JP2001347962A - 後輪操舵装置 - Google Patents

後輪操舵装置

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JP2001347962A
JP2001347962A JP2000168821A JP2000168821A JP2001347962A JP 2001347962 A JP2001347962 A JP 2001347962A JP 2000168821 A JP2000168821 A JP 2000168821A JP 2000168821 A JP2000168821 A JP 2000168821A JP 2001347962 A JP2001347962 A JP 2001347962A
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JP2000168821A
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Hiroshi Furuumi
洋 古海
Kunio Shirakawa
邦雄 白川
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 後輪操舵装置における電動機駆動手段、特に
電界効果トランジスタの発熱を抑制し、電動機駆動手段
が非常な高温となる事態を防止する。 【解決手段】 CPU40は、電動機電流検出手段70
から供給される電動機電流IMに基づいて電動機温度を
推定する温度推定部48を備えている。また、温度検出
部48から供給される推定温度SOに基づいて、目標舵
角θrと第1実舵角θR1の偏差に対する電動機電流の
不感帯を設定する不感帯設定部49を備えている。不感
帯設定部49は、推定温度SOが高くなるほど、目標舵
角と実舵角の偏差に対する電動機電流の不感帯を大きく
設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の前輪の操舵
に伴って後輪を操舵する電動式の後輪操舵装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】車両の前輪の操舵に対応させて後輪を操
舵する後輪操舵装置を備える4輪操舵システムが知られ
ている。後輪操舵装置には、高速時安定性を向上させる
ために後輪を前輪と同じ方向に操舵する同位相操舵また
は/および小回り性を向上させるために後輪を前輪とは
逆方向に操舵する逆位相操舵を行なうものがある。後輪
操舵装置には、モータ等の電動機によって後輪を操舵す
る電動式の後輪操舵装置がある。
【0003】この後輪操舵装置は、前輪の舵角や車速等
の車両の走行状態から後輪の目標舵角を設定し、後輪の
実舵角が目標舵角になるように電動機駆動手段によって
電動機を駆動する。すると、後輪操舵装置では、この電
動機の駆動によって後輪ギヤボックスが駆動され、後輪
ギヤボックスに連結した操舵シャフトが車幅方向に移動
し、この操舵シャフトの移動に伴って後輪が左右に転舵
する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、たとえば後
輪操舵装置を装備した車両において、車庫入れするとき
など、頻繁に車両の向きを変える場合には、後輪操舵装
置も頻繁に作動することになる。このようなときに、前
記従来の後輪操舵装置において、電動機を駆動するため
に電動機に電流を長時間供給しつづけると、電動機駆動
手段における電界効果トランジスタが昇温し、高温とな
るという問題があった。そして、さらには電界効果トラ
ンジスタがオン故障するなどの問題があった。
【0005】そこで、本発明の課題は、後輪操舵装置に
おける電動機駆動手段、特に電界効果トランジスタの発
熱を抑制し、電動機駆動手段が高温となる事態を防止す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決した本発
明のうちの請求項1に係る発明は、後輪ギアボックスに
連結された電動機と、後輪の舵角を検出する実舵角セン
サと、車両の走行状態から前記後輪の目標舵角を決定し
前記実舵角と前記目標舵角の偏差に応じて前記電動機に
供給する電動機電流を決定し電動機駆動手段を介して前
記電動機に電動機電流を供給するように制御する制御手
段と、を備える後輪操舵装置において、前記制御手段
は、前記電動機駆動手段の温度を推定する温度推定部を
有するとともに、前記温度推定部によって推定された前
記電動機駆動手段の推定温度が高くなるほど前記偏差に
対する電動機電流の不感帯を大きく設定する不感帯設定
部を有することを特徴とする後輪操舵装置である。
【0007】請求項1に係る発明によれば、電動機駆動
手段の温度を温度推定部において推定し、電動機駆動手
段の推定温度が高くなるほど目標舵角と実舵角の偏差に
対する電動機電流の不感帯を大きくする。このため、電
動機駆動手段が高温になった場合には、電動機を長時間
連続して作動させることがなくなるので、電動機駆動手
段を冷却する時間を確保することができる。したがっ
て、電動機駆動手段、特に電界効果トランジスタが非常
に高温になる事態を防止することができる。
【0008】請求項2に係る発明は、前記車両の速度を
検出する車速センサを有し、前記制御手段は、前記推定
温度が所定温度以上であり、前記車速センサによって検
出された車速が所定速度以上である場合に、前記目標舵
角を中立位置に固定する制御を行なうことを特徴とする
請求項1に記載の後輪操舵装置である。
【0009】実舵角と目標舵角の偏差に対する電動機電
流の不感帯が大きい場合に後輪の舵角が変化するときに
は、その変化量が大きくなる。車両が高速で走行してい
るときにこのように後輪の舵角が大きく変化すると、ド
ライバが運転の際に違和感を覚えてしまい、具合が悪
い。そこで、請求項2に係る発明では、車両が所定の速
度以上となっているときには、目標舵角を一律的に中立
位置に固定する制御を行っている。このように、車両が
高速で走行しているとき、目標舵角を中立位置に固定す
ることにより、ドライバは違和感を覚えることなく運転
を続けることができる。
【0010】請求項3に係る発明は、前記車両の速度を
検出する車速センサを有し、前記制御手段は、前記推定
温度が第1所定温度以上であり、前記第1所定温度より
も高い第2所定温度未満となったときに、前記偏差に対
する電動機電流の不感帯が第1所定不感帯に設定され、
前記推定温度が前記第2所定温度以上となったときに、
前記車速センサで検出された車速が所定速度以上である
場合には、前記偏差に対する電動機電流の不感帯が第1
所定不感帯に設定され、前記推定温度が前記第2所定温
度以上となったときに、前記車速センサで検出された車
速が所定速度未満である場合には、前記偏差に対する電
動機電流の不感帯が、前記第1所定不感帯よりも大きい
第2所定不感帯が設定される制御を行なうことを特徴と
する請求項1に記載の後輪操舵装置である。
【0011】請求項2に係る発明のように、電動機電流
の推定温度が所定温度を超えたときに一律的に目標舵角
を中立位置に固定する制御を行なうと、ドライバが違和
感を覚えない範囲内でも後輪操舵を止めてしまうことに
なってしまい、後輪操舵の特性を無駄にしてしまうこと
になりかねない。そこで、請求項3に係る発明におい
て、電動機駆動手段の冷却効果は若干劣るものの、第1
所定不感帯をドライバが違和感を覚えない範囲、たとえ
ば2°程度に不感帯を設定する。また、第2所定不感帯
としては、ドライバが違和感を覚えてしまう可能性があ
るものの、電動機駆動手段を充分に冷却することができ
