JPH09171172A - 光学素子 - Google Patents

光学素子

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JPH09171172A
JPH09171172A JP7330127A JP33012795A JPH09171172A JP H09171172 A JPH09171172 A JP H09171172A JP 7330127 A JP7330127 A JP 7330127A JP 33012795 A JP33012795 A JP 33012795A JP H09171172 A JPH09171172 A JP H09171172A
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JP
Japan
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liquid crystal
polymer liquid
resin
layer
protective layer
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JP7330127A
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English (en)
Inventor
Kazushirou Akashi
量磁郎 明石
Masanobu Ninomiya
正伸 二宮
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分子液晶の有する機能を損なうことなく、
耐久性及び安定性に優れた高分子液晶を機能層とする光
学素子を提供する。 【解決手段】 本発明の光学素子は、基材上に高分子液
晶層および保護層を順次形成した光学素子において、該
保護層が、ポリビニルアセタール系樹脂を含有する樹脂
からなることを特徴とする。上記の保護層は、架橋した
ポリビニルアセタール系樹脂を含有する樹脂によって形
成されているか、ポリビニルアセタール系樹脂を含む相
互侵入高分子網目状構造体を含有する樹脂によって形成
されていることが好ましく、更にまた、複数層からな
り、その中の1層がポリビニルアセタール系樹脂を含有
する樹脂からなることが好ましい。また、その高分子液
晶層は、メソゲンモノマーと非メソゲンモノマーとの共
重合体で形成されていること及び架橋された高分子液晶
により形成されていることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子液晶を機能層に
用いることにより、光散乱素子や光変調素子、調光素
子、リライタブル記録素子や記録素子等に応用可能な光
学素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高分子液晶は、新規な機能性材料
として注目されており、これを応用した外部刺激によっ
て可逆的に画像の記録及び消去を行うことができるリラ
イタブル記録素子、光記録素子、さらには光学補償素
子、配向膜(特開昭63−223066号公報、特開昭
62−14114号公報、特開平2−42415号公
報、特開平2−3021号公報、特開平3−59622
号公報)等が知られている。これらの素子は、通常、基
材の上に高分子液晶が形成された構成からなるものであ
り、具体的には、Polym.Commun.Vol.
24,364(1983)、Japan Displa
y,290(1986)等に開示されている。
【0003】高分子液晶を光学素子として利用する場合
には、高分子液晶は、その強度が比較的低いために、そ
の表面上に保護層を形成することが望ましい。特に、高
分子液晶の表面上に保護層を設けることなく感熱型のリ
ライタブル記録素子として用いる場合には、高分子液晶
は、記録時にサーマルヘッドと接触することにより、そ
の表面に凹凸等の変形やワレが発生してしまうという問
題があった。また、高分子液晶を記録層とした光学素子
において、保護層として紫外線硬化樹脂を用いたものが
特開平4−218024号公報に開示されているが、硬
度の高い紫外線硬化樹脂を用いると、硬化時に大きな体
積収縮を生じ、紫外線硬化樹脂層にクラックを生じた
り、さらには体積収縮の歪みが応力となって高分子液晶
層を配向させたりするという問題があった。
【0004】一方、有機低分子化合物/高分子化合物複
合材料を記録層とする感熱型リライタブル記録素子にお
いても、その記録素子表面の損傷を抑制するために、保
護層を設ける技術が、数多く提案されている(特開平1
−133781号公報、同2−566号公報、同3−2
