JP2870246B2 - 書替え可能な感熱記録媒体 - Google Patents

書替え可能な感熱記録媒体

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JP2870246B2
JP2870246B2 JP3234400A JP23440091A JP2870246B2 JP 2870246 B2 JP2870246 B2 JP 2870246B2 JP 3234400 A JP3234400 A JP 3234400A JP 23440091 A JP23440091 A JP 23440091A JP 2870246 B2 JP2870246 B2 JP 2870246B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子液晶を含有する
記録層を支持体上に備えた書替え可能な感熱記録媒体に
係り、特に上記支持体と記録層間の接着性を向上できる
感熱記録媒体の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高分子液晶は、熱エネルギの付与により
固体相から液晶相(ガラス転移温度:Tg)、液晶相か
ら等方相(等方相転移温度:Tcl)の可逆的な相転移
挙動を示し、低分子液晶と顕著に相違する点はガラス転
移点を有することである。
【0003】このガラス転移点を有するため昇温により
出現した液晶状態をガラス転移温度(Tg)以下に急冷
することによりその固定化が可能である。すなわち、こ
の液晶状態が固体中に固定化されることはメモリー性の
発現にほかならない。
【0004】上記書替え可能な感熱記録媒体はこの高分
子液晶の熱的特性を利用したものである。すなわち、こ
の種の感熱記録媒体は、支持体上に、この支持体と強固
に接着した下地層を介して高分子液晶を含有する記録層
を備え、更に必要に応じてこの記録層上に記録層の耐久
性等を改良する保護層を備えて成り、記録層の一部をサ
ーマルプリンタ等の熱印字手段により高分子液晶のガラ
ス転移温度(Tg)以上の記録設定温度に加熱し、この
加熱により現れた液晶状態をガラス転移温度(Tg)以
下に急冷して固定化することで所望の記録像を形成する
手段である。
【0005】尚、高分子液晶は上述したように可逆的な
相転移挙動を示すためロイコ系染料等を用いた他の感熱
記録媒体と異なり上記記録像の書替えが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、高分子液
晶を用いたこの種の感熱記録媒体は他の感熱記録媒体と
較べて記録像の書替えが可能な利点を有する反面、上記
記録像の書替えを行う度に記録層が固体状態から液状状
態に変化し再度固体状態へと状態変化を繰返すため下地
層と記録層間にずれ応力が作用し易く、更に、下地層と
記録層との熱収縮率の差異に伴うストレスが加わると共
に、通常、上記感熱記録媒体は書替え操作の際に回転す
る一対の加熱ローラにより搬送されるため各ローラのわ
ずかなスピードの違いがストレスとなって加わり易く、
これ等が原因となって下地層と記録層間の接着力が低下
し、この結果、下地層から記録層が経時的に剥離し易い
問題点があり、また、記録層上に保護層を備える感熱記
録媒体においても同様の理由から保護層と記録層間の接
着力が低下して記録層の耐久性が経時的に失われ易い問
題点があった。
【0007】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、その課題とするところは、上記下地層と記
録層間の接着力を高めて繰返し書替え耐性の優れた感熱
記録媒体を提供することにある。
【0008】また本発明の別の課題とするところは、下
地層と記録層間の接着力及び記録層と保護層間の接着力
を高めて更に繰返し書替え耐性が向上した感熱記録媒体
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1に係る
発明は、支持体上に、この支持体と強固に接着した下地
層を介して高分子液晶を含有する記録層を備え、この記
録層の一部を高分子液晶のガラス転移温度(Tg)以上
の記録設定温度に加熱しこの加熱により現れた液晶状態
をガラス転移温度(Tg)以下に冷却して固定化するこ
とで記録像を形成する書替え可能な感熱記録媒体を前提
とし、上記高分子液晶がイソシアネート基と結合可能な
官能基を有する高分子液晶により構成され、かつ、上記
