JP3107030B2 - 構造物表面の洗浄方法 - Google Patents

構造物表面の洗浄方法

Info

Publication number
JP3107030B2
JP3107030B2 JP10052553A JP5255398A JP3107030B2 JP 3107030 B2 JP3107030 B2 JP 3107030B2 JP 10052553 A JP10052553 A JP 10052553A JP 5255398 A JP5255398 A JP 5255398A JP 3107030 B2 JP3107030 B2 JP 3107030B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
aqueous solution
coating
reinforcing member
water emulsion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP10052553A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10314688A (ja
Inventor
信夫 柵瀬
華子 永井
文慶 林
軍一 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kajima Corp
Original Assignee
Kajima Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from EP97305836A external-priority patent/EP0864377B1/en
Application filed by Kajima Corp filed Critical Kajima Corp
Priority to JP10052553A priority Critical patent/JP3107030B2/ja
Priority to US09/038,978 priority patent/US6123777A/en
Publication of JPH10314688A publication Critical patent/JPH10314688A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3107030B2 publication Critical patent/JP3107030B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B08CLEANING
    • B08BCLEANING IN GENERAL; PREVENTION OF FOULING IN GENERAL
    • B08B7/00Cleaning by methods not provided for in a single other subclass or a single group in this subclass
    • B08B7/0014Cleaning by methods not provided for in a single other subclass or a single group in this subclass by incorporation in a layer which is removed with the contaminants
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E04BUILDING
    • E04GSCAFFOLDING; FORMS; SHUTTERING; BUILDING IMPLEMENTS OR AIDS, OR THEIR USE; HANDLING BUILDING MATERIALS ON THE SITE; REPAIRING, BREAKING-UP OR OTHER WORK ON EXISTING BUILDINGS
    • E04G23/00Working measures on existing buildings
    • E04G23/002Arrangements for cleaning building facades