る範囲、たとえば2.5°程度に不感帯を設定する。ま
た、第1所定不感帯に設定されるための電動機駆動手段
の推定温度である第1所定温度を、たとえば110°に
設定し、第2所定不感帯に設定されるための電動機駆動
手段の推定温度を、たとえば120°に設定する。この
ような設定を行なうことにより、電動機駆動手段の冷却
を行なうことができるとともに、車両が走行していると
きに、可能な範囲において後輪操舵制御を行なうことが
できるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照しながら具体的に説明する。なお、本実施の形
態では、後輪操舵装置を一般的な4輪自動車に搭載し、
前輪操舵装置と共に4輪操舵システムを構成する。ま
た、「前」は自動車の進行方向であり、「後」は自動車
の後退方向である。また、「左右方向」は自動車の幅方
向であり、「左」は自動車の進行方向の左側であり、
「右」は自動車の進行方向の右側である。また、本実施
の形態では、「外」は自動車の幅方向の外側であり、
「内」は自動車の幅方向の中央側である。
【0013】まず、図1を参照して、本実施の形態に係
る後輪操舵装置1の全体構成について説明する。図1
は、本実施形態に係る後輪操舵装置の全体構成図であ
る。図1に示すように、後輪操舵装置1は、主として、
後輪操舵機構2、電子制御装置3、電動モータ4から構
成される。ここで、本実施の形態では、電子制御装置3
が特許請求の範囲に記載の制御手段に相当し、電動モー
タ4が特許請求の範囲に記載の電動機に相当する。
【0014】後輪操舵機構2は、一対の後輪WL,WR
を転舵させる後輪操舵装置1のメカニカルな部分であ
り、電子制御装置3により制御され、電動モータ4によ
って回転駆動力が加えられる。後輪操舵機構2は、精密
センサによる制御によらないで、中立位置(すなわち、
後輪WL,WRの直進方向)を機構的に位置決めできる
機構として構成される。そのために、後輪操舵機構2
は、電動モータ4の回転駆動力を直線駆動力に変換する
直線駆動機構10、転舵方向を選択するクラッチ機構2
0および後輪WL,WRを転舵させるために左右に従動
する操舵シャフト30からなる。本実施の形態では、直
線駆動機構10およびクラッチ機構20が、特許請求の
範囲に記載の後輪ギヤボックスに相当する。
【0015】後輪操舵機構2は、クラッチ機構20を点
対称な作動原理を採る2個の機能ブロックに分け、さら
に三重の同軸シリンダ構造のねじ式延縮機構である。つ
まり、後輪操舵機構2の直線駆動機構10は、電動モー
タ4に回転駆動される1個の外部回転筒11内で、一対
の中間部スライド筒12,13を左右方向(操舵シャフ
ト30の軸方向)に延縮させる。ちなみに、後輪WL,
WRを転舵させる場合には中間部スライド筒12,13
を外部回転筒11の左右外方に延び出して離間させ、後
輪WL,WRを直進方向に戻す場合には中間部スライド
筒12,13を外部回転筒11の内方に引き込み中立位
置で停止させる。さらに、後輪操舵機構2は、中間部ス
ライド筒12,13内にクラッチ機構20の左右の機能
ブロック20L,20R(図2参照)を各々配設し、ク
ラッチ機構20によって中間部スライド筒12,13の
いずれか一方を操舵シャフト30に連結させる。そし
て、後輪操舵機構2は、操舵シャフト30を右方向に移
動させて後輪WL,WRを左方向に転舵させ、あるいは
操舵シャフト30を左方向に移動させて後輪WL,WR
を右方向に転舵させる。なお、後輪操舵機構2は、図示
しないタイロッドおよびナックルアームを含む左右のリ
ンク機構31,32を介して操舵シャフト30の両端部
が後輪WL,WRに各々連結する。
【0016】電子制御装置3は、前輪操舵装置FSから
の前輪操舵情報SFや車速センサSPSからの車速信号
Vに基づいて、後輪WL,WRの目標舵角と転舵方向を
設定する。さらに、電子制御装置3は、設定した目標舵
角と転舵方向に応じて、後輪操舵機構2の左右の電磁ア
クチュエータ21,22を作動するためのソレノイド電
流ISおよび電動モータ4を回転駆動するための電動機
電圧VMを出力し、電磁アクチュエータ21,22およ
び電動モータ4を制御する。
【0017】電動モータ4は、減速機構4aを介して、
外部回転筒11を正回転または逆回転させる。ちなみ
に、外部回転筒11が正回転されると一対の中間部スラ
イド筒12,13が離間し、外部回転筒11が逆回転さ
れると一対の中間部スライド筒12,13が接近する。
電動モータ4は、直流モータであり、電動機電圧VMが
印加されると電動機電流IMが流れ、正転駆動または逆
転駆動する。なお、電動モータは、励磁方法の種類によ
って異なる駆動回路を用いれば、その他の異なる電動モ
ータを用いてもよい。
【0018】次に、図2乃至図6を参照して、後輪操舵
機構2について詳細に説明する。後輪操舵機構2は、直
線駆動機構10により電動モータ4の回転駆動力を直線
駆動力に変換する。そして、後輪操舵機構2は、クラッ
チ機構20の左機能ブロック20Lまたは右機能ブロッ
ク20Rのいずれか一方で直線駆動機構10と操舵シャ
フト30を連結し、直線駆動機構10の直線駆動力で操
舵シャフト30を従動する。なお、後輪操舵機構2は、
左機能ブロック20Lで連結した場合には操舵シャフト
30が左方向に移動し、後輪WL,WRを右方向に転舵
させる。他方、後輪操舵機構2は、右機能ブロック20
Rで連結した場合には操舵シャフト30が右方向に移動
し、後輪WL,WRを左方向に転舵させる。また、後輪
操舵機構2は、機構上の中立位置に戻すことによって、
後輪WL,WRを直進方向に戻す。
【0019】まず、図2を参照して、直線駆動機構10
について説明する。直線駆動機構10は、主として、外
部回転筒11と左右の中間部スライド筒12,13から
なる。
【0020】外部回転筒11は、外周面に、減速機構4
aの最終歯車4b(図4参照)に噛合する外歯歯車11
aが形成される。そして、外部回転筒11は、電動モー
タ4の駆動歯車からの回転駆動力が減速機構4aを介し
て外歯歯車11aに伝達され、回転する。なお、外部回
転筒11は、ケーシング(図示せず)内に回転自在に支
持される。
【0021】さらに、外部回転筒11は、内周面に、中
央部から左右に振り分けて互いに逆ねじとなる左ねじ部
11bと右ねじ部11cが螺刻される。そして、外部回
転筒11は、左右両側から一対の中間部スライド筒1
2,13が螺入される。なお、外部回転筒11と中間部
スライド筒12,13は、同軸となる。
【0022】中間部スライド筒12,13は、各外周面
の内端部から中央部に、左ねじ部11bまたは右ねじ部
11cに各々螺合するねじ部12a,13aが螺刻され
る。さらに、中間部スライド筒12,13は、各外周面
の外端部に摺動案内用の突起12b,13bが各々形成
されるとともに、各内周面の内端側に移動突起12c,
13cが操舵シャフト30に向けて各々形成される。こ
の突起12b,13bをケーシングに設けられた軸方向
の溝(図示せず)に係合させることによって、中間部ス
ライド筒12,13がケーシングに対して回転不能に支
持される。
【0023】そのため、外部回転筒11がケーシングに
対して回転すると、中間部スライド筒12,13は、外
部回転筒11に螺合するため、ケーシングに対して左右
軸方向に移動する。したがって、電動モータ4が正転駆
動すると、逆ねじ作用によって、中間部スライド筒1
2,13が外部回転筒11から左右外方に延び出して離
間する。なお、左右外方に延び出した場合、突起12
b,13bがケーシングの左右端部の各ストッパ(図示
せず)に各々当接し、中間部スライド筒12,13は最
