JPH0915567A - 可逆性記録媒体 - Google Patents

可逆性記録媒体

Info

Publication number
JPH0915567A
JPH0915567A JP7186567A JP18656795A JPH0915567A JP H0915567 A JPH0915567 A JP H0915567A JP 7186567 A JP7186567 A JP 7186567A JP 18656795 A JP18656795 A JP 18656795A JP H0915567 A JPH0915567 A JP H0915567A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
recording medium
recording
protective layer
recording layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7186567A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuichi Yashiki
雄一 矢敷
Masanobu Ninomiya
正伸 二宮
Junichi Tomonaga
淳一 朝長
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP7186567A priority Critical patent/JPH0915567A/ja
Publication of JPH0915567A publication Critical patent/JPH0915567A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 可逆性記録媒体を製造する際に、記録層の上
に保護層形成用塗布液を塗布しても、記録層が保護層形
成用塗布液の溶剤に溶解しないような可逆性記録媒体を
提供する。 【構成】 可逆性記録媒体は、プラスチックフィルム1
上に外部刺激によって可逆的に光散乱度が変化する記録
層2を設け、表面に保護層4を有するものであって、該
記録層と保護層の間に水性ディスージョン系樹脂材料の
被膜よりなる中間層3を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱、電界、磁界および
光等の外部刺激によって可逆的に光散乱度が変化し、画
像を繰り返し記録、消去可能できる情報記録媒体に関
し、特に生産適性が向上した可逆性記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】外部刺激によって可逆的に画像の記録と
消去を行うことができる材料や方式については、これま
で各種の技術が提案されている。中でも、特開昭59−
10930号公報、特開昭62−14114号公報、特
開昭63−223066号公報、特開平2−2513号
公報等に記載されている光散乱度が可逆的に変化する有
機低分子/高分子複合材料や高分子液晶は、優れた耐久
性を持つことから有望な材料である。これらの材料は、
プラスチックフィルム等の基材上に記録層として形成し
て可逆性記録媒体が作製される。
【0003】図2は、いずれも可逆性記録媒体の断面図
であって、図2(a)は記録層2と基材10からなる構
成のものであり、図2(b)は記録層の上に保護層4が
形成されたものであり、図2(c)は記録層と基材の間
に光反射層5が形成されたものである。これら可逆性記
録媒体において、基材10としては、ポリエステル、ポ
リエーテル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、
ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等の樹脂フィルムや
金属箔、紙、コーティング紙等が用いられている。ま
た、光反射層5は記録層の光散乱度の向上を目的とする
層であって、アルミニウム、銀、錫、マグネシウム、白
金等の金属膜が、蒸着やスパッタリング等により形成さ
れる。更に保護層は、記録層の反復使用に伴う表面の劣
化を防止するために形成されている。保護層は、耐熱性
が高く、高硬度で低摩擦性の材料が好ましく、フッ素系
樹脂、シリコーン系樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性
樹脂或いは電子線硬化性樹脂等が使用されている。更
に、記録時のサーマルヘッドとの接着性を改善するため
に、シリカや炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の粉体を
分散させる場合もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、保護層を有
する可逆性記録媒体を製造するためには、基材上にロー
ルコーター等によって記録層形成用塗布液を塗布し、そ
