JP2001208108A - 一方向性トルクリミッタ及び一方向性トルクヒンジ - Google Patents
一方向性トルクリミッタ及び一方向性トルクヒンジInfo
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Abstract
ンジにおいて、効率的な組立ができる構造を得る。 【解決手段】 焼結金属製の外輪にローラと板バネを埋
め込んで構成される一方向性クラッチ3と、その外周に
鋼製のリング4をキーとキー溝を対応して嵌合させる。
このリング4の外周にコイルバネ5を巻き、その一方の
端部に設けたおりまげ部551をハウジング2の長円溝
に挿入させる。コイルバネ5の外周は、ハウジング2の
円弧案内部により、適正なあそびをもって支えられる。
Description
リミッタ及び一方向性トルクヒンジに関し、特に数キロ
グラムから数十キログラムの物体または蓋状の物体を本
体に対して任意の傾斜角などの位置に停止させる一方向
性トルクヒンジと、これを構成する一方向性トルクリミ
ッタに関するものである。
ては、従来から知られる構造として、シャフトに一方向
性クラッチを嵌合させて、この一方向性クラッチの出力
側にコイルバネを巻き付けるなどして、摩擦力を発生さ
せる構造のものが知られている。
一方向性トルクヒンジは、2種類のユニットを組み合わ
せて製作するため複雑な構造であり、各構成部品とそれ
らを組み立てるためにかなりの製作工数を必要としてい
た。
トルクリミッタ又は一方向性トルクヒンジにおいて、効
率的な組立ができる構造を提案することを課題とする。
めに、本発明では、以下の手段を提案するものである。
すなわち、一方向性トルクリミッタであってその構成要
素は:外輪とこの外輪の内側にくさび空間を有し、この
くさび空間に転動体と、弾性体を備えて、シャフトを中
心に挿通して受け入れて、一方向のみトルク伝達でき、
反対方向では空転する一方向性クラッチと;この一方向
性クラッチの外輪の外周にあるキー溝に係合するキーを
内周に備える鋼製のリングと;このリングの外周に巻か
れるコイルばねで一端はおりまげ部を備え、他端は自由
端部となるコイルバネと;一端に開口部を有するハウジ
ングであって、これらの一方向性クラッチとリングとコ
イルバネとを収納するとともに、前記コイルバネの外周
を案内する円弧案内部と、前記コイルバネのおりまげ部
を収納係止する長円溝を備えるハウジングと;このハウ
ジングの開口部を閉じるためのふたとからなり、入力ト
ルクの一方向では前記ハウジングに対して設定値のトル
クを発生し、この入力トルクと反対の方向では前記ハウ
ジングに対して空転することを特徴とする一方向性トル
クリミッタを提案するものである。
角度に3個形成されていることを提案するものである。
ッチを方向性が互いに反対方向の上記の一方向性トルク
リミッタの一対を対面して配設し、これらのトルクリミ
ッタにシャフトを挿通させてなる一方向性トルクヒンジ
を提案するものである。
トルクリミッタの実施の形態を示す図である。この一方
向性トルクリミッタ1の構造は、シャフト7を中心に同
心円状に形成されるものであり、ハウジング2の内側
に、一方向性クラッチ3、リング4、コイルバネ5、ふ
た6が順次はまり込む構造である。
ミッタの実施の形態の横断面図である。この一方向性ト
ルクリミッタ1は、ハウジング2の内側にその構成要素
をすべてはめ込んで構成されて、ハウジング2の円周部
226の円溝部230にふた6の縁部666をそれぞれ
の弾性力を利用して嵌合される。ハウジング2には、中
心穴部221が形成され、ふた6にも中心穴部661が
形成されており、これらの中心穴部221と中心穴部6
61との間を挿通するようにシャフト7が配設される。
このシャフト7の周りを囲む位置に一方向性クラッチ3
のローラ331を配設する。一方向性クラッチ3の外輪
300は、リング4の内周が被さる。そして、リング4
の外周にはコイルバネ5が被さり、そのおりまげ部55
1は、ハウジング2の長円溝225に係合する。
ルクリミッタの実施の形態におけるハウジングを示す図
であり、図3はその平面図であり、図4はその側面断面
図である。以下図3と図4の双方を参照して説明する。
このハウジング2は、プラスチック製のつぼの形状であ
り、中央穴部221の開いた円状の底面部222とこれ
に連なる円柱状の縁を有する円周部226と、他方の面
が開口部231となる。円周部226の内側端部には、
円溝部230が一様に設けられる。円周部226には、
互いに向かい合った位置に2個のフランジ部224を張
り出すように設けられる。このフランジ部224には取
り付け穴223が設けられており、取付対象の物体にこ
れら2箇所の取り付け穴223にネジ等を通して固定す
