JPH0915566A - 可逆性記録媒体の製造方法 - Google Patents

可逆性記録媒体の製造方法

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JPH0915566A
JPH0915566A JP7186566A JP18656695A JPH0915566A JP H0915566 A JPH0915566 A JP H0915566A JP 7186566 A JP7186566 A JP 7186566A JP 18656695 A JP18656695 A JP 18656695A JP H0915566 A JPH0915566 A JP H0915566A
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JP
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recording layer
layer
recording medium
plastic film
recording
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Application number
JP7186566A
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English (en)
Inventor
Junichi Tomonaga
淳一 朝長
Takashi Morikawa
尚 森川
Masanobu Ninomiya
正伸 二宮
Takashi Uematsu
高志 植松
Yuichi Yashiki
雄一 矢敷
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロール状に巻き取られたて記録層その他の表
面層が基材裏面と密着した場合でも、容易に剥離でき、
基材裏面への塗膜の転移が起こらない可逆的記録媒体の
製造方法を提供する。 【構成】 プラスチックフィルム上に、外部刺激によっ
て可逆的に光散乱度が変化する記録層と、少なくとも1
層よりなる保護層を設けて可逆性記録媒体を製造するに
際して、層形成用塗布液の塗布後、乾燥および/または
硬化過程の終了時点で、塗布層の表面に離型性シートを
重ね、次の層形成用塗布液を塗布するまで離型性シート
が重ねられた状態を維持することを特徴とする。この場
合、離型性シートが重ねられた状態で高分子液晶よりな
る記録層を架橋処理するのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱、電界、磁界、光等
の外部刺激によって可逆的に光散乱度が変化し、画像を
繰り返し記録、消去できる可逆性記録媒体の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】外部刺激によって可逆的に画像の記録を
行うことができる材料や媒体に関して各種の方式が提案
されている。中でも、特開昭59−10930号公報、
特開昭62−14114号公報、特開昭63−2230
66号公報および特開平2−2513号公報等に記載さ
れている、光散乱度が可逆的に変化する有機低分子/高
分子複合材料や、高分子液晶は、優れた耐久性を持つの
で有望なものである。これ等の材料は、プラスチックフ
ィルム等の基材上に記録層として形成し、さらにその上
に保護層を形成した構成からなる媒体として使用され
る。
【0003】記録媒体の構成を示すと、図2(a)は、
基材21のプラスチックフィルム上に記録層22が設け
られた構造のものを示し、図2(b)は、基材21の上
に記録層22が設けられ、その上に第1ないし第n層よ
りなる保護層23が設けられた構造のものを示す。ま
た、図2(c)は、図2(b)における基材21と記録
層22との間に光反射層24が設けられた構造のものを
示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような記録媒体
を製造するに当たっては、基材上に各種コーターによっ
て各層を塗布により形成し、順次巻き取っていく方法が
とられる。その際、基材を巻き取ったロールの中心部に
は、高い圧力が加わるが、塗布面は巻き取られた基材の
裏側と接触しているので、その面と密着する現象が現れ
る場合がある。特に層が特開平6−160825号公報
に記載されているように、高分子液晶が液晶性単量体と
活性基を有する非液晶性単量体との共重合体であり、非
