JP2001215533A - 液晶型可逆情報表示媒体 - Google Patents

液晶型可逆情報表示媒体

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JP2001215533A
JP2001215533A JP2000026205A JP2000026205A JP2001215533A JP 2001215533 A JP2001215533 A JP 2001215533A JP 2000026205 A JP2000026205 A JP 2000026205A JP 2000026205 A JP2000026205 A JP 2000026205A JP 2001215533 A JP2001215533 A JP 2001215533A
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JP2000026205A
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Satoshi Sanada
聡 真田
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Tokyo Magnetic Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 液晶型可逆情報表示媒体は、主成分が室
温でガラス状態を示す液晶性組成物と二色性色素からな
る記録層を有し、前記液晶性組成物は、熱の印加により
等方性液体状態または液晶ドメイン状態を示し、且つ熱
と電界の印加によりホメオトロピック配向状態を示すも
のである。 【効果】 応答性、高温、低温下での保存性、耐光性、
耐久性、視認性、耐改ざん性に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報表示媒体に関
するものであり、より詳細に述べるならば、例えば、リ
ライタブルペーパーやOHP用表示シート、磁気カード
の表示部、ICカードの表示部として使用しうるような
可逆情報表示媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報表示、記録するための紙やプ
ラスチックの大量使用は、資源問題、環境問題の点から
問題視されている。また、情報記録カードの利用用途も
多種多様化し、表示能力を有するものが要求されてい
る。カード等の表示部は、表示面積に制限があるため不
要となった情報を消去し、必要な情報に書き換えること
が可能な繰り返し書き込み消去が行えるものが好まし
い。また、表示される情報が容易に書き換えできないよ
うなセキュリティー性のある表示媒体が要求されてい
る。
【0003】繰り返し書き込み消去可能な表示媒体とし
ては、高分子母剤に有機低分子化合物を分散し、加える
熱の制御によって光の散乱、透過を制御して表示を行う
可逆性感熱表示媒体、複数の高分子をブレンドした膜か
らなり、熱によって相分離をコントロールして表示を行
うもの、ロイコ色素と顕色剤を用いた可逆的感熱記録媒
体、磁性粉を分散した常温で固体状態を示す分散剤をマ
イクロカプセルに内包し、加熱状態で印加する磁界によ
り磁性粉をカプセル上部もしくはカプセルの下部に移動
させ表示を行う磁気記録媒体がある。
【0004】前述の方法に対し視認性、耐久性等に優れ
ている液晶性材料の配向変化を利用した情報表示媒体も
提案されている。低分子液晶材料を用いる方法として
は、液晶分子が高分子マトリックス中に存在する液晶/
高分子複合膜を用いた表示素子が提案されている。
【0005】さらに、表示のメモリー性を有し、製膜性
能を有する高分子液晶を使用する方式も提案されてい
る。高分子液晶は、高分子骨格の側鎖に屈曲性基を介し
て液晶性を発現できる分子(メソゲン)を化学的に付与
したものであり、ガラス転移温度Tg以下で液晶相の固定
化が容易にできる。この高分子液晶を利用するものとし
ては、特開昭63−191673号公報に開示されたよ
うなものがあり、この可逆性表示媒体は、加える熱の制
御によって液晶ドメインの状態による光の散乱、等方性
液体状態による透過を制御して表示を行うものである。
【0006】さらにまた、特開昭59−10930号公
報には、高分子液晶への熱と電界または熱の印加時にお
ける配向の違いを利用する情報記録媒体が開示されてい
る。また、特開平2−219861号公報には、強誘電
体高分子液晶を利用し応答速度を向上させる方法が開示
されている。そしてまた、特開平4−110925号公
報および特開平6−265861号公報には、高分子液
晶にネマチック液晶を添加してスメクチック相を形成す
ることにより応答速度を向上させる方法が開示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の液晶/高分子複合膜を用いた表示素子の方式で
は、液晶記録層の形成に大量の高分子物質を必要とし、
二色性色素等を添加しホスト−ゲスト方式で使用する場
合、二色性色素が高分子物質に拡散してしまいコントラ
ストが低下してしまうという問題があった。
【0008】また、前述の特開昭63−191673号
公報に開示されたような方法では、高分子液晶のTg以上
での等方性液体状態または微少に分散された液晶ドメイ
ン状態への配向変化が遅く、アニール処理が必要となる
ため書き換えに時間を要する等の問題があった。
【0009】また、前述の特開昭59−10930号公
報の情報記録媒体は、高分子液晶単体では配向速度が非
常に遅く実用化するのは困難であるという問題点があっ
た。さらにまた、前述の特開平2−219861号公報
の方法は、強誘電液晶を利用する際には配向処理が必要
であり、また、高分子液晶へのカイラル剤の導入が必要
であるため合成が困難であり、高価なものとなってしま
う問題点があった。さらにまた、前述の特開平4−11
0925号公報および特開平6−265861号公報に
開示された方法では、スメクチック相は圧力により配向
が変化するため、耐久性、保存性に問題があった。
【0010】また、これらの方法では、単一なエネルギ
ーで画像の形成や消去が可能であり、表示内容の改ざん
が容易であった。
