JP2015073738A - シール糊除去ペーパー - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながらそのため、アルコール綿を用いてローラ部を清掃した場合には、一時的に表面上の糊が取れたように見えても、実際は溶解した糊がまだローラ部に付着しており、これが固着することによって、その後のラベル貼り付けエラーが発生してしまうこととなる。その結果、シンナーや糊はがし液等の浸透潤滑剤(溶剤)などを用いてローラ部をさらにクリーニングすることになり、安全性や清掃後の廃棄等の手間、負担が増えることになってしまう。
また、特許文献1が開示するようなシートは、油汚れの清掃を目的としたもののため、シール糊を溶解する能力が十分でなく、現場において、効率よくシール糊を除去することが困難である。
即ち、本発明は、糊剥離物質及び溶剤を含有するシール糊除去剤を不織布に含浸させてなることを特徴とする、シール糊除去ペーパーに関する。
このうち好ましい態様は、前記不織布が、剥離糊を吸着及び包埋する繊維状物質から構成されるシール糊除去ペーパーである。
さらに好ましい態様は、前記シール糊除去剤に対して、前記糊剥離物質を5質量%〜30質量%含有しているシール糊除去ペーパーである。
また、糊剥離物質として好ましくは、テルペン、より好ましくはd−リモネンであり、又は、ミネラルオイルである。
また、溶剤としては、炭素原子数1ないし6の脂肪族アルコール、好ましくはエチルアルコールが選択され得る。
本発明のもう一つの特徴は、上記のとおりダマ状になった糊成分を取り込む構造を有する繊維状の不織布をシール糊除去ペーパーの母材に使用することにある。この母材のペーパーに取り込まれることにより、糊付着物に残って固着することがなく、またぼろぼろと剥がれ落ちて、剥がれ落ちた糊成分をさらに清掃する必要がない。
相溶性を考える時に、分子構造が似ている者同士のほうが似ていないものよりよく溶ける。この点、ラベル糊の成分とリモネンの分子構造は非常によく似ているため、混ざると自然に溶け合うため、好ましい。また、リモネンは天然オレンジオイルから生まれた人と地球環境にやさしいのに超強力な汚れはがし剤である。100%有機質・生分解性であり、トルエン、キシレン、ベンゼンに替わることができ、金属などに対し非腐食性をもつ特徴を有するため、さらに好ましい。
また、本発明の糊剥離物質として、ミネラルオイルが挙げられる。ミネラルオイルは化粧品の成分としても用いられるなど、安全性の面で実績のある成分であり、好ましい。
好ましくは、5質量%〜30質量%である。この範囲内において糊剥離物質を含有したシール糊除去剤が不織布に含浸したシール糊除去ペーパーは、シール糊を剥離する効果が最良となる。
若しくは、酢酸エステル例えば酢酸エチルなどの溶剤であってもよい。
溶剤は、無水であってもよいし、或いは、清掃中の時間を確保する目的で蒸発、乾燥を遅らせるために、保水性、乾燥遅延のため、水を含有していてもよい。
例えば、コットン、テンセル(登録商標)、アクリル繊維、セルロース繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維又はレーヨン繊維等の天然又は合成樹脂系の繊維を挙げることができる。
例えば、糊剥離物質を適当な溶剤中に溶解させて得たシール糊除去剤に対して、所定の寸法に裁断した不織布を含浸させて、製造することができる。このとき、不織布の全体に対してシール糊除去剤がまんべんなく含浸するように製造するとよい。そして製造後には、シール糊除去剤が蒸発しないよう、適当な密閉容器等に保管され、その後、現場において必要に応じて取り出して使用する。
また、シール糊除去ペーパーの母材である不織布が、剥離糊を吸着及び包埋する繊維状物質から構成されることによって、ダマ状となったシール糊を素早く効率的に除去し得る。
また、シール糊除去剤に対して糊剥離物質を5質量%〜30質量%含有することによって、シール糊をより確実に除去し得る。
