JP6866529B1 - 積層バネ式ワンウェイトルクヒンジおよび積層バネ式ワンウェイトルクヒンジの製造方法 - Google Patents

積層バネ式ワンウェイトルクヒンジおよび積層バネ式ワンウェイトルクヒンジの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6866529B1
JP6866529B1 JP2020153245A JP2020153245A JP6866529B1 JP 6866529 B1 JP6866529 B1 JP 6866529B1 JP 2020153245 A JP2020153245 A JP 2020153245A JP 2020153245 A JP2020153245 A JP 2020153245A JP 6866529 B1 JP6866529 B1 JP 6866529B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
connecting shaft
leaf spring
way clutch
torque hinge
rotation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020153245A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022047368A (ja
Inventor
雅尚 原口
雅尚 原口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Origin Co Ltd
Original Assignee
Origin Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Origin Co Ltd filed Critical Origin Co Ltd
Priority to JP2020153245A priority Critical patent/JP6866529B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6866529B1 publication Critical patent/JP6866529B1/ja
Priority to CN202111054344.7A priority patent/CN114165512B/zh
Priority to CN202210960561.0A priority patent/CN115306816B/zh
Publication of JP2022047368A publication Critical patent/JP2022047368A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Pivots And Pivotal Connections (AREA)

Abstract

【課題】径方向寸法の低減が容易なワンウェイトルクヒンジを提供する。【解決手段】トルクヒンジ8は、第1の部材と第2の部材とを回転自在に連結する連結軸20と、積層されて連結軸20に圧入された3枚以上の板バネ26と、第1の部材または第2の部材のいずれか一方に固定され板バネ26の少なくとも一部の回転を阻止する回転阻止部材22と、第1の部材または第2の部材のいずれか他方に固定されていると共に連結軸20に篏合されたワンウェイクラッチ30とを備える。板バネ26とワンウェイクラッチ30とは軸方向に沿って配置されている。第1の部材に対して第2の部材が所定方向に回転する場合には、連結軸20とワンウェイクラッチ30との相対的な回転が阻止されることにより連結軸20と板バネ26との相対的な回転が生じ、連結軸20と板バネ26との間の摩擦力に起因する抵抗トルクが第2の部材に付与される。【選択図】図5