92184号公報、同3−215084号公報、同3−
180390号公報等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光学素
子において、上記した公報等に開示されている保護層材
料は、いずれも有機低分子化合物/高分子複合材料に対
しては有用なものであるが、高分子液晶を用いる光学素
子の保護層に適用しても満足な特性は得られなかった。
本発明の目的は、特定の保護層を形成することにより、
高分子液晶の有する機能を損なうことなく、かつ、耐久
性および安定性に優れた高分子液晶を機能層とする光学
素子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の光学素子は、基
材上に高分子液晶層および保護層を順次形成した光学素
子において、該保護層が、ポリビニルアセタール系樹脂
を含有する樹脂からなることを特徴とする。本発明の光
学素子の保護層は、架橋したポリビニルアセタール系樹
脂を含有する樹脂によって形成されていることが好まし
く、また、ポリビニルアセタール系樹脂を含む相互侵入
高分子網目状構造体(IPN)を含有する樹脂によって
形成されていることが好ましく、さらにまた、複数層か
らなり、かつその中の1層がポリビニルアセタール系樹
脂を含有する樹脂からなることが好ましい。また、その
高分子液晶層は、メソゲンモノマーと非メソゲンモノマ
ーとの共重合体で形成されていること、および架橋され
た高分子液晶により形成されていることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明の光学素子は、基材、高分子
液晶層および保護層の少なくとも3層から構成されるも
のであるが、その他に、必要に応じて、光反射層、光吸
収層、印刷層等を設けてもよい。図1は、本発明の光学
素子の代表的な構成を示す概略断面図である。図1にお
いて、1及び1′は保護層、2は高分子液晶層、3は基
材、4は光反射層である。図1(A)は、基材3の片側
に、高分子液晶層2および保護層1を順次積層した層構
成からなるものである。図1(B)は、基材3の片側
に、高分子液晶層2、保護層a1および保護層b1′を
順次積層した層構成からなるものである。また、図1
(C)は、基材3の片側に、光反射層4、高分子液晶層
2および保護層1を順次積層した層構成からなるもので
ある。
【0008】以下、本発明の光学素子における各構成層
について説明する。本発明における保護層は、単層で形
成されていても、または、複数層形成されていてもよい
が、それらの保護層の中で、少なくとも1層がポリビニ
ルアセタール系樹脂を含有する樹脂からなることが必要
である。ポリビニルアセタール系樹脂とは、ポリビニル
アルコールをアルデヒド類によってアセタール化して得
られたものであり、易溶性、成膜性、強度等に優れた樹
脂である。その具体例としては、ポリビニルホルマール
およびポリビニルブチラールに代表される汎用のもの、
さらに、エチルアルデヒド、プロピルアルデヒドおよび
イソブチルアルデヒドのアセタール化物等が知られてい
る。ポリビニルアセタール系樹脂には、未ケン化のアセ
チル基や未アセタール化のヒドロキシ基が含まれるが、
本発明に使用されるポリビニルアセタール系樹脂として
は、そのポリビニルアルコール中のヒドロキシ基が10
〜82mol%の範囲でアセタール化されたものが好ま
しく、また、その分子量は、物理的強度の高い1万以上
のものを使用することが好ましい。本発明に使用される
ポリビニルアセタール系樹脂の好ましい構造例を以下に
示す。
【0009】
【化1】 [式中、Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基を
示す。l、m及びnは、それぞれ整数を意味し、l/
(l+m+n)=0.2〜0.82(モル比)であ
る。]
【0010】本発明の光学素子において、保護層が単層
で形成される場合、熱可塑性のポリビニルアセタール系
樹脂は耐熱性に劣ることおよび強度が低いこと等から、
熱可塑性のポリビニルアセタール系樹脂のみを保護層材
料として使用することは制限されることになる。そこ
で、耐熱性や強度を向上させるために、ポリビニルアセ
タール系樹脂は、架橋させて使用するか、または、ポリ
ビニルアセタール系樹脂と熱硬化性樹脂との相互侵入高
分子網目状構造体(IPN)として使用することが好ま
しい。熱可塑性樹脂は、架橋することによって熱硬化性
となり、Tg(ガラス転移点)の上昇や非溶融化によっ
て耐熱性が向上し、また、網目結合構造の形成によって
強度が向上することになる。一方、IPN化は、樹脂の
改質に利用されるもので、樹脂の強度および耐久性等の
各機能をバランスよく保持させるのに有効である。
