JP2001210220A - 電界放射型電子源 - Google Patents

電界放射型電子源

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JP2001210220A JP2000016389A JP2000016389A JP2001210220A JP 2001210220 A JP2001210220 A JP 2001210220A JP 2000016389 A JP2000016389 A JP 2000016389A JP 2000016389 A JP2000016389 A JP 2000016389A JP 2001210220 A JP2001210220 A JP 2001210220A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来に比べて大きなエミッション電流が得られ
る電界放射型電子源を提供する。 【解決手段】ガラス基板よりなる絶縁性基板11の一表
面上に複数本の第1配線21がストライプ状に形成さ
れ、絶縁性基板11の上記一表面側に全ての第1配線2
1を覆うようにノンドープの多結晶シリコン層3が形成
され、多結晶シリコン層3のうち第1配線21に重複し
た領域において第1配線21から離間して、酸化した多
孔質多結晶シリコン層よりなる強電界ドリフト層6が形
成されている。各表面電極7は複数本の強電界ドリフト
層6と各強電界ドリフト層6間に介在する多結晶シリコ
ン層3とに跨る形で形成されている。各第1配線21
は、導電性層8と、該導電性層8に接し該導電性層8上
に形成された低抵抗の低抵抗半導体層たるn形多結晶シ
リコン層9とで構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界放射により電
子線を放射するようにした電界放射型電子源に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電界放射型電子源として、例
えば米国特許3665241号などに開示されているい
わゆるスピント(Spindt)型電極と呼ばれるものがあ
る。このスピント型電極は、微小な三角錐状のエミッタ
チップを多数配置した基板と、エミッタチップの先端部
を露出させる放射孔を有するとともにエミッタチップに
対して絶縁された形で配置されたゲート層とを備え、真
空中にてエミッタチップをゲート層に対して負極として
高電圧を印加することにより、エミッタチップの先端か
ら放射孔を通して電子線を放射するものである。
【0003】しかしながら、スピント型電極は、製造プ
ロセスが複雑であるとともに、多数の三角錐状のエミッ
タチップを精度良く構成することが難しく、例えば平面
発光装置やディスプレイなどへ応用する場合に大面積化
が難しいという問題があった。また、スピント型電極
は、電界がエミッタチップの先端に集中するので、エミ
ッタチップの先端の周りの真空度が低くて残留ガスが存
在するような場合、放射された電子によって残留ガスが
プラスイオンにイオン化され、プラスイオンがエミッタ
チップの先端に衝突するから、エミッタチップの先端が
ダメージ(例えば、イオン衝撃による損傷)を受け、放
射される電子の電流密度や効率などが不安定になった
り、エミッタチップの寿命が短くなってしまうという問
題が生じる。したがって、スピント型電極では、この種
の問題の発生を防ぐために、高真空(約10-5Pa〜約
10-6Pa)で使用する必要があり、コストが高くなる
とともに、取扱いが面倒になるという不具合があった。
【0004】この種の不具合を改善するために、MIM
(Metal Insulator Metal)方式やMOS(Metal Oxid
e Semiconductor)型の電界放射型電子源が提案されて
いる。前者は金属−絶縁膜−金属、後者は金属−酸化膜
−半導体の積層構造を有する平面型の電界放射型電子源
である。しかしながら、このタイプの電界放射型電子源
において電子の放射効率を高めるためには(多くの電子
を放射させるためには)、上記絶縁膜や上記酸化膜の膜
厚を薄くする必要があるが、上記絶縁膜や上記酸化膜の
膜厚を薄くしすぎると、上記積層構造の上下の電極間に
電圧を印加した時に絶縁破壊を起こす恐れがあり、この
ような絶縁破壊を防止するためには上記絶縁膜や上記酸
化膜の膜厚の薄膜化に制約があるので、電子の放出効率
(引き出し効率)をあまり高くできないという不具合が
あった。
【0005】また、近年では、特開平8−250766
号公報に開示されているように、シリコン基板などの単
結晶の半導体基板を用い、その半導体基板の一表面を陽
極酸化することにより多孔質半導体層(ポーラスシリコ
ン層)を形成して、その多孔質半導体層上に金属薄膜を
形成し、半導体基板と金属薄膜との間に電圧を印加して
電子を放射させるように構成した電界放射型電子源(半
導体冷電子放出素子)が提案されている。
【0006】しかしながら、上述の特開平8−2507
66号公報に記載の電界放射型電子源では、基板が半導
体基板に限られるので、大面積化やコストダウン化が難
しいという不具合がある。また、特開平8−25076
6号公報に記載の電界放射型電子源では電子放出時にい
わゆるポッピング現象が生じやすく、放出電子量にむら
が起こりやすいので、平面発光装置やディスプレイ装置
などに応用すると、発光むらができてしまうという不具
合がある。
【0007】そこで、多孔質多結晶半導体層(例えば、
多孔質化された多結晶シリコン層)を急速熱酸化(RT
O)技術によって急速熱酸化することによって、導電性
基板と金属薄膜(表面電極)との間に介在し導電性基板
から注入された電子がドリフトする強電界ドリフト層を
形成した電界放射型電子源が提案されている(例えば、
特許第2966842号、特許第2987140号参
照)。
【0008】この種の電界放射型電子源を利用したディ
スプレイ装置は、例えば図14に示すように電界放射型
電子源10の表面電極7に対向配置されるガラス基板3
3を備え、ガラス基板33の電界放射型電子源10と対
向する面には複数本のコレクタ電極31がストライプ状
に形成され、電界放射型電子源10から表面電極7を通
り抜けて放射される電子線によって可視光を発光する蛍
光体層32がコレクタ電極31を覆うように形成されて
いる。ここに、電界放射型電子源10は、導電性基板た
るn形シリコン基板1の主表面側に酸化した多孔質多結
晶シリコンよりなる強電界ドリフト層6が形成され、該
強電界ドリフト層6上に導電性薄膜よりなる複数本の表
面電極7がストライプ状に形成され、n形シリコン基板
1の裏面にオーミック電極2が形成されている。
【0009】このディスプレイ装置では、複数本の表面
電極7をストライプ状に形成するとともに、複数本のコ
レクタ電極31を表面電極7に直交する方向にストライ
プ状に形成し、コレクタ電極31および表面電極7を適
宜選択して電圧(電界)を印加することにより電圧を印
加した表面電極7からのみ電子が放出される。そして、
放出された電子は、当該電子が放出された表面電極7に
おいて対向するコレクタ電極31に電圧が印加されてい
る領域から放出された電子だけが加速され、該コレクタ
電極31を覆う蛍光体を光らせる。
【0010】要するに、図14に示す構成のディスプレ
イ装置では、特定の表面電極7と特定のコレクタ電極3
1とに電圧を印加することにより、蛍光体層32のうち
前記電圧が印加された両電極7,31の交差する領域に
対応する部分を光らせることができる。そして、電圧を
印加する表面電極7およびコレクタ電極31を適宜切り
替えることにより、画像や文字などを表示することが可
能になる。
【0011】ところで、上述の電界放射型電子源10で
は、電子放出特性の真空度依存性が小さく且つ電子放出
時にポッピング現象が発生せず安定して電子を高い電子
放出効率で放出することができる。ここにおいて、強電
界ドリフト層6は、図15に示すように、少なくとも、
柱状の多結晶シリコン51(グレイン)と、多結晶シリ
コン51の表面に形成された薄いシリコン酸化膜52
と、多結晶シリコン51間に介在するナノメータオーダ
の微結晶シリコン層63と、微結晶シリコン層63の表
面に形成され当該微結晶シリコン層63の結晶粒径より
も小さな膜厚の絶縁膜であるシリコン酸化膜64とから
構成されると考えられる。すなわち、強電界ドリフト層
6は、各グレインの表面が多孔質化し各グレインの中心
部分では結晶状態が維持されていると考えられる。した
がって、強電界ドリフト層6に印加された電界はほとん
どシリコン酸化膜64にかかるから、注入された電子は
シリコン酸化膜64にかかっている強電界により加速さ
れ多結晶シリコン51間を表面に向かって図15中の矢
印Aの向きへ(図15中の上方向へ向かって)ドリフト
するので、電子放出効率を向上させることができる。な
お、強電界ドリフト層6の表面に到達した電子はホット
エレクトロンであると考えられ、表面電極7を容易にト
ンネルし真空中に放出される。なお、表面電極7の膜厚
は10nmないし15nm程度に設定されている。
【0012】また、上記導電性基板としてn形シリコン
基板1などの半導体基板の代わりに、ガラス基板などの
絶縁性基板上に例えばITO膜よりなる導電性層を形成
した基板を使用すれば、電子源の大面積化および低コス
ト化が可能になる。
【0013】図16にガラス基板よりなる絶縁性基板1
1と該絶縁性基板11上に形成したITO膜よりなる導
電性層8とで構成した導電性基板を用いた電界放射型電
子源10を示す。すなわち、この電界放射型電子源10
は、図16に示すように、絶縁性基板11上に例えばI
TO膜よりなる導電性層8が形成され、導電性層8上に
強電界ドリフト層6が形成され、強電界ドリフト層6上
に金属薄膜よりなる表面電極7が形成されている。ここ
に、強電界ドリフト層6は、導電性層8上にノンドープ
の多結晶シリコン層を堆積させた後に、該多結晶シリコ
ン層を陽極酸化処理にて多孔質化し、さらに急速加熱法
によって酸化することにより形成されている。
【0014】図16に示した電界放射型電子源10で
は、表面電極7を真空中に配置するとともに図17に示
すように表面電極7に対向してコレクタ電極21を配置
し、表面電極7を導電性層8に対して正極として直流電
圧Vpsを印加するとともに、コレクタ電極21を表面電
極7に対して正極として直流電圧Vcを印加することに
より、導電性層8から注入された電子が強電界ドリフト
層6をドリフトし表面電極7を通り抜けて放出される
(なお、図17中の一点鎖線は表面電極7を通り抜けて
放出された電子e-の流れを示す)。ここにおいて、表
面電極7と導電性層8との間に流れる電流をダイオード
電流Ipsと称し、コレクタ電極21と表面電極7との間
に流れる電流を放出電子電流(エミッション電流)Ie
と称し、ダイオード電流Ipsに対する放出電子電流Ie
が大きい(Ie/Ipsが大きい)ほど電子放出効率が高
くなる。なお、この電界放射型電子源10では、表面電
極7と導電性層8との間に印加する直流電圧Vpsを10
〜20V程度の低電圧としても電子を放出させることが
できる。
【0015】また、図16に示した電界放射型電子源1
0をディスプレイ装置の電子源とし応用する場合には、
例えば図18に示す構成を採用すればよい。図18に示
す電界放射型電子源10の基本構成は図16に示す構成
