JP2001219064A - 窒素酸化物等吸着剤の再生方法 - Google Patents

窒素酸化物等吸着剤の再生方法

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JP2001219064A JP2000029195A JP2000029195A JP2001219064A JP 2001219064 A JP2001219064 A JP 2001219064A JP 2000029195 A JP2000029195 A JP 2000029195A JP 2000029195 A JP2000029195 A JP 2000029195A JP 2001219064 A JP2001219064 A JP 2001219064A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルカリ金属を含有する窒素酸化物等吸着剤
であって、その使用によって吸着力の低下した吸着剤を
効率よく再生し、また再生の際に脱離する窒素酸化物等
を無害化して、その環境への影響をなくした再生方法を
提供する。 【解決手段】 アルカリ金属元素を含有する窒素酸化物
等吸着剤を再生するにあたり、この吸着剤を還元剤の存
在下で加熱処理した後、水洗し、次いでアルカリ金属元
素を含浸させる。また、アルカリ金属元素のほかに銅を
含有する吸着剤の場合には、吸着剤を還元剤の存在下で
加熱処理した後、水洗し、次いでアルカリ金属元素を含
浸させた後、再度還元剤の存在下で加熱処理するか、あ
るいは吸着剤を還元剤の存在下で加熱処理した後、水洗
し、次いで有機酸アルカリ塩を含浸させた後、不活性ガ
ス中で加熱処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は窒素酸化物等吸着剤
の再生方法、詳しくはアルカリ金属元素を含有する窒素
酸化物等吸着剤を効率よく再生し、しかも再生の際に脱
離する窒素酸化物等を無害化して、その環境への影響を
なくした窒素酸化物等吸着剤の再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ボイラなどの固定式窒素酸化物発生源か
らの窒素酸化物の除去方法に関しては、従来から、アン
モニアを還元剤に用いて窒素酸化物を選択的に還元して
無害な窒素と水とに変換する接触還元法が最も経済的な
方法として広く用いられている。
【0003】これに対し、道路トンネル、シェルター付
道路、大深度地下空間、道路交差点などにおける換気ガ
スもしくは大気、および家庭内で使用される燃焼機器か
ら排出されるガスなどに含まれる窒素酸化物の濃度は、
5ppm程度と、ボイラ排ガス中の窒素酸化物濃度に比
べて著しく低く、またガス温度は常温であり、しかもガ
ス量は莫大なものである。このため、例えば道路トンネ
ルの換気ガスに上記接触還元法を適用して窒素酸化物を
効率よく除去するためには、この換気ガスの温度を30
0℃以上にすることが必要であり、その結果、多大なエ
ネルギーが必要となることから、上記接触還元法をその
まま適用することには経済的に問題がある。
【0004】このような事情から、上記のような道路ト
ンネルの換気ガスなど、窒素酸化物の濃度が低い、例え
ば5ppm以下の排ガスから窒素酸化物を効率よく除去
することが望まれている。そこで、低濃度の窒素酸化物
を吸着剤に吸着させて除去する方法、およびこれに適し
た吸着剤が提案されている。本出願人も、上記のような
低濃度の窒素酸化物含有ガスから窒素酸化物を吸着除去
するに好適な吸着剤を提案している(特開平10−12
8105、特開平10−192698、特開平10−3
09435、特開平11−28351、特開平11−2
8352、特願平11−143361、特願平11−1
13365および特願平11−220687)。
【0005】ところで、吸着剤を実際に使用する際に
は、窒素酸化物を吸着して吸着力が低下した吸着剤を再
生して繰り返し使用できるようにすることは、経済的な
面から不可欠である。このような吸着剤の再生に加熱処
理が用いられていることはよく知られている。本出願人
も、このような使用によって性能の低下した吸着剤を再
生する方法を提案している(特願平11−14953
8)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本出願人が提案した上
記再生方法はそれなりに有効なものではあるが、なお改
善すべきと余地があることがわかった。すなわち、窒素
酸化物と硫黄酸化物とを吸着して吸着力の低下した吸着
剤を還元剤の存在下で加熱処理する(特願平11−14
9538)だけでは、硫黄酸化物を十分に除去すること
ができないことがあり、また水洗処理する場合(特願平
10−340139)、吸着剤上に吸着された窒素酸化
物と硫黄酸化物とが同時に溶出するため、排水中には窒
素成分が含まれ、この排水をそのまま廃棄することは環
境浄化にならない(環境への影響をなくすためには、水
洗処理の後に更に排水の処理工程が必要となる)。
【0007】かくして、本発明は前記再生方法に対し更
に改善された再生方法を提供しようとするものである。
すなわち、本発明の目的は、アルカリ金属を含有する窒
素酸化物等吸着剤であって、その使用によって吸着力の
