JP2001201456A - マーキング付き金属帯の製造方法 - Google Patents
マーキング付き金属帯の製造方法Info
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Abstract
著な凹凸性を持たない模様状ヘゲ疵を、未検出となるこ
となく検出し、簡単な手段でその情報をユーザ側に知ら
せることが可能な表面疵マーキング装置ならびにマーキ
ング付き金属帯およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 金属帯4の被検査面からの反射光を互いに
異なる2種以上の光学条件で抽出する複数の受光部32a〜
cと、これら互いに異なる光学条件で抽出された反射成
分の組合せに基づき被検査面の表面疵の有無を判定する
信号処理部30とを有する疵検査手段40と、金属帯4表面
にその疵に関する情報を示すマーキングを行うマーキン
グ手段44とを備えていることを特徴とする金属帯の表面
疵マーキング装置。
Description
金属帯の表面疵を光学的に検出しその位置にマーキング
する表面疵マーキング装置、およびマーキング付き金属
帯ならびにその製造方法に関するものである。
反射光をカメラでとらえることによる金属物体の表面探
傷方法として、特開昭58-204353 号公報記載の技術があ
る。本技術は、被検体表面に対し35〜75度の角度で光を
入射し、反射光を、正反射方向と、入射方向あるいは正
反射方向から20度以内の角度方向に設置した2 台のカメ
ラで受光している。そして、2 台のカメラの信号を比較
し、例えばお互いの論理和を取る、すなわち、2 台とも
検出した場合のみ傷とみなすことにより、ノイズに影響
されない検査方法を実現している。
ことによる被検体表面の疵検査方法として、特開昭60-2
28943 号公報記載の技術がある。本技術は、ステンレス
鋼板に大きな入射角で光を入射し、入射側へ戻る反射光
を検出することにより、ステンレス鋼板表面のヘゲ疵を
検出しようとするものである。
る探傷装置として、特開平8-178867号公報記載の技術が
ある。これは熱間圧延された平鋼上の掻疵を検出しよう
とするものである。本明細書によれば、掻疵の疵斜面角
度は10〜40度であり、この範囲の疵斜面からの正反射光
を全てカバーできるように後方拡散反射方向に複数台の
カメラを用意している。
て、特開昭57-166533 号公報記載の技術は、測定対象に
45度方向の偏光を入射し、提案された偏光カメラで受光
している。偏光カメラは、反射光をカメラ内部のビーム
スプリッタを用いて3 つに分岐し、それぞれ異なる方位
角の偏光フィルタを通して受光するようになっている。
偏光カメラからの3 本の信号を、カラーTVシステムと同
様の信号処理により、モニタに表示し、偏光状態を可視
化する技術を開示している。この技術はエリプソメトリ
の技術を利用しており、光源は平行光であることが望ま
しく、実施例ではレーザ光が用いられている。
エリプソメトリを利用した鋼板表面の疵検査装置を開示
している。
も顕著な凹凸性を持つ疵を検出するか、酸化膜等異物が
存在する疵を検出することを目的としたものであり、顕
著な凹凸性を持たない模様状ヘゲ疵等に対しては全ての
疵を確実に捉えることはできなかった。
術では、正反射光と散乱反射光を受光する2 台のカメラ
を有しているが、その目的は2 つのカメラの信号の論理
和によるノイズの影響除去であり、顕著な凹凸性を有す
る疵、すなわち表面に割れ・抉れ・めくれ上がりを生じ
ているような疵に対しては両方のカメラで疵の信号が捉
えられるので適用可能であるが、どちらか一方のカメラ
でしか疵の信号を捕らえられないような顕著な凹凸性を
持たない、模様状ヘゲ疵のような疵の場合は、その疵を
全て検出することはできない。
表面粗さの小さいステンレス鋼板上に顕在化した、持ち
上がったヘゲ疵を対象としており、顕在化していない、
持ち上がった部分のない疵や、疵の存在しない部分も入
射側へ戻る光を反射するような表面の粗い鋼板に適用す
ることはできない。 特開平8-178867号公報記載の技術
では掻き疵を対象にしており、疵斜面での正反射光を捉
えることに基づいているため、顕著な凹凸性を持たな
い、模様状ヘゲのような疵の場合には後方散乱反射光で
は捉えられないものも存在し、未検出を生ずるという問
題点があった。
射成分を受光するかが決定されると、容易に変更できな
いという問題もあった。
願平7-286377号公報記載の技術は、エリプソメトリの技
術を用いており、「薄い透明な層の厚さ及び屈折率」や
「物性値のむら」を検出することはできる。しかしなが
ら、例えば表面処理鋼板のように、もともと疵部が母材
部と異なる物性値を有していたとしても、その上から同
一の物性値を有するものに覆われたような対象に対して
は、有効性が低下してしまうという問題があった。
反射光を各CCD の対応する画素で受光し、画素ごとにエ
リプソパラメータを計算する必要があった。そのため、
特開昭57-166533 号公報記載の技術では反射光をビーム
スプリッタにより3 分岐して3つのCCD により検出して
おり、光量が低下したり、CCD 間の画素合わせが困難で
あるという問題があった。
は、3 台のカメラを鋼板進行方向に並べたり(明細書図
6)、縦または横に並べた3 台のカメラの傾きを変えて
同一領域を見る(同図7、同図8)ようにしているが、
明細書図6の場合は、鋼板の速度が変化したときの処理
が複雑であるという問題があった。また、明細書図7、
明細書図8では、各カメラの角度が異なるため光学条件
が同一にならない、やはり画素合わせが困難であるとい
った問題があった。
術や特開平8-178867号公報記載の技術では複数台のカメ
ラの光軸が共通ではなく出射角が異なるため、得られる
2つの画像の対応する画素の視野サイズが異なるほか、
被検査面のバタツキや対象の厚さ変動による距離変化が
あると視野に位置ズレを生じるという問題があった。特
に特開昭58-204353 号公報記載の技術では2つのカメラ
で同じ視野に対する論理和をとることが要求されるため
問題は大きかった。
査装置は未検出がないことが絶対条件であり、検査対象
として表面処理鋼板等まで広く適用可能なものとしては
従来実用に耐えうる表面疵検査装置は実現できていなか
った。
般に金属帯全体として良好か不良かの判定がされるだけ
であり、軽微な疵についてはユーザ側で知ることはでき
なかった。仮に、それらの表面疵についての情報をユー
ザ側に知らせるとしても、ミルシート等に記載する等の
方法以外に適切な方法がなかったと言える。
るためになされたものであり、表面の割れ・抉れ・めく
れ上がりのような顕著な凹凸性を持たない模様状ヘゲ疵
を、未検出となることなく検出し、簡単な手段でその情
報をユーザ側に知らせることが可能な表面疵マーキング
装置ならびにマーキング付き金属帯およびその製造方法
を提供することを目的とする。
により解決される。
射光を互いに異なる2種以上の光学条件で抽出する複数
の受光部と、これら互いに異なる光学条件で抽出された
反射成分の組合せに基づき被検査面の表面疵の有無を判
定する信号処理部とを有する疵検査手段と、金属帯表面
にその疵に関する情報を示すマーキングを行うマーキン
グ手段とを備えていることを特徴とする金属帯の表面疵
マーキング装置である。
光部で、金属帯の表面からの反射光を、偏光条件等の光
学条件の異なる2種以上の受光部により受光し、その結
果から光学的性状を解析する。次いで、疵検査手段の信
号処理部で、得られた光学的性状から、金属帯の表面に
ついて、正常部と異常部、即ち表面疵を判別する。表面
疵と判定された部分には、マーキング手段により印字・
