JP2001218585A - ヒト核蛋白質とこれをコードするcDNA - Google Patents

ヒト核蛋白質とこれをコードするcDNA

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JP2001218585A
JP2001218585A JP2000031063A JP2000031063A JP2001218585A JP 2001218585 A JP2001218585 A JP 2001218585A JP 2000031063 A JP2000031063 A JP 2000031063A JP 2000031063 A JP2000031063 A JP 2000031063A JP 2001218585 A JP2001218585 A JP 2001218585A
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seq
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JP2000031063A
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Masashi Kato
誠志 加藤
Chinkyo Kin
鎮京 金
Lill Roland
リル ローランド
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 癌細胞で発現が増加するヒト新規核蛋白質お
よびそれをコードするヒトcDNAを提供する。 【解決手段】 配列番号2または4で表されるアミノ酸
配列を含むヒト核蛋白質と、このヒト核蛋白質をコード
するDNA、例えば配列番号1で表される塩基配列を含
むcDNA、および上記のヒト核蛋白質に対する抗体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、癌細胞で
発現が増加する新規ヒト核蛋白質と、この蛋白質をコー
ドしているcDNAおよびこの蛋白質に対する抗体に関
するものである。この発明の蛋白質および抗体は、癌の
診断および治療に有用であり、この発明のヒトcDNA
は、遺伝子診断用プローブや遺伝子治療用遺伝子源とし
て有用である。また、cDNAはこの発明の蛋白質を大
量生産するための遺伝子源として用いることが出来る。
【0002】
【従来技術】核蛋白質とは、細胞核の中で機能している
蛋白質の総称である。核内には生物の設計図であるゲノ
ムDNAが存在しており、核蛋白質はこれらのゲノムD
NAの複製、転写調節などに関与している。核蛋白質の
中で機能が明らかになっている代表的なものは、転写因
子、スプライシング因子、核内レセプター、細胞周期調
節因子、癌抑制因子などがある。これらの因子は、発生
・分化などの生命現象のみならず、癌等の疾患とも密接
に関係している。したがって、これらの核蛋白質は、特
定遺伝子の転写・翻訳を調節する低分子医薬品を開発す
るためのタ−ゲット蛋白質としての可能性を秘めてお
り、できるだけ多くの核蛋白質を得ることが望まれてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この出願の発明は、ヒ
トの癌細胞で発現が増加する新規ヒト核蛋白質、この蛋
白質をコードするcDNAおよびこのヒト核蛋白質に対
する抗体を提供することを課題としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】この出願は、前記の課題
を解決するものとして、以下の(1)から(5)の発明を提供
する。 (1) 配列番号2または配列番号4のアミノ酸配列を含
むヒト核蛋白質。 (2) 前記発明(1)記載の蛋白質をコードするDNA。 (3) 配列番号1または配列番号2における翻訳領域の
塩基配列を含むヒトcDNA。 (4) 配列番号1または配列番号2の塩基配列からな
る、前記発明(3)記載のヒトcDNA。 (5) 前記発明(1)記載のヒト核蛋白質に対する抗体。
【0005】
【発明の実施の形態】発明(1)の蛋白質は、ヒトの臓
器、細胞株などから単離する方法、この発明によって提
供されるアミノ酸配列に基づき化学合成によってペプチ
ドを調製する方法、あるいは発明(2)のDNAまたは発
明(3)もしくは発明(4)のcDNAを用いて組換えDNA
技術で生産する方法などにより取得することができる
が、組換えDNA技術で取得する方法が好ましく用いら
れる。例えば、発明(3)または発明(4)のcDNAを有す
るベクターからインビトロ転写によってRNAを調製
し、これを鋳型としてインビトロ翻訳を行なうことによ
りインビトロで蛋白質を発現できる。また翻訳領域を公
知の方法により適当な発現ベクターに組換えれば、大腸
菌、枯草菌等の原核細胞や、酵母、昆虫細胞、哺乳動物
細胞等の真核細胞で、cDNAがコードしている発明