低下した吸着剤を効率よく再生して、新規吸着剤とほぼ
同等の吸着力を有し、しかも繰り返し再生しても高い吸
着力を保持した再生吸着剤を得ることができるようにし
た、またさらには再生の際に脱離する窒素酸化物等を無
害化して、その環境への影響をなくした再生方法を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、(1)窒素酸化物と硫黄酸化物とを吸着して吸着力
の低下した吸着剤を再生するにあたり、最初に還元剤の
存在下に加熱処理(還元処理)して窒素酸化物を脱離さ
せ、続いて水洗処理して硫黄酸化物を脱離させることに
より、窒素酸化物と硫黄酸化物とを全て除去できる、
(2)窒素酸化物と硫黄酸化物とを除去した吸着剤は、
アルカリ金属元素を含浸させるか、もしくは吸着剤がさ
らに銅を含有する場合には、アルカリ金属元素を含浸さ
せた後、再度還元剤の存在下で加熱処理するか、または
有機酸アルカリ塩を含浸させた後、不活性ガス中で加熱
処理することにより効率よく再生できる、(3)脱離し
た窒素酸化物は脱硝処理することにより、また硫黄成分
を含む排水は中和することにより完全に無害化できる、
ことがわかった。本発明は、これら知見に基づいて完成
されたものである。
【0009】すなわち、本発明は、アルカリ金属元素を
含有する窒素酸化物等吸着剤を再生するにあたり、該吸
着剤を還元剤の存在下で加熱処理した後、水洗し、必要
に応じて乾燥した後、アルカリ金属元素を含浸させるこ
とを特徴とする窒素酸化物等吸着剤の再生方法である。
【0010】また、本発明は、アルカリ金属元素と銅と
を含有する窒素酸化物等吸着剤を再生するにあたり、該
吸着剤を還元剤の存在下で加熱処理した後、水洗し、必
要に応じて乾燥した後、アルカリ金属元素を含浸させ、
再度還元剤の存在下で加熱処理することを特徴とする窒
素酸化物等吸着剤の再生方法である。
【0011】また、本発明は、アルカリ金属元素と銅と
を含有する窒素酸化物等吸着剤を再生するにあたり、該
吸着剤を還元剤の存在下で加熱処理した後、水洗し、必
要に応じて乾燥した後、有機酸アルカリ塩を含浸させ、
不活性ガス中で加熱処理することを特徴とする窒素酸化
物等吸着剤の再生方法である。
【0012】さらに、本発明は、上記方法において還元
剤の存在下での加熱処理により脱離した窒素酸化物を脱
硝処理することを特徴とする窒素酸化物等吸着剤の再生
方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の「窒素酸化物等吸着剤」
とは、窒素酸化物および/または硫黄酸化物、代表的に
は窒素酸化物、または窒素酸化物と硫黄酸化物とを吸着
除去するための吸着剤を意味する。そして、本発明の再
生方法は、5ppm以下の低濃度の窒素酸化物等を吸着
して吸着性能の低下した吸着剤の再生に用いられるが、
なかでも5ppm以下の低濃度の窒素酸化物および硫黄
酸化物を含む大気またはガスの浄化に使用し、窒素酸化
物および硫黄酸化物を吸着して吸着性能の低下した吸着
剤の再生に好適に用いられる。なお、窒素酸化物とは、
NOxとして示されるものであり、具体的にはNOおよ
びNO2を挙げることができる。また、硫黄酸化物と
は、SOxとして示されるものであり、具体的にはSO
2を挙げることができる。
【0014】本発明のアルカリ金属元素を含有する窒素
酸化物等吸着剤の代表例としては次のものを挙げること
ができる。 <吸着剤A> (1)アルカリ金属元素、(2)マンガン、ニッケル、
コバルト、銅、鉄、鉛およびセリウムから選ばれる少な
くとも一種の元素、および(3)チタン、ケイ素、アル
ミニウム、ジルコニウムおよびアルカリ土類金属元素
(ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチ
ウムおよびバリウム)から選ばれる少なくとも一種の元
素を含有する吸着剤。 <吸着剤B> (1)アルカリ金属元素、(2)マンガン、ニッケル、
コバルト、銅、鉄、鉛およびセリウムから選ばれる少な
くとも一種の元素、(3)チタン、ケイ素、アルミニウ
ム、ジルコニウムおよびアルカリ土類金属元素から選ば
れる少なくとも一種の元素、および(4)白金、金、ル
テニウム、ロジウムおよびパラジウムから選ばれる少な
くとも一種の元素を含有する吸着剤。 <吸着剤C> (1)アルカリ金属元素、(2)マンガン、ニッケル、
コバルト、銅、鉄、鉛およびセリウムから選ばれる少な
くとも一種の元素、および(3)白金、金、ルテニウ
ム、ロジウムおよびパラジウムから選ばれる少なくとも
一種の元素を含有する吸着剤。
【0015】上記吸着剤Aないし吸着剤Cのなかでも、
吸着剤Aおよび吸着剤Bが好適に用いられる。そして、
吸着剤Aのなかでも、耐久性が優れた吸着剤が得られる
という点において、(1)アルカリ金属元素、(2)
銅、ニッケルおよびコバルトから選ばれる少なくとも一
種の元素、および(3)チタン、ジルコニウムおよびア
ルカリ土類金属元素から選ばれる少なくとも一種の元素
を含有する吸着剤が好適に用いられる。また、吸着剤B
のなかでも、耐久性に優れた吸着剤が得られるという点
において、(1)アルカリ金属元素、(2)銅、ニッケ
ルおよびコバルトから選ばれる少なくとも一種の元素、
