JP3337113B2 - 構造物表面の保護方法 - Google Patents

構造物表面の保護方法

Info

Publication number
JP3337113B2
JP3337113B2 JP19660396A JP19660396A JP3337113B2 JP 3337113 B2 JP3337113 B2 JP 3337113B2 JP 19660396 A JP19660396 A JP 19660396A JP 19660396 A JP19660396 A JP 19660396A JP 3337113 B2 JP3337113 B2 JP 3337113B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
aqueous solution
reinforcing member
polymer
protecting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP19660396A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1034102A (ja
Inventor
信夫 柵瀬
華子 永井
みのり 白川
文慶 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kajima Corp
Original Assignee
Kajima Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kajima Corp filed Critical Kajima Corp
Priority to JP19660396A priority Critical patent/JP3337113B2/ja
Publication of JPH1034102A publication Critical patent/JPH1034102A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3337113B2 publication Critical patent/JP3337113B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B08CLEANING
    • B08BCLEANING IN GENERAL; PREVENTION OF FOULING IN GENERAL
    • B08B7/00Cleaning by methods not provided for in a single other subclass or a single group in this subclass
    • B08B7/0014Cleaning by methods not provided for in a single other subclass or a single group in this subclass by incorporation in a layer which is removed with the contaminants

Landscapes

  • Cleaning In General (AREA)
  • Prevention Of Fouling (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は構造物表面の保護方法に
関し、とくに皮膜形成ポリマーの水溶液の塗布により構
造物表面に剥離可能な皮膜を形成して該構造物表面を保
護する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】構造物の建築工事や改築工事等におい
て、構造物表面(構造物の外側表面及び内側表面を含
む。以下同じ。)の先に仕上げた部分又は工事対象外部
分を汚れ物質の付着その他の損傷から守るため、従来
は、構造物表面の保護対象域に塩化ビニール製の保護フ
ィルムを接着剤や熱処理で接着させて保護している。し
かし従来の方法は、構造物表面の保護対象域の形状に合
わせて保護フィルムを裁断し且つ当該保護対象域の周縁
と保護フィルムとを密着させる必要があるので、保護対
象域が広い場合又は複雑な形状である場合は手間がかか
る。
【0003】この問題点を解決するため、本発明者は付
着膜形成ポリマー溶液の塗布による構造物表面の保護方
法を開発し、特願平7-002820号に構造物の順次仕上面保
護方法として開示した。図2及び図3の流れ図を参照し
て同発明を説明するに、部分毎に順次仕上げる構造物の
各部分の仕上げ時に(図3のステップ301、302)、剥離
可能な付着膜形成ポリマー2aを溶媒9に溶解したポリマ
ー溶液5aを当該部分の仕上面10aに薄膜6aとして塗布し
(ステップ303)、溶媒9の蒸発により薄膜6aを付着膜7
aとして当該部分の仕上面10aに剥離可能に付着させ、付
着膜7aにより当該部分の仕上面10aを保護する(ステッ
プ304)。図2(B)〜(D)はステップ301〜304の繰り返
しにより構造物の他の全ての仕上面10b、10cも付着膜7a
で被覆されることを示す(ステップ305、306)。図2
(E)は、構造物全体の仕上り後に、構造物の全ての部分
から付着膜7aを剥離することを示す(ステップ307)。こ
の構造物の順次仕上面保護方法は、広大な又は形状が複
雑な構造物表面に対しても、ポリマー溶液5aの刷毛塗り
又はスプレー吹き付け等により簡単に且つ短時間で被覆
をすることができるので、構造物表面の汚れ防止作業等
の手間の軽減が期待できる。付着膜形成ポリマー2aは例
えばポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロー
ス、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂及びポリビニルブチ
ラールからなる群のうちから選択した1以上のポリマー
とすることができ、溶媒9は水又は有機溶媒とすること
ができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記ポリマー付着膜
(以下、ポリマー皮膜ということがある。)による構造
物表面の保護方法は、塗布作業が容易であるだけでな
く、ポリマー溶液の取り扱い、ポリマー皮膜の剥離作
業、使用済み皮膜の処分等が何れも簡単であることが望
ましい。しかしポリマー溶液5aの溶媒9を有機溶媒とす
ると、塗布時に有害ガスや悪臭の発生又は引火等を防止
するための安全確認作業が不可欠となり、使用済み皮膜
の焼却処分時にも有害ガスの発生回避のため特別な処分
方法が要求される。即ち有機溶媒は取り扱いや処分が面
倒である。
【0005】この問題は溶媒9を水とすることで解決で
きる。しかし水溶性ポリマーの溶液の塗布により形成さ
れる皮膜は、水分を一定以上保持している間は柔軟性及
び強靭性を有するものの、水分が殆ど蒸発して乾燥が進
むと柔軟性を失い脆弱化する性質がある。脆弱化した皮
膜は、剥離のため力を加えると容易に破断するため剥離
作業に手間がかかる。また破断した皮膜が構造物周囲に
飛散するのでその回収及び清掃に手間がかかる。水溶性
ポリマーの皮膜の脆弱性に起因する問題を解決する技術
の開発が望まれている。
【0006】そこで本発明の目的は、剥離及び回収が容
易な水溶液ポリマー皮膜を用いた構造物表面の保護方法
を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】図1の実施例を参照する
に、本発明の構造物表面の保護方法は、皮膜形成ポリマ
ー2の水溶液5を構造物表面1の保護対象域に薄層16と
して塗布し乾燥させて基礎皮膜17aを形成し、該基礎皮
膜17a上に繊維性補強部材15を展設し、該補強部材15上
に水溶液5を薄層16として塗布し乾燥させて基礎皮膜17
a及び繊維性補強部材15と一体の重畳皮膜17bを形成し、
構造物表面1の保護期間経過後に基礎皮膜17aと繊維製
補強部材15と重畳皮膜17bとからなる多層皮膜18をその
まま構造物表面1から剥離してなるものである。
【0008】繊維性補強部材15として使用できるものの
一例は織布、紙等である。好ましくは図1(C)に示すよ
うに、繊維性補強部材15を皮膜形成ポリマー2の水溶液
5が浸透可能なシート部材とし、繊維維性補強部材15上
から塗布するポリマー水溶液5を繊維性補強部材15下の
基礎皮膜17aにまで浸透させて基礎皮膜17a及び繊維製補
強部材15と一体の重畳皮膜17bが形成できるように、水
との親和性の高い繊維性のもの及び/又は水との親和性
が小さくとも皮膜形成ポリマー2との一体化のために繊
維間の空隙の大きい網状のものとすることができる。そ
のようなシート部材としては、例えばガーゼ、不織布、
プラスチックネット、ガラス繊維マット等が好ましく使
用できる。更に繊維性補強部材15として木材パルプ、例
えば5〜10mmの短繊維等も用いることができ、この場合
には水分散物或いは皮膜形成ポリマー2の水溶液5に分
散させて実用に供するのが好ましい。
【0009】繊維性補強部材15の使用量、厚さは、皮膜
形成ポリマー2の皮膜の補強のために使用されるもので
あるため、ポリマー2の物性、多層皮膜18の厚さ、剥離
方法、施工個所等と共に繊維単体の強度、繊維層の強
度、繊維とポリマーの親和性等を勘案して最適値を決め
ることができる。
【0010】本発明で用いる皮膜形成ポリマー2は、水
溶性であって水4への溶解時に薄層16として塗布でき且
つ水4の蒸発後に構造物表面1に基礎皮膜17a及び重畳
皮膜17b(以下、両者を纏めて皮膜17ということがあ
る。)が形成されるポリマーであり、ポリビニルアルコ
ール(以下、PVAと表すことがある。)、エチレン・酢
酸ビニル共重合体、酢酸ビニル、カルボキシメチルセル
ロース、ポリビニアルアセテート等よりなる群から選ば
れる一種又は二種以上の物質である。好ましくはPVA及
び/又はエチレン・酢酸ビニル共重合体である。PVAは
例えば重合度500〜5000、好ましくは1000〜3000とし、
ケン化度が90〜99モル%のものとすることができる。エ
チレン・酢酸ビニル共重合体の濃度は構造物表面1の材
質、周囲の環境条件及び塗布方法等に応じて適宜選択可
能であるが、好ましくは40〜80重量%、特に50〜70重量
%とする。エチレン・酢酸ビニル共重合体における酢酸
ビニルの割合は98〜50モル%、好ましくは80〜60モル%
とする。更にポリマー2の物性を調節するため、アクリ
ル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、メタアク
リル酸エステル、塩化ビニル等との多元共重合体も使用
できる。
【0011】
【発明の実施の形態】水溶液5中の皮膜形成ポリマー2
の濃度は、皮膜17が形成できる範囲内であれば、構造物
表面1の材質、周囲の環境条件及び塗布方法等に応じて
選択できる。下記表1は、皮膜形成ポリマー2をPVAと
して5種類の濃度の水溶液5を調製し、各水溶液5をコ
ンクリート表面に塗布して皮膜17を形成させた実験結果
を示す。表1の第1欄及び第5欄に示すように、3重量
%の水溶液5では剥離可能な皮膜17が形成できず、70重
量%の水溶液5では薄層16としての塗布が難しく均一な
