JP6790041B2 - 多段抵抗トルク式トルクヒンジ - Google Patents

多段抵抗トルク式トルクヒンジ Download PDF

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Description

本発明は、複写機の蓋や洋式便器の便座など、中心軸の周りに回動可能となった物品を支持するために用いられるトルクヒンジに関するものである。
複写機の蓋は、閉じた位置では、複写物を載せるガラス等の透明な上面を覆って水平な状態となり、開いた位置では、透明な上面に対してほぼ直角に延びる状態となるように、中心軸の周りに回動(限定された範囲における回転)可能に取り付けられる。複写機の蓋は、正逆いずれか一方の回動動作にのみ抵抗トルクを付与する、いわゆるトルクヒンジにより支持されており、このトルクヒンジによって、蓋を開動させる過程においては抵抗トルクが付与されないが、蓋を閉動させる過程においては抵抗トルクが付与されるように設定されている。これにより、蓋を容易に開動できるにもかかわらず、蓋を手動で開閉する過程で手を蓋から離した場合には、その位置を保持して自重により蓋が落下(閉動)するのが防止される。このようなトルクヒンジは、ディスプレイ装置を設けたパソコン等の電子機器の蓋にも用いられ、開閉途中の任意の傾斜角に蓋を保持することが可能である。
複写機の蓋等に利用されるトルクヒンジの一例として、特許文献1に開示されたトルクヒンジを図10、11により説明する。
図10の概略図に示すとおり、ほぼ90°の角度範囲に亘って開閉可能となった蓋体CMには、蓋体CMと一体的に回動する回転シャフトRSが固着され、回転シャフトRSの両端にトルクヒンジTHが設置してある。トルクヒンジTHのハウジングHGは、複写機等の本体MB側に固定されて回転不能となっている。
トルクヒンジTHのハウジングHG内には、図11(a)の断面図に示すとおり、ローラーROを備えた一方向クラッチOWと、一方向クラッチOWの外側に嵌め合わされて固着されたリング体RBとが配置してあり、さらに、リング体RBの外周にはコイルばねCSが巻き付けられ、このコイルばねCSの一端が、ハウジングHGに形成されたスリット内に挿入されて固定される。これらの部品を収容するハウジングHG内の空間はシールド板により閉鎖され、蓋体CMと一体となった回転シャフトRSが、ハウジングHG、一方向クラッチOW及びシールド板を貫通するように挿入される。
一方向クラッチOWは、図11(b)に示すとおり、外輪OTに形成された複数の楔形の空間にそれぞれローラーROを配置したもので、回転シャフトRSが矢印方向に回動したときは、ローラーROが外輪OTと回転シャフトRSとの間に噛み込まれ、一方向クラッチOWが接続される。これにより、リング体RBが回転シャフトRSと共に回動し、回転シャフトRSには、ハウジングHGに固定されたコイルばねCSとの間の摩擦力に基づく抵抗トルクが作用する。
図10のトルクヒンジTHは、蓋体CMが下降して閉じる方向に回転シャフトRSが回動する場合に、一方向クラッチOWが接続されるように設定してある。そのため、蓋体CMが下降する方向には抵抗トルクが発生し、蓋体CMから手を離したときでも、蓋体CMが自重により落下することはない。
一方、蓋体CMを開く方向に回転シャフトRSが回動する場合には、一方向クラッチOWが切断されて回転シャフトRSが空転する。このときは、リング体RBがコイルばねCSにより固定されたままであり、蓋体CMの開き方向の操作に対しては、トルクヒンジTHの抵抗トルクは作用しないから、開き操作に要する力を軽減することができる。
回動する動作に対して抵抗トルクを付与するトルクヒンジは、複写機等の蓋に限らず、洋式便器の便座を開閉するヒンジとしても用いられる。この場合には、便座の開閉途中で任意の傾斜角に停止させることはできないが、自重で落下する便座に制動力を与えて便器に当たる際の衝撃を緩和している。
