JP2990640B2 - 可逆性表示媒体 - Google Patents

可逆性表示媒体

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JP2990640B2
JP2990640B2 JP12075394A JP12075394A JP2990640B2 JP 2990640 B2 JP2990640 B2 JP 2990640B2 JP 12075394 A JP12075394 A JP 12075394A JP 12075394 A JP12075394 A JP 12075394A JP 2990640 B2 JP2990640 B2 JP 2990640B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可逆性表示媒体に関す
る。より詳しくは、繰り返し使用可能な感熱紙やOHP
表示シート等のプロジェクター表示媒体、さらにはホワ
イトボード状大面積表示用媒体として使用可能であり、
省資源上有利な表示媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】人類は紙を情報の表示、保存のメディア
として長く利用している。近年のフラットパネルディス
プレーの普及に伴うペーパーレス化の流れにおいても、
その使用量は減らず、むしろ増加する一方である。これ
は、紙が目に優しい反射型表示媒体であり、かつフレキ
シブル性やポータブル性に優れた表示、保存媒体である
ことがその最大の理由と考えられる。紙以外にも、ポリ
エステルフィルム上にトナー像を形成することでオーバ
ーヘッドプロジェクター(OHP)を使用して大面積表
示を得ることが広く実施されている。しかしながら、紙
やプラスチックの大量使用は資源問題、環境問題の上か
ら問題視されている。このような状況の下に紙に代わる
表示媒体の技術が開示されている。例えば、高分子母材
に有機低分子化合物を分散し、加える熱の制御によって
光の散乱、透過を制御して表示を行う可逆性感熱表示媒
体(特開昭54−119377号公報、特開昭55−1
54198号公報)、複数の高分子をブレンドした記録
層からなり、熱によって相分離をコントロールして表示
を行う可逆性感熱表示媒体(特開昭60−180887
号公報、特開昭62−116192号公報)、或いは、
高分子液晶を用いた同様な原理による可逆性表示媒体
(特開平2−117888号公報、特開平3−5328
5号公報)が開示されている。これらの表示媒体は、通
常サーマルヘッド等や熱ロール等を用いて熱の付与を制
御することで表示が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高分子
母材に有機低分子化合物を分散した膜や複数の高分子を
ブレンドした膜を記録層とした可逆性感熱表示媒体は、
混合二成分の相溶状態を熱によって制御し、光透過状態
と光散乱状態を可逆的に繰り返すものであるが、繰り返
しに伴って混合成分の劣化や透過/散乱状態の不明瞭化
等によってコントラストが低下し、繰り返し回数が制限
されてしまうという問題があった。また、公知の高分子
液晶を用いた可逆性表示媒体においては、表示コントラ
ストが低く、記録の保存安定性や感熱特性に問題があっ
た。さらに、高分子液晶を記録層とする表示媒体を作製
した場合、サーマルヘッドによる記録時に、熱によって
材料が劣化したり、印字圧力によって表面凹凸等の表面
変形が発生し、繰り返し回数を制限してしまう問題があ
った。さらに、サーマルヘッドによる表面劣化の制御を
目的として、耐熱性の高い表面保護層を記録層上に形成
する場合、高分子液晶層が保護層の体積収縮によって配
向し、透明化してしまうという問題もあった。また、高
分子液晶を用いた技術においては、高分子液晶を架橋す
ることで記録層の耐熱性を高め、印字時の表面変形を抑
制する方策(特開平2−42415号公報)が提案され
ているが、高分子液晶を架橋することは液晶分子の配向
を妨げ特性を低下させるという問題が懸念される。そこ
で、本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであ
り、その目的は、繰り返し性、耐久性、感熱特性、表示
コントラスト、保存安定性の問題を解決した可逆性表示
媒体を提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、記録層を
構成する高分子液晶について鋭意研究を重ねてきた結
果、高分子液晶として、液晶性アクリルまたはメタクリ
