JP2001202615A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2001202615A
JP2001202615A JP2000339588A JP2000339588A JP2001202615A JP 2001202615 A JP2001202615 A JP 2001202615A JP 2000339588 A JP2000339588 A JP 2000339588A JP 2000339588 A JP2000339588 A JP 2000339588A JP 2001202615 A JP2001202615 A JP 2001202615A
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average particle
particle size
back coat
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JP2000339588A
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Tsutomu Ide
勉 井出
Yasushi Ishikawa
泰史 石川
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘッド付着が低減され、バックコート層表面
の磁性面への転写が低減され、耐久性に優れる磁気記録
媒体を提供する。 【解決手段】 非磁性支持体の片面に磁性層を、他面に
バックコート層を有する磁気記録媒体。バックコート層
は、非磁性粉末として(a) 平均粒径15〜25nmのカ
ーボンブラック、(b) 平均粒径60〜80nmのカーボ
ンブラック、(c)平均粒径30〜70nmのモース硬度
6以下の無機質粉末を含有し、バックコート層中の非磁
性粉末の合計重量Pに対して、(a) の含有比率=0.6
〜0.8、(b) の含有比率=0.08〜0.2、(c) の
含有比率=0.11〜0.19である。バックコート層
の表面粗さRaは(a) の平均粒径よりも小さく、Rz
は、(a) 、(b) 及び(c) それぞれの平均粒径の和Sとの
間に、0.75×S<Rz<1.2×Sの関係にあり、
Rzは140nm以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バックコート層を
有する磁気記録媒体に関し、より詳しくは、ヘッド付着
が低減され、バックコート層表面の磁性面への転写が低
減され、耐久性に優れる磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】非磁性支持体の一方の面上に磁性層を有
する磁気記録媒体において、走行安定性の改善や磁性層
の帯電防止等の目的で、前記支持体の磁性層とは反対側
の面にバックコート層が形成されることが多い。
【0003】特開平9ー115134号公報に示される
ように、バックコート層に、カーボンブラックとして平
均粒径230〜300nmの粗粒子カーボンブラックと
平均粒径10〜20nmの微粒子カーボンブラックを用
い、さらに炭酸カルシウム等の無機質粉末を併用するこ
とが知られている。このような構成とすることによっ
て、低摩擦でカーボンブラックのバックコート層からの
脱落が少なく信頼性に優れた磁気記録媒体が得られると
している。
【0004】しかしながら、このような大粒径のカーボ
ンブラックをバックコート層に用いると、大粒径のカー
ボンブラックの分散性が悪いため、磁性面への転写によ
る傷や凹みが発生し、ドロップアウトが悪化したりエラ
ーレートが悪化しやすい。また、分散性が悪いことによ
って、バックコート層から大粒径カーボンブラックが脱
落しやすく、そのためバックコート層の耐久摩擦の悪
化、磁性層の傷、ヘッド付着などが発生しやすい傾向に
ある。
【0005】特開平3−141021号公報には、前記
のような大粒径カーボンブラックを使用しないで、平均
粒径100nm以下で平均粒径が異なる2種類のカーボ
ンブラックと炭酸カルシウム等の無機質粉末を併用する
ことが記載されている。同号公報の実施例には具体的
に、平均粒径27nmの小粒径カーボンブラックと平均
粒径72nmの大粒径カーボンブラックとモース硬度3
〜4の炭酸カルシウムとをバックコート層に用いること
が開示されている。
【0006】しかしながら、前記2種類のカーボンブラ
ックと無機質粉末の混合比率が最適化されていない場合
は、バックコート層表面粗さの悪化による磁性面への転
写、バックコート層耐久摩擦悪化による削れ、表面電気
抵抗値が高くなる等の種々の問題が生じる場合があっ
た。さらに、同号公報では、無機質粉末としてモース硬
度3〜6のCaCO3 やBaSO4 が記載されている
が、無機質粉末の粒径については何ら記載されておら
ず、ドロップアウトや耐久摩擦が悪化することが多い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、このような問題が解決され、ヘッド付着が低減さ
れ、バックコート層表面の磁性面への転写が低減され、
耐久性に優れる磁気記録媒体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究し
た結果、特定粒径の3種の非磁性粉末をバックコート層
の必須成分とし、前記3種の非磁性粉末の含有比率を特
定し、さらに、バックコート層の表面粗さRa及びRz
を特定の範囲とすることによって、上記問題が解決され
ることを見出し、本発明の磁気記録媒体に到達した。
【0009】すなわち、本発明は、非磁性支持体の一方
の面上に強磁性粉末と結合剤とを主体とする磁性層を有
し、他方の面上に非磁性粉末と結合剤とを主体とするバ
ックコート層を有する磁気記録媒体であって、該バック
コート層は、非磁性粉末として少なくとも、(a) 平均粒
径が15〜25nmのカーボンブラックと、(b) 平均粒
径が60〜80nmのカーボンブラックと、(c) 平均粒
径が30〜70nmのモース硬度6以下の無機質粉末と
を含有し、前記3種の非磁性粉末の該バックコート層に
おける含有比率はそれぞれ、該バックコート層中の非磁
性粉末の合計重量Pに対して、 Pに対するカーボンブラック(a) の含有比率=0.6〜
0.8 Pに対するカーボンブラック(b) の含有比率=0.08
〜0.2 Pに対する無機質粉末(c) の含有比率=0.11〜0.
