JP4215924B2 - 洗浄用エアゾール組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗浄用エアゾール組成物に関する。さらに詳しくは、毒性や不快な臭気がなく、しかも洗浄対象物への付着性および浸透性にすぐれ、エアゾール製品としたときに残存しにくい、たとえば接着剤を介して貼付されたフィルムなどの剥離に好適に使用しうる洗浄用エアゾール組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、たとえばコンクリート表面や電柱などに貼付された広告などを除去するための剥離剤として、メタノール、塩化メチレン、界面活性剤、セルロースエーテル、ワックスおよび有機アミンからなる塗料および接着剤用剥離剤が提案されている(特開昭55−38822号公報)。かかる塗料および接着剤用剥離剤には、剥離しようとする塗料の塗膜や接着剤層へメタノールなどが浸透、溶解ないし膨潤する作用が保護されるように、セルロースエーテルが配合されており、該剥離剤を剥離しようとする塗膜や接着剤層に塗布すると、かかるセルロースエーテルによる被膜が形成され、浮きあがりが起こるものである。
【0003】
しかしながら、前記剥離剤は、前記のごとくセルロースエーテルが配合されているため、原液の粘性が高く、エアゾール製品とした場合に、エアゾール用容器内に内容物が付着して残量が多くなるという欠点がある。しかも、該剥離剤には、メタノールおよび有機アミンが配合されているため、メタノールによる毒性および有機アミンによる不快な臭気があり、使用時の安全性や使用感がわるいという欠点を有する。
【0004】
また沸点が80℃以上の不燃性の溶剤を主成分とし、融点が35〜100℃の固形物を2〜20重量%含有するエアゾールタイプの清拭剤が提案されている(特開昭61−243900号公報)。かかる清拭剤では、たとえばテトラクロロジフルオロエタンなどの沸点が80℃以上の不燃性の溶剤が30〜95重量%と主成分として用いられているので、清拭剤そのものの揮発性、塗布面への残りやすさ、塗布された表面の耐性にすぐれるといった利点がある。
【0005】
しかしながら、前記清拭剤は、規制フロンを溶剤の主成分としているため、環境に対して悪影響を与えるという欠点を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、洗浄効果が高いことはもちろんのこと、エアゾール製品とした場合に、噴射後にエアゾール用容器内に残存しにくく、毒性や不快な臭気がないので使用時の安全性が高く、使用感がよいうえ、さらに洗浄しようとする対象物への付着性および浸透性にすぐれ、液だれしにくい組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、炭素数20〜40のパラフィン、リモネンおよび1価の低級アルコールを含有した原液30〜70重量%と、噴射剤70〜30重量%とからなる洗浄用エアゾール組成物に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の洗浄用エアゾール組成物は、前記したように、炭素数20〜40のパラフィン、リモネンおよび1価の低級アルコールを含有した原液30〜70重量%と、噴射剤70〜30重量%とからなるものである。
【0009】
本発明に用いられる炭素数20〜40のパラフィンは、後述する噴射剤の気化熱により、洗浄物の表面に氷状の被膜(シャーベット)を形成する成分であり、リモネンおよびアルコールを洗浄物と長く接触させ、洗浄効果を向上させる成分である。
【0010】
前記炭素数20〜40のパラフィンとしては、たとえばエイコサン、ヘンエイコサン、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、ペンタコサン、ヘキサコサン、ヘプタコサン、オクタコサン、ノナコサン、トリアコンタン、ヘントリアコンタン、ドトリアコンタン、トリトリアコンタン、ペンタトリアコンタン、ヘキサコンタンなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでは、それほど加熱することなしに容易に溶解され、原液の調製が簡便であるという点から、融点が90℃以下、好ましくは80℃以下、さらに好ましくは70℃以下のパラフィンが望ましく、また洗浄物表面で被膜が形成されやすいという点から、融点が40℃以上のパラフィンが望ましく、とくにトリコサン、テトラコサンといった炭素数20〜35のパラフィンが好ましい。
【0011】
原液中の炭素数20〜40のパラフィンの量は、洗浄物の表面で液だれしない程度に被膜が形成されるようにするためには、2重量%以上、好ましくは3重量%以上であることが望ましく、また溶媒への溶解性が低下せず、ドライな被膜とならないように、さらには噴射後、バルブやボタン噴孔に残留した組成物による目詰まりを防止するためには、20重量%以下、好ましくは18重量%以下であることが望ましい。なお、該パラフィンの量と炭素数(融点)とにより、被膜(シャーベット)の固さや溶解速度を調整することができる。
【0012】
