JP2001210924A - 複合磁性成型物、電子部品、複合磁性組成物および製造方法 - Google Patents

複合磁性成型物、電子部品、複合磁性組成物および製造方法

Info

Publication number
JP2001210924A
JP2001210924A JP2000019044A JP2000019044A JP2001210924A JP 2001210924 A JP2001210924 A JP 2001210924A JP 2000019044 A JP2000019044 A JP 2000019044A JP 2000019044 A JP2000019044 A JP 2000019044A JP 2001210924 A JP2001210924 A JP 2001210924A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composite magnetic
molded product
resin
magnetic
ferrite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000019044A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisashi Kosara
恒 小更
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2000019044A priority Critical patent/JP2001210924A/ja
Publication of JP2001210924A publication Critical patent/JP2001210924A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Soft Magnetic Materials (AREA)
  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】透磁率の高い複合磁性成型物を提供する。 【解決手段】フェライト粉体1および有機絶縁樹脂2
は、互いに混ざりあっている。フェライト粉体1は、扁
平状フェライト粒子10を含み、扁平状フェライト粒子
10が、有機絶縁樹脂2中において、同一方向に配向さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合磁性成型物、
電子部品、複合磁性組成物および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】パソコンを始めとするデジタル機器で
は、データ転送速度、及び、処理速度の高速化に伴い、
信号が高周波化され、周波数自体も多周波化されつつあ
る。その結果として生じるノイズも、従来のMHz帯か
ら、GHz帯の周波数成分を含む領域まで、高周波化及
び広帯域化される方向にある。
【0003】上述したデジタル機器におけるノイズを吸
収する手段としては、従来より、低域通過型フィルタと
して動作する積層型ノイズ吸収素子が知られている。積
層型ノイズ吸収素子は、フェライトでなる磁性層の内部
に導体を埋設した構造を持ち、フェライトペーストと、
導体ペーストまたは金属箔とを、印刷技術または厚膜シ
ート積層法等によって積層することによって得られる。
【0004】このような積層型ノイズ吸収素子を構成す
る磁性基板としては、一般には、焼結フェライトを基板
状に成型したものが用いられる。しかしながら、フェラ
イト磁性材料では、磁気特性を示す透磁率μの周波数特
性が500MHz程度までしか伸びない。このため、焼
結フェライトを用いた場合、1GHz以上の高周波成分
を吸収できる高域阻止周波数特性を有するノイズ吸収素
子が得られない。
【0005】高域阻止周波数特性を改善する方法として
は、フェライト磁性粉や金属磁性粉等の磁性粉と有機絶
縁樹脂とを含む複合磁性材料によって、磁性基板を構成
することも提案されており、このような複合磁性材料を
用いて構成されたノイズ対策部品は、既に知られてい
る。
【0006】例えば、特開平10−270255号公報
には、絶縁基体がフェライト粉と絶縁樹脂とを混合した
複合材料によって構成された高周波チップビーズ素子が
開示されている。しかしながら、上記先行技術文献で
は、高透磁率を得るのに適したフェライト粉の粒形状ま
では言及していない。
【0007】また、特開平8−78798号公報には、
強磁性金属粉と絶縁樹脂とを混合した複合材料によって
構成された回路基板が開示されており、特開平10−9
7911号公報には、扁平状の軟磁性粉末と有機結合材
とからなる複合磁性体が開示されている。しかしなが
ら、金属磁性粉を用いた複合磁性材料では、絶縁性を確
保するために、金属磁性粉の表面を酸化処理し、高抵抗
膜を形成しなければならない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、透磁
率の高い複合磁性成型物を提供することである。
【0009】本発明のもう一つの課題は、1GHz以上
の高周波帯域において、優れたノイズ吸収特性を示す回
路基板および電子部品を提供することである。
【0010】本発明の更にもう一つの課題は、絶縁性に
関して信頼性の高い複合磁性成型物、回路基板および電
子部品を提供することである。
【0011】本発明の更にもう一つの課題は、複合磁性
成型物を得るのに適した複合磁性組成物を提供すること
である。
【0012】本発明の更にもう一つの課題は、複合磁性
成型物を得るのに適した製造方法を提供することであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】<複合磁性成型物>上述
した課題を解決するため、本発明に係る複合磁性成型物
は、フェライト粉体と、有機絶縁樹脂とを含む。前記フ
ェライト粉体および前記有機絶縁樹脂は、互いに混ざり
あっている。前記フェライト粉体は、扁平状フェライト
粒子を含み、前記扁平状フェライト粒子が、前記有機絶
縁樹脂中において、同一方向に配向されている。
【0014】上述したように、フェライト粉体は、扁平
状フェライト粒子を含み、扁平状フェライト粒子が、有
機絶縁樹脂中において、同一方向に配向されているか
ら、複合磁性成型物内で見た扁平状フェライト粒子相互
の反磁界係数は小さくなり、複合磁性成型物の実効透磁
率が大きくなる。
【0015】しかも、フェライト粒子を用いているか
ら、金属磁性粉を用いた場合と異なって、絶縁性を確保
するための表面処理を施すことなく、絶縁性に関して信
頼性の高い複合磁性成型物を得ることができる。
【0016】<複合磁性成型物の使用例>本発明に係る
複合磁性成型物は、例えば、回路基板に適用できる。こ