ところで、複写機の蓋等に落下方向に作用する自重による回転モーメントは、蓋の重心から下した垂線の足と回転中心との距離に比例するため、蓋が水平状態に近づき傾斜角が小さくなるほど増大する。したがって、トルクヒンジの発生する抵抗トルクも、蓋の傾斜角に応じて変化して、傾斜角が小さいときには増大する特性を備えているのが望ましい。特許文献2には、便座の開閉に利用されるトルクヒンジであって、圧縮式のコイルばねと粘性流体を封入した流体ダンパーとを組み合わせ、便座の傾斜角に応じて発生する抵抗トルクの値が変化するトルクヒンジが開示されている。
特許3592984号公報 特開平10−205568号公報
特許文献1に記載のトルクヒンジは、ローラーROを備えた一方向クラッチOWと、一方向クラッチOWの外側に嵌め合わされ手固着されたリング体RBの外周に巻き付けられたコイルばねCSとを組み合わされて構成される簡単な構造であるため、安価に製造することができるが、蓋や便座等の傾斜角に応じて抵抗トルクの値を変化させることはできない。
特許文献2に記載のトルクヒンジは、粘性抵抗式ダンパーを組み合わせて用いるものである。このダンパーは、シリコーン油等の粘性流体中で運動を行う羽根車に作用する粘性抵抗を利用するものであるため、粘性抵抗を生じさせる細いオリフィス通路の存在や、粘性流体の漏洩防止のためのシール部材の配置などに伴い、ダンパーの構造が複雑なものとなる。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、簡単な構成で、発生する抵抗トルクが物品の傾斜角に応じて可変となる新規のトルクヒンジを提供することである。
上記の課題に鑑み、本発明は、回転体を備えた一方向抵抗トルク付与体を少なくとも2つ軸方向に直列に配置し、第1の前記一方向抵抗トルク付与体の回転体には、回動可能な物品を相対回転不能に結合すると共に、隣接する第2の一方向抵抗トルク付与体の回転体に回転を伝達する回転伝達部材を相対回転不能に結合し、第2の一方向抵抗トルク付与体の回転体には、第1の一方向抵抗トルク付与体の回転伝達部材が所定角度回転した後に、この回転伝達部材と一体的に回転する被回転伝達部材を相対回転不能に結合するようにしたものである。すなわち、本発明は、
「中心軸の周りに回動可能な物品を、回動に対して抵抗トルクを付与しながら支持するトルクヒンジであって、
回転不能のハウジングを備え、
前記ハウジングの内側には、前記中心軸の周りに回転する回転体と、前記回転体の一方向の回転に対し摩擦抵抗を付与する手段とを備えた一方向抵抗トルク付与体が前記中心軸上に少なくとも2個直列に設置され、
軸方向の端部に設置された第1の前記一方向抵抗トルク付与体の前記回転体には、前記回動可能な物品が相対回転不能に結合されると共に、隣接する第2の前記一方向抵抗トルク付与体の前記回転体に回転を伝達する回転伝達部材が相対回転不能に結合され、
第2の前記一方向抵抗トルク付与体の前記回転体には、第1の前記一方向抵抗トルク付与体の前記回転伝達部材が一方向に所定角度回転した後に、前記回転伝達部材と一体的に回転する被回転伝達部材が相対回転不能に結合され、かつ、前記被回転伝達部材が戻しばねにより他方向に付勢されている」
ことを特徴とするトルクヒンジとなっている。
前記手段は、前記回転体の外周に設けられた一方向クラッチと、前記一方向クラッチの外周に巻き付けられたコイルばねと、前記コイルばねを介して前記一方向クラッチに接続される外輪とから構成されるのがよい。
前記回転伝達部材及び前記被回転伝達部材の一方には、軸方向に突出する押圧片が形成されると共に、他方には、前記押圧片が収容される空間部と前記回転伝達部材が所定角度回転したときに前記押圧片が当接する被押圧片とが形成されるのがよい。この際には、前記回転伝達部材及び前記被回転伝達部材の他方は、前記回転体が挿通される基部と、前記基部の外周に固着されて径方向外方に突出する一対の突出部とを有し、前記一対の突出部の一方に前記被押圧片が形成され、他方に、前記ハウジングと係合するストッパ部が形成されるのがよい。