【0011】このように、現状では、リライタブルペー
パーやOHP用表示シート、磁気カードの表示部、IC
カードの表示部に使用可能で、長期または繰り返し使用
下においてコントラストの低下がなく、印圧によるコン
トラスト変化がなく、高温下での保存性、耐久性、視認
性、耐改ざん性に優れた情報表示方法はなく、このよう
な情報表示媒体の出現に対する強い要望がある。
【0012】したがって、本発明の目的は、このような
要望に十分に応え得るような可逆情報表示媒体を提供す
ることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明による液晶型可逆
情報表示媒体は、主成分が室温でガラス状態を示す液晶
性組成物と二色性色素からなる記録層を有し、前記液晶
性組成物は、熱の印加により等方性液体状態または液晶
ドメイン状態を示し、且つ熱と電界の印加によりホメオ
トロピック配向状態を示すものであり、熱の印加による
文字や画像等の形成と、熱と電界の印加による消去とを
繰り返し行うことができ、且つ熱と電界の印加を切断し
ても室温で画像保持が可能である。
【0014】本発明の一つの実施の形態によれば、前記
液晶組成物は、高分子液晶である。
【0015】本発明の別の実施の形態によれば、前記液
晶組成物は、高分子液晶と低分子液晶の混合物である。
【0016】本発明の好ましい実施例によれば、前記液
晶組成物における前記低分子液晶の含有量は、前記高分
子液晶に対して30重量%以下である。
【0017】本発明のさらに別の実施の形態によれば、
前記記録層は、導電性を有する基材の上に形成されてい
る。
【0018】本発明のさらに別の実施の形態によれば、
前記記録層は、基材上に設けた導電性層の上に形成され
ている。
【0019】本発明のさらに別の実施の形態によれば、
前記導電性を有する基材は、透明性であり、該基材の裏
面に空気層を介して反射層または白色層を形成する。
【0020】本発明のさらに別の実施の形態によれば、
前記基材および導電性層は、透明性であり、前記基材の
裏面に空気層を介して反射層または白色層を形成する。
【0021】本発明のさらに別の実施の形態によれば、
前記導電性層は、透明性であり、前記基材と前記導電性
層との間に空気層を設け、前記基材上面に反射層または
白色層を形成する。
【0022】本発明のさらに別の実施の形態によれば、
前記記録層上に、紫外線吸収層または保護層を形成す
る。
【0023】本発明の好ましい実施例によれば、前記記
録層中に、フッ素系界面活性剤を前記液晶組成物に対し
て5重量%以下で含有させる。
【0024】本発明の好ましい実施例によれば、前記記
録層中に、高分子樹脂を前記液晶組成物に対して20重
量%以下で含有させる。
【0025】本発明の好ましい実施例によれば、前記記
録層中に、フィラーを前記液晶組成物に対して20重量
%以下で含有させる。
【0026】本発明の好ましい実施例によれば、前記記
録層中に、紫外線吸収剤を含有させる。
【0027】
【発明の実施の形態】次に、添付図面に基づいて本発明
の実施の形態および実施例について、本発明をより詳細
に説明する。
【0028】先ず、本発明の個々の実施の形態または実
施例について説明する前に、本発明の概要について説明
しておく。本発明において使用する液晶組成物は、高分
子液晶または高分子液晶と低分子液晶の混合物を利用し
うるのであるが、高分子液晶は、高分子骨格の側鎖に屈
曲性基を介して液晶性を発現できる分子(メソゲン)を
化学的に付与したものであり、ガラス転移温度Tg以下で
液晶相の固定化が容易にできるが、液晶相を示す温度
(以下、液晶相温度という)における粘度が非常に高い
ため電界や熱に対する応答性が非常に低い。しかし、混
合状態で高分子液晶と相溶する低分子液晶を混合するこ
とにより液晶相の粘度を低下させることが可能であり、
応答速度を改善することができる。この際、この液晶組
成物を室温でガラス状態を示すように調整することで圧
力による配向変化を抑制することが可能である。
【0029】本発明で用いる液晶組成物は、液晶相温度
以下の温度では等方性液体状態(透過性二色性色素色)
か液晶ドメイン状態(隠蔽性二色性色素色)のどちらか
の配向状態をとる。ホメオトロピック配向(無色)と等
方性液体状態、液晶ドメイン(有色)の状態間の安定性
は非常に高く高分子液晶のTg以上の温度でも安定で液晶
相温度の近傍の温度までその配向状態を保持することが
可能であり、高温での表示の保存安定性に優れている。
また、消去状態(無色)を形成するには、熱と電界を必
要とするため耐改ざん性を有するものとなる。
【0030】図1は、本発明の一実施例としての液晶型
可逆情報表示媒体の積層構造を模型的に示す断面図であ
る。この図1に示すように、この実施例の情報表示媒体
は、基材2と、導電層3と、液晶記録層4と、保護層5
とを備える。
【0031】本発明において、基材2には、携帯に要す
る剛性を具備するシート、例えば、ポリエチレンテレフ
タレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィル
ム等のポリエステルフィルム、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等
のアクリル樹脂系フィルム、更には、ポリスチレンフィ
ルム、アクロニトリル・ブタジェン・スチレン共重合
体、三酢酸セルロースフィルム、ポリカーボネートフィ
ルム、ポリイミドフィルム等の厚さ25〜1000μm
程度のものが使用される。さらに、これらの他に、アー
ト紙、コート紙、上質紙等の一般的な紙類、合成紙、金
属箔、セラミックシート等も使用可能である。
【0032】導電性を有する基材2としては、例えば、
アルミニウム、クロム、ニッケル、コバルト、銅、銀、
金、錫、亜鉛、黄銅、ステンレススチール等の金属箔や
カーボンブラック等の導電性有機材料、アルミニウム、
クロム、ニッケル、コバルト、銅、銀、金、錫、亜鉛、
ステンレススチール等の金属およびそれらの酸化物、窒
化物、さらには、ZnOx、In-Sn-Ox等の導電性材料をポリ
エチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフ
タレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリメタ
クリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリ
ル酸エチレン等のアクリル樹脂系フィルム、更には、ポ
リスチレンフィルム、アクロニトリル・ブタジェン・ス
チレン共重合体、三酢酸セルロースフィルム、ポリカー
ボネートフィルム、ポリイミド等に練り込んで形成した
導電性フィルムが使用可能である。
【0033】また、基材シートの表面に形成される導電
層3は、文字通り導電性を有するものであれば任意のも
のでよく、例えば、カーボンブラック等の導電性有機材
料による層、アルミニウム、クロム、ニッケル、コバル
ト、銅、銀、金、錫、亜鉛、黄銅、ステンレススチール
等の金属およびそれらの酸化物、窒化物、さらには、Zn
Ox、In-Sn-Ox等の透明導電層、蒸着層、スパッタリング
層、無電界メッキ層、溶射メッキ層、さらには箔層とし
て、また、前述の導電性材料を粉体とし、これを樹脂に
分散させた塗工剤を利用しても一般的なコーティング法
による塗工層の形成も可能である。これらの層は、基材
上に通常0.01〜50μm程度の厚さに形成される。
なお、基材シートの表面の導電性層を真空蒸着またはス
パッタリング等によって形成する場合には、その導電性
層の均一性を計る目的で、基材シートの表面にアンカー
コート層を形成した後に、導電性層を形成するのが好ま
しい。また、導電層として金属光沢を有するものを利用
する場合には、その導電層が高コントラスト画像を形成
するための反射層としての作用も果たす。さらに、導電
層を反射層としても利用する場合、表面が鏡面状態では
正反射成分が強く視野角が狭くなるため、導電層表面を
適度に粗くすることが好ましい。導電層の表面粗さは、
基材シートに添加するフィラーの量や、基材シートの表
面にアンカーコート層を形成するときの塗工液に添加す
るフィラーの量による調整も可能である。
【0034】この導電層3は、情報記録媒体の基材2の
全面に形成されていても、あるいは、部分的に形成され
ていてもよい。
【0035】透明な導電層3の場合には、基材シートの
色が透過して見えるため、基材シートとして乳白ポリエ
チレンテレフタレートフィルム、もしくは基材2に白色
塗工剤を塗布したものを利用することで、白地に二色性
色素色の表示が可能になる。また、有色または反射性を
示す導電層3の場合、導電層3上に白色塗工剤を塗布し
たものを利用することで、白地に二色性色素色の表示が
可能になる。
【0036】透明な導電層3を用いる場合には、基材に
透明度の高いシートを用い、シートの裏面に空気層を介
して反射層または白色層を形成することで、二色性色素
による地肌部分の発色を低減することが可能である。同
様に、透明な導電層3を用いる場合には、この導電層3
と基材2の上面との間に空気層を形成し、基材2の上面
に反射層または白色層を形成するようにしても、同様の
効果を得ることができる。
【0037】次に、本発明における液晶記録層4につい
て説明する。図2、図3および図4は、液晶記録層の構
成主成分の相状態をそれぞれ示した図である。これら図
において、参照符号4aは、高分子液晶の主鎖を示し、
参照符号4bは、高分子液晶のメソゲンを示し、参照符
号4cは、低分子液晶を示し、参照符号4dは、二色性
色素を示している。本発明で利用可能な高分子液晶は、
高分子骨格の側鎖に屈曲性基を介して液晶性を発現でき
る分子(メソゲン)を化学的に付与したものであり、液
晶相温度で電界により配向変化可能であり、液晶相温度
以下でガラス状態を示し、液晶相の固定化ができるもの
である。側鎖型高分子液晶は、アクリル酸エステル、メ
タクリル酸エステル、スチレンに屈曲鎖を介して結合し
たモノマーの付加重合やポリ[オキシ(メチルシリレ
ン)]等のポリシロキサン骨格ポリマーへのビニル置換
メソゲンモノマーとの付加反応によって合成可能であ
る。重合反応の場合、共重合も可能であり架橋部位や多
種メソゲン基を導入することも可能である。Tgや液晶相
温度は、重合度、メソゲン種、スペーサーの長さ、共重
合するメソゲン種や割合によって変化するが、本発明で
は、Tgが室温以上であるものが使用可能である。また、
本発明で用いられる高分子液晶のメソゲンは、電界応答
性のあるものが好ましく、液晶相としてネマチック相、
スメクチック相、コレステリック相のいずれの相状態を
示すものでも使用できる。
【0038】低分子液晶4cは、高分子液晶との混合状
態で液晶相の粘度を低下させ、応答速度を改善する目的
で使用される。本発明で利用可能な低分子液晶は、高分
子液晶との相溶性が良いものが好ましく、側鎖型高分子
液晶の側鎖部と類似骨格を有するものが更に好ましい。
低分子液晶の添加量は、高分子液晶との相溶性によって
影響を受けるが、高分子液晶と混合し室温でガラス状態
を形成できればよく、好ましくは30%以下である。
【0039】二色性色素4dは、高分子液晶の側鎖分子
または低分子液晶に保持され、且つ側鎖分子または低分
子液晶の配向と同様の配向状態をとり、液晶組成物と同
様に光学的な機能を果たす。二色性色素は、アゾ系、ア
ントラキノン系のいずれでもよく、単一成分のみに限ら
ず、多成分の混合により色調を調整することも可能であ
る。このような二色性色素としては、例えば、三井化学
(株)から市販されているM-361、SI-484、M-141、M-48
4、M-34、SI-497、M-403、S-409、M-412、S-428、日本
感光色素(株)から市販されているNKX-1366、G-202、G
-205、G-206、G-207、G-232、G-239、G-241、G-254、G-
256、G-289、G-470、G-471、G-472、昭和化工(株)か
ら市販されているKRD-201、KRD-901、KRD-902、KPD-50
3、KPD-906、KBD-401、KBD-701、KKD-602、KKD-604等を
利用しうる。
【0040】高分子液晶または高分子液晶と低分子液晶
を混合した液晶組成物は、凝集力が高く、濡れ性が低
い。このため、弗素系界面活性剤を添加することで凝集
力を低下させ導電層上への濡れ性を向上させることが可