刻印・穿孔等の所定の方法でマーキングを行う。マーキ
ングの位置については、表面疵の位置あるいはその近傍
を、トラッキング手段等によりトラッキングすることに
より決定できる。
象とする鋼板表面の光学的反射の形態について、鋼板表
面のミクロな凹凸形状と関連づけて説明する。一般に鋼
板表面のミクロ凹凸形状は調質圧延(テンパ)により、
もともと起伏の高い点がロールにより強く圧延され平坦
度がよくなり、それ以外の点は調質圧延のロールがあた
らずに元の凹凸形状を残したままとなっている。
下地の冷延鋼板1は図12(a)に示すように溶融亜鉛
メッキされたのち、合金化炉を通過する。この間に下地
鋼板の鉄元素がメッキ層の亜鉛中に拡散し、通常、図1
2(c)に示すように柱状等の合金結晶3を形成する。
この鋼板が次に図12(b)に示すように調質圧延され
ると図12(d)に示すように柱状結晶3の特に突出し
た箇所が平坦に潰され(テンパ部6)、それ以外の箇所
(非テンパ部7)は元の柱状の結晶形状を残したままと
なる。
射が起こるかをモデル化したのが図13である。調質圧
延により潰された箇所(テンパ部6)に入射した光8
は、鋼板正反射方向に鏡面的に反射する。一方、調質圧
延により潰されずに元の柱状結晶構造を残す箇所(非テ
ンパ部7)に入射した光は、ミクロに見れば柱状結晶表
面の微小面素の一つ一つにより鏡面的に反射されるが、
反射の方向は鋼板の正反射方向とは必ずしも一致しな
い。
角度分布は、マクロに見ればそれぞれ図14(a)、
(b)のようになる。すなわち、(a)テンパ部6では
鋼板正反射方向に鋭い分布を持つ鏡面性の反射9が起こ
り、(b)非テンパ部7では、柱状結晶表面の微小面素
の角度分布に対応した広がりを持った反射10となる。
以降、前者を鏡面反射、後者を鏡面拡散反射と呼ぶ。実
際に観察される反射の角度分布は、図14(c)に示す
ように鏡面反射・鏡面拡散反射の角度分布をテンパ部・
非テンパ部それぞれの面積率に応じて加算したものとな
る。
たが、調質圧延により平坦部が生じる他の鋼板にも一般
に成り立つ。
性を持たない、模様状ヘゲ疵と呼ばれる疵の光学反射特
性について説明する。例えば、図15に示すように、合
金化溶融亜鉛鍍金鋼板4に見られるヘゲ疵11は、鍍金
前の冷延鋼板原板1にヘゲ疵11が存在し、その上に鍍
金層2が乗り、さらに下地の鉄の拡散による合金化が進
行したものである。
に違いがあったり、合金化の程度に違いがあったりす
る。その結果として、例えばヘゲ部鍍金厚が厚く母材に
対し凸の場合には調質圧延を掛けられることによりテン
パ部の面積が非テンパ部に比べて多くなる。逆にヘゲ部
が母材に比べ凹の場合にはヘゲ部は調質圧延ロールがあ
たらず、非テンパ部が大半を占める。また、ヘゲ部合金
化が浅い場合には微小面素の角度分布は鋼板方線方向に
強く、拡散性は小さくなる。
いにより、模様状ヘゲ疵がどのように見えるかを説明す
る。上述した調質圧延における鍍金表面の変形モデルに
基づき、ヘゲ部と母材部の違いについて分類すると、図
17に示すように次の3種類に分けられる。
の面積率及び非テンパ部の微小面素の角度分布が、母材
部(破線)と異なる。ここで、テンパ部は法線角度ξ=
0に対応し、図ではピークを示している。このピーク高
さ(面積率)がヘゲ部と母材部で異なっている。また、
非テンパ部はそれ以外の部分(スロープ)に対応し、図
ではヘゲ部と母材部の面積率の分布が異なっている。こ
のスロープの部分は非テンパ部の微小面素の角度分布を
反映している。
部で異なるが、非テンパ部の微小面素の角度分布は変わ
らない。図ではヘゲ部と母材部でピーク高さが異なって
いるが、スロープの形状は一致している。
はヘゲ部と母材部で異なるが、テンパ部の面積率は変わ
らない。図ではヘゲ部と母材部でピーク高さは一致して
いるが、スロープの形状は異なっている。
角度分布の違いが、図16に示すような反射光量の角度
分布の違いとして観察される。
a,bの場合)には図16(a)、(b)に示すよう
に、反射光量の角度分布はヘゲ部11aと母材部12a
のようになる。その差は角度分布がピークとなる方向、
即ち正反射方向から観察される。ヘゲ部のテンパ部面積
率が母材部より大きい場合(図16a,b,図17a,
bに該当)には正反射方向からはヘゲは明るく見え、逆
にヘゲ部のテンパ率が母材部より小さいときには正反射
方向からは暗く観察される。
c) の場合)には、鋼板正反射方向からの観察ではヘゲ
を見ることはできない。それでも、鏡面拡散反射成分の
拡散性に違いがあるときには図16(c)に示すように
角度分布のピークから外れた拡散方向から疵が観察され
る。例えば、鏡面拡散反射成分の拡散性が小さい時に
は、一般に正反射に比較的近い拡散方向からはヘゲは明
るく観察され、正反射方向から離れるに従い明るさは小
さくなり、ある角度でヘゲ部と母材部の差がなくなりそ
の前後の角度で観察不能となる。さらに正反射から遠ざ
かると今度はヘゲは暗く観察される。
し、検出するためには、図17において、どういう角度
の微小面素からの反射光を抽出するのかを検討すること
が必要である。例えば、先の図16(a)、(b)の例
のように、正反射方向でヘゲ部と母材部の違いを検出す
るということは、図17で示される微小面素の角度分布
のうちξ=0について抽出し、ヘゲ部と母材部の違いを
検出していることになる。
とを数学的に表現すると、図17の関数S( ξ) それぞ
れに、図19(a)に示すデルタ関数δ( ξ) で表され
る抽出特性を表す関数(以後重み関数と呼ぶ)を乗じて
積分することに相当する。また、例えば、入射角60に
おいて、正反射から20度ずれた40度の位置で測定す
るというのは、法線角度ξが10度ずれた面(微小面
素)による反射を検出することになる。これは、図19
(b)のようなδ( ξ+10) なる重み関数を用いてい
ることに相当する。なお、反射角と微小面素の法線角度
ξの関係は図18から計算される。
面素からの反射光を抽出するかということは、どのよう
な重み関数を設計するかということに相当することがわ
かる。重み関数は、必ずしもデルタ関数である必要はな
く、ある程度の幅を持っていてもかまわない。
(b)、(c)で表されるような面積率分布を有するヘ
ゲ疵を母材部と弁別し、検出するための重み関数を考え
ると、図19に示すδ関数δ( ξ) もその一例ではあ
る。ただし、これでは、異なる受光角度にカメラを設置
するため2つの光学系の視野サイズを同一にすることは
できない。また、拡散反射光を測定するために一旦カメ
ラを設置すると、その重み関数を変更することは、カメ
ラの設置位置を変更することが必要であるから、容易で
はない。
必要である。そこで、拡散反射光を捉えるのでなく、鋼
板正反射方向からの測定で鏡面反射成分と鏡面拡散反射
成分の両成分が捉えられることが望ましい。そして、後
者に対しては、重み関数がカメラの設置位置の変更に対
してある程度自由度を持って設定できることが望まし
い。
源として、レーザのような平行光源ではなく、拡散特性
をもつ線状の光源を用いている。また、鋼板正反射方向
から鏡面反射成分、鏡面拡散反射成分を、偏光を用いる
ことにより分離して抽出している。
ために、図20に示すように、まず、線状の拡散光源1
4を鋼板4に平行に配置し、光源に垂直な面内にあり、
入射角が出射角と一致する方向(以降、鋼板正反射方向
と呼ぶ)から鋼板4上の一点を観察したときの反射特性
を考える。
14の中央部から照射された光の場合、テンパ部に入射
した光は鏡面的に反射され、鋼板正反射方向で全て捉え
られる。一方、非テンパ部に入射した光は鏡面拡散的に
反射され、たまたま鋼板法線方向と同一方向を向いてい
る微小面素により反射された分のみが捉えられる。この
ような微小面素は確率的に非常に少ないので、鋼板正反