19 であり、かつ該バックコート層の表面粗さRaがカーボ
ンブラック(a) の平均粒径よりも小さく、該バックコー
ト層の表面粗さRzが、カーボンブラック(a) 、カーボ
ンブラック(b) 及び無機質粉末(c) それぞれの平均粒径
の和Sとの間に、0.75×S<Rz<1.2×Sの関
係にあり、かつRzは140nm以下であることを特徴
とする磁気記録媒体である。
【0010】本発明において、前記平均粒径15〜25
nmのカーボンブラック(a) は、50〜115cc/1
00gの範囲の吸油量、及び100〜300m2 /gの
範囲のBET法による比表面積(BET値)を有するこ
とが好ましい。
【0011】本発明において、前記平均粒径60〜80
nmのカーボンブラック(b) は、20〜80cc/10
0gの範囲の吸油量、及び10〜50m2 /gの範囲の
BET法による比表面積(BET値)を有することが好
ましい。
【0012】本発明において、前記非磁性支持体が芳香
族系ポリアミドからなる場合には、前記バックコート層
は結合剤としてポリエステル樹脂を含有することが好ま
しい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の磁気記録媒体は、非磁性
支持体の一方の面上に強磁性粉末と結合剤とを主体とす
る磁性層を有し、他方の面上に非磁性粉末と結合剤とを
主体とするバックコート層を有する。本発明の磁気記録
媒体において、必要に応じて、磁性層上に潤滑剤塗膜や
磁性層保護用の各種塗膜などを設けてもよい。また、非
磁性支持体の磁性層が設けられる面には、塗膜と非磁性
支持体との接着性の向上等を目的として、下塗り層(易
接着層)を設けることもできる。また、0.5μm以下
の厚みの磁性層を設ける場合、絶対的な塗膜強度や潤滑
剤量が不足する場合が多いため、磁性層と非磁性支持体
との間に0.5μm以上、好ましくは0.8〜1.5μ
mの厚みの非磁性下層を設けることもできる。
【0014】本発明において、バックコート層は非磁性
粉末と結合剤とを主体とするものであり、バックコート
層の非磁性粉末として、特定の含有比率で、粒径の異な
る2種のカーボンブラックと無機質粉末とを混合して用
い、更に、バックコート層の表面粗さRa及びRzを特
定の範囲とすることによって、電気抵抗が低く、耐久性
に優れ、しかも表面の凹凸が抑えられたバックコート層
を得ることができる。
【0015】カーボンブラック(a) は、バックコート層
の基本的な表面を形成するために用いられ、バックコー
ト層形成用顔料の主成分をなすものであり、その平均粒
径が15〜25nm、好ましくは15nm以上20nm
未満である。カーボンブラック(a) の平均粒径が上記範
囲の下限未満となると、バックコート層用塗料としたと
きのカーボンブラックの分散性が低下してしまい、その
結果バックコート層表面粗さが悪化する。一方、カーボ
ンブラック(a) の平均粒径が25nmを越えると、本発
明の表面粗さを満たすことができず、磁性面への転写が
起こり、ドロップアウト、エラーレートが悪化する。カ
ーボンブラック(a) の平均粒径を20nm未満とするこ
とにより、ヘッド付着をより低減することができる。
【0016】前記カーボンブラック(a) は、50〜11
5cc/100gの範囲の吸油量、及び100〜300
2 /gの範囲のBET値を有することが好ましい。カ
ーボンブラック(a) の吸油量及び/又はBET値が上記
範囲の上限を越えると、平均粒径が上記本発明の範囲内
であっても分散性が低下してしまい、結果的に表面の平
滑性が低下するおそれがある。また、バックコート層か
らの粉落ちが発生して、ヘッド付着が発生しやすくな
る。カーボンブラック(a) の吸油量及び/又はBET値
が上記範囲の下限未満であると、バックコート層の表面
平滑性が低下しやすく、その結果、磁性面への転写が起
こり、ドロップアウト、エラーレートが悪化しやすい。
前記カーボンブラック(a) のより好ましい吸油量範囲
は、55〜80cc/100gであり、より好ましいB
ET値範囲は150〜250m2 /gである。
【0017】カーボンブラック(a) のバックコート層中
の含有量は、バックコート層中の非磁性粉末の合計重量
をPとすると、0.6×P〜0.8×P、好ましくは
0.6×P〜0.75×Pである。カーボンブラック
(a) の含有量が0.6×Pより少ないと、本発明の表面
粗さを満たすことができず、ドロップアウトが悪化す
る。一方、カーボンブラック(a) の含有量が0.8×P
より多いと、表面が過度に平滑になり、耐久性の悪化の
原因となる。
【0018】またカーボンブラック(b) は、前記カーボ
ンブラック(a) によって形成されたバックコート層の基
本的な表面に対して、摩擦を低下させるための第1の微
小凸部を形成するために用いられ、その平均粒径は60
〜80nmである。カーボンブラック(b) の平均粒径が
上記範囲の上限を越えると、バックコート層用塗料とし
たときのカーボンブラックの分散性が低下してしまい、
粗粒子カーボンブラックを使用した従来例と同様の不具
合が起きる可能性がある。特に高温高湿保存後のドロッ
プアウトが多くなる。一方、カーボンブラック(b) の平
均粒径が上記範囲の下限未満となると、カーボンブラッ
ク(a) との平均粒径の差がなくなるために分散性に悪影
響を及ぼし、結果的に表面の平滑性が低下するおそれが
ある。あるいは、カーボンブラック(a) によって形成さ
れたバックコート層の基本的な表面に対して、十分な微
小凸部を形成することができず、目的とする摩擦の低下
効果が得られず、バックコート層の耐久摩擦性が悪くな
る。
【0019】前記カーボンブラック(b) は、20〜80
cc/100gの範囲の吸油量、及び10〜50m2
gの範囲のBET値を有することが好ましい。カーボン
ブラック(b) の吸油量及び/又はBET値が上記範囲の
上限を越えると、分散性が低下し層表面の凸が大きくな
るために、高温高湿保存後のドロップアウトが悪化する
傾向にある。カーボンブラック(b) の吸油量及び/又は
BET値が上記範囲の下限未満であると、分散性が低下
し層表面の凸が大きくなるために、高温高湿保存後のド
ロップアウトが悪化したり、また、バックコート層の耐
久性が悪くなることによりヘッド付着が悪化する恐れが
ある。前記カーボンブラック(b) のより好ましい吸油量
範囲は、40〜70cc/100gであり、より好まし
いBET値範囲は15〜40m2 /gである。
【0020】カーボンブラック(b) のバックコート層中
の含有量は、バックコート層中の非磁性粉末の合計重量
Pとして、0.08×P〜0.2×P、好ましくは0.