(3)チタン、ジルコニウムおよびアルカリ土類金属元
素から選ばれる少なくとも一種の元素、および(4)ル
テニウムを含有する吸着剤が好適に用いられる。
【0016】吸着剤Bを例に挙げて本発明の吸着剤を詳
しく説明する。吸着剤Bにおける前記の成分(1)〜
(4)の形態については特に制限はなく、窒素酸化物等
を吸着する機能が得られる限り、いずれの形態にあって
もよい。また、出発原料によっても変わるので一概に特
定することはできない。成分(1)の場合、例えば、水
酸化物、炭酸塩または炭酸水素塩として含有される。成
分(2)の場合、例えば、金属、酸化物または複合酸化
物、もしくは成分(1)のアルカリ金属、または成分
(3)のアルカリ土類金属との複合酸化物または複塩と
して含有される。成分(3)の場合、例えば、酸化物、
複合酸化物、水酸化物、炭酸塩、リン酸塩または硫酸塩
として含有される。また、成分(4)の場合、例えば、
金属、酸化物または複合酸化物として含有される。
【0017】成分(1)〜(4)の出発原料としては、
各成分を、例えば上記形態で含有する吸着剤を形成し得
るものであればいずれも使用することができる。具体的
には、成分(1)の出発原料としては、各元素の硝酸
塩、亜硝酸塩、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、酢酸塩
やシュウ酸塩、クエン酸塩、ソルビン酸塩などの有機酸
塩などを用いることができる。成分(2)の出発原料と
しては、各元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、
硫酸塩、ハロゲン化物、有機金属塩、酢酸塩やシュウ酸
塩などの有機酸塩などを用いることができる。成分
(3)の出発原料としては、各元素の酸化物、水酸化
物、炭酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、リン酸塩などを用
いることができる。また、成分(4)の出発原料として
は、各元素の酸化物、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、ハロ
ゲン化物、有機金属塩、アンモニウム錯体などを用いる
ことができる。
【0018】上記成分の割合については、成分(1)
(酸化物換算)は1〜30質量%、好ましくは1〜20
質量%、成分(2)(酸化物換算)は0.5〜89質量
%、好ましくは1〜75質量%、成分(3)(酸化物換
算)は10〜98.5質量%、好ましくは20〜98質
量%、そして成分(4)(金属換算)は0.01〜10
質量%、好ましくは0.05〜5質量%である(合計1
00質量%)。
【0019】上記吸着剤の調製方法には特に制限はな
く、窒素酸化物等を吸着する機能を有する吸着剤が得ら
れる限り、各種方法で調製することができる。成分
(1)〜(4)を含有する吸着剤Bについて、その代表
的な調製方法を以下に説明するが、本発明はこれに限定
されるものではない。
【0020】成分(1)、(2)および(4)の出発原
料の水溶液、または粉体を一般に用いられている成型助
剤とともに成分(3)に加え、混合、攪拌し、押出成型
機で成型する。得られた成型体は50〜120℃で乾燥
した後、200〜600℃、好ましくは250〜500
℃で1〜10時間、好ましくは2〜6時間空気中、ある
いは窒素などの不活性ガス中などで焼成する。そのほ
か、成分(1)、(2)および(4)の少なくとも1つ
と成分(3)とを含有する成型体をあらかじめ作成し、
この成型体に残りの成分を含浸担持させてもよい。例え
ば、成分(2)、(3)および(4)を含有する成型体
をあらかじめ作成し、この成型体に残りの成分(1)を
含浸させる。
【0021】本発明によれば、上記吸着剤Aないし吸着
剤Cのような必須成分としてアルカリ金属元素を含有す
る窒素酸化物等吸着剤を再生方法(A)によって好適に
再生することができる。また、これら吸着剤のなかで
も、アルカリ金属元素と銅とを必須成分として含有する
窒素酸化物等吸着剤は再生方法(B)または再生方法
(C)によって好適に再生することができる。これら再
生方法(A)ないし再生方法(C)は後で詳しく説明す
る。
【0022】上記アルカリ金属元素と銅とを必須成分と
する窒素酸化物等吸着剤の代表例としては、前記吸着剤
Aないし吸着剤Cのうち、成分(2)として、銅、また
は銅とマンガン、ニッケル、コバルト、鉄、鉛およびセ
リウムから選ばれる少なくとも一種の元素とを含有する
ものを挙げることができる。具体的には、次の吸着剤a
ないし吸着剤cを挙げることができる。 <吸着剤a> (1)アルカリ金属元素、(2)銅、または銅とマンガ
ン、ニッケル、コバルト、鉄、鉛およびセリウムから選
ばれる少なくとも一種の元素、および(3)チタン、ケ
イ素、アルミニウム、ジルコニウムおよびアルカリ土類
金属元素から選ばれる少なくとも一種の元素を含有する
吸着剤。 <吸着剤b> (1)アルカリ金属元素、(2)銅、または銅とマンガ
ン、ニッケル、コバルト、鉄、鉛およびセリウムから選
ばれる少なくとも一種の元素、(3)チタン、ケイ素、
アルミニウム、ジルコニウムおよびアルカリ土類金属元
素から選ばれる少なくとも一種の元素、および(4)白
金、金、ルテニウム、ロジウムおよびパラジウムから選