射方向で捉えられる反射光のうちではテンパ部からの鏡
面反射が支配的となる。
線状光源の中央部以外から照射された光の場合には、テ
ンパ部に入射した光は鏡面反射して鋼板正反射方向とは
異なる方向へ反射し、鋼板正反射方向では捉えることが
できない。一方、非テンパ部に入射した光は鏡面拡散的
に反射され、そのうち鋼板正反射方向に反射された分が
捉えられる。従って、鋼板正反射方向で捉えられる反射
光は全て非テンパ部で反射した鏡面拡散反射光となる。
から照射される光で鋼板正反射方向からの観察で捉えら
れるのは、テンパ部からの鏡面反射光と、非テンパ部か
らの鏡面拡散反射光の和となる。
射方向から被検査面を観察した場合に、偏光特性がどう
変化するかについて説明する。
ては、電界の方向が入射面に平行な光(p偏光)あるい
は入射面に直角な光(s偏光)に関しては、反射により
偏光特性は保存され、p偏光のまま、あるいはs偏光の
まま出射する。また、p偏光成分とs偏光成分を同時に
持つ任意の直線偏光は、p、s偏光の反射率比および位
相差に応じた楕円偏光となって出射する。
から光が照射される場合について考える。図21(a)
に示すように、線状光源14中央部から出射した光は、
鋼板4のテンパ部で鏡面反射し鋼板正反射方向で観察さ
れる。これに関しては上記一般の鏡面状の金属表面での
反射がそのまま成立し、p偏光はp偏光のまま出射す
る。
射した光には、図21(b)に示すように非テンパ部の
結晶表面の傾いた微小面素で鏡面反射し、鋼板正反射方
向で観察されるものがある。この際、鋼板の入射面に平
行なp偏光の光を入射したとしても、実際に反射する傾
いた微小面素に対しては、その入射面と平行ではないた
め、p、s両偏光成分を持つ直線偏光となる。その結
果、この入射光は、微小面素からは楕円偏光となって出
射する。ここで、p偏光の代わりにs偏光を入射した場
合も同様である。
角の直線偏光に関しては、上記理由と同一の理由で傾い
た微小面素に対しては、入射面を基準にすると偏光角が
傾いて作用するため、鋼板正反射方向に出射する楕円偏
光の形状は、線状光源中央から入射しテンパ部で鏡面反
射した光とは異なる。
射する場合について、もう少し具体的に説明する。
14からの光8を方位角αの偏光板15で直線偏光にし
た後、水平に置かれた鋼板4に入射し、その正反射光を
光検出器16で受光することを考える。
れた光8については、テンパ部により鏡面反射された成
分、及び、非テンパ部でたまたま法線が鉛直方向を向い
た微小面素からの鏡面拡散反射された成分が、鋼板上の
点O(およびその結果周辺の領域13)から光検出器1
6の方向へ反射する光に寄与している。
ら見て角度φだけずれた点Aからの光8については、鏡
面反射成分は光検出器16とは異なる方向に反射される
ため、法線角度ξ(鉛直方向に対する法線の角度がξ)
の微小面素による鏡面拡散反射成分のみが寄与する。こ
こで、φとξの関係は、簡単な幾何学的考察により、次
式で与えられる。 cosξ= 2cosθ・cos2(φ/2) /[sin2φ+4・[cos2θ・cos4(φ/2)+sin2θ・sin4(φ/2)]]1/2 (1 ) ただし、θは鋼板への入射角である。
状態について考える。図22で、点Cから出射された光
8が、方位角αの偏光板15を通り、点Oにて鏡面反射
された後の偏光状態は、偏光光学で一般に用いられるジ
ョーンズ行列を用いて、Ec = T・Ein (2) と表される。ただし、Einは方位角αの直線偏光ベク
トル(列ベクトル)、 Tは鋼板の反射特性行列を表す。そ
れぞれの成分は、次のようになる。Ein = Ep・t(cosα,sinα)T =rs (Tmn); T11=tanΨ・exp(jΔ),T22=
1,T12=T21=0
s偏光の振幅反射率比、Δはp・s偏光の反射率により
生じる位相差、rsはs偏光反射率を表す。なお、これら
の行列表現は数1のようになる。
法線角度ξの微小面素で光検出器16の方向に反射された
光の偏光状態は、入射面が偏光板15及び検光子17と直交
しているとすれば、 EA =R(ξ)・T・R(-ξ)・Ein (3) ただし、Rは角度ξの2次元の回転行列であり、その
成分Rmnは次のようになる。 R11=R22= cosξ,R12=-R21=-sinξ
になる。
別の場合であり、鏡面反射成分についても鏡面拡散反射
成分についても(式3) を用いて統一的に考えることがで
きる。
らの反射光の楕円偏光状態を図示すると、図24 のよう
になる。ただし、ここで入射偏光の方位角αは45度、入
射角θは60度、鋼板の反射特性としてΨ=28°、Δ=120
°とした。図より、ξ=0すなわち鏡面反射の場合の楕円
に対し、ξの値が変化するに従って、楕円が傾いていく
のがわかる。従って、例えば光検出器の前に検光子を挿
入し、その検光角を設定することによって、どの法線角
度の微小面素からの反射光をより多く抽出するかを選択
することができる。
される偏光状態の反射光に検光角βの検光子を挿入した
後の偏光状態EDを求めると、 ED = R(β)・A・R(-β)・EA = R(β)・A・R(-β)・R(ξ)・T・R(-ξ)・Ein (4) となる。ただし、A=(Amn)は検光子を表す行列で
あり、A11=1、他の成分は0である。なお、Aの行
列表現は数3のようになる。
検出する法線角度ξの微小面素からの反射光の光強度L
を計算すると、その微小面素の面積率をS( ξ) とし
て、 L = S(ξ)・|ED|2 = rs 2・Ep2・S(ξ)・I(ξ,β) I(ξ,β)=tan2Ψ・cos2(ξ-α)・cos2(ξ-β) +2・tanΨ・cosΔ・cos(ξ-α)・sin(ξ-α) ・cos(ξ-β)・sin(ξ-β) +sin2(ξ-α)・sin2(β-ξ) (5) となる。ここで、I(ξ,β)は前述したように、法線角
度ξの微小面素からの反射光をどの程度抽出できるかを
表す重み関数で、光学系及び被検体の偏光特性に依存す
る。そして、それに鋼板の反射率rs 2、入射光光量Ep2、
面積率S(ξ)を乗じたものが検出される光強度になる。
表面処理鋼板などのように、鋼板表面の材質が均一な対
象を考える場合はrs 2の値は一定と考えられる。また、E
p2は入射光量が光源の位置によらず均一ならば同じく一
定の値としてよい。従って、光検出器が検出する光強度
を求めるには、法線角度ξの微小面素の面積率S(ξ)と
抽出特性I(ξ,β)を考えればよい。
考える。法線角度ξ0の微小面素からの寄与が最も大き
くなるような検光角β0を選定しようとした場合、その
候補は次の式をβについて解くことによって与えられ
る。 [∂I(ξ,β)/∂ξ]ξ=ξ0 =0 (6)
分の寄与が最も大きくなるような検光角を求めると、β
はおよそ-45度となる。ただし、ここでも、鋼板の反射
特性としてΨ=28°、Δ=120°、偏光子の方位角α=45°
とした。図25に、検光角βが-45度の場合、微小面素の
法線が鉛直方向に対してなす角ξと抽出特性、即ち重み
関数I( ξ,-45)の関係を示す。ただし、見やすさのため
に最大値を1に規格化してある。
が最も支配的で(抽出されやすく)、逆に法線角度ξ=±3
5度付近の微小面素からの鏡面拡散反射光が最も抽出さ
れないことがわかる。また、逆にξ=±35度の反射光を
最もよく抽出するような検光角βを式(5)(6)より求める
と、およそβ=45度となる。検光角β=45度に対する法線
角度ξと抽出特性I( ξ,45)の関係を図26に載せた。こ
こで、β=45度の曲線が左右対称でないのは、入射面(微
小面素に対する入射光と反射光により張られる平面)を
基準に考えると、ξが正の場合、見かけ上入射偏光の方
位角αが小さくなる(p偏光に近づく)ことと、鋼板のp偏
光反射率がs偏光反射率より小さいことによる。また、