本発明に用いられるリモネンは洗浄成分であるだけでなく、パラフィンの可溶化剤、さらには被膜(シャーベット)を、湿潤性や拭き取りやすさといった点から適切な状態にするための成分である。
【0013】
原液中のリモネンの量は、パラフィンを融点以下で溶解させ、原液の調製を簡易にするだけでなく、被膜をウェットな状態にし、洗浄対象物に浸透しやすくして対象物に対する洗浄効果が充分に発現されるようにするためには、15重量%以上、好ましくは18重量%以上であることが望ましく、また適度な時間被膜を維持させ、液だれを防止することを考慮すると、55重量%以下、好ましくは53重量%以下であることが望ましい。
【0014】
本発明に用いられる1価の低級アルコールは溶媒であるだけでなく、洗浄補助成分でもある。
【0015】
前記1価の低級アルコールとしては、たとえばエタノール、変性エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノールなどの炭素数2〜5の1価のアルコールなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでは、入手しやすく、溶解能力にすぐれているという点から、エタノールおよびi−プロパノールが好ましい。
【0016】
原液中の1価の低級アルコールの量は、リモネンとともに配合し、炭素数20〜40のパラフィンがエアゾール組成物中で均一系となるようにするためには、35重量%以上、好ましくは38重量%以上であることが望ましく、またリモネンを必要量添加するためには、75重量%以下、好ましくは73重量%以下であることが望ましい。
【0017】
なお、前記リモネンと1価の低級アルコールとの混合比率を変更することにより、パラフィンの溶媒への溶解性が変化することから、エアゾール組成物を噴射したのちのパラフィンの被膜の状態を調整することができる。該被膜の好ましい状態は、ややウェット感があり、リモネンが洗浄しようとする対象物に充分に浸透できる程度に被膜の状態を維持し、最終的にはリモネンにより被膜が溶解され、洗浄面にパラフィンが残存しないものである。1価の低級アルコールに対してリモネンの量が多ぎると、被膜のウェット感が増大し、対象物への浸透性が向上するものの、被膜の溶解が速くなるため、噴射物の液だれが速くなる。一方、1価の低級アルコールに対してリモネンの量が少なすぎると、被膜がドライなものとなり、対象物への浸透性がわるく、さらに被膜がいつまでも残存しやすくなり、拭き取り性も低下してしまう。これらのことを考慮すると、リモネンと1価の低級アルコールとの割合(リモネン/1価の低級アルコール(重量比))は15/85以上、好ましくは20/80以上であることが望ましく、また65/35以下、好ましくは60/40以下であることが望ましい。
【0018】
本発明に用いられる原液は、炭素数20〜40のパラフィン、リモネンおよび1価の低級アルコールを含有したものであり、これらで原液全量が100重量%となるようにすればよいが、かかる原液には、本発明の目的を阻害しないかぎり、必要に応じて、たとえば水、多価アルコール、高級アルコール、高級脂肪酸、脂肪酸エステル、シリコーン、界面活性剤、動植物油、炭化水素油、粉末などのその他の成分を適宜含有させることができる。
【0019】
前記水の種類にはとくに限定がなく、通常エアゾール組成物に用いられている精製水やイオン交換水などを好適に用いることができる。
【0020】
前記多価アルコールとしては、たとえばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコールなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0021】
前記高級アルコールは被膜形成補助剤として用いることができ、たとえばラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ミリスチルアルコールなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0022】
前記高級脂肪酸も被膜形成補助剤として用いることができ、たとえばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0023】
前記脂肪酸エステルとしては、たとえばミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オクタン酸セチルなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0024】
前記シリコーンとしては、たとえばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどの鎖状ポリシロキサン;デカメチルポリシロキサンなどの環状ポリシロキサンなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0025】