と略同じであって、複数本の導電性層8をストライプ状
に形成するとともに複数本の表面電極7を導電性層8に
直交する方向にストライプ状に形成している点が相違す
るだけである。この図18に示す構成の電界放射型電子
源10では、複数本の第1配線たる導電性層8と複数本
の第2配線たる表面電極7とでマトリクスを構成してい
るので、導電性層8と表面電極7との組を適宜選択して
選択した組間に電圧を印加することにより、選択された
表面電極7と導電性層8との交差する領域(重複する領
域)のみ電子が放出される。したがって、図18に示す
構成の電界放射型電子源10を採用する場合には、図1
4に示すようなコレクタ電極31のパターニングは不要
となる(コレクタ電極31をストライプ状に形成する必
要がない)。
【0016】ところで、図18の絶縁性基板11を利用
した電界放射型電子源10における強電界ドリフト層6
は、導電性層8上にノンドープの多結晶シリコン層を堆
積させた後に、該多結晶シリコン層を陽極酸化処理にて
多孔質化し、さらに急速加熱法によって800℃から9
00℃の温度範囲で酸化させることにより形成されてい
るが、多孔質化した多結晶シリコン層を酸化する方法と
しては、例えば酸により酸化する方法や、酸素とオゾン
との少なくとも一方を含むガス雰囲気中で紫外線を照射
して酸化する方法なども提案されている。このように多
孔質化した多結晶シリコン層を酸により酸化する方法
や、多孔質化した多結晶シリコン層を酸素とオゾンとの
少なくとも一方を含むガス雰囲気中で紫外線を照射して
酸化する方法を採用することにより、絶縁性基板11と
して耐熱温度が石英ガラス基板に比べて低く価格が石英
ガラス基板に比べて安価なガラス基板(例えば、無アル
カリガラス基板、低アルカリガラス基板、ソーダライム
ガラス基板など)を用いることが可能となる。
【0017】なお、図18に示した電界放射型電子源1
0では、ノンドープの多結晶シリコン層を導電性層8に
達する深さまで多孔質化しているが、導電性層8に到達
しない深さまで多孔質化するようにしてもよく、後者の
場合には、導電性層8と強電界ドリフト層6との間に上
記多結晶シリコン層の一部が残ることになる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
図18に示した電界放射型電子源10では、導電性層8
上に多結晶シリコン層が残っている場合、第1配線たる
導電性層8と該導電性層8上の多結晶シリコン層との間
にショットキーバリアが形成されており該ショットキー
バリアで電圧降下が生じ、また、大面積化を図った場
合、大面積化にともなって各導電性層8および各表面電
極7それぞれの長手方向の寸法が長くなり、導電性層8
および表面電極7それぞれでの電圧降下が大きくなるの
で、必要な大きさのダイオード電流Ipsが得られず、所
望の大きさのエミッション電流Ieが得られないことが
あった。
【0019】本発明は上記事由に鑑みて為されたもので
あり、その目的は、従来に比べて大きなエミッション電
流が得られる電界放射型電子源を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
目的を達成するために、一表面上にストライプ状に形成
された複数本の第1配線を有する基板と、該基板の上記
一表面側で上記第1配線よりも上記基板から離れて形成
された酸化若しくは窒化した多孔質半導体層よりなる強
電界ドリフト層と、強電界ドリフト層上で上記第1配線
に交差する方向にストライプ状に形成された複数本の第
2配線とを備え、第2配線を第1配線に対して正極とし
て電圧を印加することにより第1配線から注入された電
子が強電界ドリフト層をドリフトし第2配線を通り抜け
て放出される電界放射型電子源であって、上記各第1配
線は、導電性層と該導電性層に接する低抵抗の低抵抗半
導体層とからなることを特徴とするものであり、第1配
線が導電性層と該導電性層に接する低抵抗半導体層とか
ら構成されているので、第1配線が導電性層のみにより
形成された従来の電界放射型電子源に比べて、第1配線
を比較的低コストで低抵抗化することができ、第1配線
の抵抗が従来に比べて小さくなることにより、従来に比
べてダイオード電流が大きくなり、結果としてエミッシ
ョン電流が大きくなる。また、導電性層に接する半導体
を低抵抗半導体層とすることで、導電性層に起因したシ
ョットキーバリアが薄くなり、トンネリングで電子を流
すことができて、導電性層と半導体との界面での電圧降
下を低減することができ、より大きなダイオード電流、
より大きなエミッション電流を得ることが可能になる。
【0021】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、上記各第1配線は、上記基板の上記一表面側で直線
状に形成された低抵抗半導体層と、上記第2配線に重複
しない領域で低抵抗半導体層上に形成された複数の導電
性層とからなるので、導電性層が第2配線に重複しない
から、導電性層の構成元素が第1配線と第2配線とが交
差する領域で拡散するのを防止することができ、熱的な
安定性が向上する。また、導電性層に接する半導体を低
抵抗半導体層とすることで、導電性層に起因したショッ
トキーバリアが薄くなり、トンネリングで電子を流すこ
とができ、導電性層と半導体との界面での電圧降下を低
減することができて、より大きなダイオード電流を得る
ことができ、より大きなエミッション電流を得ることが
できる。
【0022】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、上記各第1配線は、上記基板の上記一表面側で直線
状に形成された低抵抗半導体層と、上記第2配線に重複
しない領域で低抵抗半導体層と上記基板の一表面との間
に形成された複数の導電性層とからなるので、導電性層
が第2配線に重複しないから、導電性層の構成元素が第
1配線と第2配線とが交差する領域で拡散するのを防止
することができ、熱的な安定性が向上する。また、導電
性層に接する半導体を低抵抗半導体層とすることで、導
電性層に起因したショットキーバリアが薄くなり、トン
ネリングで電子を流すことができ、導電性層と半導体と
の界面での電圧降下を低減することができて、より大き
なダイオード電流を得ることができ、より大きなエミッ
ション電流を得ることができる。
【0023】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、上記各第1配線は、上記基板の上記一表面側で直線
状に形成された低抵抗半導体層と、同一面内で低抵抗半
導体層に隣接して直線状に形成された導電性層とからな
るので、強電界ドリフト層を低抵抗半導体層のみに重複
する領域に形成することで、導電性層が強電界ドリフト
層に重複しないようにできるから、導電性層に接する半
導体を低抵抗半導体層とすることで、導電性層に起因し
たショットキーバリアが薄くなり、トンネリングで電子
を流すことができ、導電性層と半導体との界面での電圧
降下を低減することができて、より大きなダイオード電
流を得ることができる。また、第1配線の厚さ寸法が厚
くなるのを防ぐことができ、第2配線の平坦性が損なわ
れるのを防ぐことができる。
【0024】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、上記導電性層と上記第2配線とが重複する領域にお
いて上記導電性層と上記第2配線との間の適宜位置に絶
縁層が設けられてなるので、クロストークを低減させる
ことができる。また、請求項4と同様、導電性層に接す
る半導体を低抵抗半導体層とすることで、導電性層に起
因したショットキーバリアが薄くなり、トンネリングで
電子を流すことができ、導電性層と半導体との界面での
電圧降下を低減することができる。
【0025】請求項6の発明は、請求項1の発明におい
て、上記各第1配線は、上記基板の上記一表面側で直線
状に形成された低抵抗半導体層と、上記第2配線に重複
しない領域において同一面内で低抵抗半導体層に隣接し
て形成された複数の導電性層とからなるので、導電性層
が第2配線に重複しないから、導電性層の構成元素が第
1配線と第2配線とが交差する領域で拡散するのを防止
することができて、熱的な安定性が向上する。さらに、
第1配線の厚さ寸法が厚くなるのを防ぐことができ、第
2配線の平坦性が損なわれるのを防ぐことができる。ま
た、導電性層に接する半導体を低抵抗半導体層とするこ
とで、導電性層に起因したショットキーバリアが薄くな
り、トンネリングで電子を流すことができ、導電性層と
半導体との界面での電圧降下を低減することができて、
より大きなダイオード電流を得ることができる。
【0026】請求項7の発明は、一表面上にストライプ
状に形成された複数本の第1配線を有する基板と、該基
板の上記一表面側で上記第1配線よりも上記基板から離
れて形成された酸化若しくは窒化した多孔質半導体層よ
りなる強電界ドリフト層と、強電界ドリフト層上で上記
第1配線に交差する方向にストライプ状に形成された複
数本の第2配線とを備え、第2配線を第1配線に対して
正極として電圧を印加することにより第1配線から注入
された電子が強電界ドリフト層をドリフトし第2配線を
通り抜けて放出される電界放射型電子源であって、上記
各第1配線は、導電性層と該導電性層に接するシリサイ
ド層とからなることを特徴とするものであり、第1配線
が導電性層と該導電性層に接するシリサイド層とから構
成されているので、第1配線が導電性層のみにより形成
された従来の電界放射型電子源に比べて、第1配線を比
較的低コストで低抵抗化することができ、第1配線の抵
抗が従来に比べて小さくなることにより、従来に比べて
ダイオード電流が大きくなり、結果としてエミッション
電流が大きくなる。また、導電性層にシリサイド層が接
していることにより、第1配線に起因して発生するショ
ットキーバリアを低くすることが可能になる。また、シ
リサイド層が導電性層の構成元素の拡散を防ぐので、熱
的に安定となる。
【0027】請求項8の発明は、請求項7の発明におい
て、上記各第1配線は、上記基板の上記一表面上に直線
状に形成されたシリサイド層と、上記第2配線に重複し
ない領域でシリサイド層上に形成された複数の導電性層
とからなるので、導電性層が第2配線に重複しないか
ら、導電性層の構成元素が第1配線と第2配線とが交差
する領域で拡散するのを防止することができ、シリサイ
ド層の構成元素は拡散しにくいので、熱的な安定性が向
上する。また、導電性層にシリサイド層が接しているこ
とにより、第1配線に起因して発生するショットキーバ
リアを低くすることが可能になり、より大きなダイオー
ド電流を得ることができて、より大きなエミッション電
流を得ることができる。
【0028】請求項9の発明は、請求項7の発明におい
て、上記各第1配線は、上記基板の上記一表面側で直線
状に形成されたシリサイド層と、上記第2配線に重複し
ない領域でシリサイド層と上記基板の上記一表面との間
に形成された複数の導電性層とからなるので、導電性層
が第2配線に重複しないから、導電性層の構成元素が第
1配線と第2配線とが交差する領域で拡散するのを防止
することができ、シリサイド層の構成元素は拡散しにく
く、熱的な安定性が向上する。また、導電性層上にシリ
サイド層が設けられていることで第1配線に起因して発
生するショットキーバリアを低くすることができ、より
大きなダイオード電流を得ることができて、より大きな
