JP3287547B2 - 可逆的表示方法 - Google Patents

可逆的表示方法

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JP3287547B2
JP3287547B2 JP18225198A JP18225198A JP3287547B2 JP 3287547 B2 JP3287547 B2 JP 3287547B2 JP 18225198 A JP18225198 A JP 18225198A JP 18225198 A JP18225198 A JP 18225198A JP 3287547 B2 JP3287547 B2 JP 3287547B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱による可逆性表
示方法に関する。すなわち、本発明は、紙、感熱紙、オ
ーバーヘッドプロジェクター(OHP)表示シートなど
のプロジェクター表示媒体や、ホワイトボード状大面積
表示用媒体を用いて熱を制御することにより繰り返し消
去/表示可能な省資源上有利な可逆性表示方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】人類は、紙を情報の表示、保存のメディ
アとして長く利用している。近年のフラットパネルディ
スプレーの普及に伴うペーパーレス化の流れにおいて
も、その使用量は減らず、むしろ増加する一方である。
これは、紙が目に優しい反射型表示媒体であり、かつフ
レキシブル性やポータブル性に優れた表示、保存メディ
アであることが最大の理由と考えられる。また、紙以外
の表示方法としては、ポリエステルフィルム上にトナー
像を形成し、OHPを使用して大面積表示を得ることも
広く実施されている。しかしながら、これらの表示方法
における紙やプラスチックの大量使用は、資源問題、環
境問題の上から問題視されている。この様な状況の下
で、紙に代わる表示媒体の技術が開示されている。例え
ば、高分子母材に有機低分子化合物を分散し、加える熱
の制御によって光の散乱、透過を制御して表示を行う可
逆性感熱表示媒体(特開昭54−119377号公報、
特開昭55−154198号公報)、複数の高分子をブ
レンドした膜からなり、熱によって相分離をコントロー
ルして表示を行うもの(特開昭60−180887号公
報、特開昭62−116192号公報)、或いは高分子
液晶を用いた同様な原理による可逆性表示媒体(特開平
2−117888号公報、特開平3−53285号公
報)が開示されている。また、二枚の透明電極間にスメ
クチック液晶を封入し、電界と熱の作用によって画像の
形成および消去を繰り返し行なう熱アドレス方式のプロ
ジェクター表示装置も、高解像の表示が得られることか
ら注目されている。(Electronics Let
ters,11(4),73(1975)およびApp
l. Phys. Lett.,22(3),111
(1973)参照)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高分子
母材に有機低分子化合物を分散した膜からなる可逆性感
熱表示媒体や、複数の高分子をブレンドした膜からなる
可逆性感熱表示媒体は、混合二成分の相溶状態を熱によ
って制御し、光透過状態と光散乱状態を可逆的に繰り返
すものであるが、繰り返しに伴って、上記分散または混
合する二成分の劣化や、表示に際しての二つの状態の不
明瞭化などによってコントラストが低下し、繰り返し回
数が制限されてしまうという問題があった。また、公知
の高分子液晶を用いた可逆性表示媒体においては、表示
コントラストが低く、記録の保存安定性に問題があっ
た。さらにまた、従来使用されているOHPシートに関
しては、実質上一回のみの使用に限定され、省資源や経
済性、さらに環境の点からも問題があった。
【0004】さらに、スメクチック液晶を使用した熱ア
ドレス方式のプロジェクター表示装置においては、表示
セルを形成する電極基板がガラスであり、またセルギャ
ップの精度が要求されるために、可撓性が無く、また強
い光源を使用するプロジェクターにおいては発生する熱
に対する表示の安定性等に問題があった。さらにコスト
が高くなる欠点をも有していた。
【0005】本発明は、従来の技術における上記のよう
な問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発
明の目的は、紙やOHP用表示シートのように使用可能
であり、かつ、熱の制御により繰り返し性、表示コント
ラスト、保存安定性を解決した表示媒体を用いる可逆的