1×P〜0.17×Pである。カーボンブラック(b) の
含有量が0.08×Pより少ないと、バックコート層の
表面に摩擦を低下させるための凹凸の形成が不十分とな
り、表面が平滑となり、耐久性の悪化の原因となる。一
方、カーボンブラック(b) の含有量が0.2×Pより多
いと、表面の平滑性が悪くなるために、バックコート層
からの磁性面への転写が大きくなり、ドロップアウトの
悪化、エラーレートの悪化が起こる。
【0021】カーボンブラック(a) 又はカーボンブラッ
ク(b) として使用できるカーボンブラックは具体的には
「カーボンブラック年鑑」(カーボンブラック協会編)
等を参考にすることができる。カーボンブラック(a) の
具体例としては、三菱化学(株)社製のカーボンブラッ
ク#1000(平均粒径:18nm)、#990(16
nm)、#980(16nm)、#970(16n
m)、#960(16nm)、#950(16nm)、
#900(16nm)、#850(18nm)、MCF
88(18nm)、#47(23nm)、#45(24
nm)、#45L(24nm)、#44(24nm)、
#40(24nm)、キャボット社製のBLACKPEARLS880
(16nm)、BLACKPEARLS800(17nm)等が挙げら
れる。カーボンブラック(a) として、2種以上を用いて
もよい。カーボンブラック(b) の具体例としては、キャ
ボット社製の、BLACKPEARLS130(平均粒径:75n
m)、コロンビアカーボン社製のRaven460(6
7nm)、Raven450(75nm)等が挙げられ
る。カーボンブラック(b) として、2種以上を用いても
よい。
【0022】さらに、本発明において、バックコート層
の必須成分として、平均粒径が30〜70nmのモース
硬度6以下、好ましくはモース硬度3〜6の無機質粉末
(c)を用いる。無機質粉末(c) は、前記カーボンブラッ
ク(a) によって形成されたバックコート層の基本的な表
面に対して、摩擦を低下させるための前記第1の微小凸
部に加えて、耐久性を向上させるための第2の微小凸部
を形成するために用いる。
【0023】無機質粉末(c) の平均粒径が上記範囲の上
限を越えると、第1微小凸部と第2微小凸部との差が小
さくなる又は第2微小凸部が第1微小凸部よりも大きく
なってしまい、摩擦が悪化したり、ヘッド付着が悪化す
る恐れがある。この観点から、同じバックコート層中に
おいては、無機質粉末(c) の平均粒径は、カーボンブラ
ック(b) の平均粒径よりも小さいことが好ましい。ある
いは、(c) の平均粒径が上記範囲の上限を越えると、同
一重量の粒子(c) を用いる場合を考えると、塗膜中の無
機質粉末(c) の絶対数が少なくなるために、補強剤とし
ての効果が小さくなり、媒体の耐久性が悪くなる。一
方、無機質粉末(c) の平均粒径が上記範囲の下限未満で
あると、カーボンブラック(a) によって形成された基本
的な表面に対して第2微小凸部が小さくなりすぎる、又
はカーボンブラック(a) の基本的な表面の中に埋もれて
しまうために、補強剤としての効果が小さくなり、バッ
クコート面の削れによるヘッド付着や媒体の耐久性が悪
化する恐れがある。
【0024】このようなモース硬度6以下の無機質粉末
(c) は比較的柔らかな顔料粒子であるため、モース硬度
が6より大きい顔料粒子を併用する場合に比べて、磁気
テープ走行系の部品を削ってしまったり、特に磁性層を
不用意に削ってしまうなどの問題を少なくする。また、
非磁性粉末としてカーボンブラック粒子のみを用いる場
合に比べて、分散性に優れるという効果と、ある程度の
硬さをバックコート層に与えることが可能となるため、
バックコート層自身が削られることを防ぐ効果がある。
【0025】無機質粉末(c) のバックコート層中の含有
量は、バックコート層中の非磁性粉末の合計重量Pとし
て、0.11×P〜0.19×P、好ましくは0.12
×P〜0.18×Pである。無機質粉末(c) の含有量が
0.11×Pより少ないと、バックコート層に十分な硬
さを与えられなくなるため、耐久性が悪くなる。一方、
無機質粉末(c) の含有量が0.19×Pより多いと、電
気抵抗値が大きくなる等の問題が生じる。
【0026】無機質粉末(c) としては、酸化チタン、酸
化アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、α−
酸化鉄、炭酸バリウム等が挙げられる。無機質粉末(c)
として、2種以上を用いてもよい。
【0027】なお、カーボンブラック(a) 及び(b) 、無
機質粉末(c) の平均粒径は、透過型電子顕微鏡を用いて
測定した値である。カーボンブラック(a) 、カーボンブ
ラック(b) 、無機質粉末(c) の各粉末につき、2種以上
を併用した場合の平均粒径は、用いた2種以上の粉末の
使用重量に応じた平均粒径を意味する。例えば、カーボ
ンブラック(a) として、平均粒径Diのカーボンブラッ
ク(ai)を重量Wi使用し、平均粒径Djのカーボンブラ
ック(aj)を重量Wj使用した場合には、カーボンブラッ
ク(a) の平均粒径=(Di×Wi+Dj×Wj)/(W
i+Wj)となる。
【0028】バックコート層中における非磁性粉末の合
計重量Pと結合剤の重量Bとの比率P/Bは、0.8〜
1.3とすることが好ましく、0.9〜1.2とするこ
とがより好ましい。
【0029】本発明において、バックコート層の表面粗
さRaはカーボンブラック(a) の平均粒径よりも小さ
く、バックコート層の表面粗さRzは、カーボンブラッ
ク(a)、カーボンブラック(b) 及び無機質粉末(c) それ
ぞれの平均粒径の和Sとの間に、0.75×S<Rz<
1.2×Sの関係にあり、かつRzは140nm以下で
ある。表面粗さRaがカーボンブラック(a) の平均粒径
以上となると、Rzの値も大きくなり、バックコート層
の凹凸が磁性面へ転写し、その結果、ドロップアウトの
悪化、エラーレートの悪化が起こる。Rzが0.75×
S以下の値となると、磁性面への転写が起こりにくいと
いう点では良いが、バックコート層の耐久性が悪くな
り、バックコート層の削れや付着、耐久性悪化の原因と
