い
てもよい。
【0051】駆動制御部45は、PID演算部44で演
算した舵角偏差Δθrの比例項、積分項および微分項に
基づいて、舵角偏差Δθrの大きさに応じた電動モータ
4に流す目標電動機電流を設定する。そして、駆動制御
部45は、この目標電動機電流、舵角偏差Δθr、電動
機電流検出手段90からの電動機電流信号IMOおよび
目標舵角設定部41からの転舵方向Drに基づいて、P
WM[Pulse Width Modulatio
n]信号VPWM、オン信号VON、オフ信号VOFお
よびリレーオン信号RON、リレーオフ信号ROFを生
成する。なお、このPWM信号VPWM、オン信号VO
N、オフ信号VOFおよびリレーオン信号RON、リレ
ーオフ信号ROFで電動機制御信号SMCを構成する。
この電動機制御信号SMCの各信号は、故障時対応回路
70で論理判定されてメイン電動機駆動信号SMDとし
て、電動機駆動手段80に出力される。なお、電動機制
御信号SMCは、電動機駆動手段80のメインFET回
路80aを制御する信号である。具体的には、メインリ
レー81と正転用リレー86,87にはリレーオン信号
RONまたはリレーオフ信号ROFが設定され、メイン
FET82,84にはPWM信号VPWMまたはオフ信
号VOFが設定され、メインFET83,85にはオン
信号VONまたはオフ信号VOFが設定される(図9参
照)。
【0052】後輪操舵装置1のシステム正常時、駆動制
御部45は、リレーオン信号RONを出力する。つま
り、駆動制御部45は、電動機駆動手段80のメインリ
レー81のコイルにリレーオン信号RONを出力し、メ
インリレー81をオンする(図9参照)。さらに、駆動
制御部45は、電動機駆動手段80の正転用リレー8
6,87の各コイルにリレーオン信号RONを各々出力
し、正転用リレー86,87をオンする(図9参照)。
なお、リレーオン信号RONを出力するとは各リレーに
コイル電流を供給することであり、リレーオフ信号RO
Fを出力するとは各リレーにコイル電流を供給しないこ
とである。
【0053】さらに、駆動制御部45は、PWM信号V
PWMを電動機駆動手段80のメインFET82のゲー
トG1またはメインFET84のゲートG3に出力し、
メインFET82またはメインFET84をPWM駆動
する(図9参照)。なお、PWM信号VPWMをゲート
G1かゲートG3のどちらのゲートに出力するかは、転
舵方向Drおよび舵角偏差Δθrによって決まる。つま
り、駆動制御部45は、転舵方向Drと舵角偏差Δθr
に基づいて、後輪WL,WRの舵角を大きくするか小さ
くするのかを判断する。そして、駆動制御部45は、舵
角を大きくする場合には電動モータ4を正転駆動(すな
わち、中間部スライド筒12,13を離間)するために
ゲートG1にPWM信号VPWMを出力し、舵角を小さ
くする場合には電動モータ4を逆転駆動(すなわち、中
間部スライド筒12,13を接近)するためにゲートG
3にPWM信号VPWMを出力する。さらに、駆動制御
部45は、ゲートG1にPWM信号VPWMを出力する
場合には、メインFET83のゲートG2にオン信号V
ONを出力し、メインFET83をオン駆動する。他
方、駆動制御部45は、ゲートG3にPWM信号VPW
Mを出力する場合には、メインFET85のゲートG4
にオン信号VONを出力し、メインFET85をオン駆
動する。また、駆動制御部45は、ゲートG1またはゲ
ートG3のうちPWM信号VPWMを出力しないゲート
にはオフ信号VOFを出力し、メインFET82または
メインFET84をオフする。そして、駆動制御部45
は、メインFET82をオフする場合にはメインFET
83のゲートG2にオフ信号VOFを出力してメインF
ET83をオフし、メインFET84をオフする場合に
はメインFET85のゲートG4にオフ信号VOFを出
力してメインFET85をオフする。その結果、電動モ
ータ4の正転駆動または逆転駆動によって後輪操舵機構
2の操舵シャフト30が左右軸方向に移動または中立位
置に戻り、後輪WL,WRが左方向、右方向転舵または
直進方向となる。
【0054】後輪操舵装置1のシステム正常時から電動
機駆動手段80のメインFET82,83,84,85
の少なくとも1個が故障した時、駆動制御部45は、瞬
時にリレーオフ信号ROFを出力する。つまり、駆動制
御部45は、電動機駆動手段80のメインリレー81の
コイルにリレーオフ信号ROFを出力してメインリレー
81をオフし、メインFET回路8aによる電動モータ
4の回転駆動を停止する(図9参照)。なお、このと
き、二重安全対策として、正転用リレー86,87の各
コイルにリレーオフ信号ROFを各々出力し、正転用リ
レー86,87をオフするようにしてもよい。
【0055】また、後輪操舵装置1のシステム正常時か
ら駆動ストロークセンサ14または操舵ストロークセン
サ33のいずれか一方が故障した時、まず、駆動制御部
45は、オン信号VONを出力するとともに、リレーオ
ン信号RONとリレーオフ信号ROFを出力する。つま
り、駆動制御部45は、メインFET84,85のゲー
トG3,G4にオン信号VONを各々出力し、メインF
ET84およびメインFET85をオン駆動(つまり、
100%のデューティ比でPWM駆動)する(図9参
照)。なお、このとき、メインFET82,83のゲー
トG1,G2にはオフ信号VOFを供給している。さら
に、駆動制御部45は、電動機駆動手段80のメインリ
レー81のコイルに引き続きリレーオン信号RONを出
力し、メインリレー81をオンする(図9参照)。ま
た、駆動制御部45は、二重安全対策として、電動機駆
動手段80の正転用リレー86,87の各コイルにリレ
ーオフ信号ROFを各々出力し、正転用リレー86,8
7をオフする。なお、正転用リレー86,87をオンし
ておくことも可能である。このとき、電動モータ4は逆
転駆動されるため、後輪操舵機能2は機構上の中立位置
に戻り、後輪WL、WRが直進方向に戻る。続いて、駆
動制御部45は、中立位置判定後、電動機駆動手段80
のメインリレー81のコイルにリレーオフ信号ROFを
出力し、メインリレー81をオフする(図9参照)。こ