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Architecture (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Civil Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Cleaning In General (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は構造物表面の洗浄方法に
関し、とくに皮膜形成ポリマーの水溶液又は水エマルジ
ョン(以下、誤解の生じない限り「水溶液」は「水溶液
又は水エマルジョン」を意味するものとする。)の塗布
により構造物表面に剥離可能な皮膜を形成しその皮膜に
構造物表面の汚れ物質を吸い付かせた上でその皮膜を汚
れ物質と共に構造物表面から剥離して洗浄する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】構造物表面の汚れ除去に従来使われてい
る水洗い、薬品洗い、サンドブラスト等の洗浄方法に
は、周囲に対する水やホコリやさらには有害物質の拡散
若しくは発生を完全に防止するのが容易でない問題点が
あり、また環境問題への関心の高まりにより、この問題
点を解決しなければこれらの洗浄方法による作業が行な
えなくなる趨勢にある。
【0003】この問題点を解決するため、本発明者等は
「屋内外構造物表面の洗浄法」と題する発明を平成7年1
1月15日提出の特願平7-321032号に開示した。この洗浄
法を図5及び6に示す建物の表面10の洗浄の例につき簡
単に説明する。この例では、建物の表面10を洗浄域10
a、10b、10c、・・・ごとにそれぞれ施工範囲を確認の
後に洗浄する(図6のステップ601、602)。
【0004】まず洗浄域10aの準備完了が確認されると
ステップ603で、図5(A)に示すように剥離可能な付着
膜形成ポリマー2aを溶媒9に溶解したポリマー溶液5aを
当該表面10aに薄膜6aとして2回塗布する。同図の矢印
α及びβは、初回の塗布αによるポリマー2aの薄膜6aが
溶媒9の蒸発により乾燥し付着膜となって洗浄域10aに
付着した後、2回目の塗布βにより薄膜6aを重ねて形成
することを示す。両薄膜6aによって積層型付着膜7aを当
該表面10aに剥離可能に付着させ、その表面10a上の汚れ
物質を積層型付着膜7aに吸い付かせて洗浄する(ステッ
プ604)。
【0005】図5(B)〜(D)は、ステップ601〜604の繰
り返しにより構造物表面10の他の全洗浄域10b、10c、・
・・も積層型付着膜7aで被覆され且つ洗浄されることを
示す(ステップ605、606)。図5(E)は、構造物全体の
塗布後に、構造物の全ての表面10から積層型付着膜7aを
一挙に剥離することを示す(ステップ607)。
【0006】構造物の表面10に対するこの洗浄方法は、
広大な又は形状が複雑な構造物表面に対しても、ポリマ
ー溶液5aの刷毛塗り又はスプレー吹き付け等により簡単
に且つ短時間で被覆をすることができるので、単に汚れ
物質を除去して洗浄するだけでなく、構造物表面の保護
及び汚れ防止の効果をも生じ、これらの作業に要する手
間の軽減が期待できる。付着膜形成ポリマー2aは例えば
ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、
ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂及びポリビニルブチラー
ルからなる群のうちから選択した1以上のポリマーとす
ることができ、溶媒9は水又は有機溶媒とすることがで
きる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記積層型付着膜7aに
よる構造物表面の洗浄方法は、塗布作業が容易であるだ
けでなく、ポリマー溶液の取り扱いが簡単であり、積層
型構造によりポリマー皮膜の剥離作業が容易となり、使
用済み皮膜の処分等が簡単である等の利点を有する。ポ
リマー溶液5aの溶媒9を水とすると、塗布時に有害ガス
や悪臭の発生がなく、さらに引火の虞もない。
【0008】しかし、水溶性ポリマーの溶液の塗布によ
り形成される皮膜は、水分を一定以上保持している間は
柔軟性及び靱性を有するものの、水分が殆ど蒸発して乾
燥が進むと柔軟性を失い脆弱化する性質がある。脆弱化
した皮膜は、剥離のため力を加えると容易に破断するた
め剥離作業に手間がかかる。
【0009】とくに、構造物の表面に凹凸面がある場合
には、水溶性ポリマーの溶液の塗布時に凸面で皮膜が薄
くなり凹面で厚くなる傾向が生ずる。皮膜の部分的な厚
・薄の差により膜に部分的な強・弱差が生まれ、皮膜剥
離時に弱い部分が切れ、切れ目が広がって膜の一体的剥
離が困難になる。このような場合には、前記特許出願の
「屋内外構造物表面の洗浄法」によっても構造物表面の
凹凸による皮膜の破断を防ぐのが困難であった。
【0010】また破断した皮膜が構造物周囲に飛散する
のでその回収及び清掃に手間がかかる。水溶性ポリマー
の皮膜の脆弱性に起因する問題を解決する技術の開発が
望まれている。
【0011】そこで本発明の目的は、剥離及び回収が容
易な水溶液ポリマー皮膜を用いた構造物表面の洗浄方法
を提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、構造物表
面に塗布する洗浄ポリマー皮膜にガーセ等を一体的に設
けるか、その皮膜中に短繊維を混入することにより、皮
膜の靱性を向上させることができることに注目した。ま
た本発明者等は、乾燥時の水溶性ポリマー膜の靭性は膜
内の残存湿度に依存しており且つ残存湿度は構造物表面
への塗布時の膜の厚さに影響されることを見出した。こ
れらの点に基づき種々実験研究の結果、本発明を完成す
るに至った。
【0013】図7の実施例を参照するに、本発明の構造
物表面の洗浄方法は、重合度1,000〜3,000でケン化度90
〜99モル%のポリビニルアルコールの濃度が10〜30重量
%であって粘度が5,000〜100,000mPa・sである水溶液5
又は水エマルジョンを構造物表面1に薄層16として塗布
し、薄層16の乾燥により剥離性皮膜17を形成し、構造物
表面1の異物8を皮膜17に吸い付かせた後、皮膜17を構