なる。一方、Rzが1.2×S以上の値となると、磁性
面への転写の問題が生じる。但し、Rzの上限は140
nmである。Rzがこの値を超えると、やはり転写の問
題か生じてくる。また、Raの下限値は、特に限定され
ないが、9nm、好ましくは10nm程度である。Ra
の値が小さすぎると、摩擦が上昇する傾向にある。
【0030】上記のバックコート層の表面粗さRa及び
Rzを得るためには、非磁性粉末(a) 、(b) 及び(c)
を、Pに対するそれぞれの含有比率の範囲で配合するこ
との他、これら非磁性粉末のバックコート塗料中での分
散を十分に行うことが重要となる。また、バックコート
層を非磁性支持体上に塗布形成し、乾燥した後に行う表
面平滑化処理(カレンダリング処理)工程において、カ
レンダリング処理温度を80℃〜110℃、好ましくは
85℃〜95℃とし、圧力を線圧力で1900〜220
0N/cm、好ましくは2000〜2100N/cmと
することにより、上記の表面粗さRa及びRzが達成さ
れる。
【0031】また、通常カレンダリング装置は、交互に
配置された金属ロールと弾性ロールとにより構成される
が、本発明の場合、バックコート層を弾性ロール表面に
接するようにしてカレンダ処理を行うことが好ましい。
弾性ロールとしては、エポキシ、シリコン、ウレタン、
ポリアミド、ポリイミド等の耐熱性のあるプラスチック
ロール (カーボン、金属やその他の無機化合物を練り込
んであるものでもよい)が好ましい。
【0032】このような非磁性粉末を分散するための結
合剤(バインダー)としては、ニトロセルロース、塩化
ビニル系共重合体、ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂、
エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、
ブタジエンゴムのようなゴム系樹脂などの磁気テープ用
のバックコート層形成に使用可能な樹脂を用いることが
できる。これらの樹脂のなかでも、ニトロセルロースと
ポリウレタン樹脂及び/又はポリエステル樹脂との組み
合わせ、あるいは塩化ビニル系共重合体とポリウレタン
樹脂及び/又はポリエステル樹脂との組み合わせが好ま
しく、特にニトロセルロースや塩化ビニル系共重合体の
樹脂配合比率が50重量%以上であることが好ましい。
このようにポリエステル樹脂を含有することにより、非
磁性支持体として芳香族系ポリアミドを用いた場合で
も、非磁性支持体とバックコート層との接着強度を高く
することができ好ましい。
【0033】結合剤の含有量は、固形分の合計100重
量部に対し、好ましくは15〜200重量部、より好ま
しくは50〜180重量部である。バインダーの含有量
が多すぎると、媒体摺接経路との摩擦が大きくなりすぎ
て走行安定性が低下し、走行事故を起こしやすくなる。
また、磁性層とのブロッキング等の問題が発生する。結
合剤の含有量が少なすぎると、バックコート層の強度が
低下して走行耐久性が低下しやすくなる。
【0034】前述の各成分の他に、必要に応じて、界面
活性剤等の分散剤、高級脂肪酸、脂肪酸エステル、シリ
コンオイル等の潤滑剤、その他の各種添加物をバックコ
ート層中に添加してもよい。
【0035】本発明においてバックコート層は、前述の
各成分を適当な溶剤を用いて、一般によく知られた分散
法で分散してバックコート塗料を調製し、この塗料を非
磁性支持体上に公知の塗布法により塗布し、乾燥するこ
とによって形成すればよい。ここで、本発明の効果をさ
らに有効に生かすためには、カレンダ加工を施したり、
表面研磨やクリーニングなどを行うことが好ましい。以
下に、バックコート層形成について詳しく述べる。
【0036】(溶剤)本発明に使用する溶剤としては、
特に制限はないが、バインダーの溶解性、相溶性および
乾燥効率等を考慮して適宜選択され、例えばメチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、イソプロ
パノール、ブタノール等のアルコール類、ジオキサン、
テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ヘキサ
ン、塩素置換炭化水素類等の希釈剤ないし溶剤を単一溶
剤またはこれらの任意比率の混合溶剤として用いる。
【0037】(塗料工程)バックコート塗料を製造する工
程は、公知の方法に従い、混練工程、分散工程、および
これらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程を含
む。混練工程では、連続ニーダ、加圧ニーダ、高速ミキ
サー、二本ロールミル等の強い混練力をもつ装置を使用
することができる。また、分散工程においては、メディ
ア撹拌型ミルとして、ボールミル、サンドグラインダ
ー、ピン型ミル、ウルトラファインミル、アトライタ
ー、バスケットミル等を用いることができる。また、分
散メディアとしては高比重の分散メディアを用いること
が望ましく、ジルコニア等のセラミック系メディアが好
適であるが、従来より用いられているガラスビーズ、金
属ビーズ、アルミナビーズ等も選択使用可能である。
【0038】(塗布・乾燥・カレンダー・切断工程)非
磁性支持体上へは、グラビアコート、リバースロールコ
ート、エクストルージョンノズルコート等の公知の種々
の塗布手段によって塗料が塗布される。このようにして
塗布の行われた塗料は、通常、乾燥炉等の内部に設けら
れた熱風、遠赤外線、電気ヒーター等の公知の乾燥およ
び蒸発手段によって乾燥・固定される。乾燥温度は、室
温から300℃程度まで、好ましくは150℃程度まで
の範囲でとすればよい。このようにして乾燥した後に、
必要に応じて表面平滑化処理としてカレンダ処理を行
う。カレンダ処理ロールとしては、エポキシ、ポリエス
テル、ナイロン、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミド
アミド等の耐熱性のあるプラスチックロール (カーボ
ン、金属やその他の無機化合物を練り込んであるもので
もよい)と金属ロールの組合わせ、または、金属ロール
同士を用いることもできる。その処理温度及び処理線圧