液晶性単量体の活性基をポリイソシアネート化合物によ
って架橋させる記録層である場合には、架橋時に、記録
層内部で進む化学反応の際に、基材裏面と、より密着性
が高まり、架橋の為にロール全体を加熱するような場合
には、密着する現象は一層現れやすくなる。そして基材
が容易には剥離できない程度に密着してしまった場合に
は、もはや記録媒体として使用不能なものになるという
問題があった。
【0005】また、保護層が1層または複数存在する場
合では、最上層以外の層の材料および表面状態によって
は、基材裏面と密着してしまい、容易には剥離できない
状態になるか、或いは剥離できたとしても、密着してい
た層単独或いは記録層までの複数層が基材裏面側に転移
し、記録媒体として使用不能なものになるおそれがあっ
た。
【0006】したがって、本発明は従来の技術における
上記の問題を解決することを目的としてなされたもので
ある。すなわち、本発明の目的は、ロール状に巻き取ら
れたて記録層その他の表面層が基材裏面と密着した場合
でも、容易に剥離でき、基材裏面への塗膜の転移が起こ
らない可逆的記録媒体の製造方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の可逆
性記録媒体の製造方法の第1のものは、プラスチックフ
ィルム上に、外部刺激によって可逆的に光散乱度が変化
する記録層と、少なくとも1層よりなる保護層を設ける
に際して、層形成用塗布液の塗布後、乾燥および/また
は硬化過程の終了時点で形成された層の表面に離型性シ
ートを重ね、次の層形成用塗布液を塗布するまで離型性
シートが重ねられた状態を維持することを特徴とする。
この場合、離型性シートが重ねられた状態で記録層を架
橋処理するのが好ましい。また、外部刺激によって可逆
的に光散乱度が変化する記録層が、架橋された高分子液
晶よりなるものが好ましい。本発明の可逆性記録媒体の
製造方法の第2のものは、プラスチックフィルム上に、
外部刺激によって可逆的に光散乱度が変化する記録層を
設けるに際して、高分子液晶を含有する記録層形成用塗
布液をの塗布後、乾燥過程の終了時点で形成された記録
層の表面に離型性シートを重ね、その状態を維持して該
記録層の高分子液晶を架橋することを特徴とする。
【0008】以下、本発明を図面を参照して詳細に説明
する。図1は、本発明を実施するための塗布工程を説明
する模式図である。図1(a)は、記録層形成用塗布液
を塗布する場合を説明するものであり、図(b)は、保
護層形成用塗布液を塗布する場合を説明するものであ
り、また、図1(c)は、複数層よりなる保護層を形成
する場合を説明するものである。
【0009】まず、前記図2(a)で示される層構成を
有する可逆性記録媒体を製造する場合について説明す
る。図1(a)に示すように、プラスチックフィルムの
ロールを用意し、プラスチックフィルム送り出し部1か
らプラスチックフィルム2を送り出して、例えばグラビ
アロールコーター等の塗布装置3により記録層形成用塗
布液を塗布し、次いで、乾燥ゾーン4に送られて乾燥さ
せる。乾燥終了後、離型性シート送りだし部5から離型
性シート6を送り出して、乾燥後の記録層の表面に重
ね、その状態で巻き取り部7においてロール状に巻き取
り、記録層が形成されたプラスチックフィルムのロール
を得る。次いで、記録層が形成されたプラスチックフィ
ルムは、ロールの状態のまま保温室(図示していない)
において加熱処理して記録層の構成材料が架橋され、可
逆性記録媒体が作製される。
【0010】次に、図2(b)または(c)において、
記録層上に保護層が設けられた可逆性記録媒体を製造す
る場合について説明する。形成する保護層が1層構成の
場合については、まず、図1(a)に示すようにして記
録層が形成されたプラスチックフィルムのロールを作製
した後、引き続いて記録層の上に、第1図(b)に示す
ようにして保護層が形成される。すなわち、送り出し部
8から記録層が形成されたプラスチックフィルム2aを
送り出し、それと同時に離型性シート6は離型性シート
巻き取り部9でロール状に巻き取られて、再使用され
る。記録層の上には、例えばグラビアロールコーター等
の塗布装置10により保護層形成用塗布液を塗布し、次
いで、乾燥ゾーン11に送られて乾燥させ、引き続いて
硬化ゾーン12において、必要に応じて高圧水銀ランプ
等により硬化させて保護層を形成し、巻き取り部13で
ロール状に巻き取り、可逆性記録媒体の作製が完了す
る。
【0011】また、保護層が複数層、例えば、第1の保