の上に保護層形成用塗布液を塗布し、順次巻き取ってい
く方法が採用される。保護層形成用塗布液を塗布する
際、記録層は保護層形成用塗布液の塗布溶剤に溶解して
はならないが、保護層は上記のような樹脂材料が使用さ
れているため、溶剤としてケトン、エステル、芳香族系
の溶剤を用いる場合が多く、一方、記録層は耐溶剤性が
不十分なものが多い。そのため、可逆性記録媒体の製造
に際して、基材上に形成された記録層が保護層形成用塗
布液の溶剤に溶解して記録層として十分機能するものが
得られない場合が生じると言う問題があった。本発明
は、従来の技術における上記のような問題を解決するこ
とを目的としてなされたものであって、その目的は、記
録層の耐溶剤性が不十分であっても、保護層を支障なく
形成することができ、良好な記録特性を示す可逆的記録
媒体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の可逆性記録媒体
は、プラスチックフィルム上に外部刺激によって可逆的
に光散乱度が変化する記録層を設け、表面に保護層を有
する可逆性記録媒体において、該記録層と保護層の間に
水性ディスパージョン系樹脂材料の被膜とよりなる中間
層を設けたことを特徴とする。
【0006】図1は、本発明の可逆性記録媒体の断面図
であって、図1(a)はプラスチックフィルム1の上に
記録層2、中間層3および保護層4が設けられている。
また図1(b)においては、プラスチックフィルム1と
記録層2の間にと光反射層5が形成されている。
【0007】まず、本発明の可逆性記録媒体を構成する
各層について説明する。本発明において基材であるプラ
スチックフィルムとしては、従来使用されているもので
あれば、何如なるものでも使用することができる。例え
ば、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリ
アミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネー
ト等の樹脂フィルムが使用できる。基材の膜厚は、一般
に10〜1000μmの範囲である。
【0008】プラスチックフィルムの上に設けられる記
録層は、有機低分子化合物を高分子バインダー中に分散
した有機低分子/高分子複合材料または高分子液晶を使
用して形成することができる。有機低分子/高分子複合
材料の場合、アラキン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、ベヘン酸、ラウリン酸、ラウリン酸ドデシル等の脂
肪酸またはそのエステルを、アクリル樹脂、ポリスチレ
ン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂および塩化ビニル共重合体
樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリアミド樹脂等の高分子母材に分散させた材料が使用
される。これらの材料を用いた場合、加熱温度の差によ
って結晶化度や2成分の相溶状態が変化して光散乱度が
繰り返し変わり、記録を行うことができる。
【0009】高分子母材は、特開平3−227688号
公報等に記載されているように架橋することが耐久性の
向上から好ましい。架橋される高分子母材は、主鎖また
は側鎖の1成分として、反応性基を含有させたものが使
用され、必要に応じて触媒や多官能反応性化合物が添加
される。反応性基としては、ビニル基、アクリレート
基、メタクリレート基、エポキシ基等の複素環基、イソ
シアネート基等の付加や重合可能な基、水酸基、アミノ
基、酸アミド基、チオール基、カルボキシル基、スルホ
ン酸基、リン酸基、金属アルコラート基、マグネシウム
ハライド基(グリニヤール試薬)等が好ましい。これら
の反応性基は、それを有するモノマーを共重合して高分
子母材に導入させることができる。また、所望により使
用される触媒としては、各種の紫外線重合開始剤、熱重
合開始剤等が挙げられ、また、多官能反応性化合物とし
ては、多官能イソシアネート化合物、多官能エポキシ化
合物、多官能メラミン化合物、多官能アルデヒド化合
物、多官能アミン化合物、多官能カルボキシル化合物等
が好ましい。
【0010】次に、記録層が高分子液晶を含む場合につ
いて説明する。高分子液晶には、主鎖または側鎖にメソ
ゲン基(液晶性を示す分子)を有する主鎖型または側鎖
型高分子液晶があるが、それらのいずれを用いることも
できる。これら高分子液晶の合成に使用されるメソゲン
モノマーや付加反応可能なメソゲン化合物としては、ビ
フェニル系、フェニルベンゾエート系、シクロヘキシル
ベンゼン系、アゾキシベンゼン系、アゾベンゼン系、ア
ゾメチン系、フェニルピリミジン系、ジフェニルアセチ
レン系、ビフェニルベンゾエート系、シクロヘキシルビ
フェニル系、ターフェニル系などの剛直な分子(メソゲ
ン基)に、好ましくは所定の長さのアルキルスペーサー