能である。このような弗素系界面活性剤としては、例え
ば、住友3M(株)製、フロラードFC-430、フロラード
FC-431、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF-
110、F-116、F-120、F-150、F-160、F-171、F-172、F-1
73、F-177、F-178A、F-178K、F-179、F-183、F-184、F-
191、F-812、F-833等が挙げられる。弗素系界面活性剤
の添加量が増加すると、塗料が泡立ち易くなり、上下層
との密着も低下する。このため弗素系界面活性剤の添加
量は、液晶高分子に対して5重量%以下が好ましい。
【0041】高分子液晶または液晶高分子と低分子液晶
を混合した液晶組成物は、液晶層温度以下では流動性が
低いが、液晶相温度では粘度が低下し流動性が高くな
る。この流動性を抑制することを目的として液晶高分子
にフィラーや高分子物質が加えられる。また、フィラー
や樹脂の添加は、上下層との密着を良好にする効果があ
る。
【0042】本発明に用いるフィラーとしては、有機材
料、無機材料、有機−無機共重合体、または、これらの
複合物が挙げられ、具体的には、シリカ、アルミナ、炭
酸カルシウム、シリカやアルミナや炭酸カルシウムの表
面を有機高分子で被覆したコア−シェル型粒子、有機高
分子の存在下で金属アルコキシドの重縮合で得られる有
機無機複合粒子、ポリスチレン、スチレン−ブタジェン
ゴム、ポリメタクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ポリ
(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)、ポリアクリル
アミド、ポリアクリル酸、ポリ(スチレン−アクリル酸
ブチル)、ポリスチレン/ポリ(メタクリル酸2−ヒド
ロキシエチル)複合体、ポリ(スチレン−ジビニルベン
ゼン)、セルロース等が挙げられる。好ましい粒子の屈
折率は、下地層の材質により異なる。導電層として金属
を用いた場合、表面が鏡面であれば、高分子液晶と屈折
率が大きく違うものが好ましく、表面を粗くしてマット
調にしてあれば、高分子液晶と同程度のものが好まし
い。前述のフィラーの粒子径は、液晶記録層の膜厚より
も大きい場合は、膜の平滑性の面から好ましくなく、粒
子径の上限としては、15μmである。フィラーの添加
量は、フィラーの粒径によっても異なるが、添加量が増
加すると記録層中の高分子液晶、色素、低分子成分等の
割合が低下するため、コントラストが低下する。このた
め、添加量としては、20重量%以下であることが好ま
しい。
【0043】フィラーとして、無機系紫外線吸収剤粒子
を使用すると、液晶層に紫外線吸収能を付加することが
可能であり、液晶層もしくは中間層に紫外線硬化型樹脂
を使用した場合の二色性色素の劣化を低減できる。この
ような無機系紫外線吸収剤粒子としては、酸化チタン、
酸化亜鉛、酸化セリウムやこれらの粒子の表面を有機高
分子で被覆したコア−シェル型粒子が挙げられる。ま
た、液晶記録層への粒子の添加は、記録層の地肌色の調
整にも効果があり、粒子径や混合比によって液晶記録層
を透過型と白濁型にすることができる。好ましい粒子の
屈折率は、下地層の材質により異なる。導電層として金
属を用いた場合、表面が鏡面であれば、高分子液晶と屈
折率が大きく違うものが好ましく、表面を粗くしてマッ
ト調にしてあれば、高分子液晶と同程度のものが好まし
い。前述のフィラーの粒子径は、液晶記録層の膜厚より
も大きい場合は膜の平滑性の面から好ましくなく、粒子
径の上限としては、15μmである。無機系紫外線吸収
剤粒子の添加量は、無機系紫外線吸収剤粒子の粒径によ
っても異なるが、添加量が増加すると、記録層中の項分
子液晶、色素、低分子成分等の割合が低下するため、コ
ントラストが低下する。このため、添加量としては、2
0重量%以下であることが好ましい。
【0044】また、添加高分子物質としては、モノマ
ー、オリゴマーの状態で高分子液晶と相溶性を有するも
のが好ましく使用できる。このような樹脂材料としては
紫外線硬化型が好ましい。紫外線硬化樹脂としては、例
えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルが挙げ
られ、モノマー、オリゴマーの状態で、例えばジペンタ
エリストリトールヘキサアクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、ポリエチレングリコールジ
アクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレー
ト、ポリプロピレングリコールジアクリレート、イソシ
アヌール酸(エチレンオキサイド変性)、トリアクリレ
ート、ジペンタエリストリトールテトラアクリレート、
トリアクリレート、ジペンタエリストリトールペンタア
クリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、
ヘキサンジオールジアクリレート等の多官能性モノマー
或いは多官能性ウレタン系、エステル系オリゴマー、更
にノニルフェノール変性アクリレート、N-ビニル-2-ピ
ロリドン、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリ
レート等の単官能性モノマー或いはオリゴマー等が挙げ
られる。
【0045】紫外線硬化樹脂を硬化するために必要な光
重合開始剤としては、例えば2-ヒドロキシ-2-メチル-1-
フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-
ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、ベンジルジメチ
ルケタール、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-
2-モルホリノプロパ-1-オン等が挙げられる。
【0046】高分子液晶に対する高分子物質の使用割合
は20重量%以下である。高分子物質の添加量を増加し
ていくと、高分子液晶と高分子物質が相分離を生じ表示
のコントラストが低下する。また、二色性色素が高分子