前記界面活性剤は洗浄補助成分として用いることができ、たとえばカルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩などのアニオン界面活性剤;脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などのカチオン界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、単一鎖長ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、グリセリン脂肪酸エステル、デカグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体および硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、シリコーンポリエーテルコポリマーなどのノニオン界面活性剤などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0026】
前記動植物油としては、たとえばラノリン、ラノリン誘導体、タートル油、ミンク油、ミツロウ、プリスタン、卵黄油などの動物油;オリーブ油、アーモンド油、ホホバ油、落花生油、ヒマシ油、ヤシ油、パーム油、サフラワー油、ヒマワリ油、綿実油、アボカド油、ツバキ油、トウモロコシ油、小麦胚芽油、コメヌカ油、カカオ油、ゴマ油、月見草油、紅花油、サザンカ油、大豆油、ナタネ油などの植物油があげられる。
【0027】
前記炭化水素油としては、たとえば流動パラフィン、ケロシン、スクワレン、プリスタン、スクワラン、ワセリンなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0028】
前記粉末としては、たとえば酸化亜鉛、酸化チタン、ナイロンパウダー、シリコーンパウダー、炭酸カルシウム、シリカ、タルクなどがあげられる。
【0029】
原液中の前記その他の各成分の含有量にはとくに限定がなく、それぞれの目的などに応じ、その効果が充分に発現され、原液全量が100重量%となるように適宜調整すればよい。
【0030】
本発明に用いられる噴射剤にはとくに限定がなく、たとえばジメチルエーテル、液化石油ガス、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(フロン134a)、1,1−ジフルオロエタン(フロン152a)などの規制対象外のフロン類、N2、CO2、N2O、空気などの圧縮ガスなどが例示され、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでは、噴射時の気化熱により原液を冷却し、氷結した被膜を形成させるという点から、液化石油ガス、ジメチルエーテル、フロン類などの液化ガスが好ましい。
【0031】
本発明の洗浄用エアゾール組成物における前記原液および噴射剤の量は、洗浄効果が充分に発現されるようにし、またエアゾール粒子が微細になり、吸引しないなどの製品の安全性を考慮するほか、噴射剤が多すぎて噴射の勢いが強くなり、また過冷却によって被膜が硬くなり、噴射面で飛散して付着性がわるくならないようにするには、原液が30重量%以上、好ましくは35重量%以上、すなわち噴射剤が70重量%以下、好ましくは65重量%以下となるようにし、また炭素数20〜40のパラフィンを氷結させるための充分な冷却能力を付与するためには、原液が70重量%以下、好ましくは65重量%以下、すなわち噴射剤が30重量%以上、好ましくは35重量%以上となるようにする。
【0032】
本発明の洗浄用エアゾール組成物は、前記原液と噴射剤とを、たとえば前記割合で混合することによって調製することができる。なお原液を調製する際には、リモネンおよび1価の低級アルコールをあらかじめ加温しておき、これにパラフィンを溶解させる方法が、調製のしやすさの点から好ましい。
【0033】
前記洗浄用エアゾール組成物を通常の方法でエアゾール用容器内に充填し、たとえばエアゾール用バルブ、ボタンを取り付けることにより、エアゾール製品を製造することができる。
【0034】
前記エアゾール用容器にはとくに限定がなく、一般に用いられているエアゾール用耐圧容器を適用することができる。
【0035】
なお、エアゾール用容器に充填される組成物の量は、所望の噴射形態が容易に付与されるようにするためには、25℃でのエアゾール製品の内圧が1kg/cm2(0.098MPa)以上、好ましくは2kg/cm2(0.20MPa)以上となるように調整することが望ましく、また製品の安全性を考慮すると、25℃でのエアゾール製品の内圧が10kg/cm2(0.98MPa)以下、好ましくは9kg/cm2(0.88MPa)以下となるように調整することが望ましく、とくに噴射剤に液化ガスを用いた場合は、35℃でのエアゾール製品の内圧が8kg/cm2(0.78MPa)以下、圧縮ガスを用いた場合は、35℃でのエアゾール製品の内圧が10kg/cm2(0.98MPa)以下となるように調整することが好ましい。
【0036】
かくしてえられるエアゾール製品から噴射される組成物の噴射形態は、洗浄物へ均一に噴射することができ、かつ付着性がよく、液だれしにくいという点から、霧状で噴射し、洗浄物面にて被膜を形成するものが好ましい。