のような回路基板は、磁性絶縁基板と、導体膜とを含
む。導体膜は、磁性絶縁基板の少なくとも一面に設けら
れる。
【0017】上述したように、磁性絶縁基板は、フェラ
イト粉体と有機絶縁樹脂とが互いに混ざりあった複合磁
性成型物でなるから、導体膜に流れる電流に含まれる高
周波領域の不要な高周波成分を、磁性絶縁基板の吸収作
用によって確実に吸収できる。しかも、フェライト粉体
を用いた場合は、金属磁性粉を用いた場合よりも、高域
阻止周波数特性がブロードである。このため、強磁性金
属粉を用いた場合と比較して、阻止周波数領域がより広
くなる。また、フェライト粉体を用いているので、フェ
ライト粒子の残留損失を積極的に利用し、阻止周波数帯
域を拡大できる。フェライト粒子は多結晶体であり、強
磁性金属粉と比較して、広い周波数領域にわたって、残
留損失を発生する。
【0018】また、電子部品に流れる電流によって発生
する磁界の方向は、磁性絶縁基板内部の扁平状フェライ
ト粒子の配向方向と同一方向であるから、実効透磁率を
高くとれる。
【0019】本発明によれば、1GHz以上の高周波帯
域において吸収作用を生じ、それよりも低い周波数帯域
に属する信号は通過させる回路基板を得ることができ
る。
【0020】また、本発明に係る複合磁性成型物は、例
えば、電子部品にも適用できる。このような電子部品
は、磁性基体と、導体とを含む。前記導体は、前記磁性
基体に設けられている。
【0021】上述したように、磁性基体は、回路基板の
場合と同様に、フェライト粉体と有機絶縁樹脂とが互い
に混ざりあった複合磁性成型物でなるから、導体に流れ
る電流に含まれる高周波領域の不要な高周波成分を、磁
性基体の吸収作用によって確実に吸収できる。
【0022】また、導体の形成の仕方によっては、導体
に流れる電流によって発生する磁界の方向と、磁性基体
内部の扁平状フェライト粒子の配向方向とを一致させる
ことも可能となる。このようにすれば、磁性粒子間の反
磁界作用を低減させ、高い実効透磁率を確保することが
できる。
【0023】本発明に係る電子部品は、1GHz以上の
高周波帯域において吸収作用を生じ、それよりも低い周
波数帯域に属する信号は通過させる低域通過型フィルタ
として用いることができる。
【0024】<複合磁性組成物および製造方法>更に本
発明は、複合磁性成型物の製造方法、および、これに用
いる複合磁性組成物についても開示している。
【0025】本発明に係る複合磁性組成物は、フェライ
ト粉体と、有機絶縁樹脂とを含む。前記フェライト粉体
および前記有機絶縁樹脂は、互いに混ざりあっている。
前記フェライト粉体は、扁平状フェライト粒子を含む。
【0026】本発明に係る製造方法は、上記複合磁性組
成物を用い、前記有機絶縁樹脂中において、前記扁平状
フェライト粒子を同一方向に配向させる工程を含む。こ
のような複合磁性組成物を用いた製造方法によれば、本
発明に係る複合磁性成型物を製造することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】<扁平状フェライト粒子>図1は
本発明に係る複合磁性成型物に含まれる扁平状フェライ
ト粒子を模式的に示す図である。図1(a)は平面図、
図1(b)は正面図である。扁平状フェライト粒子は、
最大長径がdで、厚みがtの扁平形状である。扁平状フ
ェライト粒子の平面形状は不定形であり、図1(a)に
示した平面形状は一例に過ぎない。
【0028】図1に示した扁平状フェライト粒子は、最
大長径dが、1μm以上100μm以下の範囲にある。
更に、扁平率(d/t)は、3以上である。このような
扁平状フェライト粒子は、板状に成型された焼結フェラ
イトを粉砕処理することによって、容易に得られる。
【0029】扁平状フェライト粒子の具体例としては、
Ni/Zn系、Mn/Zn系、プラナー系またはNi/
Cu/Zn系のフェライトを挙げることができる。
【0030】<複合磁性成型物>図2は図1に示した扁
平状フェライト粒子を含む複合磁性成型物の要部拡大断
面図である。
【0031】図示された複合磁性成型物は、テープ状ま
たはシート状であって、フェライト粉体1と、有機絶縁
樹脂2とを含む。フェライト粉体1および有機絶縁樹脂
2は、互いに混ざりあっている。フェライト粉体1は、
扁平状フェライト粒子10を含み、扁平状フェライト粒
子10が、有機絶縁樹脂2の中において、同一方向aに
配向されている。扁平状フェライト粒子10と併存させ
る他のフェライト粒子については、図示しない。また、
その組成は、扁平状フェライト粒子10と同様の組成か
ら選択する。
【0032】図2は複合磁性成型物の構造を模式的に示
すものであって、扁平状フェライト粒子10の粒径、配
置および形状等を、図示の通りに特定するものではな
い。フェライト粉体1に対する有機絶縁樹脂2の厚み等
も同様である。
【0033】上述したように、フェライト粉体1に含ま
れる扁平状フェライト粒子10は、有機絶縁樹脂2の中
において、同一方向aに配向されている。この構成によ
れば、扁平状フェライト粒子10の扁平率を調整するこ
とによって、複合磁性成型物の透磁率を高くすることが
できる。
【0034】一般に、複合磁性成型物の実効透磁率を
μ、磁性粉の透磁率をμ、磁性粉の反磁界係数をN、磁
性粉の占有率をpとしたとき、μ、N及びpと、μとの
間には、F.ollendorfの式 が成り立つ。上掲のF.ollendorf式によれば、反磁界係
数Nが小さい程、実効透磁率μが大きくなることが解
る。反磁界係数Nは、磁性粒子の扁平率(d/t)が大
きくなる程、小さくなることが知られている。
【0035】このため、扁平状フェライト粒子10の扁
平率(d/t)が大きくなる程、扁平状フェライト粒子
10の反磁界係数Nは小さくなり、従って、複合磁性成
型物の実効透磁率を高くすることができる。
【0036】また、上記F.ollendorfの式によれば、磁
性粉の占有率pが大きい程、実効透磁率μが大きくなる
ことが解る。したがって、有機絶縁樹脂2に対するフェ
ライト粒子1の配合率が高い程、複合磁性成型物の実効
透磁率を高くすることができる。
【0037】しかも、フェライト粒子1を用いているか
ら、金属磁性粉を用いた場合と異なって、絶縁性を確保
するための表面処理を施すことなく、絶縁性に関して信
頼性の高い複合磁性成型物を得ることができる。
【0038】扁平状フェライト粒子10は、厚み方向の
面が、ほぼ同一方向を向くように配向されていることが
望ましい。これは、後述するように、ドクターブレード
法または射出成型法を用いて配向処理することによって
容易に実現できる。
【0039】扁平状フェライト粒子10の含有量は、フ
ェライト粉体1の全体に対する重量比で、50wt%以
上が好ましい。50wt%未満では、十分な透磁率が得
られないからである。更に好ましくは、90wt%以上
である。