下地層が、イソシアネート化合物とポリオール樹脂とを
イソシアネート化合物が過剰の条件下において重合して
得られたイソシアネート基を有する樹脂により構成され
ていることを特徴とするものであり、他方、請求項2に
係る発明は請求項1に係る発明を前提とし、上記記録層
上に積層された保護層を備え、かつ、この保護層がイソ
シアネート化合物とポリオール樹脂とをイソシアネート
化合物が過剰の条件下において重合して得られたイソシ
アネート基を有する樹脂により構成されていることを特
徴とするものである。
【0010】また、請求項3に係る発明は請求項1又は
請求項2に係る発明を前提とし、上記高分子液晶が、イ
ソシアネート基と結合可能な官能基を有し組成比1モル
%以上40モル%以下のモノマーと、ネマティックモノ
マーと、コレステリックモノマーとの共重合体により構
成されることを特徴とするものである。
【0011】このような技術的手段においてイソシアネ
ート基と結合可能な官能基とは、上記下地層及び保護層
を構成する樹脂中に含まれるイソシアネート基と化学的
に結合して下地層と記録層間の接着力及び記録層と保護
層間の接着力を向上させる官能基を意味し、その具体例
としては−OH基、−SH基、=NH基、−NH2 基、
あるいは−COOH基等が挙げられる。
【0012】そしてこのような官能基を有する高分子液
晶としては、例えばイソシアネート基と結合可能な官能
基を有するモノマーと、コレスティックモノマーと、ネ
マチックモノマーとの共重合体が適用できる。
【0013】以下、具体例を示すと、上記イソシアネー
ト基と結合可能な官能基を有するモノマーとしては、
【0014】
【化1】
【0015】等が適用でき、また、上記コレステリック
モノマーとしては、
【0016】
【化2】
【0017】等が適用できる。
【0018】また、ネマテッイクモノマーとしては、
【0019】
【化3】
【0020】等が適用できる。
【0021】そして、これらのモノマーより構成される
共重合体は、上記イソシアネート基と結合可能な官能基
を有するモノマーの重合部と、コレステリックモノマー
重合部と、ネマテッイクモノマー重合部が結合した構造
を有しており、上記イソシアネート基と結合可能な官能
基を有するモノマー重合部の例としては上記化学式
(1)が互いに重合した状態にある、
【0022】
【化4】
【0023】が、また、コレステリックモノマー重合部
の例としては上記化学式(2)が互いに重合した状態に
ある、
【0024】
【化5】
【0025】があり、また、ネマテッイクモノマー重合
部の例としては上記化学式(3)が互いに重合した状態
にある、
【0026】
【化6】
【0027】が挙げられる。
【0028】但し、上記化学式(1)〜(6)中、A
は、−OH基、−SH基、=NH基、−NH2 基、又は
−COOH基のいずれかであり、Xは、−O−または−
NH−のいずれかである。また、化学式(4)〜(6)
中、α、β、及び、γはそれぞれのモノマーの重合度を
示す整数である。
【0029】また、上記化学式(1)〜(6)中、R1
は水素原子若しくはメチル基であり、またR2 は、
【0030】
【化7】
【0031】又は、
【0032】
【化8】
【0033】である。
【0034】また、化学式(1)〜(6)中、R3 は、
【0035】
【化9】
【0036】又は、
【0037】
【化10】
【0038】であり、上記化学式(9)中、R4 は、メ
チル基、エチル基、プロピル基のいずれかである。
【0039】また、化学式(7)及び(9)〜(10)
中、メチレン基の数を示すmとnは、1〜14望ましく
は4〜6の整数である。
【0040】このポリメチレン基−(CH2 n −、−
(CH2 m −の具体例としては、メチレン基、ジメチ
レン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメ
チレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、ノナ
メチレン基、デカメチレン基、ウンタデカメチレン基、
テトラデカメチレン基等が挙げられる。
【0041】ここで、上記共重合体中におけるイソシア
ネート基と結合可能な官能基を有するモノマーの組成比
が1モル%未満の場合、この官能基が不足して下地層と
記録層間の接着力及び保護層と記録層間の接着力の向上
が不十分となり、また40モル%を越えた場合には下地
層と記録層間等の接着力が高くなり過ぎて上記共重合物