ばれる少なくとも一種の元素を含有する吸着剤。 <吸着剤c> (1)アルカリ金属元素、(2)銅、または銅とマンガ
ン、ニッケル、コバルト、鉄、鉛およびセリウムから選
ばれる少なくとも一種の元素、および(3)白金、金、
ルテニウム、ロジウムおよびパラジウムから選ばれる少
なくとも一種の元素を含有する吸着剤。
【0023】上記吸着剤aないし吸着剤cのなかでも、
吸着剤aおよび吸着剤bが好適である。吸着剤aのなか
でも、耐久性が優れた吸着剤が得られるという点におい
て、(1)アルカリ金属元素、(2)銅、または銅とニ
ッケルおよび鉄から選ばれる少なくとも一種の元素、お
よび(3)ジルコニウムおよびアルカリ土類金属元素か
ら選ばれる少なくとも一種の元素を含有する吸着剤が好
適に用いられる。また、吸着剤bのなかでも、耐久性に
優れた吸着剤が得られるという点において、(1)アル
カリ金属元素、(2)銅、または銅とニッケルおよび鉄
から選ばれる少なくとも一種の元素、(3)ジルコニウ
ムおよびアルカリ土類金属元素から選ばれる少なくとも
一種の元素、および(4)ルテニウムを含有する吸着剤
が好適に用いられる。なお、吸着剤aないし吸着剤cに
おける各成分の出発原料、割合などについては、吸着剤
Aないし吸着剤Cについて説明したと同じである。
【0024】上記吸着剤のなかでも、銅の少なくとも一
部が0価または1価である吸着剤は吸着力が優れている
点において好ましく、本発明によれば、このような吸着
剤であって吸着力の低下した吸着剤を再生方法(B)ま
たは再生方法(C)によって効果的に再生することがで
きる。なお、新規吸着剤中には銅の少なくとも一部が0
価または1価の形態で含まれていないが、このような吸
着剤の性能が低下したときにも、その再生に再生方法
(B)および再生方法(C)が有効に適用できることは
いうまでもないことである。そして、再生方法(B)ま
たは再生方法(C)によって得られる再生吸着剤におい
ては、銅の少なくとも一部が0価または1価の形態で含
有されている。
【0025】吸着剤の形状については特に制限はなく、
円柱状、円筒状、球状、板状、ハニカム状、その他一体
に成型されたもののなかから適宜選択することができ
る。この成型には、一般的な成型方法、例えば打錠成
型、押出成型などを用いることができる。球状の場合、
その平均粒径は、通常、1〜10mmである。ハニカム
状吸着剤の場合は、いわゆるモノリス担体と同様であ
り、押出成型法やシート状素子を巻き固める方法などに
より製造することができる。そのガス通過口(セル形
状)の形は、6角形、4角形、3角形、またはコルゲー
ション形のいずれであってもよい。セル密度(セル数/
単位断面積)は、通常、25〜800セル/平方インチ
(×2.54cm)であり、好ましくは25〜500セ
ル/平方インチ(×2.54cm)である。
【0026】次に、本発明の再生方法(A)ないし再生
方法(C)について説明する。 <再生方法(A)>この方法は次の工程からなるもので
ある。 還元剤の存在下での加熱処理 水洗処理 乾燥処理(任意) アルカリ金属元素の含浸処理 工程においては、窒素酸化物と硫黄酸化物とを吸着し
て吸着力の低下した吸着剤を還元剤の存在下で加熱処理
(還元処理)して吸着剤に吸着されている窒素酸化物を
脱離させる。すなわち、工程は窒素酸化物の脱離処理
に係わるものである。
【0027】上記還元剤とは、水素および燃焼性有機化
合物を意味する。燃焼性有機化合物の代表例としては、
含酸素有機化合物、具体的には脂肪酸類、アルコール類
およびアルデヒド類、好ましくは炭素数1〜4の低級脂
肪酸類、炭素数1〜4の低級アルコール類、および炭素
数1〜4の低級アルデヒド類を挙げることができる。そ
のほか、炭素数1〜4の飽和または不飽和の炭化水素類
を用いることができる。これらのなかでも、上記の低級
脂肪酸類、低級アルコール類および低級アルデヒド類が
好ましく、特に低級脂肪酸類が好適に用いられる。上記
燃焼性有機化合物は単独でも、あるいは2種以上を組み
合わせて使用することもできる。かくして、本発明で
は、水素または低級脂肪酸類が還元剤として好適に用い
られる。
【0028】上記低級脂肪酸類の代表例としては、ギ
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、
コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸などのモノまたはジー、もしくは飽和ま
たは不飽和のカルボン酸を挙げることができる。
【0029】上記還元剤は、通常、他のガスで希釈し
て、例えば、窒素などの不活性ガスとの混合ガスとして
使用する。具体的には、還元剤として水素を用いる場
合、水素と窒素、ヘリウムなどの不活性ガスとの混合ガ
スとして使用する。この混合ガス中の水素の濃度は、通
常、0.1〜20容量%であり、好ましくは0.5〜1
0容量%である。なお、空気との混合ガスとすることも
できるが、爆発の危険があるので、一般的には、上記の
ような不活性ガスとの混合ガスとして使用するのがよ
い。燃焼性有機化合物の場合には、不活性ガスとの混合
ガスとしてもよいが、通常、空気との混合ガスとして用
いるのが再生効率(酸化効率)が上がって好ましい。こ
の混合ガス中の燃焼性有機化合物の濃度は、通常、0.