【0011】一般に、ポリビニルアセタール系樹脂の架
橋は、残存しているヒドロキシ基を利用して、メラミン
化合物、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、フェ
ノール化合物やアルデヒド化合物等の架橋剤を添加して
加熱し、必要に応じて、触媒を添加することにより行う
ことができる。この架橋剤の添加量は、1〜50重量%
の範囲が好ましい。
【0012】また、ポリビニルアセタール系樹脂のIP
N化は、ポリビニルアセタール系樹脂と熱硬化性樹脂の
前駆体とを混合し、熱、光や電子線、必要に応じて、触
媒を添加して樹脂の前駆体を重合させることにより行
う。ポリビニルアセタール系樹脂のIPN化に使用され
る熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、イソシアネー
ト樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アクリル系を
主成分とした紫外線硬化樹脂や電子線硬化樹脂等を挙げ
ることができる。この場合、ポリビニルアセタール系樹
脂と熱硬化性樹脂との配合量は、5:95〜95:5の
範囲が好ましい。
【0013】保護層が複数層で形成される場合、その中
の少なくとも1層または全ての層にポリビニルアセター
ル系樹脂を含有する樹脂を用いることが好ましい。ポリ
ビニルアセタール系樹脂を含有する樹脂としては、上記
した架橋やIPN化したポリビニルアセタール系樹脂を
利用することができるほか、最上層以外の層には、熱可
塑性ポリビニルアセタール系樹脂の1成分系を用いるこ
とが可能である。また、最上層には、光硬化性樹脂や電
子線硬化性樹脂等の耐熱性や強度の高い樹脂を使用し、
それ以外の層にはポリビニルアセタール系樹脂を用いる
ことも耐久性の上から好ましい。もちろん、複数層の全
てにポリビニルアセタール系樹脂を用いることも可能で
ある。保護層が複数層で形成されるときの保護層数は、
制限されるものではないが、生産効率上からは2〜3層
であることが好ましい。保護層の膜厚は、0.1〜20
μmの範囲であり、好ましくは1〜10μmの範囲であ
る。
【0014】また、保護層が複数層で形成される場合に
おいては、最上層には表面反射等の表面改質、光学素子
同士のタッキング防止やサーマルヘッド等の走行性の向
上を目的として、各種のフィラーを添加することができ
る。このフィラーとしては、シリカ、炭酸カルシウム、
アルミナ、酸化チタン等の無機粒子および樹脂粒子を使
用することができる。また、保護層には、光学素子の耐
久性を向上させるために、紫外線吸収剤や酸化防止剤等
の耐候安定剤を添加することも可能である。
【0015】次に、本発明の高分子液晶層に使用される
高分子液晶について説明する。高分子液晶には、主鎖に
メソゲン基(液晶性を示す分子)を有する主鎖型高分子
液晶および側鎖にメソゲン基を結合した側鎖型高分子液
晶等が知られているが、本発明においては、特に側鎖型
高分子液晶を使用することが好ましい。本発明に使用す
る側鎖型高分子液晶としては、下記する構造例2に、
A、BおよびCとして示される3種の繰り返し構造単位
から構成されるものを使用することが好ましい。
【0016】
【化2】 (式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、nは1〜
30の整数である。Aは下記(a)〜(k)から選択さ
れるメソゲン基を示す。)
【0017】
【化3】 (式中、XおよびYは、それぞれ単結合、−N=N−、
−N(→O)=N−、−CH=N−、−N=CH−、−
COO−、−OOC−、エチニレン基から選択される基
を表わし、R1 はアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ
基、カルボキシル基、アルキル基から選択される基を表
わし、pは1〜5の中から選択される整数を表わし、p
が2以上の場合、それぞれのR1 は、それぞれ異なるも
のであってもよい。)
【0018】また、本発明においては、メソゲンモノマ
ーと非メソゲンモノマーとの共重合で得られる側鎖に非
メソゲン基を共重合した相分離型高分子液晶を使用する
ことが好ましい。この高分子液晶としては、特開平4−
218024号公報および特開平6−18866号公報
に開示されている。これらの高分子液晶を用いると、記
録像のコントラストが大幅に向上し、かつ感熱特性を最
適化することが可能である。
【0019】さらにまた、本発明では、高分子液晶から
なる記録層を形成し、この記録層を架橋することが好ま
しい。マルチドメイン構造をもつ架橋された高分子液晶