β=-45°と45°の中間の特性となるβ=90°についても
同図に載せた。
面素からの反射光強度Lは、抽出特性(重み関数)I( ξ,
β) と面積率S( ξ) の積により与えられるから、最終
的に光検出器16で受光する光強度はS( ξ) ・I( ξ,
β) をξについて積分したものになる。例えば、図27に
示すような反射特性を有する鋼板からの反射光を、検光
角βが-45度の検光子を通して受光した場合、図27で示
される面積率S( ξ) を図25のような抽出特性I( ξ,
β) の重みをつけて積分したものが、受光光量となる。
模様状ヘゲ疵があった場合を考える。その場合の面積率
S( ξ) は、それぞれ図17 (a)、(b)、(c)のようになっ
ている。
成分のみに違いがある場合を考える。このような疵を検
光角β=-45度の検光子を通して受光したときの光強度
は、図17(b)を図25 で表される重み関数I( ξ, β) を
かけて積分したものに相当するから、母材部とヘゲ部の
反射光量の違いを検出することができる。また、検光角
β=45度については、図17 (b)に示すように、鏡面拡散
反射成分に違いがなく、違いがあるのはξ=0゜付近のみ
のため、図26に示したβ=45゜の重み関数I( ξ, β) が
ξ=0゜付近で低い値であることを考えると、その積はξ
の全領域で低い値となり、積分により違いが打ち消され
ることになる。従って、母材部とヘゲ部の違いを検出す
ることができない。
反射成分のみに違いがある場合には、逆に、-45度の検
光子を通したのでは検出できない。この場合は、ξ=0゜
より離れたところで重み関数I( ξ, β) が高い値を示
す45度の検光子を通すことにより、検出できる。
成分の違いがなくなっている法線角度ξは、図17 (c)で
はξ=±20度付近であったが、もし、その法線角度ξが
たまたま±30数度付近となる疵があると、45度の検光子
を通しても検出できなくなる。その場合は、別の抽出特
性となるような検光角(例えばβ=90°)の検光子をもう
一つ別に用意し、3つめの光検出器で受光するようにす
ればよい。
特性は図10(a)、(b)、(c)のいずれかであることがほと
んどであるから、いずれか2つの光学条件(この例では検
光角)を用いることにより、大部分の場合、検出ができ
る。但し、上述のような特別の場合、見落としをなくす
ためには、3つの異なる検光角の検光子を用い、対応す
る3つの法線角度の微小面素からの反射光を抽出して受
光するようにすることが望ましい。
射成分、鏡面拡散反射成分ともに違いがある場合には、
基本的には、1つの検光子を通した反射光だけでも、母
材部とヘゲ部の違いを検出できる。
板を配置し、その偏光の方位角はp偏光、s偏光をともに
含む角度にする。そして、正反射光のうち、鏡面反射成
分をより透過する偏光角の偏光子を通して撮影するカメ
ラと、鏡面拡散反射成分をより透過する偏光角の偏光子
を通して撮影するカメラを使用する。
の共通な光軸での測定であるため、鋼板距離変動や速度
変化に影響されることなく、鏡面反射・鏡面拡散反射そ
れぞれに対応した2つの信号を得ることが可能になり、
顕著な凹凸性を持たない模様状ヘゲ疵を未検出を生じる
ことなく検出可能な表面疵検査装置が実現する。そし
て、どの角度の鏡面拡散反射成分を検出するかは、検光
角を設定することにより容易に変更可能となる。
の強度あるいは比率を測定することにより、上記模様状
ヘゲ疵以外でも、鏡面反射あるいは鏡面拡散反射に影響
を及ぼす表面性状の変化を検出できる。例えば、ダル仕
上げやヘアライン仕上げ等の金属帯の表面仕上げについ
ても、微小な反射面の分布に変化があれば、原理的には
検出可能であり、これらの表面性状の検査への適用も期
待できる。
発明の装置とともに、公知の方法および手段を併用して
もよいことは言うまでもない。これについては、詳細を
後述する。
た被検査面については、その位置がトラッキング手段に
よりトラッキングされる。トラッキングは、金属帯の搬
送速度から表面疵の位置がマーキング手段に到達する時
刻を算出することにより実施できる。マーキング手段
は、トラッキング手段からのマーキング指示に基づき、
金属帯表面にマーキングを行う。
方法で行うことができる。これは、次の工程で検出しや
すいマーキング方法であれば何でもよく、例えば、イン
クや塗料による印字、打刻機等による刻印、穿孔機によ
る穿孔、グラインダ等による表面粗度の改変、あるいは
金属帯が強磁性体の場合は磁気的マーキング等の所定の
方法で行う。
に一致させてもよいが、幅方向で一致させずに長手方向
のみ位置を一致させてもよい。例えば、プレスライン等
に材料として自動装入する場合は、マーキングの位置を
むしろ幅方向に対して一定の位置とした方が、マーキン
グを検出しやすい場合もある。
射光を互いに異なる2種以上の光学条件で抽出し、これ
ら互いに異なる光学条件で抽出された反射成分の組合せ
に基づき被検査面の表面疵の有無を判定し、金属帯表面
にその疵に関する情報を示すマーキングを施すことを特
徴とするマーキング付き金属帯の製造方法である。
より表面疵が有ると判定された箇所には、金属帯表面に
マーキングが施される。このように表面疵の存在を示す
マーキングが施されているので、その後の工程、あるい
は需要家において、表面疵の部分を取り除くことが可能
となり、製品に紛れ込むことを防止できる。また、この
製造方法により、金属帯の製造後、表面疵の部分を取り
除くためのコイル分割等の作業を大幅に簡略化あるいは
省略できるので、生産効率が向上する。
射光を互いに異なる2種以上の光学条件で抽出してこれ
ら互いに異なる光学条件で抽出された反射成分の組合せ
に基づき被検査面の表面疵の有無を判定する工程と、金
属帯の表面にその疵に関する情報を示すマーキングを施
す工程と、このマーキングを施された金属帯を巻き取っ
てコイルとする工程と、このコイルを巻き戻してマーキ
ングを検出する工程と、そのマーキングが示す情報に基
づき金属帯の所定の範囲を回避または除去する工程と、
金属帯の回避または除去されなかった残りの部分につい
て所定の加工を行う工程と、を有することを特徴とする
金属帯の加工方法である。
面にマーキングを施した後、金属帯をコイル状に巻き取
る。巻き取ったコイルは、工場等に運搬して薄板の成形
加工を行う。成形加工の際は、事前にコイルを巻き戻し
て、目視あるいは簡単な検出器等によりマーキングを検
出する。マーキングが検出された場合、その示す情報か
ら金属帯における疵を含む不良部分を回避または除去す
る。
位置に一致させてマーキングが施されている場合は、マ
ーキングが施された部分であり、マーキングが疵の種類
や程度等の情報を有する場合は、その成形加工で不良と
なる疵の種類や程度に基づき決定する。また、金属帯の
所定の範囲を回避または除去するというのは、金属帯の
不良部分を切断して除去し、あるいは、加工の工程への
金属帯の送り量(フィード)を調節して金属帯の不良部分
を通過(パス)させる等、不良部分が加工されないように
加工の工程への金属帯の供給を制御することである。
分離される表面からの反射成分の組合せが正常部とは異
なる異常部について、表面にその疵に関する情報を示す
マーキングが施されていることを特徴とするマーキング
付き金属帯である。
光学的解析により、正常部とは異なると判定された部
分、即ち表面疵の位置にマーキングが施されている。従
って、前述のように、この金属帯を使用する後工程、需
要家において、その異常部の除去、製品への混入の防止
が可能となる。
るいは多数の微小鏡面反射面による鏡面拡散反射成分の
内、いずれか一方又は双方の成分の光量が異常となる部
分について、表面にそれに関する情報を示すマーキング
が施されていることを特徴とするマーキング付き金属帯