外延出位置で停止する。ちなみに、中間部スライド筒1
2,13が最外延出位置を越えて延び出さないように、
ケーシング内での各部の取付位置および取付方向が予め
調節されている。他方、電動モータ4が逆転駆動する
と、逆ねじ作用によって、中間部スライド筒12,13
が外部回転筒11の内方に引き込まれ、機構上の中立位
置に戻る。
【0024】なお、中間部スライド筒12,13の一方
に、駆動ストロークセンサ14が設けられる(図1およ
び図4)。なお、本実施の形態では、左中間部スライド
筒12の突起12bの延出方向に、駆動ストロークセン
サ14が設けられる。駆動ストロークセンサ14は、両
中間部スライド筒12,13の軸方向の移動距離L2を
検出する。なお、この移動距離L2は、電子制御装置3
に入力され、電子制御装置3で後輪WL,WRの第2実
舵角θR2に変換される。
【0025】次に、図2および図3を参照して、クラッ
チ機構20について説明する。クラッチ機構20は、左
右機能ブロック20L,20Rを有し、中間部スライド
筒12,13に各々配設される。なお、左機能ブロック
20Lと右機能ブロック20Rは点対称で同一構成を有
するので、図3に示す左機能ブロック20Lの構成を代
表して説明する。左機能ブロック20Lは、左電磁アク
チュエータ21、左内部クラッチ筒23、左バネ機構2
5、案内用貫通溝26aおよび案内用溝26bからな
る。
【0026】左電磁アクチュエータ21は、ソレノイド
を内蔵し、左内部クラッチ筒23の外周部に配置され
る。左電磁アクチュエータ21は、ソレノイドに通電さ
れると可動ピン21aを突き出すアクチュエータであ
る。なお、電磁アクチュエータは、機構部での取付位置
や取付方向によって、回動作動に伴い可動ピンを揺動さ
せるものであってもよい。
【0027】左内部クラッチ筒23は、左中間部スライ
ド筒12に内接し、左中間部スライド筒12と同軸に摺
動回転する。左内部クラッチ筒23は、外周面の外端側
に、アーム状のクラッチレバー23aが突設される。ク
ラッチレバー23aは、左中間部スライド筒12に形成
された案内用貫通溝26aに突き出し、案内用貫通溝2
6aに沿って移動可能である。なお、案内用貫通溝26
aは、左中間部スライド筒12の外端部からL字状に内
周面から外周面に貫通して削設される。また、ケーシン
グにも同様に、案内用溝26bが形成される。そして、
左内部クラッチ筒23は、クラッチレバー23aが左バ
ネ機構25に付勢され、軸端部から見て反時計回り方向
に回転付勢される。なお、左バネ機構25は、例えば、
ねじりバネ等のバネである。
【0028】そのため、左機能ブロック20Lは、中間
部スライド筒12,13が中立位置の時に左電磁アクチ
ュエータ21に通電されると、可動ピン21aの先端部
が押し出され、左バネ機構25による回転付勢に抗して
クラッチレバー23aが案内用貫通溝26aおよび案内
用溝26bに沿って押し下げられる。すると、左機能ブ
ロック20Lは、クラッチレバー23aが案内用貫通溝
26aおよび案内用溝26bに導かれて、左内部クラッ
チ筒23が左中間部スライド筒12内で一定角度回転
(軸端部から見て時計回り方向に回転)する。つまり、
左内部クラッチ筒23は、クラッチレバー23aが案内
用貫通溝26aおよび案内用溝26bによって案内可能
な中間部スライド筒12,13が中立位置の時だけ回転
可能である。
【0029】さらに、左内部クラッチ筒23は、内周面
の外端部に、複数の内歯歯車状のクラッチ歯23c,・
・・23cが突設される。なお、クラッチ歯23c,・
・・23cは、所定ピッチで形成される。そして、操舵
シャフト30の外周面に、クラッチ歯23cと同数の外
歯歯車状の係合歯30a,・・・30aが突設される。
係合歯30a,・・・30aは、各クラッチ歯23c,
・・・23cに対向する位置に同様のピッチで形成され
る。そのため、クラッチ歯23cと係合歯30aは、各
係合歯30aと各クラッチ歯23cをスプライン結合さ
せると、各係合歯30aを各クラッチ歯23c,23c
間に形成される谷溝23e内に滑り込ませることができ
る配置である。したがって、左電磁アクチュエータ21
に通電し、クラッチレバー23aを押し下げて左内部ク
ラッチ筒23を回転させ、各クラッチ歯23cを各係合
歯30a,30a間に形成される谷溝30b内に滑り込
ませることができる。
【0030】なお、左右電磁アクチュエータ21,22
(図1参照)が通電されず非励磁の場合、左右機能ブロ
ック20L,20Rと操舵シャフト30がそれぞれ係合
(クラッチオン)状態にある。他方、左右電磁アクチュ
エータ21,22(図1参照)が通電されて励磁された
場合、左右機能ブロック20L,20Rと操舵シャフト
30が非係合(クラッチオフ)状態にある。なお、中間
部スライド筒12,13が中立位置以外の位置では、案
内用溝26b、27bにより内部クラッチ筒23,24
が元に戻らない(すなわち、回転不能)構造であるた
め、左右機能ブロック20L,20Rが作動しない。
【0031】また、各内部クラッチ筒23,24は、内
端部に、係止鈎23d、24dが設けられる。係止鈎2
3d、24dは、両内部クラッチ筒23,24が同時に
回転した時に互いに係止し合って左右移動を抑止するた
めに、内部クラッチ筒23,24の各内端から延び出し
て形成される。
【0032】次に、図2および図3を参照して、操舵シ
ャフト30について説明する。操舵シャフト30は、内
部クラッチ筒23,24内に挿入される。なお、操舵シ
ャフト30は、外部回転筒11、中間部スライド筒1
2,13および内部クラッチ筒23,24と同軸であ
る。さらに、操舵シャフト30は、図示しないタイロッ
ドおよびナックルアームを含む左右のリンク機構31,
32(図1参照)を介して両端部が左右の後輪WL,W
Rに各々連結する。そのため、後輪WL,WRは、キン
グピン(図示せず)を介して転舵可能となる。
【0033】また、操舵シャフト30は、外周面の一方
の軸端部に、ガイドピン30c,30cが突設される。
操舵シャフト30は、ガイドピン30c,30cがケー
シングに凹状に削設されたガイド(図示せず)に沿って
摺動し、左右軸方向に移動可能に軸支されるとともに、
ケーシングに対して回り止めされる。
【0034】なお、操舵シャフト30のガイドピン30
c、30cの延出方向に、操舵シャフト30の左右軸方
向への従動による移動距離を検出する操舵ストロークセ
ンサ33(図1、図4参照)が設けられる。操舵ストロ
ークセンサ33は、操舵シャフト30の左右移動方向と
移動距離L1を検出する。なお、この移動距離L1は、
電子制御装置3に入力され、電子制御装置3で後輪W
L,WRの第1実舵角θR1に変換される。
【0035】それでは、図4および図5を参照して、後
輪操舵機構2の動作について説明する。ここでは、動作
の一例として、操舵シャフト30を右方向に移動させて
後輪WL,WRを左方向に転舵し、転舵後、操舵シャフ
ト30を中立位置に戻して後輪WL,WRを直進方向に
戻す場合について説明する。
【0036】まず、左右中間部スライド筒12,13が
中立位置の時に、左電磁アクチュエータ21(図1参
照)が、通電されて励磁し、可動ピンによって左内部ク
ラッチ筒23のクラッチレバー23aを押し下げる(図
2参照)。すると、左内部クラッチ筒23が回転し、左
内部クラッチ筒23の各クラッチ歯23c(図2参照)
が操舵シャフト30の各谷溝30bと対向する位置に回
転する。そして、左機能ブロック20Lと操舵シャフト
30が非係合(クラッチオフ)状態になる。このとき、
右電磁アクチュエータ22は非励磁なので、右機能ブロ
ック20Rは、各係合歯30aを介して操舵シャフト3