造物表面1から剥離してなるものである。好ましくは、
図1及び2に示すように、皮膜形成ポリマー2の水溶液
5又は水エマルジョンの薄層16を構造物表面1に塗布
し、乾燥前の薄層16上又は乾燥後に形成される基礎皮膜
17a上に繊維性補強部材15を展設し、水溶液5又は水エ
マルジョンを補強部材15の外側に補強部材15を濡らしな
がら塗布し且つ乾燥させて基礎皮膜17a及び補強部材15
と一体化する重畳皮膜17bを形成することより多層皮膜1
8を生成させ、構造物表面1の異物8を基礎皮膜17aに吸
い付かせた後、多層皮膜18を構造物表面1から剥離す
る。
【0014】
【発明の実施の形態】好ましくは、基礎皮膜17a上に水
溶液5を塗布して中間皮膜17c(図1参照)用の皮膜形
成ポリマー薄層16(図3(C)参照)を作り、その薄層16
が乾燥する前にその上に補強部材15を展設し、さらに前
記重畳皮膜17bを補強部材15と一体化するように形成す
ることにより、基礎皮膜17a、中間皮膜17c、補強部材1
5、及び重畳皮膜17bからなる四層構造の多層皮膜18を生
成させ、構造物表面1上の異物を基礎皮膜17aに吸い付
かせた後その多層皮膜18を構造物表面から剥離して洗浄
する。
【0015】繊維性補強部材15として使用できるものの
一例は前記水溶液5で濡らし得る織布、紙等である。好
ましくは図2(C)に示すように、繊維性補強部材15を皮
膜形成ポリマー2の水溶液5が浸透可能なシート部材と
し、繊維性補強部材15上から塗布するポリマー水溶液5
を繊維性補強部材15下の基礎皮膜17aにまで浸透させて
基礎皮膜17a及び繊維性補強部材15と一体化する重畳皮
膜17bが形成できるように、水との親和性の高い繊維性
のもの及び/又は水との親和性が小さくとも皮膜形成ポ
リマー2との一体化のために繊維間の空隙の大きい網状
のものとすることができる。そのようなシート部材とし
ては、例えばガーゼ、不織布、プラスチックネット、ガ
ラス繊維マット等が使える。
【0016】繊維性補強部材15の使用に加え、又は繊維
性補強部材15に代え、木材パルプ、例えば3〜10mmの短
繊維等を多層皮膜18内のポリマー皮膜中に混在させるこ
とができる。この場合には、短繊維を皮膜形成ポリマー
2の水溶液5に混入・分散させて混入液として使い、多
層皮膜18中に繊維性補強材として混在させる。この混入
液の塗布には、刷毛塗り、ローラ塗り、圧送ローラ塗
り、吹き付け、ゴムベラ、薬匙、ゴム片付き水切り(窓
ガラス洗浄等に使用するもの)、溶液供給ホースに接続
されたローラ等が可能である。
【0017】実験結果によると、構造物表面1に凹凸が
多い場合に、短繊維による繊維性補強材を使用すれば、
それらの凹凸のすみずみまで繊維混入水溶液5を塗布し
洗浄効果を高めることが可能になり、同時に皮膜の剥離
及び回収も容易になる。このような短繊維の例は、木材
パルプ、木綿、アクリル、ポリエステル、絹、麻、プラ
スチック、及びガラス繊維等であり、それらのものを一
種以上組合わせて使用することができる。短繊維の好ま
しい長さは、3〜10mmであり、3mm以下では十分な強度
改善が期待できず、10mm以上では繊維が絡み合い分散し
難い。
【0018】さらに、多層皮膜18中の基礎皮膜17a、中
間皮膜17c、及び重畳皮膜17bはそれぞれ1層づつに限定
されず、浄化すべき構造物表面の状況に応じ、適宜増減
することができる。また、繊維性補強部材15の使用量、
厚さは、該部材15が皮膜形成ポリマー2の皮膜の補強の
ために使用されるものであるため、ポリマー2の物性、
多層皮膜18の厚さ、剥離方法、施工個所等と共に繊維単
体の強度、繊維層の強度、繊維とポリマーの親和性等を
勘案して最適値を決めることができる。
【0019】本発明で用いる皮膜形成ポリマー2は、水
溶性であって水4への溶解時に薄層16として塗布でき且
つ水4の蒸発後に構造物表面1に基礎皮膜17a及び重畳
皮膜17b(以下、両者を纏めて皮膜17ということがあ
る。)が形成されるポリマーであり、ポリビニルアルコ
ール(以下、PVAと表すことがある。)、エチレン・酢
酸ビニル共重合体、酢酸ビニル、カルボキシメチルセル
ロース、ポリビニルアセテート、ポリ塩化ビニル、アク
リル、ポリビニルブチラール等よりなる群から選ばれる
一種又は二種以上の物質である。好ましくはPVA及び/
又はエチレン・酢酸ビニル共重合体である。
【0020】PVAは例えば重合度500〜5000、好ましくは
1000〜3000とし、ケン化度が90〜99モル%のものとする
ことができる。エチレン・酢酸ビニル共重合体の濃度は
構造物表面1の材質、周囲の環境条件及び塗布方法等に
応じて適宜選択可能であるが、好ましくは40〜80重量
%、特に50〜70重量%とする。エチレン・酢酸ビニル共
重合体における酢酸ビニルの割合は98〜50モル%、好ま
しくは80〜60モル%とする。更にポリマー2の物性を調
節するため、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸
エステル、メタアクリル酸エステル、塩化ビニル等との
多元共重合体も使用できる。
【0021】水溶液5中の皮膜形成ポリマー2の濃度
は、皮膜17が形成できる範囲内であれば、構造物表面1
の材質、周囲の環境条件及び塗布方法等に応じて選択で
きる。下記表1は、皮膜形成ポリマー2をPVAとして5
種類の濃度の水溶液5を調製し、各水溶液5をコンクリ
ート表面に塗布して皮膜17を形成させた実験結果を示
す。表1の第1欄及び第5欄に示すように、3重量%の
水溶液5では剥離可能な皮膜17が形成できず、70重量%
の水溶液5では薄層16としての塗布が難しく均一な厚さ
の皮膜17は形成できなかった。
【0022】他方、表1の第2〜4欄は、5〜30重量%
の水溶液5によりそれぞれ厚さの異なる剥離可能な皮膜
17が形成できることを示す。皮膜17の厚さは水溶液5の
粘性に対応し、PVAの濃度が低い場合は水溶液5の粘性
率が小さいために皮膜17が薄くなり、PVAの濃度が高く
なると水溶液5の粘性率が大きくなり皮膜17が比較的厚
くなる。水溶液5の粘性は例えば塗布方法等に応じて適
宜選択できる。表1の実験結果は、皮膜形成ポリマー2
をPVAとした場合に、水溶液5の濃度を5〜30重量%の範
囲内で選択可能であることを示す。
【0023】
【表1】
【0024】なお表1の第6欄は、エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体の水エマルジョンを水溶液5としてコンクリ