001〜1容量%であり、好ましくは0.01〜0.5
容量%である。なお、燃焼性有機化合物が固体の場合に
は、水に溶解させて、水溶液として噴霧して、供給すれ
ばよい。
【0030】上記還元剤の希釈に用いることのできるガ
スとしては、上記の窒素、ヘリウムなどの不活性ガスお
よび空気のほかに、水蒸気(H2O)、二酸化炭素ガス
などを挙げることができる。かくして、上記混合ガスの
代表例としては、水素と不活性ガスとの混合ガス、燃焼
性有機化合物と空気、または空気および水蒸気との混合
ガスを挙げることができる。
【0031】加熱温度は、通常、200〜600℃であ
り、好ましくは300〜500℃、より好ましくは30
0〜400℃である。なお、再生すべき吸着剤は、通
常、常温であるが、上記加熱温度までの昇温速度には特
に制限はなく、適宜決定することができる。
【0032】加熱時間は、窒素酸化物等の吸着の程度、
加熱温度などによって変わるので一概に特定できない
が、通常、30分〜10時間、好ましくは30分〜5時
間の範囲で適宜選ぶことができる。
【0033】上記加熱処理は還元剤の通風下で行うこと
が好ましい。還元剤の通風下で再生処理を行う場合、通
風の程度については特に制限はなく、新たな還元剤が供
給されるような条件下にすればよい。一般的には、吸着
剤を充填した装置(吸着剤層)に、その入口側から還元
剤を導入して、出口側に流通されればよい。
【0034】工程においては、工程で窒素酸化物を
脱離させた吸着剤を水洗して硫黄酸化物を脱離させる。
すなわち、工程は硫黄酸化物の脱離処理に係わるもの
である。
【0035】水洗の方法および条件には特に制限はな
く、吸着された硫黄酸化物を十分に除去し得るような方
法および条件で行えばよい。代表的な方法としては、吸
着剤を水槽に漬ける方法、シャワーリングを用いて吸着
剤に水を噴霧する方法などを挙げることができる。水温
には特に制限はないが、通常、10〜80℃であり、好
ましくは20〜50℃である。
【0036】工程の乾燥は必須でないが、水洗後乾燥
するのが好ましい。乾燥の方法および条件には特に制限
はなく、次の工程でのアルカリ金属元素の含浸を支障
なく行える程度に乾燥すればよい。しかし、アルカリ金
属元素の含浸を、吸着剤をアルカリ金属化合物の水溶液
に浸漬して行う場合には、乾燥が不十分だとその後のア
ルカリ金属元素の含浸が効果的に行われず、消失したア
ルカリ金属元素を十分に補給できないこともあるので、
吸着剤中の水分を実質的に除去するのがよい。通常、通
風下での乾燥が好適である。通風すべきガスとしては、
窒素などの不活性ガスを用いてもよいが、空気を用いる
のが一般的である。乾燥温度は、通常、50〜200℃
であり、好ましくは80〜150℃である。
【0037】工程においては、工程での水洗により
アルカリ金属元素が溶出するので、これを補充するため
に、水洗後の吸着剤にアルカリ金属元素を含浸させる。
このアルカリ金属元素の含浸は、吸着剤から水洗により
消失したアルカリ金属元素を吸着剤に補給し得るもので
あれば、いずれの方法によって行ってもよい。代表的な
方法は、アルカリ金属化合物を有機溶剤または水に溶解
し、得られる溶液、好ましくはアルカリ金属化合物の水
溶液に上記の水洗、乾燥後の吸着剤を含浸するものであ
る。なお、補給すべきアルカリ金属元素は、吸着剤から
消失したアルカリ金属元素と異なっていてもよいが、一
般的には同一なものを使用する。
【0038】上記アルカリ金属化合物としては、アルカ
リ金属元素の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩や、酢酸
塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、ソルビン酸塩などの有機
酸塩を用いることができる。具体的には、アルカリ金属
元素がカリウムの場合、水酸化カリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸水素カリウム、酢酸カリウム、シュウ酸カリウ
ムなどを挙げることができる。
【0039】アルカリ金属元素の含浸による補給の程度
については、通常、再生吸着剤中のアルカリ金属元素含
量が前記のアルカリ金属元素(成分(1))の含量、す
なわち1〜30質量%、好ましくは1〜20質量%(酸
化物換算)の範囲となるようにする。したがって、上記
アルカリ金属化合物の水溶液の濃度、浸漬時間などの条
件については、再生吸着剤中のアルカリ金属元素含量
が、上記のように、1〜30質量%、好ましくは1〜2
0質量%の範囲となるように適宜選択すればよい。
【0040】上記のように再生した吸着剤は、通常、乾
燥して再使用する。乾燥温度には特に制限はなく、例え
ば、50〜120℃の範囲の温度で乾燥すればよい。さ
らに、必要に応じて、例えば、200〜600℃、好ま
しくは250〜500℃の範囲の温度で1〜10時間、
好ましくは2〜6時間空気中で焼成してもよい。 <再生方法(B)>この方法は次の工程からなるもので
ある。 還元剤の存在下での加熱処理 水洗処理 乾燥処理(任意) アルカリ金属元素の含浸処理 還元剤の存在下での加熱処理 工程ないし工程は再生方法(A)で説明したと同じ
である。但し、工程において、含浸処理後の吸着剤
は、通常、乾燥するにとどめておき、焼成はしない。
【0041】工程では、還元剤の存在下で加熱処理す
ることにより吸着剤中の銅の少なくとも一部を0価また
は1価に還元するものである。この工程での還元処理
は工程での還元処理(すなわち、再生方法(A)の工
程での還元処理)と同様にして行うことができる。工
程での還元処理は工程での還元処理と同一でも、あ
るいは異なっていてもよく、各工程での目的(窒素酸化
物の脱離および銅の少なくとも一部の0価または1価へ
の還元)に応じて最適な条件を選べばよい。
【0042】この再生方法(B)により、吸着力に優れ
た再生吸着剤を得ることができる。すなわち、再生方法