護層と第2の保護層よりなるものを作製する場合には、
上記図1(a)のようにして作製された記録層が形成さ
れたプラスチックフィルムのロールを、図1(c)に示
すように、送り出し部8から送り出し、それと同時に離
型性シート6は離型性シート巻き取り部9でロール状に
巻き取られて、再使用される。記録層の上には、塗布装
置10により第1の保護層形成用塗布液を塗布し、次い
で、乾燥ゾーン11に送られて乾燥させる。乾燥終了
後、必要に応じて、硬化ゾーン12において高圧水銀ラ
ンプ等により硬化させて保護層を形成し、離型性シート
送りだし部14から他の離型性シート6aを送り出し
て、乾燥後の第1保護層の表面に重ね、その状態で巻き
取り部13においてロール状に巻き取り、第1保護層お
よび記録層が形成されたプラスチックフィルムのロール
を得る。これをロールの状態のまま保温室(図示してい
ない)において加熱処理して記録層を架橋させた後、第
1の保護層の表面に第2の保護層が形成される。第2の
保護層の形成は、上記図1(b)に示した場合と同様に
して実施され、プラスチックフィルム上に記録層、第1
の保護層および第2の保護層が形成された可逆性記録媒
体が作製される。可逆性記録媒体を使用するに際して
は、ロールから送り出して所定のサイズに切断すればよ
い。
【0012】本発明において、上記記録層、保護層を形
成する際に、これら層形成用塗布液を塗布する方法とし
ては、ブレードコーター、グラビアコーター、ダイコー
ター等一般的な塗布法が採用できる。また、記録層にお
ける高分子液晶の架橋は、成膜した後に、熱、光、電子
線などを加えることによて行うことができる。
【0013】次に、本発明によって作製される可逆性記
録媒体の層構成について説明する。基材であるプラスチ
ックフィルムとしては、ポリエステル樹脂、ポリエーテ
ル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミ
ド樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が用
いられる。その厚みは10〜1000μmの範囲が適当
である。
【0014】上記基材の上に形成する記録層は、有機低
分子化合物を高分子バインダー中に分散した有機低分子
/高分子複合材料、または高分子液晶を用いて形成する
ことができる。以下、それぞれについて詳記する。有機
低分子/高分子複合材料は、アラキン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ラウリン酸、ラウリン酸
ドデシル等の脂肪酸またはそれ等のエステル類を、アク
リル酸、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン
−ブタジエン共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリア
ミド樹脂等の高分子母材に分散させた材料よりなる。こ
の材料は、加熱温度の差によって結晶化度や2成分の相
溶状態が変化して、光散乱度が可逆的に変化し、記録お
よび消去を行うことができる。本発明において、上記有
機低分子/高分子複合材料は、例えば特開平3−227
688号公報に記載されているように、高分子母材を架
橋させることが、耐久性の向上の点で好ましい。その場
合、高分子母材としては、主鎖または側鎖の一成分とし
て反応性基を含有させたものに、必要に応じて触媒或い
は多官能反応性化合物を添加したものが使用され、そし
て反応性基を利用して架橋が行われる。
【0015】反応性基としては、ビニル基、アクリル
基、メタクリル基、エポキシ基、イソシアネート基等の
重合或いは付加可能な基、水酸基、アミノ基、酸アミド
基、チオール基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン
酸基、金属アルコラート基、マグネシウムハライド(グ
リニヤール)基等が好ましいものとして例示される。こ
れ等反応性基を高分子母材に導入するには、それ等反応
性基を有するモノマーを共重合させることが好ましい。
触媒としては、各種紫外線または熱重合開始剤が使用で
き、多官能反応性化合物としては、多官能イソシアネー
ト化合物、多官能エポキシ化合物、多官能メラミン化合
物、多官能アルデヒド化合物、多官能アミン化合物、多
官能カルボキシル化合物等が使用できる。
【0016】また、高分子液晶としては、主鎖または側
鎖にメソゲン分子団が結合された主鎖型および側鎖型分
