JP2001214195A - 洗浄用エアゾール組成物 - Google Patents

洗浄用エアゾール組成物

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JP2001214195A JP2000026788A JP2000026788A JP2001214195A JP 2001214195 A JP2001214195 A JP 2001214195A JP 2000026788 A JP2000026788 A JP 2000026788A JP 2000026788 A JP2000026788 A JP 2000026788A JP 2001214195 A JP2001214195 A JP 2001214195A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 毒性や不快な臭気がなく、しかも洗浄対象物
への付着性および浸透性にすぐれ、エアゾール製品とし
たときに残存しにくい、たとえば接着剤を介して貼付さ
れたフィルムなどの剥離に好適に使用しうる洗浄用エア
ゾール組成物を提供すること。 【解決手段】 炭素数20〜40のパラフィン、リモネ
ンおよび1価の低級アルコールを含有した原液30〜7
0重量%と、噴射剤70〜30重量%とからなる洗浄用
エアゾール組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗浄用エアゾール
組成物に関する。さらに詳しくは、毒性や不快な臭気が
なく、しかも洗浄対象物への付着性および浸透性にすぐ
れ、エアゾール製品としたときに残存しにくい、たとえ
ば接着剤を介して貼付されたフィルムなどの剥離に好適
に使用しうる洗浄用エアゾール組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、たとえばコンクリート表面や電柱
などに貼付された広告などを除去するための剥離剤とし
て、メタノール、塩化メチレン、界面活性剤、セルロー
スエーテル、ワックスおよび有機アミンからなる塗料お
よび接着剤用剥離剤が提案されている(特開昭55−3
8822号公報)。かかる塗料および接着剤用剥離剤に
は、剥離しようとする塗料の塗膜や接着剤層へメタノー
ルなどが浸透、溶解ないし膨潤する作用が保護されるよ
うに、セルロースエーテルが配合されており、該剥離剤
を剥離しようとする塗膜や接着剤層に塗布すると、かか
るセルロースエーテルによる被膜が形成され、浮きあが
りが起こるものである。
【0003】しかしながら、前記剥離剤は、前記のごと
くセルロースエーテルが配合されているため、原液の粘
性が高く、エアゾール製品とした場合に、エアゾール用
容器内に内容物が付着して残量が多くなるという欠点が
ある。しかも、該剥離剤には、メタノールおよび有機ア
ミンが配合されているため、メタノールによる毒性およ
び有機アミンによる不快な臭気があり、使用時の安全性
や使用感がわるいという欠点を有する。
【0004】また沸点が80℃以上の不燃性の溶剤を主
成分とし、融点が35〜100℃の固形物を2〜20重
量%含有するエアゾールタイプの清拭剤が提案されてい
る(特開昭61−243900号公報)。かかる清拭剤
では、たとえばテトラクロロジフルオロエタンなどの沸
点が80℃以上の不燃性の溶剤が30〜95重量%と主
成分として用いられているので、清拭剤そのものの揮発
性、塗布面への残りやすさ、塗布された表面の耐性にす
ぐれるといった利点がある。
【0005】しかしながら、前記清拭剤は、規制フロン
を溶剤の主成分としているため、環境に対して悪影響を
与えるという欠点を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、洗浄効果が高いことは
もちろんのこと、エアゾール製品とした場合に、噴射後
にエアゾール用容器内に残存しにくく、毒性や不快な臭
気がないので使用時の安全性が高く、使用感がよいう
え、さらに洗浄しようとする対象物への付着性および浸
透性にすぐれ、液だれしにくい組成物を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、炭素数20〜
40のパラフィン、リモネンおよび1価の低級アルコー
ルを含有した原液30〜70重量%と、噴射剤70〜3
0重量%とからなる洗浄用エアゾール組成物に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の洗浄用エアゾール組成物
は、前記したように、炭素数20〜40のパラフィン、
リモネンおよび1価の低級アルコールを含有した原液3