ート表面へ塗布したときに、厚さ0.10mmの皮膜17が形成
されることを示す。表1の実験では、株式会社クラレ
製、商品名パンフレックスOM-28、重合体濃度56重量%
のエチレン・酢酸ビニル共重合体の水エマルジョンを使
用した。
【0025】図2(A)を参照するに、水溶液5は刷毛塗
り、ローラ塗り、吹き付け、しぼり出し等の塗布方法で
構造物表面1の洗浄対象域に塗布される。図2(B)は水
溶液5が薄層16として塗布された構造物表面1の洗浄対
象域を示す。薄層16中に含まれる水分は、自然乾燥では
数時間後に、また40〜60℃の温風乾燥では5〜10分後に
蒸発し、図2(C)に示すように構造物表面1に付着した
基礎皮膜17aが形成される。この基礎皮膜17aに構造物表
面1の汚れ物質を付着させて除去して洗浄することがで
きる。
【0026】また基礎皮膜17aにより構造物表面1をそ
の後の汚れ物質の付着や損傷から保護することも可能で
ある。但し、基礎皮膜17aは一定以上の水分を保持して
いる場合には柔軟であって剥離が容易であるが、基礎皮
膜17aの乾燥が進んだ場合には靱性を失って脆弱化し洗
浄期間経過後の剥離・回収が面倒になる。本発明者は実
験の結果、重合度の高いPVAを用いるとPVAの粘性が高く
なり、その水溶液5の塗布により形成された薄層16が厚
くなり、剥離容易な皮膜17が形成できることを見出し
た。更なる実験の結果、重合度1,000〜3,000のPVAの10
〜30重量%水溶液の塗布により、構造物表面1上に剥離
容易で且つ高靭性の皮膜17が形成できることを確認でき
た。本発明は、これらの知見に基づき完成したものであ
る。
【0027】さらに本発明は、構造物表面1上に形成さ
れた基礎皮膜17a(図2(C))上に繊維性補強部材15を
展設し、更に図2(D)に示すように補強部材15上に補強
部材15を濡らしながら水溶液5を薄層16として塗布し乾
燥させて重畳皮膜17bを形成することができる。繊維性
補強部材15はポリマー2と一体化可能であり、その一体
化により皮膜17に密着して該皮膜17に対し引裂き強さ等
を与えるものである。即ち、繊維性補強部材15の一方の
面が基礎皮膜17aと密着し且つ他方の面が重畳皮膜17bと
密着することにより、基礎皮膜17aと補強部材15と重畳
皮膜17bとが一体となった多層皮膜18を形成する(図2
(E)参照)。なお図2(C)〜(D)の繰返しにより、補強
部材15と重畳皮膜17bを複数層有する多層皮膜18とする
ことができる。
【0028】図2(F)に示すように、多層皮膜18は構造
物表面1から多層構造をそのまま維持しながら剥離され
る。図5の従来の脆弱化した皮膜7aは剥離時に破断して
バラバラになり易いのに対し、本発明では皮膜17を補強
部材15と一体的に剥離させるので、構造物表面1の洗浄
方法における皮膜の剥離・回収作業を容易化できる。
【0029】また多層皮膜18は、水溶液5の塗布容易化
と皮膜17の剥離容易化とを同時に達成できる効果があ
る。即ち塗布容易化等の観点からは低粘性の水溶液5が
選択され、低粘性の水溶液5から形成される皮膜17は薄
くなる傾向がある。他方、皮膜17の剥離・回収容易化の
観点からは皮膜17に一定以上の強度即ち厚さが求められ
る。本発明は、塗布容易な水溶液5の重ね塗りにより多
層皮膜18を剥離・回収容易な厚さとすることができる。
【0030】こうして本発明の目的である「剥離及び回
収が容易な水溶液ポリマー皮膜を用いた構造物表面の洗
浄方法」を提供することができる。
【0031】剥離後の皮膜17及び多層皮膜18は、例えば
温水への溶解により汚れ物質及び繊維性補強部材15と分
離して再利用を図ることができ、環境汚染を生じない。
使用後の塗布用器具等も温水で洗浄でき、有機溶媒を必
要としない。よって本発明の洗浄方法は作業員や環境に
対して極めて安全である。
【0032】なお本発明の洗浄方法は、ガラス、合成樹
脂、アルミニウムその他の金属、タイル、土器、石器、
陶器、磁器、木材、コンクリート、紙、ゴム、繊維、石
材、土材、しっくい、塗料などで仕上げた構造物表面1
の洗浄に適用可能である。本発明は建材や彫刻表面の洗
浄にも適用できる。
【0033】本発明を実施するに当たって、皮膜形成ポ
リマー2と共に可塑剤3を混入して使用することができ
る。可塑剤3の併用により水溶液5の粘性率を下げ且つ
乾燥時の皮膜17に柔軟性と靭性とを与えることができる
ので、塗布作業と剥離・回収作業の効率化が図れる場合
もある。可塑剤3は水溶性であり且つ皮膜形成ポリマー
2と相溶性がよい物質であり、例えばグリセリン、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリ
コール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレング
リコール、ヘキサメチレングリコール、2,3−ブタン
ジオール、1,3−ブタンジオールよりなる群から選ば
れる一種又は二種以上の物質とすることができ、好まし
くはグリセリン及び/又はプロピレングリコールであ
る。グリセリン及びプロピレングリコールは化粧品の材
料としても使用され、作業員や環境に対して安全な材料
である。
【0034】下記表2は、可塑剤3添加の水溶液5をコ
ンクリート表面に塗布し皮膜17を形成させた実験結果を
示す。表1と表2の皮膜17の厚さの比較から分るよう
に、可塑剤3の添加により皮膜17の厚さを薄くできる。
なお表2はポリマー2に対し1〜10重量%の可塑剤3を
添加する場合を示すが、実験によれば、ポリマー2に対
する可塑剤3の濃度は0.5〜15重量%の範囲内で適宜選
択できる。
【0035】
【表2】
【0036】また下記表3は、可塑剤3添加の皮膜17の
柔軟性を調べるため、表2の第1欄及び第2欄の皮膜17
について引張試験を行なった結果を示す。表3には、比
較のため、可塑剤3無添加のPVA水溶液から形成した皮
膜17の引張試験結果をも示す。表3から分るように、可
塑剤3無添加の皮膜17に比し可塑剤3添加の皮膜17は破
断伸びが格段に大きい。即ち可塑剤3添加の皮膜17は靭
性が大きく、引き剥がす力に対して適当に伸びて破断し
ないので、構造物表面1からの剥離が容易である。可塑
剤3添加の皮膜17と繊維性補強部材15とにより、構造物