0と係合する。その結果、操舵シャフト30が、右機能
ブロック20Rを介して右中間部スライド筒13と連結
し、右中間部スライド筒13に従動して右方向に移動可
能となる。
【0037】続いて、図4に示すように電動モータ4を
正回転させると、外部回転筒11が回転する。すると、
外部回転筒11のねじ部11b,11cと左右中間部ス
ライド筒12,13のねじ部12a、13aによる逆ね
じ作用により、左右中間部スライド筒12,13が外部
回転筒11の外方に延び出し離間する。このとき、左内
部クラッチ筒23の各クラッチ歯23cと操舵シャフト
30の各係合歯30aは係合しないが、右内部クラッチ
筒24の各クラッチ歯24cと操舵シャフト30の各係
合歯30aは係合している(図2参照)。そのため、操
舵シャフト30が、右内部クラッチ筒24を介して右中
間部スライド筒13に押しやられるため、右中間部スラ
イド筒13の延出に伴って右方向に従動する。さらに、
操舵シャフト30の右方向への移動(すなわち、右後輪
WR側への移動)に連動して、両後輪WL,WRが自動
車Aの直進方向に対して左方向に転舵する。
【0038】転舵後、図5に示すように電動モータ4を
逆回転させると、外部回転筒11が逆回転する。する
と、外部回転筒11のねじ部11b,11cと左右中間
部スライド筒12,13のねじ部12a、13aによる
逆ねじ作用により、左右中間部スライド筒12,13が
外部回転筒11の内方に引き込まれ接近する。このと
き、右中間部スライド筒13の移動突起13cが、左方
向に移動し、操舵シャフト30のセンタリング突起30
fに当接する。そして、移動突起13cの移動に伴って
センタリング突起30fが左方向に移動するため、右中
間部スライド筒13の引込に伴って操舵シャフト30が
左方向に従動する。さらに、操舵シャフト30の左方向
への移動(すなわち、左後輪WL側への移動)に連動し
て、両後輪WL,WRの転舵方向が左方向から直進方向
に変わる。そして、操舵シャフト30および左右中間部
スライド筒12,13が中立位置となり、両後輪WL,
WRの転舵方向が直進方向に戻される。
【0039】なお、後輪操舵を行なう場合、電子制御装
置3は、駆動ストロークセンサ14によって左右中間部
スライド筒12,13および操舵ストロークセンサ33
によって操舵シャフト30を監視しながら、前輪の操舵
状況を前提条件として左右電磁アクチュエータ21,2
2および電動モータ4を制御する。そして、後輪操舵装
置1は、前輪操舵に協働させて後輪WL,WRを左方向
または右方向に転舵したり、直進方向に戻して、自動車
Aの姿勢制御をアシストする後輪操舵を実現している。
【0040】次に、図6を参照して、左右内部クラッチ
筒23,24の係止鈎23d,24dによる作用につい
て説明する。なお、ケーシングの各案内用溝26b,2
7bの中央縦部26c、27cの長さは、左右中間部ス
ライド筒12,13の各案内用貫通溝26a、27aの
中央縦部26d,27dより短く形成してある。これ
は、左右内部クラッチ筒23,24の各クラッチレバー
23a,24aが案内用貫通溝26a、27aから外れ
落ちないようにするためである。
【0041】左右電磁アクチュエータ21,22のいず
れか一方が作動すると、作動した側の内部クラッチ筒2
3または24が回転する。このとき、左右内部クラッチ
筒23,24の係止鈎23d,24dは、相対的に接近
するが、互いに係止し合う位置までは接近しない。
【0042】しかし、両電磁アクチュエータ21,22
が作動して両内部クラッチ筒23,24が同時に回転す
ると、係止鈎23d,24dは、互いに係止し合う位置
まで移動することができる。そして、係止鈎23d,2
4d同士が係止し合うと両電磁アクチュエータ21,2
2の同時作動による誤った後輪操舵とみなし、両内部ク
ラッチ筒23,24が係止鈎23d,24dの係止によ
って外方に延び出さない構造となっている。したがっ
て、両電磁アクチュエータ21,22が同時に作動した
場合には、後輪WL,WRは操舵されずに直進方向が維
持される。
【0043】それでは、図7を参照して、電子制御装置
3について説明する。電子制御装置3は、CPU[Ce
ntral Processing Unit]40、
ソレノイド通電手段50、電動機駆動手段60および電
動機電流検出手段70等から構成される。電子制御装置
3は、CPU40が前輪操舵装置FSからの前輪操舵情
報SFおよび車速センサSPSからの車速信号V等に基
づいて目標舵角θrと操舵方向Drを設定する。そし
て、電子制御装置3では、CPU40が、目標舵角θr
と操舵方向Drに基づいて、電動モータ4への制御と左
右電磁アクチュエータ21,22への制御を行なう。
【0044】まず、図7を参照して、CPU40につい
て説明する。CPU40は、目標舵角設定部41、転舵
方向設定部42、減算器43、PID演算部44、駆動
制御部45、第1実舵角計測部46、第2実舵角計測部
47、温度推定部48、および不感帯設定部49等から
なる。CPU40は、電動モータ4を制御するために電
動機駆動手段60のFETのブリッジ回路に対してPW
M制御を行なうとともに、左右電磁アクチュエータ2
1,22の制御を行なう。そのために、CPU40は、
電動機駆動手段60に電動機制御信号SCを出力すると
ともに、転舵方向Drの情報を内蔵レジスタに設定す
る。
【0045】目標舵角設定部41は、前輪操舵装置FS
からの前輪操舵情報SFと車速センサSPSからの車速
信号Vおよび第1実舵角計測部46からの第1実舵角θ
R1が入力され、後輪WL,WRの目標舵角θrと操舵
方向Drおよび制御モードを設定する。目標舵角設定部
41は、前輪操舵情報SFに含まれる前輪舵角および車
速信号Vに基づいて、後輪WL,WRの目標舵角θrを
設定する。さらに、目標舵角設定部41は、目標舵角θ
r、前輪の操舵方向および第1実舵角θR1に基づい
て、操舵方向Drおよび制御モードを設定する。ちなみ
に、第1実舵角θR1は、正負の値であり、この符号に
よって後輪WL,WRの実際の操舵方向の情報も含む。
【0046】車速センサSPSは、自動車Aの車速を検
出する。なお、車速センサSPSは、後輪操舵装置1の
専用センサであってもよいし、他のシステムの車速セン
サを利用してもよい。車速センサSPSの車速信号Vは
単位時間当たりのパルス数であり、CPU40は、この
パルス数から車速を演算する。
【0047】転舵方向設定部42は、目標舵角設定部4
1で設定した転舵方向Drを内蔵レジスタに設定する。
【0048】減算器43は、目標舵角設定部41で設定
した目標舵角θrから第1実舵角計測部46で演算され
た第1実舵角θR1を減算し、実際に後輪WL,WRを
転舵させる角度である舵角偏差Δθrを演算する。
【0049】PID演算部44は、減算器43で演算さ
れた舵角偏差Δθrからその比例項、積分項および微分
項を演算する。なお、これら比例項等のパラメ−タは、
舵角偏差Δθrに基づく値である。また、各種の演算係
数は、後輪操舵機構2の構造特性に基づいて決まる値で
あり、予め作動試験等で求めた統計上の平均値等を用い
てもよい。
【0050】駆動制御部45には、目標舵角設定部41
からの転舵方向Dr、PID演算部44からの舵角偏差
Δθrの比例項、積分項と微分項、第1実舵角計測部4
6からの第1実舵角θR1、第2実舵角計測部47から
の第2実舵角θR2、不感帯設定部49からの出力停止
信号SS、および電動機電流検出手段70からの電動機
電流信号IMOが入力され、電動機駆動手段60に電動
機制御信号SCを出力する。そのために、駆動制御部4
5は、PWM信号生成部(図示せず)および論理回路4