エミッション電流を得ることができる。
【0029】請求項10の発明は、請求項7の発明にお
いて、上記各第1配線は、上記基板の上記一表面上に直
線状に形成されたシリサイド層と、同一面内でシリサイ
ド層に隣接して直線状に形成された導電性層とからなる
ので、強電界ドリフト層をシリサイド層のみに重複する
領域に形成することで、導電性層が強電界ドリフト層に
重複しないようにできるから、第1配線の厚さ寸法が厚
くなるのを防ぐことができ、第2配線の平坦性が損なわ
れるのを防ぐことができる。また、導電性層にシリサイ
ド層が接していることにより、第1配線に起因して発生
するショットキーバリアを低くすることが可能になり、
より大きなダイオード電流を得ることができる。
【0030】請求項11の発明は、請求項10の発明に
おいて、上記導電性層と上記第2配線とが重複する領域
において上記導電性層と上記第2配線との間の適宜位置
に絶縁層が設けられてなるので、クロストークを低減さ
せることができる。また、導電性層にシリサイド層が接
していることにより、第1配線に起因して発生するショ
ットキーバリアを低くすることが可能になる。
【0031】請求項12の発明は、請求項7の発明にお
いて、上記各第1配線は、上記基板の上記一表面上に直
線状に形成されたシリサイド層と、上記第2配線に重複
しない領域において同一面内でシリサイド層に隣接して
形成された複数の導電性層とからなるので、導電性層が
第2配線に重複しないから、導電性層の構成元素が第1
配線と第2配線とが交差する領域で拡散するのを防止す
ることができるので、熱的な安定性が向上する。さら
に、第1配線の厚さ寸法が厚くなるのを防ぐことがで
き、第2配線の平坦性が損なわれるのを防ぐことができ
る。また、導電性層にシリサイド層が接していることに
より、第1配線に起因して発生するショットキーバリア
を低くすることが可能になり、より大きなダイオード電
流を得ることができる。
【0032】請求項13の発明は、請求項1〜請求項3
の発明において、上記低抵抗半導体層は、それぞれ抵抗
の異なる半導体層が厚み方向において積層された多層構
造を有し、導電性層に近い半導体層ほど抵抗が小さいの
で、電子放出効率が向上する。
【0033】請求項14の発明は、請求項1〜3の発明
において、上記低抵抗半導体層は、厚み方向に抵抗が連
続的に変化した層であって、導電性層に近づくほど抵抗
が小さいので、電子放出効率が向上する。
【0034】請求項15の発明は、請求項1〜6、1
3、14において、上記低抵抗半導体層と上記基板との
間で上記低抵抗半導体層に接するシリサイド層が設けら
れてなるので、第1配線と第2配線とが交差する領域で
の第1配線の抵抗を小さくすることができ、さらに大き
なダイオード電流を得ることができ、さらに大きなエミ
ッション電流を得ることができる。
【0035】請求項16の発明は、請求項1〜15の発
明において、上記強電界ドリフト層は、上記基板の上記
一表面に略直交して列設された柱状の半導体結晶と、半
導体結晶間に介在するナノメータオーダの半導体微結晶
と、半導体微結晶の表面に形成され当該半導体微結晶の
結晶粒径よりも小さな膜厚の絶縁膜とからなるので、強
電界ドリフト層では導電性層から注入された電子が半導
体微結晶に衝突せずに上記絶縁膜に印加されている電界
で加速されてドリフトし、強電界ドリフト層で発生した
熱が柱状の半導体結晶を通して放熱されるから、電子放
出時にポッピング現象が発生せず高効率で電子を放出す
ることができる。
【0036】請求項17の発明は、請求項1〜16の発
明において、上記半導体は、多結晶半導体よりなるの
で、大面積化が容易になる。
【0037】請求項18の発明は、請求項1〜17の発
明において、上記半導体は、シリコンよりなるので、シ
リコンプロセスを使用できる。
【0038】請求項19の発明は、請求項1〜18の発
明において、上記導電性層は、金属よりなるので、上記
導電性層の低抵抗化が容易になる。
【0039】
【発明の実施の形態】(実施形態1)本実施形態の電界
放射型電子源10は、図1に示すように、ガラス基板
(例えば、無アルカリガラス基板)よりなる絶縁性基板
11の一表面上に複数本の第1配線21がストライプ状
に形成され、絶縁性基板11の上記一表面側に全ての第
1配線21を覆うようにノンドープの多結晶シリコン層
3が形成され、多結晶シリコン層3のうち第1配線21
に重複した領域において第1配線21から離間して、酸
化した多孔質多結晶シリコン層よりなる強電界ドリフト
層6が形成されている。ここに、強電界ドリフト層6
は、多結晶シリコン層3のうち第1配線21に重複した
領域を、第1配線21を陽極酸化処理時の電極として利
用して所定深さまで多孔質化した後に該多孔質化した部
分を酸化することにより形成されており、多結晶シリコ
ン層3の最表面と強電界ドリフト層6の表面とは略面一
となっている。つまり、強電界ドリフト層6は、第1配
線21に平行な方向にストライプ状に形成されている。
さらに、電界放射型電子源10は、第1配線21に交差
する(直交する)方向に形成された複数本の第2配線た
る表面電極7を備えており、各表面電極7は複数本の強
電界ドリフト層6と各強電界ドリフト層6間に介在する
多結晶シリコン層3とに跨る形で形成されている。すな
わち、第1配線21と第2配線たる表面電極7とが交差
する領域では、絶縁性基板11上に第1配線21が形成
され、第1配線21上に多結晶シリコン層3が形成さ
れ、多結晶シリコン層3上に強電界ドリフト層6が形成
され、強電界ドリフト層6上に表面電極7が形成されて
おり、隣り合う強電界ドリフト層6間および隣り合う第
1配線21間は多結晶シリコン層3により絶縁分離され
ている。
【0040】ところで、本実施形態の電界放射型電子源
10の基本構成および基本動作は図18に示した従来構
成と略同じであって、各第1配線21が、導電性層8
と、該導電性層8に接し該導電性層8上に形成された低
抵抗の低抵抗半導体層たるn形多結晶シリコン層9とで
構成されている点に特徴がある。
【0041】なお、本実施形態では、導電性層8を金属
であるタングステン(W)により構成しているが、導電
性層8の材料はタングステンに限定されるものではな
く、タングステンの代わりに、銅(Cu)、アルミニウ
ム(Al)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、
クロム(Cr)、白金(Pt)、チタン(Ti)、コバ
ルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(T
a)、ハフニウム(Hf)、パラジウム(Pd)、バナ
ジウム(V)、ニオブ(Nb)、マンガン(Mn)、鉄
(Fe)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、レ
ニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(I
r)、金(Au)、銀(Ag)、シリコン(Si)など
を用いてもよく、また、これらの材料の複数種類を選択
し積層するようにしてもよいし、これらの材料のうちの
複数種類を合金化して堆積してもよい。また、導電性層
8としては、ITO、SnO2、ZnOなどの金属酸化
物(透明電極)を用いてもよいし、上記金属酸化物に上
記W以下Siまで列記している金属材料を適宜選択し積
層化したり、上記金属酸化物に上記金属材料の合金膜を
積層するようにしてもよい。
【0042】しかして、本実施形態では、第1配線21
が導電性層8と該導電性層8に接する低抵抗半導体層た
るn形多結晶シリコン層9とから構成されているので、
第1配線21が導電性層8のみにより形成された従来の
電界放射型電子源に比べて、第1配線21を比較的低コ
ストで低抵抗化することができ、第1配線21の抵抗が
従来に比べて小さくなることにより、従来に比べてダイ
オード電流Ipsが大きくなり、結果としてエミッション
電流Ieが大きくなる。また、導電性層8に接する半導
体を低抵抗半導体層たるn形多結晶シリコン層9とする
ことで、導電性層8に起因したショットキーバリアが薄
くなり、トンネリングで電子を流すことができ、導電性
層8と半導体との界面での電圧降下を低減することがで
きる。また、従来に比べて、ショットキーバリアの抵抗
による電圧降下を低減させることができ、このことによ
ってもダイオード電流Ipsが大きくなり、結果としてエ
ミッション電流Ieが大きくなって、電子放出効率が高
くなる。
【0043】また、本実施形態の電界放射型電子源10
は、特許第2966842号、特許第2987140号
に開示された電界放射型電子源と同様に、電子放出特性
の真空度依存性が小さく且つ電子放出時にポッピング現
象が発生せず安定して電子を放出することができる。し
たがって、強電界ドリフト層6は、従来例と同様、図1
5に示すように、少なくとも、柱状の多結晶シリコン5
1(グレイン)と、多結晶シリコン51の表面に形成さ
れた薄いシリコン酸化膜52と、多結晶シリコン51間
に介在するナノメータオーダの微結晶シリコン層63
と、微結晶シリコン層63の表面に形成され当該微結晶
シリコン層63の結晶粒径よりも小さな膜厚の絶縁膜で
あるシリコン酸化膜64とから構成されると考えられ
る。すなわち、強電界ドリフト層6は、各グレインの表
面が多孔質化し各グレインの中心部分では結晶状態が維
持されていると考えられる。
【0044】ところで、本実施形態では、強電界ドリフ
ト層6を酸化した多孔質多結晶シリコン層により構成し
ているが、強電界ドリフト層6を窒化した多孔質多結晶
シリコン層、あるいは、その他の酸化若しくは窒化した
多孔質多結晶半導体層により構成してもよい。また、本
実施形態では、低抵抗半導体層をn形多結晶シリコン層
9により構成しているが、p形多結晶シリコン層、ある
いは、その他の半導体層により構成してもよいし、それ
ぞれ抵抗(不純物濃度)の異なる半導体層が厚み方向に
積層された多層構造として導電性層8に近い半導体層ほ
ど抵抗が小さくなるように構成してもよいし、厚み方向
に抵抗(不純物濃度)が連続的に変化し導電性層8に近
づくほど抵抗が小さくなるような層としてもよい。
【0045】(実施形態2)本実施形態の電界放射型電
子源10の基本構成は実施形態1と略同じであって、図
2に示すように、各第1配線21が、絶縁性基板11の
上記一表面上に直線状に形成された低抵抗半導体層たる
n形多結晶シリコン層9と、第2配線たる表面電極7に
重複しない領域でn形多結晶シリコン層9上に形成され
た複数の導電性層8とから構成されている点に特徴があ
る。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号
を付して説明を省略する。
【0046】しかして、本実施形態では、実施形態1と
同様、第1配線21が導電性層8と該導電性層8に接す
る低抵抗半導体層たるn形多結晶シリコン層9とから構
成されているので、第1配線21が導電性層8のみによ
り形成された従来の電界放射型電子源に比べて、第1配
線21を比較的低コストで低抵抗化することができ、第
1配線21の抵抗が従来に比べて小さくなることによ
り、従来に比べてダイオード電流Ipsが大きくなり、結
果としてエミッション電流Ieが大きくなる。
【0047】しかも、本実施形態では、各第1配線21