ル系モノマー成分と、水素結合性置換基を有する非液晶
性アクリルまたはメタクリル系モノマー成分と、水素結
合性置換基を有しない非液晶性モノマーとを必須成分と
する側鎖型高分子液晶共重合体を用いることによって、
表示特性を左右する高分子液晶のマルチドメイン構造の
最適化や機械的強度向上、さらには感熱特性の最適化を
実現し、表示媒体としての繰り返し性、耐久性、感熱特
性、コントラストおよび記録の保存安定性の大幅な向上
が実現され、可逆性表示媒体として最適な特性を示すこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本
発明の可逆性表示媒体は、熱、電界および磁界の少なく
とも一つの作用によって、透明状態および光散乱状態を
繰り返し実現することが可能な側鎖型高分子液晶を含有
する記録層を基材上に積層したもので、側鎖型高分子液
晶が、液晶性アクリルまたはメタクリル系モノマー成分
と、水素結合性置換基を有する非液晶性アクリルまたは
メタクリル系モノマー成分と、水素結合性置換基を有し
ない非液晶性モノマーとの共重合体であることを特徴と
する。
【0005】以下、本発明を詳述する。まず、本発明の
可逆性表示媒体の代表的な層構成を図1に示す。本発明
の表示媒体は、熱のみ、熱と電界または熱と磁界の作用
によって表示を行うもので、基材1上に記録層2を積層
したものを基本構造とし、所望により、表面強度、耐熱
性の改善を目的として保護層3を設けてもよい。また、
図2に示す着色層4や図3に示す光反射層5や光吸収層
を設けることも好ましい。なお、電界を作用させる方式
の表示媒体においては、二枚の電極付き基材の間に記録
層を設けた構造のものも好ましく使用される。上記表示
媒体の基材としては、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ブタジエン、ポリイミド、ナイロン等の
高分子フィルム、紙、セラミック、ガラス、金属等が使
用される。また、電極付き基材としては、透明導電性ガ
ラスやフィルム(ITOガラスおよびフィルム)が好ま
しく使用される。特に、透過型の表示媒体の場合には、
透明な基材を使用することが好ましい。
【0006】次に、記録層について説明する。本発明に
おける側鎖型高分子液晶(以下、高分子液晶という)
は、上記したように、液晶性アクリルまたはメタクリル
系モノマー成分と、水素結合性置換基を有する非液晶性
アクリルまたはメタクリル系モノマー成分と、水素結合
性置換基を有しない非液晶性モノマーとを必須成分とす
る共重合体であり、特に、水素結合によって高分子液晶
の特性を低下させることなく、優れた耐熱性や機械強度
を得ることが可能となり、サーマルヘッド等による記録
(表示)の際に発生する表面劣化を防止することができ
る。ここでいう液晶性アクリルまたはメタクリル系モノ
マーとは、メソゲン(液晶性を示す剛直な分子)置換基
を有するものを指し、重合後に液晶性を示すものであっ
て、重合する前においては液晶性を示さなくてもよい。
また、非液晶性モノマーは、同様にメソゲン置換基を持
たない重合可能なものを指す。この高分子液晶共重合体
は、上記した各モノマーを所定量混合し、通常のラジカ
ル重合やイオン重合、或いはポリ水素化ポリシリコーン
等の反応性ポリマーに共付加し、必要に応じて精製する
ことにより製造することができる。この場合、各重合性
モノマーをそれぞれ2種以上使用してもよい。
【0007】本発明で使用可能な液晶性アクリルまたは
メタクリル系モノマー成分としては、Makromo
l.Chem.,179,p273(1978)、Eu
r.Polym.J.,18,p651(1982)、
Mol.Cryst.Liq.Cryst.,169
p167(1989)等に開示されているものが挙げら
れる。例えば、ビフェニル系、フェニルベンゾエート
系、シクロヘキシルベンゼン系、アゾキシベンゼン系、
アゾベンゼン系、アゾメチン系、フェニルピリミジン
系、ジフェニルアセチレン系、ビフェニルベンゾエート
系、シクロヘキシルビフェニル系、ターフェニル系等の
剛直な液晶性官能基に、所定の長さのアルキルスペーサ
ーを介してアクリル酸エステル分子、メタクリル酸エス
テル分子が結合した種々の化合物が挙げられる。
【0008】これらの代表的な化合物の化学式を下記に
示す。 CH2 =C(R)−COO−(CH2 m −O−A CH2 =CH(CH2 m −O−A (式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Aは下記
の構造式で表される液晶性分子(メソゲン)残基を示