(B)によって得られる再生吸着剤は、銅の少なくとも
一部が0価または1価の形態にあり、新規吸着剤とほぼ
同等の吸着力を有し、しかも繰り返し再生しても高い吸
着力を保持したものである。
【0043】再生吸着剤が0価または1価の銅を含有し
ていることはX線回折による格子面間隔(d値)を測定
することにより確認することができる。Cu(0価)の
d値は、2.09±0.01と1.81±0.01と
1.28±0.01とにあり、Cu2O(1価)のd値
は2.47±0.01と2.14±0.01と1.51
±0.01とにある。 <再生方法(C)>この方法は次の工程からなるもので
ある。 還元剤の存在下での加熱処理 水洗処理 乾燥処理(任意) 有機酸アルカリ塩の含浸処理 不活性ガス中での加熱処理 工程ないし工程は再生方法(A)で説明したと同じ
である。
【0044】工程は、アルカリ金属元素を補充するた
めに、アルカリ金属化合物の溶液または水溶液、好まし
くはアルカリ金属化合物の水溶液を吸着剤に含浸させる
にあたり、アルカリ金属化合物として有機酸アルカリ塩
を用いる点を除けば、再生方法(B)の工程と同様に
行うことができる。
【0045】すなわち、工程の水洗処理により、溶出
したアルカリ金属元素を補充する際に、アルカリ金属化
合物として有機酸アルカリ塩を使用する場合には、還元
剤の存在下での加熱処理の代わりに、不活性ガス中での
加熱処理によっても銅の少なくとも一部を0価または1
価に還元できるというものである。もちろん、有機酸ア
ルカリ塩を用いた場合でも、還元剤の存在下での加熱処
理によって銅の少なくとも一部を0価または1価に還元
することができる。有機酸アルカリ塩としては、酢酸、
シュウ酸、クエン酸、ソルビン酸などの有機酸のアルカ
リ塩を用いることができる。
【0046】工程では、工程で有機酸アルカリ塩を
含浸させた吸着剤を不活性ガス中で加熱処理する。この
加熱処理は、再生方法(B)の工程での加熱処理(す
なわち、再生方法(A)の工程での加熱処理)と同様
の条件で行うことができる。
【0047】この再生方法(C)により、吸着力に優れ
た再生吸着剤を得ることができる。すなわち、再生方法
(C)によって得られる再生吸着剤は、銅の少なくとも
一部が0価または1価の形態にあり、新規吸着剤とほぼ
同等の吸着力を有し、しかも繰り返し再生しても高い吸
着力を保持したものである。
【0048】吸着剤の再生処理の際には脱離した窒素酸
化物を含むガス(排ガス)が発生するので、この排ガス
中の窒素酸化物を除去して無害化した後に、大気中に放
出するのが好ましい。この排ガス中の窒素酸化物の除去
方法、すなわち脱硝方法には特に制限はなく、従来公知
の脱硝方法によって行うことができる。具体的には、例
えば、排ガスにアンモニアを還元剤として添加し、脱硝
触媒に接触させて窒素酸化物を窒素と水とに還元すれば
よい。
【0049】一方、硫黄酸化物は、水洗に使用した水に
溶解して排水として回収できる。この排水中には、窒素
成分が含まれないので、適宜排水を中和処理して無害化
した後、廃棄できる。中和処理については特に制限はな
く、一般に用いられている方法にしたがって行うことが
できる。
【0050】
【発明の効果】本発明の再生方法によれば、新規吸着剤
とほぼ同等の吸着力を有し、しかも繰り返し再生しても
高い吸着力を保持した再生吸着剤が得られる。
【0051】本発明の再生方法においては、再生時に発
生する窒素酸化物および硫黄酸化物を無害化して、その
環境への影響をなくすことができる。
【0052】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明する。 調製例1 塩基性炭酸ニッケル(ニッケル金属を35質量%含有)
336.8g、酸化ジルコニウム850gに適量の水を
添加しつつニーダーでよく混合した後、押出成型機で直
径5mm、長さ5mmのペレット状に成形した。このペ
レットを100℃で10時間乾燥した後、500℃で3
時間空気雰囲気下で焼成した。さらに、このペレットを
4N−K2CO3水溶液に2分間含浸した後、120℃で
5時間乾燥し、500℃で3時間空気雰囲気下で焼成し
た。
【0053】このようにして得られた吸着剤の組成は、
Ni:Zr:K(NiO:ZrO2:K2Oとして)=1
4.3:80.7:5.0(質量%)であった。以下、
この吸着剤を吸着剤−1という。 調製例2 塩基性炭酸銅(日本化学産業(株)製、銅金属を50質
量%含有)239.6g、炭酸カルシウム850gに適
量の水に添加しつつニーダーでよく混合した後、押出成
型機で直径5mm、長さ5mmのペレット状に成形し
た。このペレットを100℃で10時間乾燥した後、5
00℃で3時間空気雰囲気下で焼成した。さらに、この
ペレットを4N−KNO2水溶液に2分間含浸した後、
120℃で5時間乾燥し、400℃で2時間水素/窒素
(5/95容量%)の雰囲気下で加熱処理(還元処理)
した。
【0054】このようにして得られた吸着剤の組成は、
Cu:Ca:K(CuO:CaO:K2Oとして)=2
2.2:70.1:7.7(質量%)であった。以下、
この吸着剤を吸着剤−2という。この吸着剤のX線回折
図を図8に示す。 調製例3 塩基性炭酸銅(日本化学産業(株)製、銅金属を50質
量%含有)239.6g、炭酸カルシウム850gに適
量の水を添加しつつニーダーでよく混合した後、押出成
型機で直径5mm、長さ5mmのペレット状に成型し
た。このペレットを100℃で10時間乾燥した後、3
50℃で3時間空気雰囲気下で焼成した。更にこのペレ
ットを4N−CH3COOK水溶液に2分間含浸した
後、120℃で5時間乾燥し、400℃で2時間、窒素
雰囲気下で焼成した。
【0055】このようにして得られた吸着剤の組成はC
u:Ca:K(CuO:CaO:K 2Oとして)=2
2.2:70.1:7.7(質量%)であった。以下、
この吸着剤を吸着剤−3とする 調製例4 塩基性炭酸銅(日本化学産業(株)製、銅金属を50質