表面1の洗浄に際し皮膜の剥離・回収作業の効率化が図
れる。
【0037】なお表3中の破断伸びは、長さL0=100mm
の皮膜小片を引張った時の伸び率を%で示したものであ
る。可塑剤を使用するか否かは、浄化すべき構造物表面
1の状況に応じて選択すべきであり、可塑剤の添加が常
に剥離を容易化するとは限らない。
【0038】
【表3】
【0039】更に水溶液5に充填剤を添加することもで
きる。本発明に使用できる充填剤は硅砂、炭酸カルシウ
ム、クレー、フライアッシュ、高炉スラグ粉末、砂等よ
りなる群から選ばれる一種又は二種以上の物質であり、
特に好ましくは硅砂及び/又は炭酸カルシウムである。
充填剤の添加は皮膜17の構造物表面1に対する付着力を
弱める効果があり、充填剤の添加量の調整により皮膜17
の付着力を剥離容易な程度に調節できる。すなわち炭酸
カルシウムの添加により皮膜17の厚さを剥離容易な程度
に調節できる。充填剤添加により、構造物表面1の洗浄
に際し皮膜の剥離・回収作業の一層の効率化が図れる。
【0040】また必要に応じ、多層皮膜18の着色のた
め、適当な色素を水溶液5に添加することができる。
【0041】
【実施例】
[実施例1]ポリビニルアルコール(株式会社クラレ
製、商品名PVA-120)の15重量%水溶液5をコンクリー
ト表面に塗布した後、3時間放置し、基礎皮膜17aを形
成した。同じポリビニルアルコール水溶液5を基礎皮膜
17a上に再度塗布し、直ちにその上に繊維性補強部材15
として医療用ガーゼを1枚置き、更に同じポリビニルア
ルコール水溶液5を塗布してそのまま一昼夜放置して中
にガーゼを含んだポリビニルアルコールの多層皮膜18を
コンクリート表面に形成した。多層皮膜18の厚みは0.4m
mであった。この多層皮膜18は、ガーゼを含まないポリ
ビニルアルコール単体の皮膜に比して、途中で切れるこ
となくコンクリート表面から容易に剥離できた。
【0042】[実施例2]実施例1のポリビニルアルコ
ール水溶液5に可塑剤3としてグリセリンをポリビニル
アルコールに対し2重量%添加したものを用いた場合に
も、実施例1と同様の結果を得ることができた。
【0043】[実施例3]実施例1のポリビニルアルコ
ール水溶液5に代えエチレン・酢酸ビニル共重合体の水
エマルジョン(株式会社クラレ製、商品名パンフレック
スOM-28、重合体濃度56重量%)を用いて実施例1を繰
り返し、同様の結果を得ることができた。
【0044】[実施例4]図3及び4に、漆喰のスタッ
コ状仕上げからなる屋内壁面の汚れを洗浄する実施例を
示す。屋内漆喰仕上面の洗浄に従来の水使用洗浄機等を
用いたのでは、汚水の回収が困難なこと、漆喰自体が水
を吸って弱くなってしまうこと、汚れた水まで漆喰が吸
ってしまう虞があること等の問題が生じる。
【0045】漆喰のスタッコ状仕上げ面である図3(A)
の構造物表面1に、図3(B)に示すように皮膜形成ポリ
マー薄層16をローラ20で塗布し、これを1日乾燥させて
基礎皮膜17aを形成した。その後、図3(C)に示すよう
に基礎皮膜17a上へ皮膜形成ポリマー水溶液5をローラ2
0で塗布して中間皮膜17c用の皮膜形成ポリマー薄層16を
いわば中塗りとして設けた。
【0046】その中塗り薄層16上へ、補強部材15として
のガーゼを図3(D)に示すようにスタッコ仕上の窪んだ
部分まで入り込むように余裕を持たせて延ばしながら貼
り付けると共に、ガーゼが突っ張らないように注意しな
がら皮膜形成ポリマー薄層16をそのガーゼを濡らしつつ
重畳皮膜17bの形成のために塗布した。このガーゼ展設
の後1日乾燥させて、図4(A)に示す基礎皮膜17a、中
間皮膜17c、重畳皮膜17b及び補強部材15からなる四層構
造の多層皮膜18を生成させた。
【0047】乾燥後、多層皮膜18をスタッコ仕上面が傷
まないように注意深く図4(B)に示すようにゆっくり剥
がしたところ、多層皮膜18はしなやかで切れることがな
く多層構造を保ったまま容易に剥離することができた。
しかも、スタッコ仕上面上の汚れ物質を多層皮膜18の基
礎皮膜17aに吸い付かせて除去し、その面を期待通り浄
化することができた。
【0048】[実施例5]ポリビニルアルコール膜の靭
性に対するPVAの重合度の効果を調べるため、3種類のP
VA、すなわち重合度550、1,000、2,000の各PVAについて
実験を行った。実験結果を表4に示す。表4から分かる
ように、重合度の高いPVAを用いるとPVA水溶液5の粘性
が高くなり、その水溶液5の塗布により形成された薄層
16が厚くなり、剥離容易な皮膜17が生成できる。
【0049】図7は、表4の実験結果に基づく本発明の
更なる実施例を示す。重合度2,000でケン化度98〜99%
のポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名PV
A-120)150gを水850gに溶かして15重量%のPVA水溶液を
調製し、図7(A)及び(B)に示すように、調製した
水溶液5をこの場合コンクリート製の構造物表面に1,00
0g/m2の割合で塗布した。図7(C)に示すように、12
時間放置して乾燥させたのち皮膜17を容易に剥離するこ
とができ、構造物表面1上の異物8又は汚れ物質を皮膜
17と共に取り除くことができた。
【0050】
【表4】
【0051】[実施例6]重合度2,000でケン化度98〜9
9%のポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品
名PVA-120)150gを水850gに溶かして15重量%のPVA水溶
液を調製し、調製した水溶液5を凹凸のあるコンクリー
ト構造物表面に1,500g/m2の割合で塗布した。12時間放
置して乾燥させたのち皮膜17を容易に剥離することがで
き、構造物表面1上の異物8又は汚れ物質を皮膜17と共
に取り除くことができた。
【0052】本発明者等は、更なる実験の結果、重合度
1,000〜3,000のポリビニルアルコールの10〜30重量%水
溶液を塗布することにより、構造物表面1上に剥離容易
で且つ高靭性の皮膜17が生成できることを見出した。PV
Aの重合度が1,000より小さい場合は高靭性の皮膜17が得
られず、PVAの重合度が3,000より大きい場合は粘度が高
すぎて均一な塗布が難しくなる。
【0053】[実施例7]重合度1,700でケン化度98〜9