Description

本発明は、第1の部材と第2の部材とを回転自在に連結すると共に、第1の部材に対して第2の部材が所定方向に回転する場合に第2の部材に抵抗トルクを付与する積層バネ式ワンウェイトルクヒンジおよび積層バネ式ワンウェイトルクヒンジの製造方法に関する。
下記特許文献1には、第1の部材に回転自在に連結された第2の部材が所定方向に回転する場合に第2の部材に抵抗トルクを付与するコイルバネ式ワンウェイトルクヒンジが開示されている。このコイルバネ式ワンウェイトルクヒンジは、第1の部材に固定されるハウジングを有し、ハウジング内には、円筒状の内輪と、内輪の外周面に装着されていると共にハウジング内に固定されたコイルバネと、内輪の内周面に固定されたワンウェイクラッチとが配置されている。第2の部材には連結軸が固定され、この連結軸はワンウェイクラッチに挿入されている。
そして、このコイルバネ式ワンウェイトルクヒンジにおいては、第1の部材に対して第2の部材が所定方向に回転する場合には、第2の部材に固定された連結軸とワンウェイクラッチとの相対的な回転が阻止されることにより、ワンウェイクラッチが固定されている内輪とコイルバネとの相対的な回転が生じ、内輪とコイルバネとの間の摩擦力に起因する抵抗トルクが第2の部材に付与される。一方、第1の部材に対して第2の部材が上記所定方向の反対方向に回転する場合には、連結軸とワンウェイクラッチとの相対的な回転が許容されることにより、内輪とコイルバネとの相対的な回転が生じないため、上記抵抗トルクが第2の部材に付与されることはない。
特開2001−208108号公報
上述のコイルバネ式ワンウェイトルクヒンジにおいては、内輪、コイルバネおよびワンウェイクラッチが径方向に沿って配置されているため、径方向寸法を低減するのが困難である。したがって、径方向寸法の制約が厳しい場合には、上述のコイルバネ式ワンウェイトルクヒンジを用いることができないという問題がある。
上記事実に鑑みてなされた本発明の課題は、径方向寸法の低減が容易なワンウェイトルクヒンジおよびワンウェイトルクヒンジの製造方法を提供することである。
本発明によれば、上記課題を解決する以下の積層バネ式ワンウェイトルクヒンジが提供される。すなわち、第1の部材と第2の部材とを回転自在に連結する連結軸と、積層されて前記連結軸に圧入された3枚以上の環状またはC形状の板バネと、前記第1の部材または前記第2の部材のいずれか一方に固定され前記板バネの少なくとも一部の回転を阻止する回転阻止部材と、前記第1の部材または前記第2の部材のいずれか他方に固定されていると共に前記連結軸に篏合された円筒状のワンウェイクラッチとを備え、前記板バネの少なくとも一部の内周縁には周方向に間隔をおいて径方向外側に窪んだ複数の凹部が形成され、前記複数の凹部と前記連結軸の外周面との間には潤滑剤が充填されており、軸方向両側端部以外の前記板バネの前記複数の凹部は軸方向両側端部の前記板バネによって塞がれており、前記板バネと前記ワンウェイクラッチとは軸方向に沿って配置されており、前記第1の部材に対して前記第2の部材が所定方向に回転する場合には、前記連結軸と前記ワンウェイクラッチとの相対的な回転が阻止されることにより前記連結軸と前記板バネとの相対的な回転が生じ、前記連結軸と前記板バネとの間の摩擦力に起因する抵抗トルクが前記第2の部材に付与され、前記第1の部材に対して前記第2の部材が前記所定方向の反対方向に回転する場合には、前記連結軸と前記ワンウェイクラッチとの相対的な回転が許容されることにより前記連結軸と前記板バネとの相対的な回転が生じない積層バネ式ワンウェイトルクヒンジが提供される。
記板バネのそれぞれの形状は同一であり、軸方向両側端部の前記板バネは軸方向両側端部以外の前記板バネに対して所定角度回転されているのが好都合である。
また、本発明によれば、上記のとおりの積層バネ式ワンウェイトルクヒンジの製造方法であって、前記連結軸に前記板バネを圧入した後、前記連結軸に圧入した前記板バネと一体に前記回転阻止部材をインサート成型する工程を含む積層バネ式ワンウェイトルクヒンジの製造方法が提供される。
本発明の積層バネ式ワンウェイトルクヒンジにおいては、第1の部材に対して第2の部材が周方向片側に回転する場合には、連結軸とワンウェイクラッチとの相対的な回転が阻止されることにより連結軸と板バネとの相対的な回転が生じ、連結軸と板バネとの間の摩擦力に起因する抵抗トルクが第2の部材に付与される。一方、第1の部材に対して第2の部材が周方向他側に回転する場合には、連結軸とワンウェイクラッチとの相対的な回転が許容されることにより連結軸と板バネとの相対的な回転が生じないため、連結軸と板バネとの間の摩擦力に起因する抵抗トルクが第2の部材に付与されることがない。このように、本発明の積層バネ式ワンウェイトルクヒンジにおいては、第2の部材が周方向片側に回転する場合に抵抗トルクを第2の部材に付与し、第2の部材が周方向他側に回転する場合に抵抗トルクを第2の部材に付与しないようになっており、ワンウェイトルクヒンジとしての機能が確保されている。