【0040】有機絶縁樹脂2は、熱硬化性樹脂または熱
可塑性樹脂の何れを用いてもよい。熱硬化性樹脂の具体
例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、BT樹脂
またはPPE樹脂を挙げることができる。熱可塑性樹脂
の具体例としては、耐熱性に優れたPPS樹脂または液
晶ポリマーを挙げることができる。また、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、フッ素樹脂等を用いてもよいこと
は言うまでもない。これらの樹脂は、単独で用いること
もできるし、併用することもできる。
【0041】フェライト粉体1の含有量は、有機絶縁樹
脂2に対して30wt%以上90wt%以下の範囲が好
ましい。30wt%未満では、十分な磁気特性が得られ
ない。90wt%を超えると、有機絶縁樹脂2とフェラ
イト粉体1とを均一に混合することが困難になり、複合
磁性成型物の機械的強度が大幅に低下する。
【0042】図3〜図5は本発明に係る複合磁性成型物
の別の実施例を示す要部拡大断面図である。図におい
て、図2に示した構成部分と同一の構成部分には、同一
の参照符号を付してある。
【0043】図3に示した実施例の特徴は、有機絶縁樹
脂2の内部に、無機質成分3を含んでいることである。
無機質成分3の具体例としては、ガラスクロス、ガラス
不織布またはアラミド不織布等を挙げることができる。
これらの無機質成分は、補強材の役割を果たし、欠け、
クラック等のトラブルが発生するのを確実に防止する。
したがって、歩留りを著しく向上させることができ、コ
ストダウンに大きく寄与する。
【0044】図4に示した実施例の特徴は、図2に示し
た複合磁性成型物が厚み方向に複数枚だけ積層されてい
ることである。これによれば、積層数を調整することに
よって、必要な厚み寸法を有する複合磁性成型物を得る
ことができる。
【0045】図5に示した実施例の特徴は、図3に示し
た複合磁性成型物が厚み方向に複数枚だけ積層されてい
ることである。これによれば、積層数を調整することに
よって、必要な厚み寸法を有すると共に、図4に示した
実施例よりも機械的強度の強い複合磁性成型物を得るこ
とができる。
【0046】<複合磁性成型物の使用例>図6〜図9
は、本発明に係る複合磁性成型物が、回路基板の磁性絶
縁基板に適用された例を示している。このような回路基
板は、磁性絶縁基板4と、導体膜61、62とを含み、
電子部品(図示しない)を実装するために用いられる。
図において、図2〜図5に示した構成部分と同一の構成
部分には、同一の参照符号を付してある。
【0047】図6に示した回路基板は、磁性絶縁基板4
が図2に示した複合磁性成型物によって構成され、図7
に示した回路基板は、磁性絶縁基板4が図3に示した複
合磁性成型物によって構成され、図8に示した回路基板
は、磁性絶縁基板4が図4に示した複合磁性成型物によ
って構成され、図9に示した回路基板は、磁性絶縁基板
4が図5に示した複合磁性成型物によって構成されてい
る。また、図に示すように、何れの回路基板において
も、導体膜61、62は磁性絶縁基板4の両面に設けら
れている。
【0048】導体膜61、62は、電解銅箔を磁性絶縁
基板4の両面に加熱・加圧接着して形成することができ
る。導体膜61、62は、銅メッキによっても形成する
ことができる。
【0049】図示はしないが、導体膜61、62は必要
に応じて様々な形状にパターニングされる。また、導体
膜61、62は、必ずしも磁性絶縁基板4の両面に設け
られている必要はなく、片側だけであってもよい。
【0050】上述したように、何れの回路基板において
も、磁性絶縁基板4は、フェライト粉体と有機絶縁樹脂
とが互いに混ざりあった複合磁性成型物でなるから、電
子部品に流れる電流に含まれる高周波領域の不要な高周
波成分を、磁性絶縁基板4の吸収作用によって確実に吸
収できる。しかも、フェライト粉体を用いた場合は、金
属磁性粉を用いた場合よりも、高域阻止周波数特性がブ
ロードである。このため、強磁性金属粉を用いた場合と
比較して、阻止周波数領域がより広くなる。また、フェ
ライト粉体を用いているので、フェライト粒子の残留損
失を積極的に利用し、阻止周波数帯域を拡大できる。フ
ェライト粒子は多結晶体であり、強磁性金属粉と比較し
て、広い周波数領域にわたって、残留損失を発生する。
【0051】また、電子部品に流れる電流によって発生
する磁界の方向は、磁性絶縁基板4の内部の扁平状フェ
ライト粒子10の配向方向と同一方向であるから、実効
透磁率を高くとれる。
【0052】このため、本発明に係る回路基板は、1G
Hz以上の高周波帯域において吸収作用を生じ、それよ
りも低い周波数帯域に属する信号は通過させることがで
きる。
【0053】図10は本発明に係る複合磁性成型物の別
の使用例を示す部分破断斜視図、図11は図10に示し
た電子部品に含まれる導体を強調した斜視図、図12は
図10の12−12線に沿った拡大断面図である。図1
0〜図12では、本発明に係る複合磁性成型物が電子部
品の磁性基体5として用いられている例を示している。
【0054】本発明に係る電子部品には、コイル部品単
独、コンデンサもしくは抵抗等の受動回路素子と組合せ
た複合部品、または、これらと集積回路部品と組み合わ
せた混成集積回路部品等が含まれる。コイル備品単独の
用途例としては、インダクタ、トランス、ロータリート
ランス、ミキサートランス、もしくはモータ用ステータ
等の磁界発生手段があり、複合部品の用途例としては、
トラップ素子、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、
バンドパスフィルタ、イコライザまたはIFT等があ
り、混成集積回路としては、高集積度、高性能および超
小型のイコライザアンプ、DC/DCコンバータ、アク
ティブフィルタ等がある。
【0055】図10〜図12に示した電子部品は、磁性
基体5と、導体6とを含む。磁性基体5は、磁性層51
〜55が厚み方向に積層されて構成されている。積層さ
れる磁性層51〜55の数は、求められる磁性基体5の
厚みに応じて、任意に変更できる。
【0056】導体6は、磁性基体5に設けられている。
具体的には、導体6は、磁性基体5の長さ方向の一端か
ら他端に向かって、スパイラル状に形成されている。
【0057】このような導体6の形成手段としては、フ
ォトリソグラフィ工程およびエッチング工程等を含む高
精度パターン形成技術が適用される。この高精度パター
ン形成技術の適用により、例えば、線幅60μm、線間
スペース60μm、膜厚25μm程度のコイル導体が形
成される。
【0058】導体6が銅でなる場合、この後、導体6の
表面に、2μm程度の膜厚を有するNi膜、更にその上
に0.1μm程度の膜厚を有するAu膜を付着させ、酸
化防止膜とすることが好ましい。