の場合の中立位置の判定は、第1実舵角計測部46から
の第1実舵角θR1または第2実舵角計測部47からの
第2実舵角θR2および電動機電流検出手段90からの
電動機電流信号IMOによって判定する。例えば、駆動
制御部45は、第1実舵角θR1が中立位置を示す角度
の±1°以内または第2実舵角θR2が中立位置を示す
角度の±1°以内かつ電動機電流信号IMOが30A以
上になると、中立位置と判定する。つまり、駆動ストロ
ークセンサ14または操舵ストロークセンサ33のいず
れか一方が故障しているが、他方のストロークセンサは
正確な移動距離を検出しているため、第1実舵角θR1
または第2実舵角θR2のいずれか一方は正しい値であ
る。したがって、第1実舵角θR1または第2実舵角θ
R2のうちの一方は必ず中立位置を示す値となる。さら
に中立位置判定の精度を上げるために、電動モータ4が
100%のデューティ比で逆転駆動されかつ電動モータ
4が中立位置で停止したことを条件に加えるために、電
動機電流信号IMOが30A以上であることを判定条件
とする。つまり、電動モータ4に電動機電圧VMが印加
され、電動モータ4が回転駆動していると、逆起電力が
発生する。そのため、電動機電流IMは、逆起電力分低
減し、電動モータ4が100%のデューティ比で駆動さ
れても30A未満となる。しかし、後輪操舵機構2が機
構上の中立位置に戻ると、機構上、電動モータ4の回転
が停止し、逆起電力も発生しない。したがって、後輪操
舵機構2が機構上の中立位置に戻ると、電動機電圧VM
にほぼ比例した電動機電流IMが流れるため、電動機電
流信号IMOが30A以上となる。
【0056】さらに、メインCPU40は、メインCP
U40が正常か故障かを示すメイン信号SMを生成す
る。メインCPU40は、メインCPU監視情報SMM
等を利用して、ウォッチドッグタイマによる自己監視機
能によってメイン信号SMを生成する。なお、メイン信
号SMは、メインCPU40が正常の場合にはH信号、
メインCPU40が故障の場合にはL信号である。ま
た、メインCPU40は、サブCPU50の動作を監視
し、サブCPU50にサブCPU監視情報SSMを送信
する。メインCPU40は、サブCPU50で演算され
た車速や実舵角等を自己で演算した車速や実舵角等と比
較し、サブCPU50を監視する。
【0057】第1実舵角計測部46は、操舵ストローク
センサ33からの移動距離L1が入力され、この移動距
離L1を後輪WL,WRの実際の舵角である第1実舵角
θR1に変換する。なお、操舵ストロークセンサ33は
操舵シャフト30の移動方向を検出できるので、第1実
舵角θR1は、操舵シャフト30の中立位置から左方向
への移動距離を正値とし、右方向への移動距離を負値と
する。
【0058】第2実舵角計測部47は、駆動ストローク
センサ14からの移動距離L2が入力され、この移動距
離L2を第2実舵角θR2に変換する。なお、駆動スト
ロークセンサ14は移動した方向を検出することができ
ないので、第2実舵角θR2は、操舵シャフト30の移
動方向に関係なく設定され、正値とする。
【0059】次に、図7を参照して、サブCPU50に
ついて説明する。サブCPU50は、電動機駆動手段8
0のメインFET82,83,84,85の少なくとも
1個が故障した時、電動モータ4を制御するために電動
機駆動手段80のサブFET回路80b(図9参照)に
対してサブFET制御を行う。そのため、サブCPU5
0は、サブ電動機駆動信号SSDを出力する。サブCP
U50は、メインFET82,83,84,85の少な
くとも1個が故障すると、サブリレー88にリレーオン
信号RONを出力するとともに、サブFET89のゲー
トG5にPWM信号VPWMを出力する。なお、このリ
レーオン信号RON(またはリレーオフ信号)とPWM
信号VPWM(またはオフ信号VOF)でサブ電動機駆
動信号SSDを構成する。つまり、サブCPU50は、
電動機駆動手段80のサブリレー88のコイルにリレー
オン信号RONを出力し、サブリレー88をオンする
(図9参照)。さらに、サブCPU50は、PWM信号
VPWMを電動機駆動手段80のサブFET89のゲー
トG5に出力し、サブFET89をPWM駆動する(図
9参照)。なお、サブCPU50は、電動機電流IMを
電流制限するために、30%のデューティ比のPWM信
号VPWMを出力する。そのため、電動モータ4には1
0A程度の電動機電流IMが流れる。このとき、電動モ
ータ4は逆転駆動されるため、後輪操舵機能2は機構上
の中立位置に戻り、後輪WL、WRが直進方向に戻る。
そして、サブCPU50は、後輪操舵機能2が機構上の
中立位置に戻ったと判断すると、サブリレー88にリレ
ーオフ信号ROFを出力し、サブFET回路80bによ
る電動モータ4の逆転駆動を停止する。なお、中立判定
は、第2実舵角によって判定する。例えば、サブCPU
50は、第2実舵角が中立位置を示す角度の±1°以内
になると、中立位置と判定する。ちなみに、サブCPU
50は、駆動ストロークセンサ14からの移動距離L2
が入力され、第2実舵角を演算する。また、サブCPU
50は、車速センサSPSから車速信号Vが入力され、
車速制限を行う。つまり、所定速度以下では、路面との
静摩擦によって後輪WL,WRが動かない。そこで、サ
ブCPU50は、例えば、車速2km/h未満ではリレ
ーオン信号RONおよびPWM信号VPWMを出力せ
ず、サブFET89をPWM駆動しない。なお、車速セ
ンサSPSの車速信号Vは単位時間当たりのパルス数で
あり、サブCPU50は、このパルス数から車速を演算
する。ちなみに、電動機駆動手段80のメインFET8
2,83,84,85が全て正常の時、サブCPU50
は、サブリレー88にリレーオフ信号ROFを出力す
る。
【0060】さらに、サブCPU50は、メインCPU
40を監視し、メインCPU40にメインCPU監視情
報SMMを送信する。サブCPU50は、メインCPU
40で演算された車速や実舵角等を自己で演算した車速
や実舵角等と比較し、メインCPU40を監視する。ま
た、サブCPU50は、ウォッチドッグタイマによる自
己監視機能を備え、メインCPU40から送信されるサ