9%のポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品
名PVA-117)150gを水850gに溶かして15重量%のPVA水溶
液を調製し、調製した水溶液5をコンクリート構造物表
面に950g/m2の割合で塗布した場合にも、実施例5と同
様の洗浄効果を得ることができた。
【0054】[実施例8]重合度1,700でケン化度98〜9
9%のポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品
名PVA-117)170gを水850gに溶かして17重量%のPVA水溶
液を調製し、調製した水溶液5をコンクリート構造物表
面に1,000g/m2の割合で塗布した場合にも、実施例5と
同様の洗浄効果を得ることができた。
【0055】[実施例9]重合度1,700でケン化度97〜9
9%のポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品
名PVA-117)150gを水850gに溶かして15重量%のPVA水溶
液を調製し、調製した水溶液5をコンクリート構造物表
面に1,000g/m2の割合で塗布した場合にも、実施例5と
同様の洗浄効果を得ることができた。
【0056】[実施例10]重合度2,000でケン化度98
〜99%のポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商
品名PVA-120)150gを水750g及びエチルアルコール100g
に溶かして15重量%のPVA水溶液を調製し、調製した水
溶液5をコンクリート構造物表面に1,000g/m2の割合で
塗布した。10時間放置して乾燥させた皮膜17は容易に剥
離することができ、構造物表面1上の異物8又は汚れ物
質を皮膜17と共に取り除くことができた。
【0057】[実施例11]エチレン・酢酸ビニル共重
合体の水エマルジョン(株式会社クラレ製、商品名パン
フレックスOM-28)をコンクリート構造物表面に850g/m2
の割合で塗布した。12時間放置して乾燥させた皮膜17は
容易に剥離することができ、構造物表面1上の異物8又
は汚れ物質を皮膜17と共に取り除くことができた。
【0058】[実施例12]エチレン・酢酸ビニル共重
合体の水エマルジョン(株式会社クラレ製、商品名パン
フレックスOM-4200)をコンクリート構造物表面に700g/
m2の割合で塗布した場合にも、実施例11と同様の洗浄
効果を得ることができた。
【0059】[実施例13]エチレン・酢酸ビニル共重
合体の水エマルジョン(株式会社クラレ製、商品名パン
フレックスOM-5500)をコンクリート構造物表面に720g/
m2の割合で塗布した場合にも、実施例11と同様の洗浄
効果を得ることができた。
【0060】[実施例14]エチレン・酢酸ビニル共重
合体の水エマルジョン(株式会社クラレ製、商品名パン
フレックスOM-600)をコンクリート構造物表面に700g/m
2の割合で塗布した場合にも、実施例11と同様の洗浄
効果を得ることができた。
【0061】なお本発明で用いる多層皮膜18の形成に当
り、水溶液5に殺虫剤や防菌剤、芳香剤、漂白剤、界面
活性剤その他の薬品を混入し、多層皮膜18に殺菌作用を
付加することができる。例えばカビ、菌、藻類等が付着
した構造物表面1に、殺虫剤、防菌剤及び/又は芳香剤
が混入した本発明の水溶液5を塗布して基礎皮膜17aを
形成することにより、該基礎皮膜17aの剥離時に構造物
表面1上に存在し得る藻類等を併せて剥離し、表面1の
高度の浄化を行うことができる。また基礎皮膜17aから
浸出した殺虫剤及び防菌剤が構造物表面1に残留するの
で、基礎皮膜17aの剥離後においても構造物表面1への
藻類等の付着の防止が期待できる。
【0062】以上説明したように、本発明の構造物表面
の洗浄方法は、粘度が5,000〜100,000mPa・sであるPVA
水溶液による皮膜、又はこの皮膜と繊維性補強部材との
一体化による多層皮膜を用いるので、次の顕著な効果を
奏する。
【0063】(イ)剥離容易で且つ高靭性の皮膜が形成
できるので、皮膜の剥離・回収作業の容易化が図れる。 (ロ)繊維性補強部材との一体化により、 水溶性ポリマ
ーの皮膜が乾燥して脆弱化した場合でも、繊維性補強部
材との一体的剥離が可能であるから、皮膜の剥離・回収
作業の容易化が図れる。(ハ)構造物表面への水溶液の均一な塗布が可能であ
り、且つ 剥離容易な厚さの単層又は多層皮膜が形成でき
るので、塗布作業と剥離・回収作業とを共に効率化でき
る。(ニ) 構造物表面から剥離後の皮膜を温水に溶解して再
利用でき、焼却処分する場合にも有害ガスは発生しな
い。(ホ) 水溶液の取り扱いが簡単であり、作業員及び環境
に対する安全性が高い。(ヘ) 凹凸のある構造物表面をも確実に浄化することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の一実施例の説明図である。
【図2】は、本発明洗浄方法で使う多層皮膜を形成する
過程の説明図である。
【図3】は、漆喰スタッコ状仕上げ面を洗浄する過程の
一部の説明図である。
【図4】は、前記スタッコ状仕上げ面洗浄過程の後続部
分の説明図である。
【図5】は、従来の構造物表面の洗浄方法の一例の説明
図である。
【図6】は、図5の洗浄方法の流れ図の一例である。
【図7】は、本発明の他の実施例の説明図である。
【符号の説明】
1…構造物表面 2…皮膜形成ポリマー 2a…付着膜形成ポリマー 3…可塑剤 4…水 5…水溶液 5a…ポリマー溶液 6a…薄膜 7a…付着膜 8…異物 9…溶媒 10…構造物表面 10a、10b、10c…洗浄域 15…繊維性補強部材 16…薄層 17…皮膜 17a…基礎皮膜 17b…重畳皮膜 17c…中間皮膜 18…多層皮膜 20…ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 文慶 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿 島建設株式会社 技術研究所内 (72)発明者 小林 軍一 東京都港区元赤坂一丁目3番8号 鹿島 建設株式会社 東京支店内 (56)参考文献 特開 平7−185490(JP,A) 特開 平9−168771(JP,A) 特開 平8−19767(JP,A) 特開 平5−253555(JP,A) 特開 昭56−5174(JP,A)