が、絶縁性基板11の上記一表面上に直線状に形成され
たn形多結晶シリコン層9と、厚み方向において表面電
極7に重複しない領域でn形多結晶シリコン層9上に形
成された複数の導電性層8とで構成されているので、導
電性層8が厚み方向において表面電極7に重複しないか
ら、導電性層8の構成元素が第1配線21と第2配線た
る表面電極7とが交差する領域で拡散するのを防止する
ことができるので、熱的な安定性が向上する。また、導
電性層8に接する半導体を低抵抗半導体層たるn形多結
晶シリコン層9とすることで、導電性層8に起因したシ
ョットキーバリアが薄くなり、トンネリングで電子を流
すことができ、導電性層8と半導体との界面での電圧降
下を低減することができる。また、従来に比べて、ショ
ットキーバリアの抵抗による電圧降下を低減させること
ができ、より大きなダイオード電流Ipsを得ることがで
きて、より大きなエミッション電流Ieを得ることがで
きる。
【0048】(実施形態3)本実施形態の電界放射型電
子源10の基本構成は実施形態1と略同じであって、図
3に示すように、各第1配線21が、絶縁性基板11の
上記一表面側で平面形状が直線状に形成された低抵抗半
導体層たるn形多結晶シリコン層9と、第2配線たる表
面電極7に厚み方向において重複しない領域でn形多結
晶シリコン層9と絶縁性基板11の上記一表面との間に
形成された複数の導電性層8とで構成されている点に特
徴がある。ここにおいて、各導電性層8は面内で離間し
て形成されている。なお、実施形態1と同様の構成要素
には同一の符号を付して説明を省略する。
【0049】しかして、本実施形態では、本実施形態で
は、実施形態1と同様、第1配線21が導電性層8と該
導電性層8に接する低抵抗半導体層たるn形多結晶シリ
コン層9とから構成されているので、第1配線21が導
電性層8のみにより形成された従来の電界放射型電子源
に比べて、第1配線21を比較的低コストで低抵抗化す
ることができ、第1配線21の抵抗が従来に比べて小さ
くなることにより、従来に比べてダイオード電流Ipsが
大きくなり、結果としてエミッション電流Ieが大きく
なる。
【0050】しかも、本実施形態では、各第1配線21
が、絶縁性基板11の上記一表面側で直線状に形成され
たn形多結晶シリコン層9と、厚み方向において表面電
極7に重複しない領域でn形多結晶シリコン層9と絶縁
性基板11の上記一表面との間に形成された複数の導電
性層8とで構成されているので、導電性層8が厚み方向
において表面電極7に重複しないから、導電性層8上に
n形多結晶シリコン層9が形成されていることにより、
導電性層8に起因したショットキーバリアの高さを低く
することができる。さらに、導電性層8の構成元素が第
1配線21と第2配線たる表面電極7とが交差する領域
で拡散するのを防止することができるので、熱的な安定
性が向上する。また、導電性層8に接する半導体を低抵
抗半導体層たるn形多結晶シリコン層9とすることで、
導電性層8に起因したショットキーバリアが薄くなり、
トンネリングで電子を流すことができ、導電性層8と半
導体との界面での電圧降下を低減することができる。ま
た、従来に比べて、ショットキーバリアの抵抗による電
圧降下を低減させることができ、より大きなダイオード
電流Ipsを得ることができる。
【0051】(実施形態4)本実施形態の電界放射型電
子源10の基本構成は実施形態1と略同じであって、図
4に示すように、各第1配線21が、絶縁性基板11の
上記一表面上に直線状に形成された低抵抗半導体層たる
n形多結晶シリコン層9と、同一面内でn形多結晶シリ
コン層9に隣接して直線状に形成された導電性層8とか
らなる点に特徴がある。ここにおいて、各第1配線21
は、n形多結晶シリコン層9を導電性層8よりも幅広に
形成し、n形多結晶シリコン層9のみが厚み方向におい
て強電界ドリフト層6に重複するように配設されてお
り、導電性層8は、厚み方向において強電界ドリフト層
6には重複していない。なお、実施形態1と同様の構成
要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0052】しかして、本実施形態では、実施形態1と
同様、第1配線21が導電性層8と該導電性層8に接す
る低抵抗半導体層たるn形多結晶シリコン層9とから構
成されているので、第1配線21が導電性層8のみによ
り形成された従来の電界放射型電子源に比べて、第1配
線21を比較的低コストで低抵抗化することができ、第
1配線21の抵抗が従来に比べて小さくなることによ
り、従来に比べてダイオード電流Ipsが大きくなり、結
果としてエミッション電流Ieが大きくなる。
【0053】しかも、本実施形態では、各第1配線21
が、絶縁性基板11の上記一表面上に直線状に形成され
たn形多結晶シリコン層9と、同一面内でn形多結晶シ
リコン層9に隣接して直線状に形成された導電性層8と
で構成されているので、強電界ドリフト層6をn形多結
晶シリコン層9のみに重複する領域に形成することで、
導電性層8が厚み方向において強電界ドリフト層6に重
複しないようにできるから、第1配線21の厚さ寸法が
厚くなるのを防ぐことができ、第2配線たる表面電極7
の平坦性が損なわれるのを防ぐことができる。また、導
電性層8に接する半導体を低抵抗半導体層たるn形多結
晶シリコン層9とすることで、導電性層8に起因したシ
ョットキーバリアが薄くなり、トンネリングで電子を流
すことができ、導電性層8と半導体との界面での電圧降
下を低減することができる。また、従来に比べて、ショ
ットキーバリアの抵抗による電圧降下を低減させること
ができる、より大きなダイオード電流Ipsを得ることが
できる。
【0054】(実施形態5)本実施形態の電界放射型電
子源10の基本構成は実施形態4と略同じであって、図
5に示すように、多結晶シリコン層3において強電界ド
リフト層6が形成されていない領域上に絶縁層21が形
成されている点に特徴がある。すなわち、本実施形態で
は、導電性層8と第2配線たる表面電極7とが重複する
領域において導電性層8と表面電極7との間で多結晶シ
リコン層3上に絶縁層22が設けられている点に特徴が
ある。なお、実施形態4と同様の構成要素には同一の符
号を付して説明を省略する。
【0055】しかして、本実施形態では、実施形態4と
同様、第1配線21が導電性層8と該導電性層8に接す
る低抵抗半導体層たるn形多結晶シリコン層9とから構
成されているので、第1配線21が導電性層8のみによ
り形成された従来の電界放射型電子源に比べて、第1配
線21を比較的低コストで低抵抗化することができ、第
1配線21の抵抗が従来に比べて小さくなることによ
り、従来に比べてダイオード電流Ipsが大きくなり、結
果としてエミッション電流Ieが大きくなる。
【0056】しかも、本実施形態では、導電性層8と表
面電極7とが重複する領域において導電性層8と表面電
極7との間で多結晶シリコン層3上に絶縁層22が設け
られているので、クロストークを低減させることができ
る。また、導電性層8に接する半導体を低抵抗半導体層
たるn形多結晶シリコン層9とすることで、導電性層8
に起因したショットキーバリアが薄くなり、トンネリン
グで電子を流すことができ、導電性層8と半導体との界
面での電圧降下を低減することができる。また、従来に
比べて、ショットキーバリアの抵抗による電圧降下を低
減させることができる。
【0057】ところで、本実施形態では、絶縁層22を
多結晶シリコン層3の表面に形成しているが、絶縁層2
2は、導電性層8と多結晶シリコン層3との間、あるい
は、多結晶シリコン層3の内部に設けてもよい。
【0058】(実施形態6)本実施形態の電界放射型電
子源10の基本構成は実施形態1と略同じであって、図
6に示すように、各第1配線21が、絶縁性基板11の
上記一表面上に直線状に形成された低抵抗半導体層たる
n形多結晶シリコン層9と、厚み方向において第2配線
たる表面電極7に重複しない領域において同一面内でn
形多結晶シリコン層9に隣接して形成された複数の導電
性層8とで構成されている点に特徴がある。ここにおい
て、各第1配線21は、n形多結晶シリコン層9を導電
性層8よりも幅広に形成し、n形多結晶シリコン層9の
みが厚み方向において強電界ドリフト層6に重複するよ
うに配設されており、導電性層8は、厚み方向において
強電界ドリフト層6には重複していない。なお、実施形
態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省
略する。
【0059】しかして、本実施形態では、実施形態1と
同様、第1配線21が導電性層8と該導電性層8に接す
る低抵抗半導体層たるn形多結晶シリコン層9とから構
成されているので、第1配線21が導電性層8のみによ
り形成された従来の電界放射型電子源に比べて、第1配
線21を比較的低コストで低抵抗化することができ、第
1配線21の抵抗が従来に比べて小さくなることによ
り、従来に比べてダイオード電流Ipsが大きくなり、結
果としてエミッション電流Ieが大きくなる。
【0060】しかも、本実施形態では、各第1配線21
が、絶縁性基板11の上記一表面上に直線状に形成され
たn形多結晶シリコン層9と、表面電極7に重複しない
領域において同一面内でn形多結晶シリコン層9に隣接
して形成された複数の導電性層8とで構成されているの
で、導電性層8が表面電極7に重複しないから、導電性
層8の構成元素が第1配線21と表面電極7とが交差す
る領域で拡散するのを防止することができるので、熱的
な安定性が向上する。さらに、第1配線21の厚さ寸法
が厚くなるのを防ぐことができ、表面電極7の平坦性が
損なわれるのを防ぐことができる。また、導電性層8に
接する半導体を低抵抗半導体層たるn形多結晶シリコン
層9とすることで、導電性層8に起因したショットキー
バリアが薄くなり、トンネリングで電子を流すことがで
き、導電性層8と半導体との界面での電圧降下を低減す
ることができる。また、従来に比べて、ショットキーバ
リアの抵抗による電圧降下を低減させることができ、よ
り大きなダイオード電流Ipsを得ることができる。
【0061】(実施形態7)本実施形態の電界放射型電
子源10は、図7に示すように、ガラス基板(例えば、
無アルカリガラス基板)よりなる絶縁性基板11の一表
面上に複数本の第1配線21がストライプ状に形成さ
れ、絶縁性基板11の上記一表面側に全ての第1配線2
1を覆うようにノンドープの多結晶シリコン層3が形成
され、多結晶シリコン層3のうち第1配線21に重複し
た領域において第1配線21から離間して酸化した多孔
質多結晶シリコン層よりなる強電界ドリフト層6が形成
されている。ここに、強電界ドリフト層6は、多結晶シ
リコン層3のうち第1配線21に重複した領域を、第1
配線21を陽極酸化処理時の電極として利用して所定深
さまで多孔質化した後に該多孔質化した部分を酸化する
ことにより形成されており、多結晶シリコン層3の最表
面と強電界ドリフト層6の表面とは略面一となってい
る。つまり、強電界ドリフト層6は、第1配線21に平
行なストライプ状に形成されている。さらに、電界放射
型電子源10は、第1配線21に交差する(直交する)
方向に形成された複数本の第2配線たる表面電極7を備
えており、各表面電極7は複数本の強電界ドリフト層6
と各強電界ドリフト層6間に介在する多結晶シリコン層
3とに跨る形で形成されている。すなわち、第1配線2