が液晶状態を示さなくなることがある。
【0042】これに対してイソシアネート基と結合可能
な官能基を有するモノマーの組成比が1モル%以上40
モル%以下の範囲にある場合には、上記共重合体は液晶
状態を示ししかも下地層と記録層間及び記録層と保護層
間の接着が強固になり、下地層や保護層から記録層が剥
離し難くなって繰返し書替え耐性が大きく向上する利点
を有する。
【0043】請求項3に係る発明はこの様な技術的背景
に基づきなされたもので、上記共重合体中におけるイソ
シアネート基と結合可能な官能基を有するモノマーの組
成比を1モル%以上40モル%以下に設定することによ
り、高分子液晶の性能を維持したまま下地層と記録層並
びに記録層と保護層の接着力を大きく増大させたもので
ある。
【0044】尚、上記共重合体中におけるキラル成分と
してのコレステリックモノマーの組成比が5モル%以上
50モル%以下の場合、この共重合体は400nm〜7
00nmの可視領域に選択反射能を具備しているため、
カラー発色温度の設定の違いにより種種色相のカラー液
晶状態を設定することができる。
【0045】次に、上記下地層及び保護層を構成するイ
ソシアネート基を有する樹脂としては、公知のイソシア
ネート化合物とポリオール樹脂とを上記イソシアネート
化合物が過剰の条件下において重合して得られるポリウ
レタン樹脂等が適用でき、また、上記支持体としては、
上質紙等の紙の他、プリペイドカード用のポリエステル
シートなどのプラスチックフィルムやシート等が適用可
能である。
【0046】そして、このようにして構成された感熱記
録媒体を用いる記録処理は以下のようにして行う。
【0047】尚、高分子液晶が選択反射能を具備する場
合(キラル成分を有する場合)と選択反射能を具備しな
い場合とで記録操作に若干の相違を有する。以下、夫々
について説明する。
【0048】但し、以下に述べる記録方式はこの感熱記
録媒体を用いた記録法の一例に過ぎず、上記高分子液晶
が適用された感熱記録媒体を用いて以下に述べる記録方
式と異なる記録法を採ったとしても当然のことながらよ
い。
【0049】(1)高分子液晶が選択反射能を具備しな
い場合 まず、上記高分子液晶を含んだ記録層全体を一旦等方相
転移温度(Tcl)以上に加熱し透明状態にして履歴情
報を消去した後これをガラス転移温度(Tg)以下に冷
却して高分子液晶を略透明又は白濁の液晶状態に固定化
し初期化処理とする。尚、液晶状態を略透明又は白濁の
いづれかに設定する方法は、上記記録層を冷却する際、
適宜加圧手段、例えば、一対の加熱ローラ間に挿通させ
る時の圧力を調整することにより選択的に設定できる。
【0050】そして、初期化された感熱記録媒体の記録
層の一部をサーマルプリンタ等の熱印字手段によりガラ
ス転移温度(Tg)以上の適宜記録設定温度に加熱して
透明又は白濁な液晶状態にしかつこれをガラス転移温度
(Tg)以下に冷却して加熱部位の高分子液晶を固定化
し、非加熱部位であるベース領域との差別化を図って記
録像とする。この場合、加熱部位の高分子液晶を透明又
は白濁のいづれの液晶状態にするかは非加熱部位である
ベース領域の液晶状態との差別化が図れる範囲で任意に
設定される。尚、加熱部位の高分子液晶を透明又は白濁
の液晶状態に選択的に設定する方法は、上記初期化処理
の場合と同様に記録設定温度と記録層を加圧する際の設
定圧力によって任意に設定できる。
【0051】一方、この記録像を消去するには、まずこ
の記録像が形成されている記録層全体を再度等方相転移
温度(Tcl)以上に加熱して透明状態にし、以下、上
記初期化処理を施して再度の書込みに供する。
【0052】(2)高分子液晶が選択反射能を具備する
場合 上記高分子液晶がキラル成分を有する場合、この高分子
液晶は選択反射能を具備するようになり種々色相の記録
像が形成できる利点を有する。
【0053】まず、上記高分子液晶を含んだ記録層全体
を一旦等方相転移温度(Tcl)以上に加熱し透明状態
にして履歴情報を消去しかつこれをガラス転移温度(T
g)以下に冷却して高分子液晶を略透明の液晶状態に固
定化する。
【0054】次に、この記録層全体を、上記等方相転移
温度(Tcl)以下でガラス転移温度(Tg)以上のカ
ラー発色温度に加熱して適宜カラーの液晶状態にし、こ
れをガラス転移温度(Tg)以下に冷却する際、上記加
圧処理を施すことでこの液晶状態を固定化でき特定カラ
ーのベース状態すなわち初期化処理がなされる。
【0055】この場合、高分子液晶が選択反射能を具備