ブCPU監視情報SSM等を加味して自己の故障を判断
し、故障時対応回路70にサブ信号SSを送信する。な
お、サブ信号SSは、サブCPU50が正常の場合には
H信号、サブCPU50が故障の場合にはL信号であ
る。
【0061】次に、図7を参照して、ソレノイド通電手
段60について説明する。ソレノイド通電手段60は、
転舵方向設定部42が内蔵レジスタに設定した転舵方向
Drに基づいて、左右電磁アクチュエータ21,22の
ソレノイドの一方を選択し、選択したソレノイドのコイ
ルにソレノイド電流ISを供給する。そして、ソレノイ
ド通電手段60は、左右電磁アクチュエータ21,22
の可動ピンを作動させる。なお、ソレノイド通電手段6
0がソレノイド電流ISを供給するのは、操舵シャフト
30が機構上の中立位置近傍にある時のみである。その
ために、転舵方向設定部42に第1実舵角θR1を導入
して、中立位置を判定している。
【0062】次に、図8および図9を参照して、故障時
対応回路70について説明する。故障時対応回路70
は、故障判断部71、メインリレー制御部72、上段正
転用FET駆動部73、下段正転用FET駆動部74、
上段逆転用FET駆動部75、下段逆転用FET駆動部
76、上段正転用リレー制御部77および下段正転用リ
レー制御部78から構成される。故障時対応回路70
は、メインCPU40からのメイン信号SMと電動機制
御信号SMCおよびサブCPU50からのサブ信号SS
が入力され、電動機駆動手段80にメイン電動機駆動信
号SMDを出力し、電動機駆動手段80のメインFET
回路80aを制御する(図9参照)。故障時対応回路7
0は、メインCPU40とサブCPU50からなる制御
手段が故障した時に、電動機駆動手段80のメインFE
T回路80aの逆転用メインFET84,85を所定時
間オン駆動し、後輪操舵機構2を機構上の中立位置に戻
して後輪WL,WRを直進方向に戻す。なお、故障時対
応回路70は、メインCPU40とサブCPU50から
なる制御手段が正常の場合には、メインCPU40から
の電動機制御信号SMCをそのままメイン電動機駆動信
号SMDとして出力する。そこで、故障時対応回路70
は、メインCPU40およびサブCPU50による制御
に影響されないように、メインCPU40およびサブC
PU50とは別体のアナログ回路で構成される。なお、
以下の論理判定において、PWM信号VPWMはH/L
信号であり、オン信号VONはH信号であり、オフ信号
VOFはL信号であり、リレーオン信号RONはH信号
であり、リレーオフ信号ROFはL信号である。
【0063】故障判断部71は、メイン信号SMとサブ
信号SSに基づいて、メインCPU40およびサブCP
U50の少なくとも一方が故障しているか否かを判断す
る。そのために、故障判断部71は、AND回路71a
を備える。AND回路71aは、メイン信号SMとサブ
信号SSが入力され、H信号またはL信号を出力する。
つまり、メイン信号SMとサブ信号SSが共にH信号の
場合(すなわち、メインCPU40およびサブCPU5
0が共に正常の場合)、AND回路71aは、H信号を
出力する。他方、メイン信号SMおよびサブ信号SSの
少なくとも一方がL信号の場合(すなわち、メインCP
U40およびサブCPU50の少なくとも一方が故障の
場合)、AND回路71aは、L信号を出力する。した
がって、AND回路71aから出力される信号がH信号
の場合にはメインCPU40とサブCPU50が共に正
常であり、L信号の場合にはメインCPU40およびサ
ブCPU50の少なくとも一方が故障である。
【0064】メインリレー制御部72は、AND回路7
1aからの信号と電動機制御信号SMCのメインリレー
81に対する信号に基づいて、メインリレー81をオン
/オフ制御する。特に、メインリレー制御部72は、メ
インCPU40およびサブCPU50の少なくとも一方
が故障の時に、所定時間経過後にメインリレー81をオ
フし、メインFET回路80aへの電源電圧PSPから
の供給を停止する(すなわち、所定時間の間だけメイン
FET回路80aに電源電圧PSPから12Vを供給す
る)(図9参照)。そのために、メインリレー制御部7
2は、反転回路72a、ディレイ回路72b、AND回
路72cおよびOR回路72dを備える。反転回路72
aは、AND回路71aからのH/L信号が入力され、
その信号を反転してH信号またはL信号を出力する。デ
ィレイ回路72bは、反転回路72aのH/L信号が入
力され、リレーオン信号RONまたはリレーオフ信号R
OFを出力する。なお、ディレイ回路72bは、H信号
がトリガとなりタイマが起動する。AND回路72c
は、AND回路71aからのH/L信号と電動機制御信
号SMCのメインリレー81に対する信号(リレーオン
信号RONまたはリレーオフ信号ROF)が入力され、
リレーオン信号RONまたはリレーオフ信号ROFを出
力する。OR回路72dは、ディレイ回路72bからの
信号とAND回路72cからの信号が入力され、リレー
オン信号RONまたはリレーオフ信号ROFを出力す
る。つまり、AND回路71aからの信号がH信号の場
合(すなわち、メインCPU40およびサブCPU50
が共に正常の場合)、ディレイ回路72bは、反転回路
72aがL信号を出力するので、常時リレーオフ信号R
OFを出力すると共にタイマを起動しない。この場合、
AND回路72cは、AND回路71aの出力がH信号
のため、電動機制御信号SMCのメインリレー81に対
する信号をそのまま出力する。さらに、OR回路72d
は、ディレイ回路72bの出力がリレーオフ信号ROF
のため、AND回路72cの出力(すなわち、電動機制
御信号SMCのメインリレー81に対する信号)をその
ままメインリレー81に出力する。他方、AND回路7
1aからの信号がL信号の場合(すなわち、メインCP
U40およびサブCPU50の少なくとも一方が故障の
場合)、反転回路72aは、H信号を出力する。そし
て、ディレイ回路72bは、反転回路72aからのH信
号が入力されると同時にリレーオン信号RONを出力す
るとともに、H信号をトリガとしてタイマを起動する。