である。
あるいは鏡面拡散反射の状況が、正常部とは異なる場
合、その位置にマーキングが施されている。ここで、鏡
面拡散反射というのは、前述のように、法線が特定の方
向に向いた微小鏡面反射面が多数分布した面のことであ
る。前述の発明同様、この金属帯を使用する際、異常部
の処置が容易となる。
する表面疵検査手段を含む複数の表面疵検査手段と、そ
れらの金属帯表面疵の検査結果を総合的に判定し、金属
帯表面に関するマーキング情報を作成するマーキング情
報作成手段とを備えていることを特徴とする請求項1記
載の金属帯の表面疵マーキング装置である。
信号処理部とを有する表面疵検査手段に加えて、疵や汚
れ等の寸法・形状あるいは照射光の反射率等を検出し
て、疵や汚れ等の表面性状の異常を検査する通常の表面
検査手段を組み合わせて、表面疵その他の異常部の種類
や程度を分類する。これにより、鏡面拡散反射の異常を
含む種々の表面性状の異常について、総合的な判定を行
い、それら異常部に関する情報をマーキングすることが
可能となる。
条件で抽出された反射成分の組合せに基づき被検査面の
検査を行う表面疵の検査方法を含む複数の表面検査方法
による検査結果に基づき、表面疵の有無を判定すること
を特徴とする第2の発明の金属帯のマーキング付き金属
帯の製造方法である。
被検査面からの反射光を互いに異なる2種以上の光学条
件で抽出し、これらの抽出された反射成分の組合せに基
づき被検査面の検査を行う表面疵の検査方法に加えて、
通常の表面検査方法を組み合わせて、表面疵の種類や程
度を分類する。ここで通常の表面疵検査方法とは、例え
ば、疵の寸法・形状あるいは照射光の反射率等を検出し
て疵や汚れ等の表面性状の異常を検査する表面検査方法
である。このように、鏡面拡散反射の異常を含む種々の
表面性状の異常について総合的な判定を行い、それらの
異常部に関する情報をマーキングする。
分離される表面からの反射成分の組合せが正常部とは異
なる異常部を含む表面疵について、表面にその疵に関す
る情報を示すマーキングが施されていることを特徴とす
る第4の発明のマーキング付き金属帯である。
異常部に加えて、通常の表面疵検査、例えば、疵の寸法
・形状あるいは照射光の反射率等に基づく表面検査結果
あるいは種々の表面性状に関する情報について、その表
面にマーキングが施されている。ここで、第3の発明に
おける異常部というのは、前述のように反射光を2種以
上の光学条件で分離したとき、反射成分の強度あるいは
比率が、正常部とは異なる部分である。
るいは多数の微小鏡面反射面による鏡面拡散反射成分の
内、いずれか一方又は双方の成分の光量が異常となる部
分を含む金属帯表面に関する情報について、表面にその
金属帯表面に関する情報を示すマーキングが施されてい
ることを特徴とする第5の発明のマーキング付き金属帯
である。
異常部に加えて、通常の表面疵検査、例えば、疵の寸法
・形状あるいは照射光の反射率等に基づく表面検査結果
あるいは種々の表面性状に関する情報について、その表
面にマーキングが施されている。ここで、第4の発明に
おける異常部というのは、前述のように表面からの鏡面
反射あるいは鏡面拡散反射の状況が、正常部とは異なる
部分であり、反射光を2種以上の偏光条件で分離したと
き、反射成分の強度あるいは比率が、正常部とは異なる
部分として決定できる。
含む種々の表面疵あるいは表面性状の異常部について、
その情報を示すマーキングが金属帯の表面に施されてい
るので、後工程あるいは需要家において、表面疵の種類
や程度を知ることが可能となり、種々の用途、使用目的
に対応することができる。
ングを施すことにより、表面疵等の部分を切断除去せず
に金属帯を巻き取ることができるので、切断除去により
コイルの個数が増加するのを防止することができる。こ
のように、コイルの個数が増加しないので、コイルのハ
ンドリングにおいては、巻き取りの手間の増加が防止さ
れる。さらに、コイルの運搬、巻き戻し、および加工に
おいても、コイルの処理個数が増加しないのでハンドリ
ングの手間が軽減される。
例を示すブロック図である。表面疵の検出装置41は、金
属帯4の被検査面からの反射光を互いに異なる2種以上の
光学条件で抽出し、信号処理部30で、これら反射成分の
組合せに基づき被検査面の表面疵の有無を判定する。
ーキング手段に到達する時刻を算出する。これは、搬送
ロール45に取り付けられた回転計46で測定された回転速
度に基づき、板長算出手段47により表面疵の位置を板長
に換算し、マーキング手段44に到達するのに要する時間
に換算して得られる。トラッキング手段43は、その時刻
になると、マーキング手段44にマーキングを指示する信
号を発信する。マーキング手段44は、金属帯表面に印字
・穿孔等その位置を示すマーキングを行う。
す。この例では、マーキング49の位置を、長手方向では
表面疵11の位置に一致させており、幅方向ではエッジか
ら一定の位置としている。これにより、プレスライン等
で使用する場合、表面疵11の位置によらず、エッジから
一定の位置でマーキング49を検出することができ、表面
疵11のある部分のリジェクト等の処置をとることが可能
となり、不良品の製造を防止することができる。
び図4にその1例を示す。線状拡散光源22として一部に拡
散反射塗料を塗布した透明導光棒を使用し、その両端か
らメタルハライド光源の光を入射する。光源22の導光棒
から拡散的に出射した光は、シリンドリカルレンズ25と
45°偏光の偏光板26を透過した後、60゜の入射角で鋼板
21の全幅に一直線上に集光されて入射する。反射光27は
鋼板正反射方向に配置されたミラー28でさらに反射さ
れ、受光部を構成するカメラユニット29a〜dに入射す
る。
示すように板幅方向に配置されている。なお、このよう
にミラー28を用いることにより、装置をコンパクトにす
ることができる。また、ミラー28を鋼板21から適当に離
して設置すると、図5のようにミラー28上に全カメラの
視野から外れる領域(全カメラ視野外)が生じ、そこでミ
ラーを分割して構成することができる。このようにミラ
ーを分割することにより製作費を低く抑えることができ
る。
示すように、レンズの前に検光角-45°、45°、90°の
検光子33a〜cをもつ3台のリニアアレイカメラ32a〜cか
ら構成され、その光軸は平行に保たれている。3台のカ
メラの視野のずれは、信号処理部30で補正している。こ
のように光軸が平行に保たれていると、3台のカメラ32a
〜cの各画素は同一視野サイズで一対一に対応する。ま
た、ビームスプリッタを用いて1つの反射光を分割する
のに比べて、光量のロスがなくなり、効率的な測定が可
能となる。
ラ32a〜32c単体の受光範囲Aは、前掲の図5に示すよう
に、両側に隣接する他のカメラユニット29a〜29d内の対
応する受光カメラ32a〜32cの受光範囲Aと一部重複する
ように配置されている。言い換えれば,鋼板21上の幅方
向の任意の位置からの反射光は、それぞれ少なくとも1
つのカメラユニット29a〜29d内の3種類の受光カメラ32a
〜32cで受光される.ここで、受光部において、リニアア
レイカメラの替わりに2次元CCDカメラを使用することも
できる。また、投光部において、線状拡散光源22とし
て、蛍光灯を使用することもできる。また、バンドルフ
ァイバの出射端を直線上に整列させたファイバ光源を使
用することもできる。各ファイバからの出射光はファイ
バのN/Aに対応して充分な広がり角を持つため、これを
整列させたファイバ光源は実質的に拡散光源となるため
である。
5を用いてその詳細を説明する。各カメラユニット29a〜
29dは、一定間隔で複数ユニットが配置されている。一
つのカメラユニット29a〜29dは,異なる条件(-45 ,45,90