前記回転伝達部材及び前記被回転伝達部材の中心には、断面円形のピンが共通して挿通されているのがより好ましい。この際には、前記回転伝達部材と前記被回転伝達部材との間には中間リングが設けられ、前記中間リングには前記ピンが挿通されているのがよい。
第2の前記一方向抵抗トルク付与体の、第1の前記一方向抵抗トルク付与体と反対側には、第3の前記一方向抵抗トルク付与体が設置されており、第2の前記一方向抵抗トルク付与体の前記回転体には、第3の前記一方向抵抗トルク付与体に回転を伝達する回転伝達部材が相対回転不能に結合されると共に、第3の前記一方向抵抗トルク付与体の前記回転体には、第2の前記一方向抵抗トルク付与体の前記回転伝達部材が一方向に第2所定角度回転した後に、その回転伝達部材と一体的に回転する被回転伝達部材が相対回転不能に結合され、かつ、その被回転伝達部材が戻しばねにより他方向に付勢されていてもよい。
本発明のトルクヒンジは、複写機の蓋など、中心軸の周りに回動可能となった物品を支持するために使用されるものであって、回転体を備えた一方向抵抗トルク付与体が少なくとも2つ軸方向に直列に配置される。そして、軸方向の端部に設置された第1の一方向抵抗トルク付与体の回転体には、上記物品が相対回転不能に結合されると共に、隣接する第2の一方向抵抗トルク付与体の回転体に回転を伝達する回転伝達部材が相対回転不能に結合される。一方、第2の一方向抵抗トルク付与体の回転体には、第1の一方向抵抗トルク付与体の回転伝達部材の作用によって回転する被回転伝達部材が相対回転不能に結合される。そして、この被回転伝達部材は戻しばねによって他方向に付勢されている。
第1の一方向抵抗トルク付与体の回転体に結合された物品が一方向に所定角度まで回転する際には、第1の一方向抵抗トルク付与体の回転伝達部材(これは上記物品と結合された回転体に結合されている)が第2の一方向抵抗トルク付与体の被回転伝達部材に当接することはなく、従って、上記物品には第1の一方向抵抗トルク付与体による抵抗トルクのみが付与される。上記物品が上記所定角度を超えて一方向に回転する際には、第1の一方向抵抗トルク付与体の回転伝達部材が第2の一方向抵抗トルク付与体の被回転伝達部材と当接してこれと一体的に回転し、第2の一方向抵抗トルク付与体の被回転伝達部材に結合された回転体が一方向に回転する。これにより、上記物品には第1の一方向抵抗トルク付与体による抵抗トルクと共に、第2の一方向抵抗トルク付与体による抵抗トルクが付与される。従って、上記物品が一方向に回転する際には、所定角度位置にて抗トルクが増大することとなる。更に、被回転伝達部材には戻しばねによって復元力が作用しているため、上記所定角度位置は一定となる。
本発明のトルクヒンジの実施例の全体的な構造を示す図である。 図1に示すトルクヒンジの内部構造を示す斜視図である。 図1示すトルクヒンジの一部を分解して示す斜視図である。 図1に示すトルクヒンジのハウジングを示す図である。 図1に示すトルクヒンジの一方向抵抗トルク付与体を示す図である。 図1に示すトルクヒンジの接続部材を示す図である。 図1に示すトルクヒンジの回転伝達部材を示す図である。 図1に示すトルクヒンジの被回転伝達部材を示す図である。 図1に示すトルクヒンジの作動を説明する図である。 複写機の蓋を支持する従来のトルクヒンジを示す図である。 図10のトルクヒンジの内部構造等を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明に従って構成されたトルクヒンジの好適実施形態について、更に詳述する。