【0059】また、図10〜図12に示した電子部品
は、端子電極71、72を含む。端子電極71は、磁性
基体5の長さ方向の一端側に備えられ、導体6の一端に
接続される。端子電極72は、磁性基体5の長さ方向の
他端側に備えられ、導体6の他端に接続される。
【0060】図10〜図12に示すように、電子部品
は、更に絶縁膜50を含む。絶縁膜50は、有機絶縁樹
脂等で構成され、磁性基体5の表面の内、端子電極7
1、72を除く部分を被覆している。この構造によれ
ば、絶縁基体5の欠け、クラック等を防止できると共
に、導体6の断線等も防止できる。
【0061】導体6に流れる電流によって発生する磁界
の方向は、磁性基体5の内部の扁平状フェライト粒子1
0の配向方向aと同一方向である。図12において、符
号Φ1、Φ2は、導体6に流れる電流によって発生する
磁束の流れを示している。
【0062】上述したように、磁性基体5は、回路基板
の磁性絶縁基板4(図6〜図9参照)の場合と同様に、
フェライト粉体と有機絶縁樹脂とが互いに混ざりあった
複合磁性成型物でなるから、導体6に流れる電流に含ま
れる高周波領域の不要な高周波成分を、磁性基体5の吸
収作用によって確実に吸収できる。しかも、フェライト
粉体を用いた場合は、金属磁性粉を用いた場合よりも、
高域阻止周波数特性がブロードである。このため、強磁
性金属粉を用いた場合と比較して、阻止周波数領域がよ
り広くなる。また、フェライト粉体を用いているので、
フェライト粒子の残留損失を積極的に利用し、阻止周波
数帯域を拡大できる。フェライト粒子は多結晶体であ
り、強磁性金属粉と比較して、広い周波数領域にわたっ
て、残留損失を発生する。
【0063】また、導体6の形成の仕方によっては、導
体6に流れる電流によって発生する磁界の方向と、磁性
基体5の内部の扁平状フェライト粒子10の配向方向と
を一致させることも可能となる。このようにすれば、実
効透磁率を高くとれる。
【0064】このため、本発明に係る電子部品は、1G
Hz以上の高周波帯域において吸収作用を生じ、それよ
りも低い周波数帯域に属する信号は通過させる低域通過
型フィルタとして用いることができる。
【0065】図13は本発明に係る電子部品の別の実施
例を示す拡大断面図である。図において、図12に示し
た構成部分と同一の構成部分には、同一の参照符号を付
してある。
【0066】この実施例の特徴は、更に、第2の磁性基
体56と、第3の磁性基体57とを含むことである。第
2の磁性基体56は、磁性基体5の層厚方向の一面側に
おいて、導体6を覆っている。第3の磁性基体57は、
磁性基体5の層厚方向の前記一面と対向する他面側にお
いて、導体6を覆っている。磁性基体5、第2の磁性基
体56および第3の磁性基体57は、加熱加圧接着する
ことによって、互いに結合される。
【0067】第2の磁性基体56は、磁性層561〜5
63が厚み方向に積層されて構成されており、第3の磁
性基体57は、磁性層571〜573が厚み方向に積層
されて構成されている。
【0068】このような構造によれば、磁束Φ1は、磁
性基体5の層厚方向に拡がるのを、第2の磁性基体56
によって抑えられ、磁束Φ2は、磁性基体5の層厚方向
に拡がるのを、第3の磁性基体57によって抑えられ、
閉磁路が構成される。このため、図12に示した実施例
に比べて、更に磁気効率が高くなり、高インピーダンス
化を実現できる。
【0069】次に、実測データを参照して、本発明に係
る複合磁性成型物が奏する効果について、より具体的に
説明する。
【0070】図14は扁平状フェライト粒子および球状
フェライト粒子の周波数−比透磁率特性の実測データを
比較して示した図である。図において、実線L11はNi
/Cu/Zn系の扁平状フェライト粒子の周波数−比透磁率特
性を表し、破線L12はNi/Cu/Zn系の球状フェライト粒
子の周波数−比透磁率特性を表す。
【0071】図14を参照すると、約700MHz以下
の周波数帯域では、扁平状フェライト粒子の方が球状フ
ェライト粒子よりも透磁率が高く、700MHz以上の
周波数帯域でも、扁平状フェライト粒子の透磁率は、球
状フェライト粒子の透磁率と比べて遜色ない値を示して
いることが分かる。
【0072】図15は本発明に係る複合磁性成型物の絶
縁特性の実測データを示す図である。図において、実線
L21は本発明に係る複合磁性成型物の絶縁特性であ
り、破線L22は金属磁性扁平粉を用いた複合磁性成型
物の絶縁特性である。
【0073】扁平状フェライト粒子は、Ni/Cu/Zn系フェ
ライトであり、金属磁性扁平粉は、Fe/Si/Crである。扁
平状フェライト粒子および金属磁性扁平粉の有機絶縁樹
脂に対する含有量は、何れも75wt%である。ただ
し、試験は、室温60℃、相対湿度90%、印加電圧5
Vの条件下で行った。
【0074】図15を参照すると、本発明に係る複合磁
性成型物では、200時間を過ぎると、体積抵抗が10
10Ω・cmとなるのに対し、金属磁性扁平粉を用いた複合
磁性成型物では、200時間を過ぎると、体積抵抗が1
9Ω・cmとなる。この結果からも、本発明に係る複合磁
性成型物は、金属磁性扁平粉を用いた複合磁性成型物に
比べて、絶縁特性が優れていることが分かる。
【0075】<複合磁性組成物>図16は本発明に係る
複合磁性組成物を模式的に示す図である。本発明に係る
複合磁性組成物は、フェライト粉体1と、有機絶縁樹脂
2とを含む。フェライト粉体1および有機絶縁樹脂2
は、互いに混ざりあっている。フェライト粉体1は、扁
平状フェライト粒子10を含む。
【0076】次に、複合磁性組成物を構成する材料およ
び製造方法について、2つのサンプルを例に挙げ、説明
する。
【0077】(a)サンプル1 (1)扁平状フェライト粒子の製造 作製方法としては、まず、フラックス法(特開昭61−
77626号公報、「日化誌1891 No.9」の1391P〜139
4P、特開昭60−89902号公報または特開昭60
−91699号公報参照)によって、板状ヘマタイトを
合成した後、焼成し、更に所定の大きさまで粉砕する方
法を用いた。具体的には、以下のような工程および材料
で検討を行った。
【0078】まず、Fe203が53mol%、Mn 0 が25mo1
%、Zn0が22mo1%となるように、酸化鉄Fe203と三酸
化マンガンMn203と酸化亜鉛ZnOとを水中で混合したもの
を脱水した後、フラックスとして硫酸ナトリウムNa2SO4
を118wt%加えて乾式混合する。次に、この混合物
を1150℃の窒素雰囲気中で焼成し、軽く粉砕した後
フラックスを洗浄する。これにより、扁平状フェライト
粒子10が得られる。得られた扁平状フェライト粒子1
0は、長径方向の平均粒径が20μmであり、扁平率が
5である。
【0079】(2)有機絶縁樹脂との混合 上記扁平状フェライト粒子10と有機絶縁樹脂2との混