を介して、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル
基およびビニル基が結合した種々の化合物を代表的なも
のとして挙げることができる。
【0011】本発明においては、側鎖型高分子液晶とし
て、下記メソゲンモノマー(1)〜(3)を用いて重合
させて得られる下記構造例1〜構造例3で表わされる繰
り返し構造単位を含むものを使用することが好ましい。 CH2 =C(R)−COO−(CH2 −O−A (1) CH2 =C(R)−COO−A (2) CH2 =C(R)−(CH2 −O−A (3)
【化1】 (式中、Rは水素原子またはメチル基、nは1〜30の
整数を示し、Aは下記(a)〜(k)から選択されるメ
ソゲン基を示す。)
【0012】
【化2】 (式中、XおよびYはそれぞれ単結合、−N=N−、−
N(→O)=N−、−CH=N−、−N=CH−、−C
OO−、−O−CO−、エチニレン基から選択される基
を表わし、Rはアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ
基、カルボキシル基、アルキル基から選択される基を表
わし、pは1〜5の整数を表わし、pが2以上の場合に
は、それぞれのRは異なるものであってもよい。)
【0013】また、本発明においては、メソゲンモノマ
ーと非メソゲンモノマーとの共重合で得られる側鎖に非
メソゲン基を共重合した相分離型高分子液晶を使用する
こともできる。この高分子液晶は、特開平4−2180
24号公報および特開平6−18866号公報に開示さ
れている。これらの高分子液晶を用いると、記録像のコ
ントラストが大幅に向上し、かつ感熱特性を最適化する
ことが可能である。非メソゲンモノマーとしては、(メ
タ)アクリル酸アルキルおよびその誘導体、スチレンお
よびその誘導体、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルピロリドン、
1−ヘキセン、1−オクテン等、および架橋のための反
応性基を持つ化合物である(メタ)アクリル酸、ω−カ
ルボキシ−ポリカプロラクトン−モノ(メタ)アクリレ
ート、スルホン酸ビニル、ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2−(メタ)アクリロキシエチルアシッドフォスフ
ェート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−(メタ)アクリロキシエチルサ
クシネート、フタル酸モノ(メタ)アクリレート、2−
(メタ)アクリロキシエチル(2−ヒドロキシエチル)
フタレート、4−(メタ)アクリロキシアルキルオキシ
−ベンゾイックアシッド、グリセリル(メタ)アクリレ
ート、ヒドロキシ基置換スチレン、(メタ)アクリルア
ミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−プロペン
−1−オール、5−ヘキセン−1−オール等を挙げるこ
とができるが、これらに限定されるものではない。上記
した化合物をメソゲンモノマーと共重合または高分子液
晶に共付加させるには、単量体単位として0.1〜70
モル%の範囲が好ましい。
【0014】高分子液晶は、上記のモノマーを用い、ラ
ジカル重合、イオン重合させることによって合成するこ
とができる。また、側鎖型高分子液晶の場合は、水素化
ポリシリコーンなどの反応性ポリマーに付加反応可能な
メソゲン化合物を付加させて製造することもできる。高
分子液晶の分子量は、重量平均分子量として1万〜10
0万、好ましくは2万〜50万の範囲である。
【0015】さらに、本発明では、高分子液晶は、架橋
することが好ましく、特にマルチドメイン構造を持つ架
橋高分子液晶が好ましい。高分子液晶を光学異方性をも
つ特定の大きさのドメインの集合体からなるマルチドメ
イン構造として架橋させることにより、高速かつ安定な
記録および消去を実現させるものを得ることができる。
マルチドメイン構造とは、光学異方性(複屈折率)をも
つ複数の微小なドメインの集合体からなる構造を呼び、
光を強く散乱する。特に、マルチドメイン構造における
ドメインの大きさがドメインの分布数の極大において、
その直径で0.2〜2.0μmの範囲にある場合、最も
強く光を散乱するので好ましい。上記のような高分子液
晶の架橋は、高分子液晶を記録層として成膜した後、
熱、光、電子線などの外部刺激によって架橋する方法に
よって行うことができる。本発明において、架橋される
高分子液晶としては、主鎖または側鎖の1成分として反
応性基を含有するものが使用される。反応性基として
は、前記した有機低分子/高分子複合材料について述べ
たものと同様なものを使用することができる。
【0016】本発明の可逆性記録媒体において、記録層
の厚みは特に限定されないが、目的とするコントラスト
によって種々変化する。好ましくは0.1〜50μmの
範囲、特に好ましくは1〜20μmの範囲から選択され
る。また、記録層である高分子液晶層には特性の向上を