また、本発明の積層バネ式ワンウェイトルクヒンジにおいては、内輪とコイルバネとワンウェイクラッチとが径方向に沿って配置されている従来のコイルバネ式ワンウェイクラッチとは異なり、板バネとワンウェイクラッチとが軸方向に沿って配置されているから径方向寸法の低減が容易である。
本発明に従って構成された積層バネ式ワンウェイトルクヒンジを介して連結された箱本体(第1の部材)および蓋(第2の部材)の斜視図。 図1に示す状態から蓋が上方に回転された状態を示す斜視図。 図1に示す箱本体、蓋およびトルクヒンジが分解された状態を示す斜視図。 (a)図1に示すトルクヒンジの正面図、(b)図1に示すトルクヒンジの側面図、(c)図1に示すトルクヒンジの背面図。 (a)図4(a)におけるA−A線断面図、(b)(a)におけるB−B線断面図、(c)(a)におけるC−C線断面図。 図5に示す板バネの正面図。 (a)図5に示す板バネを連結軸に圧入する状態を示す斜視図、(b)図5に示す板バネが連結軸に圧入された状態を示す正面図。 板バネの凹部と連結軸の外周面との間に潤滑剤としてのグリースを充填している状態を示す斜視図。 (a)軸方向両側端部の板バネを回転させた状態を示す斜視図、(b)軸方向両側端部の板バネを回転させた状態を示す正面図。 (a)箱本体にワンウェイクラッチが固定され、蓋に回転阻止部材が固定されている場合における図5(a)に相当する断面図、(b)(a)におけるD−D線断面図。 (a)回転阻止部材の他の形態を示す斜視図、(b)(a)に示す回転阻止部材の断面図、(c)シールドを除去した状態における(a)に示す回転阻止部材の正面図。
以下、本発明に従って構成された積層バネ式ワンウェイトルクヒンジの好適実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1ないし図3には、自動車の室内に配置されるコンソールボックスとして用いられ得る箱2が示されている。箱2は、物品を収容する箱本体4と、箱本体4の上部を覆う蓋6と、箱本体4と蓋6と連結する積層バネ式ワンウェイトルクヒンジ8(以下、単に「トルクヒンジ8」という。)とを含む。なお、箱本体4は本発明の第1の部材としての一例であり、蓋6は本発明の第2の部材としての一例であるが、本発明の第1・第2の部材は箱本体4および蓋6に限定されるものではない。
図1ないし図3に示すとおり、箱本体4は、長方形状の底板10と、底板10の上面から上方に延びる縦板12と、縦板12の幅方向に間隔をおいて縦板12の片面から突出する一対のブラケット14とを含む。図3に示すとおり、一方のブラケット14には矩形状の収容開口14aが形成され、他方のブラケット14には円形状の支持開口14bが形成されている。なお、図示していないが、底板10の周縁には、上方に延びる角筒状の側壁が付設され、底板10の上面と側壁の内面とによって、上部が開放された収容空間が規定される。
図1ないし図3を参照して説明を続けると、蓋6は、長方形状の天板16と、天板16の幅方向に間隔をおいて天板16から下方に延びる一対のブラケット18とを含む。図3に示すとおり、一方のブラケット18には矩形状の収容開口18aが形成され、他方のブラケット18には円形状の支持開口18bが形成されている。
図4および図5を参照して説明すると、トルクヒンジ8は、箱本体4と蓋6とを回転自在に連結する連結軸20と、連結軸20に装着された回転阻止部材22と、連結軸20に装着され回転阻止部材22の軸方向片側(図4(b)における左側)に配置されたハウジング24とを備える。連結軸20は、鋼材等の適宜の金属材料から円柱状に形成されている。図5(a)に示すとおり、連結軸20の外周面には軸方向に間隔をおいて一対の環状溝20a、20bが形成されている。回転阻止部材22の外形については、図示の実施形態では図4(c)に示すとおり、正面視において矩形状であるが、回転阻止部材22が装着される部材の形状に応じて任意の形状が採用される。
図5(a)に示すとおり、回転阻止部材22の内部には、積層されて連結軸20に圧入された複数の板バネ26が配置されている。板バネ26は、鋼材等の適宜の金属材料から形成され得る。図6に示すとおり、図示の実施形態の板バネ26のそれぞれの形状は同一のC形状であり、連結軸20に圧入される前の板バネ26の内径は、連結軸20の直径よりも小さい。板バネ26の内周縁には、周方向に間隔をおいて径方向外側に窪んだ複数の弧状の凹部26aが形成されている。図示の実施形態では4個の凹部26aが60度間隔で形成されている。また、板バネ26の周方向両側端部には、径方向外側に突出する一対の突出片26bが形成されている。
図示の実施形態では、一対の突出片26bの部分を除き、板バネ26の中心O(凹部26aを除く板バネ26の内周縁の中心)を挟んで板バネ26の開口部26cと対向する部分(板バネ26の周方向中間部26d)の径方向寸法Lが、周方向中間部26d以外の部分の径方向寸法よりも大きい。