す。また、mは1〜30の整数を意味する。)
【化1】
【0009】(各式中、XおよびYは、同一または異な
って、単結合、−N=N−、−N(→O)=N−、−C
H=N−、−N=CH−、−COO−、−O(C=O)
−または−CH=CH−を示し、R′は、ハロゲン原
子、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基または
シアノ基を示す。また、nは1〜5の整数を意味する。
ただし、nが2以上の整数の場合、それぞれのR′は異
なっていてもよい。)
【0010】また、水素結合性置換基を有する非液晶性
アクリルまたはメタクリル系モノマー成分としては、ヒ
ドロキシル基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸
基、第一級および第二級アミノ基、酸アミド基、チオー
ル基等を有する種々の重合性モノマーが使用可能であ
る。その具体例を列挙すると、(メタ)アクリル酸、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)ア
クリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸
2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、(メタ)ア
クリル酸グリセリル、(メタ)アクリルアミド、2−
(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、2−
(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート、2−
(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエ
チルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチ
ルヘキサヒドロフタレート、4−〔(メタ)アクリルオ
キシアルキルオキシ)ベンゾイックアシッド、モノ−お
よびジ−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフォス
フェート、ヒドロキシ置換スチレン、ビニルスルホン
酸、2−プロペン−1−オール、5−ヘキセン−1−オ
ール等が代表的なものとして挙げられる。これらのなか
でも、特にカルボキシル基、スルホン酸基或いはリン酸
基等の酸性基を有する重合性モノマー、アルコール性や
フェノール性のヒドロキシル基を有する重合性モノマー
を使用すると、高い水素結合力を得ることが可能となる
から、好ましく使用される。
【0011】本発明における高分子液晶共重合体は、上
記した2種類のモノマーのほかに、第三成分として、
子内に水素結合性置換基を有しないモノマーを構成成分
として含有する。このような水素結合性基を有しないモ
ノマーを使用することは、感熱特性や表示特性の向上の
上からも必要である。このようなモノマーとしては(メ
タ)アクリル酸アルキルおよびその誘導体、スチレンお
よびその誘導体、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、ビニルピロリドン、イソプレン、1−ヘキセン、
1−オクテン等が好ましく使用される。
【0012】高分子液晶共重合体における上記二成分の
共重合比は、目的とする特性によって種々変化させるこ
とができるが、非液晶性モノマーの含有量が0.1〜5
0重量%の範囲が適当であり、より好ましくは1〜40
重量%、特に1〜20重量%の範囲である。この範囲よ
りも非液晶性モノマーの含有量が少ないと、目的とする
記録層の強度が得られず、一方、多いと液晶特性が低下
してしまう。なお、上記共重合体における各必須成分の
共重合の形態は、ランダム、グラフト、交互等、公知の
種々の形態をとることが可能であり、特に限定されるも
のではない。また、共重合体の分子量は、重量平均分子
量で一般的に1000〜100万の範囲であるが、成膜
性、強度、応答速度の点から、1万〜50万の範囲が好
ましい。重量平均分子量が1000より小さい場合に
は、共重合体の成膜性や自己保持性が低下し、一方、1
00万より大きい場合には、電界による応答性や配向性
が低下する。
【0013】本発明における記録層は、上記共重合体を
必須成分として含有するが、この共重合体に他の種々の
成分を加えた組成物として用いてもよい。例えば、耐候
性の向上を目的としてヒンダードアミンやヒンダードフ