5a等を備える(図8参照)。まず、駆動制御部45
は、PID演算部44で演算した舵角偏差Δθrの比例
項、積分項および微分項に基づいて、舵角偏差Δθrの
大きさに応じた電動モータ4に流す目標電動機電流を設
定する。そして、駆動制御部45は、この目標電動機電
流、舵角偏差Δθr、電動機電流信号IMOおよび転舵
方向Drに基づいて、PWM[Pulse Width
Modulation]信号VPWM、オン信号VO
Nおよびオフ信号VOFを生成する。そして、駆動制御
部45は、電動モータ4の駆動を停止するか否かを判定
するために、論理回路45aでPWM信号VPWM、オ
ン信号VONおよびオフ信号VOFと出力停止信号SS
とを論理判定する。論理判定後、駆動制御部45は、電
動機制御信号SCを電動機駆動手段60に出力する。な
お、電動機制御信号SCは、論理判定されたPWM信号
VPWM、オン信号VONおよびオフ信号VOFで構成
され、電動機駆動手段60のブリッジ回路60aを制御
する信号である(図9参照)。具体的には、ブリッジ回
路60aのFET62,64にはPWM信号VPWMま
たはオフ信号VOFが設定され、FET63,65には
オン信号VONまたはオフ信号VOFが設定される。な
お、駆動制御部45は、第1実舵角θR1、第2実舵角
θR2および電動機電流信号IMO等を使用して後輪W
L,WRの中立位置判定を行なう。
【0051】ここで、図8を参照して、駆動制御部45
の論理回路45aを説明する。論理回路45aは、PW
M信号生成部で生成されたPWM信号VPWM、オン信
号VONおよびオフ信号VOFと不感帯設定部49から
の出力停止信号SSが入力され、電動機制御信号SCを
出力する。そのために、論理回路45aは、NOT回路
45b,45c,45d,45eとAND回路45f,
45g,45h,45iを備える。各NOT回路45
b,45c,45d,45eは、不感帯設定部49から
の出力停止信号SSが入力され、AND回路45f,4
5g,45h,45iに出力停止信号SSの論理レベル
を反転出力する。AND回路45f,45g,45h,
45iは、各NOT回路45b,45c,45d,45
eの出力とPWM信号VPWM、オン信号VONまたは
オフ信号VOFが入力され、FET62,63,64,
65の各ゲートG1,G2,G3,G4に論理判定後の
電動機制御信号SCを出力する。各AND回路45f,
45g,45h,45iは、全NOT回路45b,45
c,45d,45eの出力が0の場合(すなわち、出力
停止信号SSの論理レベル1で電動モータ4の駆動を停
止する場合)には、全て論理レベル0(オフ信号VO
F)を出力する。他方、各AND回路45f,45g,
45h,45iは、全NOT回路45b,45c,45
d,45eの出力が1の場合(すなわち、出力停止信号
SSの論理レベル0で電動モータ4の駆動を停止しない
場合)には、入力されたPWM信号VPWM、オン信号
VONまたはオフ信号VOFをそのまま出力する。
【0052】そして、電動モータ4の駆動を停止しない
場合、駆動制御部45は、PWM信号VPWMを電動機
駆動手段60のFET62のゲートG1またはFET6
4のゲートG3に出力し、FET62またはFET64
をPWM駆動する。なお、PWM信号VPWMをゲート
G1かゲートG3のどちらのゲートに出力するかは、転
舵方向Drおよび舵角偏差Δθrによって決まる。つま
り、駆動制御部45は、転舵方向Drと舵角偏差Δθr
に基づいて、後輪WL,WRの舵角を大きくするか小さ
くするのかを判断する。そして、駆動制御部45は、舵
角を大きくする場合には電動モータ4を正転駆動(すな
わち、中間部スライド筒12,13を離間)するために
ゲートG1にPWM信号VPWMを出力し、舵角を小さ
くする場合には電動モータ4を逆転駆動(すなわち、中
間部スライド筒12,13を接近)するためにゲートG
3にPWM信号VPWMを出力する。さらに、駆動制御
部45は、ゲートG1にPWM信号VPWMを出力する
場合には、FET63のゲートG2にオン信号VONを
出力し、FET63をオン駆動する。他方、駆動制御部
45は、ゲートG3にPWM信号VPWMを出力する場
合には、FET65のゲートG4にオン信号VONを出
力し、FET65をオン駆動する。また、駆動制御部4
5は、ゲートG1またはゲートG3のうちPWM信号V
PWMを出力しないゲートにはオフ信号VOFを出力
し、FET62またはFET64をオフする。そして、
駆動制御部45は、FET62をオフする場合にはFE
T63のゲートG2にオフ信号VOFを出力してFET
63をオフし、FET64をオフする場合にはFET6
5のゲートG4にオフ信号VOFを出力してFET65
をオフする。その結果、電動モータ4の正転駆動または
逆転駆動によって後輪操舵機構2の操舵シャフト30が
左右軸方向に移動または中立位置に戻り、後輪WL,W
Rが左方向、右方向転舵または直進方向となる。
【0053】他方、電動モータ4の駆動を停止する場
合、駆動制御部45は、オフ信号VOFを電動機駆動手
段60の全ゲートG1,G2,G3,G4に出力し、全
FET62、63,64,65をオフする。その結果、
電動モータ4には電動機電圧VMの印加が停止され(電
動機電流IMの出力が停止され)、電動モータ4の駆動
が停止される。さらに、電動モータ4の駆動停止によっ
て後輪操舵機構2の操舵シャフト30の移動が停止し、
後輪WL,WRの転舵が停止する。
【0054】第1実舵角計測部46は、操舵ストローク
センサ33からの移動距離L1が入力され、この移動距
離L1を後輪WL,WRの実際の舵角である第1実舵角
θR1に変換する。なお、操舵ストロークセンサ33は
操舵シャフト30の移動方向を検出できるので、第1実
舵角θR1は、操舵シャフト30の中立位置から左方向
への移動距離(すなわち、後輪WL,WRの右方向転
舵)を正値とし、右方向への移動距離(すなわち、後輪
WL,WRの左方向転舵)を負値とする。
【0055】第2実舵角計測部47は、駆動ストローク
センサ14からの移動距離L2が入力され、この移動距
離L2を後輪WL,WRの実際の舵角である第2実舵角
θR2に変換する。なお、駆動ストロークセンサ14は
移動した方向を検出することができないので、第2実舵
角θR2は、操舵シャフト30の移動方向(すなわち、
後輪WL,WRの転舵方向)に関係なく設定され、正値
とする。
【0056】なお、駆動ストロークセンサ14は、移動
方向を検出することができないが、操舵ストロークセン
サ33に比較して移動距離の検出精度が高い。そのた
め、第2実舵角θR2は、後輪WL,WRの転舵方向の
情報を含まないが、後輪WL,WRの実舵角としては第
1実舵角θR1より高精度である。
【0057】温度推定部48は、電動機電流検出手段7
0からの電動機電流信号IMOが入力され、この電動機
電流信号IMOに基づいて、電動機駆動手段60の温度
を推定する。電動機駆動手段60は、電動モータ4に対
して電流を供給するが、電動モータ4に供給される電流
の電流値の単位時間あたりの平均値と電動機駆動手段6
0の温度変化量は、図10に示すグラフのようにほぼ比
例関係にある。そして、たとえば5Aの電流が流れた場
合にほぼ一定の温度に保たれるが、5A未満のときには
温度が低下し、5Aを超えると電流に比例して温度も上
昇していく。この関係を利用して、温度推定部48で
は、電動機電流検出手段70からの電動機電流信号IM
Oの単位時間あたりの平均値を図10に示すグラフに参
照して温度変化量を求め、電動機駆動手段60の推定温
度SOを生成する。そして、この推定温度SOを不感帯
設定部49に出力する。なお、推定温度SOの初期値は