さらに、ディレイ回路72bは、タイマによって所定時
間(例えば、10秒後)が経過すると、リレーオフ信号
ROFを出力する。すなわち、ディレイ回路72bは、
メインCPU40およびサブCPU50の少なくとも一
方が故障の時に、リレーオン信号RONを所定時間出力
後、リレーオフ信号ROFを出力する。なお、所定時間
は、操舵シャフト30が最大量移動している場合でも、
逆転用メインFET84,85がオン駆動することによ
って後輪操舵機構2を中立位置に戻すことができる十分
な時間とする。この場合、AND回路72cは、AND
回路71aの出力がL信号のため、メインCPU40が
暴走して電動機制御信号SMCのメインリレー81に対
する信号が不定であった場合でも、リレーオフ信号RO
Fを出力する。そのとき、72dは、OR回路のため、
ディレイ回路72bからの信号をそのままメインリレー
81に出力する。なお、ディレイ回路72bに代えて、
第2実舵角計測部47からの第2実舵角θR2を比較器
に導入し、この比較器によって第2実舵角θR2が中立
位置を示す角度の±1°以内になるまではH信号を、そ
して±1°以内になるとL信号をOR回路72dに出力
するようにしてもよい。
【0065】上段正転用FET駆動部73は、AND回
路71aからの信号と電動機制御信号SMCの上段正転
用メインFET82に対する信号に基づいて、上段正転
用メインFET82をPWM駆動またはオフする。その
ために、上段正転用FET駆動部73は、AND回路7
3aを備える。AND回路73aは、AND回路71a
からのH/L信号と電動機制御信号SMCの上段正転用
メインFET82に対する信号(PWM信号VPWMま
たはオフ信号VOF)が入力され、PWM信号VPWM
またはオフ信号VOFを出力する。つまり、AND回路
71aからの信号がH信号の場合(すなわち、メインC
PU40およびサブCPU50が共に正常の場合)、A
ND回路73aは、電動機制御信号SMCのPWM信号
VPWMまたはオフ信号VOFをそのまま上段正転用メ
インFET82のゲートG1に出力する。他方、AND
回路71aからの信号がL信号の場合(すなわち、メイ
ンCPU40およびサブCPU50の少なくとも一方が
故障の場合)、AND回路73aは、オフ信号VOFを
上段正転用メインFET82のゲートG1に出力する。
【0066】下段正転用FET駆動部74は、AND回
路71aからの信号と電動機制御信号SMCの下段正転
用メインFET83に対する信号に基づいて、下段正転
用メインFET83をオン駆動またはオフする。そのた
めに、下段正転用FET駆動部74は、AND回路74
aを備える。AND回路74aは、AND回路71aか
らのH/L信号と電動機制御信号SMCの下段正転用メ
インFET83に対する信号(オン信号VONまたはオ
フ信号VOF)が入力され、オン信号VONまたはオフ
信号VOFを出力する。つまり、AND回路71aから
の信号がH信号の場合(すなわち、メインCPU40お
よびサブCPU50が共に正常の場合)、AND回路7
4aは、電動機制御信号SMCのオン信号VONまたは
オフ信号VOFをそのまま下段正転用メインFET83
のゲートG2に出力する。他方、AND回路71aから
の信号がL信号の場合(すなわち、メインCPU40お
よびサブCPU50の少なくとも一方が故障の場合)、
AND回路74aは、オフ信号VOFを下段正転用メイ
ンFET83のゲートG2に出力する。
【0067】上段逆転用FET駆動部75は、AND回
路71aからの信号、反転回路72aからの信号と電動
機制御信号SMCの上段逆転用メインFET84に対す
る信号に基づいて、上段逆転用メインFET84をPW
M駆動、オン駆動またはオフする。特に、上段逆転用F
ET駆動部75は、メインCPU40およびサブCPU
50の少なくとも一方が故障の場合に、上段逆転用メイ
ンFET84をオン駆動する。なお、メインCPU40
およびサブCPU50の少なくとも一方が故障の場合、
メインリレー制御部72によって所定時間の間だけメイ
ンFET回路80aに電源電圧PSPから12Vが供給
されるので、所定時間の間だけ上段逆転用メインFET
84がオン駆動される。そのために、上段逆転用FET
駆動部75は、AND回路75aとOR回路75bを備
える。AND回路75aは、AND回路71aからのH
/L信号と電動機制御信号SMCの上段逆転用メインF
ET84に対する信号(PWM信号VPWMまたはオフ
信号VOF)が入力され、PWM信号VPWMまたはオ
フ信号VOFを出力する。OR回路75bは、反転回路
72aからのH/L信号とAND回路75aからのPW
M信号VPWMまたはオフ信号VOFが入力され、PW
M信号VPWM、オン信号VONまたはオフ信号VOF
を出力する。つまり、AND回路71aからの信号がH
信号の場合(すなわち、メインCPU40およびサブC
PU50が共に正常の場合)、AND回路75aは、A
ND回路71aの出力がH信号のため、電動機制御信号
SMCの上段逆転用メインFET84に対する信号をそ
のまま出力する。さらに、OR回路75bは、反転回路
72aの出力がL信号のため、AND回路75aの出力
(すなわち、電動機制御信号SMCの上段逆転用メイン
FET84に対する信号)をそのまま上段逆転用メイン
FET84のゲートG3に出力する。他方、AND回路
71aからの信号がL信号の場合(すなわち、メインC
PU40およびサブCPU50の少なくとも一方が故障
の場合)、OR回路75bは、反転回路72aの出力が
H信号のため、オン信号VONを上段逆転用メインFE
T84のゲートG3に出力する。
【0068】下段逆転用FET駆動部76は、AND回
路71aからの信号、反転回路72aからの信号と電動
機制御信号SMCの下段逆転用メインFET85に対す
る信号に基づいて、下段逆転用メインFET85をオン
駆動またはオフする。特に、下段逆転用FET駆動部7
6は、メインCPU40およびサブCPU50の少なく
とも一方が故障の場合に、下段逆転用メインFET85
をオン駆動する。なお、メインCPU40およびサブC
PU50の少なくとも一方が故障の場合、メインリレー