量%含有)159.7g、シュウ酸鉄(II)2水和物
225.3g、炭酸カルシウム750gに適量の水に添
加しつつニーダーでよく混合した後、押出成型機で直径
5mm、長さ5mmのペレット状に成形した。このペレ
ットを100℃で10時間乾燥した後、500℃で3時
間空気雰囲気下で焼成した。さらに、このペレットを4
N−CH 3COOK水溶液に2分間含浸した後、120
℃で5時間乾燥し、400℃で2時間窒素雰囲気下で焼
成した。
【0056】このようにして得られた吸着剤の組成は、
Cu:Fe:Ca:K(CuO:Fe23:CaO:K
2Oとして)=14.9:14.9:62.7:7.5
(質量%)であった。以下、この吸着剤を吸着剤−4と
いう。 調製例5 酸化ルテニウム(田中貴金属(株)製、ルテニウム金属
を65質量%含有)4.6g、炭酸マンガン396.7
g、酸化チタン697gに適量の水を添加しつつニーダ
ーでよく混合した後、押出成型機で直径5mm、長さ5
mmのペレット状に成型した。このペレットを100℃
で10時間乾燥した後、500℃で3時間空気雰囲気下
で焼成した。さらに、このペレットを4N−K2CO3
溶液に2分間含浸した後、120℃で5時間乾燥した。
【0057】このようにして得られた吸着剤の組成は、
Ru:Mn:Ti:K(Ru:MnO2:TiO2:K2
Oとして)=0.3:28.0:44.9:6.8(質
量%)であった。以下、この吸着剤を吸着剤−5とす
る。 調製例6 酸化ルテニウム(田中貴金属(株)製、ルテニウム金属
を65質量%含有)1.5g、塩基性炭酸銅(日本化学
産業(株)製、銅金属を50質量%含有)239.6
g、炭酸カルシウム800gに適量の水を添加しつつニ
ーダーでよく混合した後、押出成型機で直径5mm、長
さ5mmのペレット状に成型した。このペレットを10
0℃で10時間乾燥した後、500℃で3時間空気雰囲
気下で焼成した。さらに、このペレットを4N−CH3
COOK水溶液に2分間含浸した後、120℃で5時間
乾燥し、400℃で2時間、窒素雰囲気下で焼成した。
【0058】このようにして得られた吸着剤の組成は、
Ru:Cu:Ca:K(Ru:CuO:CaO:K2
として)=0.2:23.2:69.2:7.4(質量
%)であった。以下、この吸着剤を吸着剤−6とする。 実施例1 吸着剤−1について、その使用前の吸着性能(初期吸着
性能)および再生後の吸着性能を下記の方法により評価
した。なお、後記の再生処理−1とは、窒素酸化物を脱
離させるための還元剤の存在下での加熱処理(前記の工
程に相当する)を、また再生処理−2とは、その後の
水洗処理を含む再生処理(前記の工程およびそれ以降
の工程に相当する)を意味する。
【0059】最初に吸着剤の初期性能を評価した。 <初期吸着性能の評価>吸着剤35mlを内径30mm
のSUS316製反応管に充填し、この吸着剤層に下記
組成の合成ガスを下記条件下に導入した。合成ガス組成 一酸化窒素(NO):0.9ppm、二酸化窒素(NO
2):0.1ppm、 二酸化硫黄:(SO2)0.05ppm、H2O:1.9
容量%、残り空気処理条件 ガス量17.3NL/min、処理温度25℃、空間速
度(SV)30,000hr-1(STP)、ガス湿度6
0%RH 通ガス1時間後、上記吸着剤層の入口および出口におけ
る合成ガス中の窒素酸化物(NOおよびNO2)濃度を
化学発光式NOx計により、また硫黄酸化物濃度を紫外
線吸収式SO2計で測定し、次式にしたがってNO、N
2およびSO2除去率を算出した。 NO除去率(%)=(入口NO濃度−出口NO濃度)/
(入口NO濃度)(×100) NO2除去率(%)=(入口NO2濃度−出口NO2
度)/(入口NO2濃度)(×100) SO2除去率(%)=(入口SO2濃度−出口SO2
度)/(入口SO2濃度)(×100) 上記初期性能の評価結果を図1に示す(再生回数0)。
この数値は吸着剤の初期吸着性能を示す。
【0060】次に、吸着剤−1の再生後の吸着性能を下
記の方法により評価した。 <再生後の吸着性能の評価>上記の吸着剤層に下記の合
成ガスを下記条件下に導入して、加速吸着試験を行っ
た。合成ガス組成 一酸化窒素(NO):2.7ppm、二酸化窒素(NO
2):0.3ppm、 二酸化硫黄(SO2):0.15ppm、H2O:1.9
容量%、残り空気処理条件 ガス量17.3NL/min、処理温度25℃、空間速
度(SV)30,000hr-1(STP)、ガス湿度6
0%RH 上記加速吸着試験を300時間行った後の吸着剤につい
て、吸着剤層に導入する合成ガスおよび処理条件を下記
に変更して吸着剤の再生処理−1を行った。再生ガス組成 水素:5容量%、残り窒素処理条件 ガス量17.3NL/min、昇温速度250℃/mi
n、処理温度400℃、処理時間1時間 上記再生処理−1終了後、吸着剤を室温まで冷却した
後、反応管から取り出し、次の再生処理−2を行った。 <再生処理−2> 吸着剤を水200mlに20分間浸漬した後取り出す
操作を3回繰り返した後、120℃で5時間乾燥し、
次いで4N−K2CO3水溶液に2分間含浸した後、1
20℃で5時間乾燥し、さらに500℃で3時間空気雰
囲気下で加熱処理する。
【0061】上記のように再生処理−1および再生処理
−2(この再生方法は再生方法(A)に相当する)を行
った吸着剤を再び反応管に充填し、上記初期吸着性能の
評価に用いたと同じ合成ガスを、同じ処理条件下に導入
して、再生後の吸着剤の吸着性能を評価した。
【0062】上記のような吸着−再生の操作を5回繰り
返した。結果を図1に示す。 実施例2 実施例1において、吸着剤−1の代わりに吸着剤−2を
用い、再生処理−2を次のように変更した以外は、実施
例1と同様の評価試験を行った。結果を図2に示す。こ
の実施例における再生方法は再生方法(B)に相当す
る。 <再生処理−2> 吸着剤を水200mlに20分間浸漬した後取り出す
操作を3回繰り返した後、120℃で5時間乾燥し、