物質部にも相溶するため地肌濃度の増加によるコントラ
ストの低下が大きくなる。このため、高分子物質の添加
量は20%以下が好ましい。
【0047】液晶記録層の形成は上記諸成分からなる塗
布溶液を調製し導電性を有する基体または導電層上に形
成する。液晶記録層における塗布溶液の固形分濃度は2
0〜60重量%とするとよく、硬化に際して、樹脂の種
類、濃度、塗布層温度、紫外線照射条件等の硬化条件を
適宜に設定すること必要がある。塗布様式としては、例
えば、ブレードコート法、リバースコート法、グラビア
コート法、シルク印刷など均一に塗布できるものであれ
ば利用できる。液晶記録層の膜厚は解像性に影響を与え
るので乾燥後膜厚1〜50μm、好ましくは3〜10μ
mとするとよく、高解像性を維持しつつ、動作電圧も低
くすることができる。膜厚が薄すぎると情報記録部のコ
ントラストが低く、また、厚すぎると動作電圧が高くな
るので好ましくない。
【0048】また、本発明の液晶記録層中に添加される
二色性色素は紫外線により分解し機能が失われることも
あるので紫外線吸収層を液晶記録層上に形成することで
二色性色素の分解を抑制することも可能である。紫外線
吸収層は有機系紫外線吸収剤または無機系紫外線吸収剤
と高分子物質からなり、有機系紫外線吸収剤または無機
系紫外線吸収剤を同時に用いてもよい。有機系紫外線吸
収剤はベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、修酸
アニリド系、シアノアクリレート系、トリアジン系のい
ずれでも良く、液体でも固体のものでもよい。例えば、
2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メ
トキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクトキシベ
ンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ドデシルオキシベンゾ
フェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノ
ン、2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノ
ン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-スルホベンゾフェノ
ン、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-tert-ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3'.,5'-ジ
-tert-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾー
ル、2-(2-ヒドロキシ-3'-tert-ブチル-5'-メチルフェニ
ル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-
3',5'-ジ-tert-ブチルブチルフェニル)-5-クロロベン
ゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-tert-ア
ミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-{2'-ヒドロキ
シ-3'-(3",4",5",6"-テトラヒドロフタルイミドメチ
ル)-5'-メチルフェニル}ベンゾトリアゾール、2,2-メ
チレンビス{4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル-6-(2H-
ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノールなどがあり、無
機系紫外線吸収剤粒子としては、酸化チタン、酸化亜
鉛、酸化セリウムやこれらの粒子の表面を有機高分子で
被覆したコア─シェル型粒子が挙げらるれる。
【0049】また、有機系紫外線吸収剤としては高分子
の側鎖に紫外線吸収能を有する分子を導入したもの、例
えば(株)日本触媒製 ユーダブルUV、大塚化学
(株)製PUVA、一方社油脂工業(株)製 ULS-935LH、UL
S-1935LH等が市販されている。これらの側鎖型高分子紫
外線吸収剤はマイグレーションや染み出しがなく、長期
間の使用に優れているため屋外使用用途には好ましい。
【0050】また、紫外線吸収層に用いる高分子物質
は、低分子または高分子紫外線吸収剤と相溶するもので
あれば良い。無機系紫外線吸収剤の場合、分散が可能で
あれば良く、分散剤を添加して分散性の改善をすること
も可能である。
【0051】保護層5は液晶記録層の保護を計るもので
あり、堅牢性に優れた作用を具備することが必要であ
る。この保護層は、例えば、シリコン樹脂や分子中に重
合性不飽和結合またはエポキシ基を有するプレポリマ
ー、オリゴマー、および単量体等による混合樹脂組成物
等によるコーティング剤により、通常、厚さ0.5〜1
0μm程度で形成される。保護層には紫外線吸収能を付
加してもよく無機系紫外線吸収剤粒子を分散してもよ
い。
【0052】次に情報記録媒体の文字や画像等の形成、
消去方法について説明する。情報記録媒体の画像の形
成、消去は熱または熱、電界を印加することにより行な
う。情報表示媒体への熱の印加は熱板、加熱ローラー、
サーマルヘッド、光学的手段等で行うことができる。ま
た、急冷、徐冷などの冷却速度は、加熱温度、加熱時間
もしくは冷却装置により制御可能である。
【0053】情報表示媒体への電界の印加は、コロナ帯
電機、イオンフロー、静電ローラー、静電ヘッド等を用
いることができる。また、情報表示媒体が前述したよう
な実施例の如く導電層3を基材2上に有しているか、基
材2自体が導電性であるような場合には、図5に例示し
たような電界印加ローラや、図6に例示したような電界
印加板等を使用することもできる。図5の電界印加ロー
ラは、絶縁ギャップ9を介在させて接続した2つの導電
性ローラ7および8からなり、情報表示媒体上に各ロー
ラを接触させた状態でローラ間に電圧Vを掛けることに