厚さの皮膜17は形成できなかった。他方、表1の第2〜
4欄は、5〜30重量%の水溶液5によりそれぞれ厚さの
異なる剥離可能な皮膜17が形成できることを示す。皮膜
17の厚さは水溶液5の粘性に対応し、PVAの濃度が低い
場合は水溶液5の粘性率が小さいために皮膜17が薄くな
り、PVAの濃度が高くなると水溶液5の粘性率が大きく
なり皮膜17が比較的厚くなる。水溶液5の粘性は例えば
塗布方法等に応じて適宜選択できる。表1の実験結果
は、皮膜形成ポリマー2をPVAとした場合に、水溶液5
の濃度を5〜30重量%の範囲内で選択可能であることを
示す。
【0012】
【表1】
【0013】なお表1の第6欄は、エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体の水エマルジョンを水溶液5としてコンクリ
ート表面へ塗布したときに、厚さ0.10mmの皮膜17が形成
されることを示す。表1の実験では、株式会社クラレ
製、商品名パンフレックスOM-28、重合体濃度56重量%
のエチレン・酢酸ビニル共重合体の水エマルジョンを使
用した。
【0014】図1(A)を参照するに、水溶液5は刷毛塗
り、ローラ塗り、吹き付け、しぼり出し等の塗布方法で
構造物表面1の保護対象域に塗布される。図1(B)は水
溶液5が薄層16として塗布された構造物表面1の保護対
象域を示す。薄層16中に含まれる水分は、自然乾燥では
数時間後に、また40〜60℃の温風乾燥では5〜10分後に
蒸発し、図1(C)に示すように構造物表面1に付着した
皮膜17aが形成される。この皮膜17aにより構造物表面1
を汚れ物質の付着や損傷から保護することができる。但
し、皮膜17aは一定以上の水分を保持している場合には
柔軟であって剥離が容易であるが、皮膜17aの乾燥が進
んだ場合には柔軟性を失って脆弱化し保護期間経過後の
剥離・回収が面倒になる。
【0015】本発明は、構造物表面1上に形成された皮
膜17a(図1(C))を基礎皮膜17aとし、その基礎皮膜17
a上に繊維性補強部材15を展設し、更に図1(D)に示す
ように補強部材15上に水溶液5を薄層16として塗布し乾
燥させて重畳皮膜17bを形成する。繊維性補強部材15は
ポリマー2と一体化可能であり、その一体化により皮膜
17に密着して該皮膜17に対し引裂き強さ等を与えるもの
である。即ち、繊維性補強部材15の一方の面が基礎皮膜
17aと密着し且つ他方の面が重畳皮膜17bと密着すること
により、基礎皮膜17aと補強部材15と重畳皮膜17bとが一
体となった多層皮膜18を形成する(図1(E)参照)。な
お図1(C)〜(D)の繰返しにより、補強部材15と重畳皮
膜17bを複数層有する多層皮膜18とすることができる。
図1(F)に示すように、多層皮膜18は構造物表面1から
そのまま剥離可能である。従来の脆弱化した皮膜17は剥
離時に破断してバラバラになり易いのに対し、本発明で
は皮膜17を補強部材15と一体的に剥離させるので、構造
物表面1の保護方法における皮膜の剥離・回収作業を容
易化できる。
【0016】また多層皮膜18は、水溶液5の塗布容易化
と皮膜17の剥離容易化とを同時に達成できる効果があ
る。即ち塗布容易化等の観点からは低粘性の水溶液5が
選択され、低粘性の水溶液5から形成される皮膜17は薄
くなる傾向がある。他方、皮膜17の剥離・回収容易化の
観点からは皮膜17に一定以上の強度即ち厚さが求められ
る。本発明は、塗布容易な水溶液5の重ね塗りにより重
畳皮膜18を剥離・回収容易な厚さとすることができる。
【0017】こうして本発明の目的である「剥離及び回
収が容易な水溶液ポリマー皮膜を用いた構造物表面の保
護方法」を提供することができる。
【0018】剥離後の多層皮膜18は、例えば温水への溶
解により汚れ物質及び繊維性補強部材15と分離して再利
用を図ることができ、環境汚染を生じない。使用後の塗
布用器具等も温水で洗浄でき、有機溶媒を必要としな
い。よって本発明の保護方法は作業員や環境に対して極
めて安全である。
【0019】なお本発明の保護方法は、ガラス、合成樹
脂、金属、タイル、陶器、木材、コンクリート、紙、ゴ
ム、繊維、石材、土材、しっくいなどで仕上げた構造物
表面1の保護に適用可能である。
【0020】本発明を実施するに当たって、皮膜形成ポ
リマー2と共に可塑剤3を混合させて使用することがで
きる。可塑剤3の併用により水溶液5の粘性率を下げ且
つ乾燥時の皮膜17に柔軟性を与えることができるので、
塗布作業と剥離・回収作業の効率化が図れる。可塑剤3
は水溶性であり且つ皮膜形成ポリマー2と相溶性がよい
物質であり、例えばグリセリン、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメ
チレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサ
メチレングリコール、2,3−ブタンジオール、1,3
−ブタンジオールよりなる群から選ばれる一種又は二種
以上の物質とすることができ、好ましくはグリセリン及
び/又はプロピレングリコールである。グリセリン及び
プロピレングリコールは化粧品の材料としても使用さ
れ、作業員や環境に対して安全な材料である。
【0021】下記表2は、可塑剤3添加の水溶液5をコ
ンクリート表面に塗布して皮膜17を形成させた実験結果
を示す。表1と表2の皮膜17の厚さの比較から分るよう
に、可塑剤3の添加により皮膜17の厚さを薄くすること
ができる。なお表2はポリマー2に対し1〜10重量%の
可塑剤3を添加する場合を示すが、本発明者の実験によ
れば、ポリマー2に対する可塑剤3の濃度は0.5〜15重