図1乃至図3に示すとおり、図示のトルクヒンジ2は、回転不能のハウジング4を備え、ハウジング4の内側には一方向抵抗トルク付与体6が少なくとも2個軸方向に直列に配置されている(なお、後述するとおり一方向抵抗トルク付与体6は周知の機械部品であるため、その内部構造については省略して示している)。図示の実施形態においては、ハウジング4は全体的に円筒形状であって、軸方向に直列に配置された3つの小ハウジング(夫々を番号8乃至14で示す)が組み合わされて構成されている。図4に示すとおり、小ハウジング8乃至14は何れも樹脂製であって、同一の外径を有した円筒形状であって、夫々の軸方向端面に形成された凸部及び凹部からなる連結手段16によって連結されている。また、ハウジング4の内側には一方向抵抗トルク付与体6が3つ配置されている。3つの一方向抵抗トルク付与体6は何れも同一である。
小ハウジング8は図1の中央縦断面図において右端に配置されている。図1及び図2と共に図4(a)を参照して説明すると、小ハウジング8の軸方向片端には端板18が設けられているが軸方向他端は開放されており、小ハウジング8の内部には断面円形の収容空間部20が画成されている。収容空間部20には後述する接続部材64が収容される。端板18の中央には円形の開口22が形成されている。
小ハウジング10は図1の中央縦断面図において小ハウジング8の左側にこれと隣接して配置されている。図1及び図2と共に図4(b)を参照して説明すると、小ハウジング10の軸方向片端には端板24が設けられているが軸方向他端は開放されており、小ハウジング10の内部には断面円形の収容空間部26が画成されている。収容空間部26には、一方向抵抗トルク付与体6(かかる一方向抵抗トルク付与体を番号6aで示す)が収容される。端板24の中央には全体的に円形である開口28が形成されており、開口28には第1の一方向抵抗トルク付与体6aの後述する突起と共働する切欠き30も形成されている。切欠き30は略矩形であって、直径方向に対向して一対設けられている。
小ハウジング12は図1の中央縦断面図において小ハウジング10の左側にこれと隣接して配置されている。図1及び図2と共に図4(c)を参照して説明すると、小ハウジング12の軸方向両端は開放されている。小ハウジング12の軸方向中間位置には軸方向に対して垂直な仕切壁32が設けられており、小ハウジング12の内部空間は後述する回転伝達部材等が収容される片側収容空間部34と一方向抵抗トルク付与体6(かかる一方向抵抗トルク付与体を番号6bで示す)が収容される他側収容空間部36とに仕切られている。片側収容空間部34は更に、内径が比較的小さく軸方向片側に位置する外側部分38と、内径が比較的大きく軸方向他側に位置する内側部分40とを備えている。片側収容空間部34及び他側収容空間部36は共に断面円形であって中心軸oと同軸上に設けられている。仕切壁32の中央には全体的に円形である開口42が形成されており、開口42には第2の一方向抵抗トルク付与体6bの後述する突起と共働する切欠き44も形成されている。切欠き44は略矩形であって、直径方向に対向して一対設けられている。片側収容空間部34の内側部分40における周方向所定位置には、小ハウジング12の内周面から径方向内側に向かって突出する断面円弧状の台座部46が設けられている。台座部46における周方向他方側には周方向に突出する断面円形の突出片48が付設されている。
小ハウジング14は図1の中央縦断面図において小ハウジング12の左側にこれと隣接して配置されている。小ハウジング14は小ハウジング12と同一であるため、説明は省略する。小ハウジング14にも一方向抵抗トルク付与体6が収容され、これについては番号6cで示される。