次いで4N−KNO2水溶液に2分間含浸した後、1
20℃で5時間乾燥し、さらに400℃で2時間水素
/窒素(5/95容量%)の雰囲気下で加熱処理(還元
処理)する。
【0063】再生吸着剤のX線回折図を図9に示す。 実施例3 実施例1において、吸着剤−1の代わりに吸着剤−3を
用い、再生処理−2を次のように変更した以外は、実施
例1と同様の評価試験を行った。結果を図3に示す。こ
の実施例における再生方法は再生方法(C)に相当す
る。 <再生処理−2> 吸着剤を水200mlに20分間浸漬した後取り出す
操作を3回繰り返した後、120℃で5時間乾燥し、
次いで4N−CH3COOK水溶液に2分間含浸した
後、120℃で5時間乾燥し、さらに400℃で2時
間窒素雰囲気下で加熱処理(還元)する。
【0064】再生吸着剤のX線回折図を図10に示す。 実施例4 実施例3において、吸着剤−3の代わりに吸着剤−4を
用い、実施例3と同様の評価試験を行った。結果を図4
に示す。この実施例における再生方法は再生方法(C)
に相当する。 実施例5 実施例1において、吸着剤−1の代わりに吸着剤−5を
用いた以外は実施例1と同様の評価試験を行った。結果
を図5に示す。この実施例における再生方法は再生方法
(A)に相当する。 実施例6 実施例3において、吸着剤−3の代わりに吸着剤−6を
用いた以外は実施例3と同様の評価試験を行った。結果
を図6に示す。この実施例における再生方法は再生方法
(C)に相当する。 比較例1 実施例1において、再生処理−2を行わなかった以外
は、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を図7に
示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1における再生回数に対する除去率を
示す。
【図2】 実施例2における再生回数に対する除去率を
示す。
【図3】 実施例3における再生回数に対する除去率を
示す。
【図4】 実施例4における再生回数に対する除去率を
示す。
【図5】 実施例5における再生回数に対する除去率を
示す。
【図6】 実施例6における再生回数に対する除去率を
示す。
【図7】 比較例1における再生回数に対する除去率を
示す。
【図8】 調製例2で得られた吸着剤のX線回折図であ
る。
【図9】 実施例2で得られた再生吸着剤のX線回折図
である。
【図10】 実施例3で得られた再生吸着剤のX線回折
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 20/04 B01D 53/34 ZAB 20/08 129A 20/10 Fターム(参考) 4D002 AA12 AB01 AC10 BA04 CA07 DA01 DA04 DA11 DA21 DA22 DA23 DA24 DA25 EA07 4D012 BA01 4G066 AA06D AA12B AA13B AA15B AA16B AA20B AA21B AA22B AA23B AA26B AA28B AA43A AB23D BA31 CA28 FA03 FA12 FA18 FA22 FA27 GA01 GA06 GA11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ金属元素を含有する窒素酸化物
    等吸着剤を再生するにあたり、該吸着剤を還元剤の存在
    下で加熱処理した後、水洗し、必要に応じて乾燥した
    後、アルカリ金属元素を含浸させることを特徴とする窒
    素酸化物等吸着剤の再生方法。
  2. 【請求項2】 アルカリ金属元素と銅とを含有する窒素
    酸化物等吸着剤を再生するにあたり、該吸着剤を還元剤
    の存在下で加熱処理した後、水洗し、必要に応じて乾燥
    した後、アルカリ金属元素を含浸させ、再度還元剤の存
    在下で加熱処理することを特徴とする窒素酸化物等吸着
    剤の再生方法。
  3. 【請求項3】 アルカリ金属元素と銅とを含有する窒素
    酸化物等吸着剤を再生するにあたり、該吸着剤を還元剤
    の存在下で加熱処理した後、水洗し、必要に応じて乾燥
    した後、有機酸アルカリ塩を含浸させ、不活性ガス中で
    加熱処理することを特徴とする窒素酸化物等吸着剤の再
    生方法。
  4. 【請求項4】 アルカリ金属元素と銅とを含有する窒素
    酸化物等吸着剤が、(1)アルカリ金属元素、(2)
    銅、または銅とマンガン、ニッケル、コバルト、鉄、鉛
    およびセリウムから選ばれる少なくとも一種の元素、お
    よび(3)チタン、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウ
    ムおよびアルカリ土類金属元素から選ばれる少なくとも
    一種の元素を含有するものである請求項2または3記載
    の再生方法。
  5. 【請求項5】 アルカリ金属元素と銅とを含有する窒素
    酸化物等吸着剤が、(1)アルカリ金属元素、(2)
    銅、または銅とマンガン、ニッケル、コバルト、鉄、鉛
    およびセリウムから選ばれる少なくとも一種の元素、
    (3)チタン、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウムお
    よびアルカリ土類金属元素から選ばれる少なくとも一種
    の元素、および(4)白金、金、ルテニウム、ロジウム
    およびパラジウムから選ばれる少なくとも一種の元素を
    含有するものである請求項2または3記載の再生方法。
  6. 【請求項6】 還元剤の存在下での加熱処理により脱離
    した窒素酸化物を脱硝処理する請求項1、2または3記
    載の再生方法。
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