(1)の蛋白質を大量に発現させることができる。
【0006】発明(1)の蛋白質を、インビトロ翻訳でD
NAを発現させて生産させる場合には、発明(3)または
発明(4)のcDNAの翻訳領域を、RNAポリメラーゼ
プロモーターを有するベクターに組換え、プロモーター
に対応するRNAポリメラーゼを含む、ウサギ網状赤血
球溶解物や小麦胚芽抽出物などのインビトロ翻訳系に添
加すれば、発明(1)の蛋白質をインビトロで生産するこ
とができる。RNAポリメラーゼプロモーターとして
は、T7、T3、SP6などが例示できる。これらのR
NAポリメラーゼプロモーターを含むベクターとして
は、pKA1、pCDM8、pT3/T7 18、pT
7/3 19、pBluescript IIなどが例示で
きる。
【0007】発明(1)の蛋白質を、大腸菌などの微生物
でDNAを発現させて生産させる場合には、微生物中で
複製可能なオリジン、プロモーター、リボソーム結合部
位、cDNAクローニング部位、ターミネーター等を有
する発現ベクターに、発明(3)または発明(4)のcDNA
の翻訳領域を組換えた発現ベクターを作成し、この発現
ベクターで宿主細胞を形質転換したのち、得られた形質
転換体を培養すれば、このcDNAがコードしている蛋
白質を微生物内で大量生産することができる。この際、
任意の翻訳領域の前後に開始コドンと停止コドンを付加
して発現させれば、任意の領域を含む蛋白質断片を得る
ことができる。あるいは、他の蛋白質との融合蛋白質と
して発現させることもできる。この融合蛋白質を適当な
プロテアーゼで切断することによってこのcDNAがコ
ードする蛋白質部分のみを取得することもできる。大腸
菌用発現ベクターとしては、pUC系、pBluesc
ript II、pET発現システム、pGEX発現シス
テムなどが例示できる。
【0008】発明(1)の蛋白質を、真核細胞でDNAを
発現させて生産させる場合には、このcDNAの翻訳領
域を、プロモーター、スプライシング領域、ポリ(A)付
加部位等を有する真核細胞用発現ベクターに組換え、真
核細胞内に導入すれば、発明(1)の蛋白質を真核細胞内
で生産することができる。発現ベクターとしては、pK
A1、pCDM8、pSVK3、pMSG、pSVL、
pBK−CMV、pBK−RSV、EBVベクター、p
RS、pYES2などが例示できる。また、pIND/
V5−His、pFLAG−CMV−2、pEGFP−
N1、pEGFP−C1などを発現ベクタ−として用い
れば、Hisタグ、FLAGタグ、GFPなど各種タグ
を付加した融合蛋白質として発現させることもできる。
真核細胞としては、サル腎臓細胞COS7、チャイニー
ズハムスター卵巣細胞CHOなどの哺乳動物培養細胞、
出芽酵母、分裂酵母、カイコ細胞、アフリカツメガエル
卵細胞などが一般に用いられるが、発明(1)の蛋白質を
発現できるものであれば、いかなる真核細胞でもよい。
発現ベクターを真核細胞に導入するには、電気穿孔法、
リン酸カルシウム法、リポソーム法、DEAEデキスト
ラン法など公知の方法を用いることができる。
【0009】発明(1)の蛋白質を原核細胞や真核細胞で
発現させたのち、培養物から目的蛋白質を単離精製する
ためには、公知の分離操作を組み合わせて行うことがで
きる。例えば、尿素などの変性剤や界面活性剤による処
理、超音波処理、酵素消化、塩析や溶媒沈殿法、透析、
遠心分離、限外濾過、ゲル濾過、SDS−PAGE、等
電点電気泳動、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性
クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィ
ー、逆相クロマトグラフィーなどがあげられる。
【0010】発明(1)の蛋白質には、配列番号2あるい
は配列番号4で表されるアミノ酸配列のいかなる部分ア
ミノ酸配列を含むペプチド断片(5アミノ酸残基以上)
も含まれる。これらのペプチド断片は抗体を作製するた
めの抗原として用いることができる。また、発明(1)の
蛋白質には、他の任意の蛋白質との融合蛋白質も含まれ
る。例えば、実施例に挙げたグルタチン−S−トランス
フェラ−ゼ(GST)や緑色蛍光蛋白質(GFP)との
融合蛋白質などである。
【0011】発明(2)のDNAには、上記蛋白質をコー
ドするすべてのDNAが含まれる。このDNAは、化学
合成による方法、cDNAクローニングによる方法など
を用いて取得することができる。
【0012】発明(3)または発明(4)のcDNAは、例え
ばヒト細胞由来cDNAライブラリーからクローン化す
ることができる。cDNAはヒト細胞から抽出したポリ
(A)+RNAを鋳型として合成する。ヒト細胞としては、
人体から手術などによって摘出されたものでも培養細胞
でも良い。cDNAは、岡山−Berg法(Okayama, H.and