また、糊剥離物質として、テルペン特にリモネン又はミネラルオイルを用いれば、より環境に優しいシール糊除去ペーパーとなり得る。
さらにまた、溶剤として入手しやすく、且つ、ベンゼン、トルエン又はキシレン等の他の有機溶剤と比較して安全性の高い成分であるエチルアルコールを用いることによって、糊の除去を行う作業員の健康上、好ましいという利点をも有する。
溶剤として無水エタノール(日本薬局方)に対して、糊剥離物質としてd−リモネン(ヤスハラケミカル株式会社製;D−リモネン)を、溶液全体として2質量%となるよう溶解して、シール糊除去剤を得た。次に、縦横それぞれ20cm寸法のコットン製不織布(日清紡テキスタイル株式会社製;AP2200)に対し、その乾燥質量の2倍質量の前記シール糊除去剤を含浸させて、本発明のシール糊除去ペーパー1を作製した。
溶液全体としてd−リモネン(ヤスハラケミカル株式会社製;D−リモネン)を5質量%となるように溶解してシール糊除去剤を得た他は、実施例1と同様の方法に従い、本発明のシール糊除去ペーパー2を得た。
溶液全体としてd−リモネン(ヤスハラケミカル株式会社製;D−リモネン)を8質量%となるように溶解してシール糊除去剤を得た他は、実施例1と同様の方法に従い、本発明のシール糊除去ペーパー3を得た。
溶液全体としてd−リモネン(ヤスハラケミカル株式会社製;D−リモネン)を10質量%となるように溶解してシール糊除去剤を得た他は、実施例1と同様の方法に従い、本発明のシール糊除去ペーパー4を得た。
溶液全体としてd−リモネン(ヤスハラケミカル株式会社製;D−リモネン)を15質量%となるように溶解してシール糊除去剤を得た他は、実施例1と同様の方法に従い、本発明のシール糊除去ペーパー5を得た。
溶液全体としてd−リモネン(ヤスハラケミカル株式会社製;D−リモネン)を30質量%となるように溶解してシール糊除去剤を得た他は、実施例1と同様の方法に従い、本発明のシール糊除去ペーパー6を得た。
溶剤として無水メタノール(日本薬局方)を用い、且つ溶液全体としてd−リモネン(ヤスハラケミカル株式会社製;D−リモネン)を8質量%となるように溶解してシール糊除去剤を得た他は、実施例1と同様の方法に従い、本発明のシール糊除去ペーパー7を得た。
溶剤としてイソプロパノール(日本薬局方)を用い、且つ溶液全体としてd−リモネン(ヤスハラケミカル株式会社製;D−リモネン)を8質量%となるように溶解してシール糊除去剤を得た他は、実施例1と同様の方法に従い、本発明のシール糊除去ペーパー8を得た。
溶剤として酢酸エチル(日本薬局方)を用い、且つ溶液全体としてd−リモネン(ヤスハラケミカル株式会社製;D−リモネン)を8質量%となるように溶解してシール糊除去剤を得た他は、実施例1と同様の方法に従い、本発明のシール糊除去ペーパー9を得た。
溶剤として無水エタノール(日本薬局方)に対して、d−リモネン(ヤスハラケミカル株式会社製;D−リモネン)を、溶液全体として1質量%となるよう溶解して、薬剤を得た。次に、縦横それぞれ20cm寸法のコットン製不織布(日清紡テキスタイル株式会社製;AP2200)に対し、その乾燥質量のおよそ2倍質量の前記薬剤を含浸させて、比較例1の清掃用ペーパーを作製した。
70%エチルアルコールを、縦横それぞれ20cm寸法のコットン製不織布(日清紡テキスタイル株式会社製;AP2200)に対し、その乾燥質量のおよそ2倍質量の前記薬剤を含浸させて、比較例2の清掃用ペーパーを作製した。
90%エチルアルコールを、縦横それぞれ20cm寸法のコットン製不織布(日清紡テキスタイル株式会社製;AP2200)に対し、その乾燥質量のおよそ2倍質量の前記薬剤を含浸させて、比較例3の清掃用ペーパーを作製した。
無水エタノール(日本薬局方)を、縦横それぞれ20cm寸法のコットン製不織布(日清紡テキスタイル株式会社製;AP2200)に対し、その乾燥質量のおよそ2倍質量の前記薬剤を含浸させて、比較例4の清掃用ペーパーを作製した。