るものである。底面部222には、円弧案内部227が
固定縁部228によりその両側を固定されるように垂直
に立つ。この円弧案内部227と固定縁部228はほぼ
等角度間隔で3組設けられ、その間隔部229には長円
溝225が埋設される。
割してあり、この3分割の構造は、比較的肉薄の間隔部
229が中心穴部221に対してハウジング2を全面通
過する線を形成しないため、2分割や4分割と比較して
機械的バランスに優れる。
のおりまげ部551が適当なすきまをもって摺動係止で
きる形状寸法に選定する。したがって、長円溝225の
幅は、おりまげ部551の直径よりやや大きい値とす
る。そして、コイルバネ5のバネ定数の幅広い設計に対
応するして、ハウジング2を標準化するため、複数の長
円溝225の寸法を多種類にしておくと経済的で都合が
よい。
トルクリミッタの実施の形態における他のハウジングを
示す図であり、図5はその平面図であり、図6はその側
面断面図である。以下図5と図6の双方を参照して説明
する。このハウジング2は、中心穴部221、底面部2
22、長円溝225、円周部226、円弧案内部22
7、固定縁部228、円溝部230、開口部231につ
いては図3及び図4に示すハウジングと同様である。た
だし、取付穴223とフランジ部224がこのハウジン
グにはなく、回転止め突出部235が2箇所に設けられ
ている。この2個の回転止め突出部235が、ハウジン
グ2を取り付けるときに、取付対象の物体に係止するも
のである。
ック材料で製作されており、加工性と経済性に優れ、必
要な機械的性質を満たしている。ただし、必要により、
ハウジング2の材料として金属材料を選ぶこともでき
る。その場合には、ふた6をハウジング2の円溝部23
0に弾性力を利用して嵌合することが困難であり、ネジ
形状などを備えることもあり得る。
方向性トルクリミッタの実施の形態における一方向性ク
ラッチを示す図と分解図である。以下図7と図8の双方
を参照して説明する。この一方向性クラッチ3は、焼結
金属で作られた外輪300と、鋼製のローラ331を6
個と、板バネ332と、環状のふた339とから構成さ
れる。外輪300には、中央にシャフトを貫通できるよ
うな中央穴340があり、この中央穴340に連なる位
置にくさび溝350が6個設けられ、この各くさび溝3
50にそれぞれ、ローラ331と板バネ332とが配設
される。板バネ332はローラ331の外周側面に予圧
を与えてくさび溝350の狭い空間の方向に押しつけ
る。そして各ローラ331はシャフト7に接触している
ので、シャフト7が図の矢印方向に回転するときは、各
ローラ331は、ますます、くさび溝350の狭い空間
の方向に押しつけられて、各ローラ331とくさび溝3
50との間の摩擦力は増大し、その結果シャフト7の回
転とともに外輪300も一体として回転することにな
る。すなわち、クラッチがオンする状態である。シャフ
ト7の回転方向が矢印方向と逆に回転するときは、各ロ
ーラ331は、板バネ332の予圧に逆行してくさび溝
350の広い空間の方向に僅かに移動して、各ローラ3
31とくさび溝350との間の摩擦力は減少し、その結
果シャフト7の回転力は外輪300には伝達しない。す
なわち、クラッチがオフする状態である。以上説明した
ように、この一方向性クラッチ3は、シャフト7が矢印
方向に回転するときは、クラッチオンとなり、シャフト
7が矢印方向と逆方向に回転するときは、クラッチオフ
となる。
ミッタの実施の形態におけるリング及びコイルバネを示
す図である。リング4は、鋼製のリング形状を有してお
り、一方向性クラッチ3の外周に嵌合する寸法形状を有
するものである。リング4の内周部440には、突出す
るキー441、442、443を備えており、これらは
一方向性クラッチ3のキー溝341、342、343に
対応する位置に設けられる。リング4の外周部450
は、名称が示すとおりリング状であり、この外周部45
0にコイルバネ5が摩擦力を得るために必要な回数巻か
れる。コイルバネ5の一方の端部は、おりまげ部551
として巻方向に対して直角に折り曲げられる。また、コ
イルバネ5の他の端部552は、巻方向そのままの形の
自由端部とする。なお、おりまげ部551は巻方向に対
して正確に直角である必要はなく、コイルバネ5の端部
を係止するために折り曲げられていれば充分である。
に係る一方向性トルクヒンジの動作説明をする。一方向
性クラッチ3がオンする方向にシャフト7が回転すると
きは、シャフトト7の回転に伴い一方向性クラッチ3に
嵌合しているリング4も同時に回転する。そして、リン
グ4の外周に巻かれているコイルバネ5により摩擦力を
与えられ、このコイルバネ5のおりまげ部551がハウ