図7(a)および図7(b)に示すとおり、トルクヒンジ8が組み立てられる際には、まず、板バネ26が連結軸20に圧入される。板バネ26は1枚ずつ連結軸20に圧入されてもよく、複数枚の板バネ26が同時に圧入されてもよい。連結軸20に圧入される板バネ26の枚数は3枚以上であればよく、図示の実施形態では、5枚の板バネ26が連結軸20に圧入されている。圧入された板バネ26は、連結軸20の環状溝20aの近傍に配置されているが、環状溝20aの軸方向位置から若干ずれており、連結軸20に板バネ26が圧入された際に環状溝20aが露出している。
図7(b)に示すとおり、各板バネ26の凹部26aの位置が軸方向に見て整合するように、連結軸20に圧入された板バネ26の向きが調整される。図示の実施形態においては、上述したとおり、板バネ26のそれぞれの形状は同一であるので、すべての板バネ26の向きが同じ向きに調整されると、各板バネ26の凹部26aの位置が軸方向に見て整合する。
板バネ26が連結軸20に圧入された後、図8に示すとおり、グリース充填器28を用いて、複数の凹部26aと連結軸20の外周面との間に潤滑剤としてのグリースが充填される。このように図示の実施形態のトルクヒンジ8においては、板バネ26の内周縁に複数の凹部26aが形成されていることによって、板バネ26の内周縁と連結軸20との間に充分な量の潤滑剤が充填される。なお、潤滑剤については、半固体状のグリースに限定されず、個体状または液体状であってもよい。
次いで、図9(a)および図9(b)に示すとおり、軸方向両側端部の板バネ26が軸方向両側端部以外の板バネ26に対して所定角度(図示の実施形態では30度)回転される。これによって、軸方向両側端部以外の板バネ26(軸方向内側の3枚の板バネ26)の複数の凹部26aは、軸方向両側端部の板バネ26によって塞がれることになり、板バネ26の内周縁と連結軸20との間に潤滑剤が封入され、潤滑剤の漏れが防止される。
次いで、図4に示すとおり、適宜の合成樹脂から形成される回転阻止部材22が、連結軸20に圧入された各板バネ26と一体にインサート成型される。これによって、連結軸20および板バネ26に対して回転阻止部材22が密着し、板バネ26は回転阻止部材22に固定される。連結軸20と回転阻止部材22とは密着するものの、連結軸20が円柱状であり、連結軸20の外周面と接する回転阻止部材22の内周面が円筒形状であることから、連結軸20の回転が回転阻止部材22によって阻止されることはない。一方、板バネ26の一対の突出片26bが回転阻止部材22の内周面に引っ掛かることによって、板バネ26の回転は回転阻止部材22によって阻止される。
そして、連結軸20または回転阻止部材22に対して、連結軸20と板バネ26との間の摩擦力を超えるトルクが付与されると、連結軸20と回転阻止部材22とが相対的に回転すると共に、板バネ26から連結軸20に対して所要の抵抗トルクが付与される。
なお、図示の実施形態の回転阻止部材22の内周面には、図5(a)に示すとおり、連結軸20の環状溝20aに篏合する環状突起22aが形成されており、回転阻止部材22の環状突起22aと連結軸20の環状溝20aとが篏合することによって、連結軸20と回転阻止部材22との相対的な軸方向の移動が防止される。
図4および図5を参照して、回転阻止部材22の軸方向片側に配置されたハウジング24について説明する。図4(a)に示すとおり、ハウジング24の正面視外形は四角形状である。図5(a)に示すとおり、ハウジング24は中空に形成されていて円筒形状内周面24aを有する。円筒形状内周面24aの軸方向中央部には、径方向内側に延びる環状壁24bが形成されている。環状壁24bの内周縁には、周方向に間隔をおいて軸方向片側(図5(a)における左側)に延びる複数の固定片24cが付設されている。固定片24cの先端側の径方向内側面には、径方向内側に突出する突起24dが形成されており、この突起24dと連結軸20の環状溝20bとが篏合することによって、連結軸20とハウジング24との相対的な軸方向の移動が防止される。
図5(a)および図5(b)に示すとおり、ハウジング24には円筒状のワンウェイクラッチ30が装着されており、ワンウェイクラッチ30は、ハウジング24の環状壁24bの軸方向他側(図5(a)における右側)に配置されている。また、ワンウェイクラッチ30は、連結軸20に篏合されている。
図5(b)を参照して説明を続けると、ワンウェイクラッチ30は、円筒状の主部30aと、主部30aの内周面に周方向に間隔をおいて形成された複数の楔型凹所30bに配置された複数の円柱状のローラー30cとを有する。楔型凹所30bの径方向寸法は、図5(b)の紙面上方から見て時計方向に向かって次第に狭くなっている。各楔型凹所30bには、時計方向に向かってローラー30cを押し付けるバネ30dが配置されている。また、主部30aの外周面には、周方向に間隔をおいて軸方向に延びる複数の弧状溝30eが形成されており、弧状溝30eとハウジング24の弧状突起24eとが篏合することにより、ワンウェイクラッチ30はハウジング24に相対回転不能に固定されている。