次に、一方向抵抗トルク付与体6について、図1及び図2と共に図5を参照して説明する。一方向抵抗トルク付与体6は、中心軸oの周りに回転する回転体50と、回転体50の一方向の回転に対し摩擦抵抗を付与する手段とを備えている(以下の説明において、一方向抵抗トルク付与体6a乃至cの各々についての回転体を示すときは末尾にa乃至cを付して示す)。回転体50は金属製であって全体的に断面円形の軸状部材であるが、その軸方向両端部にはD形状の突起51が形成されている。図示の実施形態においては、上記手段は、回転体50の外周に設けられた一方向クラッチ52と、この一方向クラッチ52の外周に巻き付けられたコイルばね54と、このコイルばね54を介して一方向クラッチ52に接続される外輪56とから構成されている。上記一方向クラッチ52及びこれを備えた一方向抵抗トルク付与体6は何れも周知技術であるため(一方向抵抗トルク付与体は一方向性トルクヒンジとも称され、例えば本願の出願による特許第3592984号公報を参照されたい)、これらについての詳細な説明は省略する。念のため付言すると、一方向クラッチとしてはローラーの噛み込みを利用した形式のものだけでなく、所謂輪ばねの機構を利用した形式のものもある。外輪56の軸方向両端面は共に閉塞されており、一方の端面には軸方向に突出する一対の突起58が形成されている。一対の突起58の各々は何れも略直方体であって、上記手段において回転体50が挿通される穴を挟んで直径方向に直線状に配置されている。このような一方向抵抗トルク付与体6が、小ハウジング10にあっては収容空間部2に、小ハウジング12(及び14)にあっては他側収容空間部36に夫々配置されている。小ハウジング8乃至14に配置された夫々の一方向抵抗トルク付与体6は、一対の突起58と一対の切欠き30又は44との共働によって、配置された小ハウジング10又は12に対して回転不能となる。
ここで、第1の一方向抵抗トルク付与体6aの回転体50aには、複写機の蓋や便座等の回動可能な物品が相対回転不能に結合されると共に、隣接する第2の一方向抵抗トルク付与体6bの回転体50bに回転を伝達する回転伝達部材60aが相対回転不能に結合されている。一方、第2の一方向抵抗トルク付与体6bの回転体50bには、第1の一方向抵抗トルク付与体6aの回転伝達部材60aが一方向に所定角度回転した後に、回転伝達部材60aと一体的に回転する被回転伝達部材62bも相対回転不能に結合されている。図1のC−C断面図及びD−D断面図、図2、並びに図9においては、容易に理解できるように、回転伝達部材には比較的濃いグレーを、被回転伝達部材には比較的薄いグレーを夫々付して示している。
図示の実施形態においては、上記した回動可能な物品は接続部材64を介して回転体50aに結合されている。接続部材64は金属製であって、小ハウジング8の収容空間部20に収容されており、小ハウジング8に対して回転可能である。接続部材64について図1及び2と共に図6を参照して説明する。接続部材64は全体的に所定程度の厚みを備えた円板であって、片側面の中央部には、複写機の蓋や便座等の回動可能な物品の回転軸が挿通される略矩形の有底嵌合穴66が形成され、他側面の中央部には、回転体50aの軸方向片端部に形成された突起51が挿通されるD穴68が形成されている。接続部材64の径方向中間部(つまり有底嵌合穴66及びD穴68が形成された中央部を除く部分)には、軸方向に貫通した肉抜き穴が適宜形成されている。
次に、回転伝達部材60aについて図1乃至図3と共に図7を参照して説明する。回転伝達部材60aは金属製であって、小ハウジング12の片側収容空間部34における外側部分38に収容されており、小ハウジング12に対して回転可能である。回転伝達部材60aは全体的に所定程度の厚みを備えた円板であって、片側面における中央部には、回転体50aの軸方向他端部が挿通されるD穴70が形成されている。回転伝達部材60aの他側面における中央部には、軸方向に突出する断面円形のピン72が固着され、外周縁部の所定位置には、軸方向に突出する断面扇形状の押圧片74が形成されている。回転伝達部材60aの径方向中間部には、軸方向に貫通した肉抜き穴が適宜形成されている。