表示方法を提供することにある。本発明の他の目的は、
熱の制御により繰り返し表示可能であり、熱安定性、コ
ントラスト、経済性に優れたプロジェクター用表示シー
トを用いる可逆的表示方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の可逆的表
示方法は、配向膜上に、下記式(I)および(II)で示
される繰り返し単位から構成される共重合体を有する側
鎖型高分子液晶層を設けた可逆性表示媒体を使用し、該
側鎖型高分子液晶層をその相転移温度以下で加熱するこ
とにより該側鎖型高分子液晶層を透明状態とし、次い
で、該側鎖型高分子液晶層をその相転移温度以上に加熱
して光散乱状態とすることを特徴とする。本発明の第2
の可逆的表示方法は、配向膜上に、下記式 (III)および
(IV)で示される繰り返し単位から構成される共重合体
を有する側鎖型高分子液晶層を設けた可逆性表示媒体を
使用し、該側鎖型高分子液晶層をその相転移温度以下で
加熱することにより該側鎖型高分子液晶層を透明状態と
し、次いで、該側鎖型高分子液晶層をその相転移温度以
上に加熱して光散乱状態とすることを特徴とする。
【0007】
【化4】 [式中、Ra およびRb は、それぞれ水素原子、メチル
基およびハロゲン原子から選択される基を表わし、A、
CおよびDは、それぞれ下記式(a)〜(j)で示され
る液晶分子残基から選ばれる基を表わす。ただし、Cお
よびDがそれぞれ式(a)または(d)を示す場合、X
およびYが−COO−または−O−CO−を示すことは
ない。
【0008】
【化5】 (式中、XおよびYは、それぞれ単結合または−N=N
−、−N(→O)=N−、−CH=N−、−N=CH
−、−COO−、−O−CO−およびエチニレン基から
選択される基を表わし、R1 はアルコキシ基、ハロゲン
原子、シアノ基、カルボン酸基、アルキル基から選択さ
れる基を表わし、pは1〜5の整数を表わし、pが2以
上の場合、それぞれのR1 は異なるものであってもよ
い。)Bは、水酸基、ハロゲン原子、アルキル基又はア
ルケニル基で置換されていてもよいフェニル基、複素環
基、アミノ基、シアノ基、−COOR2 、−OCOR2
および−CONR2 3 から選択される基を表わし(た
だし、R2 およびR3 は、それぞれ水素原子、またはハ
ロゲン原子もしくは複素環基で置換されていてもよい炭
素数1〜30のアルキル基、アルケニル基、肪環式基、
ヒドロキシアルキル基、ヘテロ原子を含むアルキル基お
よび置換されていてもよいフェニル基から選択される基
を表わす。)、k、mおよびnは、それぞれ1〜30の
整数を表わす。ただし、A、B、CおよびDは、それぞ
れ2種以上の基より構成されていてもよい。]
【0009】本発明に使用される可逆性表示媒体におい
て、配向膜上に、熱の作用によって透明状態および光散
乱状態を繰り返し実現することが可能な、側鎖型高分子
液晶を構成成分とするものは、書き替え可能なプロジェ
クター用表示シートとして使用することができるが、そ
の場合、側鎖型高分子液晶が、上記式 (III)および(I
V)で示される繰り返し単位から構成される共重合体で
あることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。まず、本発明に使用される側鎖型高分子液晶につ
いて説明する。本発明における側鎖型高分子液晶は、下
記に詳記するアクリル系の重合性基を有する液晶性モノ
マーと特定の非液晶性モノマーの少なくとも二成分を必
須成分とした共重合体、または、重合性基としてアクリ
ル酸エステル基を有する液晶性モノマーと重合性基とし
てメタクリル酸エステル基を有する液晶性モノマーの二
成分を必須成分とする共重合体から構成される。この構
成によってアクリル系液晶ホモポリマーやメタクリル系
液晶ホモポリマーでは実現できなかった表示の熱安定性
や高い表示コントラスト、繰り返し性や記録の安定性が
実現され、プロジェクター表示材料その他の可逆性表示
媒体として最適な特性を有するものとなる。
【0011】本発明における上記の共重合体は、各重合
性モノマーを所定量混合し、通常のラジカル重合やイオ
ン重合を行った後、精製することによって、例えば、ア
ルコールやエーテル等の貧溶媒を用いて精製することに
よって製造することができる。本発明における側鎖型高
分子液晶の製造のために使用可能な液晶性モノマーとし
ては、Makromol.Chem.p273,Vo
l.179(1978),Eur.Polym.J.,
p651,Vol.18(1982)およびMol.C
ryst.Liq.Cryst.,p167,Vol.