合に当たっては、扁平状フェライト粒子10の含有量
が、有機絶縁樹脂2に対して80wt%となるように秤
量する。このとき、有機絶縁樹脂2としては、PPS樹
脂(呉羽化学W-202A)を用いる。その後、両者を加熱混
練し、ペレット状に成形された複合磁性組成物を得る。
【0080】(b)サンプル2 (1)扁平状フェライト粒子の製造 作成方法としては、一般的なフェライトグリーンシート
作製方法によりフェライトグリーンシートを作製した
後、シート状のまま焼成し、更に所定の大きさまで粉砕
する方法を用いた。具体的には、以下のような工程、材
料で検討を行った。
【0081】Fe203が64.33wt%、NiOが10.92wt%、
CuOが6.13wt%、ZnOが18.62wt%となるように酸化
鉄、酸化ニッケル、酸化銅、酸化亜鉛をボールミルを使
って水中で混合したものを乾燥後、750℃の空気中で
焼成する。
【0082】次に、この焼成物を水を溶媒としたボール
ミルで粉砕し、スプレードライヤーで乾燥し平均粒径
O.3μmの微粒フェライト粉を得る。更にその微粒フ
ェライト粉とPVB(ポリビニルブチラール:覆水化学
BH−3)との混合物を、トルエンと95変性メタノー
ルの混合溶液を溶媒とし、スチールポールをメディアと
したボールミルにて分散、混合させ、フェライト樹脂溶
液を作製する。
【0083】次に、そのフェライト樹脂溶液を、ドクタ
ーブレード法によってシート状に成型する。このとき得
られるフェライトシートは、乾燥後の厚みが5μmとな
るように考慮されている。
【0084】更に、このフェライトシートを900℃の
空気中で焼成した後、ライカイ機によって粉砕して扁平
状フェライト粒子10を得る。得られた扁平状フェライ
ト粒子10は、長径方向の平均粒径が20μmで、扁平
率が4である。
【0085】(2)有機絶縁樹脂との混合 上記扁平状フェライト粒子10と有機絶縁樹脂2とを混
合し、複合磁性組成物を得る。配合比率は、扁平状フェ
ライト粒子10を80wt%とし、有機絶縁樹脂2を2
0wt%とする。
【0086】このとき、有機絶縁樹脂2には、エポキシ
系樹脂を用いる。具体的には、多官能エポキシ樹脂とし
て、エピビス型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製
エピコート1001およびエピコート1007)をそれぞれ26.9
wt%ずつ含有し、ビスフェノールA型高分子エポキシ
樹脂(油化シェルエポキシ社製エピコート1225)を23.1
wt%含有し、特殊骨格を持つエポキシ樹脂として、テ
トラフェニロールエタン型エポキシ樹脂(油化シェルエ
ポキシ社製エピコート1031S)23.1wt%含有するもの
を主成分とし、硬化剤としてビスフェノールA型ノボラ
ック樹脂(油化シェルエポキシ社製YHL129B65)と、硬
化促進剤としてイミダゾール化合物(四国化成工業社製
2E4MZ)とを加えたものを使用する。
【0087】<複合磁性成型物の製造方法>本発明に係
る製造方法は、図16に示した複合磁性組成物を用い、
有機絶縁樹脂2の中において、扁平状フェライト粒子1
0を同一方向に配向させる工程を含む。その具体的手段
としては、ドクターブレード法または射出成型法などが
ある。
【0088】図17は複合磁性組成物を用いた製造方法
における配向処理工程を模式的に示す図である。ここで
は、塗布装置9を用いたドクターブレード法について説
明する。ドクターブレード法は、サンプル2の複合磁性
組成物に適している。
【0089】塗布装置9は、図17に示すように、供給
ロ−ラ91と、巻取ロ−ラ92と、塗布ヘッド93と、
補助ロ−ラ94、95とを含む。供給ロ−ラ91及び巻
取ロ−ラ92は、互いに間隔を隔てて配置されている。
供給ロ−ラ91には、可撓性支持フィルム90の一端側
が巻かれており、巻取ロ−ラ92には、可撓性支持フィ
ルム90の他端側が巻かれている。塗布ヘッド93は、
一方向bに走行する可撓性支持フィルム90の一面側に
複合磁性組成物8のペ−ストを塗布する。補助ロ−ラ9
4、95は、ペ−ストを塗布する面とは反対側の面にの
み接触するように配置されている。ただし、塗布ヘッド
93の開口部の最小寸法は、扁平状フェライト粒子の最
大長径d(図1参照)と略同一に設定されているものと
する。
【0090】まず、複合磁性組成物を、トルエンとME
Kとの混合溶液を溶媒とし、適量のスチールボールをメ
ディアとしたボールミルで分散、混合してフェライト混
合溶液8を作製する。次に、塗布装置9を用いて、この
フェライト混合溶液を可撓性支持フィルム90の上に塗
布して、厚さ約O.1mmのシート状の複合磁性成型物
(これをプリプレグと称する)を得る。
【0091】上述したように、塗布装置9は、塗布ヘッ
ド93の開口部の最小寸法が、扁平状フェライト粒子の
最大長径寸法と略同一に設定されているから、有機絶縁
樹脂2の中において、扁平状フェライト粒子を同一方向
に配向させることができ、本発明に係る複合磁性成型物
を製造することができる。
【0092】図示はしないが、図3または図5に示した
ガラスクロス入りプリプレグを製造する場合は、図17
に示した塗布装置9を用いて得られた厚さ約0.1mm
のプリプレグと、ガラスクロスとを、所定枚数だけ交互
に重ね合わせ、熱プレスする。
【0093】図18は複合磁性組成物を用いた製造方法
における別の配向処理工程を模式的に示す図である。こ
こでは、図17に示した塗布装置9とは異なる塗布装置
9を用いる。図において、図17に示した構成部分と同
一の構成部分には、同一の参照符号を付してある。
【0094】この塗布装置9は、塗布ヘッド93(図1
7参照)の代わりにディスペンサ96と、押し出しロ−
ラ971、972とを含む。
【0095】ディスペンサ96は、一方向bに走行する
可撓性支持フィルム90の一面側に配置され、開口部か
ら複合磁性組成物8のペ−ストを排出する。押し出しロ
−ラ971、972は、可撓性支持フィルム90とディ
スペンサ96との間にあって、互いに扁平状フェライト
粒子の最大長径寸法と略同じ間隔を隔てて配置されてい
る。ディスペンサ96から排出された複合磁性組成物8
のペ−ストは、押し出しロ−ラ971、972の間を通
過して、可撓性支持フィルム90の一面側に塗布され
る。
【0096】上述したように、押し出しロ−ラ971、
972は、互いに扁平状フェライト粒子の最大長径寸法
と略同じ間隔を隔てて配置されているから、有機絶縁樹
脂2の中において、扁平状フェライト粒子を同一方向に
配向させることができ、本発明に係る複合磁性成型物を
製造することができる。
【0097】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、次
のような効果を得ることができる。 (a)透磁率の高い複合磁性成型物を提供できる。 (b)1GHz以上の高周波帯域において、優れたノイ