子液晶等が使用できる。側鎖型高分子液晶としては、下
記構造例1〜3に表されるものが例示される。
【化1】 (式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、nは1〜
30の整数を意味し、Aは下記(a)〜(k)から選択
されるメソゲン基を表す。)
【0017】
【化2】 (式中、XおよびYは、それぞれ単結合、−N=N−、
−N(→O)=N−、−CH=N−、−N=CH−、−
COO−、−O−CO−、エチニレン基から選択される
基を表し、R1 はアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ
基、カルボキシル基、アルキル基から選択される基を表
し、pは1〜5の中から選択される整数を示し、pが2
以上の場合、それぞれのR1 は異なるものであってもよ
い。)〕
【0018】また、メソゲンモノマーと非メソゲンモノ
マーとを共重合または付加反応させることによって合成
された、高分子側鎖に非メソゲン成分を含む相分離型高
分子液晶(例えば、特開平4−218024号公報およ
び特開平6−18866号公報参照)を使用することも
できる。そのような高分子液晶は、記録像のコントラス
トが大幅に向上し、かつ、感熱特性を最適化することが
可能であるので好ましい。メソゲンモノマーおよび付加
反応可能なメソゲン化合物としては、ビフェニル系、フ
ェニルベンゾエート系、シクロヘキシルベンゼン系、ア
ゾキシベンゼン系、アゾベンゼン系、アゾメチン系、フ
ェニルピリミジン系、ジフェニルアセチレン系、ビフェ
ニルベンゾエート系、シクロヘキシルビフェニル系、タ
ーフェニル系等の剛直な分子(メソゲン)に、好ましく
は所定の長さのアルキルスペーサーを介して、アクリル
酸エステル基、メタクリル酸エステル基またはビニル基
が結合した種々の化合物等が代表的なものとしてあげら
れる。
【0019】これらの化合物の代表的な構造例を下記に
示す。これらは代表的な構造例であって本発明はこれに
限定されるものではない。 CH2 =C(Ra )−COO−(CH2 −O−A CH2 =C(Ra )−COO−A CH2 =CH−(CH2 −O−A (式中、Ra は水素原子またはメチル基を表し、lは1
〜30の中から選ばれる整数を表し、Aは前記構造例1
〜3のメソゲン基と同様の基を表す。)
【0020】一方、非メソゲンモノマーとしては、例え
ば、アクリル酸アルキルおよびその誘導体、スチレンお
よびその誘導体、酢酸ビニル、アクリロニトリル、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、ビニルピロリドン、1−ヘキ
セン、1−オクテン等、および架橋可能な反応性基を持
つ化合物である(メタ)アクリル酸、ω−カルボキシ−
ポリカプロラクトン−モノ(メタ)アクリレート、スル
ホン酸ビニル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−
(メタ)アクリロキシエチルアシッドフォスフェート、
2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アク
リレート、2−(メタ)アクリロキシエチルサクシネー
ト、フタル酸モノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)
アクリロキシエチル(2−ヒドロキシエチル)フタレー
ト、4−(メタ)アクリロキシアルキルオキシ安息香
酸、グリセリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ基置
換スチレン、メタ(アクリル)アミド、N,N−ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メ
タ)アクリレート、2−プロペン−1−オール、5−ヘ
キセン−1−オール等をあげることができる。ここで例
示したものは一例であって、特に限定するものではな
い。各化合物は、それぞれを複数種類用いても構わな
い。上記した化合物の高分子液晶中への共重合または共
付加量は、単量体単位として0.1〜70モル%の範囲
が好ましい。
【0021】本発明の高分子液晶は上記したメソゲンモ
ノマーは、種々の反応性モノマーや化合物を所定量配合
し、ラジカル重合やイオン重合あるいは反応性ポリマー
に付加させることにより、単独重合(付加)あるいは共
重合(付加)して合成することができる。高分子液晶の