Berg, P., Mol. Cell. Biol. 2:161-170, 1982)、Gub
ler−Hoffman法(Gubler, U. and Hoffman, J., Gene 2
5:263-269, 1983)などいかなる方法を用いて合成して
もよいが、完全長クローンを効率的に得るためには、実
施例にあげたようなキャッピング法(Kato, S. er al.,
Gene 150:243-250, 1994)を用いることが望ましい。
【0013】発明(4)のcDNAは、配列番号1または
配列番号3で表される塩基配列からなることを特徴とす
るものである。このうち、配列番号1で表されるもの
は、461bpからなる塩基配列を有し、321bpの
オープンリーディングフレームを有していた。このオー
プンリーディングフレームは、106アミノ酸残基から
なる蛋白質をコードしている。配列番号3で表されるも
のは、447bpからなる塩基配列を有し、258bp
のオープンリーディングフレームを有していた。このオ
ープンリーディングフレームは、85アミノ酸残基から
なる蛋白質をコードしていた。なお、配列番号3で表さ
れるcDNAは、配列番号1で表されるcDNAの第2
36番目のGと第237番目のCの間に59bpの塩基
が挿入され、かつ387番目から401番目までの15
bpが欠失したものであり、選択スプライシングの結果
生成した産物と思われる。いずれのcDNAも、不死化
した細胞において発現の著しい増加が認めらるので、癌
のマ−カ−になりうる。
【0014】発明(1)の蛋白質は、どの組織でも発現し
ているので、配列番号1または配列番号3に記載のcD
NAの塩基配列に基づいて合成したオリゴヌクレオチド
プローブを用いて、ヒト細胞から作製したヒトcDNA
ライブラリーをスクリーニングすることにより、発明
(3)または(4)のcDNAと同一のクローンを容易に得る
ことができる。あるいは、これらのオリゴヌクレオチド
をプライマ−として、ポリメラ−ゼ連鎖反応(PCR)
法を用いて、目的cDNAを合成することもできる。
【0015】一般にヒト遺伝子は個体差による多型が頻
繁に認められる。従って配列番号1または配列番号3に
おいて、1または複数個のヌクレオチドの付加、欠失お
よび/または他のヌクレオチドによる置換がなされてい
るcDNAも発明(3)または発明(4)の範疇にはいる。
【0016】同様に、これらの変更によって生じる、1
または複数個のアミノ酸の付加、欠失および/または他
のアミノ酸による置換がなされている蛋白質も、配列番
号2あるいは配列番号4で表されるアミノ酸配列を有す
る蛋白質の活性を有する限り、発明(1)の範疇に入る。
【0017】発明(3)または発明(4)のcDNAには、配
列番号1または配列番号3で表される塩基配列のいかな
る部分塩基配列を含むcDNA断片(10bp以上)も
含まれる。また、センス鎖およびアンチセンス鎖からな
るDNA断片もこの範疇にはいる。これらのDNA断片
は遺伝子診断用のプローブとして用いることができる。
【0018】発明(5)の抗体は、発明(1)の蛋白質を抗原
として用いて動物を免役した後、血清から得ることが出
きる。抗原としてはこの出願によって提供されるアミノ
酸配列に基づき化学合成したペプチドや、真核細胞や原
核細胞で発現させた蛋白質を用いることが出きる。ある
いは、上記の真核細胞用発現ベクターを注射や遺伝子銃
によって、動物の筋肉や皮膚に導入した後、血清を採取
することによって作製することができる(特開平7−3
13187)。動物としては、マウス、ラット、ウサ
ギ、ヤギ、ニワトリなどが用いられる。免疫した動物の
脾臓から採取したB細胞をミエロ−マと融合させてハイ
ブリド−マを作製すれば、発明(1)の蛋白質に対するモ
ノクロ−ナル抗体を産生することができる。
【0019】
【実施例】次に実施例を示してこの出願の発明をさらに
詳細かつ具体的に説明するが、この出願の発明はこれら
の例に限定されるものではない。なお、DNAの組換え
に関する基本的な操作および酵素反応は、文献("Molec
ular Cloning. A Laboratory Manual", Cold Spring Ha
rbor Laboratory, 1989)に従った。制限酵素および各
種修飾酵素は、特に記載の無い場合は、宝酒造社製であ
る。各酵素反応の緩衝液組成、並びに反応条件は付属の
説明書に従った。cDNA合成は文献(Kato, S. er a
l., Gene 150:243-250, 1994)に従った。 実施例1:cDNAクロ−ニング ヒト完全長cDNAライブラリ−(WO97/0319
0記載)から選択したcDNAクロ−ンの大規模塩基配
列決定の結果、クロ−ンHP10504−1とHP10
504−2を得た。HP10504−1は、98bpの
5’非翻訳領域、321bpのオープンリーディングフ
レーム、42bpの3’非翻訳領域からなる構造を有し