トリグリセリンモノラウリン酸エステル5質量%及びグリセリンモノラウリン酸エステル1質量%となるように精製水に溶解させ、得られた薬液を、レーヨンを主体とする不織布に対し、2倍質量となるよう含浸させ、比較例5の清掃用ペーパーを得た。
耐アルコール合成紙ラベル糊(テクノメディカ社製;アクリル樹脂)を、シールローラに10mm×35mmの領域で貼付した。なお、当然ながら、各試験とも、糊の厚さは全て均一とした。
次に、実施例1〜9及び比較例1〜5の各々のペーパーを用いて、作業員の手によって30秒間、一定のリズム及び一定の力で、糊が貼付した領域を拭き取ることにより糊の除去を行った。
除去作業の1分後において、溶剤が蒸発した頃を見計らい、糊が貼付した領域の糊の残存具合を、糊の剥がれ具合、及び、糊がダマ状になって剥がれたか否か、の2項目について、観察した。
このうち、糊の剥がれ具合については、◎(糊がきれいに除去された)、○(糊が僅かに残った)、△(糊がまばらに残存した)、×(糊が殆ど除去されなかった)の4段階で評価した。
また、糊がダマ状になって剥がれたか否かについては、○(ダマ状を形成した)及び×(ダマを形成しなかった)で評価した。
Claims (8)
- 糊剥離物質及び溶剤を含有するシール糊除去剤を不織布に含浸させてなることを特徴とする、シール糊除去ペーパー。
- 前記不織布が、剥離糊を吸着及び包埋する繊維状物質から構成されることを特徴とする、請求項1に記載のシール糊除去ペーパー。
- 前記シール糊除去剤に対して、前記糊剥離物質を5質量%〜30質量%含有していることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシール糊除去ペーパー。
- 前記糊剥離物質はテルペンであることを特徴とする、請求項1、2又は3に記載のシール糊除去ペーパー。
- 前記テルペンはd−リモネンであることを特徴とする、請求項4に記載のシール糊除去ペーパー。
- 前記糊剥離物質はミネラルオイルであることを特徴とする、請求項1、2又は3に記載のシール糊除去ペーパー。
- 前記溶剤は、炭素原子数1ないし6の脂肪族アルコールであることを特徴とする、請求項1〜6のうちいずれか1項に記載のシール糊除去ペーパー。
- 前記溶剤はエチルアルコールであることを特徴とする、請求項7に記載のシール糊除去ペーパー。
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JP2019183030A (ja) * | 2018-04-12 | 2019-10-24 | 東京応化工業株式会社 | 剥離用組成物、接着剤を剥離する方法、及び電子部品の製造方法 |
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JPH0221834A (ja) * | 1988-07-12 | 1990-01-24 | Kamisaka Toyo | 油脂拭きとり材 |
JP2001214195A (ja) * | 2000-02-03 | 2001-08-07 | Daizo:Kk | 洗浄用エアゾール組成物 |
JP2004016560A (ja) * | 2002-06-18 | 2004-01-22 | Asahi Kasei Life & Living Corp | 清掃用シート |
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2013
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JP2019183030A (ja) * | 2018-04-12 | 2019-10-24 | 東京応化工業株式会社 | 剥離用組成物、接着剤を剥離する方法、及び電子部品の製造方法 |
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