分子量は、重量平均分子量で1万〜100万の範囲、特
に好ましくは2万〜50万の範囲である。
【0022】本発明において上記高分子液晶は、架橋さ
れるものが好ましく用いられる。特に、マルチドメイン
構造を形成するものが好ましい。高分子液晶を光学異方
性を持つ特定の大きさのドメインの集合体からなるマル
チドメイン構造として架橋することにより、高速かつ安
定な記録および消去が実現できる。なお、マルチドメイ
ン構造とは、光学異方性(複屈折率)を持つ複数の微小
なドメインの集合体からなる構造を意味し、光を強く散
乱する。特に、マルチドメイン構造におけるドメインの
大きさがドメインの分布数の極大において、その直径が
0.2〜2.0μmの範囲にある場合に、最も強く光を
強く散乱するので好ましい。架橋の目的に使用される高
分子液晶としては主鎖または側鎖の1成分として反応性
基を含有するものが好ましく使用され、この反応性基を
利用して所望によって触媒や多官能反応性化合物を添加
して架橋を行うことが可能になる。反応性基としては、
有機低分子/高分子複合材料に関して記載したものと同
様なものが使用され、その具体例としては、上記非メソ
ゲンモノマーに例示したものと同様のものが使用でき
る。触媒及び多官能反応性化合物の添加量は、高分子液
晶組成物に対して0.1〜50重量%の範囲が好まし
く、さらに好ましくは0.5〜20重量%の範囲に設定
される。
【0023】記録層には特性向上を目的として上記以外
の成分を含有させてもよい。例えば、耐候性の向上を目
的として、ヒンダードアミンやヒンダードフェノール等
の各種酸化防止剤が、また、表示コントラスト向上の目
的で、アントラキノン系、スチリル系、アゾメチン系や
アゾ系等の各種二色性色素が、また、光散乱性の向上を
目的として各種蛍光色素を添加することができる。レー
ザー光による熱書き込みを効率的に行うためにレーザー
光吸収色素、例えば、780〜830nmの一般的な半
導体レーザーを用いる場合には、フタロシアニン、スク
アリリウムやアズレニウム等の近赤外吸収色素を含有さ
せることが好ましい。以上に列挙した種々成分の添加量
は、組成物中に0.01〜5重量%の範囲が好ましい。
さらに、高分子液晶には、低分子液晶化合物を1〜20
重量%の範囲内で添加してもよい。
【0024】記録層上に設ける保護層は、記録層の反復
使用に伴う表面の劣化を防止する作用を有するものであ
って、耐熱性、耐摩耗性、耐圧性、表面摩擦性および表
面潤滑性等の諸特性を備えたものを使用するのが好まし
く、具体的には、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、熱
硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂等が
使用可能である。保護層には記録時のサーマルヘッドと
の接触性を改善するために、シリカや炭酸カルシウム等
の粉体を分散させてもよい。本発明において、保護層は
複数層積層されていてもよく、また、保護層の厚みは好
ましくは0.1〜20μmの範囲から選択される。
【0025】本発明において、光散乱型のデバイスの場
合に光散乱度を向上させるために好ましくは、光反射層
を設けてもよい。光反射層はシート状基材と高分子液晶
層との間、あるいはシート状基材の裏面に好ましく形成
される。その材料としてはアルミニウム、銀、錫、マグ
ネシウム、金、白金等の金属膜が好ましく使用され、蒸
着やスパッタリング法等により形成される。その好まし
い厚みは1nm〜100μmの範囲である。
【0026】可逆性記録媒体の製造に際して使用される
離型性シートは、物品同士の密着を防止するためのシー
トであり、離型紙、離型フィルム等を意味する。具体的
には、シリコーン化合物系、フッ素化合物系、ポリオレ
フィン系等の表面自由エネルギーが低い種々の材料を塗
布したり離型紙、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレ
ンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、テフロンフ
ィルム等の離型性プラスチックフィルムがあげられる。
記録層を加熱により架橋する場合には、加熱温度に耐え
得ることが要求される。
【0027】次に、記録層への熱を利用した記録および
消去の原理について説明するが、電界や磁界によっても
記録および消去が可能である。初期状態にマルチドメイ
ン構造をもった高分子からなる記録層は光散乱し、白濁