しているとそのカラー発色温度の設定の違いにより種々
色相のカラー液晶状態を設定することが可能になるため
ベース状態の色相を任意に設定できる。従って、ベース
状態を任意に設定することで種々色相の記録像を形成す
ることが可能になるため記録像のバリエーション拡大を
図ることができる利点を有する。
【0056】尚、上記選択反射能を具備しない高分子液
晶の場合と同様に、履歴情報の消去処理と初期化処理と
を1回の操作で行っても当然のことながらよい。
【0057】そして、初期化された感熱記録媒体の記録
層の一部をサーマルプリンタ等の熱印字手段によりガラ
ス転移温度(Tg)以上の記録設定温度に加熱し、この
加熱により現れた液晶状態をガラス転移温度(Tg)以
下に冷却して固定化することで非加熱部位であるベース
領域との差別化が図れて記録像が得られる。この場合、
記録設定温度をガラス転移温度(Tg)以上で等方相転
移温度(Tcl)以下の適宜温度に設定することにより
その温度特有の液晶カラー状態を固定化でき、また、上
記記録設定温度を等方相転移温度(Tcl)以上に設定
することにより略透明の液晶状態を固定化できる。
【0058】一方、この記録像を消去するには、まずこ
の記録像が形成されている記録層全体を再度等方相転移
温度(Tcl)以上に加熱して透明状態にし、以下、上
記初期化処理を施して再度の書込みに供する。
【0059】ここで、上述のように、キラル成分として
のコレステリックモノマーの共重合体中の組成比が5モ
ル%以上50モル%以下の場合、この共重合体は400
nm〜700nmの可視領域に選択反射能を具備してい
るため上記処理が可能である。
【0060】尚、選択反射能を備える高分子液晶の合成
法は上述したイソシアネート基と結合可能な官能基を有
するモノマーとネマチックモノマー及びコレステリック
モノマーとの共重合法に限らず以下の合成法によっても
得ることが可能である。すなわち、それ自身ネマチック
なモノマーにキラルな化合物(例えば光学異性体を構成
させる不斉炭素が含まれる化合物)を結合させることに
より得られるコレステリックモノマーの重合法、あるい
は、ネマチックモノマーと非メソゲンなキラルモノマー
との共重合法等が挙げられる。このような合成法にて求
められた高分子液晶はコレステリック相を発現可能であ
り、その選択反射波長は共重合の組成及び組成比により
制御可能である。
【0061】次に、これ等技術的手段において、上述し
た紙、プラスチックフィルム又はシート等の支持体上に
下地層を介して記録層を形成するには、まずイソシアネ
ート化合物が過剰の条件下でイソシアネート化合物とポ
リオール樹脂を混合して求められた下地層塗工液を塗布
乾燥して下地層を形成した後、上記高分子液晶と適宜バ
インダーを有機溶剤に溶解させて求めた記録層塗工液
を、バー塗布、ブレード塗布、エアーナイフ塗布、グラ
ビア塗布、ロールコーティング等の塗布手段により塗布
し、かつ、これを乾燥させて記録層を形成することがで
きる。また、上記記録層上に保護層を設ける場合には、
イソシアネート化合物が過剰の条件下でイソシアネート
化合物とポリオール樹脂を混合し、さらに適宜無機顔料
やワックス等のフィラーを添加して求めた保護層塗工液
を塗布乾燥して形成することができる。
【0062】また、本発明による画像形成又は画像消去
の手段は熱によるものであり、例えば、サーマルプリン
ター、熱反射複写装置、ホットスタンパーや熱ロール等
の装置類を用いて行うことができる。
【0063】
【作用】請求項1に係る発明によれば、高分子液晶がイ
ソシアネート基と結合可能な官能基を有する高分子液晶
により構成され、かつ下地層が、イソシアネート化合物
とポリオール樹脂とをイソシアネート化合物が過剰の条
件下において重合して得られたイソシアネート基を有す
る樹脂により構成されており、下地層を構成する樹脂中
のイソシアネート基と高分子液晶の官能基とが化学的に
結合するため下地層と記録層間の接着力の増大が図れ
る。
【0064】他方、請求項2に係る発明によれば、上記
記録層上に積層された保護層を備え、かつ、この保護層
がイソシアネート化合物とポリオール樹脂とをイソシア
ネート化合物が過剰の条件下において重合して得られた
イソシアネート基を有する樹脂により構成されており、
下地層及び保護層を構成する樹脂中のイソシアネート基
と上記高分子液晶の官能基とがそれぞれ化学的に結合す
るため下地層と記録層間及び記録層と保護層間の接着力
の増大が図れる。
【0065】また、請求項3に係る発明によれば、高分