より、ローラ7、導電層3または導電性基材2、ローラ
8を通して形成される電界が記録層4に印加されるよう
にしたものである。図6の電界印加板は、絶縁ギャップ
12を介在させて接続した2つの導電性板10および1
1からなり、情報表示媒体上に各板を接触させた状態で
板間に電圧Vを掛けることにより、板10、導電層3ま
たは導電性基材2、板11を通して形成される電界が記
録層4に印加されるようにしたものである。
【0054】画像の消去は情報表示媒体に上記の方法で
熱を印加した後、液晶記録層が液晶相温度範囲の間に上
記方法で電界を印加することで行なう。液晶層は図2に
示すようにホメオトロピック配向を形成し、液晶記録層
は無色となる。情報表示媒体全面を加熱し全面に電界を
印加することで全面を消去でき、部分的に加熱し全体に
電圧を印加、もしくは全体を加熱し部分的に電界を印加
することで部分的に消去することも可能である。
【0055】画像の記録は無色状態に上記方法で熱のみ
を印加して行なう。液晶記録層に液晶相温度以上の熱が
印加されると液晶の配向が乱れ、熱印加部は二色性色素
色を示す。この際、液晶の配向状態は2種類存在し、液
晶相温度もしくは等方性液体温度まで熱を印加した後、
急冷をした場合、図3に示すように液晶がランダムに配
向し、二色性色素色を示す。このときの液晶記録層は透
過性である。また、液晶相温度もしくは等方性液体温度
まで熱を印加した後、徐冷をした場合、図4に示すよう
に液晶がドメインを形成し、二色性色素色を示す。この
時の液晶記録層は隠蔽性である。感熱記録された情報表
示媒体は、再度、熱と電界を印加することにより、液晶
記録層内の液晶の配向がランダム状態から電界により液
晶部分が整列し透明状態、すなわち消去状態となる。
【0056】上記方法により無色の地肌に有色の画像を
形成することが可能となるが、消去と画像形成を逆の方
法で行い有色の地肌に無色の画像を形成することも可能
である。
【0057】これらの方法により、熱および熱と電界を
印加する操作の繰り返しにより印字と消去が自在に行い
得る。
【0058】以下、本発明の情報表示媒体の具体的な構
成を、製造実施例をもって説明する。 実施例 1 テトラヒドロフラン (THF) 240重量部中にメルク社
製の高分子液晶 LCP105100重量部と日本感光色素
(株)製の二色性色素NKX-1366 3重量部を混合し液晶
記録層塗布液を調製した。この塗液を上面にAl層が形成
されているポリエチレンテレフタレート (PET)フィルム
上にバーコーターを用いて乾燥させた後の膜厚が5mmに
なるように塗布した。この膜上に保護層として新中村化
学(株)製の紫外線硬化型樹脂NK-OLIGO U-6HA 100
重量部とチバガイギー社製 イルガキュア907 5重量部
の混合物の50重量%エタノール溶液をバーコーターで紫
外線照射後の膜厚が2.5mmになるように塗布した。
【0059】上記情報記録媒体を130℃に加熱し図6
に示す電界印加板を用い50Hz、100Vの条件で熱、
電界を印加したところ、表示部は無色になった。マクベ
ス反射濃度計による反射濃度は0.6であった。この情
報記録媒体にサーマルヘッドで0.34mJ/dotのエネル
ギーで印字を行ったところ、黒色に発色した。発色部の
反射濃度は1.2であった。この情報表示媒体を80℃で
96時間保存したが発色部、消色部の反射濃度に変化は
見られなかった。また、高温保存後の情報表示媒体は上
記条件で消去印字可能であった。 実施例 2 テトラヒドロフラン (THF) 240重量部中にメルク社
製の高分子液晶 LCP105100重量部と日本感光色素
(株)製の二色性色素NKX-1366 3重量部を混合した塗
液にメルク社製 低分子液晶ZLI-4792 を高分子液晶に対
して10、20、30、40重量%になるようにそれぞ
れ加えた液晶記録層塗布液を4種類調製した。これらの
塗液を上面にAl層が形成されているポリエチレンテレフ
タレート (PET)フィルム上にバーコーターを用いて乾燥
させた後の膜厚が5mmになるように塗布した。この膜上
にULS-1935LHを乾燥後膜厚1.5mmになるようにバーコ
ーターで塗布した。この膜上に保護層として新中村化学
(株)製の紫外線硬化型樹脂NK-OLIGO U-6HA 100重
量部とチバガイギー社製 イルガキュア907 5重量部の
混合物の50重量%エタノール溶液をバーコーターで紫
外線照射後の膜厚が2.5mmになるように塗布した。
【0060】上記手法で製造した情報記録媒体を130
℃に加熱し図6に示す電界印加板を用い電界の印加を行
ったところ低分子成分を添加した系ではしきい値電圧が
低下した。このような実験結果を図7に示す表1にまと
めた。高分子液晶に対して低分子液晶添加量を増加して
いった場合、添加量の増加と共に塗膜強度が低下し、添
加量20%以上では130℃に加熱するとシワが発生し
た。また、30%以上添加した系では低分子液晶と高分
子液晶が相分離してしまい十分な塗膜が得られなかっ
た。この結果、高分子液晶への低分子液晶または低分子
成分の添加量は30%以下が効果的である。 実施例 3 テトラヒドロフラン (THF) 240重量部中にメルク社
製の高分子液晶 LCP105100重量部とメルク社製 低分
子液晶ZLI-4792 25重量部と日本感光色素(株)製の
二色性色素NKX-1366 3重量部を混合した塗液に新中村
化学(株)製の紫外線硬化型樹脂NKエステルA-TMM-3と
開始剤であるチバガイギー社製 イルガキュア907(混合
比 樹脂/開始剤=95重量部/5重量部)が高分子液晶
と低分子液晶の総和に対して10、20、30、40、
50%になるようにそれぞれ加えた液晶記録層塗布液を
5種類調製した。これらの塗液を上面にAl層が形成され
ているポリエチレンテレフタレート (PET)フィルム上に
バーコーターを用いて乾燥、紫外線照射後の膜厚が5mm
になるように塗布した。この膜上にULS-1935LHを乾燥後
膜厚1.5mmになるようにバーコーターで塗布した。こ
の膜上に保護層として新中村化学(株)製の紫外線硬化
型樹脂NK-OLIGO U-6HA 100重量部とチバガイギー社
製 イルガキュア907 5重量部の混合物の50重量%エタ
ノール溶液をバーコーターで紫外線照射後の膜厚が2.