0〜70重量%と、噴射剤70〜30重量%とからなる
ものである。
【0009】本発明に用いられる炭素数20〜40のパ
ラフィンは、後述する噴射剤の気化熱により、洗浄物の
表面に氷状の被膜(シャーベット)を形成する成分であ
り、リモネンおよびアルコールを洗浄物と長く接触さ
せ、洗浄効果を向上させる成分である。
【0010】前記炭素数20〜40のパラフィンとして
は、たとえばエイコサン、ヘンエイコサン、ドコサン、
トリコサン、テトラコサン、ペンタコサン、ヘキサコサ
ン、ヘプタコサン、オクタコサン、ノナコサン、トリア
コンタン、ヘントリアコンタン、ドトリアコンタン、ト
リトリアコンタン、ペンタトリアコンタン、ヘキサコン
タンなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を
混合して用いることができる。これらのなかでは、それ
ほど加熱することなしに容易に溶解され、原液の調製が
簡便であるという点から、融点が90℃以下、好ましく
は80℃以下、さらに好ましくは70℃以下のパラフィ
ンが望ましく、また洗浄物表面で被膜が形成されやすい
という点から、融点が40℃以上のパラフィンが望まし
く、とくにトリコサン、テトラコサンといった炭素数2
0〜35のパラフィンが好ましい。
【0011】原液中の炭素数20〜40のパラフィンの
量は、洗浄物の表面で液だれしない程度に被膜が形成さ
れるようにするためには、2重量%以上、好ましくは3
重量%以上であることが望ましく、また溶媒への溶解性
が低下せず、ドライな被膜とならないように、さらには
噴射後、バルブやボタン噴孔に残留した組成物による目
詰まりを防止するためには、20重量%以下、好ましく
は18重量%以下であることが望ましい。なお、該パラ
フィンの量と炭素数(融点)とにより、被膜(シャーベ
ット)の固さや溶解速度を調整することができる。
【0012】本発明に用いられるリモネンは洗浄成分で
あるだけでなく、パラフィンの可溶化剤、さらには被膜
(シャーベット)を、湿潤性や拭き取りやすさといった
点から適切な状態にするための成分である。
【0013】原液中のリモネンの量は、パラフィンを融
点以下で溶解させ、原液の調製を簡易にするだけでな
く、被膜をウェットな状態にし、洗浄対象物に浸透しや
すくして対象物に対する洗浄効果が充分に発現されるよ
うにするためには、15重量%以上、好ましくは18重
量%以上であることが望ましく、また適度な時間被膜を
維持させ、液だれを防止することを考慮すると、55重
量%以下、好ましくは53重量%以下であることが望ま
しい。
【0014】本発明に用いられる1価の低級アルコール
は溶媒であるだけでなく、洗浄補助成分でもある。
【0015】前記1価の低級アルコールとしては、たと
えばエタノール、変性エタノール、n−プロパノール、
i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、
n−ペンタノール、i−ペンタノールなどの炭素数2〜
5の1価のアルコールなどがあげられ、これらは単独で
または2種以上を混合して用いることができる。これら
のなかでは、入手しやすく、溶解能力にすぐれていると
いう点から、エタノールおよびi−プロパノールが好ま
しい。
【0016】原液中の1価の低級アルコールの量は、リ
モネンとともに配合し、炭素数20〜40のパラフィン
がエアゾール組成物中で均一系となるようにするために
は、35重量%以上、好ましくは38重量%以上である
ことが望ましく、またリモネンを必要量添加するために
は、75重量%以下、好ましくは73重量%以下である
ことが望ましい。
【0017】なお、前記リモネンと1価の低級アルコー
ルとの混合比率を変更することにより、パラフィンの溶
媒への溶解性が変化することから、エアゾール組成物を
噴射したのちのパラフィンの被膜の状態を調整すること
ができる。該被膜の好ましい状態は、ややウェット感が
あり、リモネンが洗浄しようとする対象物に充分に浸透
できる程度に被膜の状態を維持し、最終的にはリモネン
により被膜が溶解され、洗浄面にパラフィンが残存しな
いものである。1価の低級アルコールに対してリモネン
の量が多ぎると、被膜のウェット感が増大し、対象物へ
の浸透性が向上するものの、被膜の溶解が速くなるた
め、噴射物の液だれが速くなる。一方、1価の低級アル
コールに対してリモネンの量が少なすぎると、被膜がド
ライなものとなり、対象物への浸透性がわるく、さらに
被膜がいつまでも残存しやすくなり、拭き取り性も低下
してしまう。これらのことを考慮すると、リモネンと1
価の低級アルコールとの割合(リモネン/1価の低級ア