しているが、これにサーマルヘッドやレーザー光線など
を用いて像様加熱して高分子液晶を等方性の透明状態と
し、急冷すると加熱部分は等方性のままガラス状態が固
定化され、透明になる。消去する場合には、加熱後、記
録時に比べて徐冷することにより最初の光散乱状態に戻
すことができる。すなわち可逆的に幾度も記録と消去を
繰り返して行うことができる。加熱手段としては、サー
マルヘッドを用いる場合、これに印加されるパルス幅や
エネルギーを制御することにより、所望の条件が達成で
きる。そのほかにも、初期状態を透明状態として白濁し
た記録を行うことも可能である。
【0028】
【実施例】
実施例1 長さ300mのポリエチレンテレフタレートフィルム
(幅50cm、厚み100μm)を用意した。一方、メ
ソゲンモノマーとして、4−アクリロキシヘキシルオキ
シ−4′−シアノ−ビフェニルと、反応性モノマーとし
て、2−ヒドロキシエチルメタクリレートとを、アゾビ
スイソブチロニトリルを開始剤とし、2−ブタノンを溶
剤として使用し、重合を行った。得られた生成物をメタ
ノールで沈殿精製し、下記構造式(I)で示される高分
子液晶を合成した。この高分子液晶の重量平均分子量
(GPCによるポリスチレン換算)は8万、Tg(ガラ
ス転移点)は約40℃、Ti(液晶相−等方相転移点)
は115℃であった。
【化3】 上記高分子液晶100部(重量部、以下同じ)に、架橋
剤として4,4′−ジフェニルメタジイソシアネート4
部、溶剤として2−ブタノン150部およびトルエン1
50部を加えて、記録層形成用塗布液を調製した。この
塗布液を、塗工機としてグラビアロールコーターを用い
て、上記ポリエチレンテレフタレートフィルムに連続的
に塗布し、乾燥ゾーンで90℃で2分間乾燥させて膜厚
5.5μmの記録層を形成した。形成された記録層の表
面に、離型性シート(メチルペンテンコポリマーフィル
ム、膜厚み50μm)を重ねながらロール状に巻き取っ
た。乾燥後の記録層は、光を散乱し、白濁していた。記
録層が形成されたフィルムロールを、保温室に入れ、6
0℃で24時間保持して熱処理を行い、高分子液晶を架
橋させた。
【0029】次いで巻き取られたフィルムロールから記
録層形成フィルムを離型性シートと共に送り出して、記
録層が形成されたフィルムのみを塗工工程に送り、離型
性シートは再使用可能なようにロール状に巻き取った。
塗工工程において、記録層の上に、平均粒子径1μmの
シリカ粒子を1重量%分散した紫外線硬化性樹脂(アロ
ニックス、東亜合成社製)をグラビアロールコーターを
用いて塗布し、高圧水銀ランプを用いて硬化して、膜厚
2μmの保護層を形成し、ロール状に巻き取った。この
ロール状物から、A4サイズのシートを切り出して可逆
性記録媒体を作製した。得られた可逆性記録媒体にサー
マルプリンター(8ドット/mm、0.3mJ/ドッ
ト)を用いて記録を行ったところ、印字部は透明になっ
た。可逆性記録媒体全体を130℃に加熱して、空気中
で冷却したところ、全面が再び白濁状態となり、再生さ
れた。この記録・再生操作をを繰り返し100回以上行
うことができた。
【0030】比較例1 実施例1において、記録層表面に離型性シートを重ねず
に巻き取り、ロール状に巻き取った。60℃で24時間
の熱処理による架橋を施した後、保護層を塗布するため
に記録層が形成されたフィルムを送り出したところ、記
録層がフィルム裏面に転移しており、保護層を塗布する
ことができなかった。
【0031】実施例2 実施例1と同様に塗布、乾燥を行って膜厚5.5μmの
記録層を形成し、形成された記録層の表面にシリコーン
系離型剤が塗布された離型紙の離型面を重ねながらロー
ル状に巻き取った。次いで、ロール状物から、離型紙と
共に記録層が形成されたフィルムを送り出し、離型紙を
ロール状に巻き取って離型紙のみのロールとし、一方、
記録層の上に紫外線硬化性樹脂(DPCA−60、日本
化薬社製)をグラビアロールコーターにより塗布し、高
圧水銀ランプを用いて硬化して膜厚2μmの第1保護層
を形成した。形成した第1保護層の表面にシリコーン系
離型剤を塗布した離型紙の離型面を重ねながらロール状
に巻き取った。このロールを保温室に入れ、60℃で2
4時間熱処理を行い、高分子液晶を架橋させた。次いで
ロールから、離型紙と共に第1保護層および記録層が形
成されたフィルムを送り出し、離型紙をロール状に巻き
取って離型紙のみのロールとし、一方、第1保護層の上
に紫外線硬化性樹脂(アロニックス、東亜合成社製)を
グラビアロールを用いて連続的に塗布し、高圧水銀ラン