図5(b)の紙面上方から見て、ハウジング24が連結軸20に対して反時計回りに回転しようとする場合、あるいは、連結軸20がハウジング24に対して時計回りに回転しようとする場合、ワンウェイクラッチ30の楔型凹所30bと連結軸20との間にローラー30cが噛み込まれるため、ハウジング24と連結軸20との相対的な回転がワンウェイクラッチ30によって阻止される。
これとは逆に、図5(b)の紙面上方から見て、ハウジング24が連結軸20に対して時計回りに回転する場合、あるいは、連結軸20がハウジング24に対して反時計回りに回転しようとする場合、楔型凹所30bと連結軸20との間にローラー30cが噛み込まれないので、ハウジング24と連結軸20との相対的な回転が許容される。
箱2が組み立てられる際は、図1ないし図3に示すとおり、連結軸20の一端側が箱本体4の支持開口14bおよび蓋6の支持開口18bに支持されると共に、連結軸20の他端側に配置された回転阻止部材22が箱本体4の収容開口14aに収容され、ハウジング24が蓋6の収容開口18aに収容される。これによって、板バネ26を内蔵する回転阻止部材22は箱本体4に相対回転不能に固定され、ワンウェイクラッチ30が装着されたハウジング24は蓋6に相対回転不能に固定される。
次に、上述したとおりのトルクヒンジ8の作用について説明する。
箱本体4に対して蓋6が下方に向かって回転する(開いた状態から蓋6を閉める)場合には、ワンウェイクラッチ30の楔型凹所30bと連結軸20との間にローラー30cが噛み込まれ、連結軸20とワンウェイクラッチ30との相対的な回転が阻止される。したがって、蓋6が下方に向かって回転すると、蓋6の回転方向と同じ方向に連結軸20が回転する。他方、板バネ26の回転は、箱本体4に固定された回転阻止部材22によって阻止されているから、板バネ26に対して連結軸20が回転することになり、すなわち、連結軸20と板バネ26との相対的な回転が生じる。これによって、連結軸20と板バネ26との間の摩擦力に起因する抵抗トルクが蓋6に付与される。
蓋6に付与される抵抗トルクを、蓋6の自重に基づくトルクよりも僅かに大きい値に設定することによって、蓋6から手を離した場合でも蓋6が自重により閉じるのを防止する(任意の位置で蓋6を停止させる)ことができると共に、手動により蓋6に下方へのトルク(閉じる方向へのトルク)を僅かに加えることにより、容易に蓋6を閉じることができる。
また、箱本体4に対して蓋6が上方に向かって回転する(閉じた状態から蓋6を開ける)場合には、ワンウェイクラッチ30の楔型凹所30bと連結軸20との間にローラー30cが噛み込まれず、連結軸20とワンウェイクラッチ30との相対的な回転が許容される。したがって、蓋6が回転しても連結軸20が回転することはなく、連結軸20と板バネ26との相対的な回転が生じないので、連結軸20と板バネ26との間の摩擦力に起因する抵抗トルクが蓋6に付与されることがない。したがって、比較的小さい力で蓋6を開けることができる。
このように、図示の実施形態のトルクヒンジ8においては、蓋6が下方に向かって回転する場合に抵抗トルクを蓋6に付与し、蓋6が上方に向かって回転する場合に抵抗トルクを蓋6に付与しないようになっており、ワンウェイトルクヒンジとしての機能が確保されている。
そして、図示の実施形態のトルクヒンジ8においては、内輪とコイルバネとワンウェイクラッチとが径方向に沿って配置されている従来のコイルバネ式ワンウェイクラッチとは異なり、板バネ26とワンウェイクラッチ30とが軸方向に沿って配置されているから径方向寸法の低減が容易である。
トルクヒンジ8においては、各板バネ26の凹部26aと連結軸20の外周面との間には潤滑剤が充填されており、軸方向両側端部以外の板バネ26の複数の凹部26aは、軸方向両側端部の板バネ26によって塞がれているので、板バネ26の内周縁と連結軸20との間に充分な量の潤滑剤が封入され、かつ、封入された潤滑剤の漏れが防止される。これによって、トルクヒンジ8の耐久性が向上する。また、板バネ26によって封入された潤滑剤の漏れが防止されるため、回転阻止部材22の上型と下型との合わせ面に潤滑剤が侵入することがなく、回転阻止部材22をインサート成型する際の成型不良が抑制される。
また、トルクヒンジ8においては、連結軸20に圧入された板バネ26と一体に回転阻止部材22がインサート成型されているから、板バネ26の外周縁と回転阻止部材22の内周面との間に実質上隙間がなく、板バネ26と回転阻止部材22とが密着する。このため、トルクヒンジ8においては、いわゆる回転ガタや、スプリングバックがほとんどなく、高い応答性を有している。