5mmになるように塗布した。
【0061】上記情報記録媒体を130℃に加熱し図6
に示す電界印加板を用い50Hz、50Vの条件で熱電界
を印加し消去を行い、サーマルヘッドで0.34mJ/dot
のエネルギーで印字を行った。その結果、10%以上の
樹脂を液晶記録層に添加すると実施例2で発生したシワ
は見られなくなった。しかし、樹脂の添加量が増加する
に連れて二色性色素が樹脂と相溶するためコントラスト
が低下した。樹脂添加による発色、消色濃度の変化を図
8に示した。また、樹脂を20%以上添加した場合、樹
脂と高分子液晶が相分離し解像度が低下した。これらの
結果から、液晶記録層への樹脂の添加量は20%以下が
効果的である。 実施例 4 テトラヒドロフラン (THF) 240重量部中にメルク社
製の高分子液晶 LCP105100重量部とメルク社製 低分
子液晶ZLI-4792 10重量部と日本感光色素(株)製の
二色性色素NKX-1366 3重量部を混合しフィラーとして
日本無機化学工業(株)製セリガードSC-6832-J を高分
子液晶と低分子液晶の総和に対して5、10、15、2
0、25、30%になるようにそれぞれ加えた液晶記録
層塗布液を6種類調製した。この塗液を上面にAl層が形
成されているポリエチレンテレフタレート (PET)フィル
ム上にバーコーターを用いて乾燥させた後の膜厚が5mm
になるように塗布した。この膜上にULS-1935LHを乾燥後
膜厚1.5mmになるようにバーコーターで塗布した。こ
の膜上に保護層として新中村化学(株)製の紫外線硬化
型樹脂NK-OLIGO U-6HA 100重量部とチバガイギー社製
イルガキュア907 5重量部の混合物の50重量%エタノ
ール溶液をバーコーターで紫外線照射後の膜厚が2.5
mmになるように塗布した。
【0062】上記情報記録媒体を130℃に加熱し図6
に示す電界印加板を用い50Hz、100Vの条件で熱電
界を印加し消去を行い、サーマルヘッドで0.34mJ/d
otのエネルギーで印字を行った。その結果、5%以上の
フィラーを液晶記録層に添加すると実施例2で発生した
シワは見られなくなった。フィラー添加による発色、消
色濃度の変化を図9に示した。フィラーの添加量が増加
すると記録層中の高分子液晶、色素、低分子成分などの
割合が低下するためコントラストが低下する。このため
添加量としては20重量%以下が効果的である。 実施例 5 テトラヒドロフラン (THF) 240重量部中にメルク社
製の高分子液晶 LCP105100重量部とメルク社製 低分
子液晶ZLI-4792 10重量部と日本感光色素(株)製の
二色性色素NKX-1366 3重量部を混合し住友3M社(製)
フロラードFC-430を0.5、1、2、3、4、5、6、
7重量%となるようにそれそれ液晶記録層塗布液を調製
した。これらの塗液を上面にAl層が形成されているポリ
エチレンテレフタレート (PET)フィルム上にバーコータ
ーを用いて乾燥させた後の膜厚が5mmになるように塗布
した。
【0063】上記液晶記録層塗布面は弗素系界面活性剤
を入れることにより液晶高分子の凝集力が低下し導電層
上への濡れ性が向上した。しかし、弗素系界面活性剤の
添加量が増加し5重量%以上になると塗料が泡立ちやす
くなり、また、上下層との密着も低下した。このため弗
素系界面活性剤の添加量は液晶高分子に対して5重量%
以下が効果的である。 実施例 6 テトラヒドロフラン (THF) 240重量部中にメルク社
製の高分子液晶 LCP105100重量部とメルク社製 低分
子液晶ZLI-4792 10重量部と日本感光色素(株)製の
二色性色素NKX-1366 3重量部と新中村化学(株)製の
紫外線硬化型樹脂NKエステルA-TMM-3 12重量部とチバ
ガイギー社製 イルガキュア907 0.6重量部とフィラ
ーとして日本無機化学工業(株)製セリガードSC-6832-
J 6重量部と住友3M社(製)フロラードFC-430 0.5重
量部を混合し液晶記録層塗布液を調製した。この塗液を
上面にITO層が形成されている白色ポリエチレンテレフ
タレート (PET)フィルム上にバーコーターを用いて乾
燥、紫外線照射後の膜厚が5mmになるように塗布した。
十分この膜上にULS-1935LH 100重量部に日本無機化
学工業(株)製セリガードSC-6832-J 20重量部を混合
し乾燥後膜厚1.5mmになるようにバーコーターで塗布
した。この膜上に保護層として新中村化学(株)製の紫
外線硬化型樹脂NK-OLIGO U-6HA 100重量部とチバガ
イギー社製 イルガキュア907 5重量部の混合物の50
重量%エタノール溶液をバーコーターで紫外線照射後の
膜厚が2.5mmになるように塗布した。 実施例 7 テトラヒドロフラン (THF) 240重量部中にメルク社
製の高分子液晶 LCP105100重量部とメルク社製 低分
子液晶ZLI-4792 10重量部と日本感光色素(株)製の
二色性色素NKX-1366 3重量部と新中村化学(株)製の
紫外線硬化型樹脂NKエステルA-TMM-3 12重量部とチバ
ガイギー社製 イルガキュア907 0.6重量部とフィラ
ーとして日本無機化学工業(株)製セリガードSC-6832-
J 6重量部と住友3M社(製)フロラードFC-430 0.5
重量部を混合し液晶記録層塗布液を調製した。この塗液
を上面にITO層が形成されている透明ポリエチレンテレ
フタレート (PET)フィルム上にバーコーターを用いて乾
燥、紫外線照射後の膜厚が5mmになるように塗布した。
この膜上にULS-1935LH 100重量部に日本無機化学工
業(株)製セリガードSC-6832-J 20重量部を混合し乾
燥後膜厚1.5mmになるようにバーコーターで塗布し
た。この膜上に保護層として新中村化学(株)製の紫外
線硬化型樹脂NK-OLIGO U-6HA 100重量部とチバガイ
ギー社製 イルガキュア907 5重量部の混合物の50重
量%エタノール溶液をバーコーターで紫外線照射後の膜