続いて、被回転伝達部材62bについて図1乃至図3と共に図8を参照して説明する。被回転伝達部材62bは小ハウジング12の片側収容空間部34における内側部分40に収容されており、小ハウジング12に対して回転可能である。被回転伝達部材62bは、金属製の基部76(図8(a))と、基部76の外周に固着されて径方向外方に突出する一対の樹脂製突出部78とを有している。基部76は所定程度の厚みを備えた円板の外周縁部の一部を円弧状に切り欠いた形状であって、切り欠かれた部分には、円弧状の係合部79が直径方向に対向して2つ設けられている。基部76の片側面の中央部には、断面円形の軸孔80が形成されると共に、他側面の中央部には、回転体50bの軸方向片端部が挿通されるD穴82が形成されている。一方、一対の突出部78の各々には円弧状に延びる被係合部83が形成され、被係合部83を基部76の係合部79に係合させることで、一対の突出部78の各々は基部76と一体となる。そして、一対の突出部78の一方には被押圧片84が形成されると共に(図8(b))、他方には小ハウジング12の台座部46と係合するストッパ部86が形成されている(図8(c))。被押圧片84及びストッパ部86は何れも扇形状であって、被押圧片84とストッパ部86との間には第1所定角度θ1の角度範囲に渡って延在する空間部88が画成されている(図1を参照されたい)。被押圧片84の周方向一方側面には断面円形で周方向に突出した突出片90が付設されている。
小ハウジング12の片側収容空間部34において回転伝達部材60a及び被回転伝達部材62bが組み合わされると、図1のC−C断面図に示すとおり、回転伝達部材60aに形成された押圧片74が、被回転伝達部材62bに画成された空間部88に収容されるとともに、被回転伝達部材62bのストッパ部86は、周方向に見て押圧片74と小ハウジング12の台座部46との間に配置される。そして、被回転伝達部材62bの被押圧片84に付設された突出片90の突出端面は周方向に見て台座部46に付設された突出片48の突出端面と対向し、突出片90と突出片48との間にはコイル状の押しばね(戻しばね)92が配設される。これにより、被回転伝達部材62bは他方向に付勢される。また、回転伝達部材60aのピン72は被回転伝達部材62bの基部76に形成された軸孔80に挿通される。これにより、回転伝達部材60aに対する被回転伝達部材62bの傾きが防止される。このとき更に、図示の実施形態においては、図3を参照することによって理解されるとおり、回転伝達部材60aと被回転伝達部材62bの基部76との間には中間リング94が設けられ、中間リング94にはピン72が挿通される。これにより、回転伝達部材60aと被回転伝達部材62bとが接触することが回避され、被回転伝達部材62bが回転伝達部材60aとの摩擦によって回転しまうことが防止される。
ここで、図示の実施形態においてはさらに、第2の一方向抵抗トルク付与体6bの回転体50bには、第3の一方向抵抗トルク付与体6cに回転を伝達する回転伝達部材60bが相対回転不能に結合されると共に、第3の一方向抵抗トルク付与体6cの回転体50cには、第2の一方向抵抗トルク付与体6bの回転伝達部材60bが一方向に第2所定角度回転した後に、回転伝達部材60bと一体的に回転する被回転伝達部材62cが相対回転不能に結合されている。回転伝達部材60bは回転伝達部材60aと同一の形状であって、小ハウジング12ではなく小ハウジング14の片側収容空間部34における外側部分38に収容されている。被回転伝達部材62cは、被押圧片84とストッパ部86との間に画成された空間部88が第2所定角度θ2の角度範囲に渡って延在していることを除いて被回転伝達部材62bと同一であって、小ハウジング12ではなく小ハウジング14の片側収容空間部34における内側部分40に収容されている。そして、小ハウジング14の片側収容空間部34において回転伝達部材60b及び被回転伝達部材62cが組み合わされると、図1のD−D断面図に示す状態となる。かかる状態は上述した図1のC−C断面図に示す状態と同じであるため、説明は省略する。
続いて、図1及び図2と共に図9を参照して、本発明のトルクヒンジの作動に対説明する。