制御部72によって所定時間の間だけメインFET回路
80aに電源電圧PSPからの12Vが供給されるの
で、所定時間の間だけ下段逆転用メインFET85がオ
ン駆動される。そのために、下段逆転用FET駆動部7
6は、AND回路76aとOR回路76bを備える。A
ND回路76aは、AND回路71aからのH/L信号
と電動機制御信号SMCの下段逆転用メインFET85
に対する信号(オン信号VONまたはオフ信号VOF)
が入力され、オン信号VONまたはオフ信号VOFを出
力する。OR回路76bは、反転回路72aからのH/
L信号とAND回路75aからのオン信号VONまたは
オフ信号VOFが入力され、オン信号VONまたはオフ
信号VOFを出力する。つまり、AND回路71aから
の信号がH信号の場合(すなわち、メインCPU40お
よびサブCPU50が共に正常の場合)、AND回路7
6aは、AND回路71aの出力がH信号のため、電動
機制御信号SMCの下段逆転用メインFET85に対す
る信号をそのまま出力する。さらに、OR回路76b
は、反転回路72aの出力がL信号のため、AND回路
76aの出力(すなわち、電動機制御信号SMCの下段
逆転用メインFET85に対する信号)をそのまま下段
逆転用メインFET85のゲートG4に出力する。他
方、AND回路71aからの信号がL信号の場合(すな
わち、メインCPU40およびサブCPU50の少なく
とも一方が故障の場合)、OR回路76bは、反転回路
72aの出力がH信号のため、オン信号VONを下段逆
転用メインFET85のゲートG4に出力する。
【0069】上段正転用リレー制御部77は、AND回
路71aからの信号と電動機制御信号SMCの上段正転
用リレー86に対する信号に基づいて、上段正転用リレ
ー86をオン/オフ制御する。そのために、上段正転用
リレー制御部77は、AND回路77aを備える。AN
D回路77aは、AND回路71aからのH/L信号と
電動機制御信号SMCの上段正転用リレー86に対する
信号(リレーオン信号RONまたはリレーオフ信号RO
F)が入力され、リレーオン信号RONまたはリレーオ
フ信号ROFを出力する。つまり、AND回路71aか
らの信号がH信号の場合(すなわち、メインCPU40
およびサブCPU50が共に正常の場合)、AND回路
77aは、電動機制御信号SMCのリレーオン信号RO
Nまたはリレーオフ信号ROFをそのまま上段正転用リ
レー86に出力する。他方、AND回路71aからの信
号がL信号の場合(すなわち、メインCPU40および
サブCPU50の少なくとも一方が故障の場合)、AN
D回路77aは、リレーオフ信号ROFを上段正転用リ
レー86に出力する。
【0070】下段正転用リレー制御部78は、AND回
路71aからの信号と電動機制御信号SMCの下段正転
用リレー87に対する信号に基づいて、下段正転用リレ
ー87をオン/オフ制御する。そのために、下段正転用
リレー制御部78は、AND回路78aを備える。AN
D回路78aは、AND回路71aからのH/L信号と
電動機制御信号SMCの下段正転用リレー87に対する
信号(リレーオン信号RONまたはリレーオフ信号RO
F)が入力され、リレーオン信号RONまたはリレーオ
フ信号ROFを出力する。つまり、AND回路71aか
らの信号がH信号の場合(すなわち、メインCPU40
およびサブCPU50が共に正常の場合)、AND回路
78aは、電動機制御信号SMCのリレーオン信号RO
Nまたはリレーオフ信号ROFをそのまま下段正転用リ
レー87に出力する。他方、AND回路71aからの信
号がL信号の場合(すなわち、メインCPU40および
サブCPU50の少なくとも一方が故障の場合)、AN
D回路78aは、リレーオフ信号ROFを下段正転用リ
レー87に出力する。
【0071】なお、メイン電動機駆動信号SMDは、メ
インリレー制御部72、上段正転用FET駆動部73、
下段正転用FET駆動部74、上段逆転用FET駆動部
75、下段逆転用FET駆動部76、上段正転用リレー
制御部77および下段正転用リレー制御部78から出力
される各信号によって構成される。
【0072】次に、図9を参照して、電動機駆動手段8
0について説明する。電動機駆動手段80は、メインF
ET回路80aとサブFET回路80bを備える。メイ
ンFET回路80aは、メインCPU40に制御される
とともに、CPU40,50の故障時に対応するために
故障時対応回路70に制御される。そのため、メインF
ET回路80aは、メインCPU40から出力される電
動機制御信号SMCに故障時対応回路70で論理判定が
加味されたメイン電動機駆動信号SMDが入力される。
そして、メインFET回路80aは、メイン電動機駆動
信号SMDに基づいて電動機電圧VMを電動モータ4に
印加し、電動モータ4を正転駆動または逆転駆動する。
他方、サブFET回路80bは、メインFET回路80
aのメインFET82,83,84,85の少なくとも
1個が故障した時に、サブCPU50に制御される。そ
のため、サブFET回路80bは、サブCPUからサブ
電動機駆動信号SSDが入力される。そして、サブFE
T回路80bは、サブ電動機駆動信号SSDに基づいて
電動機電圧VMを電動モータ4に印加し、電動モータ4
を逆転駆動する。
【0073】メインFET回路80aは、メインリレー
81、パワー電界トランジスタであるメインFET8
2,83,84,85および正転用リレー86,87で
構成される。メインFET回路80aは、電源電圧(パ
ワー系)PSPとグランドGND間に4個のメインFE
T82,83,84,85でブリッジ回路が構成され、
電源電圧PSPから12Vの電圧が供給される。メイン
FET82,83は、電動モータ4を正転駆動するため
の正転用のメインFETであり、両方がオンした時に電
動モータ4が正転駆動する。また、メインFET84,
85は、電動モータ4を逆転駆動するための逆転用のメ
インFETであり、両方がオンした時に電動モータ4が
逆転駆動する。なお、電源電圧PSPとブリッジ回路の
間にはメインリレー81が接続される。そして、メイン
リレー81は、メイン電動機駆動信号SMDのリレーオ