ズ吸収特性を示す回路基板および電子部品を提供でき
る。 (c)絶縁性に関して信頼性の高い複合磁性成型物、回
路基板および電子部品を提供できる。 (d)複合磁性成型物を得るのに適した複合磁性組成物
を提供ができる。 (e)複合磁性成型物を得るのに適した製造方法を提供
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複合磁性成型物に含まれる扁平状
フェライト粒子を模式的に示す図である。
【図2】図1に示した扁平状フェライト粒子を含む複合
磁性成型物の要部拡大断面図である。
【図3】本発明に係る複合磁性成型物の別の実施例を示
す要部拡大断面図である。
【図4】本発明に係る複合磁性成型物の更に別の実施例
を示す要部拡大断面図である。
【図5】本発明に係る複合磁性成型物の更に別の実施例
を示す要部拡大断面図である。
【図6】本発明に係る複合磁性成型物の使用例を示す要
部拡大断面図である。
【図7】本発明に係る複合磁性成型物の別の使用例を示
す要部拡大断面図である。
【図8】本発明に係る複合磁性成型物の更に別の使用例
を示す要部拡大断面図である。
【図9】本発明に係る複合磁性成型物の更に別の使用例
を示す要部拡大断面図である。
【図10】本発明に係る電子部品を示す部分破断斜視図
である。
【図11】図10に示した電子部品に含まれる導体を強
調した斜視図である。
【図12】図10の12−12線に沿った拡大断面図で
ある。
【図13】本発明に係る電子部品の別の実施例を示す拡
大断面図である。
【図14】扁平状フェライト粒子および球状フェライト
粒子の周波数−比透磁率特性の実測データを比較して示
した図である。
【図15】扁平状フェライト粒子および扁平状金属磁性
粉の絶縁特性の実測データを比較して示した図である。
【図16】本発明に係る複合磁性組成物を模式的に示す
図である。
【図17】複合磁性組成物を用いた製造方法における配
向処理工程を模式的に示す図である。
【図18】複合磁性組成物を用いた製造方法における配
向処理工程を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 フェライト粉体 10 扁平状フェライト粒子 2 有機絶縁樹脂

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェライト粉体と、有機絶縁樹脂とを含
    む複合磁性成型物であって、 前記フェライト粉体および前記有機絶縁樹脂は、互いに
    混ざりあっており、 前記フェライト粉体は、扁平状フェライト粒子を含み、
    前記扁平状フェライト粒子が、前記有機絶縁樹脂中にお
    いて、同一方向に配向されている複合磁性成型物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された複合磁性成型物で
    あって、 前記扁平状フェライト粒子は、厚み方向の面が、ほぼ同
    一方向を向くように配向されている複合磁性成型物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の何れかに記載された
    複合磁性成型物であって、 前記扁平状フェライト粒子の少なくとも一部は、最大長
    径dが、1μm以上100μm以下の範囲にある複合磁
    性成型物。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載された複合磁性成型物で
    あって、 前記扁平状フェライト粒子の少なくとも一部は、最大長
    径dと厚みtとの比(d/t)が、3≦(d/t)の範
    囲にある複合磁性成型物。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の何れかに記載された複
    合磁性成型物であって、 前記扁平状フェライト粒子の含有量は、前記フェライト
    粉体の全体に対する重量比で、50wt%以上である複
    合磁性成型物。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5の何れかに記載された複
    合磁性成型物であって、 前記フェライト粉体は、Ni/Zn系、Mn/Zn系、
    プラナー系またはNi/Cu/Zn系のフェライトから
    選択された少なくとも一種を含む複合磁性成型物。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6の何れかに記載された複
    合磁性成型物であって、 前記フェライト粉体の含有量は、前記有機絶縁樹脂に対
    して30wt%〜90wt%の範囲である複合磁性成型
    物。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7の何れかに記載された複
    合磁性成型物であって、 前記有機絶縁樹脂は、熱硬化性樹脂でなる複合磁性成型
    物。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載された複合磁性成型物で
    あって、 前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、
    BT樹脂またはPPE樹脂から選択された少なくとも一
    種を含む複合磁性成型物。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至7の何れかに記載された
    複合磁性成型物であって、 前記有機絶縁樹脂は、熱可塑性樹脂でなる複合磁性成型
    物。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載された複合磁性成型
    物であって、 前記熱可塑性樹脂は、PPS樹脂または液晶ポリマーの
    少なくとも一種を含む複合磁性成型物。
  12. 【請求項12】 磁性絶縁基板と、導体膜とを含む回路
    基板であって、 前記磁性絶縁基板は、請求項1乃至11の何れかに記載
    された複合磁性成型物を含み、 前記導体膜は、前記磁性絶縁基板に設けられている回路
    基板。
  13. 【請求項13】 磁性基体と、導体とを含む電子部品で
    あって、 前記磁性基体は、請求項1乃至11の何れかに記載され
    た複合磁性成型物を含んでおり、 前記導体は、前記磁性基体に設けられている電子部品。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載された電子部品であ
    って、 前記磁性基体内部の前記扁平状フェライト粒子の配向方
    向は、前記導体に流れる電流によって発生する磁界の方
    向に合わせてある電子部品。