子液晶が、イソシアネート基と結合可能な官能基を有し
組成比1モル%以上40モル%以下のモノマーと、ネマ
ティックモノマーと、コレステリックモノマーとの共重
合体により構成され、下地層及び保護層を構成する樹脂
中のイソシアネート基と上記高分子液晶を構成する共重
合体中の官能基とがそれぞれ化学的に結合するため下地
層と記録層間及び記録層と保護層間の接着力の増大が図
れる。
【0066】
【実施例】次に、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
【0067】[実施例1]イソシアネート基と結合可能
な官能基を有するモノマーとして適用された下記化学式
(11)で示される2−ヒドロキシエチルアクリレート
(化合物1)10モル%と、下記化学式(12)で示さ
れるコレステリックモノマー(化合物2)30モル%
と、下記化学式(13)で示されるネマチックモノマー
(化合物3)60モル%とをベンゼン溶液中に溶解し、
重合開始剤としてα,α´−アゾビスイソブチロニトリ
ル(AIBN)を用い窒素雰囲気下60℃にて8時間重
合反応させた後、メタノールからの再沈により精製して
下記化学式(14)で示される化合物4の高分子液晶を
合成した。
【0068】
【化11】
【0069】
【化12】
【0070】
【化13】
【0071】
【化14】
【0072】そして、支持体としてプリペイドカード用
ポリエステルシートを使用し、アクリルポリオール樹脂
とイソシアネート化合物(旭化成(株)製デュラネート
24A−1000)をイソシアネート化合物が過剰の
条件下で混合して求めた塗工液を下地層塗工液とし、こ
れをメイヤーバーで塗布乾燥して下地層を形成し、か
つ、この下地層上に上記合成された化合物4の高分子液
晶をメイヤーバーで塗布乾燥して記録層を形成した。
【0073】次いで、上記下地層塗工液と同一組成の塗
工液を保護層用塗工液とし、これをメイヤーバーで上記
記録層上に塗布乾燥して保護層を形成し感熱記録シート
を求めた。
【0074】このようにして求めた感熱記録シートの保
護層表面に接着テープを張り付け、JISのK5400
−1990(碁盤目テープ法)に従い、この接着テープ
を剥離して記録層が剥離するか否か(すなわち記録層が
残存するか否か)を確認しその評価を行った。この結果
を表1に示す。
【0075】[実施例2]イソシアネート基と結合可能
な官能基を有するモノマーとして適用された下記構造の
ジエチレングリコールモノメタクリレート(化合物5)
を7モル%と、上記化学式12で示された化合物2のモ
ノマー31モル%と、上記化学式13で示された化合物
3のモノマー62モル%とをベンゼン溶液中に溶解し、
重合開始剤としてα,α´−アゾビスイソブチロニトリ
ル(AIBN)を用い窒素雰囲気下60℃にて8時間重
合反応させた後、メタノールからの再沈により精製して
下記化合物6の高分子液晶を合成した点を除き実施例1
と略同一である。
【0076】そして、上述したJISのK5400(碁
盤目テープ法)の結果を表1に示す。
【0077】
【化15】
【0078】
【化16】
【0079】[比較例]上記化学式12で示された化合
物2のモノマー33モル%と、化学式13で示された化
合物3のモノマー67モル%とをベンゼン溶液中に溶解
し、重合開始剤としてα,α´−アゾビスイソブチロニ
トリル(AIBN)を用い窒素雰囲気下60℃にて8時
間重合反応させた後、メタノールからの再沈により精製
して下記化合物7の高分子液晶を合成した点を除き実施
例1と略同一である。
【0080】そして、上述したJISのK5400(碁
盤目テープ法)の結果を表1に示す。
【0081】
【化17】
【0082】
【表1】
【0083】『記録試験及び繰返し書替え耐性試験』次
に、このようにして求めた実施例1〜実施例2及び比較
例の感熱記録シートについて各々初期化処理を施しその
ベースの色相をブルーに設定した。
【0084】尚、この初期化処理はブルーの発色温度に
設定されかつその接触圧が0.1kg/cm2 に設定された
一対の加熱ローラ間に各感熱記録シートを1秒挿通させ
ることにより行なった。
【0085】そして、初期化された感熱記録シートの記
録層に対し東芝製のサーマルシュミレータを用いて選択
的に加熱し、その加熱部位を等方相転移温度(Tcl)
以上に加熱して透明状態にしかつこれをガラス転移温度
(Tg)以下に急冷して略透明の液晶状態に固定化し、