ルコール(重量比))は15/85以上、好ましくは2
0/80以上であることが望ましく、また65/35以
下、好ましくは60/40以下であることが望ましい。
【0018】本発明に用いられる原液は、炭素数20〜
40のパラフィン、リモネンおよび1価の低級アルコー
ルを含有したものであり、これらで原液全量が100重
量%となるようにすればよいが、かかる原液には、本発
明の目的を阻害しないかぎり、必要に応じて、たとえば
水、多価アルコール、高級アルコール、高級脂肪酸、脂
肪酸エステル、シリコーン、界面活性剤、動植物油、炭
化水素油、粉末などのその他の成分を適宜含有させるこ
とができる。
【0019】前記水の種類にはとくに限定がなく、通常
エアゾール組成物に用いられている精製水やイオン交換
水などを好適に用いることができる。
【0020】前記多価アルコールとしては、たとえばエ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、
1,3−ブチレングリコールなどがあげられ、これらは
単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0021】前記高級アルコールは被膜形成補助剤とし
て用いることができ、たとえばラウリルアルコール、セ
チルアルコール、ステアリルアルコール、ミリスチルア
ルコールなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以
上を混合して用いることができる。
【0022】前記高級脂肪酸も被膜形成補助剤として用
いることができ、たとえばラウリン酸、ミリスチン酸、
パルミチン酸、ステアリン酸などがあげられ、これらは
単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0023】前記脂肪酸エステルとしては、たとえばミ
リスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、
オクタン酸セチルなどがあげられ、これらは単独でまた
は2種以上を混合して用いることができる。
【0024】前記シリコーンとしては、たとえばジメチ
ルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなど
の鎖状ポリシロキサン;デカメチルポリシロキサンなど
の環状ポリシロキサンなどがあげられ、これらは単独で
または2種以上を混合して用いることができる。
【0025】前記界面活性剤は洗浄補助成分として用い
ることができ、たとえばカルボン酸塩、スルホン酸塩、
硫酸エステル塩などのアニオン界面活性剤;脂肪族アミ
ン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム
塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリ
ニウム塩などのカチオン界面活性剤;ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレンアルキルエーテル、単一鎖長ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキ
シエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンブロックポリマー、グリセリン脂肪酸エ
ステル、デカグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
ヒマシ油誘導体および硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソル
ビトール脂肪酸エステル、シリコーンポリエーテルコポ
リマーなどのノニオン界面活性剤などがあげられ、これ
らは単独でまたは2種以上を混合して用いることができ
る。
【0026】前記動植物油としては、たとえばラノリ
ン、ラノリン誘導体、タートル油、ミンク油、ミツロ
ウ、プリスタン、卵黄油などの動物油;オリーブ油、ア
ーモンド油、ホホバ油、落花生油、ヒマシ油、ヤシ油、
パーム油、サフラワー油、ヒマワリ油、綿実油、アボカ
ド油、ツバキ油、トウモロコシ油、小麦胚芽油、コメヌ
カ油、カカオ油、ゴマ油、月見草油、紅花油、サザンカ
油、大豆油、ナタネ油などの植物油があげられる。
【0027】前記炭化水素油としては、たとえば流動パ
ラフィン、ケロシン、スクワレン、プリスタン、スクワ
ラン、ワセリンなどがあげられ、これらは単独でまたは
2種以上を混合して用いることができる。
【0028】前記粉末としては、たとえば酸化亜鉛、酸
化チタン、ナイロンパウダー、シリコーンパウダー、炭