板バネ26から連結軸20に付与される抵抗トルクは板バネ26の径方向寸法に依存しており、板バネ26の径方向寸法が大きくなるほど抵抗トルクが大きくなるところ、板バネ26の周方向中間部26dの径方向寸法Lが抵抗トルクへ与える影響が大きい。図示の実施形態では、一対の突出片26bの部分を除き、板バネ26の周方向中間部26dの径方向寸法Lが、周方向中間部26d以外の部分の径方向寸法よりも大きいので、板バネ26の抵抗トルクの低減を防止しつつ、板バネ26を小型化することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず種々の変形が可能である。たとえば、上述の実施形態では、ワンウェイクラッチ30がハウジング24を介して蓋6に固定されているが、ハウジング24等を介さずにワンウェイクラッチ30が蓋6に直接固定されるようになっていてもよい。
図示の実施形態では、箱本体4に回転阻止部材22が固定され、蓋6にワンウェイクラッチ30が固定されているが、図示の実施形態とは逆に、箱本体4にワンウェイクラッチ30が固定され、蓋6に回転阻止部材22が固定されていてもよい。この場合におけるワンウェイクラッチ30の向きは、上述の実施形態におけるワンウェイクラッチ30の向きとは逆になる。
箱本体4にワンウェイクラッチ30が固定され、蓋6に回転阻止部材22が固定されている形態について図10を参照して説明する。箱本体4に対して蓋6が下方に向かって回転する(開いた状態から蓋6を閉める)場合には、蓋6と連結軸20との間に板バネ26が介在されていることから、連結軸20と板バネ26との間の摩擦力によって、蓋6の回転方向と同じ方向に連結軸20が回転しようとする。
しかしながら、蓋6が下方に向かって回転する場合には、ワンウェイクラッチ30の楔型凹所30bと連結軸20との間にローラー30cが噛み込まれるため、連結軸20とワンウェイクラッチ30との相対的な回転が阻止される。したがって、蓋6が下方に向かって回転すると、連結軸20に対して板バネ26が回転することになり、すなわち、連結軸20と板バネ26との相対的な回転が生じる。これによって、連結軸20と板バネ26との間の摩擦力に起因する抵抗トルクが蓋6に付与される。
図10を参照して説明を続けると、箱本体4に対して蓋6が上方に向かって回転する(閉じた状態から蓋6を開ける)場合には、ワンウェイクラッチ30の楔型凹所30bと連結軸20との間にローラー30cが噛み込まれないので、連結軸20とワンウェイクラッチ30との相対的な回転が許容される。このため、蓋6が上方に向かって回転すると、連結軸20と板バネ26との間の摩擦力によって、蓋6の回転方向と同じ方向に連結軸20が回転することになる。したがって、連結軸20と板バネ26との相対的な回転が生じないので、連結軸20と板バネ26との間の摩擦力に起因する抵抗トルクが蓋6に付与されることがない。
また、図示の実施形態の回転阻止部材22はインサート成型により成型されているが、回転阻止部材はインサート成型により形成されていなくてもよい。この例について図11を参照して説明すると、回転阻止部材32は、本体34およびシールド36を備える。本体34は、矩形状の端面壁38と、端面壁38の周縁から軸方向片側に延びる側壁40とを有する。図11(b)および図11(c)を参照することによって理解されるとおり、側壁40の内周面は、連結軸20に圧入された複数枚の板バネ26に篏合するようになっている。そして、連結軸20に圧入された各板バネ26が本体34に収容された後、本体34の側壁40の開放側端部にシールド36が圧入される。図11に示す例においては、板バネ26と回転阻止部材32の本体34との間に若干の隙間が生じるものの、板バネ26と連結軸20との間に充分な量の潤滑剤が封入され、かつ、封入された潤滑剤の漏れが防止されるという効果を奏する。
なお、図示の実施形態では、すべての板バネ26の形状が同一であるが、一部の板バネの形状が他の板バネの形状と異なっていてもよく、たとえば、内周縁に凹部26aが形成されていない板バネが含まれていてもよい。板バネの形状については、上述の実施形態ではC形状であるが、環状であってもよい。図示していないが、板バネの外周縁に切り欠きが形成され、板バネの外周縁の切り欠きに篏合する突起が回転阻止部材の内周面に形成されており、板バネの外周縁の切り欠きと、回転阻止部材の内周面の突起とが篏合することによって、連結軸が回転した際に板バネの回転が阻止されるようになっていてもよい。このような切り欠きは、板バネがC形状の場合には、板バネの周方向両側端部に少なくとも一対形成されているのが好ましく、板バネが環状の場合には、任意の位置に1個以上形成されていればよい。また、回転阻止部材22、32については、板バネ26の少なくとも一部の回転を阻止していればよく、板バネ26のすべての回転を阻止するものでなくてもよい。
4:箱本体(第1の部材)
6:蓋(第2の部材)
8:積層バネ式ワンウェイトルクヒンジ(トルクヒンジ)
20:連結軸
22:回転阻止部材
26:板バネ
26a:凹部
30:ワンウェイクラッチ