ていた(配列番号1)。オープンリーディングフレーム
は106アミノ酸残基からなる蛋白質をコードしていた
(配列番号2)。一方、HP10504−2は、9bp
の5’非翻訳領域、258bpのオープンリーディング
フレーム、180bpの3’非翻訳領域からなる構造を
有していた(配列番号3)。オープンリーディングフレ
ームは85アミノ酸残基からなる蛋白質をコードしてい
た(配列番号4)。HP10504−2は、HP105
04−1より5’末端が89bp短く、HP10504
−1の第236番目のGと第237番目のCの間に59
bpの塩基が挿入され、かつ387番目から401番目
までの15bpが欠失したものであり、選択スプライシ
ング産物と思われる。その結果、アミノ酸配列において
は、N末端46アミノ酸残基は一致するが、C末端側は
異なる配列を有している。
【0020】これらの蛋白質のアミノ酸配列を用いてプ
ロテインデータベースを検索したが、類似性を有する既
知蛋白質はなかった。また、cDNAの塩基配列を用い
てGenBankを検索したところ、ESTの中に、9
0%以上の相同性を有するもの(例えば、アクセション
番号AI541388)が存在したが、部分配列なので
この発明の蛋白質と同じ蛋白質をコ−ドしているかどう
かは判定できない。 実施例2:発現プロフィ−ル解析 3種類の繊維芽細胞、WI38(10代継代)、老化W
I38(28代継代)、不死化WI38VA13、なら
びに繊維肉腫細胞株HT−1080、HeLa細胞株の
それぞれからRNAを抽出し、それぞれを鋳型にしてR
T−PCRを行った。センスプライマ−として配列番号
5の合成オリゴヌクレオチド、アンチセンスプライマ−
として配列番号6の合成オリゴヌクレオチドを用いた。
PCR産物をアガロ−スゲル電気泳動にかけたところ、
不死化WI38VA13、繊維肉腫細胞株HT−108
0、HeLa細胞株からは、二本のバンドが認められ
た。小さいサイズのバンドはHP10504−1に、大
きいサイズのバンドはHP10504−2にそれぞれ由
来する。ところが、不死化していないWI38からは、
小さいほうのバンドがわずかに認められただけであっ
た。
【0021】さらに、各種ヒト組織のcDNAライブラ
リ−(Clontech社製)を鋳型にしてRT−PCRを行っ
たところ、大腸、卵巣、末梢血白血球、前立腺、小腸、
脾臓、睾丸、胸腺などの組織にはほとんど発現が認めら
れなかったが、肺癌、大腸癌、卵巣癌、膵臓癌などから
は強い発現が認められた。 実施例3:インビトロ翻訳による蛋白質合成 この発明のcDNAを有するプラスミドベクターを用い
て、TNTウサギ網状赤血球溶解物キット(プロメガ社
製)によるインビトロ転写/翻訳を行なった。この際[
35S]メチオニンを添加し、発現産物をラジオアイソト
ープでラベルした。いずれの反応もキットに付属のプロ
トコールに従って行なった。プラスミド2μgを、TN
ウサギ網状赤血球溶解物12.5μl、緩衝液(キットに付
属)0.5μl、アミノ酸混合液(メチオニンを含まない)
2μl、[35S]メチオニン(アマーシャム社)2μl
(0.37 MBq/μl)、T7RNAポリメラーゼ0.5μ
l、RNasin20Uを含む総量25μlの反応液中
で30℃で90分間反応させた。反応液3μlにSDS
サンプリングバッファー(125mMトリス塩酸緩衝液、p
H6.8、120mM2−メルカプトエタノール、2%SDS溶
液、0.025%ブロモフェノールブルー、20%グリセロ
ール)2μlを加え、95℃3分間加熱処理した後、S
DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけた。オー
トラジオグラフィーを行ない、翻訳産物の分子量を求め
た。その結果、いずれのクロ−ンも、ORFから予想さ
れる分子量約10kDaおよび約8.5kDaとほぼ同じ大きさの
翻訳産物を生成した。 実施例4:大腸菌によるGST融合蛋白質の発現 EcoRI認識部位を付加した翻訳開始コドンから始まる25
merのセンスプライマー(配列番号7の合成オリゴヌクレ
オチド)とXhoI認識部位を付加した停止コドンまでを含
む25 merのアンチセンスプライマー(配列番号8の合成
オリゴヌクレオチド)を用い、pHP10504-1を鋳型として
PCRにより翻訳領域を増幅した。PCR産物をEcoRI
とXhoIで消化し、pGEX-6P-1(pharmacia社製)のEcoRIとX
hoI部位に挿入した。塩基配列を確認した後、宿主大腸
菌BL21の形質転換を行った。LB培地中で37℃で5時間
培養し、IPTGを最終濃度が0.4 mMになるように加え、さ
らに37℃で2.5時間培養した。菌体を遠心により分離
し、溶解溶液(50 mM Tris-HCl(pH7.5), 1mM EDTA-1
%, Triton X-100, 0.2% SDS, 0.2 mM PMSF)に溶かし、
一度-80℃で凍結させ融解させた後、超音波破砕を行っ