図9では、d列が図1のD−D断面、c列が図1のC−C断面、b列が図1のB−B断面を夫々示しており、複写機の蓋や便座等の回動可能な物品の角度位置を一方向に漸次変化させた際の各部断面の状態を1行乃至4行に夫々示している。
上記物品が一方向に回転すると、これと一体の接続部材64が一方向に回転する(図9のb1とb2とを比較参照されたい)。接続部材64が回転すると、これと回転体50aを介して結合された回転伝達部材60aも一体的に回転する。回転体50aが一方向に回転する際、これには一方向抵抗トルク付与体6aから抵抗トルクが付与される。ここで、上記物品が一方向に第1所定角度θ1まで回転する間は、図9のc1とc2とを比較参照することによって理解されるとおり、回転伝達部材60aに形成された押圧片74は被回転伝達部材62bに画成された空間部88内を一方向に移動するだけであって、被回転伝達部材62bの被押圧片84に当接することはなく、回転伝達部材60aが被回転伝達部材62bと一体的に回転することはない。従って、図9のd1及びd2に示すとおり、回転伝達部材60b及び被回転伝達部材62cが回転することはない。以上のことから、上記物品が一方向に第1所定角度θ回転する間は、上記物品には一方向抵抗トルク付与体6aからのみ抵抗トルクが付与されることとなる。
次に、上記物品が一方向に第1所定角度θ1を超えて回転する際には、図9のc2とc3とを比較参照することに理解されるとおり、回転伝達部材60aに形成された押圧片74が被回転伝達部材62bの被押圧片84を押圧して、回転伝達部材60aと被回転伝達部材62bとが一体的に回転する。被回転伝達部材62bが回転すると、これと回転体50bを介して結合された回転伝達部材60bも一体的に回転する。回転体50bが一方向に回転する際、これには一方向抵抗トルク付与体6bから抵抗トルクが付与される。ここで、上記物品が一方向に第1所定角度θ1を超えて更に第2所定角度θ2まで回転する際には、図9のd2とd3とを比較参照することによって理解されるとおり、回転伝達部材60bに形成された押圧片74は被回転伝達部材62cに画成された空間部88内を一方向に移動するだけであって、被回転伝達部材62cの被押圧片84に当接することはなく、回転伝達部材60bが被回転伝達部材62cと一体的に回転することはない。以上のことから、上記物品が一方向に第1所定角度θ1を超えて更に第2所定角度θ2まで回転する際には、上記物品には一方向抵抗トルク付与体6aからの抵抗トルクと共に一方向抵抗トルク付与体6bからの抵抗トルクが付与されることとなる。
そして、上記物品が一方向に第1所定角度θ1と第2所定角度θ2とを合算した角度を超えて更に回転する際には、図9のd3とd4とを比較参照することに理解されるとおり、回転伝達部材60bに形成された押圧片74が被回転伝達部材62cの被押圧片84を押圧して、回転伝達部材60bと被回転伝達部材62cとが一体的に回転する。被回転伝達部材62cが回転すると、これに結合された回転体50cも一体的に回転する。回転体50cが一方向に回転する際、これには一方向抵抗トルク付与体6cから抵抗トルクが付与される。以上のことから、上記物品が一方向に第1所定角度θ1と第2所定角度θ2とを合算した角度を超えて更に回転する際には、上記物品には一方向抵抗トルク付与体6aからの抵抗トルク及び一方向抵抗トルク付与体6bからの抵抗トルクと共に、一方向抵抗トルク付与体6cからの抵抗トルクが付与されることとなる。
従って、本発明のトルクヒンジにあっては、上記物品が一方向に回転する際には、所定角度位置にて段階的に抵抗トルクが付与されることとなる。なお、上記実施形態においては、上述したとおり、小ハウジング14は小ハウジング12と同一形態であって、夫々の内部構造も略同一である。従って、小ハウジング14及びこれの内部構造(或いは小ハウジング12及びこれの内部構造)を1ユニットとし、かかるユニットを連結させることで、より多段的に抵抗トルクが付与されるようにすることもできる。また、本発明のトルクヒンジでは、押しばね92によって被回転伝達部材62には復元力が作用しているため、上記所定角度位置は一定となる。つまり、上記物品を一方向に回転した後に他方向に回転し、再度また一方向に回転する場合であっても同一の角度位置において抵抗トルクが変化することとなる。