ェノール等の各種酸化防止剤を添加してもよく、表示の
コントラストを向上させる目的で、アントラキノン系、
スチリル系、アゾメチン系、アゾ系等の各種二色性色素
を添加してもよい。また、光散乱性の向上を目的に各種
蛍光色素を添加してもよい。さらにまた、レーザー光に
よる熱書き込みを効率的に行うために、各種レーザー光
吸収色素(780〜830nmの一般的な半導体レーザ
ーを照射する場合は、フタロシアニン、スクアリリウ
ム、アズレニウム等の近赤外吸収色素が使用可能)を添
加することも好ましい。以上に列挙した種々の成分の添
加量は、液晶組成物中に0.01〜5重量%の範囲が好
ましい。以上に説明した他に、表示特性の向上を目的
に、低分子液晶を1〜20重量%の範囲内で添加しても
よい。記録層は溶剤を用いた塗布法や熱溶融塗布法等の
一般的な方法によって形成することができる。また、記
録層の膜厚は、特に限定されないが、目的とするコント
ラストによって適宜設定することができ、好ましくは1
〜100μmの範囲、特に好ましくは3〜20μmの範
囲である。
【0014】本発明の表示媒体において、記録層上に所
望により形成される保護層は、耐熱性の高いものが望ま
しく、フッ素系ポリマー、シリコーン系ポリマー、熱硬
化ポリマー、紫外線硬化ポリマー、電子線硬化ポリマー
等が使用可能である。保護層は、複数層積層されていて
もよく、上記記録層と同様の塗布法等によって形成する
ことができる。また、保護層の膜厚は0.1〜20μm
の範囲が適当である。また、コントラストの向上を目的
として、着色層や光反射層、光吸収層を表示媒体の一構
成層として設けることも好ましい。着色層としては色素
を含む高分子膜層等、光反射層としてはアルミニウム、
銀等の金属層等が一般的に使用可能である。その膜厚は
1nm〜100μmの範囲が適当である。
【0015】本発明の可逆性表示媒体における記録層を
形成する高分子液晶は、複数の液晶ドメインよりなるマ
ルチドメイン構造を形成することが表示特性(光散乱
性)の上で好ましい。このようなマルチドメイン構造
は、高分子液晶を形成する液晶モノマー成分および非液
晶モノマー成分の組成比を変化させることで最適化する
ことが可能である。特に、ドメイン数の分布極大におけ
るドメイン径の大きさが3μm以下、特に可視光の範囲
である1.5μm以下において高い光散乱性を示し、優
れた表示コントラストを実現することが可能となり、本
発明では好ましく適用される。
【0016】本発明の可逆性表示媒体の表示に際して
は、複数の方式をとることが可能である。例えば、電界
または磁界を作用させて液晶分子を一方向に配向させて
透明状態とし、そこにレーザー光やサーマルヘッドによ
り部分的に液晶の配向を乱して光散乱部分を形成する方
法や、熱のみの制御によって液晶状態(光散乱)と非液
晶状態(透明)を繰り返す方式等が挙げられる。ここ
に、熱のみの制御によって表示を行う表示媒体の記録/
消去方法について述べる。塗布法により作製された表示
媒体の記録層の性状は、多数の微少な液晶メイン(マル
チドメイン構造)に由来した光散乱(白濁)状態を呈す
る。サーマルヘッドやレーザー等により記録層を部分加
熱して等方性状態とし、ガラス転移点以下に急冷するこ
とによって加熱部分が等方性状態のまま固定され、記録
部分は透明となる。一方、消去する場合は、加熱後、記
録時に比べてゆっくりと冷却することによって初期の光
散乱状態へと消去することができる。このような記録/
消去の加熱手段としては、例えばサーマルヘッドを用い
る場合、サーマルヘッドに印加されるパルス幅やエネル
ギーを制御することで達成される。次に、電界および磁
界の作用による本発明の表示方法について説明すると、
表示媒体を一定温度に加熱した状態で電界または磁界を
付与し、液晶分子を一方向に配向させ、そのまま冷却す
ることで光学的に透明な状態へと変化させる。さらに、
電界または磁界を付与せずに部分的に加熱、冷却するこ
とによってマルチドメイン構造を形成し、透明な背景に
白濁した記録を行うことができる。
【0017】
【実施例】以下に実施例、参考例および比較例をもって
本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定され
るものではない。参考例 1 液晶性モノマーとして4−アクリロイルオキシヘキシル
オキシ−4′−シアノビフェニル1.9gおよび水素結
合性置換基を有する非液晶性モノマーとしてアクリル酸
0.1gを、AIBNを開始剤とし、テトラヒドロフラ
ンを溶媒として重合し、エチルアルコールを用いて3回
沈澱を繰り返して精製し、下記構造式(I)で表される