  15. 【請求項15】 フェライト粒子と、有機絶縁樹脂とを
    含む複合磁性組成物であって、 前記フェライト粉体および前記有機絶縁樹脂は、互いに
    混ざりあっており、 前記フェライト粉体は、扁平状フェライト粒子を含む複
    合磁性組成物。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載された複合磁性組成
    物であって、 前記扁平状フェライト粒子の含有量は、前記フェライト
    粉体の全体に対する重量比で、50wt%以上である複
    合磁性組成物。
  17. 【請求項17】 請求項15または16の何れかに記載
    された複合磁性組成物であって、 前記扁平状フェライト粒子の少なくとも一部は、最大長
    径dが、1μm以上100μm以下の範囲にある複合磁
    性組成物。
  18. 【請求項18】 請求項15乃至17の何れかに記載さ
    れた複合磁性組成物であって、 前記扁平状フェライト粒子の少なくとも一部は、最大長
    径dと厚みtとの比(d/t)が、3≦(d/t)の範
    囲にある複合磁性組成物。
  19. 【請求項19】 請求項15乃至18の何れかに記載さ
    れた複合磁性組成物であって、 前記フェライト粉体は、Ni/Zn系、Mn/Zn系、
    プラナー系またはNi/Cu/Zn系のフェライトから
    選択された少なくとも一種を含む複合磁性組成物。
  20. 【請求項20】 請求項15乃至19の何れかに記載さ
    れた複合磁性組成物であって、 前記フェライト粉体の含有量は、前記有機絶縁樹脂に対
    して30wt%〜90wt%の範囲である複合磁性組成
    物。
  21. 【請求項21】 請求項15乃至20の何れかに記載さ
    れた複合磁性組成物であって、 前記有機絶縁樹脂は、熱硬化性樹脂でなる複合磁性組成
    物。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載された複合磁性組成
    物であって、 前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、
    BT樹脂またはPPE樹脂から選択された少なくとも一
    種を含む複合磁性組成物。
  23. 【請求項23】 請求項15乃至20の何れかに記載さ
    れた複合磁性組成物であって、 前記有機絶縁樹脂は、熱可塑性樹脂でなる複合磁性組成
    物。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載された複合磁性組成
    物であって、 前記熱可塑性樹脂は、PPS樹脂または液晶ポリマーの
    少なくとも一種を含む複合磁性組成物。
  25. 【請求項25】 複合磁性組成物を用いた複合磁性成型
    物の製造方法であって、 前記複合磁性組成物は、請求項15乃至24に記載され
    た何れかでなり、 前記有機絶縁樹脂中において、前記扁平状フェライト粒
    子を同一方向に配向させる工程を含む方法。
  26. 【請求項26】 請求項25に記載された製造方法であ
    って、 前記工程には、ドクターブレード法が用いられる方法。
  27. 【請求項27】 請求項25に記載された製造方法であ
    って、 前記工程には、射出成型法が用いられる方法。
JP2000019044A 2000-01-27 2000-01-27 複合磁性成型物、電子部品、複合磁性組成物および製造方法 Withdrawn JP2001210924A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000019044A JP2001210924A (ja) 2000-01-27 2000-01-27 複合磁性成型物、電子部品、複合磁性組成物および製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000019044A JP2001210924A (ja) 2000-01-27 2000-01-27 複合磁性成型物、電子部品、複合磁性組成物および製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001210924A true JP2001210924A (ja) 2001-08-03

Family

ID=18545813

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000019044A Withdrawn JP2001210924A (ja) 2000-01-27 2000-01-27 複合磁性成型物、電子部品、複合磁性組成物および製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001210924A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006101031A1 (ja) * 2005-03-22 2006-09-28 Tohoku University 磁性体含有絶縁体およびそれを用いた回路基板ならびに電子機器
JP2007208026A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Univ Nihon 複合磁性シートおよびその製造方法
WO2009063834A1 (ja) * 2007-11-16 2009-05-22 Sony Corporation 磁性粉の製造方法、磁性シートの製造方法及びアンテナモジュールの製造方法
JP2009249673A (ja) * 2008-04-04 2009-10-29 Tohoku Univ 複合材料及びその製造方法
WO2010004996A1 (ja) * 2008-07-10 2010-01-14 アルプス電気株式会社 熱伝導性ノイズ抑制シート
JP2012502479A (ja) * 2008-09-04 2012-01-26 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 電磁干渉抑制ハイブリッドシート
WO2012140949A1 (ja) * 2011-04-11 2012-10-18 アルプス電気株式会社 コネクタ
WO2012140947A1 (ja) * 2011-04-11 2012-10-18 アルプス電気株式会社 コネクタ
WO2012140948A1 (ja) * 2011-04-11 2012-10-18 アルプス電気株式会社 コネクタ
JP2013051329A (ja) * 2011-08-31 2013-03-14 Toshiba Corp 磁性材料、磁性材料の製造方法および磁性材料を用いたインダクタ素子