【0037】
このように、本発明の洗浄用エアゾール組成物は、洗浄しようとする対象物への付着性および浸透性にすぐれ、液だれしにくいものであり、かかる対象物上で、噴射剤の気化によって組成物中のパラフィンが被膜を形成し、これにより除去成分とリモネンおよびアルコールを長期間にわたって接触させることができ、対象物にリモネンが効果的に浸透し、その結果、除去成分がリモネンに溶解して、たとえば接着剤を介して基材に貼付されたフィルムなどを容易かつ美麗に剥離することができるものである。しかも該洗浄用エアゾール組成物は、毒性や不快な臭気がなく、エアゾール製品としたときに容器内に残存しにくいものである。
【0038】
なお、本発明の洗浄用エアゾール組成物は、たとえばアルコール類、塩化炭化水素、エステル、ケトン、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素などからなる基材に、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂などの接着剤を介して貼付されたフィルムなどを除去する際に、とくに接着剤、基材、フィルムなどの種類にかかわらず好適に使用することができる。
【0039】
【実施例】
つぎに、本発明の洗浄用エアゾール組成物を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0040】
実施例1〜3および比較例1〜2
表1に示す組成からなる原液と、噴射剤としてジメチルエーテル(後述する表2中、DMEという)または液化石油ガス(表2中、LPGという)とを、50:50(重量比)の割合で混合して洗浄用エアゾール組成物を得た。なおこれら実施例1〜3および比較例1〜2にて用いたパラフィンは、混合パラフィン(炭素数20〜30のパラフィンの混合物、融点48〜50℃)である。また原液の調製は、溶媒を40℃に加温して行なった。得られた組成物40gをエアゾール用耐圧ガラス製容器(満注量:100ml)に充填し、エアゾール用バルブおよびボタンを取り付けてエアゾール製品を作製した。25℃でのエアゾール製品の内圧は0.25〜0.4MPaであった。
【0041】
前記実施例1〜3および比較例1〜2のエアゾール製品の製造中、各温度での原液の外観(均一性)および原液と各噴射剤との相溶性(均一性)をそれぞれ目視にて観察した。これらの結果を表2に示す。
【0042】
また、実施例1〜3および比較例1〜2のエアゾール製品から組成物を噴射させ、噴射状態(被膜の形成、浸透、液だれの状態)を目視にて観察した。これらの結果を表2に示す。
【0043】
【表1】
Figure 0004215924
【0044】
【表2】
Figure 0004215924
【0045】
表2に示された結果から、実施例1〜3のようにリモネンと1価の低級アルコールとの割合を変化させることによって、エアゾール組成物の噴射状態を調整することができることがわかる。さらに実施例1〜3のエアゾール製品から噴射させたエアゾール組成物は、被膜の形成、浸透、液だれの状態がより良好なものであることがわかる。
【0046】
これに対して、比較例1のようにリモネンが用いられていなかったり、比較例2のように1価の低級アルコールが用いられていない場合には、被膜がドライになってしまうか、液だれがいちじるしく被膜が保持されず、洗浄用エアゾール組成物として利用され得ないことがわかる。
【0047】
実施例4〜9
表3に示す組成からなる原液と噴射剤とを表3に示す割合で混合して洗浄用エアゾール組成物を得た。なお原液の調製は、溶媒を40℃に加温して行なった。得られた組成物40gをエアゾール用耐圧ガラス製容器(満注量:100ml)に充填し、エアゾール用バルブおよびボタンを取り付けてエアゾール製品を作製した。25℃でのエアゾール製品の内圧は0.25〜0.45MPaであった。
【0048】
前記実施例4〜9のエアゾール製品の製造中、40℃での原液の外観(均一性)およびエアゾール組成物の外観(均一性)をそれぞれ目視にて観察した。これらの結果を表3に示す。
【0049】
また、実施例4〜9のエアゾール製品から組成物を噴射させたところ、これらの組成物の噴射形態はいずれも霧状であり、塗布面にて被膜が形成された。
【0050】
なお、表3中の各略号は以下に示すとおりである。
Tri:トリコサン(融点47.6℃)
Tet:テトラコサン(融点50.9℃)
Par:混合パラフィン(炭素数20〜30のパラフィンの混合物、融点48〜50℃)
EtOH:エタノール
iPrOH:i−プロパノール
Sur−1:ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン硬化ヒマシ油(界面活性剤、商品名HCO−40、日光ケミカルズ(株)製)
Sur−2:ソルビタンセスキオレート(界面活性剤、商品名SO−15R、日光ケミカルズ(株)製)
CeOH:セチルアルコール
Wat:精製水
LPG:液化石油ガス
DME:ジメチルエーテル
【0051】
【表3】
Figure 0004215924
【0052】
比較例3〜9