高分子液晶1.9gを合成した。重量平均分子量(GP
Cによるポリスチレン換算)(Mw):30000、ガ
ラス転移点(Tg):45℃、相転移点:125℃であ
った。
【0018】
【化2】 上記高分子液晶の30重量%メチルエチルケトン溶液
を、厚み100μmのアルミニウム蒸着PETフィルム
上にブレードコーターを用いて塗布し、乾燥させて、膜
厚約6μmの高分子液晶層を形成した。さらに、紫外線
硬化ポリマー(商品名:アロニックスUV、東亜合成
(株)製)を塗布し、高圧水銀ランプにより硬化して、
膜厚約3μmの保護層を形成し、表示媒体を作製した。
上記表示媒体を120℃のオーブン中で加熱した後、取
り出して冷却し、全面を白濁した状態とした。この表示
媒体にサーマルヘッドを用いて印字すると、印字部分は
透明となり、鮮明な文字が確認できた。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】実施例 非液晶性モノマーとしてブチルアクリレートおよびアク
リル酸を用いた以外は、参考例1と同様にして下記構造
(II)で表される高分子液晶を合成した。重量平均分
子量(GPCによるポリスチレン換算)(Mw):50
000、ガラス転移点(Tg):40℃、相転移点:1
05℃であった。次いで、この高分子液晶を用い、参考
1と同様にして表示媒体を作製した。
【0024】
【化5】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】実施例 液晶性モノマーとして、4−アクリロイルオキシヘキシ
ルオキシ−4′−シアノビフェニル1.26gおよび4
−アクリロイルオキシプロピルオキシ−4′−シアノビ
フェニル0.68g、非液晶性モノマーとしてアクリル
酸0.04gおよびブチルアクリレート0.02gを用
いた以外は、参考例1と同様にして、下記構造式(III
で表される構成単位(A)、(B)、(C)および
(D)からなる高分子液晶共重合体1.8gを合成し
た。重量平均分子量(GPCによるポリスチレン換算)
(Mw):40000、ガラス転移点(Tg):45
℃、相転移点:103℃であった。次いで、この高分子
液晶を用い、参考例1と同様にして表示媒体を作製し
た。
【0030】
【化8】
【0031】比較例 液晶性モノマーである4−アクリロイルオキシヘキシル
オキシ−4′−シアノビフェニルのみを用い、参考例
と同様にしてMw:35000、Tg:35℃、相転移
点:122℃の下記構造式(IV)で示される高分子液晶
単独重合体を合成した。次いで、この高分子液晶単独重
合体を用い、参考例1と同様にして表示媒体を作製し
た。
【0032】
【化9】
【0033】上記実施例1、2、参考例1および比較例
の試料について、下記のようにして光学濃度を測定し
てコントラスト比を算出し、また、粒径分布を測定して
特性評価を行った。 [記録/消去の評価] 記録は、サーマルプリンター(200dpi相当)を用
いて、0.2〜0.5mj/dot程度のエネルギーを
加えて印字を行った。消去はホットスタンパーを用い
て、約100〜130℃に加熱して行った。記録と消去
を繰り返し、100回行って耐久性の評価を実施した。 [表示特性の評価] 可逆性表示媒体の記録部分および未記録部分(白濁)の
反射光学濃度を、X−rite404A(X−rite
社製)を用いて評価し、反射率の比からコントラスト比
を算出した。 [粒径分布測定] 透明基材の表面に各高分子液晶層を形成した試料を、記
録/消去を100回繰り返した後のマルチドメイン構造
のドメイン径を、レーザー回折粒度分布計(LA:70
0、HORIBA社製)で測定し、マルチドメイン構造
におけるドメイン分布とドメイン分布数の極大における
ドメイン径を測定した。
【0034】(特性の評価結果)上記の特性評価を行っ
た結果を表1に示す。
【表1】
【0035】実施例1、2の試料では、いずれも印字前
において優れた白さ(白濁度)を示し、反射光学濃度は
0.25以下であり、反射率に換算して55%以上であ
った。一方比較例では、実施例1、2に比較して白さ
が低かった。印字を行った結果、実施例1、2の試料で
は、いずれも印字部分は均一に透明化し、白い背景に鮮
明な銀色の文字を印字することができた。このときの印
字部分の光学濃度から算出したコントラスト比は全て2
0以上であり、非常に優れた表示特性を示した。一方、
比較例では印字部分が完全に透明化せず、文字が鮮明
に表現されず、反射コントラスト比は3程度と低かっ
た。消去は、ホットスタンプを用いていずれの試料も初