169(1989)等に開示されているものがあげられ
るが、例えばビフェニル系、フェニルベンゾエート系、
シクロヘキシルベンゼン系、アゾキシベンゼン系、アゾ
ベンゼン系、アゾメチン系、フェニルピリミジン系、ジ
フェニルアセチレン系、ビフェニルベンゾエート系、シ
クロヘキシルビフェニル系、ターフェニル系などの剛直
な分子に、所定の長さのアルキルスペーサーを介して、
アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルが結合
した種々化合物があげられる。
【0012】これらの化合物の具体的な構造式を下記に
示す。 CH2 =C(Ra )−COO−(CH2 k −O−A (式中、Ra 、Aおよびkは前記したものと同意義を有
する。)
【0013】また、非液晶性モノマーとしては、種々汎
用のモノマーが使用可能であり、その具体例を列記する
と、(メタ)アクリル酸のC1 〜C30アルキルエステル
およびその誘導体、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミ
ノエチルエステル、ポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、(メ
タ)アクリルアミド、スチレンおよびスチレン誘導体、
(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ンおよびN−ビニルピロリドン等があげられる。次に、
それぞれの共重合体について説明する。先ず、液晶性モ
ノマーと特定の非液晶性モノマーとの少なくとも二成分
を必須成分とする共重合体について説明すると、これら
二成分の共重合比は、目的とする特性によって種々変化
させることができるが、液晶性モノマーの含有量が50
〜99重量%の範囲が好ましく、さらに好ましくは80
〜98重量%の範囲である。
【0014】また、アクリル酸エステル基を有する液晶
性モノマーとメタクリル酸エステル基を有する液晶性モ
ノマーの二成分を必須成分とする共重合体において、共
重合体を製造するための液晶モノマーを選択するに際し
ては、重合性基であるアクリル基およびメタクリル基の
みを異にし、他は同一構造を有する二つの液晶性モノマ
ーを使用してもよいし、全く構造の違う二種の液晶性モ
ノマーを使用しても構わない。さらにアクリル系および
メタクリル系の液晶性モノマーをそれぞれ複数種類使用
することも可能である。
【0015】アクリル酸エステル基を有する液晶性モノ
マーとメタクリル酸エステル基を有する液晶性モノマー
の二成分の共重合比は、目的とするコントラストおよび
熱安定性によって種々変化させることができるが、メタ
クリル酸エステル基を有する液晶性モノマーが5〜95
重量%の範囲であり、好ましくは10〜80重量%の範
囲である。なお、上記二種類の共重合体における各必須
成分の共重合の形態は、ランダム、グラフト、交互等公
知の種々形態をとることが可能であり、特に限定される
ものではない。
【0016】また、共重合体の分子量は、重量平均分子
量で1000〜50万の範囲のものであるが、成膜性、
強度や応答速度の点から、特に1万〜10万の範囲が好
ましい。重量平均分子量が1000よりも小さい場合
は、共重合体の成膜性や自己保持性が低下し、また、5
0万よりも大きい場合には、電場による応答性や配向性
が低下する。
【0017】上記の二種類の共重合体において、特にア
クリル酸エステル基を有する液晶性モノマーとメタクリ
ル酸エステル基を有する液晶性モノマーの二成分を必須
成分とする共重合体は、記録の熱安定性、透過光コント
ラストが高く、OHP表示シートの如くプロジェクター
表示媒体として有用である。本発明における側鎖型高分
子液晶は、上記した二成分を必須の成分として構成され
る共重合体である、この共重合体に他の成分を加えた組
成物として用いても構わない。
【0018】例えば、耐候性の向上を目的として、ヒン
ダードアミンやヒンダードフェノール等の各種酸化防止
剤を添加してもよく、また、表示のコントラストを向上
させる目的で、アントラキノン系、スチリル系、アゾメ
チン系やアゾ系等の各種二色性色素を添加してもよい。
さらにまた、レーザー光による熱書き込みを効率的に行
うために、各種レーザー光吸収色素(780〜830n
mの一般的に使用される半導体レーザーを用いる場合
は、フタロシアニン、スクアリリウムやアズレニウム等
の近赤外吸収色素が使用可能)を添加するのが好まし
い。上記した種々の成分の添加量は、液晶組成物中に
0.01〜5重量%の範囲が好ましい。以上に述べたほ
かに、表示特性の向上を目的として、低分子液晶を1〜
20重量%の範囲内で添加しても構わない。
【0019】次に、本発明に使用される可逆性表示媒体