量%の範囲内で適宜選択できる。また下記表3は、可塑
剤3添加の皮膜17の柔軟性を調べるため、表2の第1欄
及び第2欄の皮膜17について引張試験を行なった結果を
示す。表3には、比較のため、可塑剤3無添加のPVA水
溶液から形成した皮膜17の引張試験結果をも示す。表3
から分るように、可塑剤3無添加の皮膜17に比し可塑剤
3添加の皮膜17は破断伸びが格段に大きい。即ち可塑剤
3添加の皮膜17は柔らかく、引き剥がす力に対して適当
に伸びて破断しないので、構造物表面1からの剥離が容
易である。可塑剤3添加の皮膜17と繊維性補強部材15と
により、構造物表面1の保護に際し皮膜の剥離・回収作
業の効率化が図れる。なお表3中の破断伸びは、長さL0
=100mmの皮膜小片を引張った時の伸び率を%で示した
ものである。
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】更に水溶液5に充填剤を添加することもで
きる。本発明に使用できる充填剤は硅砂、炭酸カルシウ
ム、クレー、フライアッシュ、高炉スラグ粉末、砂より
なる群から選ばれる一種又は二種以上の物質であり、特
に好ましくは硅砂及び/又は炭酸カルシウムである。充
填剤の添加は皮膜17の構造物表面1に対する付着力を弱
める効果があり、充填剤の添加量の調整により皮膜17の
付着力を剥離容易な程度に調節できる。すなわち炭酸カ
ルシウムの添加により皮膜17の厚さを剥離容易な程度に
調節できる。充填剤添加により、構造物表面1の保護に
際し皮膜の剥離・回収作業の一層の効率化が図れる。
【0025】
【実施例】
[実施例1]ポリビニルアルコール(株式会社クラレ
製、商品名PVA-120)の15重量%水溶液5をコンクリー
ト表面に塗布した後、3時間放置し、基礎皮膜17aを形
成した。同じポリビニルアルコール水溶液5を基礎皮膜
17a上に再度塗布し、直ちにその上に繊維性補強部材15
として医療用ガーゼを1枚置き、更に同じポリビニルア
ルコール水溶液5を塗布してそのまま一昼夜放置して中
にガーゼを含んだポリビニルアルコールの多層皮膜18を
コンクリート表面に形成した。多層皮膜18の厚みは0.4m
mであった。この多層皮膜18は、ガーゼを含まないポリ
ビニルアルコール単体の皮膜に比して、途中で切れるこ
となくコンクリート表面から容易に剥離できた。
【0026】[実施例2]実施例1のポリビニルアルコ
ール水溶液5に可塑剤3としてグリセリンをポリビニル
アルコールに対し2重量%添加したものを用いた場合に
も、実施例1と同様の結果を得ることができた。 [実施例3]実施例1のポリビニルアルコール水溶液5
に替えてエチレン・酢酸ビニル共重合体の水エマルジョ
ン(株式会社クラレ製、商品名パンフレックスOM-28、
重合体濃度56重量%)を用いて実施例1を繰り返し、同
様の結果を得ることができた。
【0027】なお本発明による多層皮膜18は、構造物表
面1を汚れ付着や損傷等から保護するだけでなく、水溶
液5の塗布前に構造物表面1に付着していた汚れ物質を
吸着し、構造物表面1から汚れ物質を剥離する浄化機能
をも備えている。この場合、水溶液5に殺虫剤や防菌
剤、芳香剤その他の薬品を混合し、多層皮膜18に殺菌作
用を付加することができる。例えばカビ、菌、藻類等が
付着した構造物表面1に、殺虫剤、防菌剤及び/又は芳
香剤が混合された本発明の水溶液5を塗布して基礎皮膜
17aを形成することにより、該基礎皮膜17aの剥離時に構
造物表面1上に存在し得る藻類等を併せて剥離し、表面
1の高度の浄化を行うことができる。また基礎皮膜17a
から浸出した殺虫剤及び防菌剤が構造物表面1に残留す
るので、基礎皮膜17aの剥離後においても構造物表面1
への藻類等の付着の防止が期待できる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の構造物表
面の保護方法は、水溶性ポリマーによる皮膜と繊維性補
強部材との一体化による多層皮膜を用いるので、次の顕
著な効果を奏する。
【0029】(イ)水溶性ポリマーの皮膜が乾燥して脆弱
化した場合でも、繊維性補強部材との一体的剥離が可能
であるから、皮膜の剥離・回収作業の容易化が図れる。 (ロ)塗布容易な低粘性の水溶液を用いて、剥離容易な厚
さの多層皮膜が形成できるので、塗布作業と剥離・回収
作業とを同時に効率化できる。 (ハ)構造物表面から剥離後の皮膜を温水に溶解して再利
用でき、焼却処分する場合にも有害ガスは発生しない。 (ニ)水溶液の取扱が簡単であり、作業員及び環境に対す
る安全性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の一実施例の説明図である。
【図2】は、従来の構造物表面の保護方法の一例の説明
図である。
【図3】は、図2の保護方法の流れ図の一例である。
【符号の説明】
1…構造物表面 2…皮膜形成ポリマー 2a…付着膜形成ポリマー 3…可塑剤 4…水 5…水溶液 5a…ポリマー溶液 6a…薄膜 7a…付着膜 9…溶媒 10…順次仕上面 15…繊維性補強部材 16…薄層 17…皮膜 17a…基礎皮膜 17b…重畳皮膜 18…多層皮膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 文慶 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿 島建設株式会社 技術研究所内 (56)参考文献 特開 平5−317801(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05D 5/00 B08B 17/00 - 17/04 E04G 21/30