を使用することが特に好ましい。高分子液晶を光学異方
性をもつ特定の大きさのドメインの集合体からなるマル
チドメイン構造として架橋することによって、高速かつ
安定な記録および消去を実現させるものを得ることがで
きる。マルチドメイン構造とは、光学異方性(複屈折
率)を持つ複数の微小なドメインの集合体からなる構造
を呼び、光を強く散乱する性質を有している。特に、マ
ルチドメイン構造におけるドメインの大きさが、ドメイ
ンの分布数の極大において、その直径が0.2〜2.0
μmの範囲にある場合に、最も強く光を散乱することか
ら好ましい。
【0020】このような高分子液晶の架橋は、高分子液
晶を記録層として成形した後、熱、光、電子線等の外部
刺激によって架橋する方法によって行うことができる。
このような架橋に使用される高分子液晶としては、主鎖
または側鎖の1成分として反応性基を含有しているもの
を使用することが好ましく、この反応性基を利用して、
さらに所望により、触媒や多官能反応性化合物を添加し
て架橋を行うことができる。
【0021】上記反応性基の具体例としては、ビニル
基、アクリレート基、メタクリレート基、エポキシ基等
の複素環基やイソシアネート基等の付加や重合可能な基
や水酸基、アミノ基、酸アミド基、チオール基、カルボ
キシル基、スルホン酸基、リン酸基、金属アルコラート
基、マグネシウムハライド基(グリニヤール試薬)等が
好ましい。触媒としては、各種紫外線重合開始剤、熱重
合開始剤等が、また、多官能性化合物としては、多官能
イソシアネート化合物、多官能エポキシ化合物、多官能
メラミン化合物、多官能アルデヒド化合物、多官能アミ
ン化合物、多官能カルボキシル化合物等が好ましく使用
される。このような多官能反応製化合物の添加量は、高
分子液晶に対して0.1〜20%の範囲が好ましい。高
分子液晶の架橋する技術は、Makromol.Che
m.Rapid Commun.,Vol.2,317
(1981)、Makromol.,Chem.Vo
l.188,667(1987)、Polymer,V
ol.28,639(1987)、Makromol.
Chem.,Vol.187,1915(1986)等
に開示されている。
【0022】上記した側鎖型高分子液晶は、通常、重合
可能なメソゲンモノマーを重合させるか、または、水素
化ポリシリコーン等の反応性ポリマーに付加反応可能な
メソゲン化合物を付加させて製造することができる。こ
のような技術は、Makromol.Chem.,p2
73,179(1978),Eur,Polym.
J.,18,p651(1982)、Mol.Crys
t.Liq.Cryst.,169,p167(198
9)等に開示されている。
【0023】本発明に使用される高分子液晶は、上記方
法と同様にして製造することができる。上記したメソゲ
ンモノマーや付加反応可能なメソゲン化合物としては、
ビフェニル系、フェニルベンゾエート系、シクロヘキシ
ルベンゼン系、アゾキシベンゼン系、アゾベンゼン系、
アゾメチン液、フェニルピリミジン系、ジフェニルアセ
チレン系、ビフェニルベンゾエート系、シクロヘキシル
ビフェニル系、ターフェニル系等の剛直な分子(メソゲ
ン基)に、好ましくは、所定の長さのアルキルスペーサ
ーを介して、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル基およびビニル基が結合した種々の化合物を代表的な
ものとして挙げることができる。
【0024】これらの化合物の代表的な構造例を下記に
示す。これらは代表的な構造例であって、本発明はこれ
らに限定されるものではない。 CH2 =C(Ra )−COO−(CH2 l −O−A CH2 =C(Ra )−COO−A CH2 =CH−(CH2 l −O−A (式中、Ra は水素またはメチル基、lは1〜30の整
数を示し、Aは前記した構造例2におけるメソゲンAと
同様である。)
【0025】本発明の高分子液晶の作製において、特性
の向上や架橋のために、上記メソゲンモノマーとともに
好ましく共重合あるいは共付加させる非メソゲンモノマ
ーおよび非メソゲン化合物としては、記録像のコントラ
ストの向上および熱特性の最適化に有益な化合物である
ことが好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸アルキル
およびその誘導体、スチレンおよびその誘導体、酢酸ビ
ニル、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、ビニルピロリドン、1−ヘキセン、1−オク
テン等や、架橋するための反応性基を持つ化合物である
(メタ)アクリル酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラク
トン−モノ(メタ)アクリレート、スルホン酸ビニル、
ヒドロキシキエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロ
キシエチルアシッドフォスフェート、2−ヒドロキシ−
3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−
(メタ)アクリロキシエチルサクシネート、フタル酸モ
ノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロキシエ
チル(2−ヒドロキシエチル)フタレート、4−(メ
タ)アクリロキシアルキルオキシ−ベンゾイックアシッ
ド、グリセリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ基置
換スチレン、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メ
タ)アクリレート、2−プロペン−1−オール、5−ヘ
キセン−1−オール等があげられる。ここで例示したも
のは一例であって、これらに限定するものではない。上
記した化合物の、高分子液晶中への共重合または共付加
量は、単量体単位として0.1モル%〜70モル%の範
囲が好ましい。
【0026】本発明の高分子液晶は、上記したモノマー
や反応性化合物を用いて、ラジカル重合、イオン重合等
による単独重合反応、共重合反応によって、または、反
応性ポリマーへの付加反応によって製造することができ
る。これらの高分子液晶の分子量は、重量平均で1,0
00〜100万の範囲のものが使用されるが、1万〜5
0万の範囲のものが好ましい。
【0027】また、高分子液晶層には、特性の向上を目
的として、上記以外の種々の成分を添加することができ
る。例えば、耐候性の向上を目的として、ヒンダードア
ミンやヒンダードフェノール等の各種酸化防止剤を添加
しもよく、また、表示のコントラストを向上させる目的
で、アントラキノン系、スチリル系、アゾメチン系やア
ゾ系等の各種二色性色素を添加してもよい。また、光散
乱性の向上を目的として、各種螢光色素を添加してもよ
い。さらにまた、レーザー光による熱書き込みを行う素
子の場合、記録を効率的に行うために、各種レーザー光
吸収色素(780〜830nmの一般的な半導体レーザ
ーを用いる場合は、フタロシアニン、スクアリリウムや
アズレニウム等の近赤外色素が使用可能)を添加するこ
とも好ましい。また、高分子液晶層には、以上に挙げた
種々の成分を、いずれも組成物中に0.01〜5重量%
の範囲で添加することが好ましい。他に、低分子液晶化
合物を1〜20重量%の範囲内で添加することができ
る。高分子液晶層は、熱溶融や溶剤を用いて塗布するこ
とにより形成することができ、その層厚は、0.1〜5
0μmの範囲から選択され、より好ましくは1〜20μ
mの範囲である。
【0028】光学素子に使用される基材としては、ポリ
エステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、
ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリ
エチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、
テフロン樹脂に代表される各種樹脂のフィルム、種々の
金属フィルム、紙、コーティング紙等を用いることが好
ましい。その厚みは1〜1000μmの範囲から選択さ
れ、より好ましくは10〜200μmの範囲である。
【0029】光学素子を光散乱型の反射型光学素子とし
て用いる場合には、光散乱度を向上させるために、光反
射層を設けることが好ましい。光反射層は、シート基材
と高分子液晶層との間、または基材の反対面に形成させ
ることが好ましい。その材料としては、アルミニウム、
銀、錫、マグネシウム、金、白金等の金属膜を使用する
ことが好ましく、その形成には、蒸着法やスパッタリン
グ法等によって行うことが好ましい。また、その膜厚
は、1nm〜100μmの範囲とすることが好ましい。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 メソゲンモノマーとして、4−メタクリロキシヘキシル
オキシ−4’−シアノ−ビフェニルおよび反応性モノマ
ーとして、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1g
を使用し、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリ
ル(AIBN)、溶媒としてテトラヒドロフランを用い