プを用いて硬化することによって、膜厚約1μmの第2
保護層を形成した。その後、ロール状に巻き取った。こ
のロールから、A4サイズのシートを切り出して可逆性
記録媒体を作製した。得られた可逆性記録媒体は、実施
例1の場合と同様に情報の記録を行うことができ、繰り
返し500回以上使用することができた。
【0032】比較例2 実施例2と同様にして第1保護層まで形成したが、第1
保護層表面に離型紙を重ねずにロール状に巻き取った。
60℃で24時間の熱処理による架橋を施した後、第2
保護層を塗布するために第1保護層および記録層が形成
されたフィルムを送り出したところ、第1記録層単独或
いは記録層と第1保護層の両層がフィルム裏面に転移し
ており、第2保護層を塗布することができなかった。
【0033】
【発明の効果】本発明による可逆性記録媒体の製造方法
においては、記録層単独の場合は記録層の乾燥および/
または硬化過程の終了時点で記録層の表面に、また、記
録層と少なくとも1層よりなる保護層とからなる場合
は、最上の保護層を除く層の乾燥および/または硬化過
程の終了時点で保護層の表面に離型性シートを重ねるの
で、記録層等が形成されたフィルムを巻き取りロール状
にした場合でも、記録層等の層がプラスチックフィルム
の裏面に密着したり裏面側に転移することがない。した
がって、長尺のプラスチックフィルムを用いてロール状
に巻き取ることによっても何等問題なく可逆性記録媒体
を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施するための塗布工程を説明する
模式図である。
【図2】 可逆性記録媒体の模式的断面図である。
【符号の説明】
1…プラスチックフィルム送りだし部、2…プラスチッ
クフィルム、2a…記録層が形成されたプラスチックフ
ィルム、3…塗布装置、4…乾燥ゾーン、5…離型性シ
ート送りだし部、6,6a…離型性シート、7…巻き取
り部、8…送り出し部、9…離型性シート巻き取り部、
10…塗布装置、11…乾燥ゾーン、12…硬化ゾー
ン、13…巻き取り部、14…離型性シート送りだし
部、21…基材、22…記録層、23…保護層、24…
光反射層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 7/26 G06K 19/00 C (72)発明者 植松 高志 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 矢敷 雄一 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルム上に、外部刺激に
    よって可逆的に光散乱度が変化する記録層と、少なくと
    も1層よりなる保護層を設けることよりなる可逆性記録
    媒体の製造方法において、層形成用塗布液の塗布後、乾
    燥および/または硬化過程の終了時点で、塗布層の表面
    に離型性シートを重ね、次の層形成用塗布液を塗布する
    まで離型性シートが重ねられた状態を維持することを特
    徴とする可逆性記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 離型性シートが重ねられた状態で高分子
    液晶よりなる記録層を架橋処理することを特徴とする請
    求項1記載の可逆性記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 プラスチックフィルム上に、外部刺激に
    よって可逆的に光散乱度が変化する記録層を設けること
    よりなる可逆性記録媒体の製造方法において、高分子液
    晶を含有する記録層形成用塗布液の塗布後、乾燥過程の
    終了時点で形成された記録層の表面に離型性シートを重
    ね、その状態を維持して該記録層の高分子液晶を架橋す
    ることを特徴とする可逆性記録媒体の製造方法。
JP7186566A 1995-06-30 1995-06-30 可逆性記録媒体の製造方法 Pending JPH0915566A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002178675A (ja) * 2000-12-12 2002-06-26 Tokyo Magnetic Printing Co Ltd 隠蔽シールおよびスクラッチ媒体

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