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】皮膜形成ポリマーの水溶液を構造物表面の
    保護対象域に薄層として塗布し乾燥させて基礎皮膜を形
    成し、該基礎皮膜上に繊維性補強部材を展設し、該補強
    部材上に前記水溶液を薄層として塗布し乾燥させて前記
    基礎皮膜及び補強部材と一体の重畳皮膜を形成し、前記
    構造物表面の保護期間経過後に前記基礎皮膜と補強部材
    と重畳皮膜とからなる多層皮膜をそのまま前記構造物表
    面から剥離してなる構造物表面の保護方法。
  2. 【請求項2】請求項1の保護方法において、前記繊維性
    補強部材を前記水溶液が浸透可能なシート部材としてな
    る構造物表面の保護方法。
  3. 【請求項3】請求項1の保護方法において、前記繊維性
    補強部材を前記水溶液中に懸濁可能な短繊維としてなる
    構造物表面の保護方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3の何れかの保護方法におい
    て、前記皮膜形成ポリマーをポリビニルアルコール及び
    /又はエチレン・酢酸ビニル共重合体とし、前記水溶液
    中のポリビニルアルコールの濃度を5〜30重量%、エチ
    レン・酢酸ビニル共重合体の濃度を40〜80重量%として
    なる構造物表面の保護方法。
  5. 【請求項5】請求項4の保護方法において、前記水溶液
    中に可塑剤を混合させてなる構造物表面の保護方法。
  6. 【請求項6】請求項5の保護方法において、前記可塑剤
    をグリセリン及び/又はプロピレングリコールとしてな
    る構造物表面の保護方法。
  7. 【請求項7】請求項4〜6の何れかの保護方法におい
    て、前記水溶液中に充填材を混合させてなる構造物表面
    の保護方法。
JP19660396A 1996-07-25 1996-07-25 構造物表面の保護方法 Expired - Lifetime JP3337113B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19660396A JP3337113B2 (ja) 1996-07-25 1996-07-25 構造物表面の保護方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19660396A JP3337113B2 (ja) 1996-07-25 1996-07-25 構造物表面の保護方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1034102A JPH1034102A (ja) 1998-02-10
JP3337113B2 true JP3337113B2 (ja) 2002-10-21