厚が2.5mmになるように塗布した。であった。さら
に、白色ポリエチレンテレフタレートフィルムと中心部
を除きラミネートした。 比較例 1 実施例6と実施例7の情報記録媒体を130℃に加熱し
た後、図6に示す電界印加板で50Hz、50Vの電界を
印加して行い、消去部濃度をマクベス反射濃度計により
測定した。測定結果を図10の表2に示した。その結
果、空気層導入により地肌濃度が低下することが示され
た。
【0064】
【発明の効果】本発明の液晶型可逆情報表示媒体は、加
熱により記録、加熱と電界の印加により消去できるた
め、古い情報は消去し必要な情報だけを記録しておくこ
とが可能である。また応答性、高温、低温下での保存
性、耐光性、耐久性、視認性、耐改ざん性に優れている
ため、磁気カード、ICカードのような長期使用目的の記
録媒体の表示部として有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の情報表示媒体の一実施例品の積層構成
を模型的に示す断面図である。
【図2】本発明における記録層に熱と電界が印加され液
晶層がホメオトロピック配向を形成している状態を示す
図である。
【図3】本発明における記録層に液晶高分子の液晶相温
度もしくは等方性液体温度まで熱を印加した後、急冷、
液晶がランダムに配向した状態を示す図である。
【図4】本発明における記録層に液晶高分子の液晶相温
度もしくは等方性液体温度まで熱を印加した後、徐冷
し、液晶がドメインを形成した状態を示す図である。
【図5】本発明の情報表示媒体の画像表示消去に使用す
る電界印加ローラの概念図である。
【図6】本発明の情報表示媒体の画像表示消去に使用す
る電界印加板の概念図である。
【図7】実験により得られた低分子液晶添加率としきい
値電圧との関係をまとめた表1を示す図である。
【図8】樹脂添加による発色、消色濃度の変化を示す図
である。
【図9】フィラー添加による発色、消色濃度の変化を示
す図である。
【図10】実施例6および7の消去部濃度の測定結果を
まとめた表2を示す図である。
【符号の説明】
2 基材 3 導電層 4 液晶記録層 4a 高分子液晶主鎖 4b 高分子液晶のメソゲン 4c 低分子液晶 4d 二色性色素 5 保護層 6 電界の印加方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H088 EA62 FA09 GA06 GA08 GA11 GA12 GA13 JA10 KA20 MA10 4H027 BA11 BD01 BD08 BD21 BE02 BE05 5C094 AA13 AA31 AA54 BA09 BA43 CA19 CA23 EB02 ED11 FB12 FB15 GA02 GA03 GA10

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主成分が室温でガラス状態を示す液晶性
    組成物と二色性色素からなる記録層を有し、前記液晶性
    組成物は、熱の印加により等方性液体状態または液晶ド
    メイン状態を示し、且つ熱と電界の印加によりホメオト
    ロピック配向状態を示すものであることを特徴とする液
    晶型可逆情報表示媒体。
  2. 【請求項2】 前記液晶組成物は、高分子液晶である請
    求項1に記載の液晶型可逆情報表示媒体。
  3. 【請求項3】 前記液晶組成物は、高分子液晶と低分子
    液晶の混合物である請求項1に記載の液晶型可逆情報表
    示媒体。
  4. 【請求項4】 前記液晶組成物における前記低分子液晶
    の含有量は、前記高分子液晶に対して30重量%以下で
    ある請求項3に記載の液晶型可逆情報表示媒体。
  5. 【請求項5】 前記記録層は、導電性を有する基材の上
    に形成されている請求項1から4のうちのいずれか1項
    に記載の液晶型可逆情報表示媒体。
  6. 【請求項6】 前記記録層は、基材上に設けた導電性層
    の上に形成されている請求項1から4のうちのいずれか
    1項に記載の液晶型可逆情報表示媒体。
  7. 【請求項7】 前記導電性を有する基材は、透明性であ
    り、該基材の裏面に空気層を介して反射層または白色層
    を形成した請求項5に記載の液晶型可逆情報表示媒体。
  8. 【請求項8】 前記基材および導電性層は、透明性であ
    り、前記基材の裏面に空気層を介して反射層または白色
    層を形成した請求項6に記載の液晶型可逆情報表示媒
    体。
  9. 【請求項9】 前記導電性層は、透明性であり、前記基
    材と前記導電性層との間に空気層を設け、前記基材上面
    に反射層または白色層を形成した請求項6に記載の液晶
    型可逆情報表示媒体。
  10. 【請求項10】 前記記録層上に、紫外線吸収層または
    保護層を形成した請求項1から9のうちのいずれか1項
    に記載の液晶型可逆情報表示媒体。
  11. 【請求項11】 前記記録層中に、フッ素系界面活性剤
    を前記液晶組成物に対して5重量%以下で含有させた請
    求項1から10のうちのいずれか1項に記載の液晶型可
    逆情報表示媒体。
  12. 【請求項12】 前記記録層中に、高分子樹脂を前記液
    晶組成物に対して20重量%以下で含有させた請求項1
    から11のうちのいずれか1項に記載の液晶型可逆情報
    表示媒体。
  13. 【請求項13】 前記記録層中に、フィラーを前記液晶
    組成物に対して20重量%以下で含有させた請求項1か
    ら12のうちのいずれか1項に記載の液晶型可逆情報表
    示媒体。
  14. 【請求項14】 前記記録層中に、紫外線吸収剤を含有
    させた請求項1から13のうちのいずれか1項に記載の
    液晶型可逆情報表示媒体。
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