期の白濁した状態に戻すことが可能であった。印字およ
び消去を100回繰り返して、耐久性を評価した結果、
実施例1、2の試料では、いずれも初期コントラスト比
と比べて変化がなく、優れた耐久性を示した。一方、比
較例の試料ではコントラスト比が大きく低下した。こ
れは記録層および保護層に凹凸が形成されたためであっ
た。また、実施例1、2の高分子液晶共重合体は相転移
点が105℃および103℃であったが、参考例1の場
合は125℃であり、相転移点が高かった。
【0036】また、粒径分布測定の結果は次の通りであ
った。記録/消去を100回繰り返した後の実施例1
の試料は、ドメイン分布数の極大におけるドメイン径
が290nm〜880nm、ドメイン径は50nm〜1
400nmの範囲に分布していた。これに対して記録/
消去を100回繰り返した後の比較例の試料は、ドメイ
ン分布数の極大におけるドメイン径が1.8μm、ドメ
イン径は0.4μm〜9.5μmの範囲に分布してい
た。これによってドメイン径によって表示の白濁性(表
示特性)が大きく変化することが確認された。以上か
ら、本発明の可逆性表示媒体は、表示特性に優れると共
に、耐久性に優れたものであることが確認された。
【0037】
【発明の効果】本発明の可逆性表示媒体は、液晶性アク
リルまたはメタクリル系モノマー成分と水素結合性置
換基を有する非液晶性アクリルまたはメタクリルモノマ
ー成分と、水素結合性置換基を有しない非液晶性モノマ
ーとの共重合体からなる高分子液晶を使用したデバイス
構成からなるもので、繰り返し性、耐久性、感熱特性、
表示コントラスト、記録の保存安定性、加工性に優れて
いる。また、本発明の可逆性表示媒体は、熱、電界およ
び/または磁界の作用によって、光の透過/散乱を繰り
返し実現することが可能であり、紙のように薄く、目に
優しい反射型表示が得られ、かつ省資源的にも有用であ
る。さらに、大面積化に制限がないことから、ホワイト
ボードのような大面積表示装置用の表示媒体としても応
用可能である。さらにまた、OHP表示シートのような
プロジェクター表示媒体としても、高い透過光コントラ
ストを有することから利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の可逆性表示媒体の一実施例の断面図
である。
【図2】 図1の可逆性表示媒体に着色層を設けた他の
実施例の断面図である。
【図3】 図1の可逆性表示媒体に光反射層を設けた他
の実施例の断面図である。
【符号の説明】
1…基材、2…記録層、3…保護層、4…着色層、5…
光反射層。
フロントページの続き (72)発明者 植松 高志 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−218024(JP,A) 特開 平6−301016(JP,A) 特開 平6−118397(JP,A) 特開 平3−284988(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/1333 G02F 1/13 102 - 505 G09F 9/35

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱、電界および磁界の少なくとも一つの
    作用によって、透明状態および光散乱状態を繰り返し実
    現することが可能な側鎖型高分子液晶を含有する記録層
    を基材上に積層した可逆性表示媒体において、側鎖型高
    分子液晶が、液晶性アクリルまたはメタクリル系モノマ
    ー成分と、水素結合性置換基を有する非液晶性アクリル
    またはメタクリル系モノマー成分と、水素結合性置換基
    を有しない非液晶性モノマーとの共重合体であることを
    特徴とする可逆性表示媒体。
  2. 【請求項2】 水素結合性置換基が、カルボキシル基、
    スルホン酸基、リン酸基またはヒドロキシル基であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の可逆性表示媒体。
  3. 【請求項3】 記録層を形成する側鎖型高分子液晶がマ
    ルチドメイン構造を有し、かつドメインの分布数極大に
    おけるドメイン径の大きさが3μm以下であることを特
    徴とする請求項1記載の可逆性表示媒体。
  4. 【請求項4】 記録層の上に保護層を形成したことを特
    徴とする請求項1記載の可逆性表示媒体。
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