Claims (3)

  1. 第1の部材と第2の部材とを回転自在に連結する連結軸と、積層されて前記連結軸に圧入された3枚以上の環状またはC形状の板バネと、前記第1の部材または前記第2の部材のいずれか一方に固定され前記板バネの少なくとも一部の回転を阻止する回転阻止部材と、前記第1の部材または前記第2の部材のいずれか他方に固定されていると共に前記連結軸に篏合された円筒状のワンウェイクラッチとを備え、
    前記板バネの少なくとも一部の内周縁には周方向に間隔をおいて径方向外側に窪んだ複数の凹部が形成され、前記複数の凹部と前記連結軸の外周面との間には潤滑剤が充填されており、軸方向両側端部以外の前記板バネの前記複数の凹部は軸方向両側端部の前記板バネによって塞がれており、
    前記板バネと前記ワンウェイクラッチとは軸方向に沿って配置されており、
    前記第1の部材に対して前記第2の部材が所定方向に回転する場合には、前記連結軸と前記ワンウェイクラッチとの相対的な回転が阻止されることにより前記連結軸と前記板バネとの相対的な回転が生じ、前記連結軸と前記板バネとの間の摩擦力に起因する抵抗トルクが前記第2の部材に付与され、
    前記第1の部材に対して前記第2の部材が前記所定方向の反対方向に回転する場合には、前記連結軸と前記ワンウェイクラッチとの相対的な回転が許容されることにより前記連結軸と前記板バネとの相対的な回転が生じない積層バネ式ワンウェイトルクヒンジ。
  2. 前記板バネのそれぞれの形状は同一であり、軸方向両側端部の前記板バネは軸方向両側端部以外の前記板バネに対して所定角度回転されている、請求項1に記載の積層バネ式ワンウェイトルクヒンジ。
  3. 請求項1または2に記載の積層バネ式ワンウェイトルクヒンジの製造方法であって、
    前記連結軸に前記板バネを圧入した後、前記連結軸に圧入した前記板バネと一体に前記回転阻止部材をインサート成型する工程を含む積層バネ式ワンウェイトルクヒンジの製造方法。
JP2020153245A 2020-09-11 2020-09-11 積層バネ式ワンウェイトルクヒンジおよび積層バネ式ワンウェイトルクヒンジの製造方法 Active JP6866529B1 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020153245A JP6866529B1 (ja) 2020-09-11 2020-09-11 積層バネ式ワンウェイトルクヒンジおよび積層バネ式ワンウェイトルクヒンジの製造方法
CN202111054344.7A CN114165512B (zh) 2020-09-11 2021-09-09 层叠弹簧式扭矩铰链和层叠弹簧式单向扭矩铰链及它们的制造方法
CN202210960561.0A CN115306816B (zh) 2020-09-11 2021-09-09 层叠弹簧式扭矩铰链和层叠弹簧式单向扭矩铰链及它们的制造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020153245A JP6866529B1 (ja) 2020-09-11 2020-09-11 積層バネ式ワンウェイトルクヒンジおよび積層バネ式ワンウェイトルクヒンジの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6866529B1 true JP6866529B1 (ja) 2021-04-28
JP2022047368A JP2022047368A (ja) 2022-03-24