力は、上述の通りである。処理速度は20m/分〜70
0m/分の範囲である。カレンダー処理後、磁性層、バ
ックコート層、(設ける場合には)非磁性下層の硬化を
促進するために、40℃〜80℃の熱硬化処理及び/又
は電子線照射処理を施してもかまわない。次いで、必要
に応じて研磨処理を行った後、スリッティングを行い、
磁気記録媒体を作製する。
【0039】バックコート層の形成は、磁性層の塗布形
成の前に行ってもよく、あるいは磁性層の塗布形成の後
に行ってもよい。バックコート層の厚さ(カレンダー加
工後)は、1.0μm以下、好ましくは0.1〜1.0
μm、より好ましくは0.2〜0.8μmである。バッ
クコート層が厚すぎると、媒体摺接経路との間の摩擦が
大きくなりすぎて、走行安定性が低下する傾向にある。
一方、薄すぎると、非磁性支持体の表面粗さの影響でバ
ックコート層の表面平滑性が低下し、また媒体の走行時
にバックコート層の削れが発生する傾向にある。
【0040】磁性層は、次に述べる磁性粉、結合剤を用
いて、磁性塗料を調製し、この塗料を非磁性支持体上に
塗布して形成することができる。磁性塗料の調製におい
て用いる溶剤、塗料作成工程、塗布・乾燥・カレンダー
工程等は、前述のバックコート層におけるのと同様であ
る。
【0041】(磁性粉)磁性層用の磁性粉としては、α
−Fe、Fe−Co、Fe−Ni、Fe−Co−Ni、
Co、Co−Ni等の強磁性金属元素を主成分とする公
知の強磁性合金粉末の他、γ−Fe2 3 などの酸化鉄
磁性粉を用いることができる。中でもFe及び/又はC
oを主成分とする強磁性合金粉末において、Yを含む希
土類元素を含有するものにおいて本発明の効果が発揮さ
れる。すなわち、これらの強磁性合金磁性粉は、近年の
DDS、DLTに代表されるバックアップ用データテー
プなどの高密度記録に最適である。これらのテープの磁
性層表面は極めて平滑化されているため、巻回された状
態でバックコートと接してバックコート表面の凹凸が磁
性層表面に転写されるとドロップアウトが増大し、デー
タテープとしての信頼性を失うことになる。本発明のバ
ックコートは大粒径カーボンブラックを含有していない
ため、この転写の問題が大幅に改善される。
【0042】 このような強磁性合金粉末は、通常バイン
ダー100重量部に対し100〜2000重量部程度含
有され、磁性層中の強磁性合金粉末の含有量は、全体の
50〜95重量%、好ましくは55〜90重量%とす
る。強磁性合金粉末の含有量が多すぎると、磁性層中の
樹脂を始めとする添加物の量が相対的に減少するため、
磁性層の耐久性が低下する等の欠点が生じやすくなる。
この含有量が少なすぎると、高い再生出力を得られな
い。
【0043】これらの強磁性合金粉末の形状は、好まし
くは針状または紡錘状である。針状または紡錘状強磁性
合金粉末の長軸/短軸の軸比としては、通常3〜10程
度の軸比を持つものに効果がある。また強磁性合金粉末
の平均長軸長は、0.05〜0.3μmが好ましく、
0.08〜0.2μmがさらに好ましい。平均長軸長が
大きすぎるとテープのバルクノイズが大きくなり、一
方、小さすぎると磁性塗料中で強磁性合金粉末同士の凝
集が起こりやすい。
【0044】(結合剤) 磁性層用の結合剤としては、熱
可塑性樹脂、熱硬化性ないし反応型樹脂、電子線感応型
変性樹脂等が用いられ、その組み合せは媒体の特性、工
程条件に合わせて適宜選択使用される。これらのうち
で、好ましく用いられるものとしては、塩化ビニル系共
重合体およびポリウレタン樹脂の組み合わせである。
【0045】(無機質粉末)磁性層には、公知の無機質
粉末、例えばα−アルミナ、β−アルミナなどの各種ア
ルミナ、三酸化二クロム、α−酸化鉄、γ−酸化鉄、窒
化珪素等の他、カーボンブラックを含有してもよい。
【0046】磁性層の厚さ(カレンダー加工後)は、
0.5〜3.5μm、好ましくは0.7〜3.0μmで
ある。磁性層が薄すぎると、表面粗さの悪化や飽和磁束
密度Bmの低下によって出力が低下する傾向にある。一
方、厚すぎると、高域と低域の記録周波数での出力のバ
ランスが悪化する傾向にある。
【0047】非磁性支持体として用いる材料には特に制
限はなく、目的に応じて各種可撓性材料、各種剛性材料
から選択し、各種規格に応じてテープ状などの所定形状
および寸法とすればよい。例えば、可撓性材料として
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン類、脂肪族系又は芳香族系ポリアミド、ポリイ
ミド、ポリカーボネートなどの各種樹脂が挙げられる。
【0048】非磁性支持体の厚さは3.0〜75.0μ
mであることが好ましい。非磁性支持体の形態について
は特に制限はなく、テープ状、シート状、カード状、デ
ィスク状等のいずれであっても良く、形態に応じて、ま
た必要に応じて種々の材料を選択して使用することがで
きる。
【0049】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を比較例ととも
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。 [実施例1]次のような組成のバックコート層と磁性層
とを具備した磁気記録媒体を作成した。
【0050】 <磁性層形成用塗料> 強磁性粉末 100重量部 (関東電化工業(株)製、Hc=134kA/m,σs=132Am2/kg,平均長軸長=0.15 μ m、BET=52m2/g, Fe/Si/Al/Ni/Co=100/1.0/3.5/3.0/5.0 (重量比)) 塩化ビニル共重合体 10重量部 (日本ゼオン(株)製、MR-110、重合度300、極性基-SO3K 含有) ポリウレタン樹脂 8重量部 (日本ポリウレタン工業(株)製、N-3301、カルボン酸含有) α−Al2 3 15重量部 (住友化学工業(株)製、HIT−60A、平均粒径=0.2μm) MEK(メチルエチルケトン) 100重量部 トルエン 100重量部 シクロヘキサノン 40重量部 この組成物をニーダ−にて十分に混練した後、サンドグ
ラインドミルにて5時間分散を行った。
【0051】その後に、ステアリン酸1重量部、ブチル
ステアレート1重量部を下記の溶剤に添加し、添加後の