上記物品を他方向に回転する際には、回転体50が一方向抵抗トルク付与体6から抵抗トルクを受けることはなく、上記物品を軽い力で回転させることができる。
2:トルクヒンジ
4:ハウジング
6:一方向抵抗トルク付与体
50:回転体
60:回転伝達部材
62:被回転伝達部材
74:押圧片
84:被押圧片
88:空間部
92:押しばね

Claims (7)

  1. 中心軸の周りに回動可能な物品を、回動に対して抵抗トルクを付与しながら支持するトルクヒンジであって、
    回転不能のハウジングを備え、
    前記ハウジングの内側には、前記中心軸の周りに回転する回転体と、前記回転体の一方向の回転に対し摩擦抵抗を付与する手段とを備えた一方向抵抗トルク付与体が前記中心軸上に少なくとも2個直列に設置され、
    軸方向の端部に設置された第1の前記一方向抵抗トルク付与体の前記回転体には、前記回動可能な物品が相対回転不能に結合されると共に、隣接する第2の前記一方向抵抗トルク付与体の前記回転体に回転を伝達する回転伝達部材が相対回転不能に結合され、
    第2の前記一方向抵抗トルク付与体の前記回転体には、第1の前記一方向抵抗トルク付与体の前記回転伝達部材が一方向に所定角度回転した後に、前記回転伝達部材と一体的に回転する被回転伝達部材が相対回転不能に結合され、かつ、前記被回転伝達部材が戻しばねにより他方向に付勢されている、ことを特徴とするトルクヒンジ。
  2. 前記手段は、前記回転体の外周に設けられた一方向クラッチと、前記一方向クラッチの外周に巻き付けられたコイルばねと、前記コイルばねを介して前記一方向クラッチに接続される外輪とから構成される、請求項1に記載のトルクヒンジ。
  3. 前記回転伝達部材及び前記被回転伝達部材の一方には、軸方向に突出する押圧片が形成されると共に、他方には、前記押圧片が収容される空間部と前記回転伝達部材が所定角度回転したときに前記押圧片が当接する被押圧片とが形成される、請求項1又は2に記載のトルクヒンジ。
  4. 前記回転伝達部材及び前記被回転伝達部材の他方は、前記回転体が挿通される基部と、前記基部の外周に固着されて径方向外方に突出する一対の突出部とを有し、前記一対の突出部の一方に前記被押圧片が形成され、他方に、前記ハウジングと係合するストッパ部が形成される、請求項3に記載のトルクヒンジ。
  5. 前記回転伝達部材及び前記被回転伝達部材の中心には、断面円形のピンが共通して挿通されている、請求項1乃至4のいずれかに記載のトルクヒンジ。
  6. 前記回転伝達部材と前記被回転伝達部材との間には中間リングが設けられ、前記中間リングには前記ピンが挿通されている、請求項5に記載のトルクヒンジ。
  7. 第2の前記一方向抵抗トルク付与体の、第1の前記一方向抵抗トルク付与体と反対側には、第3の前記一方向抵抗トルク付与体が設置されており、
    第2の前記一方向抵抗トルク付与体の前記回転体には、第3の前記一方向抵抗トルク付与体に回転を伝達する回転伝達部材が相対回転不能に結合されると共に、第3の前記一方向抵抗トルク付与体の前記回転体には、第2の前記一方向抵抗トルク付与体の前記回転伝達部材が一方向に第2所定角度回転した後に、その回転伝達部材と一体的に回転する被回転伝達部材が相対回転不能に結合され、かつ、その被回転伝達部材が戻しばねにより他方向に付勢されている、請求項1乃至6のいずれかに記載のトルクヒンジ。
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