の構成および記録/消去方法について説明する。本発明
に用いる可逆性表示媒体は、その記録方法および消去方
法によって種々の態様を採ることが可能であるが、図1
にそれらの態様を示す。図において、1は高分子液晶
層、2は基材、3は配向膜、4は保護層である。
【0020】本発明の可逆性表示方法は、熱配向初期化
方式と称されるものであって、初期化に電界を使用しな
いで熱処理のみで行うシンプルな形態のものである。こ
の方式に使用される代表的な構成を示す可逆性表示媒体
は、図1に示す模式的断面図を有するものである。基材
2上に配向膜3を形成し、高分子液晶層1を積層したも
のを基本構造とし、所望により、表面強度或いは耐熱性
の改善を目的として保護層4を設けてもよい。また、光
反射層、光吸収層或いは着色層を設けることも可能であ
る。さらに、保護層と高分子液晶層との間にも、他の配
向膜を形成してもよい。さらにまた、透明基材と配向膜
との間に接着性等の向上を目的とする層を設けてもよ
い。ここで使用可能な配向膜としては、水平配向の場合
は、ポリビニルアルコール膜、ポリイミド膜、ナイロン
−エポキシ−有機チタン系膜やSiO2 膜をラビング処
理したものがあげられ、垂直配向の場合は、レシチン、
有機シランやヘキサデシルアミン等が一般的に使用でき
る。また、延伸処理した高分子膜が良好な水平配向膜と
なるために、例えば、延伸処理したPETフィルム等を
基材として用いると、配向膜を省略することができる。
【0021】次に、記録/消去方法について説明する。
初期化は、この可逆性表示媒体を、液晶を示す温度範
囲、好ましくは相転移点直下の温度で加熱(アニール)
することにより実施することができ、それにより高分子
液晶層が透明状態になる。この場合、液晶分子が水平配
向、垂直配向のいずれの場合にも、光学的には透明にな
るが、二色性色素を添加する場合は、垂直配向である必
要がある。記録は、液晶の相転移点以上の温度まで部分
加熱し、冷却することにより、透明部分を光散乱状態
(白濁)に変化させる。この場合、透明な背景に白濁し
た表示を与えることが可能である。加熱手段としては、
サーマルヘッドあるいはレーザー等を使用することがで
きる。消去は、上記の初期化を繰り返すことにより実施
される。
【0022】上記方式に使用される可逆性表示媒体にお
いて、高分子液晶層の厚みは、特に限定されないが、目
的とするコントラストによって種々変化する。好ましく
は1〜100μmの範囲から選択され、特に好ましくは
5〜50μmの範囲から選択される。
【0023】前記した高分子液晶層の上に所望により形
成される保護層(誘電層)は、耐熱性の高いものが望ま
しく、フッ素系ポリマー、シリコーン系ポリマーや、各
種熱硬化性ポリマー等が使用可能である。保護層は複数
層積層されていてもよく、また、保護層の厚みは、好ま
しくは0.1〜20μmの範囲から選択される。
【0024】また、配向膜の膜厚は、0.001〜5μ
mの範囲から一般に選択される。基材の素材や厚みも特
に限定されないが、フィルムの場合は、一般的には1〜
1000μmの範囲から選択され、透過光による表示を
行うOHP表示シートの如く、プロジェクター表示媒体
においては、光学的に透明であることが望ましい。
【0025】また、コントラストの向上を目的として、
反射層や着色層を一構成層として設けることも実施さ
れ、反射層としては、金属膜が、また、着色層としては
色素を含むポリマー膜などが一般的に使用可能である。
【0026】
【実施例】次に、実施例を例示するが、本発明はこれに
限定されるものではない。 (コントラスト評価) 以下の各実施例および比較例において記述するコントラ
ストは以下の方法で算出した。 1)透過光コントラスト: 透明部分と不透明部分を有する試料に、ハロゲン光を平
行光線として試料面に垂直に入射し、透明光をレンズを
用いて、最大見開き角約±10度の透過光として集光
し、フォトダイオードにより電流に変換して光強度とし
て読取り、(透明部分の透過光強度)/(不透明部分の
透過光強度)の比として算出した。 2)反射光コントラスト: 透明部分と不透明部分を有する試料を分光光度計(日立
U−4000)を用いて、透明部分と不透明部分のそれ
ぞれの反射光(λ=500nm)強度を測定し、その比
として算出した。 実施例1 厚み100μmのPETフィルム(延伸したもの)上
に、下記構造式(1)で示される高分子液晶の30重量
%トリクロロエタン溶液を、ブレードコーターを用いて
塗布し、乾燥させて、膜厚約20μmの高分子液晶層を
形成した。さらに、メラミン系熱硬化性ポリマー(商品
名:ユーバン、三井東圧社製)のブチルアルコール溶液
を塗布し、130℃で1時間硬化させて、膜厚約3μm
の保護層を形成し、可逆性表示媒体を作製した。
【化6】 (重量平均分子量(GPCによるポリスチレン換算):