Family

ID=75638894

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020153245A Active JP6866529B1 (ja) 2020-09-11 2020-09-11 積層バネ式ワンウェイトルクヒンジおよび積層バネ式ワンウェイトルクヒンジの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6866529B1 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022047368A (ja) 2022-03-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5497863A (en) Rotary damper
US4796733A (en) Oil damper
US5165509A (en) Bidirectional retaining clutch
US5234089A (en) Torque limiter
KR20010082650A (ko) 회전 댐퍼
KR200242148Y1 (ko) 클립형 마찰 힌지장치
EP1452678A1 (en) Hinge with catch
JP6866529B1 (ja) 積層バネ式ワンウェイトルクヒンジおよび積層バネ式ワンウェイトルクヒンジの製造方法
JP5570525B2 (ja) ヒンジ装置
WO2015140921A1 (ja) ヒンジ装置
JP4473419B2 (ja) 回転ダンパおよびアシストグリップ装置
KR20010098442A (ko) 힌지 유닛 및 힌지구조
US6454069B2 (en) Oneway clutch bearing
CN114165512B (zh) 层叠弹簧式扭矩铰链和层叠弹簧式单向扭矩铰链及它们的制造方法
US7257862B2 (en) Decelerating device for insertion between two relatively rotating members, in particular a drum and an oscillating door for loading the drum in a top-loaded washing machine
US20230279710A1 (en) One-way damping hinge
JP2001208108A (ja) 一方向性トルクリミッタ及び一方向性トルクヒンジ
JP5324164B2 (ja) 逆入力防止クラッチ
JP6790041B2 (ja) 多段抵抗トルク式トルクヒンジ
JP2022047367A (ja) 積層バネ式トルクヒンジおよび積層バネ式トルクヒンジの製造方法
WO2020203955A1 (ja) リクライニング装置及びシート
US5991936A (en) Opening and closing device of Western style toilet seat and seat cover
JP7536198B2 (ja) ダンパー装置
JP3148300B2 (ja) 軸ロック装置
JP4152236B2 (ja) ダンパー装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201014

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20201014

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20201029

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210316

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210407

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6866529

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250