目的として種々の成分を加えることができる。例えば、
耐候性の向上を目的として、ヒンダードアミンやヒンダ
ードフェノール等の各種酸化防止剤を添加してもよく、
また、記録のコントラストを向上させる目的で、アント
ラキノン系、スチリル系、アゾメチン系やアゾ系等の各
種二色性色素を添加してもよい。また、光散乱性の向上
を目的として、各種蛍光色素を添加してもよい。さら
に、レーザー光、例えば780〜830nmの半導体レ
ーザーを用いて記録させる場合には、フタロシアニン、
スクアリリウムやアズレニウム等の近赤外吸収色素を添
加することが好ましい。これらの成分の添加量は、組成
物中に、0.01〜5重量%の範囲が好ましい。その他
に、高分子液晶には低分子液晶化合物を1〜20重量%
の範囲で添加することができる。記録層を形成する際に
使用する溶媒としては、芳香族系溶剤、ハロゲン系溶
剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤が好ましく使用され
る。
【0017】記録層形成用塗布液を塗布して記録層を形
成したプラスチックフィルムを巻き取った後、記録層が
プラスチックフィルム裏面に密着するような場合には、
記録層に微量の離型剤を添加してもよい。離型剤は、一
般にシリコーン化合物系、フッ素化合物系、アクリル化
合物系等の表面自由エネルギーが低い種々の材料からな
り、オイル型、ワックス型、ペースト型、エマルジョン
型、樹脂溶液型、樹脂分散型などの中から選択して、記
録材料に混合することができる。その場合、可逆記録時
において、印字障害が起らないものを選択すればよい。
【0018】記録層の上には、水性ディスパージョン系
樹脂材料の被膜よりなる中間層が形成される。本発明に
おいて用いられる水性ディスパージョン系樹脂材料とし
ては、樹脂材料を水に分散させたもので、樹脂材料とし
ては、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル、
ポリウレタン、イソプレンゴムラテックス、ブタジエン
ゴムラテックス、クロロプレンラテックス等があげられ
る。水に分散されやすいようにするためにイオン性樹脂
を用いることもできる。上記樹脂材料の中でも、ポリウ
レタンの水性ディスパージョンは、成膜性、耐溶剤性、
被膜強度の点で好ましい。中間層を形成する場合、分散
媒が水であるので、記録層の上に上記樹脂材料の水性デ
ィスパージョンを塗布する場合には何等支障はない。塗
布後は水を乾燥するだけで被膜を形成することができ
る。中間層の膜厚は、0.1〜5μmの範囲が好まし
い。
【0019】上記中間層の上には、保護層が設けられ
る。保護層は、保護層は耐熱性が高く、高硬度で低摩擦
性の材料が好ましく、フッ素系樹脂、シリコーン系樹
脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂或いは電子線硬化
性樹脂等が使用される。更に、記録時のサーマルヘッド
との接着性を改善するために、シリカや炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム等の粉体を分散させてもよい。保護層
は、上記の材料をトルエン、キシレン等の芳香族系溶
剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤等に溶
解或いは分散させ、得られた保護層形成用塗布液を、グ
ラビアロールコーター、リバースロールコーター等によ
って塗布することにより形成される。保護層の膜厚は一
般に0.1〜5μmの範囲に設定される。保護層と上記
中間層の合計膜厚が厚くなり過ぎると、記録層への記録
がされ難くなるので、上記の範囲が好ましい。
【0020】本発明の可逆性記録媒体には、所望により
プラスチックフィルム上に光反射層を設けてもよい。光
反射層は記録層の光散乱度の向上を目的とする層であっ
て、アルミニウム、銀、錫、マグネシウム、白金等の金
属膜が、蒸着やスパッタリング等により形成される。
【0021】
【作用】本発明の可逆性記録媒体は、上記のように、記
録層と保護層との間に水性ディスパージョン系樹脂材料
の被膜よりなる中間層が設けられていることにより、保
護層を形成する場合に記録層が保護層形成用塗布液の溶
剤により溶解することがなくなる。すなわち、この中間
層の上に保護層を塗布した場合に、中間層の被膜が存在
するため、その一部が保護層形成用塗布液の溶剤に溶解
する場合であっても、ロールコーター等で塗布する際
は、塗布液の接触時間が短いので、溶出は非常に少な
く、記録層の溶解が防止され、従来の記録層が溶解する
という問題が解決される。したがって、形成される可逆
性記録媒体は、優れた記録特性を有するものとなる。
【0022】次に、本発明の可逆性記録媒体への記録お
よび消去方法について説明する。記録層が初期状態にマ
ルチドメイン構造を有する高分子液晶からなる場合を例
にあげると、高分子液晶等からなる記録層は、初期には