ジング2の長円溝225に係止しているので、リング4
とハウジング2との間に一定のトルクを発生する。した
がってシャフト7とハウジング2との間には、一定のト
ルクが発生する。
ときには、一方向性クラッチ3がオフするので、シャフ
ト7とハウジング2との間には、トルクは発生しない
で、シャフト7は、空転する。
ヒンジの実施の形態を示す図である。この一方向性トル
クヒンジ8は、本発明に係る2個の一方向性トルクリミ
ッタを使用して構成される。一方向性トルクリミッタ1
を右側(R)と左側(L)に配設して、図示しない枠体
に固定される。これら一方向性トルクリミッタ1(L)
と(R)との間をシャフト7を介して連結し、そのシャ
フト7をふた70に接続する。本体80を固定してふた
70を矢印方向に開閉する構造とする。また、図示しな
いが、ふた70の開閉角度を直角以内に制限する手段を
備えている。この一方向性トルクヒンジ8において、一
方向性トルクリミッタ1(L)と(R)とは、互いに方
向性が逆で、ふた70を開くときにシャフト7が空転す
る方向で、ふた70を本体80に向かって下降させると
きにトルク発生する向きのものを選ぶ。このように構成
された一方向性トルクヒンジ8においては、ふた70を
開くときは自重のみを支える力でよく、かつ途中でその
開く力を止めた場合でも、その位置でふた70を支える
ためのトルクは発生している。そして、ふた70を開い
た状態から閉じるときは、支持トルクとふたの自重との
差のトルクに相当するわずかな力を加えることにより、
閉じることができる。したがって、一方向性トルクヒン
ジ8は作業者が楽に開閉ができて、たとえば複写機のふ
た機構などの利用に好適である。
般的な一方向性クラッチを使用し、トルク発生部につい
ては熱処理と必要な機械的性質を満たす鋼性のリングを
介在させて、ハウジングについてはコイルバネの端部の
支持点の構造が作業性のよい構成となっており、一方向
性トルクリミッタにおいて、構成部品の点数を少なくお
さえてその組立を効率的にできる構造を得ることができ
る。また、その一方向性トルクリミッタを利用した一方
向性トルクヒンジについても、同様の効果を有する。
の形態の全体組立図をである。
の形態の断面図である。
の形態におけるハウジングの平面図である。
の形態におけるハウジングの側面断面図である。
の形態における他のハウジングの平面図である。
の形態における他のハウジングの側面断面図である。
の形態における一方向性クラッチを示す図である。
の形態における一方向性クラッチの分解図である。
の形態におけるリング及びコイルバネを示す図である。
の形態を示す図である。
ヒンジ
Claims (3)
- 【請求項1】一方向性トルクリミッタであってその構成
要素は:外輪とこの外輪の内側にくさび空間を有し、こ
のくさび空間に転動体と、弾性体を備えて、シャフトを
中心に挿通して受け入れて、一方向のみトルク伝達で
き、反対方向では空転する一方向性クラッチと;この一
方向性クラッチの外輪の外周にあるキー溝に係合するキ
ーを内周に備える鋼製のリングと;このリングの外周に
巻かれるコイルばねで一端はおりまげ部を備え、他端は
自由端部となるコイルバネと;一端に開口部を有するハ
ウジングであって、これらの一方向性クラッチとリング
とコイルバネとを収納するとともに、前記コイルバネの
外周を案内する円弧案内部と、前記コイルバネのおりま
げ部を収納係止する長円溝を備えるハウジングと;この
ハウジングの開口部を閉じるためのふたとからなり、入
力トルクの一方向では前記ハウジングに対して設定値の
トルクを発生し、この入力トルクと反対の方向では前記
ハウジングに対して空転することを特徴とする一方向性
トルクリミッタ。 - 【請求項2】前記円弧案内部が等角度に3個形成されて
いることを特徴とする請求項1に記載の一方向性トルク
リミッタ。 - 【請求項3】前記一方向性クラッチの方向性が互いに反
対方向の請求項1又は請求項2に記載の一方向性トルク
リミッタの一対を対面して配設し、これらのトルクリミ
ッタにシャフトを挿通させてなる一方向性トルクヒン
ジ。
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ID=18546898
Family Applications (1)
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2000
- 2000-01-28 JP JP2000020322A patent/JP3592984B2/ja not_active Expired - Lifetime
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