て重合を行なった。得られた重合体溶液をエチルアルコ
ールを沈殿溶媒として3回繰り返し沈殿させて精製し、
下記構造式Iで示される高分子液晶100gを得た。
【0031】
【化4】 上記構造式Iで示される高分子液晶は、重量平均分子量
(GPCによるポリスチレン換算)が50,000であ
り、Tg(ガラス転移点)が55℃であり、また、Ti
(液晶相−等方相相転移点)が105℃であった。
【0032】(高分子液晶層の形成)上記の高分子液晶
10gに、架橋剤として4,4′−ジフェニルメタンジ
イソシアネート0.3gおよび溶媒としてメチルエチル
ケトン(MEK)3.0gを加えた溶液を、厚さ100
μmのアルミニウム蒸着したPETフィルム基材上にワ
イヤーバーを用いて塗布し、100℃で乾燥させること
により、膜厚約5μmの高分子液晶層を形成した。次
に、これを60℃のオーブン中で48時間反応させて架
橋させた。このようにして高分子液晶層を形成した基材
から、大きさ10cm×10cmの試料を5枚切り出し
た。この高分子液晶層は、光を散乱させるとともに白濁
していた。
【0033】(保護層の形成)ポリビニルブチラール
(和光純薬製、重合度約700)2.0g、アクリル系
紫外線硬化樹脂プレポリマー(アロニックスUV370
0N:東亞合成製)8.0g、重合開始剤(イルガキュ
アー907:日本チバガイギー製)0.04gおよびフ
ィラーとして炭酸カルシウム粒子(平均粒径約1μm)
0.1gをイソプロパノール40gに混合し、これを激
しく撹拌してフィラーを分散させた塗布液を調製した。
この塗布液を、上記試料の高分子液晶層上にワイヤバー
を用いて塗布し、乾燥させた後、紫外線を照射して硬化
させ、膜厚約2μmのIPN化した保護層を形成するこ
とにより、光学素子を作製した(試料1)。
【0034】実施例2 ポリビニルブチラールをイソプロパノールに溶解した1
0%溶液を調製した。また、アクリル系紫外線硬化樹脂
プレポリマー(アロニックスUV3700N:東亞合成
製)10g、重合開始剤(ダロキュアー1173:日本
チバガイギー社製)0.05gおよびフィラーとして炭
酸カルシウム粒子(平均粒径約1μm)0.1gをメチ
ルイソブチルケトン30gに混合し、これを激しく撹拌
して分散させた紫外線硬化プレポリマー塗布液を調製し
た。実施例1で得た高分子液晶を形成した試料の高分子
液晶層上に、ポリビニルブチラール溶液を実施例1と同
様に塗布し、これを乾燥させて膜厚約2μmの1層目の
保護層を形成した。さらに、そのポリビニルブチラール
層上に、先に調製した紫外線硬化プレポリマー塗布液を
塗布し、乾燥させた後、紫外線を照射して硬化させ、膜
厚約1μmの2層目の保護層を形成し、2層からなる保
護層を持つ光学素子を作製した(試料2)。
【0035】実施例3 ポリビニルブチラール10g、4,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート0.5gを酢酸エチル190gに
溶解した溶液を調製した。実施例1で作製した高分子液
晶を形成した試料の高分子液晶層上に、上記溶液を実施
例1と同様に塗布し、乾燥させた後、100℃で1時間
加熱して硬化(架橋)させ、膜厚約2μmの1層目の保
護層を形成した。さらに、この架橋したポリビニルブチ
ラール層上に、実施例2で調製した紫外線硬化プレポリ
マー塗布液を塗布し、乾燥させた後、紫外線を照射して
硬化させ、膜厚約1μmの2層目の保護層を形成し、2
層からなる保護層を持つ光学素子を作製した(試料
3)。
【0036】実施例4 ポリビニルブチラール8.0g、アクリル系紫外線硬化
樹脂プレポリマー(アロニックスUV3700N:東亞
合成製)2.0g、重合開始剤(イルガキュアー90
7:日本チバガイギー社製)0.01gおよびフイラー
として炭酸カルシウム粒子(平均粒径約1μm)0.1
gをイソプロパノール40gに混合し、激しく撹拌して
分散させた塗布液を調製した。実施例1で作製した高分
子液晶を形成した試料の高分子液晶層上に、上記溶液を
同様に塗布し、乾燥させた後、紫外線を照射して硬化さ
せ、膜厚約2μmの1層目のIPN化した保護層を形成
した。さらに、IPN化したポリビニルブチラール層上
に、実施例2で調製した紫外線硬化プレポリマー塗布液
を塗布し、乾燥させた後、紫外線を照射して硬化させ、
膜厚約1μmの2層目の保護層を形成し、2層からなる
保護層を持つ光学素子を作製した(試料4)。
【0037】比較例 実施例1で作製した高分子液晶を形成した試料の高分子
液晶層上に、実施例2で調製した紫外線硬化プレポリマ
ー塗布液を塗布し、これを乾燥させた後、紫外線を照射
して硬化させ、膜厚約2μmの保護層を持つ光学素子を
作製した(試料5)。