酸カルシウム、シリカ、タルクなどがあげられる。
【0029】原液中の前記その他の各成分の含有量には
とくに限定がなく、それぞれの目的などに応じ、その効
果が充分に発現され、原液全量が100重量%となるよ
うに適宜調整すればよい。
【0030】本発明に用いられる噴射剤にはとくに限定
がなく、たとえばジメチルエーテル、液化石油ガス、
1,1,1,2−テトラフルオロエタン(フロン134
a)、1,1−ジフルオロエタン(フロン152a)な
どの規制対象外のフロン類、N2、CO2、N2O、空気
などの圧縮ガスなどが例示され、これらは単独でまたは
2種以上を混合して用いることができる。これらのなか
では、噴射時の気化熱により原液を冷却し、氷結した被
膜を形成させるという点から、液化石油ガス、ジメチル
エーテル、フロン類などの液化ガスが好ましい。
【0031】本発明の洗浄用エアゾール組成物における
前記原液および噴射剤の量は、洗浄効果が充分に発現さ
れるようにし、またエアゾール粒子が微細になり、吸引
しないなどの製品の安全性を考慮するほか、噴射剤が多
すぎて噴射の勢いが強くなり、また過冷却によって被膜
が硬くなり、噴射面で飛散して付着性がわるくならない
ようにするには、原液が30重量%以上、好ましくは3
5重量%以上、すなわち噴射剤が70重量%以下、好ま
しくは65重量%以下となるようにし、また炭素数20
〜40のパラフィンを氷結させるための充分な冷却能力
を付与するためには、原液が70重量%以下、好ましく
は65重量%以下、すなわち噴射剤が30重量%以上、
好ましくは35重量%以上となるようにする。
【0032】本発明の洗浄用エアゾール組成物は、前記
原液と噴射剤とを、たとえば前記割合で混合することに
よって調製することができる。なお原液を調製する際に
は、リモネンおよび1価の低級アルコールをあらかじめ
加温しておき、これにパラフィンを溶解させる方法が、
調製のしやすさの点から好ましい。
【0033】前記洗浄用エアゾール組成物を通常の方法
でエアゾール用容器内に充填し、たとえばエアゾール用
バルブ、ボタンを取り付けることにより、エアゾール製
品を製造することができる。
【0034】前記エアゾール用容器にはとくに限定がな
く、一般に用いられているエアゾール用耐圧容器を適用
することができる。
【0035】なお、エアゾール用容器に充填される組成
物の量は、所望の噴射形態が容易に付与されるようにす
るためには、25℃でのエアゾール製品の内圧が1kg
/cm2(0.098MPa)以上、好ましくは2kg
/cm2(0.20MPa)以上となるように調整する
ことが望ましく、また製品の安全性を考慮すると、25
℃でのエアゾール製品の内圧が10kg/cm2(0.
98MPa)以下、好ましくは9kg/cm2(0.8
8MPa)以下となるように調整することが望ましく、
とくに噴射剤に液化ガスを用いた場合は、35℃でのエ
アゾール製品の内圧が8kg/cm2(0.78MP
a)以下、圧縮ガスを用いた場合は、35℃でのエアゾ
ール製品の内圧が10kg/cm2(0.98MPa)
以下となるように調整することが好ましい。
【0036】かくしてえられるエアゾール製品から噴射
される組成物の噴射形態は、洗浄物へ均一に噴射するこ
とができ、かつ付着性がよく、液だれしにくいという点
から、霧状で噴射し、洗浄物面にて被膜を形成するもの
が好ましい。
【0037】このように、本発明の洗浄用エアゾール組
成物は、洗浄しようとする対象物への付着性および浸透
性にすぐれ、液だれしにくいものであり、かかる対象物
上で、噴射剤の気化によって組成物中のパラフィンが被
膜を形成し、これにより除去成分とリモネンおよびアル
コールを長期間にわたって接触させることができ、対象
物にリモネンが効果的に浸透し、その結果、除去成分が
リモネンに溶解して、たとえば接着剤を介して基材に貼
付されたフィルムなどを容易かつ美麗に剥離することが
できるものである。しかも該洗浄用エアゾール組成物
は、毒性や不快な臭気がなく、エアゾール製品としたと
きに容器内に残存しにくいものである。
【0038】なお、本発明の洗浄用エアゾール組成物
は、たとえばアルコール類、塩化炭化水素、エステル、
ケトン、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素などからなる
基材に、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂などの熱可塑性
樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂などの熱硬化
性樹脂などの接着剤を介して貼付されたフィルムなどを