光学異方性マルチドメイン構造を有することから光散乱
(白濁)状態を呈している。この可逆性記録媒体に記録
する場合は、サーマルヘッドやレーザー光等を像様に部
分加熱して高分子液晶を等方性状態に変換し、その後急
冷させると加熱された部分が等方性状態のままで固定さ
れ、記録部分は透明になる(等方性ガラス)。一方、消
去する場合は、加熱後、徐冷することにより最初の光散
乱状態に戻し、記録部分を消去させることができる。以
上の操作を繰り返すことにより、可逆的に何度も記録/
消去が実現できる。加熱手段として、サーマルヘッドを
用いる場合、サーマルヘッドに印加されるパルス幅やエ
ネルギーを制御することにより、所望の記録条件が達成
できる。また、熱以外に電界や磁界を利用することによ
っても記録及び消去を行うこともできる。なお、白濁状
態は、OHPのような透過光においては、黒色の状態で
観察される。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 実施例1 基材として、長さ1000mのポリエチレンテレフタレ
ートフィルム(幅40cm、厚さ75μm)を用意し
た。一方、メソゲンモノマーとして、4−メタクリロキ
シヘキシルオキシ−4′−シアノビフェニル、および反
応性モノマーとして2−ヒドロキシエチルメタクリレー
トとを、アゾビスイソブチロニトリルを重合開始剤、2
−ブタノンを溶剤として使用して重合し、メタノールで
沈殿、精製して、下記構造式Iで示される高分子液晶を
得た。
【化3】 但し、重量平均分子量(GPCによるポリスチレン換
算)は8万、Tg(ガラス転移点)は40℃、Ti(液
晶相−等方相転移点)は115℃であった。この高分子
液晶100部(重量部、以下同じ)に、架橋剤として
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート4部、溶
剤として2−ブタノン150部、トルエン150部、お
よびシリコーン系離型剤(KS778、信越化学社製)
0.005部を加えた溶液を作製し、グラビアロールコ
ーターを用いて上記フィルム上に連続的に塗布し、80
℃で2分間乾燥させて、膜厚6μmの記録層を形成し、
巻き取った。次に、形成された記録層の上に、ポリウレ
タンディスパージョン(43032、大日本インキ化学
社製)を塗布し、再び80℃で2分間乾燥させて、膜厚
1.5μmの中間層を形成した。次いで、形成された中
間層の上に、平均粒径1μmのシリカ粒子1重量%をト
ルエン溶剤と共に分散した紫外線硬化性樹脂(アロニッ
クス、東亜合成社製)をグラビアロールコーターを用い
て塗布し、高圧水銀ランプを用いて硬化させて、膜厚1
μmの保護層を形成し、巻き取った。得られたロールを
保温室に入れて、60℃で24時間熱処理を行い、記録
層の高分子液晶を架橋させた。形成された記録層は光を
散乱し、白濁していた。これからA4サイズのシートを
切り出して可逆性記録媒体を作製した。この記録媒体に
ついて、サーマルプリンター(8ドット/mm、0.3
mJ/ドット)を用いて記録を行なったところ、印字部
は透明になった。可逆性記録媒体全体を130℃に加熱
して空気中で冷却したところ、全面が再び白濁状態とな
り、再生された。この操作は繰り返し200回以上行う
ことができた。
【0024】比較例1 実施例1において、中間層を形成せずに保護層形成用塗
布液を塗布したところ、記録層の高分子液晶が架橋前で
あるので、トルエン溶剤に溶解してしまい、可逆性記録
媒体を作製することができなかった。
【0025】実施例2 実施例1と同一のメソゲンモノマーを用い、また、反応
性非メソゲンモノマーとして、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート、非メソゲンモノマーとして、アクリル酸
ブチルを用い、実施例1と同様に共重合して、下記構造
式IIで示される高分子液晶を合成した。
【化4】 但し、重量平均分子量(GPCによるポリスチレン換
算)は5万、Tgは40℃、Tiは90℃であった。メ
タノールで沈澱精製した高分子液晶100部に、架橋剤
として多官能イソシアネート化合物であるヘキサメチレ
ンジイソシアネート3部、溶剤として2−ブタノン15
0部、トルエン150部、およびシリコーン系離型剤
(KF410、信越化学社製)0.005部を加えた溶
液を調製した。この溶液を厚さ100μmのアルミニウ
ム蒸着ポリエステルフィルム上に、ロールコーターで塗
布し、80℃で2分間乾燥させて、膜厚6μmの高分子
液晶よりなる記録層を形成した。次に、記録層の上にア
イオノマー型ポリエステルディスパージョン(ファイン
テックスES675、大日本インキ化学社製)を塗布
し、80℃で2分間乾燥させて、膜厚1.5μmの中間
層を形成した。中間層上に保護層を実施例1と同様にし
て形成し、巻き取った。次に、60℃のオーブン中で、
24時間架橋反応させた。形成された記録層は光を散乱
し、白濁していた。こうして得られた可逆性記録媒体