35000、Tg(ガラス転移点):34℃、相転移
点:89℃) 上記可逆性表示媒体を、85℃の温度で10分間加熱
(アニール)して、初期化し、透明状態にした。透明化
した可逆性表示媒体に、サーマルヘッド(約200dp
i)を用いて印字することにより、透明な背景に白い文
字を書き込むことができた。ハロゲン光を用いて透過光
コントラストを測定したところ、約40であることが確
認された。また、初期化を繰り返すことにより書き込ま
れた文字を消去することができた。印字と消去を100
回繰り返した後も、コントラストは初期値と同様であ
り、何等の劣化も認められなかった。
【0027】実施例2 片面にアルミニウムを蒸着して形成した反射層を有する
厚み100μmのPETフィルム(延伸したもの)上、
PET面側に、実施例1と同様にして、上記構造式
(1)で示される高分子液晶よりなる高分子液晶層(約
20μm)および保護層を形成し、可逆性表示媒体を作
製した。この可逆性表示媒体に、実施例1と同様にサー
マルヘッドを用いて印字を行った。この時の印字部分の
反射光コントラストは約60であり、実施例1と比べ
て、向上した値を示した。これは、反射層の形成によっ
て、光散乱部分(印字部分)の光散乱性が向上したため
と考えられる。すなわち、光散乱部分で散乱されずに透
過した入射光が、反射層で反射され、再び散乱されるた
めに、散乱効率が向上したものと考えられる。
【0028】実施例3 厚み100μmのPETフィルム(延伸したもの)上
に、下記構造式(2)で示される高分子液晶共重合体を
トルエンに溶解して40%溶液とした。この溶液をその
PETフィルム上にブレードコーターを用いて塗布し乾
燥させて、膜厚約30μmの高分子液晶層を形成した。
【化7】 (重量平均分子量(GPCによるポリスチレン換算):
20000、Tg(ガラス転移点):40℃、相転移
点:109℃) 次に、その高分子液晶層の上に、シリコーン系ポリマー
(商品名:サイマックUS−350、東亜合成化学社
製)のメチルエチルケトン溶液を塗布し、100℃で1
時間乾燥させて、膜厚約2μmの耐熱層を保護層として
積層した可逆性表示媒体を作製した。
【0029】この可逆性表示媒体を105℃の温度で1
0分間加熱(アニール)して、初期化し、透明状態にし
た。透明にした可逆性表示媒体上にサーマルヘッド(約
200dpi)を用いて印字することにより、透明な背
景に白色の文字を書き込むことができた。ハロゲン光を
用いて透過光コントラストを測定したところ、約40で
あることが確認された。また、初期化を繰り返すことに
より書き込まれた文字を消去することができた。印字と
消去を100回繰り返した後も、コントラストは初期値
と同様であり、何等の劣化も認められなかった。
【0030】なお、上記構造式(2)で示される高分子
液晶共重合体の合成例を以下に示す。 (高分子液晶共重合体の合成) 下記構造式(A)および(B)で示される液晶モノマー
の各2.0gをテトラヒドロフラン(THF)20ml
に溶解し、開始剤としてアゾイソブチロニトリル(AI
BN)0.01gを添加した後、窒素雰囲気下において
60°Cで48時間重合した。重合終了後、エタノール
を沈殿溶媒として再沈殿によって精製し、乾燥して、液
晶ポリマー3.7gを白色固体として得た。この液晶ポ
リマーは、偏光顕微鏡観察および熱分析により、液晶性
を示す温度領域が40°Cから109°Cの範囲である
ことを確認した。
【0031】
【化8】
【0032】実施例4 厚み50μmのPETフィルム上に垂直配向剤であるオ
クタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロ
ピル]アンモニウムクロライド(チッソ(株)製)の5
%メタノール溶液をブレードコーターを用いて塗布し、
乾燥させて、膜厚約0.5μmの垂直配向膜を設けた。
続いて実施例1の高分子液晶を用いて実施例2と同様な
方法で高分子液晶層(約30μm)を形成した。この状
態では可逆性表示媒体は白濁していた。この可逆性表示
媒体を105℃〜110℃で20分間加熱すると白濁状
態が透明状態に変化した。この時のハロゲン光透過率は
70%であった。実施例8と同様にサーマルヘッドを利
用して、透明な背景に白濁した文字を書き込むことがで
きた。さらにOHPを用いてこの可逆性表示媒体を投影
すると、書き込み部分は黒い文字となって鮮明に表示さ
れた。消去は、再び105℃〜110℃で20分間加熱
することにより行うことができ、それによって書き込み
部分が透明状態に戻った。したがって、繰り返し書き込
み/消去が可能であった。
【0033】
【発明の効果】本発明の可逆的表示方法は、上記特定の
構造を有する高分子液晶共重合体を記録層とする可逆性
表示媒体を用いるものであり、繰り返し性、記録保存安