70℃位に設定しておく。
【0058】不感帯設定部49には、温度推定部48か
らの推定温度SOが入力されるとともに、第1実舵角計
測部46からの第1実舵角θR1、車速センサSPSか
らの車速信号V、および目標舵角設定部41からの目標
舵角θrが入力される。不感帯設定部49では、推定温
度SOおよび車速信号Vに基づいて、電動モータ4に流
す電動機電流の不感帯を設定する。ここで、推定温度S
Oが高くなるほど不感帯を大きく設定するが、不感帯を
設定する手順については、後にフローチャートに沿って
電動機電流の制御を説明する際に具体的に説明する。不
感帯が設定されたら、第1実舵角θR1と目標舵角θr
の偏差を求め、この偏差が不感帯領域にあるか否かを判
断する。その結果、不感帯領域にある場合には、駆動制
御部45に対して出力停止信号SSを出力して、電動機
制御部45から電動機駆動手段60に対して電動機制御
信号SCが発しないようにする。また、第1実舵角θR
1と目標舵角θrの偏差が不感帯領域から外れた場合に
は、駆動制御部45には電流供給停止信号SSを出力す
ることはなく、駆動制御部45によって算出された電動
機電流が電動機駆動手段60から電動モータ4に供給さ
れる。
【0059】ソレノイド通電手段50は、転舵方向設定
部42が内蔵レジスタに設定した転舵方向Drに基づい
て、左右電磁アクチュエータ21,22のソレノイドの
一方を選択し、選択したソレノイドのコイルにソレノイ
ド電流ISを供給する。そして、ソレノイド通電手段5
0は、左右電磁アクチュエータ21,22の可動ピンを
作動させる。なお、ソレノイド通電手段50がソレノイ
ド電流ISを供給するのは、操舵シャフト30が機構上
の中立位置近傍にある時のみである。そのために、転舵
方向設定部42に第1実舵角θR1を導入して、中立位
置を判定している。
【0060】次に、図9を参照して、電動機駆動手段6
0について説明する。電動機駆動手段60は、ブリッジ
回路60aを備える。ブリッジ回路60aは、CPU4
0に制御される。そのため、ブリッジ回路60aは、C
PU40から出力される電動機制御信号SCが入力され
る。そして、ブリッジ回路60aは、電動機制御信号S
Cに基づいて電動機電圧VMを電動モータ4に印加し、
電動モータ4を正転駆動または逆転駆動する。
【0061】ブリッジ回路60aは、電界効果トランジ
スタであるFET62,63,64,65で構成され
る。ブリッジ回路60aは、電源電圧61とグランド6
6間に4個のFET62,63,64,65でブリッジ
回路が構成され、電源電圧61から12Vの電圧が供給
される。さらに、ブリッジ回路60aは、電動モータ4
がFET62とFET63の間に直列にかつFET64
とFET65の間に直列に接続される。FET62,6
3は、電動モータ4を正転駆動するための正転用のFE
Tであり、両方がオンした時に電動モータ4が正転駆動
する。また、FET64,65は、電動モータ4を逆転
駆動するための逆転用のFETであり、両方がオンした
時に電動モータ4が逆転駆動する。
【0062】そして、電動モータ4を正転駆動する場
合、ブリッジ回路60aは、上段正転用FET62のゲ
ートG1にPWM信号VPWM、下段正転用FET63
のゲートG2にオン信号VONおよび逆転用FET6
4,65の各ゲートG3,G4にオフ信号VOFが各々
入力され、電動モータ4を正転駆動するための電動機電
圧VMを印加する。他方、電動モータ4を逆転駆動する
場合、ブリッジ回路60aは、上段逆転用FET64の
ゲートG3にPWM信号VPWM、下段逆転用FET6
5のゲートG4にオン信号VONおよび正転用FET6
2,63の各ゲートG1,G2にオフ信号VOFが各々
入力され、電動モータ4を逆転駆動するための電動機電
圧VMを印加する。
【0063】電動機電流検出手段70は、電動モータ4
に対して直列に接続された抵抗またはホール素子などを
備え、電動モータ4に実際に流れる電動機電流IMの大
きさと方向を検出する。そして、電動機電流検出手段7
0は、電動機電流IMに対応した電動機電流信号IMO
をCPU40にフィードバック(負帰還)する。
【0064】それでは、図11に示すフローチャートに
沿って、第1の電動機電流の制御手順について説明す
る。なお、必要に応じて図1、図7等を適宜参照する。
図7に示すCPU40における温度推定部48には、電
動機電流検出手段70から電動機電流信号IMOが入力
され、推定温度SOの処理が開始する(S0)。温度推
定部48においては、入力した電動機電流信号IMOを
図10に示すグラフに参照して、電動モータ4の推定温
度SOを導き出し、この推定温度SOを不感帯設定部4
9に出力する。不感帯設定部49では、入力した推定温
度SOが100℃以上となっているか否かを判断する
(S1)。その結果、推定温度SOが100℃以上とな
っている場合には、推定温度SOが110℃以上となっ
ているか否かを判断する(S2)。一方、ステップS1
において推定温度SOが100℃未満のときにはステッ
プS15に進む。
【0065】ステップS2で推定温度SOが110℃以
上であると判断された場合には、車速センサSPSから
出力された車速信号Vに基づいて車速が10km/h以上と
なっているか否かを判断する(S3)。一方、ステップ
S2で推定温度SOが110℃未満であると判断された
場合には、電動モータ4に流す電流の不感帯が第1不感
帯、たとえば2°となるように第1不感帯領域を設定す
る(S4)。この不感帯領域は、図12に示すように、
電動機電流が流れない領域を示し、第1実舵角計測部4
6より出力される第1実舵角θR1と目標舵角設定部4
1より出力される目標舵角θrの偏差があっても電動機
電流を供給しない範囲を示すものである。したがって、
第1不感帯領域としては、0°〜2°の範囲が設定され
る。
【0066】不感帯領域が第1不感帯領域に設定された
ら、第1実舵角θR1と目標舵角θrの偏差が第1不感
帯領域内にあるか否かを判断する(S5)。その結果、
第1実舵角θR1と目標舵角θrの偏差の絶対値が第1
不感帯領域内にある場合には、デューティ出力を0%に
する(S6)。具体的には、不感帯設定部49から駆動
制御部45に対して出力停止信号SSを出力して電動機
駆動手段60に対して、電動モータ4を停止させる電動
機制御信号SCを出力する。デューティ出力を0%に設
定したら、ステップS15に進む。また、ステップS5
で第1実舵角θR1と目標舵角θrの偏差の絶対値が第
1不感帯領域内にないと判断された場合にも、ステップ
S15に進む。
【0067】また、ステップS3において、車速が10
km/h未満であると判断された場合には、推定温度SOが
120℃以上であるか否かを判断する(S7)。その結
果、推定温度SOが120℃未満であると判断された場
合には、電動モータ4に流す電流の不感帯が第2不感
帯、たとえば2.5°となるように第2不感帯領域を設
定する(S8)。したがって、第2不感帯領域は、0°
〜2.5°の範囲となる。
【0068】不感帯領域を第2不感帯領域に設定した
ら、第1実舵角θR1と目標舵角θrの偏差が第2不感
帯領域内にあるか否かを判断する(S9)。その結果、
第1実舵角θR1と目標舵角θrの偏差の絶対値が第2
不感帯領域内にある場合には、デューティ出力を0%に
する(S10)。デューティ出力を0%にする手順は、
前記の場合と同様である。デューティ出力を0%に設定
したら、ステップS15に進む。
【0069】一方、ステップS7において、推定温度S
Oが120℃以上であると判断された場合には、電動モ
ータ4に流す電流の不感帯が第3不感帯、たとえば3.