ン信号RONまたはリレーオフ信号ROFが入力され、
ブリッジ回路への電源電圧PSPからの12Vの供給ま
たは供給を停止する。なお、メインリレー81は、後輪
操舵装置1のシステム正常時にはオンされ、後輪操舵装
置1のシステム異常時にはオフされる。メインリレー8
1は、リレーオン信号RONの場合にはコイル電流が流
れてオンし、ブリッジ回路に電源電圧PSPからの12
Vを供給する。また、メインリレー81は、リレーオフ
信号ROFの場合にはコイル電流が流れずオフし、ブリ
ッジ回路に電源電圧PSPからの12Vを供給しない。
なお、本実施の形態では、メインFET82,83,8
4,85が、特許請求の範囲に記載のスイッチング素子
に相当する。
【0074】メインFET回路80aは、電動モータ4
がメインFET82とメインFET83の間に直列にか
つメインFET84とメインFET85の間に直列に接
続される。さらに、メインFET82と電動モータ4の
間には上段正転用リレー86が接続され、メインFET
83と電動モータ4の間には下段正転用リレー87が接
続される。そして、正転用リレー86,87は、メイン
電動機駆動信号SMDのリレーオン信号RONまたはリ
レーオフ信号ROFが各々入力され、正転用のメインF
ET82、メインFET83および電動モータ4間を接
続または非接続とする。つまり、正転用リレー86,8
7によって、電動モータ4への正転駆動用の電動機電圧
VMの印加を確実に停止することができる。なお、正転
用リレー86,87は、後輪操舵装置1のシステム正常
時にはオンされ、後輪操舵装置1のシステム異常時には
オフされる。正転用リレー86,87は、リレーオン信
号RONの場合にはコイル電流が流れてオンし、正転用
のメインFET82、メインFET83および電動モー
タ4間を接続する。また、正転用リレー86,87は、
リレーオフ信号ROFの場合にはコイル電流が流れずオ
フし、正転用のメインFET82、メインFET83お
よび電動モータ4間を非接続とする。
【0075】そして、電動モータ4を正転駆動する場
合、メインFET回路80aは、上段正転用メインFE
T82のゲートG1にPWM信号VPWM、上段正転用
メインFET83のゲートG2にオン信号VON、逆転
用メインFET84,85の各ゲートG3,G4にオフ
信号VOFおよびメインリレー81と正転用リレー8
6,87にリレーオン信号RONが各々入力され、電動
モータ4を正転駆動するための電動機電圧VMを印加す
る。他方、電動モータ4を逆転駆動する場合、メインF
ET回路80aは、上段逆転用メインFET84のゲー
トG3にPWM信号VPWM、下段逆転用メインFET
85のゲートG4にオン信号VON、正転用メインFE
T82,83の各ゲートG1,G2にオフ信号VOFお
よびメインリレー81と正転用リレー86,87にリレ
ーオン信号RONが各々入力され、電動モータ4を逆転
駆動するための電動機電圧VMを印加する。なお、電動
モータ4に印加される電動機電圧VMは、PWM信号V
PWMのデューティ比によって決定される。そして、電
動モータ4に流れる電動機電流IMは、電動機電圧VM
に対応する。例えば、PWM信号VPWMのデューティ
比が70%(すなわち、7(論理レベル1):3(論理
レベル0))の場合、12V×(7/10)=8.4V
が電動機電圧VMとなり、電動モータ4に連続して8.
4Vが印加されていることになる。なお、メインFET
回路80aには最大30A以上の電動機電流IMが流れ
るため、メインFET回路80aの配線には、最大の電
動機電流IMに対応する太線が使用される。
【0076】また、メインCPU40およびサブCPU
50の少なくとも一方が故障した場合、メインCPU4
0によるメインFET制御ではなく、メインFET回路
80aが故障時対応回路70によって制御される。つま
り、故障時対応回路70がCPU故障と判断すると、メ
インFET回路80aは、故障時対応回路70によって
メインリレー81にリレーオン信号VONと正転用リレ
ー86,86にリレーオフ信号VOFおよび逆転用メイ
ンFET84,85のゲートG3,G4にオン信号VO
Nが各々入力され、電動モータ4に逆転駆動するための
電動機電圧VMを印加する。さらに、所定時間経過後、
メインFET回路80aは、故障時対応回路70によっ
てメインリレー81にリレーオフ信号VOFが入力さ
れ、電動モータ4への電動機電圧VMの印加を完全に停
止する。
【0077】サブFET回路80bは、サブリレー88
と電界効果トランジスタであるサブFET89で構成さ
れる。サブFET回路80bは、電源電圧(信号系)P
SSとグランドGND間に接続され、電源電圧PSSか
ら12Vの電圧が供給される。サブリレー88は、サブ
電動機駆動信号SSDのリレーオン信号RONまたはリ
レーオフ信号ROFが入力され、サブFET89への電
源電圧PSPからの12Vの供給または供給を停止す
る。サブリレー88は、リレーオン信号RONの場合に
はコイル電流が流れてオンし、サブリレー88に電源電
圧PSSからの12Vを供給する。また、サブリレー8
8は、リレーオフ信号ROFの場合にはコイル電流が流
れずオフし、サブリレー88に電源電圧PSSからの1
2Vを供給しない。また、サブFET回路80bは、電
動モータ4が逆転駆動するように、サブリレー88とサ
ブFET89間に電動モータ4が直列に接続される。サ
ブFET89は、ゲートG5にサブ電動機駆動信号SS
DのPWM信号VPWMまたはオフ信号VOFが入力さ
れ、電動モータ4をPWM駆動またはオフする。ちなみ
に、電源電圧(パワー系)PSPと電源電圧(信号系)
PSSでは、バッテリ(図示せず)近傍で分岐され、配
線の太さが異なり、電源電圧(パワー系)PSPが太線
で電源電圧(信号系)PSSが細線である。
【0078】メインFET82,83,84,85の少
なくとも1個が故障した場合、サブFET回路80b
は、サブCPU50によって車速が2km/h以上と判
定された時にサブリレー88にリレーオン信号RONと
サブFET89にPWM信号VPWMが入力され、電動
モータ4を逆転駆動する電動機電圧VMを印加する。さ