FR3059141A1 (fr) * 2016-11-21 2018-05-25 Commissariat A L'energie Atomique Et Aux Energies Alternatives Materiau magnetique et son procede de fabrication

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006269134A (ja) * 2005-03-22 2006-10-05 Tohoku Univ 磁性体含有絶縁体およびそれを用いた回路基板ならびに電子機器
WO2006101031A1 (ja) * 2005-03-22 2006-09-28 Tohoku University 磁性体含有絶縁体およびそれを用いた回路基板ならびに電子機器
JP2007208026A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Univ Nihon 複合磁性シートおよびその製造方法
US8246849B2 (en) 2007-11-16 2012-08-21 Sony Corporation Magnetic powder production method
WO2009063834A1 (ja) * 2007-11-16 2009-05-22 Sony Corporation 磁性粉の製造方法、磁性シートの製造方法及びアンテナモジュールの製造方法
JP2009120454A (ja) * 2007-11-16 2009-06-04 Sony Corp 磁性粉の製造方法、磁性シートの製造方法及びアンテナモジュールの製造方法
JP2009249673A (ja) * 2008-04-04 2009-10-29 Tohoku Univ 複合材料及びその製造方法
WO2010004996A1 (ja) * 2008-07-10 2010-01-14 アルプス電気株式会社 熱伝導性ノイズ抑制シート
CN102089879A (zh) * 2008-07-10 2011-06-08 阿尔卑斯电气株式会社 热传导性噪声抑制片
JP2012502479A (ja) * 2008-09-04 2012-01-26 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 電磁干渉抑制ハイブリッドシート
WO2012140949A1 (ja) * 2011-04-11 2012-10-18 アルプス電気株式会社 コネクタ
WO2012140947A1 (ja) * 2011-04-11 2012-10-18 アルプス電気株式会社 コネクタ
WO2012140948A1 (ja) * 2011-04-11 2012-10-18 アルプス電気株式会社 コネクタ
JP2013051329A (ja) * 2011-08-31 2013-03-14 Toshiba Corp 磁性材料、磁性材料の製造方法および磁性材料を用いたインダクタ素子
FR3059141A1 (fr) * 2016-11-21 2018-05-25 Commissariat A L'energie Atomique Et Aux Energies Alternatives Materiau magnetique et son procede de fabrication
EP3330977A1 (fr) * 2016-11-21 2018-06-06 Commissariat à l'Energie Atomique et aux Energies Alternatives Matériau magnétique et son procédé de fabrication

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7060350B2 (en) Composite magnetic material and magnetic molding material, magnetic powder compression molding material, and magnetic paint using the composite magnetic material, composite dielectric material and molding material, powder compression molding material, paint, prepreg, and substrate using the composite dielectric material, and electronic part
KR100627114B1 (ko) 복합자성체, 전자파 흡수시트, 시트형상 물품의 제조방법,및 전자파 흡수시트의 제조방법
CN100409384C (zh) 电子部件用基板和电子部件
US6713162B2 (en) Electronic parts
US7821371B2 (en) Flat magnetic element and power IC package using the same
JP3985633B2 (ja) 低誘電正接絶縁材料を用いた高周波用電子部品
JP5574395B2 (ja) 複合材料及びその製造方法
JP2013140929A (ja) 共通モードフィルタ及びその製造方法
JP2001210924A (ja) 複合磁性成型物、電子部品、複合磁性組成物および製造方法
JP2001338813A (ja) 電子部品
JP2003297634A (ja) 電子部品
JP2006179901A (ja) 電磁波吸収シート
JP2001185426A (ja) ノイズ吸収素子
JP3546001B2 (ja) 電子部品
JP2001160509A (ja) 複合電子部品
JP2002305366A (ja) 積層基板および電子部品の製造方法、
JP2001313208A (ja) 複合磁性材料とこれを用いた磁性成形材料、圧粉磁性粉末成形材料、磁性塗料、プリプレグおよび磁性基板
JP2004350236A (ja) 帯域選択透過回路
KR100712836B1 (ko) 전자기파 간섭 차폐용 다층 필름 및 이를 포함하는회로기판
JP2001284118A (ja) フェライト粉及びフェライト粉製造方法
JP2004039703A (ja) 電磁波吸収シートおよびその製造方法
JP2004201333A (ja) バルントランス
JP3035479B2 (ja) 積層型インダクタンス素子
JP2004158879A (ja) インダクタ
JP2004207747A (ja) キャパシタ

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070403