下記溶剤を投入し、更に1時間サンドグラインドミルに
て分散を行った。 MEK 30重量部 トルエン 30重量部 シクロヘキサノン 15重量部
【0052】このようにして得られた塗料に硬化剤(日
本ポリウレタン工業(株)製、コロネートL)3重量部
を添加混合し、このものを更に平均孔径0.3μmのフ
ィルターで濾過して磁性塗料を作成した。
【0053】 <バックコート層形成用塗料> カーボンブラック 75重量部 (キャボット社製、BP-800、平均粒径=17nm 、 DBP 吸油量68cc/100g 、 BET 法に よる比表面積=210m2/g ) カーボンブラック 10重量部 (キャボット社製、BP-130、平均粒径=75nm 、DBP 吸油量69cc/100g 、 BET 法に よる比表面積=25m2/g ) 炭酸カルシウム(白石工業社製、白艶華O、平均粒径=30nm ) 15重量部 ニトロセルロース(旭化成工業(株)製、BTH1/2) 55重量部 ポリウレタン樹脂 35重量部 (東洋紡績(株)製、UR-8700 、スルホン酸Na含有) MEK 150重量部 トルエン 150重量部 シクロヘキサノン 80重量部
【0054】この組成物をニーダーにて十分に混練した
後、サンドグラインドミルにて5時間分散を行った。そ
の後に、下記の組成物を投入し、更に1時間サンドグラ
インドミルにて分散を行った。 MEK 400重量部 トルエン 400重量部 シクロヘキサノン 200重量部
【0055】このようにして得られたバックコート塗料
に硬化剤(日本ポリウレタン工業(株)製、コロネート
L)20重量部を添加混合し、このものを更に平均孔径
0.5μmのフィルターで濾過して磁性塗料を作成し
た。
【0056】このようにして得られた磁性層形成用塗料
とバックコート層形成用塗料を用いて、下記の要領で磁
気記録媒体のサンプルを作成した。
【0057】<磁気記録媒体の作成>まず、4.5μm
厚みのポリアミドフィルム支持体の上に、上記磁性層形
成用塗料を乾燥後の厚さが1.5μmとなるように塗設
し、0.7Tの配向磁界を印加して、その後塗膜を乾燥
し、次いで温度100℃、線圧2550N/cm、3ニ
ップの条件でカレンダリング処理を行った。その後、磁
性層とは反対側の支持体の面上に、上記バックコート層
形成用塗料を乾燥後の厚さが0.5μmとなるように塗
設し、その後塗膜を乾燥し、次いで温度90℃、線圧2
060N/cm、3ニップの条件でカレンダリング処理
を行った。この一連の処理が完了した磁気記録媒体フィ
ルムを巻き取りロールに巻き取った。このままの状態で
24時間放置し、しかる後、熱硬化処理を60℃にて2
4時間行った。このようにして作成された磁気記録媒体
フィルムを、スリッタにかけ3.81mm幅に裁断し、
磁気記録媒体を作成した。
【0058】[実施例2]実施例1においてカーボンブ
ラック(キャボット社製、BP-800、平均粒径=17nm )を
70重量部、カーボンブラック(キャボット社製、BP-1
30、平均粒径=75nm )を15重量部に変更した以外は、
実施例1と同様にして、磁気記録媒体を作成した。
【0059】[実施例3]実施例1においてカーボンブ
ラック(キャボット社製、BP-800、平均粒径=17nm )を
65重量部、カーボンブラック(キャボット社製、BP-1
30、平均粒径=75nm )を20重量部に変更した以外は、
実施例1と同様にして、磁気記録媒体を作成した。
【0060】[実施例4]実施例1においてカーボンブ
ラック(キャボット社製、BP-800、平均粒径=17nm )を
71重量部、炭酸カルシウム(白石工業社製、白艶華
O、平均粒径=30nm)を19重量部に変更した以外は、
実施例1と同様にして、磁気記録媒体を作成した。
【0061】[実施例5]実施例1においてカーボンブ
ラック(キャボット社製、BP-800、平均粒径=17nm 、DB
P 吸油量68cc/100g 、 BET 法による比表面積210m2/g )
を、カーボンブラック(コロンビヤン社製、Conductex
SC ULTRA、平均粒径=20nm 、DBP 吸油量115cc/100g 、 B
ET法による比表面積220m2/g )に変更した以外は、実施
例1と同様にして、磁気記録媒体を作成した。
【0062】[実施例6]実施例1において炭酸カルシ
ウム(白石工業社製、白艶華O、平均粒径=30nm)を、
炭酸カルシウム(白石工業社製、ホモカルD、平均粒径
=70nm )に変更した以外は、実施例1と同様にして、磁
気記録媒体を作成した。
【0063】[実施例7]実施例1において炭酸カルシ
ウム(白石工業社製、白艶華O、平均粒径=30nm)を、
硫酸バリウム(白石工業社製、BF-20 、平均粒径=30nm
)に変更した以外は、実施例1と同様にして、磁気記
録媒体を作成した。
【0064】[実施例8]実施例1において炭酸カルシ
ウム(白石工業社製、白艶華O、平均粒径=30nm)を、
酸化チタン(石原産業社製、TTO-55(B) 、平均粒径= 30
〜50nm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、磁
気記録媒体を作成した。
【0065】[実施例9]実施例1においてポリウレタ
ン樹脂35重量部を、ポリウレタン樹脂20重量部とポ
リエステル樹脂(東洋紡績(株)製、バイロン200 )1
5重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、磁
気記録媒体を作成した。
【0066】[実施例10]実施例1においてカーボン
ブラック(キャボット社製、BP-800、平均粒径=17nm )
を79重量部、炭酸カルシウム(白石工業社製、白艶華
O、平均粒径=30nm)を11重量部に変更した以外は、
実施例1と同様にして、磁気記録媒体を作成した。
【0067】[比較例1]実施例1においてカーボンブ
ラック(キャボット社製、BP-800、平均粒径=17nm )を
60重量部、カーボンブラック(キャボット社製、BP-1
30、平均粒径=75nm )を25重量部に変更した以外は、
実施例1と同様にして、磁気記録媒体を作成した。