らに、サブFET回路80bは、後輪操舵機構2が機構
上の中立位置に戻ると、サブCPU50によってサブリ
レー88にリレーオフ信号ROFが入力され、電動モー
タ4への電動機電圧VMの印加を停止する。なお、サブ
CPU50によりタイヤへの路面反力が減少する車速以
上になってから中立戻しを実行するため、PWM信号V
PWMは30%のデューティ比で良く、電動機電流IM
は10A程度しか流れない。そこで、サブFET回路8
0bの配線には細線を使用し、制御素子の放熱、ハーネ
ス、カプラ等のコストダウンを図る事ができる。他方、
メインFET82,83,84,85が全て正常の場
合、サブFET回路80bは、サブCPU50によって
サブリレー88にリレーオフ信号ROFが入力され、サ
ブFET回路80bによって電動モータ4に電動機電圧
VMを印加しない。
【0079】次に、図7を参照して、電動機電流検出手
段90について説明する。電動機電流検出手段90は、
電動モータ4に対して直列に接続された抵抗またはホー
ル素子等を備え、電動モータ4に実際に流れる電動機電
流IMの大きさと方向を検出する。そして、電動機電流
検出手段90は、電動機電流IMに対応した電動機電流
信号IMOをメインCPU40にフィードバック(負帰
還)する。
【0080】それでは、図1乃至図9を参照して、電子
制御装置3の動作およびそれに伴う後輪転舵機構2と電
動モータ4の動作について説明する。ここでは、後輪操
舵装置1のシステムが正常時と後輪操舵装置1のシステ
ムが異常時に分けて説明する。なお、後輪操舵装置1の
システム異常は、メインCPU40およびサブCPU5
0の少なくとも一方が故障、メインFET82,83,
84,85の少なくとも1個が故障(すなわち、メイン
FET回路80aが故障)、操舵ストロークセンサ33
または駆動ストロークセンサ14が故障等である。な
お、メインFET82,83,84,85の少なくとも
1個の故障判定は、メインCPU40で目標電動機電流
と電動機電流検出手段90で検出した電動機電流IMO
を比較し、この差が所定値以上の場合に故障と判定す
る。また、操舵ストロークセンサ33または駆動ストロ
ークセンサ14の故障判定は、メインCPU40で第1
実舵角θR1と第2実舵角θR2を比較し、この差が所
定値以上の場合に故障と判定する。
【0081】後輪操舵装置1のシステムが正常時につい
て説明する。まず、電子制御装置3は、メインCPU4
0で前輪操舵情報SFや車速信号Vから目標操舵θr、
操舵方向Drと制御モードを設定する。続いて、メイン
CPU40は、目標操舵θr、転舵方向Drおよび第1
実舵角θR1等に基づいて電動機制御信号SMCを生成
する。そして、電子制御装置3は、転舵方向Drに基づ
いて、ソレノイド通電手段60によって左右電磁アクチ
ュエータ21,22のいずれか一方を作動させたり、両
方の作動を停止させる。さらに、電子制御装置3は、故
障時対応回路70を介して電動機制御信号SMCに対応
したメイン電動機駆動信号SMDを電動機駆動手段80
に送信し、電動機駆動手段80のメインFET回路80
aによって電動モータ4を正転駆動または逆転駆動させ
たり、駆動を停止させる。すると、後輪操舵機構2の操
舵シャフト30が、後輪WL側または後輪WR側に移動
したり、あるいは中立位置に戻る。その結果、後輪W
L,WRが、左方向または右方向に転舵したり、あるい
は直進方向に戻る。ちなみに、メインCPU40からの
メイン信号SMとサブCPU50からのサブ信号SS
は、共にH信号(正常)である。
【0082】メインCPU40およびサブCPU50の
いずれか一方が故障時について説明する。このとき、メ
インCPU40のメイン信号SMおよびサブCPU50
のサブ信号SSの少なくとも一方が、L信号(故障)と
なる。そのため、電子制御装置3の故障時対応回路70
は、故障判断部71で故障と判断し、メイン電動機駆動
信号SMDにおいてメインリレー81にリレーオン信号
RON、逆転用メインFET84,85にオン信号VO
N、正転用リレー86,87にリレーオフ信号ROFを
設定する。そして、電子制御装置3は、電動機駆動手段
80のメインFET回路80aによって電動モータ4を
逆転駆動させる。すると、後輪操舵機構2の操舵シャフ
ト30が、中立位置側に移動し、やがて中立位置に戻
る。その結果、後輪WL,WRが、直進方向に戻る。さ
らに、故障時対応回路70は、所定時間経過後、メイン
電動機駆動信号SMDにおいてメインリレー81にリレ
ーオフ信号ROFを設定する。そして、電子制御装置3
は、電動機駆動手段80のメインFET回路80aによ
る電動モータ4の駆動を完全に停止させる。
【0083】メインFET82,83,84,85の少
なくとも1個が故障の時について説明する。このとき、
電子制御装置3のサブCPU50が、サブ電動機駆動信
号SSDにおいてサブリレー88にリレーオン信号RO
N、サブFET89にPWM信号VPWMを設定する。
さらに、電子制御装置3のメインCPU40が、電動機
制御信号SMCにおいてメインリレー81にリレーオフ
信号ROFを設定し、電動機駆動手段80のメインFE
T回路80aによる電動モータ4の駆動を完全に停止さ
せる。そして、電子制御装置3は、電動機駆動手段80
のサブFET回路80bによって電動モータ4を逆転駆
動させる。すると、後輪操舵機構2の操舵シャフト30
が、中立位置側に移動し、やがて中立位置に戻る。その
結果、後輪WL,WRが、直進方向に戻る。続いて、サ
ブCPU50が、第1実舵角等に基づいて後輪操舵機構
2が機構上の中立位置に戻ったと判断すると、サブ電動
機駆動信号SDDにおいてサブリレー88にリレーオフ
信号ROFを設定する。そして、電子制御装置3は、電
動機駆動手段80のサブFET回路80bによる電動モ
ータ4の駆動を完全に停止させる。
【0084】操舵ストロークセンサ33または駆動スト
ロークセンサ14が故障の時について説明する。このと
き、電子制御装置3のメインCPU40が、電動機制御
信号SMCにおいてメインリレー81にリレーオン信号
RON、上段逆転用メインFET84と下段逆転用メイ