除去する際に、とくに接着剤、基材、フィルムなどの種
類にかかわらず好適に使用することができる。
【0039】
【実施例】つぎに、本発明の洗浄用エアゾール組成物を
実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はか
かる実施例のみに限定されるものではない。
【0040】実施例1〜3および比較例1〜2 表1に示す組成からなる原液と、噴射剤としてジメチル
エーテル(後述する表2中、DMEという)または液化
石油ガス(表2中、LPGという)とを、50:50
(重量比)の割合で混合して洗浄用エアゾール組成物を
得た。なおこれら実施例1〜3および比較例1〜2にて
用いたパラフィンは、混合パラフィン(炭素数20〜3
0のパラフィンの混合物、融点48〜50℃)である。
また原液の調製は、溶媒を40℃に加温して行なった。
得られた組成物40gをエアゾール用耐圧ガラス製容器
(満注量:100ml)に充填し、エアゾール用バルブ
およびボタンを取り付けてエアゾール製品を作製した。
25℃でのエアゾール製品の内圧は0.25〜0.4M
Paであった。
【0041】前記実施例1〜3および比較例1〜2のエ
アゾール製品の製造中、各温度での原液の外観(均一
性)および原液と各噴射剤との相溶性(均一性)をそれ
ぞれ目視にて観察した。これらの結果を表2に示す。
【0042】また、実施例1〜3および比較例1〜2の
エアゾール製品から組成物を噴射させ、噴射状態(被膜
の形成、浸透、液だれの状態)を目視にて観察した。こ
れらの結果を表2に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】表2に示された結果から、実施例1〜3の
ようにリモネンと1価の低級アルコールとの割合を変化
させることによって、エアゾール組成物の噴射状態を調
整することができることがわかる。さらに実施例1〜3
のエアゾール製品から噴射させたエアゾール組成物は、
被膜の形成、浸透、液だれの状態がより良好なものであ
ることがわかる。
【0046】これに対して、比較例1のようにリモネン
が用いられていなかったり、比較例2のように1価の低
級アルコールが用いられていない場合には、被膜がドラ
イになってしまうか、液だれがいちじるしく被膜が保持
されず、洗浄用エアゾール組成物として利用され得ない
ことがわかる。
【0047】実施例4〜9 表3に示す組成からなる原液と噴射剤とを表3に示す割
合で混合して洗浄用エアゾール組成物を得た。なお原液
の調製は、溶媒を40℃に加温して行なった。得られた
組成物40gをエアゾール用耐圧ガラス製容器(満注
量:100ml)に充填し、エアゾール用バルブおよび
ボタンを取り付けてエアゾール製品を作製した。25℃
でのエアゾール製品の内圧は0.25〜0.45MPa
であった。
【0048】前記実施例4〜9のエアゾール製品の製造
中、40℃での原液の外観(均一性)およびエアゾール
組成物の外観(均一性)をそれぞれ目視にて観察した。
これらの結果を表3に示す。
【0049】また、実施例4〜9のエアゾール製品から
組成物を噴射させたところ、これらの組成物の噴射形態
はいずれも霧状であり、塗布面にて被膜が形成された。
【0050】なお、表3中の各略号は以下に示すとおり
である。 Tri:トリコサン(融点47.6℃) Tet:テトラコサン(融点50.9℃) Par:混合パラフィン(炭素数20〜30のパラフィ
ンの混合物、融点48〜50℃) EtOH:エタノール iPrOH:i−プロパノール Sur−1:ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレ
ン硬化ヒマシ油(界面活性剤、商品名HCO−40、日
光ケミカルズ(株)製) Sur−2:ソルビタンセスキオレート(界面活性剤、
商品名SO−15R、日光ケミカルズ(株)製) CeOH:セチルアルコール Wat:精製水 LPG:液化石油ガス DME:ジメチルエーテル
【0051】
【表3】
【0052】比較例3〜9 表4に示す組成からなる原液と噴射剤とを表4に示す割
合で混合してエアゾール組成物を得た。なお原液の調製
は、溶媒を40℃に加温して行なった。得られた組成物
を用い、実施例4〜9と同様にしてエアゾール製品を作
製した。25℃でのエアゾール製品の内圧は0.15〜
0.5MPaであった。
【0053】前記比較例3〜9のエアゾール製品の製造
中、40℃での原液の外観(均一性)およびエアゾール
組成物の外観(均一性)をそれぞれ目視にて観察した。
これらの結果を表4に示す。
【0054】また、比較例3〜9のエアゾール製品から