【0068】[比較例2]実施例1においてカーボンブ
ラック(キャボット社製、BP-800、平均粒径=17nm )を
76重量部、カーボンブラック(キャボット社製、BP-1
30、平均粒径=75nm )を5重量部、炭酸カルシウム(白
石工業社製、白艶華O、平均粒径=30nm )を19重量部
に変更した以外は、実施例1と同様にして、磁気記録媒
体を作成した。
【0069】[比較例3]実施例1においてカーボンブ
ラック(キャボット社製、BP-130、平均粒径=75nm )を
15重量部、炭酸カルシウム(白石工業社製、白艶華
O、平均粒径=30nm)を10重量部に変更した以外は、
実施例1と同様にして、磁気記録媒体を作成した。
【0070】[比較例4]実施例1においてカーボンブ
ラック(キャボット社製、BP-800、平均粒径=17nm )を
64重量部、カーボンブラック(キャボット社製、BP-1
30、平均粒径=75nm )を15重量部、炭酸カルシウム
(白石工業社製、白艶華O、平均粒径=30nm)を21重
量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、磁気記
録媒体を作成した。
【0071】[比較例5]実施例1においてカーボンブ
ラック(キャボット社製、BP-800、平均粒径=17nm )を
55重量部、カーボンブラック(キャボット社製、BP-1
30、平均粒径=75nm )を10重量部、炭酸カルシウム
(白石工業社製、白艶華O、平均粒径=30nm)を35重
量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、磁気記
録媒体を作成した。
【0072】[比較例6]実施例1のカーボンブラック
(キャボット社製、BP-800、平均粒径=17nm )を65重
量部、カーボンブラック(キャボット社製、BP-130、平
均粒径=75nm )を25重量部、炭酸カルシウム(白石工
業社製、白艶華O、平均粒径=30nm )を10重量部に変
更した以外は、実施例1と同様にして、磁気記録媒体を
作成した。
【0073】[比較例7]実施例1においてカーボンブ
ラック(キャボット社製、BP-800、平均粒径=17nm )を
83重量部に変更し、カーボンブラック(キャボット社
製、BP-130、平均粒径=75nm )をカーボンブラック(コ
ロンビヤン社製、Sevacarb MT-CI、平均粒径=350nm)2
重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、磁気
記録媒体を作成した。
【0074】[比較例8]実施例1において炭酸カルシ
ウム(白石工業社製、白艶華O、平均粒径=30nm)を炭
酸カルシウム(白石工業社製、白艶華CCR 、平均粒径=8
0nm )に変更した以外は、実施例1と同様にして、磁気
記録媒体を作成した。
【0075】[比較例9]実施例1においてバックコー
ト層形成時のカレンダリング処理条件を100℃、線圧
2550N/cmに変更した以外は、実施例1と同様に
して、磁気記録媒体を作成した。
【0076】[比較例10]実施例1においてバックコ
ート塗料作成時の分散時間を3時間に変更した以外は、
実施例1と同様にして、磁気記録媒体を作成した。
【0077】[比較例11]実施例1においてカーボン
ブラック(キャボット社製、BP-800、平均粒径=17nm )
を、カーボンブラック(キャボット社製、BP-1300 、平
均粒径=13nm 、DBP吸油量91cc/100g 、 BET 法による比
表面積560m2/g )に変更した以外は、実施例1と同様に
して、磁気記録媒体を作成した。
【0078】[比較例12]実施例1においてカーボン
ブラック(キャボット社製、BP-800、平均粒径=17nm )
を、カーボンブラック(キャボット社製、BP-430、平均
粒径=27nm 、DBP 吸油量73cc/100g 、 BET 法による比表
面積80m2/g)に変更した以外は、実施例1と同様にし
て、磁気記録媒体を作成した。
【0079】[比較例13]実施例1においてカーボン
ブラック(キャボット社製、BP-130、平均粒径=75nm )
を、カーボンブラック(三菱化学(株)製、カーボンブ
ラック#3030、平均粒径=55nm 、DBP 吸油量130cc/
100g 、 BET法による比表面積29m2/g)に変更した以外
は、実施例1と同様にして、磁気記録媒体を作成した。
【0080】[比較例14]実施例1においてカーボン
ブラック(キャボット社製、BP-130、平均粒径=75nm )
を、カーボンブラック(三菱化学(株)製、カーボンブ
ラック#5、平均粒径=85nm 、DBP 吸油量71cc/100g 、
BET 法による比表面積25m2/g)に変更した以外は、実施
例1と同様にして、磁気記録媒体を作成した。
【0081】[比較例15]実施例1において炭酸カル
シウム(白石工業社製、白艶華O、平均粒径=30nm)を
酸化チタン(チタン工業 (株) 社製、SST-30、平均粒径
=20nm )に変更した以外は、実施例1と同様にして、磁
気記録媒体を作成した。
【0082】このようにして作成した各実施例、比較例
の磁気記録媒体について下記の要領で、(1)初期、保
存後ドロップアウト、(2)転写、(3)バックコート
初期摩擦、(4)バックコート耐久性、(5)ヘッド付
着、(6)表面粗さRa、Rz、(7)バックコート電
気抵抗、(8)バックコート接着強度の評価を行った。
評価結果を表1〜3に示す。なお、表中において、
「0.75×S<Rz<1.2×Sを満たすか」という
項目について、「○」と表記したものは満たすという意
味であり、「×」と表記したものは満たさないという意
味である。
【0083】(1)初期、保存後ドロップアウト(D/
O) 3.81mmフォーマットのヒューレット・パッカード
社製データドライブ(DDS2)にて下記条件でドロッ
プアウトの測定を行った。測定値は2万トラック当たり
の個数で表した。テープ速度;8.15mm/sec、
テープ/ヘッド対速度;3.133m/sec、リード
トラック幅;20±2μm、ライトギャップ長;0.2