定性、表示コントラストや加工性に優れたものである。
また、本発明は、熱の作用によって、光の透過/散乱を
繰り返し実現することが可能であり、紙のように薄く、
目に優しい反射型表示が得られ、かつ省資源の面でも有
用な可逆的表示方法である。さらに、本発明に使用する
可逆性表示媒体は、大面積化に制限がないことから、ホ
ワイトボード様大面積表示装置用シートとしても応用可
能なものである。さらにまた、高い透過光コントラスト
を有するものが得られるため、OHP表示シートのよう
なプロジェクター表示媒体としても有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に用いる可逆性表示媒体の一実施例の
断面図である。
【符号の説明】
1…高分子液晶層、2…基材、3…配向膜、4…保護層
(誘電層)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G09F 13/04 G09F 13/04 U (56)参考文献 特開 平3−9326(JP,A) 特開 昭60−192712(JP,A) 特開 昭63−191673(JP,A) 日本学術振興会第142委員会編,液晶 デバイスハンドブック,第1版,日刊工 業新聞社発行,1989年 647頁−649頁 Makromol.Chem. (1987),188,p665−674

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配向膜上に、下記式(I)および(II)
    で示される繰り返し単位から構成される共重合体を有す
    る側鎖型高分子液晶層を設けた可逆性表示媒体を使用
    し、該側鎖型高分子液晶層をその相転移温度以下で加熱
    することにより該側鎖型高分子液晶層を透明状態とし、
    次いで、該側鎖型高分子液晶層をその相転移温度以上に
    加熱して光散乱状態とすることを特徴とする可逆的表示
    方法。 【化1】 [式中、Ra およびRb は、それぞれ水素原子、メチル
    基およびハロゲン原子から選択される基を表わし、A
    は、下記式(a)〜(j)で示される液晶分子残基から
    選ばれる基を表わし、 【化2】 (式中、XおよびYは、それぞれ単結合または−N=N
    −、−N(→O)=N−、−CH=N−、−N=CH
    −、−COO−、−O−CO−およびエチニレン基から
    選択される基を表わし、R1 はアルコキシ基、ハロゲン
    原子、シアノ基、カルボン酸基、アルキル基から選択さ
    れる基を表わし、pは1〜5の整数を表わし、pが2以
    上の場合、それぞれのR1 は異なるものであってもよ
    い。)Bは、水酸基、ハロゲン原子、アルキル基又はア
    ルケニル基で置換されていてもよいフェニル基、複素環
    基、アミノ基、シアノ基、−COOR2 、−OCOR2
    および−CONR2 3 から選択される基を表わし(た
    だし、R2 およびR3 は、それぞれ水素原子、またはハ
    ロゲン原子もしくは複素環基で置換されていてもよい炭
    素数1〜30のアルキル基、アルケニル基、肪環式基、
    ヒドロキシアルキル基、ヘテロ原子を含むアルキル基お
    よび置換されていてもよいフェニル基から選択される基
    を表わす。)、kは、1〜30の整数を表わす。ただ
    し、AおよびBは、それぞれ2種以上の基より構成され
    ていてもよい。]
  2. 【請求項2】 配向膜上に、下記式 (III)および(IV)
    で示される繰り返し単位から構成される共重合体を有す
    る側鎖型高分子液晶層を設けた可逆性表示媒体を使用
    し、該側鎖型高分子液晶層をその相転移温度以下で加熱
    することにより該側鎖型高分子液晶層を透明状態とし、
    次いで、該側鎖型高分子液晶層をその相転移温度以上に
    加熱して光散乱状態とすることを特徴とする可逆的表示
    方法。 【化3】 [式中、CおよびDは、それぞれ上記式(a)〜(j)
    で示される液晶分子残基から選ばれる基と同意義を有
    るが、ただし、式(a)および(d)において、Xおよ
    びYが−COO−または−O−CO−を示すことはな
    い。mおよびnは、それぞれ1〜30の整数を表わす。
    ただし、CおよびDは、それぞれ2種以上の基より構成
    されていてもよい。]
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Makromol.Chem.(1987),188,p665−674
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