3°となるように第3不感帯領域を設定する(S1
1)。したがって、第3不感帯領域は、0°から3.3
°の範囲となる。ここで、第1不感帯から第3不感帯を
比較すれば判るように、不感帯を設定するにあたり、電
動機の推定温度が高いほど不感帯は大きくなるように設
定される。
【0070】不感帯領域を第3不感帯領域に設定した
ら、第1実舵角θR1と目標舵角θrの偏差が第3不感
帯領域内にあるか否かを判断する(S12)。その結
果、第1実舵角θR1と目標舵角θrの偏差の絶対値が
第3不感帯領域内にある場合には、デューティ出力を0
%にする(S13)。デューティ出力を0%にする手順
は、前記の場合と同様である。デューティ出力を0%に
設定したら、ステップS15に進む。
【0071】さらに、ステップS3において、車速が1
0km/h以上であると判断された場合には、中立フラグを
立てて目標舵角θrを中立に戻す(S14)。ここで、
不感帯が大きい場合、後輪WL,WRの舵角が変化する
ときには、その変化量が大きくなってしまう。自動車A
が高速で走行しているときにこのように後輪WL,WR
の舵角が大きく変化すると、ドライバが運転の際に違和
感を覚えてしまい、具合が悪い。かかる観点より、車速
10km/hが以上である場合には、中立フラグを立てて目
標舵角θrを一律的に中立位置に戻し、その状態で固定
して電動機を駆動しないように制御するのである。目標
舵角θrを中立に戻すようにしたらステップS15に進
む。
【0072】その後、車速センサSPSから出力された
車速信号Vに基づいて車速が10km/h未満になっている
か否かを判断する(S15)。ここで、車速が10km/h
未満となっている場合には、中立フラグをクリアして
(S16)、通常の制御に戻る。一方、車速が10km/h
以上の場合には、中立フラグのクリアを行なわず、この
ときに中立フラグが立っていればそのまま目標舵角θr
を中立位置に固定するようにしておく。なお、ステップ
S6,S10,S13,S14を通過しない場合には通
常の舵角制御が行なわれる。こうして、電動機電流の制
御が終了する(S17)。
【0073】次に、図13に示すフローチャートに沿っ
て、第2の電動機電流の制御手順について説明する。な
お、必要に応じて図1、図7等を適宜参照する。図7に
示すCPU40における温度推定部48には、電動機電
流検出手段70から電動機電流信号IMOが入力され、
推定温度SOの処理が開始する(S20)。温度推定部
48においては、入力した電動機電流信号IMOを図1
0に示すグラフに参照して、電動モータ4の推定温度S
Oを導き出し、この推定温度SOを不感帯設定部49に
出力する。不感帯設定部49では、入力した推定温度S
Oが100℃以上となっているか否かを判断する(S2
1)。その結果、推定温度SOが100℃以上となって
いる場合には、推定温度SOが110℃以上となってい
るか否かを判断する(S22)。一方、ステップS21
において推定温度SOが100℃未満のときにはそのま
ま制御を終了する(S34)。
【0074】ステップS22で推定温度SOが110℃
以上であると判断された場合には、車速センサSPSか
ら出力された車速信号Vに基づいて車速が10km/h以上
となっているか否かを判断する(S23)。一方、ステ
ップS22で推定温度SOが110℃未満であると判断
された場合には、電動モータ4に流す電流の不感帯が第
1不感帯、たとえば2°となるように第1不感帯領域を
設定する(S24)。したがって、第1不感帯領域は、
0°〜2°の範囲となる。
【0075】不感帯領域が第1不感帯領域に設定された
ら、第1実舵角θR1と目標舵角θrの偏差が第1不感
帯領域内にあるか否かを判断する(S25)。その結
果、第1実舵角θR1と目標舵角θrの偏差の絶対値が
第1不感帯領域内にある場合には、デューティ出力を0
%にする(S26)。具体的には、不感帯設定部49か
ら駆動制御部45に対して出力停止信号SSを出力して
電動機駆動手段60に対して、電動モータ4を停止させ
る電動機制御信号SCを出力する。デューティ出力を0
%に設定したら、制御が終了する(S34)。ステップ
S25で第1実舵角θR1と目標舵角θrの偏差の絶対
値が第1不感帯領域内にないと判断された場合にも、同
様に制御が終了する(S34)。
【0076】また、ステップS23において、車速が1
0km/h未満であると判断された場合には、推定温度SO
が120℃以上であるか否かを判断する(S27)。そ
の結果、推定温度SOが120℃未満であると判断され
た場合には、電動モータ4に流す電流の不感帯が第2の
不感帯、たとえば2.5°となるように第2不感帯領域
を設定する(S28)。したがって、第2不感帯領域
は、0°から2.5°の範囲となる。
【0077】不感帯領域を第2不感帯領域に設定した
ら、第1実舵角θR1と目標舵角θrの偏差が第2不感
帯領域内にあるか否かを判断する(S29)。その結
果、第1実舵角θR1と目標舵角θrの偏差の絶対値が
第2不感帯領域内にある場合には、デューティ出力を0
%にする(S30)。デューティ出力を0%にする手順
は、前記の場合と同様である。デューティ出力を0%に
設定したら、制御が終了する(S34)。
【0078】一方、ステップS27において、推定温度
SOが120℃以上であると判断された場合には、電動
モータ4に流す電流の不感帯が第3の不感帯、たとえば
3.3°となるように第3不感帯領域を設定する(S3
1)。したがって第3不感帯領域は、0°〜3.3°の
範囲となる。第1不感帯領域から第3不感帯領域を比較
すれば判るように、不感帯を設定するにあたり、電動機
の推定温度が高いほど不感帯は大きくなるように設定さ
れている。
【0079】不感帯領域を第3不感帯領域に設定した
ら、第1実舵角θR1と目標舵角θrの偏差が第3不感
帯領域内にあるか否かを判断する(S32)。その結
果、第1実舵角θR1と目標舵角θrの偏差の絶対値が
第3不感帯領域内にある場合には、デューティ出力を0
%にする(S33)。デューティ出力を0%にする手順
は、前記の場合と同様である。デューティ出力を0%に
設定したら、制御が終了する(S34)。
【0080】さらに、ステップS23において、車速が
10km/h以上であると判断された場合には、不感帯領域
を第1不感帯領域に設定する(S24)。前記第1の制
御では、目標舵角を一律に中立に戻す制御を行ってい
た。自動車が高速で走行しているときには、不感帯を大
きく設定した場合には、ドライバに与える違和感が大き
くなる。ところが、不感帯が2°程度の範囲内であれ
ば、さほど大きな違和感を与えることもないので、後輪
操舵の特性を活かす方が望ましい。しかも、走行時に
は、路面反力も小さいので、電動モータ4に供給する電
流も小さくて済む。そこで、第2の電動機制御では、車
速が10km/h以上であると判断された場合には不感帯領
域が第1不感帯領域となるように制御するものである
(S24)。不感帯領域が第1不感帯領域とされたら、
前記と同様にしてステップS25およびステップS26
を経て制御が終了する(S34)。なお、本実施形態に
おいても、ステップS26,S30,S33を通過しな
い場合には、通常の舵角制御が行なわれる。
【0081】なお、本実施形態における後輪操舵機構2
は中立復帰スプリングを有さず、またねじ部の逆効率が
0のため電動モータ4の駆動を停止すると、後輪操舵機
構2はその位置に固定される。したがって、後輪操舵装
置のようにその位置を保持するために電動モータ4を駆
動する必要がないので、より一層電動機駆動手段60の
発熱を防止することができる。
【0082】以上、本発明の好適な実施形態について説
明したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるもの
ではない。たとえば、電動モータ4の駆動を停止させる
場合、FET62〜65を全てオフにして電動モータ4
への電動機電圧VMの印加を停止したが、ブリッジ回路
60aと電源電圧61との間にリレー回路等を設け、こ
のリレー回路によってブリッジ回路60aに+12vの
供給を停止するようにしてもよい。
【0083】また、後輪操舵機構2をねじ部材(外部回
転筒)と操舵軸(操舵シャフト)を同軸上に構成した
が、ねじ部材と操舵軸を並行に構成する等の他の後輪操
舵機構でもよい。さらに、電動機電流のみから電動機温
度を推定してたが、たとえば電動機駆動手段の周囲に周
囲温度センサを配設し、周囲温度センサで検出された電
動機駆動手段の周囲温度と電動機電流の値から電動機温
度を推定する態様とすることもできる。
【0084】
【発明の効果】以上の説明のとおり、本発明のうちの請
求項1に係る発明によれば、電動機駆動手段が高温にな
った場合には、電動機を長時間作動させることがなくな
るので、電動機駆動手段を冷却する時間を確保すること
ができる。したがって、電動機駆動手段、特に電界効果
コンデンサが高温になる事態を防止することができる。
【0085】また、請求項2に係る発明によれば、車両
が走行しているとき、目標舵角を中立に戻すことによ
り、ドライバは違和感を覚えることなく運転を続けるこ
とができる。
【0086】さらに、請求項3に係る発明によれば、電
動機駆動手段の冷却を行なうことができるとともに、車
両が走行しているときに、可能な範囲において後輪操舵
制御を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る後輪操舵装置の全体構成図で
ある。
【図2】図1の後輪操舵装置の後輪操舵機構の分解斜視
図である。
【図3】図2に示すクラッチ機構の左機能ブロックの斜
視図である。
【図4】図1の後輪操舵装置の後輪操舵機構の要部の部
分断面図である(電動モータが正転駆動し、操舵シャフ
ト右方向移動時)。
【図5】図1の後輪操舵装置の後輪操舵機構の要部の部
分断面図である(操舵シャフト右方向移動後、電動モー
タが逆転駆動時)。
【図6】図2に示す左右中間部スライド筒の係止鈎によ
る作用を説明する図であり、(a)は後輪操舵機構の要
部の部分断面図であり、(b)は後輪操舵機構の係止鈎
部分を一部破断した部分正面図であり、(c)はケーシ
ング内から見た案内用溝である。
【図7】図1の後輪操舵装置の電子制御装置のブロック
構成図である。
【図8】図7のCPUの駆動制御部の論理回路図であ
る。
【図9】図7の電動機駆動手段の回路図である。
【図10】電動機電流と推定温度の関係を概略的に示す
グラフである。
【図11】本実施の形態に係る第1の電動機の制御のフ
ローチャートである。
【図12】偏差に応じて設定する電動機に供給する電動
機電流の不感帯を説明するグラフである。
【図13】本実施の形態に係る第2の電動機の制御のフ
ローチャートである。
【符号の説明】
1・・・後輪操舵装置 2・・・後輪操舵機構 3・・・電子制御装置(制御手段) 4・・・電動モータ(電動機) 10・・・直線駆動機構(後輪ギヤボックス) 20・・・クラッチ機構(後輪ギヤボックス) 30・・・操舵シャフト 33・・・操舵ストロークセンサ(実舵角センサ) 40・・・CPU 45・・・駆動制御部 48・・・温度推定部 49・・・不感帯設定部 60・・・電動機駆動手段 70・・・電動機電流検出手段 SPS・・車速センサ θr・・・目標舵角 θR1・・第1実舵角 IM・・・電動機電流
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02P 7/06 H02P 7/06 G // B62D 101:00 B62D 101:00 107:00 107:00 113:00 113:00 Fターム(参考) 3D032 DA02 DA06 DA23 DA64 DA67 DC33 EB06 EC23 GG01 3D034 CA10 CC09 CD04 CD12 CE13 5H004 GA29 GA37 GB12 HA07 HB01 HB07 HB08 HB14 KA22 KA44 KA45 KB01 5H303 AA13 BB02 BB14 CC10 DD01 FF04 JJ01 KK02 KK03 KK04 KK10 KK11 LL03 MM08 5H571 AA03 BB07 EE02 FF09 HA09 JJ03 JJ04 JJ08 JJ22 JJ23 JJ24 LL01 LL22 LL34 LL50 MM06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後輪ギアボックスに連結された電動機
    と、後輪の舵角を検出する実舵角センサと、車両の走行
    状態から前記後輪の目標舵角を決定し前記実舵角と前記
    目標舵角の偏差に応じて前記電動機に供給する電動機電
    流を決定し電動機駆動手段を介して前記電動機に電動機
    電流を供給するように制御する制御手段と、を備える後
    輪操舵装置において、 前記制御手段は、前記電動機駆動手段の温度を推定する
    温度推定部を有するとともに、前記温度推定部によって
    推定された前記電動機駆動手段の推定温度が高くなるほ
    ど前記偏差に対する電動機電流の不感帯を大きく設定す
    る不感帯設定部を有することを特徴とする後輪操舵装
    置。
  2. 【請求項2】 前記車両の速度を検出する車速センサを
    有し、 前記制御手段は、前記推定温度が所定温度以上であり、
    前記車速センサによって検出された車速が所定速度以上
    である場合に、前記目標舵角を中立位置に固定する制御
    を行なうことを特徴とする請求項1に記載の後輪操舵装
    置。
  3. 【請求項3】 前記車両の速度を検出する車速センサを
    有し、 前記制御手段は、前記推定温度が第1所定温度以上であ
    り、前記第1所定温度よりも高い第2所定温度未満とな
    ったときに、前記偏差に対する電動機電流の不感帯が第
    1所定不感帯に設定され、 前記推定温度が前記第2所定温度以上となったときに、
    前記車速センサで検出された車速が所定速度以上である
    場合には、前記偏差に対する電動機電流の不感帯が第1
    所定不感帯に設定され、 前記推定温度が前記第2所定温度以上となったときに、
    前記車速センサで検出された車速が所定速度未満である
    場合には、前記偏差に対する電動機電流の不感帯が、前
    記第1所定不感帯よりも大きい第2所定不感帯が設定さ
    れる制御を行なうことを特徴とする請求項1に記載の後
    輪操舵装置。
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Cited By (2)

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WO2003079535A1 (fr) 2002-03-20 2003-09-25 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Estimateur de la temperature d'un moteur et commande moteur
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