【0038】(試料の評価)実施例1〜4および比較例
で作製した試料1〜5は、いずれも初期状態は白濁して
いる。これらの光学素子シートの高分子液晶層上に、感
熱プリンター評価装置(200dpi、パルス幅2ms
ec、印字周期3msec、記録エネルギー0.3mj
/dot)を用いて印字したところ、印字部分は透明に
変化して文字等が記録された。さらに、これらのシート
を120℃に加熱した熱ローラー装置に通すことによ
り、その文字等は消去した。
【0039】上記各試料について、記録および消去の繰
り返し耐久性を評価するために下記の測定を行った。評
価方法としては、上記装置を用いて記録および消去を1
00回繰り返し、その過程における表面の劣化、初期お
よび100回繰り返し後の画像反射光学濃度をX−ri
te968(X−rite社製)を用いた測定により比
較した。これらの結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】実施例1〜4で作製した試料1〜4は、い
ずれも繰り返しによっても保護層に傷が発生することは
なく、光学濃度も初期と殆ど変化することなく優れた耐
久性を示した。一方、比較例で作製した試料5は、繰り
返しによって保護層全体にワレが発生し、ワレによる応
力によって液晶が配向してしまい、不均一な状態とな
り、光学濃度も劣化してしまった。これらの結果から、
本発明の保護層を形成した光学素子は優れたものである
ことが明らかとなった。
【0042】
【発明の効果】本発明は、高分子液晶を機能層とした光
学素子において、ポリビニルアセタール系樹脂を含有す
る保護層を設けることにより、優れた繰り返し耐久性お
よび安定性を有する光学素子が得られることから、この
光学素子は各種の記録素子として応用範囲を拡大させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における光学素子の層構成を示す概略
断面図。
【符号の説明】
1…保護層(保護層a)、1′…保護層(保護層b)、
2…高分子液晶層、3…基材、4…光反射層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 7/24 501 C08L 29/14 LHA // C08L 29/14 LHA G02B 1/10 Z B29K 25:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に高分子液晶層および保護層を順
    次形成した光学素子において、該保護層が、ポリビニル
    アセタール系樹脂を含有する樹脂からなることを特徴と
    する光学素子。
  2. 【請求項2】 保護層が、架橋したポリビニルアセター
    ル系樹脂を含有する樹脂からなることを特徴とする請求
    項1記載の光学素子。
  3. 【請求項3】 保護層が、ポリビニルアセタール系樹脂
    を含む相互侵入高分子網目状構造体を含有する樹脂から
    なることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
  4. 【請求項4】 保護層が、複数層からなり、かつその中
    の1層がポリビニルアセタール系樹脂を含有する樹脂か
    らなることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
  5. 【請求項5】 高分子液晶層が、メソゲンモノマーと非
    メソゲンモノマーとの共重合体であることを特徴とする
    請求項1記載の光学素子。
  6. 【請求項6】 高分子液晶層が、架橋された高分子液晶
    からなることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003512641A (ja) * 1999-10-19 2003-04-02 ロリク アーゲー 位相幾何学的に構成されたポリマーコーティング

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003512641A (ja) * 1999-10-19 2003-04-02 ロリク アーゲー 位相幾何学的に構成されたポリマーコーティング
JP4928038B2 (ja) * 1999-10-19 2012-05-09 ロリク アーゲー 位相幾何学的に構成されたポリマーコーティング
US8906458B2 (en) 1999-10-19 2014-12-09 Rolic Ag Topologically structured polymer coating

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