度偏光)で受光する3つのカメラ32a〜32cから構成され
る。それぞれのカメラは,一定間隔離ごとに並べて平行
に設置されている。従って、それぞれの視野も、カメラ
間隔と同じだけずれることになる。
同一である。例えば向かって左から45度,90度,-45 度の
順とする。測定範囲(有効領域)は、例えば、光学条件が
3条件で観察されている範囲とし、1条件のみ、あるいは
2条件のみでしか観察されていない領域(両端部の領域)
は無効とし、使用しない。カメラ間隔およびユニット間
隔は、鋼板最大幅が測定範囲(有効領域)に入るような寸
法として決定する。
るための調整は行わず、各カメラで疵候補領域を決定し
た後、その疵候補領域単位で、各カメラの対応をとる。
前述のように、各カメラのそれぞれの視野は、ずれてい
るので、ある疵候補領域を視野に納めるカメラが3台揃
わない(光学条件が3条件揃わない)場合もある。その場
合は、隣のユニットのカメラの結果を用いて光学条件を
3条件に揃える。この考え方は、3偏光を受光する場合に
限らず、検査体全幅を複数視野に分割し、任意の2条件
以上で観察する場合に適用可能である。
とめて、疵検査手段と呼ぶことにすると、図1に示した
表面疵マーキング装置は、図7に示すようになる。疵検
査手段40は、受光部32a〜32c(図5と図6のカメラに相当)
と信号処理部30を有している。信号処理部30は、異なる
光学条件で抽出された反射光の強度に基づき、信号処理
により前述の拡散鏡面反射成分を検出し、異常部の有無
の判定を行う。その後は図1と同様、トラッキング手段4
3および板長算出手段47により表面疵の位置を算出し、
マーキング手段44で異常部の位置にマーキングを行う。
ック図で示す。受光カメラ32a〜cからの光強度信号a〜c
は、平均値間引き部34a〜cに入力され、平均値が算出さ
れる。次いで、被検査体の長手方向の所定距離の移動に
伴い入力されるパルス信号により、幅方向の1ライン分
の信号として出力される。この間引き処理により、長手
方向の分解能を一定とする。また、平均値の算出頻度
を、被検査体の長手方向の移動距離が受光カメラ32a〜c
の視野よりも大きくならないようにすれば、見落としを
なくすことができる。
て輝度ムラを補正する。ここで、輝度ムラには、光学系
に起因するもの、被検査体の反射率に起因するもの等を
含む。また、前処理部35a〜cでは、金属帯のエッジの位
置を検出し、エッジ部における急激な信号変化を疵と誤
認識しないための処理を行う。
に入力され、予め設定されているしきい値との比較によ
り、疵候補点が抽出される。抽出された疵候補点は、特
徴量演算部37a〜cに入力され、疵判定のための信号処理
が行われる。ここでは、疵候補点が一続きとなっている
場合は1つの疵候補領域として、例えば、スタートアド
レス、エンドアドレス等の位置特徴量や、そのピーク値
その他の濃度特徴量などを算出する。
の信号a〜cの光学条件(検光角β)により、鏡面性疵判定
部38aかあるいは鏡面拡散性疵判定部38bに入力される。
特徴量演算部37aの出力は、元の信号aの光学条件が-45
度検光(β=-45゜)である。そこで、この場合は鏡面性疵
判定部38aに入力され、前述のように鏡面反射成分によ
る母材部とヘゲ部の反射光量の違いが検出される。一
方、特徴量演算部37b,cの出力は、元の信号b,cの光学条
件が45度,90度検光(β=45゜90゜)であり、鏡面拡散反射
成分のみに違いがある。そこで、鏡面拡散性疵判定部38
bに入力され鏡面拡散反射成分による疵判定が行われ
る。
定部38aおよび鏡面拡散性疵判定部38bの出力に基づき、
金属帯の被検査面については最終的な疵種およびその程
度を判定する。また、その際、各カメラ32a〜d間および
カメラユニット29a〜29d間の視野の重複(図5)を考慮
し、隣のカメラユニットのカメラからの信号に基づく疵
判定結果を適宜利用することが望ましい。
して疵判定を行う表面疵検査手段と、その他の方式によ
る表面疵検査手段を組み合わせた例を、図9に示す。こ
こで、表面疵検査手段40aは、図7に示した物と同じであ
り、複数の受光部32a〜cで反射光を異なる光学条件で抽
出し、信号処理部30で鏡面拡散反射成分の異常を検出し
て疵判定を行う。
は、通常の表面疵検査手段、即ち疵の寸法・形状から表
面疵を検出して判定する方式の装置、あるいは照射光の
反射率等から表面の汚れや付着物を検出する方式の装置
を用いることができる。表面検査手段40bでは、通常の
表面疵や表面性状の異常について、その種類や程度を分
類する。マーキング情報作成手段42では、検査手段40a,
40bの検査結果に基づき、鏡面拡散反射の異常を含む種
々の表面疵や表面性状の異常について、総合的な分類や
ランク付けを行い、マーキングのための情報を作成す
る。
および板長算出手段47により表面疵の位置を算出する。
マーキング手段44では、マーキング情報に基づき、異常
部の位置にマーキングを行うが、その際、表面疵の種類
や程度に関する情報を示すことが望ましい。これは、マ
ーキングの模様・形状・帯の幅等、検出可能な形態であ
ればよい。また、バーコードあるいはOCR(光学式文字読
取り)を併用すれば、さらに詳細な情報をマーキングす
ることが可能となる。
施すことにより、コイルの個数の増加が抑制されるた
め、コイルの巻き取り、コイルの運搬、および巻き戻し
等のハンドリングにおいても、作業の効率が向上する。
また、金属帯の加工においても、金属帯が疵の部分で途
切れることなく連続して供給されるので、作業の効率化
が期待できる。
測定結果を、図10、11に示す。図10は、前述の図17(b)
に、図11は図17(c)に対応しており、測定した疵は、図1
0に示されるような、テンパ部面積率がヘゲ部では母材
部より大きいが、非テンパ部の拡散性は変わらないもの
(図17b)と、図11に示されるような、テンパ部面積率に
は差はないが、拡散性に差がある疵(図17c)である。図1
1のタイプの疵については、一般に拡散反射方向に検出
不能となる角度が存在するが、その角度が異なる2種類
の疵について測定を行った。なお、比較のため、従来技
術で、入射角60°で光を入射し、正反射方向(60°)と入
射方向から20°ずれた受光角(-40゜)方向から無偏光で
測定した結果も同図に載せた。以上の結果を、表1にま
とめて示す。
ズ除去のために論理和をとっているが、これらの疵につ
いては、2つの受光角同時に検出することは不可能であ
る。さらに言うと、どちらの受光角でも検出できない疵
も存在する。
る受光角に対応する反射光成分を、検光子を用いること
により正反射方向から抽出しているから、いずれかのリ
ニアアレイカメラで検出することが可能である。また、
検出する必要がある疵の反射特性に合わせて、検光角の
最適に設定することも容易である。
での反射が鏡面反射成分と鏡面拡散反射成分とから成る
という知見をもとに、それぞれの成分を抽出して捉える
方法として、線状拡散光源を使用し、p偏光およびs偏光
をともに有する偏光を被検査面に入射し、鋼板正反射方
向から、検光角を適当に設定することにより、鏡面反射
成分をより多く含む成分と、鏡面拡散反射成分をより多
く含む成分を抽出する方法を採用した。
察できない疵も検出可能となり、従来検出できなかった
顕著な凹凸性を持たない模様状ヘゲ疵を未検出すること
なく検出することが可能になった。また、鋼板正反射方
向からの同一光軸上の測定で両成分が捉えられるため、
鋼板距離変動や速度変化の影響を受けない測定が実現し
た。また、検光角を設定することにより、どの角度の鏡
面拡散反射成分を抽出するかを選択できるようになっ
た。
査装置は未検出がないことが絶対条件である。本発明に
より初めて表面処理鋼板等へ広く適用可能な未検出のな