5±0.3μm、記録密度;2.33MHz ドロップアウトを測定したカートリッジを、50℃、8
0%RH、5日間保存後、保存前と同様にドロップアウ
トを測定した。
【0084】(2)転写 バックコート表面の凹凸の磁性面への転写を、初期、保
存後のドロップアウトの増加率として評価した。評価基
準は以下の通りである。 増加率が1.5倍未満:○ 増加率が1.5倍以上:×
【0085】(3)バックコート初期摩擦 アイランド工業社製の横型高速引張試験機(Model No.H
TB-S )を使用して測定を行った。測定条件は以下の通
り。抱き角度;90°、荷重;40g、測定速度;15
24mm/min、50mmの距離を300パス繰り返
し測定。この時の1パス目の測定値を初期摩擦とし、摩
擦係数が0.2より高い場合はNGとした。
【0086】(4)バックコート耐久性 3.81mmフォーマットのヒューレット・パッカード
社製データドライブC1599Aにてテープの耐久性評
価を行った。耐久性はテープの一部分をWrite/Readする
方法で2000回行った。走行後のバックコート表面を
400倍の顕微鏡にて観察した。評価基準は以下の通り
である。 キズの発生が無い:○ キズの発生が有る:×
【0087】(5)ヘッド付着 3.81mmフォーマットのヒューレット・パッカード
社製データドライブC1599Aにてテープを走行さ
せ、走行後のヘッドを(株)キーエンス社製のマイクロ
スコープを使用し500倍にて観察し、ヘッド汚れの評
価を行った。ヘッド付着の評価基準は以下の通りであ
る。 ○:ヘッド摺動面に付着が無い場合。 △:ヘッド摺動面に付着物が有る場合。 ×:ヘッド全面に付着物が有る場合。
【0088】(6)バックコート層表面粗度Ra、Rz テーラーホブソン社製タリステップシステムを用い、フ
ィルター0.18〜9Hz、触針0.1×2.5μm特
殊スタイラス、触針圧2mg、測定スピード0.03m
m/sec、測定長500μmの条件で行った。Raは
中心線平均表面粗さ、Rzは中心線10点平均表面粗さ
である。
【0089】(7)バックコート表面電気抵抗 ヒューレット・パッカード社製、HIGH RESISTANCE METE
R を使用し、電圧0.1Vにて測定を行った。3.8m
mDDSフォーマットのECMA規格から1×108
上はNGとした。好ましくは1×107 未満である。な
お、表中では、1×108 を1E8と表示する。例え
ば、実施例1の9E5は、9×105 である。
【0090】(8)バックコート接着強度 JIS6129の接着強度測定方法による試験方法で行
った。接着強度が0.2N以上はハガレズと表現した。
【0091】
【表1】
【0092】
【表2】
【0093】
【表3】
【0094】表1〜3より、実施例1〜10の各磁気記
録媒体サンプルは、初期、高温高湿保存後のいずれにお
いてもドロップアウトが少なく、転写、バックコート初
期摩擦、バックコート耐久性、ヘッド付着、バックコー
ト電気抵抗、バックコート接着強度において優れてお
り、実用上十分な性能を示した。
【0095】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体によれば、バック
コート層は従来のバックコート層と比較し優れた特性を
有する。そのため、本発明によれば、磁性面へのバック
コート面の転写が緩和され、ヘッド付着が低減され、耐
久性が向上された磁気記録媒体が提供される。本発明
は、ビデオテープ、オーディオテープ等の磁気テープ
や、磁気ディスク等に適用することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体の一方の面上に強磁性粉末
    と結合剤とを主体とする磁性層を有し、他方の面上に非
    磁性粉末と結合剤とを主体とするバックコート層を有す
    る磁気記録媒体であって、該バックコート層は、非磁性
    粉末として少なくとも、(a) 平均粒径が15〜25nm
    のカーボンブラックと、(b) 平均粒径が60〜80nm
    のカーボンブラックと、(c) 平均粒径が30〜70nm
    のモース硬度6以下の無機質粉末とを含有し、前記3種
    の非磁性粉末の該バックコート層における含有比率はそ
    れぞれ、該バックコート層中の非磁性粉末の合計重量P
    に対して、 Pに対するカーボンブラック(a) の含有比率=0.6〜
    0.8 Pに対するカーボンブラック(b) の含有比率=0.08
    〜0.2 Pに対する無機質粉末(c) の含有比率=0.11〜0.
    19 であり、かつ該バックコート層の表面粗さRaがカーボ
    ンブラック(a) の平均粒径よりも小さく、該バックコー
    ト層の表面粗さRzが、カーボンブラック(a) 、カーボ
    ンブラック(b) 及び無機質粉末(c) それぞれの平均粒径
    の和Sとの間に、0.75×S<Rz<1.2×Sの関
    係にあり、かつRzは140nm以下であることを特徴
    とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記平均粒径15〜25nmのカーボン
    ブラック(a) は、50〜115cc/100gの範囲の
    吸油量、及び100〜300m2 /gの範囲のBET法
    による比表面積を有する、請求項1に記載の磁気記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 前記平均粒径60〜80nmのカーボン
    ブラック(b) は、20〜80cc/100gの範囲の吸
    油量、及び10〜50m2 /gの範囲のBET法による
    比表面積を有する、請求項1又は2に記載の磁気記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 前記非磁性支持体が芳香族系ポリアミド
    からなり、前記バックコート層は結合剤としてポリエス
    テル樹脂を含有する、請求項1〜3のうちのいずれか1
    項に記載の磁気記録媒体。
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