1と第2配線たる表面電極7とが交差する領域では、絶
縁性基板11上に第1配線21が形成され、第1配線2
1上に多結晶シリコン層3が形成され、多結晶シリコン
層3上に強電界ドリフト層6が形成され、強電界ドリフ
ト層6上に表面電極7が形成されており、隣り合う強電
界ドリフト層6間および隣り合う第1配線21間は多結
晶シリコン層3により絶縁分離されている。
【0062】ところで、本実施形態の電界放射型電子源
10の基本構成および基本動作は図18に示した従来構
成と略同じであって、各第1配線21が、導電性層8
と、該導電性層8に接し該導電性層8上に形成されたシ
リサイド層19とで構成されている点に特徴がある。す
なわち、第1配線21と表面電極7とが交差する領域で
は、絶縁性基板11上に導電性層8が形成され、導電性
層8上にシリサイド層19が形成され、シリサイド層1
9上に多結晶シリコン層3が形成され、多結晶シリコン
層3上に強電界ドリフト層6が形成され、強電界ドリフ
ト層6上に表面電極7が形成されている。
【0063】なお、本実施形態では、導電性層8を金属
であるタングステン(W)により構成しているが、導電
性層8の材料はタングステンに限定されるものではな
く、タングステンの代わりに、銅(Cu)、アルミニウ
ム(Al)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、
クロム(Cr)、白金(Pt)、チタン(Ti)、コバ
ルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(T
a)、ハフニウム(Hf)、パラジウム(Pd)、バナ
ジウム(V)、ニオブ(Nb)、マンガン(Mn)、鉄
(Fe)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、レ
ニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(I
r)、金(Au)、銀(Ag)、シリコン(Si)など
を用いてもよく、また、これらの材料の複数種類を選択
し積層するようにしてもよいし、これらの材料のうちの
複数種類を合金化して堆積してもよい。また、導電性層
8としては、ITO、SnO2、ZnOなどの金属酸化
物(透明電極)を用いてもよいし、上記金属酸化物に上
記W以下Siまで列記している金属材料を適宜選択し積
層化したり、上記金属酸化物に上記金属材料の合金膜を
積層するようにしてもよい。
【0064】また、本実施形態では、シリサイド層19
をWSi2により構成しているが、シリサイド層19は
WSi2に限定されるものではなく、金属元素とSiと
の金属間化合物であればよく、金属元素としては、Wの
他に、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Z
r、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Hf、Ta、W、
Re、Os、Ir、Ptなどを用いればよく、また、シ
リサイド層19をシリサイド膜の多層構造により構成し
てもよい。
【0065】しかして、本実施形態では、第1配線21
が導電性層8と該導電性層8に接するシリサイド層19
とから構成されているので、第1配線21が導電性層8
のみにより形成された従来の電界放射型電子源に比べ
て、第1配線21を比較的低コストで低抵抗化すること
ができ、第1配線21の抵抗が従来に比べて小さくなる
ことにより、従来に比べてダイオード電流Ipsが大きく
なり、結果としてエミッション電流Ieが大きくなる。
また、導電性層8と多結晶シリコン層3との間にシリサ
イド層19が介在しているので、導電性層8に起因した
ショットキーバリアは導電性層8とシリサイド層19と
の間に形成されるから、導電性層8と多結晶シリコン層
3との間にショットキーバリアが形成される場合に比べ
てショットキーバリアの高さを低くすることができ、シ
ョットキーバリアでの電圧降下が低下するので、このこ
とによってもダイオード電流Ipsが大きくなり、結果と
してエミッション電流Ieが大きくなる。また、上述の
シリサイド層19が設けられていることで、導電性層8
(金属)と多結晶シリコン層3(半導体層)との界面に
生じる金属元素の多結晶シリコン層3への拡散による合
金化を抑えることができ、熱的な安定性が向上する。な
お、導電性層8とシリサイド層19との間にはほとんど
ショットキーバリアは存在せず、シリサイド層19と多
結晶シリコン層3との間にショットキーバリアが存在す
るが、当該ショットキーバリアの高さはシリサイド層1
9を設けなかった場合に導電性層8と多結晶シリコン層
3との間に形成されるショットキーバリアよりも低いの
で、ショットキーバリアにおける電圧降下の低減が可能
となる。また、シリサイド層19が導電性層8の構成元
素の拡散を防ぐので、熱的安定性が高くなる。
【0066】また、本実施形態の電界放射型電子源10
は、特許第2966842号、特許第2987140号
に開示された電界放射型電子源と同様に、電子放出特性
の真空度依存性が小さく且つ電子放出時にポッピング現
象が発生せず安定して電子を放出することができる。し
たがって、強電界ドリフト層6は、従来例と同様、図1
5に示すように、少なくとも、柱状の多結晶シリコン5
1(グレイン)と、多結晶シリコン51の表面に形成さ
れた薄いシリコン酸化膜52と、多結晶シリコン51間
に介在するナノメータオーダの微結晶シリコン層63
と、微結晶シリコン層63の表面に形成され当該微結晶
シリコン層63の結晶粒径よりも小さな膜厚の絶縁膜で
あるシリコン酸化膜64とから構成されると考えられ
る。すなわち、強電界ドリフト層6は、各グレインの表
面が多孔質化し各グレインの中心部分では結晶状態が維
持されていると考えられる。
【0067】ところで、本実施形態では、強電界ドリフ
ト層6を酸化した多孔質多結晶シリコン層により構成し
ているが、強電界ドリフト層6を窒化した多孔質多結晶
シリコン層、あるいは、その他の酸化若しくは窒化した
多孔質多結晶半導体層により構成してもよい。
【0068】(実施形態8)本実施形態の電界放射型電
子源10の基本構成は実施形態7と略同じであって、図
8に示すように、上記各第1配線が、上記基板の上記一
表面上に直線状に形成されたシリサイド層19と、上記
第2配線に重複しない領域でシリサイド層19上に形成
された複数の導電性層18とからなる点に特徴がある。
なお、実施形態7と同様の構成要素には同一の符号を付
して説明を省略する。
【0069】しかして、本実施形態では、実施形態7と
同様、第1配線21が導電性層8と該導電性層8に接す
るシリサイド層19とから構成されているので、第1配
線21が導電性層8のみにより形成された従来の電界放
射型電子源に比べて、第1配線21を比較的低コストで
低抵抗化することができ、第1配線21の抵抗が従来に
比べて小さくなることにより、従来に比べてダイオード
電流Ipsが大きくなり、結果としてエミッション電流I
eが大きくなる。また、導電性層8と多結晶シリコン層
3との間にシリサイド層19が介在しているので、導電
性層8に起因したショットキーバリアは導電性層8とシ
リサイド層19との間に形成されるから、導電性層8と
多結晶シリコン層3との間にショットキーバリアが形成
される場合に比べてショットキーバリアの高さを低くす
ることができ、ショットキーバリアでの電圧降下が低下
するので、このことによってもダイオード電流Ipsが大
きくなり、結果としてエミッション電流Ieが大きくな
る。
【0070】しかも、本実施形態では、各第1配線21
が、絶縁性基板11の上記一表面上に直線状に形成され
たシリサイド層19と、第2配線たる表面電極7に重複
しない領域でシリサイド層19上に形成された複数の導
電性層8とで構成されているので、導電性層8が厚み方
向において表面電極7に重複しないから、導電性層8の
構成元素が第1配線21と表面電極7とが交差する領域
で拡散するのを防止することができ、シリサイド層19
の構成元素は拡散しにくいので、熱的な安定性が向上す
る。また、上述のシリサイド層19が設けられているこ
とで、導電性層8(金属)と多結晶シリコン層3(半導
体層)との界面に生じる金属元素の多結晶シリコン層3
への拡散による合金化を抑えることができ、熱的な安定
性が向上する。なお、導電性層8とシリサイド層19と
の間にはほとんどショットキーバリアは存在せず、シリ
サイド層19と多結晶シリコン層3との間にショットキ
ーバリアが存在するが、当該ショットキーバリアの高さ
はシリサイド層19を設けなかった場合に導電性層8と
多結晶シリコン層3との間に形成されるショットキーバ
リアよりも低いので、ショットキーバリアにおける電圧
降下の低減が可能となり、より大きなダイオード電流I
psを得ることができ、より大きなエミッション電流Ie
を得ることができる。
【0071】(実施形態9)本実施形態の電界放射型電
子源10の基本構成は実施形態7と略同じであって、図
9に示すように、各第1配線21が、絶縁性基板11の
上記一表面側で平面形状が直線状に形成されたシリサイ
ド層19と、第2配線たる表面電極7に重複しない領域
でシリサイド層19と絶縁性基板11の上記一表面との
間に形成された複数の導電性層8とで構成されている点
に特徴がある。ここにおいて、各導電性層8は同一面内
で離間して形成されている。なお、実施形態7と同様の
構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0072】しかして、本実施形態では、実施形態7と
同様、第1配線21が、導電性層8と該導電性層8に接
するシリサイド層19とから構成されているので、第1
配線21が導電性層8のみにより形成された従来の電界
放射型電子源に比べて、第1配線21を比較的低コスト
で低抵抗化することができ、第1配線21の抵抗が従来
に比べて小さくなることにより、従来に比べてダイオー
ド電流Ipsが大きくなり、結果としてエミッション電流
Ieが大きくなる。また、導電性層8と多結晶シリコン
層3との間にシリサイド層19が介在しているので、導
電性層8に起因したショットキーバリアは導電性層8と
シリサイド層19との間に形成されるから、導電性層8
と多結晶シリコン層3との間にショットキーバリアが形
成される場合に比べてショットキーバリアの高さを低く
することができ、ショットキーバリアでの電圧降下が低
下するので、このことによってもダイオード電流Ipsが
大きくなり、結果としてエミッション電流Ieが大きく
なる。
【0073】しかも、本実施形態では、各第1配線21
が、絶縁性基板11の上記一表面側で直線状に形成され
たシリサイド層19と、表面電極7に厚み方向において
重複しない領域でシリサイド層19と絶縁性基板11の
上記一表面との間に形成された複数の導電性層8とで構
成されているので、導電性層8が表面電極7に重複しな
いから、導電性層8上にシリサイド層19が形成されて
いることにより、導電性層8に起因したショットキーバ
リアの高さを低くすることができる。さらに、導電性層
8の構成元素が第1配線21と表面電極7とが交差する
領域で多結晶シリコン層3へ拡散するのを防止すること
ができるので、熱的な安定性が向上する。また、上述の
シリサイド層19が設けられていることで、導電性層8
(金属)と多結晶シリコン層3(半導体層)との界面に