Family

ID=16360503

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19660396A Expired - Lifetime JP3337113B2 (ja) 1996-07-25 1996-07-25 構造物表面の保護方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3337113B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ATE240792T1 (de) * 1997-03-14 2003-06-15 Kajima Corp Verfahren zum reinigen einer strukturellen oberfläche
JP5301171B2 (ja) * 2008-01-30 2013-09-25 東日本旅客鉄道株式会社 養生方法
JP5657420B2 (ja) * 2011-02-17 2015-01-21 大泰化工株式会社 塗膜の剥離方法及び塗膜剥離用マスキング材
JP2013177584A (ja) * 2012-02-07 2013-09-09 Nippon Soda Co Ltd 拭き取り可能な油汚れ防止用被覆剤
CN111687143B (zh) * 2020-05-20 2021-09-24 中国民用航空飞行学院 一种飞机蒙皮激光分层除漆的实时监测控制方法及系统

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1034102A (ja) 1998-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3107030B2 (ja) 構造物表面の洗浄方法
US5779811A (en) Method for peeling off dirt from wall surface by using peelable polymer membrane
JP3337113B2 (ja) 構造物表面の保護方法
EP2152816B1 (en) Paint remover
JP2006143867A (ja) 透湿性床養生用粘着シート
JP3952360B2 (ja) 構造物の表面保護方法
US4900364A (en) Paint removal system
EP0864377B1 (en) Method for cleaning structural surface
JP3135210B2 (ja) 構造物表面の養生方法
JP2001349060A (ja) 養生材、養生方法及び被覆材、並びに、養生用被覆体
JPS5949390B2 (ja) 建築物の内外装として貼着した長尺床シ−トや壁シ−トなどの剥離方法
JPH0469597B2 (ja)
EP1325199B1 (en) Protection process and apparatus
JP2007113271A (ja) 軟質エポキシ樹脂を用いたアスベスト飛散防止方法
GB2337759A (en) Paint stripping poultice system
EP1799803B1 (de) Reinigungsverfahren unter verwendung von polyvinylacetat-dispersionen
JP2013088131A (ja) 放射性物質除去用布帛及び、当該布帛を用いた放射性物質の除去方法
JP2847121B2 (ja) アスベスト施工層用の塗布剤
WO2002002699A1 (en) Method for removing paint using a barrier film
JPS58132059A (ja) 塗膜の除去方法
JP3467267B2 (ja) 木材燻蒸用被覆材
JP4083910B2 (ja) 掘削面の保護方法
JP3207105B2 (ja) コンクリート構造物の補修方法
JP3476393B2 (ja) 塩ビ壁紙下地の塗り替え施工方法
JPH05253555A (ja) 膜構造材料の汚染除去方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110809

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140809

Year of fee payment: 12

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term