い表面疵検査装置を用いた表面疵マーキング装置とマー
キング付き金属帯の製造が実現できるので、従来検査員
による目視の検査に頼っていた表面疵検査を自動化でき
るとともに、簡単な手段でその情報を後工程やユーザ側
に知らせることが可能となり、その産業上の利用効果は
大きい。
を示す模式図。
の金属帯幅方向の配列を示す図。
を示す図。
図。
図。
示す図。
例を示す図。
断面を示す図。
部における入射光と反射光の関係を示す断面模式図。
分布図。
を説明するための断面図。
散反射成分の角度分布図。
法線角度と面積率の関係を示す図。
の角度の関係を示す図。
図。
面の入射位置の関係を示す図。
の微小面素からの反射光の偏光状態を示す図。
ている場合の微小面素からの反射光を示す図。
が偏光されている場合の微小面素からの反射光を示す
図。
関係を示す図。
(検光角:-45゜)。
み関数の関係を示す図。
を示す図。
20)
微小鏡面反射面による鏡面拡散反射成分の内、いずれか
一方又は双方の成分の光量が異常となる部分を検出する
ことにより被検査面の表面疵の有無を判定する検査工程
と、金属帯の表面にそれに関する情報を示すマーキング
を施すマーキング工程とを有することを特徴とするマー
キング付き金属帯の製造方法。
出された反射成分の組合せに基づき被検査面の検査を行
う表面疵の検査方法を含む複数の表面疵検査方法による
検査結果を総合的に判定し、金属帯表面に関するマーキ
ング情報を作成するマーキング情報作成工程を備えたこ
とを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか一項に記
載の金属帯のマーキング付き金属帯の製造方法。
金属帯の表面疵を光学的に検出しその位置にマーキング
するマーキング付き金属帯の製造方法に関するものであ
る。
反射光をカメラでとらえることによる金属物体の表面探
傷方法として、特開昭58-204353 号公報記載の技術があ
る。本技術は、被検体表面に対し35〜75度の角度で光を
入射し、反射光を、正反射方向と、入射方向あるいは正
反射方向から20度以内の角度方向に設置した2 台のカメ
ラで受光している。そして、2 台のカメラの信号を比較
し、例えばお互いの論理和を取る、すなわち、2 台とも
検出した場合のみ傷とみなすことにより、ノイズに影響
されない検査方法を実現している。
ことによる被検体表面の疵検査方法として、特開昭60-2
28943 号公報記載の技術がある。本技術は、ステンレス
鋼板に大きな入射角で光を入射し、入射側へ戻る反射光
を検出することにより、ステンレス鋼板表面のヘゲ疵を
検出しようとするものである。
る探傷装置として、特開平8-178867号公報記載の技術が
ある。これは熱間圧延された平鋼上の掻疵を検出しよう
とするものである。本明細書によれば、掻疵の疵斜面角
度は10〜40度であり、この範囲の疵斜面からの正反射光
を全てカバーできるように後方拡散反射方向に複数台の
カメラを用意している。
て、特開昭57-166533 号公報記載の技術は、測定対象に
45度方向の偏光を入射し、提案された偏光カメラで受光
している。偏光カメラは、反射光をカメラ内部のビーム
スプリッタを用いて3 つに分岐し、それぞれ異なる方位
角の偏光フィルタを通して受光するようになっている。
偏光カメラからの3 本の信号を、カラーTVシステムと同
様の信号処理により、モニタに表示し、偏光状態を可視
化する技術を開示している。この技術はエリプソメトリ
の技術を利用しており、光源は平行光であることが望ま
しく、実施例ではレーザ光が用いられている。
エリプソメトリを利用した鋼板表面の疵検査装置を開示
している。
も顕著な凹凸性を持つ疵を検出するか、酸化膜等異物が
存在する疵を検出することを目的としたものであり、顕
著な凹凸性を持たない模様状ヘゲ疵等に対しては全ての
疵を確実に捉えることはできなかった。
術では、正反射光と散乱反射光を受光する2 台のカメラ
を有しているが、その目的は2 つのカメラの信号の論理
和によるノイズの影響除去であり、顕著な凹凸性を有す
る疵、すなわち表面に割れ・抉れ・めくれ上がりを生じ
ているような疵に対しては両方のカメラで疵の信号が捉
えられるので適用可能であるが、どちらか一方のカメラ
でしか疵の信号を捕らえられないような顕著な凹凸性を
持たない、模様状ヘゲ疵のような疵の場合は、その疵を
全て検出することはできない。
表面粗さの小さいステンレス鋼板上に顕在化した、持ち
上がったヘゲ疵を対象としており、顕在化していない、
持ち上がった部分のない疵や、疵の存在しない部分も入
射側へ戻る光を反射するような表面の粗い鋼板に適用す
ることはできない。 特開平8-178867号公報記載の技術
では掻き疵を対象にしており、疵斜面での正反射光を捉
えることに基づいているため、顕著な凹凸性を持たな
い、模様状ヘゲのような疵の場合には後方散乱反射光で
は捉えられないものも存在し、未検出を生ずるという問
題点があった。
射成分を受光するかが決定されると、容易に変更できな
いという問題もあった。
願平7-286377号公報記載の技術は、エリプソメトリの技
術を用いており、「薄い透明な層の厚さ及び屈折率」や
「物性値のむら」を検出することはできる。しかしなが
ら、例えば表面処理鋼板のように、もともと疵部が母材
部と異なる物性値を有していたとしても、その上から同
一の物性値を有するものに覆われたような対象に対して
は、有効性が低下してしまうという問題があった。
反射光を各CCD の対応する画素で受光し、画素ごとにエ
リプソパラメータを計算する必要があった。そのため、
特開昭57-166533 号公報記載の技術では反射光をビーム
スプリッタにより3 分岐して3つのCCD により検出して
おり、光量が低下したり、CCD 間の画素合わせが困難で
あるという問題があった。
は、3 台のカメラを鋼板進行方向に並べたり(明細書図
6)、縦または横に並べた3 台のカメラの傾きを変えて
同一領域を見る(同図7、同図8)ようにしているが、
明細書図6の場合は、鋼板の速度が変化したときの処理
が複雑であるという問題があった。また、明細書図7、
明細書図8では、各カメラの角度が異なるため光学条件
が同一にならない、やはり画素合わせが困難であるとい
った問題があった。
術や特開平8-178867号公報記載の技術では複数台のカメ
ラの光軸が共通ではなく出射角が異なるため、得られる
2つの画像の対応する画素の視野サイズが異なるほか、
被検査面のバタツキや対象の厚さ変動による距離変化が
あると視野に位置ズレを生じるという問題があった。特
に特開昭58-204353 号公報記載の技術では2つのカメラ
で同じ視野に対する論理和をとることが要求されるため
問題は大きかった。
査装置は未検出がないことが絶対条件であり、検査対象
として表面処理鋼板等まで広く適用可能なものとしては
従来実用に耐えうる表面疵検査装置は実現できていなか
った。
般に金属帯全体として良好か不良かの判定がされるだけ
であり、軽微な疵についてはユーザ側で知ることはでき
なかった。仮に、それらの表面疵についての情報をユー
ザ側に知らせるとしても、ミルシート等に記載する等の
方法以外に適切な方法がなかったと言える。
るためになされたものであり、表面の割れ・抉れ・めく
れ上がりのような顕著な凹凸性を持たない模様状ヘゲ疵
を、未検出となることなく検出し、簡単な手段でその情
報をユーザ側に知らせることが可能なマーキング付き金
属帯の製造方法を提供することを目的とする。
により解決される。
面からの反射光を互いに異なる2種以上の光学条件で抽
出する複数の受光部と、これら互いに異なる光学条件で
抽出された反射成分の組合せに基づき被検査面の表面疵
の有無を判定する信号処理部とを有する疵検査手段と、