生じる金属元素の多結晶シリコン層3への拡散による合
金化を抑えることができ、熱的な安定性が向上する。な
お、導電性層8とシリサイド層19との間にはほとんど
ショットキーバリアは存在せず、シリサイド層19と多
結晶シリコン層3との間にショットキーバリアが存在す
るが、当該ショットキーバリアの高さはシリサイド層1
9を設けなかった場合に導電性層8と多結晶シリコン層
3との間に形成されるショットキーバリアよりも低いの
で、ショットキーバリアにおける電圧降下の低減が可能
となり、より大きなダイオード電流Ipsを得ることがで
きる。
【0074】(実施形態10)本実施形態の電界放射型
電子源10の基本構成は実施形態1と略同じであって、
図10に示すように、各第1配線21が、絶縁性基板1
1の上記一表面上に直線状に形成されたシリサイド層1
9と、同一面内でシリサイド層19に隣接して直線状に
形成された導電性層8とで構成されている点に特徴があ
る。ここにおいて、各第1配線21は、シリサイド層1
9を導電性層8よりも幅広に形成し、シリサイド層19
のみが厚み方向において強電界ドリフト層6に重複する
ように配設されており、導電性層8は、厚み方向におい
て強電界ドリフト層6には重複していない。なお、実施
形態7と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を
省略する。
【0075】しかして、本実施形態では、実施形態7と
同様、第1配線21が導電性層8と該導電性層8に接す
るシリサイド層19とから構成されているので、第1配
線21が導電性層8のみにより形成された従来の電界放
射型電子源に比べて、第1配線21を比較的低コストで
低抵抗化することができ、第1配線21の抵抗が従来に
比べて小さくなることにより、従来に比べてダイオード
電流Ipsが大きくなり、結果としてエミッション電流I
eが大きくなる。また、導電性層8と多結晶シリコン層
3との間にシリサイド層19が介在しているので、導電
性層8に起因したショットキーバリアは導電性層8とシ
リサイド層19との間に形成されるから、導電性層8と
多結晶シリコン層3との間にショットキーバリアが形成
される場合に比べてショットキーバリアの高さを低くす
ることができ、ショットキーバリアでの電圧降下が低下
するので、このことによってもダイオード電流Ipsが大
きくなり、結果としてエミッション電流Ieが大きくな
る。
【0076】しかも、本実施形態では、各第1配線21
が、絶縁性基板11の上記一表面上に直線状に形成され
たシリサイド層19と、同一面内でシリサイド層19に
隣接して直線状に形成された導電性層8とからなるの
で、強電界ドリフト層6をシリサイド層19のみに重複
する領域に形成することで、導電性層8が表面電極7に
重複しないようにできるから、第1配線21の厚さ寸法
が厚くなるのを防ぐことができ、表面電極7の平坦性が
損なわれるのを防ぐことができる。また、上述のシリサ
イド層19が設けられていることで、導電性層8(金
属)と多結晶シリコン層3(半導体層)との界面に生じ
る金属元素の多結晶シリコン層3への拡散による合金化
を抑えることができ、熱的な安定性が向上する。なお、
導電性層8とシリサイド層19との間にはほとんどショ
ットキーバリアは存在せず、シリサイド層19と多結晶
シリコン層3との間にショットキーバリアが存在する
が、当該ショットキーバリアの高さはシリサイド層19
を設けなかった場合に導電性層8と多結晶シリコン層3
との間に形成されるショットキーバリアよりも低いの
で、ショットキーバリアにおける電圧降下の低減が可能
となり、より大きなダイオード電流Ipsを得ることがで
きる。
【0077】(実施形態11)本実施形態の電界放射型
電子源10の基本構成は実施形態10と略同じであっ
て、図11に示すように、多結晶シリコン層3において
強電界ドリフト層6が形成されていない領域上に絶縁層
21が形成されている点に特徴がある。すなわち、本実
施形態では、導電性層8と第2配線たる表面電極7とが
重複する領域において導電性層8と表面電極7との間で
多結晶シリコン層3上に絶縁層22が設けられている点
に特徴がある。なお、実施形態10と同様の構成要素に
は同一の符号を付して説明を省略する。
【0078】しかして、本実施形態では、実施形態10
と同様、第1配線21が導電性層8と該導電性層8に接
するシリサイド層19とから構成されているので、第1
配線21が導電性層8のみにより形成された従来の電界
放射型電子源に比べて、第1配線21を比較的低コスト
で低抵抗化することができ、第1配線21の抵抗が従来
に比べて小さくなることにより、従来に比べてダイオー
ド電流Ipsが大きくなり、結果としてエミッション電流
Ieが大きくなる。また、導電性層8と多結晶シリコン
層3との間にシリサイド層19が介在しているので、導
電性層8に起因したショットキーバリアは導電性層8と
シリサイド層19との間に形成されるから、導電性層8
と多結晶シリコン層3との間にショットキーバリアが形
成される場合に比べてショットキーバリアの高さを低く
することができ、ショットキーバリアでの電圧降下が低
下するので、このことによってもダイオード電流Ipsが
大きくなり、結果としてエミッション電流Ieが大きく
なる。
【0079】しかも、本実施形態では、導電性層8と表
面電極7とが重複する領域において導電性層8と表面電
極7との間で多結晶シリコン層3上に絶縁層22が設け
られているので、クロストークを低減させることができ
る。また、上述のシリサイド層19が設けられているこ
とで、導電性層8(金属)と多結晶シリコン層3(半導
体層)との界面に生じる金属元素の多結晶シリコン層3
への拡散による合金化を抑えることができ、熱的な安定
性が向上する。なお、導電性層8とシリサイド層19と
の間にはほとんどショットキーバリアは存在せず、シリ
サイド層19と多結晶シリコン層3との間にショットキ
ーバリアが存在するが、当該ショットキーバリアの高さ
はシリサイド層19を設けなかった場合に導電性層8と
多結晶シリコン層3との間に形成されるショットキーバ
リアよりも低いので、ショットキーバリアにおける電圧
降下の低減が可能となる。
【0080】ところで、本実施形態では、絶縁層22を
多結晶シリコン層3の表面に形成しているが、絶縁層2
2は、導電性層8と多結晶シリコン層3との間、あるい
は、多結晶シリコン層3の内部に設けてもよい。
【0081】(実施形態12)本実施形態の電界放射型
電子源10の基本構成は実施形態7と略同じであって、
図12に示すように、各第1配線21が、絶縁性基板1
1の上記一表面上に直線状に形成されたシリサイド層1
9と、第2配線たる表面電極7に重複しない領域におい
て同一面内でシリサイド層19に隣接して形成された複
数の導電性層8とで構成されている点に特徴がある。こ
こにおいて、各第1配線21は、シリサイド層19を導
電性層8よりも幅広に形成し、シリサイド層19のみが
厚み方向において強電界ドリフト層6に重複するように
配設されており、導電性層8は、厚み方向において強電
界ドリフト層6には重複していない。なお、実施形態7
と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略す
る。
【0082】しかして、本実施形態では、実施形態7と
同様、第1配線21が導電性層8と該導電性層8に接す
るシリサイド層19とから構成されているので、第1配
線21が導電性層8のみにより形成された従来の電界放
射型電子源に比べて、第1配線21を比較的低コストで
低抵抗化することができ、第1配線21の抵抗が従来に
比べて小さくなることにより、従来に比べてダイオード
電流Ipsが大きくなり、結果としてエミッション電流I
eが大きくなる。また、導電性層8と多結晶シリコン層
3との間にシリサイド層19が介在しているので、導電
性層8に起因したショットキーバリアは導電性層8とシ
リサイド層19との間に形成されるから、導電性層8と
多結晶シリコン層3との間にショットキーバリアが形成
される場合に比べてショットキーバリアの高さを低くす
ることができ、ショットキーバリアでの電圧降下が低下
するので、このことによってもダイオード電流Ipsが大
きくなり、結果としてエミッション電流Ieが大きくな
る。
【0083】しかも、本実施形態では、各第1配線21
が、絶縁性基板11の上記一表面上に直線状に形成され
たシリサイド層19と、表面電極7に重複しない領域に
おいて同一面内でシリサイド層19に隣接して形成され
た複数の導電性層8とで構成されているので、導電性層
8が表面電極7に重複しないから、導電性層8の構成元
素が第1配線21と表面電極7とが交差する領域で拡散
するのを防止することができるので、熱的な安定性が向
上する。さらに、第1配線21の厚さ寸法が厚くなるの
を防ぐことができ、表面電極7の平坦性が損なわれるの
を防ぐことができる。また、上述のシリサイド層19が
設けられていることで、導電性層8(金属)と多結晶シ
リコン層3(半導体層)との界面に生じる金属元素の多
結晶シリコン層3への拡散による合金化を抑えることが
でき、熱的な安定性が向上する。なお、導電性層8とシ
リサイド層19との間にはほとんどショットキーバリア
は存在せず、シリサイド層19と多結晶シリコン層3と
の間にショットキーバリアが存在するが、当該ショット
キーバリアの高さはシリサイド層19を設けなかった場
合に導電性層8と多結晶シリコン層3との間に形成され
るショットキーバリアよりも低いので、ショットキーバ
リアにおける電圧降下の低減が可能となり、より大きな
ダイオード電流Ipsを得ることができる。
【0084】(実施形態13)本実施形態の電界放射型
電子源10の基本構成は実施形態1と略同じであって、
図13に示すように、低抵抗半導体層たるn形多結晶シ
リコン層9と絶縁性基板11の上記一表面との間でn形
多結晶シリコン層9に接するシリサイド層19が設けら
れている点に特徴がある。要するに、本実施形態では、
導電性層8とn形多結晶シリコン層9とシリサイド層1
9とで第1配線21を構成しているのである。なお、実
施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明
を省略する。
【0085】しかして、本実施形態では、第1配線21
が導電性層8と該導電性層8に接する低抵抗半導体層た
るn形多結晶シリコン層9とシリサイド層19とで構成
されているので、第1配線21が導電性層8のみにより
形成された従来の電界放射型電子源に比べて、第1配線
21を比較的低コストで低抵抗化することができ、第1
配線21の抵抗が従来に比べて小さくなることにより、
従来に比べてダイオード電流Ipsが大きくなり、結果と
してエミッション電流Ieが大きくなる。
【0086】しかも、本実施形態では、低抵抗半導体層
たるn形多結晶シリコン層9と絶縁性基板11との間で
n形多結晶シリコン層9に接するシリサイド層19が設
けられているので、第1配線21と第2配線たる表面電
極7とが交差する領域での第1配線21の抵抗を小さく
することができ、さらに大きなダイオード電流Ipsを得
ることができ、さらに大きなエミッション電流Ieを得
ることができる。また、導電性層8の構成元素が第1配
線21と表面電極7とが交差する領域で拡散するのを防
止することができるので、熱的な安定性が向上する。さ
らに、第1配線21の厚さ寸法が厚くなるのを防ぐこと