た。1000 x gで30分遠心し、上清にグルタチオンセファ
ロース4Bを加え、4℃で1時間インキュベートした。ビ
ーズを十分洗浄した後、溶出溶液(10 mM Tris-50 mM
グルタチオン)で融合蛋白質を溶出した。その結果、分
子量約36kDaのGST-HP10504-1融合蛋白質を得た。 実施例5:抗体作製 上記の融合蛋白質を抗原として家兔に常法により免疫を
行い抗血清を得た。抗血清はまず、40%飽和硫安沈殿画
分をGSTアフィニティーカラムによりGST抗体を除いた。
素通り画分をさらにGST-HP10504-1の抗原カラムにより
精製した。 実施例6:ウェスタンブロット ヒトフィブロサルコ−マ細胞株HT−1080の溶解物
をSDS-PAGEにより分離し、PVDF膜ブロットした後、5 %
スキムミルクを含む0.05 % Tween20-PBS(TPBS)で1時
間室温でブロッキングし、抗体をTPBSで10000倍希釈し
たものと1時間インキュベートした。TPBSで3回洗浄
し、さらにTPBSで10000倍希釈した西洋ワサビペルオキ
シダーゼ標識ヤギ抗ウサギIgGと1時間インキュベート
した。TPBSで4回洗浄し、ECL試薬(Amersham 社製)に
より発光させて検出したところ、分子量約10kDaのシグ
ナルが得られた。この分子量は、実施例3で得られたウ
サギ無細胞翻訳系による蛋白質のインビトロ翻訳産物の
分子量と一致していた。 実施例7:GFP融合蛋白質の発現 XhoI認識部位を付加した翻訳開始コドン から始まる25
merのセンスプライマー(配列番号9の合成オリゴヌク
レオチド)とEcoRI認識部位をを付加した停止コドンま
でを含む25 merのアンチセンスプライマー(配列番号1
0の合成オリゴヌクレオチド)を用い、pHP10504-1を鋳
型としてPCRにより翻訳領域を増幅した。PCR産物
をXhoIとEcoRIで消化し、GFP融合蛋白質発現用ベク
タ−pEGFP-C1(Clontech社製)のXhoIと EcoRI部位に挿入
した。塩基配列を確認した後、得られた pEGFP-C1-HP10
504-1をリポフェクション法によりHeLA細胞にトラ
ンスフェクトした。蛍光顕微鏡により観察したところpE
GFP-C1をトランスフェクトした細胞では、細胞全体に蛍
光が見られるのに対し、pEGFP-C1-HP10504-1では核のみ
に蛍光が見られた。この結果からHP10504-1は核に存在
する蛋白質であることが示された。同様に、pHP10504-2
についてもGFP融合遺伝子を調製し、HeLa細胞で
発現させて局在を調べたところ、核に局在が認められ
た。
【0022】
【発明の効果】この出願の発明によって、癌細胞で発現
が増加する新規ヒト核蛋白質、この蛋白質をコードする
DNA、この蛋白質をコードするヒトcDNA、および
このヒト核蛋白質に対する抗体が提供される。この発明
の蛋白質および抗体は、癌などの病態の診断および治療
などに有用である。この発明のDNAを用いることによ
り、この蛋白質を大量に発現することができる。この蛋
白質と結合する低分子化合物をスクリ−ニングすること
による、新しい型の抗腫瘍剤等の医薬を探索することが
できる。
【0023】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Japan Science and Technology Corporation <120> ヒト核蛋白質とこれをコ−ドするcDNA <130> NP99536-YS <140> <141> <160> 10 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 461 <212> DNA <213> Homo sapiens <220> <221> CDS <222> (99)..(419) <400> 1 attcctccaa cgggcaggtc tcagcgctcc tccccctgct ccgctcctct gcagggccca 60 ggcgcccttg gccttaggac ccaacttctc ttaccgcc atg gag ttc gac ctg gga 116 Met Glu Phe Asp Leu Gly 1 5 gca gcc ctg gag ccc acc tcc cag aag ccc ggt gtg ggg gcg ggc cac 164 Ala Ala Leu Glu Pro Thr Ser Gln Lys Pro Gly Val Gly Ala Gly His 10 15 20 ggg gga gat ccc aag ctc agt ccc cac aaa gtt cag ggc cgg tcg gag 212 Gly Gly Asp Pro Lys Leu Ser Pro His Lys Val Gln Gly Arg Ser Glu 25 30 35 