も、実施例1と同様に情報を記録し、また再生すること
ができた。
【0026】比較例2 実施例2において、中間層を形成せずに保護層形成用塗
布液を塗布したところ、記録層の高分子液晶がトルエン
溶剤に溶解してしまい、可逆性記録媒体を作製すること
ができなかった。
【0027】
【発明の効果】本発明の可逆性記録媒体は、上記のよう
に記録層と保護層の間に中間層として水性ディスパージ
ョン系樹脂材料よりなる塗膜を設けることにより、保護
層形成用塗布液の塗布時に、その溶剤によって記録層が
溶解することを防止することができる。したがって、本
発明の可逆性記録媒体は、記録特性の良好なものとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の可逆性記録媒体の模式的断面図であ
る。
【図2】 従来の可逆性記録媒体の模式的断面図であ
る。
【符号の説明】
1…プラスチックフィルム、2…記録層、3…中間層、
4…保護層、5…光反射層、10…基材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02F 1/13 505 G02F 1/13 505 G06K 19/06 8721−5D G11B 7/24 522Z G11B 7/24 522 G06K 19/00 C

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルム上に、外部刺激に
    よって可逆的に光散乱度が変化する記録層を設け、表面
    に保護層を有する可逆性記録媒体において、該記録層と
    保護層の間に水性ディスパージョン系樹脂材料の被膜よ
    りなる中間層を設けたことを特徴とする可逆性記録媒
    体。
JP7186567A 1995-06-30 1995-06-30 可逆性記録媒体 Pending JPH0915567A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7186567A JPH0915567A (ja) 1995-06-30 1995-06-30 可逆性記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7186567A JPH0915567A (ja) 1995-06-30 1995-06-30 可逆性記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0915567A true JPH0915567A (ja) 1997-01-17

Family

ID=16190795

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7186567A Pending JPH0915567A (ja) 1995-06-30 1995-06-30 可逆性記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0915567A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0713784B1 (en) Data recording medium
US5670083A (en) Optical element and process for producing the same
JP2887083B2 (ja) 熱記録型光学素子
US5691092A (en) Method for producing optical element
JPH0915567A (ja) 可逆性記録媒体
JP2887084B2 (ja) 光学素子の製造方法
JP2887082B2 (ja) 情報記録媒体およびその作製方法
JP2981641B2 (ja) 情報記録媒体
JP2887069B2 (ja) 光学素子および光学記録素子
JPH09164772A (ja) 光学素子
JPH08332779A (ja) 可逆性記録媒体
JP2765505B2 (ja) 感熱可逆性表示媒体およびその製造方法
JP2887065B2 (ja) 像形成方法および光学素子
JPH1062739A (ja) 可逆表示媒体
JP2990640B2 (ja) 可逆性表示媒体
JP2870246B2 (ja) 書替え可能な感熱記録媒体
JP2904034B2 (ja) 高分子液晶を用いる情報記録媒体
JP2887068B2 (ja) 光学素子および光学記録素子
JP2973854B2 (ja) 高分子液晶組成物の熱処理方法
JP3000875B2 (ja) 情報記録媒体
JP3360489B2 (ja) 可逆性表示記録ohpシートおよびその作製方法
JP2822889B2 (ja) 情報記録媒体およびその製造方法
JPH0915566A (ja) 可逆性記録媒体の製造方法
JP2887070B2 (ja) 光学素子の製造方法
JPH09171172A (ja) 光学素子