ができ、表面電極7の平坦性が損なわれるのを防ぐこと
ができる。また、上述のシリサイド層19が設けられて
いることで、導電性層8(金属)とn形多結晶シリコン
層9(半導体層)との界面に生じる金属元素のn形多結
晶シリコン層9への拡散による合金化を抑えることがで
き、熱的な安定性が向上する。なお、導電性層8とシリ
サイド層19との間にはほとんどショットキーバリアは
存在せず、シリサイド層19とn形多結晶シリコン層9
との間にショットキーバリアが存在するが、当該ショッ
トキーバリアの高さはシリサイド層19を設けなかった
場合に導電性層8と多結晶シリコン層3との間に形成さ
れるショットキーバリアよりも低く、また、シリサイド
層19と多結晶シリコン層3との間にn形多結晶シリコ
ン層9を設けなかった場合に導電性層8と多結晶シリコ
ン層3との間に形成されるショットキーバリアよりも低
いので、ショットキーバリアにおける電圧降下の低減が
可能となる。
【0087】なお、実施形態2、3の構成において、低
抵抗半導体層たるn形多結晶シリコン層9と絶縁性基板
11の上記一表面との間でn形多結晶シリコン層9に接
するシリサイド層19を設けてもよい。
【0088】ところで、上記各実施形態では、絶縁性基
板11としてガラス基板を用いているが、絶縁性基板1
1はガラス基板に限定されるものではなく、例えば、シ
リコン基板上に絶縁膜(SiOX、AlOXなどの酸化膜
や、SiNX、BN、AlNXなどの窒化膜)を形成した
基板や、金属性基板上に絶縁膜(酸化膜や窒化膜など)
を形成した基板を用いてもよい。
【0089】
【発明の効果】請求項1の発明は、一表面上にストライ
プ状に形成された複数本の第1配線を有する基板と、該
基板の上記一表面側で上記第1配線よりも上記基板から
離れて形成された酸化若しくは窒化した多孔質半導体層
よりなる強電界ドリフト層と、強電界ドリフト層上で上
記第1配線に交差する方向にストライプ状に形成された
複数本の第2配線とを備え、第2配線を第1配線に対し
て正極として電圧を印加することにより第1配線から注
入された電子が強電界ドリフト層をドリフトし第2配線
を通り抜けて放出される電界放射型電子源であって、上
記各第1配線は、導電性層と該導電性層に接する低抵抗
の低抵抗半導体層とからなるものであり、第1配線が導
電性層と該導電性層に接する低抵抗半導体層とから構成
されているので、第1配線が導電性層のみにより形成さ
れた従来の電界放射型電子源に比べて、第1配線を比較
的低コストで低抵抗化することができ、第1配線の抵抗
が従来に比べて小さくなることにより、従来に比べてダ
イオード電流が大きくなり、結果としてエミッション電
流が大きくなるという効果がある。また、導電性層に接
する半導体を低抵抗半導体層とすることで、導電性層に
起因したショットキーバリアが薄くなり、トンネリング
で電子を流すことができ、導電性層と半導体との界面で
の電圧降下を低減することができて、より大きなダイオ
ード電流、より大きなエミッション電流を得ることが可
能になるという効果がある。
【0090】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、上記各第1配線は、上記基板の上記一表面側で直線
状に形成された低抵抗半導体層と、上記第2配線に重複
しない領域で低抵抗半導体層上に形成された複数の導電
性層とからなるので、導電性層が第2配線に重複しない
から、導電性層の構成元素が第1配線と第2配線とが交
差する領域で拡散するのを防止することができ、熱的な
安定性が向上するという効果がある。また、導電性層に
接する半導体を低抵抗半導体層とすることで、導電性層
に起因したショットキーバリアが薄くなり、トンネリン
グで電子を流すことができ、導電性層と半導体との界面
での電圧降下を低減することができて、より大きなダイ
オード電流を得ることができ、より大きなエミッション
電流を得ることができるという効果がある。
【0091】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、上記各第1配線は、上記基板の上記一表面側で直線
状に形成された低抵抗半導体層と、上記第2配線に重複
しない領域で低抵抗半導体層と上記基板の一表面との間
に形成された複数の導電性層とからなるので、導電性層
が第2配線に重複しないから、導電性層の構成元素が第
1配線と第2配線とが交差する領域で拡散するのを防止
することができ、熱的な安定性が向上するという効果が
ある。また、導電性層に接する半導体を低抵抗半導体層
とすることで、導電性層に起因したショットキーバリア
が薄くなり、トンネリングで電子を流すことができ、導
電性層と半導体との界面での電圧降下を低減することが
できて、より大きなダイオード電流を得ることができ、
より大きなエミッション電流を得ることができるという
効果がある。
【0092】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、上記各第1配線は、上記基板の上記一表面側で直線
状に形成された低抵抗半導体層と、同一面内で低抵抗半
導体層に隣接して直線状に形成された導電性層とからな
るので、強電界ドリフト層を低抵抗半導体層のみに重複
する領域に形成することで、導電性層が強電界ドリフト
層に重複しないようにできるから、導電性層に接する半
導体を低抵抗半導体層とすることで、導電性層に起因し
たショットキーバリアが薄くなり、トンネリングで電子
を流すことができ、導電性層と半導体との界面での電圧
降下を低減することができて、より大きなダイオード電
流を得ることができるという効果がある。また、第1配
線の厚さ寸法が厚くなるのを防ぐことができ、第2配線
の平坦性が損なわれるのを防ぐことができるという効果
がある。
【0093】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、上記導電性層と上記第2配線とが重複する領域にお
いて上記導電性層と上記第2配線との間の適宜位置に絶
縁層が設けられてなるので、クロストークを低減させる
ことができるという効果がある。また、請求項4と同
様、導電性層に接する半導体を低抵抗半導体層とするこ
とで、導電性層に起因したショットキーバリアが薄くな
り、トンネリングで電子を流すことができ、導電性層と
半導体との界面での電圧降下を低減することができると
いう効果がある。
【0094】請求項6の発明は、請求項1の発明におい
て、上記各第1配線は、上記基板の上記一表面側で直線
状に形成された低抵抗半導体層と、上記第2配線に重複
しない領域において同一面内で低抵抗半導体層に隣接し
て形成された複数の導電性層とからなるので、導電性層
が第2配線に重複しないから、導電性層の構成元素が第
1配線と第2配線とが交差する領域で拡散するのを防止
することができ、熱的な安定性が向上するという効果が
ある。さらに、第1配線の厚さ寸法が厚くなるのを防ぐ
ことができ、第2配線の平坦性が損なわれるのを防ぐこ
とができるという効果がある。また、導電性層に接する
半導体を低抵抗半導体層とすることで、導電性層に起因
したショットキーバリアが薄くなり、トンネリングで電
子を流すことができ、導電性層と半導体との界面での電
圧降下を低減することができ、より大きなダイオード電
流を得ることができるという効果がある。
【0095】請求項7の発明は、一表面上にストライプ
状に形成された複数本の第1配線を有する基板と、該基
板の上記一表面側で上記第1配線よりも上記基板から離
れて形成された酸化若しくは窒化した多孔質半導体層よ
りなる強電界ドリフト層と、強電界ドリフト層上で上記
第1配線に交差する方向にストライプ状に形成された複
数本の第2配線とを備え、第2配線を第1配線に対して
正極として電圧を印加することにより第1配線から注入
された電子が強電界ドリフト層をドリフトし第2配線を
通り抜けて放出される電界放射型電子源であって、上記
各第1配線は、導電性層と該導電性層に接するシリサイ
ド層とからなるものであり、第1配線が導電性層と該導
電性層に接するシリサイド層とから構成されているの
で、第1配線が導電性層のみにより形成された従来の電
界放射型電子源に比べて、第1配線を比較的低コストで
低抵抗化することができ、第1配線の抵抗が従来に比べ
て小さくなることにより、従来に比べてダイオード電流
が大きくなり、結果としてエミッション電流が大きくな
るという効果がある。また、導電性層にシリサイド層が
接していることにより、第1配線に起因して発生するシ
ョットキーバリアを低くすることが可能になるという効
果がある。また、シリサイド層が導電性層の構成元素の
拡散を防ぐので、熱的に安定となるという効果がある。
【0096】請求項8の発明は、請求項7の発明におい
て、上記各第1配線は、上記基板の上記一表面上に直線
状に形成されたシリサイド層と、上記第2配線に重複し
ない領域でシリサイド層上に形成された複数の導電性層
とからなるので、導電性層が第2配線に重複しないか
ら、導電性層の構成元素が第1配線と第2配線とが交差
する領域で拡散するのを防止することができ、シリサイ
ド層の構成元素は拡散しにくく、熱的な安定性が向上す
るという効果がある。また、導電性層にシリサイド層が
接していることにより、第1配線に起因して発生するシ
ョットキーバリアを低くすることが可能になり、より大
きなダイオード電流を得ることができて、より大きなエ
ミッション電流を得ることができるという効果がある。
【0097】請求項9の発明は、請求項7の発明におい
て、上記各第1配線は、上記基板の上記一表面側で直線
状に形成されたシリサイド層と、上記第2配線に重複し
ない領域でシリサイド層と上記基板の上記一表面との間
に形成された複数の導電性層とからなるので、導電性層
が第2配線に重複しないから、導電性層の構成元素が第
1配線と第2配線とが交差する領域で拡散するのを防止
することができ、シリサイド層の構成元素は拡散しにく
く、熱的な安定性が向上するという効果がある。また、
導電性層上にシリサイド層が設けられていることで第1
配線に起因して発生するショットキーバリアを低くする
ことができ、より大きなダイオード電流を得ることがで
きて、より大きなエミッション電流を得ることができる
という効果がある。
【0098】請求項10の発明は、請求項7の発明にお
いて、上記各第1配線は、上記基板の上記一表面上に直
線状に形成されたシリサイド層と、同一面内でシリサイ
ド層に隣接して直線状に形成された導電性層とからなる
ので、強電界ドリフト層をシリサイド層のみに重複する
領域に形成することで、導電性層が強電界ドリフト層に
重複しないようにできるから、第1配線の厚さ寸法が厚
くなるのを防ぐことができ、第2配線の平坦性が損なわ
れるのを防ぐことができるという効果がある。また、導
電性層にシリサイド層が接していることにより、第1配
線に起因して発生するショットキーバリアを低くするこ
とが可能になり、より大きなダイオード電流を得ること
ができるという効果がある。
【0099】請求項11の発明は、請求項10の発明に
おいて、上記導電性層と上記第2配線とが重複する領域
において上記導電性層と上記第2配線との間の適宜位置
に絶縁層が設けられてなるので、クロストークを低減さ
せることができるという効果がある。また、導電性層に
シリサイド層が接していることにより、第1配線に起因
して発生するショットキーバリアを低くすることが可能