gca ggg gca ggt ccg ggt cca aag caa gga cac cac agc tct tcc gac 260 Ala Gly Ala Gly Pro Gly Pro Lys Gln Gly His His Ser Ser Ser Asp 40 45 50 tcc agc agc agc tcc agc gat tcg gac acg gat gtg aag tcc cac gct 308 Ser Ser Ser Ser Ser Ser Asp Ser Asp Thr Asp Val Lys Ser His Ala 55 60 65 70 gct ggc tcc aag cag cac gag agc atc ccg ggc aag gcc aag aag ccc 356 Ala Gly Ser Lys Gln His Glu Ser Ile Pro Gly Lys Ala Lys Lys Pro 75 80 85 aaa gtg aag aag aag gag aag ggc aag aag gag aag ggc aag aag aag 404 Lys Val Lys Lys Lys Glu Lys Gly Lys Lys Glu Lys Gly Lys Lys Lys 90 95 100 gag gct ccc cac tga agggccctgg acagggctca ttaaaccttc ctctctgcct 459 Glu Ala Pro His 105 tc 461 <210> 2 <211> 106 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 2 Met Glu Phe Asp Leu Gly Ala Ala Leu Glu Pro Thr Ser Gln Lys Pro 1 5 10 15 Gly Val Gly Ala Gly His Gly Gly Asp Pro Lys Leu Ser Pro His Lys 20 25 30 Val Gln Gly Arg Ser Glu Ala Gly Ala Gly Pro Gly Pro Lys Gln Gly 35 40 45 His His Ser Ser Ser Asp Ser Ser Ser Ser Ser Ser Asp Ser Asp Thr 50 55 60 Asp Val Lys Ser His Ala Ala Gly Ser Lys Gln His Glu Ser Ile Pro 65 70 75 80 Gly Lys Ala Lys Lys Pro Lys Val Lys Lys Lys Glu Lys Gly Lys Lys 85 90 95 Glu Lys Gly Lys Lys Lys Glu Ala Pro His 100 105 <210> 3 <211> 447 <212> DNA <213> Homo sapiens <220> <221> CDS <222> (10)..(267) <400> 3 ctcaccgcc atg gag ttc gac ctg gga gca gcc ctg gag ccc acc tcc cag 51 Met Glu Phe Asp Leu Gly Ala Ala Leu Glu Pro Thr Ser Gln 1 5 10 aag ccc ggt gtg ggg gcg ggc cac ggg gga gat ccc aag ctc agt ccc 99 Lys Pro Gly Val Gly Ala Gly His Gly Gly Asp Pro Lys Leu Ser Pro 15 20 25 30 cac aaa gtt cag ggc cgg tcg gag gca ggg gca ggt ccg ggt cca aag 147 His Lys Val Gln Gly Arg Ser Glu Ala Gly Ala Gly Pro Gly Pro Lys 35 40 45 gcc tcc aac ttc agg ggg ctg ggt aag ggg cgc cgc ctc act gcc gca 195 Ala Ser Asn Phe Arg Gly Leu Gly Lys Gly Arg Arg Leu Thr Ala Ala 50 55 60 cct cca tcc agc aag gac acc aca gct ctt ccg act cca gca gca gct 243 Pro Pro Ser Ser Lys Asp Thr Thr Ala Leu Pro Thr Pro Ala Ala Ala 65 70 75 cca gcg att cgg aca cgg atg tga agtcccacgc tgctggctcc aagcagcacg 297 Pro Ala Ile Arg Thr Arg Met 80 85 agagcatccc gggcaaggcc aagaagccca