表4に示す組成からなる原液と噴射剤とを表4に示す割合で混合してエアゾール組成物を得た。なお原液の調製は、溶媒を40℃に加温して行なった。得られた組成物を用い、実施例4〜9と同様にしてエアゾール製品を作製した。25℃でのエアゾール製品の内圧は0.15〜0.5MPaであった。
【0053】
前記比較例3〜9のエアゾール製品の製造中、40℃での原液の外観(均一性)およびエアゾール組成物の外観(均一性)をそれぞれ目視にて観察した。これらの結果を表4に示す。
【0054】
また、比較例3〜9のエアゾール製品から組成物を噴射させたところ、これらの組成物の噴射形態は霧状であった。
【0055】
なお、表4中の各略号は以下に示すとおりである。
Par:混合パラフィン(炭素数20〜30のパラフィンの混合物、融点48〜50℃)
Ste:ステアリン酸
StOH:ステアリルアルコール
EtOH:エタノール
iPrOH:i−プロパノール
War:精製水
LPG:液化石油ガス
DME:ジメチルエーテル
【0056】
【表4】
Figure 0004215924
【0057】
試験例
実施例4〜9および比較例3〜9のエアゾール組成物の物性として、付着性、浸透性および洗浄効果を以下の方法にしたがって調べた。その結果を表5に示す。
【0058】
なお比較例4では、エアゾール組成物の調製中にパラフィンが完全に溶解せず、各試験に供し得なかった。
【0059】
(イ)付着性
垂直に立てたガラス製の基材上に接着剤(酢酸ビニル−エチレン共重合体)を塗布して乾燥させ、この部分に5cm離れた位置からエアゾール組成物を3秒間噴射した。この基材を5秒間保持したときの噴射部位へのエアゾール組成物の付着性を以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
A:噴射面にて好適に氷結した被膜が形成され、液だれしていない。
B:ドライな被膜が形成され、液だれしていない。
C:氷結が弱く、半液状の被膜が形成され、全体的に液だれしている。
D:被膜が形成されず、ほとんど液だれして噴射部位には残存していない。
E:被膜が硬いため、噴射部位で飛散し、付着が少ない。
【0060】
(ロ)浸透性
前記(イ)付着性の試験において、噴射部位へのエアゾール組成物の浸透性を以下の評価基準に基づいて評価した。
A:噴射部位に良好に浸透している。
B:噴射部位にわずかに浸透している。
C:噴射部位にまったく浸透していない。
【0061】
(ハ)洗浄効果
前記(イ)付着性の試験と同様にして接着剤を塗布して乾燥させた部分にエアゾール組成物を噴射したのち、そのままの状態で30秒間保持した。これをティッシュペーパー(商品名:エリエール、大王製紙(株)製)にて拭き取って基材表面を手指で触り、その状態を以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
A:拭き取りが簡易で、基材表面がべとつかず、接着剤が残存していない。
B:問題がない程度に拭き取りが可能であるものの、基材表面がややべとつき、接着剤が少し残存している。
C:接着剤をほとんど除去することができず、拭き取りの際にティッシュペーパーが基材表面に付着した。
【0062】
【表5】
Figure 0004215924
【0063】
表5に示された結果から、実施例4〜9で得られた本発明の洗浄用エアゾール組成物は、いずれも噴射物の付着性および浸透性にすぐれ、液だれせず、接着剤の除去効果が高いものであることがわかる。
【0064】
【発明の効果】
本発明の洗浄用エアゾール組成物は、洗浄効果が高いことはもちろんのこと、エアゾール製品とした場合に、噴射後にエアゾール用容器内に残存しにくく、メタノールが用いられていないため使用時の安全性が高く、不快な臭気がなく使用感がよいうえ、さらに洗浄しようとする対象物への付着性および浸透性にすぐれ、液だれしにくいといったすぐれた効果を奏する。
【0065】
したがって、本発明の洗浄用エアゾール組成物を用い、たとえば接着剤を介して基材に貼付されたフィルムなどを容易かつ美麗に剥離することができる。

Claims (6)

  1. 炭素数20〜40のパラフィン、リモネンおよび1価の低級アルコールを含有した原液30〜70重量%と、噴射剤70〜30重量%とからなる洗浄用エアゾール組成物。
  2. 原液中の炭素数20〜40のパラフィンの量が2〜20重量%である請求項1記載の洗浄用エアゾール組成物。
  3. 炭素数20〜40のパラフィンが融点が40〜90℃のものである請求項1記載の洗浄用エアゾール組成物。
  4. 原液中のリモネンの量が15〜55重量%である請求項1、2または3記載の洗浄用エアゾール組成物。
  5. 原液中の1価の低級アルコールの量が35〜75重量%である請求項1、2、3または4記載の洗浄用エアゾール組成物。
  6. リモネンと1価の低級アルコールとの割合(リモネン/1価の低級アルコール(重量比)が15/85〜65/35である請求項1、2、3、4または5記載の洗浄用エアゾール組成物。
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