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合度1,000〜3,000でケン化度90〜99モル
    %のポリビニルアルコールの濃度が10〜30重量%であっ
    て粘度が5,000〜100,000mPa・sである水溶液又は水エマ
    ルジョンを構造物の表面に薄層として塗布し、該薄層の
    乾燥により剥離性皮膜を形成し、前記表面の異物を前記
    皮膜に吸い付かせた後前記皮膜を前記表面から剥離して
    なる構造物表面の洗浄方法。
  2. 【請求項2】請求項1の洗浄方法において、前記皮膜を
    基礎皮膜とし、該基礎皮膜の外側に前記水溶液又は水エ
    マルジョンを塗布し且つ乾燥させて前記基礎皮膜と一体
    化する重畳皮膜を形成することにより基礎皮膜及び重畳
    皮膜からなる多層皮膜を生成させ、前記表面の異物を前
    記基礎皮膜に吸い付かせた後前記多層皮膜を前記表面
    ら剥離してなる構造物表面の洗浄方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2の洗浄方法において、前記
    皮膜を基礎皮膜とし、乾燥前の前記薄層上又は乾燥後の
    前記基礎皮膜上に繊維性補強部材を展設し、前記水溶液
    又は水エマルジョンを該補強部材の外側に該補強部材を
    濡らしながら塗布し且つ乾燥させて前記皮膜及び補強部
    材と一体化する重畳皮膜を形成することより多層皮膜を
    生成させ、前記表面の異物を前記基礎皮膜に吸い付かせ
    た後前記多層皮膜を前記表面から剥離してなる構造物表
    面の洗浄方法。
  4. 【請求項4】請求項3の洗浄方法において、乾燥前の前
    記薄層上又は乾燥後の前記基礎皮膜上に前記水溶液又は
    水エマルジョンを塗布して中間皮膜用の薄層とし、その
    中間皮膜用薄層上に前記補強部材を展設し、前記水溶液
    又は水エマルジョンを該補強部材の外側に該補強部材を
    濡らしながら塗布し且つ中間皮膜用の薄層と共に乾燥さ
    せて前記基礎皮膜、中間皮膜、重畳皮膜及び補強部材か
    らなる多層皮膜を生成させ、前記表面の異物を前記基礎
    皮膜に吸い付かせた後前記多層皮膜を前記表面から剥離
    してなる構造物表面の洗浄方法。
  5. 【請求項5】請求項3又は4の洗浄方法において、前記
    繊維性補強部材を前記水溶液又は水エマルジョンが浸透
    可能なシート部材としてなる構造物表面の洗浄方法。
  6. 【請求項6】請求項1の洗浄方法において、前記皮膜を
    基礎皮膜とし、乾燥前の前記薄層上又は乾燥後の前記基
    礎皮膜上に前記水溶液又は水エマルジョンに短繊維が混
    入された混入液を塗布し且つ乾燥させて前記基礎皮膜と
    一体化する重畳皮膜を形成することより多層皮膜を生成
    させ、前記表面の異物を前記基礎皮膜に吸い付かせた後
    前記多層皮膜を前記表面から剥離してなる構造物表面の
    洗浄方法。
  7. 【請求項7】請求項1の水溶液又は水エマルジョンに短
    繊維が混入された混入液の薄層を前記表面に塗布し、乾
    燥前の該薄層上又は乾燥後に形成される基礎皮膜上に前
    記混入液を塗布し且つ乾燥させて前記基礎皮膜と一体化
    する重畳皮膜を形成することより多層皮膜を生成させ、
    前記表面の異物を前記基礎皮膜に吸い付かせた後前記多
    層皮膜を前記表面から剥離してなる構造物表面の洗浄方
    法。
  8. 【請求項8】請求項1の水溶液又は水エマルジョンに短
    繊維が混入された混入液の薄層を構造物の表面に塗布
    し、乾燥前の該薄層上又は乾燥後に形成される基礎皮膜
    上に前記水溶液又は水エマルジョンを塗布し且つ乾燥さ
    せて前記基礎皮膜と一体化する重畳皮膜を形成すること
    より多層皮膜を生成させ、前記表面の異物を前記基礎皮
    膜に吸い付かせた後前記多層皮膜を前記表面から剥離し
    てなる構造物表面の洗浄方法。
  9. 【請求項9】請求項6、7、又は8の洗浄方法におい
    て、乾燥前の該薄層上又は乾燥後に形成される基礎皮膜
    上に繊維性補強部材を展設し、前記水溶液、水エマルジ
    ョン又は前記水溶液若しくは水エマルジョンに短繊維が
    混入された混入液を前記補強部材の外側に該補強部材を
    濡らしながら塗布し且つ乾燥させて前記基礎皮膜及び補
    強部材と一体化する重畳皮膜を形成することより多層皮
    膜を生成させ、前記表面の異物を前記基礎皮膜に吸い付
    かせた後前記多層皮膜を前記表面から剥離してなる構造
    物表面の洗浄方法。
  10. 【請求項10】請求項6、7、又は8の洗浄方法におい
    て、乾燥前の該薄層上又は乾燥後に形成される基礎皮膜
    上に前記水溶液、水エマルジョン又は前記水溶液若しく
    は水エマルジョンに短繊維が混入された混入液を塗布し
    て中間皮膜用の薄層とし、その中間皮膜用薄層上に繊維
    性補強部材を展設し、前記水溶液、水エマルジョン又は
    前記水溶液若しくは水エマルジョンに短繊維が混入され
    た混入液を該補強部材の外側に該補強部材を濡らしなが
    ら塗布し且つ中間皮膜用の薄層と共に乾燥させて前記基
    礎皮膜、中間皮膜、重畳皮膜及び補強部材からなる多層
    皮膜を生成させ、前記表面の異物を前記基礎皮膜に吸い
    付かせた後前記多層皮膜を前記表面から剥離してなる構
    造物表面の洗浄方法。
  11. 【請求項11】請求項1の水溶液、水エマルジョン又は
    前記水溶液若しくは水エマルジョンに短繊維が混入され
    た混入液の薄層を構造物の表面に1回以上塗布・乾燥し
    て1層以上の基礎皮膜を設け、さらに最外層の乾燥前の
    該薄層上又は乾燥後の該基礎皮膜上に前記水溶液、水エ
    マルジョン又は前記水溶液若しくは水エマルジョンに短
    繊維が混入された混入液を1回以上塗布・乾燥して前記
    基礎皮膜と一体化する1層以上の重畳皮膜を形成するこ
    とより多層皮膜を生成させ、前記表面の異物を前記基礎
    皮膜に吸い付かせた後前記多層皮膜を前記表面から剥離
    してなる構造物表面の洗浄方法。
  12. 【請求項12】請求項11の洗浄方法において、最外層
    の乾燥前の該薄層上又は乾燥後の該基礎皮膜上に繊維性
    補強部材を展設し、前記水溶液、水エマルジョン又は前
    記水溶液若しくは水エマルジョンに短繊維が混入された
    混入液を前記補強部材の外側に1回以上塗布・乾燥して
    前記基礎皮膜及び補強部材と一体化する1層以上の重畳
    皮膜を形成することより多層皮膜を生成させ、前記表面
    の異物を前記基礎皮膜に吸い付かせた後前記多層皮膜を
    前記表面から剥離してなる構造物表面の洗浄方法。
  13. 【請求項13】請求項11の洗浄方法において、前記基
    礎皮膜上に前記水溶液、水エマルジョン又は前記水溶液
    若しくは水エマルジョンに短繊維が混入された混入液を
    塗布して中間皮膜用の薄層とし、その中間皮膜用薄層上
    に繊維性補強部材を展設し、前記ポリマーの水溶液、水
    エマルジョン又は前記水溶液若しくは水エマルジョンに
    短繊維が混入された混入液を前記補強部材の外側に1回
    以上塗布・乾燥して前記基礎皮膜、中間皮膜及び補強部
    材と一体化する1層以上の重畳皮膜を形成することより
    多層皮膜を生成させ、前記表面の異物を前記基礎皮膜に
    吸い付かせた後前記多層皮膜を前記表面から剥離してな
    る構造物表面の洗浄方法。
  14. 【請求項14】請求項3、4、5、9、10、11、1
    3の何れかの洗浄方法において、前記繊維性補強部材を
    ガーゼ、不織布、プラスチックネット、及び/又はガラ
    ス繊維マットとしてなる構造物表面の洗浄方法。
  15. 【請求項15】請求項1〜14の何れかの洗浄方法にお
    いて、前記水溶液又は水エマルジョン中に可塑剤を混入
    してなる構造物表面の洗浄方法。
  16. 【請求項16】請求項15の洗浄方法において、前記可
    塑剤をグリセリン及び/又はプロピレングリコールとし
    てなる構造物表面の洗浄方法。
  17. 【請求項17】請求項1〜16の何れかの洗浄方法にお
    いて、前記水溶液又は水エマルジョン中に充填材を混入
    してなる構造物表面の洗浄方法。
  18. 【請求項18】請求項7〜13の何れかの洗浄方法にお
    いて、前記短繊維を木材パルプ、木綿、アクリル、ポリ
    エステル、絹、麻、プラスチック、及びガラス繊維から
    なる群のうちの一種以上のものとしてなる構造物表面の
    洗浄方法。
  19. 【請求項19】請求項17の洗浄方法において、前記充
    填材を硅砂、炭酸カルシウム、クレー、フライアッシ
    ュ、高炉スラグ粉末、砂よりなる群から選ばれる一種又
    は二種以上の物質としてなる構造物表面の洗浄方法。
JP10052553A 1997-03-14 1998-03-04 構造物表面の洗浄方法 Expired - Lifetime JP3107030B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10052553A JP3107030B2 (ja) 1997-03-14 1998-03-04 構造物表面の洗浄方法
US09/038,978 US6123777A (en) 1997-03-14 1998-03-12 Method for cleaning structural surface