aagtgaagaa gaaggagaag ggcaagaagg 357 agaagggcaa gaaggagaag ggcaagaaga aggaggctcc ccactgaagg gccctggaca 417 gggctcatta aaccttcctc tctgccttct 447 <210> 4 <211> 85 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 4 Met Glu Phe Asp Leu Gly Ala Ala Leu Glu Pro Thr Ser Gln Lys Pro 1 5 10 15 Gly Val Gly Ala Gly His Gly Gly Asp Pro Lys Leu Ser Pro His Lys 20 25 30 Val Gln Gly Arg Ser Glu Ala Gly Ala Gly Pro Gly Pro Lys Ala Ser 35 40 45 Asn Phe Arg Gly Leu Gly Lys Gly Arg Arg Leu Thr Ala Ala Pro Pro 50 55 60 Ser Ser Lys Asp Thr Thr Ala Leu Pro Thr Pro Ala Ala Ala Pro Ala 65 70 75 80 Ile Arg Thr Arg Met 85 <210> 5 <211> 15 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> (213> Synthesized oligonucleotide <400> 5 attcctccaa cgggc 15 <210> 6 <211> 15 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> (213> Synthesized oligonucleotide <400> 6 gaaggcagag aggaa 15 <210> 7 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> (213> Synthesized oligonucleotide <400> 7 ccgaattcat ggagttcgac ctggg 25 <210> 8 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> (213> Synthesized oligonucleotide <400> 8 ccctcgagtc agtggggagc ctcct 25 <210> 9 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> (213> Synthesized oligonucleotide <400> 9 ccctcgagct atggagttcg acctg 25 <210> 10 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> (213> Synthesized oligonucleotide <400> 10 ccgaattctc agtggggagc ctcct 25
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/47 C07K 16/18 16/18 A61K 45/00 // A61K 45/00 (C07K 14/47 (C07K 14/47 C12R 1:21) C12R 1:21) C12N 15/00 ZNAA Fターム(参考) 4B024 AA01 AA12 BA45 CA04 HA11 4C057 BB02 BB05 DD01 MM04 4C084 AA01 BA19 BA21 BA22 CA56 ZB262 4C085 AA19 AA26 CC13 DD22 EE01 4H045 AA10 AA11 BA10 CA41 DA76 EA28 EA51 FA74

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号2または配列番号4のアミノ酸
    配列を含むヒト核蛋白質。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の蛋白質をコードするDN
    A。
  3. 【請求項3】 配列番号1または配列番号2における翻
    訳領域の塩基配列を含むヒトcDNA。
  4. 【請求項4】 配列番号1または配列番号2の塩基配列
    からなる、請求項3記載のヒトcDNA。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のヒト核蛋白質に対する抗
    体。
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