になるという効果がある。
【0100】請求項12の発明は、請求項7の発明にお
いて、上記各第1配線は、上記基板の上記一表面上に直
線状に形成されたシリサイド層と、上記第2配線に重複
しない領域において同一面内でシリサイド層に隣接して
形成された複数の導電性層とからなるので、導電性層が
第2配線に重複しないから、導電性層の構成元素が第1
配線と第2配線とが交差する領域で拡散するのを防止す
ることができ、熱的な安定性が向上するという効果があ
る。さらに、第1配線の厚さ寸法が厚くなるのを防ぐこ
とができ、第2配線の平坦性が損なわれるのを防ぐこと
ができるという効果がある。また、導電性層にシリサイ
ド層が接していることにより、第1配線に起因して発生
するショットキーバリアを低くすることが可能になり、
より大きなダイオード電流を得ることができるという効
果がある。
【0101】請求項13の発明は、請求項1〜請求項3
の発明において、上記低抵抗半導体層は、それぞれ抵抗
の異なる半導体層が厚み方向において積層された多層構
造を有し、導電性層に近い半導体層ほど抵抗が小さいの
で、電子放出効率が向上するという効果がある。
【0102】請求項14の発明は、請求項1〜3の発明
において、上記低抵抗半導体層は、厚み方向に抵抗が連
続的に変化した層であって、導電性層に近づくほど抵抗
が小さいので、電子放出効率が向上するという効果があ
る。
【0103】請求項15の発明は、請求項1〜6、1
3、14において、上記低抵抗半導体層と上記基板との
間で上記低抵抗半導体層に接するシリサイド層が設けら
れてなるので、第1配線と第2配線とが交差する領域で
の第1配線の抵抗を小さくすることができ、さらに大き
なダイオード電流を得ることができ、さらに大きなエミ
ッション電流を得ることができるという効果がある。
【0104】請求項16の発明は、請求項1〜15の発
明において、上記強電界ドリフト層は、上記基板の上記
一表面に略直交して列設された柱状の半導体結晶と、半
導体結晶間に介在するナノメータオーダの半導体微結晶
と、半導体微結晶の表面に形成され当該半導体微結晶の
結晶粒径よりも小さな膜厚の絶縁膜とからなるので、強
電界ドリフト層では導電性層から注入された電子が半導
体微結晶に衝突せずに上記絶縁膜に印加されている電界
で加速されてドリフトし、強電界ドリフト層で発生した
熱が柱状の半導体結晶を通して放熱されるから、電子放
出時にポッピング現象が発生せず高効率で電子を放出す
ることができるという効果がある。
【0105】請求項17の発明は、請求項1〜16の発
明において、上記半導体は、多結晶半導体よりなるの
で、大面積化が容易になるという効果がある。
【0106】請求項18の発明は、請求項1〜17の発
明において、上記半導体は、シリコンよりなるので、シ
リコンプロセスを使用できるという効果がある。
【0107】請求項19の発明は、請求項1〜18の発
明において、上記導電性層は、金属よりなるので、上記
導電性層の低抵抗化が容易になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を示す概略斜視図である。
【図2】実施形態2を示す概略斜視図である。
【図3】実施形態3を示す概略斜視図である。
【図4】実施形態4を示す概略斜視図である。
【図5】実施形態5を示す概略斜視図である。
【図6】実施形態6を示す概略斜視図である。
【図7】実施形態7を示す概略斜視図である。
【図8】実施形態8を示す概略斜視図である。
【図9】実施形態9を示す概略斜視図である。
【図10】実施形態10を示す概略斜視図である。
【図11】実施形態11を示す概略斜視図である。
【図12】実施形態12を示す概略斜視図である。
【図13】実施形態13を示す概略斜視図である。
【図14】従来のディスプレイ装置の概略構成を示す斜
視図である。
【図15】同上における電界放射型電子源の電子放出機
構の説明図である。
【図16】他の従来例を示す概略断面図である。
【図17】同上の特性測定原理の説明図である。
【図18】同上を応用した電界放射型電子源を示す概略
斜視図である。
【符号の説明】
3 多結晶シリコン層 6 強電界ドリフト層 7 表面電極 8 導電性層 9 n形多結晶シリコン層 10 電界放射型電子源 11 絶縁性基板 21 第1配線

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一表面上にストライプ状に形成された複
    数本の第1配線を有する基板と、該基板の上記一表面側
    で上記第1配線よりも上記基板から離れて形成された酸
    化若しくは窒化した多孔質半導体層よりなる強電界ドリ
    フト層と、強電界ドリフト層上で上記第1配線に交差す
    る方向にストライプ状に形成された複数本の第2配線と
    を備え、第2配線を第1配線に対して正極として電圧を
    印加することにより第1配線から注入された電子が強電
    界ドリフト層をドリフトし第2配線を通り抜けて放出さ
    れる電界放射型電子源であって、上記各第1配線は、導
    電性層と該導電性層に接する低抵抗の低抵抗半導体層と
    からなることを特徴とする電界放射型電子源。
  2. 【請求項2】 上記各第1配線は、上記基板の上記一表
    面側で直線状に形成された低抵抗半導体層と、上記第2
    配線に重複しない領域で低抵抗半導体層上に形成された
    複数の導電性層とからなることを特徴とする請求項1記
    載の電界放射型電子源。
  3. 【請求項3】 上記各第1配線は、上記基板の上記一表
    面側で直線状に形成された低抵抗半導体層と、上記第2
    配線に重複しない領域で低抵抗半導体層と上記基板の一
    表面との間に形成された複数の導電性層とからなること
    を特徴とする請求項1記載の電界放射型電子源。
  4. 【請求項4】 上記各第1配線は、上記基板の上記一表
    面側で直線状に形成された低抵抗半導体層と、同一面内
    で低抵抗半導体層に隣接して直線状に形成された導電性
    層とからなることを特徴とする請求項1記載の電界放射
    型電子源。
  5. 【請求項5】 上記導電性層と上記第2配線とが重複す
    る領域において上記導電性層と上記第2配線との間の適
    宜位置に絶縁層が設けられてなることを特徴とする請求
    項4記載の電界放射型電子源。
  6. 【請求項6】 上記各第1配線は、上記基板の上記一表
    面側で直線状に形成された低抵抗半導体層と、上記第2
    配線に重複しない領域において同一面内で低抵抗半導体
    層に隣接して形成された複数の導電性層とからなること
    を特徴とする請求項1記載の電界放射型電子源。
  7. 【請求項7】 一表面上にストライプ状に形成された複
    数本の第1配線を有する基板と、該基板の上記一表面側
    で上記第1配線よりも上記基板から離れて形成された酸
    化若しくは窒化した多孔質半導体層よりなる強電界ドリ
    フト層と、強電界ドリフト層上で上記第1配線に交差す
    る方向にストライプ状に形成された複数本の第2配線と
    を備え、第2配線を第1配線に対して正極として電圧を
    印加することにより第1配線から注入された電子が強電
    界ドリフト層をドリフトし第2配線を通り抜けて放出さ
    れる電界放射型電子源であって、上記各第1配線は、導
    電性層と該導電性層に接するシリサイド層とからなるこ
    とを特徴とする電界放射型電子源。
  8. 【請求項8】 上記各第1配線は、上記基板の上記一表
    面上に直線状に形成されたシリサイド層と、上記第2配
    線に重複しない領域でシリサイド層上に形成された複数
    の導電性層とからなることを特徴とする請求項7記載の
    電界放射型電子源。
  9. 【請求項9】 上記各第1配線は、上記基板の上記一表
    面側で直線状に形成されたシリサイド層と、上記第2配
    線に重複しない領域でシリサイド層と上記基板の上記一
    表面との間に形成された複数の導電性層とからなること
    を特徴とする請求項7記載の電界放射型電子源。
  10. 【請求項10】 上記各第1配線は、上記基板の上記一
    表面上に直線状に形成されたシリサイド層と、同一面内
    でシリサイド層に隣接して直線状に形成された導電性層
    とからなることを特徴とする請求項7記載の電界放射型
    電子源。
  11. 【請求項11】 上記導電性層と上記第2配線とが重複
    する領域において上記導電性層と上記第2配線との間の
    適宜位置に絶縁層が設けられてなることを特徴とする請
    求項10記載の電界放射型電子源。
  12. 【請求項12】 上記各第1配線は、上記基板の上記一
    表面上に直線状に形成されたシリサイド層と、上記第2
    配線に重複しない領域において同一面内でシリサイド層
    に隣接して形成された複数の導電性層とからなることを
    特徴とする請求項7記載の電界放射型電子源。
  13. 【請求項13】 上記低抵抗半導体層は、それぞれ抵抗
    の異なる半導体層が厚み方向において積層された多層構
    造を有し、導電性層に近い半導体層ほど抵抗が小さいこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電界放
    射型電子源。
  14. 【請求項14】 上記低抵抗半導体層は、厚み方向に抵
    抗が連続的に変化した層であって、導電性層に近づくほ
    ど抵抗が小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載の電界放射型電子源。
  15. 【請求項15】 上記低抵抗半導体層と上記基板との間
    で上記低抵抗半導体層に接するシリサイド層が設けられ
    てなることを特徴とする請求項1〜6、13、14のい
    ずれかに記載の電界放射型電子源。
  16. 【請求項16】 上記強電界ドリフト層は、上記基板の
    上記一表面に略直交して列設された柱状の半導体結晶
    と、半導体結晶間に介在するナノメータオーダの半導体
    微結晶と、半導体微結晶の表面に形成され当該半導体微
    結晶の結晶粒径よりも小さな膜厚の絶縁膜とからなるこ
    とを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の電界
    放射型電子源。
  17. 【請求項17】 上記半導体は、多結晶半導体よりなる
    ことを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の電
    界放射型電子源。
  18. 【請求項18】 上記半導体は、シリコンよりなること
    を特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の電界放
    射型電子源。
  19. 【請求項19】 上記導電性層は、金属よりなることを
    特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の電界放射
    型電子源。
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