ンFET85にオン信号VON、正転用リレー86,8
7にリレーオフ信号ROFを設定する。そして、電子制
御装置3は、電動機駆動手段80のメインFET回路8
0aによって電動モータ4を逆転駆動させる。そして、
後輪操舵機構2の操舵シャフト30が、中立位置側に移
動し、やがて中立位置に戻る。その結果、後輪WL,W
Rが、直進方向となる。続いて、メインCPU40が、
第1実舵角θR1または第2実舵角θR2および電動機
電流信号IMOに基づいて後輪操舵機構2が機構上の中
立位置に戻ったと判断すると、電動機制御信号SMCに
おいてメインリレー81にリレーオフ信号ROFを設定
する。そして、電子制御装置3は、電動機駆動手段80
のメインFET回路80aによる電動モータ4の駆動を
完全に停止させる。
【0085】この後輪操舵装置1によれば、メインCP
U40とサブCPU50からなる制御手段が故障して
も、故障時対応回路70によって確実に後輪WL,WR
を直進方向に戻すことができる。そのため、後輪操舵装
置1の制御手段が故障しても後輪が誤操舵されないの
で、自動車Aは前輪による2輪操舵となり、フェイルセ
ーフの信頼性がより向上する。
【0086】以上、本発明は、前記の実施の形態に限定
されることなく、様々な形態で実施される。例えば、故
障時対応回路をアナログ回路で構成したが、ディジタル
回路によって構成してもよい。また、制御手段をメイン
CPUとサブCPUの2個のCPUで構成したが、CP
Uを1個にするなど他の構成でもよい。また、後輪操舵
機構2をねじ部材(外部回転筒)と操舵軸(操舵シャフ
ト)を同軸上に構成したが、ねじ部材と操舵軸を並行に
構成する等の他の後輪操舵機構でもよい。また、電動モ
ータを正転駆動した場合には一対の中間部スライド筒が
離間し、逆転駆動した場合には一対の中間部スライド筒
が接近するように構成したが、その逆に動作するように
構成してもよい。また、4個のメインFETの少なくと
も1個が故障した場合を検出し、故障を検出した場合に
はサブCPUによってサブFET回路で電動モータを逆
転駆動する構成としたが、出来る限りメイン側で電動モ
ータを駆動するために、4個のメインFETの故障を各
々検出できるセンサ等を設け、正転用メインFETの故
障を検出した場合にはメインCPUによってメインFE
T回路の逆転用メインFETで電動モータを逆転駆動す
るように構成してもよい。
【0087】
【発明の効果】本発明に係る後輪操舵装置は、制御手段
が故障した場合に、故障時対応回路によって操舵軸およ
びスライド部材を中立位置に戻し、後輪を確実に直進方
向に戻すことができる。そのため、後輪操舵装置は、故
障した制御手段によって後輪が誤って転舵されないの
で、フェイルセーフの信頼性がより向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る後輪操舵装置の全体構成図
である。
【図2】図1の後輪操舵装置の後輪操舵機構の分解斜視
図である。
【図3】図2に示すクラッチ機構の左機能ブロックの斜
視図である。
【図4】図1の後輪操舵装置の後輪操舵機構の要部の部
分断面図である。(電動モータが正転駆動し、操舵シャ
フト右方向移動時)
【図5】図1の後輪操舵装置の後輪操舵機構の要部の部
分断面図である。(操舵シャフト右方向移動後、電動モ
ータが逆転駆動時)
【図6】図2に示す左右中間部スライド筒の係止鈎によ
る作用を説明する図であり、(a)は後輪操舵機構の要
部の部分断面図であり、(b)は後輪操舵機構の係止鈎
部分を一部破断した部分正面図であり、(c)はケーシ
ング内から見た案内用溝である。
【図7】図1の後輪操舵装置の電子制御装置のブロック
構成図である。
【図8】図7の電子制御装置の故障時対応回路の論理回
路図である。
【図9】図7の電子制御装置の電動機駆動手段の回路図
である。
【符号の説明】
1・・・後輪操舵装置 4・・・電動モータ(電動機) 11・・・外部回転筒(ねじ部材) 11b・・・左ねじ部(ねじ部) 11c・・・右ねじ部(ねじ部) 12・・・左中間部スライド筒(スライド部材) 13・・・右中間部スライド筒(スライド部材) 30・・・操舵シャフト(操舵軸) 40・・・メインCPU(制御手段) 50・・・サブCPU(制御手段) 70・・・故障時対応回路 80・・・電動機駆動手段 80a・・・メインFET回路(ブリッジ回路) 82,83,84,85・・・メインFET(スイッチ
ング素子) WL・・・左後輪 WR・・・右後輪
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D032 CC33 CC35 DA02 DA06 DA23 DA64 DB03 DC09 DD10 DE14 EA06 EB08 EC22 GG01 3D033 CA03 CA04 CA13 CA15 CA20 CA22 CA32 3D034 CA10 CC09 CC15 CD04 CD11 CE05 CE13

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動機と、互いに逆ねじとなる一対のね
    じ部を有するねじ部材と、前記一対のねじ部に各々螺合
    し、逆ねじ作用により接離する一対のスライド部材と、
    一対の後輪を転舵させる操舵軸とを備え、前記電動機に
    よって前記ねじ部材を回転させ、一方の前記スライド部
    材と連結した前記操舵軸を一方の後輪側に移動させて後
    輪を操舵する後輪操舵装置であって、 前記電動機を制御する制御手段と、前記制御手段からの
    信号に基づいて、4個のスイッチング素子で構成したブ
    リッジ回路によって前記電動機を正転駆動または逆転駆
    動する電動機駆動手段とを備える後輪操舵装置におい
    て、 前記制御手段とは別に構成され、前記制御手段の故障時
    に、前記一対のスライド部材を接近させる方向に前記電
    動機を駆動するスイッチング素子に所定時間通電する故
    障時対応回路を備えることを特徴とする後輪操舵装置。
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