組成物を噴射させたところ、これらの組成物の噴射形態
は霧状であった。
【0055】なお、表4中の各略号は以下に示すとおり
である。 Par:混合パラフィン(炭素数20〜30のパラフィ
ンの混合物、融点48〜50℃) Ste:ステアリン酸 StOH:ステアリルアルコール EtOH:エタノール iPrOH:i−プロパノール War:精製水 LPG:液化石油ガス DME:ジメチルエーテル
【0056】
【表4】
【0057】試験例 実施例4〜9および比較例3〜9のエアゾール組成物の
物性として、付着性、浸透性および洗浄効果を以下の方
法にしたがって調べた。その結果を表5に示す。
【0058】なお比較例4では、エアゾール組成物の調
製中にパラフィンが完全に溶解せず、各試験に供し得な
かった。
【0059】(イ)付着性 垂直に立てたガラス製の基材上に接着剤(酢酸ビニル−
エチレン共重合体)を塗布して乾燥させ、この部分に5
cm離れた位置からエアゾール組成物を3秒間噴射し
た。この基材を5秒間保持したときの噴射部位へのエア
ゾール組成物の付着性を以下の評価基準に基づいて評価
した。 (評価基準) A:噴射面にて好適に氷結した被膜が形成され、液だれ
していない。 B:ドライな被膜が形成され、液だれしていない。 C:氷結が弱く、半液状の被膜が形成され、全体的に液
だれしている。 D:被膜が形成されず、ほとんど液だれして噴射部位に
は残存していない。 E:被膜が硬いため、噴射部位で飛散し、付着が少な
い。
【0060】(ロ)浸透性 前記(イ)付着性の試験において、噴射部位へのエアゾ
ール組成物の浸透性を以下の評価基準に基づいて評価し
た。 A:噴射部位に良好に浸透している。 B:噴射部位にわずかに浸透している。 C:噴射部位にまったく浸透していない。
【0061】(ハ)洗浄効果 前記(イ)付着性の試験と同様にして接着剤を塗布して
乾燥させた部分にエアゾール組成物を噴射したのち、そ
のままの状態で30秒間保持した。これをティッシュペ
ーパー(商品名:エリエール、大王製紙(株)製)にて
拭き取って基材表面を手指で触り、その状態を以下の評
価基準に基づいて評価した。 (評価基準) A:拭き取りが簡易で、基材表面がべとつかず、接着剤
が残存していない。 B:問題がない程度に拭き取りが可能であるものの、基
材表面がややべとつき、接着剤が少し残存している。 C:接着剤をほとんど除去することができず、拭き取り
の際にティッシュペーパーが基材表面に付着した。
【0062】
【表5】
【0063】表5に示された結果から、実施例4〜9で
得られた本発明の洗浄用エアゾール組成物は、いずれも
噴射物の付着性および浸透性にすぐれ、液だれせず、接
着剤の除去効果が高いものであることがわかる。
【0064】
【発明の効果】本発明の洗浄用エアゾール組成物は、洗
浄効果が高いことはもちろんのこと、エアゾール製品と
した場合に、噴射後にエアゾール用容器内に残存しにく
く、メタノールが用いられていないため使用時の安全性
が高く、不快な臭気がなく使用感がよいうえ、さらに洗
浄しようとする対象物への付着性および浸透性にすぐ
れ、液だれしにくいといったすぐれた効果を奏する。
【0065】したがって、本発明の洗浄用エアゾール組
成物を用い、たとえば接着剤を介して基材に貼付された
フィルムなどを容易かつ美麗に剥離することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数20〜40のパラフィン、リモネ
    ンおよび1価の低級アルコールを含有した原液30〜7
    0重量%と、噴射剤70〜30重量%とからなる洗浄用
    エアゾール組成物。
  2. 【請求項2】 原液中の炭素数20〜40のパラフィン
    の量が2〜20重量%である請求項1記載の洗浄用エア
    ゾール組成物。
  3. 【請求項3】 炭素数20〜40のパラフィンが融点が
    40〜90℃のものである請求項1記載の洗浄用エアゾ
    ール組成物。
  4. 【請求項4】 原液中のリモネンの量が15〜55重量
    %である請求項1、2または3記載の洗浄用エアゾール
    組成物。
  5. 【請求項5】 原液中の1価の低級アルコールの量が3
    5〜75重量%である請求項1、2、3または4記載の
    洗浄用エアゾール組成物。
  6. 【請求項6】 リモネンと1価の低級アルコールとの割
    合(リモネン/1価の低級アルコール(重量比)が15
    /85〜65/35である請求項1、2、3、4または
    5記載の洗浄用エアゾール組成物。
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