非加熱部位であるブルーのベース領域との差別化を図っ
て記録像を求めた。
【0086】また、この記録像を消去するには記録層全
体を一旦等方相転移温度(Tcl)以上に加熱し、透明
状態にして履歴情報を消去し、かつ、これをガラス転移
温度(Tg)以下に冷却して高分子液晶を略透明な液晶
状態に固定化する。そして上記初期化処理と同様の処理
を施すことにより再度の書込みに供することが可能とな
る。
【0087】そして、実施例1〜2に係る感熱記録シー
トと比較例に係る感熱記録シートについては共に良好な
記録像を求めることが可能であり、かつ、その書替えも
可能であることが確認された。
【0088】次に、これ等感熱記録シートの繰返し書替
え耐性については、上述したJIS試験の結果を記した
表1の結果から明らかなように実施例に係る感熱記録シ
ートが比較例に係る感熱記録シートと較べて格段に優れ
ていることが確認された。
【0089】そして、この違いは上記記録層の主要部を
構成する高分子液晶にイソシアネート基と結合可能な官
能基を導入しているか否かの違いに基づいており、下地
層並びに保護層と記録層とを化学的に結合させることに
よりこれ等間の接着力が増大してその繰返し書替え耐性
が向上することが確認された。
【0090】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、下地層を
構成する樹脂中のイソシアネート基と高分子液晶の官能
基とが化学的に結合して下地層と記録層間の接着力が増
大するため、感熱記録媒体としての繰返し書替え耐性を
向上できる効果を有しており、一方、請求項2に係る発
明によれば、下地層及び保護層を構成する樹脂中のイソ
シアネート基と高分子液晶の官能基とが化学的に結合し
て下地層と記録層及び記録層と保護層間の接着力が増大
するため、感熱記録媒体としての繰返し書替え耐性を更
に向上できる効果を有している。
【0091】また、請求項3に係る発明によれば、高分
子液晶が、イソシアネート基と結合可能な官能基を有し
組成比1モル%以上40モル%以下のモノマーと、ネマ
ティックモノマーと、コレステリックモノマーとの共重
合体により構成されていることから上記高分子液晶がイ
ソシアネート基と結合可能な官能基を有しているため、
下地層を構成する樹脂中のイソシアネート基と化学的に
結合すると共に保護層を備えるものについてはこの保護
層を構成する樹脂中のイソシアネート基と化学的に結合
し、従って、請求項1〜2に係る発明と同様に感熱記録
媒体としての繰返し書替え耐性を向上できる効果を有し
ている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/36 B41M 5/38 - 5/40

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、この支持体と強固に接着した
    下地層を介して高分子液晶を含有する記録層を備え、こ
    の記録層の一部を高分子液晶のガラス転移温度(Tg)
    以上の記録設定温度に加熱しこの加熱により現れた液晶
    状態をガラス転移温度(Tg)以下に冷却して固定化す
    ることで記録像を形成する書替え可能な感熱記録媒体に
    おいて、 上記高分子液晶がイソシアネート基と結合可能な官能基
    を有する高分子液晶により構成され、かつ、上記下地層
    、イソシアネート化合物とポリオール樹脂とをイソシ
    アネート化合物が過剰の条件下において重合して得られ
    イソシアネート基を有する樹脂により構成されている
    ことを特徴とする書替え可能な感熱記録媒体。
  2. 【請求項2】上記記録層上に積層された保護層を備え、
    かつ、この保護層がイソシアネート化合物とポリオール
    樹脂とをイソシアネート化合物が過剰の条件下において
    重合して得られたイソシアネート基を有する樹脂により
    構成されていることを特徴とする請求項1記載の書替え
    可能な感熱記録媒体。
  3. 【請求項3】上記高分子液晶が、イソシアネート基と結
    合可能な官能基を有し組成比1モル%以上40モル%以
    下のモノマーと、ネマティックモノマーと、コレステリ
    ックモノマーとの共重合体により構成されることを特徴
    とする請求項1又は請求項2記載の書替え可能な感熱記
    録媒体。
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