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6129097 1997-03-14
JP973058365 1997-03-14
JP9-61290 1997-03-14
EP97305836A EP0864377B1 (en) 1997-03-14 1997-08-01 Method for cleaning structural surface
JP10052553A JP3107030B2 (ja) 1997-03-14 1998-03-04 構造物表面の洗浄方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10314688A JPH10314688A (ja) 1998-12-02
JP3107030B2 true JP3107030B2 (ja) 2000-11-06

Family

ID=27238650

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10052553A Expired - Lifetime JP3107030B2 (ja) 1997-03-14 1998-03-04 構造物表面の洗浄方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6123777A (ja)
JP (1) JP3107030B2 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2068196A3 (en) 1997-06-12 2009-06-24 Sharp Kabushiki Kaisha Vertically aligned (va) liquid crystal display device
TW200403344A (en) * 2002-06-18 2004-03-01 Kobe Steel Ltd Method of producing stainless steel by re-using waste material of stainless steel producing process
JP4608225B2 (ja) * 2004-03-26 2011-01-12 化研テック株式会社 汚染被着体の洗浄方法
WO2007100861A1 (en) * 2006-02-28 2007-09-07 Cellular Bioengineering, Inc. Polymer composition and method for removing contaminates from a substrate
WO2008157670A2 (en) * 2007-06-19 2008-12-24 Cellular Bioengineering, Inc. Method for protecting substrates and removing contaminants from such substrates
KR20100031505A (ko) * 2007-06-19 2010-03-22 셀룰라 바이오엔지니어링 인코포레이티드 미생물 및/또는 감염 인자를 처리하는 방법
US8585826B2 (en) * 2008-11-25 2013-11-19 3M Innovative Properties Company Apparatus and method for cleaning flexible webs
CN102326233B (zh) 2008-12-31 2013-11-20 3M创新有限公司 制备设备元件的方法以及所得的元件和设备
US20110097954A1 (en) * 2009-10-23 2011-04-28 Skudo Manufacturing Pty Ltd Peelable Coating
ITVE20110053A1 (it) * 2011-07-11 2013-01-12 Paolo Zabeo Metodologia d'intervento per la rimozione di scritte, graffiti, applicazioni varie di deposito superficiale di degrado naturale e non, su qualsiasi superficie, comprensiva dell'uso di un doppio telo di iuta con successive applicazioni e dell'uso di d
US9757603B2 (en) 2011-08-11 2017-09-12 Cbi Polymers, Inc. Polymer composition
JP5846997B2 (ja) * 2012-03-30 2016-01-20 鹿島建設株式会社 膜形成用組成物、表面洗浄方法、放射性物質除去方法、表面保護方法、及び膜
JP6433808B2 (ja) * 2015-02-18 2018-12-05 鹿島建設株式会社 構造物の構築方法、及び、岩盤の保護方法
JP6695749B2 (ja) 2016-06-30 2020-05-20 ライオン株式会社 清浄化用皮膜形成剤およびこれを用いた清浄化処理方法
DE102020108713A1 (de) * 2020-03-30 2021-09-30 Lufthansa Technik Aktiengesellschaft Verfahren zur Entfernung von Überzügen von Oberflächen
EP4190873A1 (en) 2020-07-27 2023-06-07 Hae Kwang Co., Ltd. Peelable paint composition

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5129733B2 (ja) * 1973-05-12 1976-08-27
US5188675A (en) * 1990-09-14 1993-02-23 Dormon Brailsford Michael I Paint system for removing paint
JP2823813B2 (ja) * 1994-05-06 1998-11-11 鹿島建設株式会社 剥離性ポリマー膜による壁面汚れの剥離方法

Also Published As

Publication number Publication date
US6123777A (en) 2000-09-26
JPH10314688A (ja) 1998-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3107030B2 (ja) 構造物表面の洗浄方法
US5779811A (en) Method for peeling off dirt from wall surface by using peelable polymer membrane
JP4976966B2 (ja) 壁画の剥ぎ取り方法
AU4490297A (en) Paint and stain remover in an abrasive applicator for hard surfaces
JP3337113B2 (ja) 構造物表面の保護方法
JP3952360B2 (ja) 構造物の表面保護方法
EP0864377B1 (en) Method for cleaning structural surface
JP6189902B2 (ja) 文化財の表面から白化した合成樹脂を除去する方法
JP2562031B2 (ja) 既存建造物の石綿含有耐火被覆材の粉塵化防止処理方法
KR20030093389A (ko) 초배지와 벽지 및 그의 제조방법
JP3135210B2 (ja) 構造物表面の養生方法
JP2007056450A (ja) タイル補強方法
JPH10245319A (ja) パック化粧用組成物
JP2855152B2 (ja) 無機繊維含有建材の粉塵化防止処理法及び無機繊維含有建材の剥離除去処理法
JPS5949390B2 (ja) 建築物の内外装として貼着した長尺床シ−トや壁シ−トなどの剥離方法
EP0268880A2 (en) Cleaning pad for the removal of sulfates from frescoed surfaces
JP3448715B2 (ja) 壁面表装材剥離工法
EP1799803B1 (de) Reinigungsverfahren unter verwendung von polyvinylacetat-dispersionen
JP5015578B2 (ja) 壁面下地処理用シート及び塗り壁材の施工方法
JP2007105688A (ja) 覆土代替材料
DE102012024709B4 (de) Vorrichtung zur Beseitigung von unerwünschten Flecken
JPH05253555A (ja) 膜構造材料の汚染除去方法
RU2098577C1 (ru) Способ удаления лакокрасочного покрытия с поверхностей преимущественно зданий и сооружений
GB2337759A (en) Paint stripping poultice system
JPH09168771A (ja) 膜構造材料の汚染除去方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120908

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150908

Year of fee payment: 15

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term