金属帯表面にその疵に関する情報を示すマーキングを行
うマーキング手段とを備えていることを特徴とする金属
帯の表面疵マーキング装置である。
段の受光部で、金属帯の表面からの反射光を、偏光条件
等の光学条件の異なる2種以上の受光部により受光し、
その結果から光学的性状を解析する。次いで、疵検査手
段の信号処理部で、得られた光学的性状から、金属帯の
表面について、正常部と異常部、即ち表面疵を判別す
る。表面疵と判定された部分には、マーキング手段によ
り印字・刻印・穿孔等の所定の方法でマーキングを行
う。マーキングの位置については、表面疵の位置あるい
はその近傍を、トラッキング手段等によりトラッキング
することにより決定できる。これを方法の発明として言
い換えると、金属帯の被検査面からの反射光を互いに異
なる2種以上の光学条件で抽出し、これら互いに異なる
光学条件で抽出された反射成分の組合せに基づき被検査
面の表面疵の有無を判定する検査工程と、表面疵の位置
あるいはその近傍をトラッキングするトラッキング工程
と、金属帯の表面にその疵に関する情報を示すマーキン
グを施すマーキング工程と、を有することを特徴とする
マーキング付き金属帯の製造方法である。
査の対象とする鋼板表面の光学的反射の形態について、
鋼板表面のミクロな凹凸形状と関連づけて説明する。一
般に鋼板表面のミクロ凹凸形状は調質圧延(テンパ)に
より、もともと起伏の高い点がロールにより強く圧延さ
れ平坦度がよくなり、それ以外の点は調質圧延のロール
があたらずに元の凹凸形状を残したままとなっている。
下地の冷延鋼板1は図12(a)に示すように溶融亜鉛
メッキされたのち、合金化炉を通過する。この間に下地
鋼板の鉄元素がメッキ層の亜鉛中に拡散し、通常、図1
2(c)に示すように柱状等の合金結晶3を形成する。
この鋼板が次に図12(b)に示すように調質圧延され
ると図12(d)に示すように柱状結晶3の特に突出し
た箇所が平坦に潰され(テンパ部6)、それ以外の箇所
(非テンパ部7)は元の柱状の結晶形状を残したままと
なる。
射が起こるかをモデル化したのが図13である。調質圧
延により潰された箇所(テンパ部6)に入射した光8
は、鋼板正反射方向に鏡面的に反射する。一方、調質圧
延により潰されずに元の柱状結晶構造を残す箇所(非テ
ンパ部7)に入射した光は、ミクロに見れば柱状結晶表
面の微小面素の一つ一つにより鏡面的に反射されるが、
反射の方向は鋼板の正反射方向とは必ずしも一致しな
い。
角度分布は、マクロに見ればそれぞれ図14(a)、
(b)のようになる。すなわち、(a)テンパ部6では
鋼板正反射方向に鋭い分布を持つ鏡面性の反射9が起こ
り、(b)非テンパ部7では、柱状結晶表面の微小面素
の角度分布に対応した広がりを持った反射10となる。
以降、前者を鏡面反射、後者を鏡面拡散反射と呼ぶ。実
際に観察される反射の角度分布は、図14(c)に示す
ように鏡面反射・鏡面拡散反射の角度分布をテンパ部・
非テンパ部それぞれの面積率に応じて加算したものとな
る。
たが、調質圧延により平坦部が生じる他の鋼板にも一般
に成り立つ。このように、調質圧延を施す場合の発明
は、金属帯を調質圧延する調質圧延工程と、前記金属帯
の被検査面からの反射光を互いに異なる2種以上の光学
条件で抽出し、これら互いに異なる光学条件で抽出され
た反射成分の組合せに基づき被検査面の表面疵の有無を
判定する検査工程と、金属帯の表面にその疵に関する情
報を示すマーキングを施すマーキング工程と、を有する
ことを特徴とするマーキング付き金属帯の製造方法とな
る。
性を持たない、模様状ヘゲ疵と呼ばれる疵の光学反射特
性について説明する。例えば、図15に示すように、合
金化溶融亜鉛鍍金鋼板4に見られるヘゲ疵11は、鍍金
前の冷延鋼板原板1にヘゲ疵11が存在し、その上に鍍
金層2が乗り、さらに下地の鉄の拡散による合金化が進
行したものである。
に違いがあったり、合金化の程度に違いがあったりす
る。その結果として、例えばヘゲ部鍍金厚が厚く母材に
対し凸の場合には調質圧延を掛けられることによりテン
パ部の面積が非テンパ部に比べて多くなる。逆にヘゲ部
が母材に比べ凹の場合にはヘゲ部は調質圧延ロールがあ
たらず、非テンパ部が大半を占める。また、ヘゲ部合金
化が浅い場合には微小面素の角度分布は鋼板方線方向に
強く、拡散性は小さくなる。
いにより、模様状ヘゲ疵がどのように見えるかを説明す
る。上述した調質圧延における鍍金表面の変形モデルに
基づき、ヘゲ部と母材部の違いについて分類すると、図
17に示すように次の3種類に分けられる。
の面積率及び非テンパ部の微小面素の角度分布が、母材
部(破線)と異なる。ここで、テンパ部は法線角度ξ=
0に対応し、図ではピークを示している。このピーク高
さ(面積率)がヘゲ部と母材部で異なっている。また、
非テンパ部はそれ以外の部分(スロープ)に対応し、図
ではヘゲ部と母材部の面積率の分布が異なっている。こ
のスロープの部分は非テンパ部の微小面素の角度分布を
反映している。
部で異なるが、非テンパ部の微小面素の角度分布は変わ
らない。図ではヘゲ部と母材部でピーク高さが異なって
いるが、スロープの形状は一致している。
はヘゲ部と母材部で異なるが、テンパ部の面積率は変わ
らない。図ではヘゲ部と母材部でピーク高さは一致して
いるが、スロープの形状は異なっている。
角度分布の違いが、図16に示すような反射光量の角度
分布の違いとして観察される。
a,bの場合)には図16(a)、(b)に示すよう
に、反射光量の角度分布はヘゲ部11aと母材部12a
のようになる。その差は角度分布がピークとなる方向、
即ち正反射方向から観察される。ヘゲ部のテンパ部面積
率が母材部より大きい場合(図16a,b,図17a,
bに該当)には正反射方向からはヘゲは明るく見え、逆
にヘゲ部のテンパ率が母材部より小さいときには正反射
方向からは暗く観察される。
c) の場合)には、鋼板正反射方向からの観察ではヘゲ
を見ることはできない。それでも、鏡面拡散反射成分の
拡散性に違いがあるときには図16(c)に示すように
角度分布のピークから外れた拡散方向から疵が観察され
る。例えば、鏡面拡散反射成分の拡散性が小さい時に
は、一般に正反射に比較的近い拡散方向からはヘゲは明
るく観察され、正反射方向から離れるに従い明るさは小
さくなり、ある角度でヘゲ部と母材部の差がなくなりそ
の前後の角度で観察不能となる。さらに正反射から遠ざ
かると今度はヘゲは暗く観察される。
し、検出するためには、図17において、どういう角度
の微小面素からの反射光を抽出するのかを検討すること
が必要である。例えば、先の図16(a)、(b)の例
のように、正反射方向でヘゲ部と母材部の違いを検出す
るということは、図17で示される微小面素の角度分布
のうちξ=0について抽出し、ヘゲ部と母材部の違いを
検出していることになる。
とを数学的に表現すると、図17の関数S( ξ) それぞ
れに、図19(a)に示すデルタ関数δ( ξ) で表され
る抽出特性を表す関数(以後重み関数と呼ぶ)を乗じて
積分することに相当する。また、例えば、入射角60に
おいて、正反射から20度ずれた40度の位置で測定す
るというのは、法線角度ξが10度ずれた面(微小面
素)による反射を検出することになる。これは、図19
(b)のようなδ( ξ+10) なる重み関数を用いてい
ることに相当する。なお、反射角と微小面素の法線角度
ξの関係は図18から計算される。
面素からの反射光を抽出するかということは、どのよう
な重み関数を設計するかということに相当することがわ
かる。重み関数は、必ずしもデルタ関数である必要はな
く、ある程度の幅を持っていてもかまわない。
(b)、(c)で表されるような面積率分布を有するヘ
ゲ疵を母材部と弁別し、検出するための重み関数を考え
ると、図19に示すδ関数δ( ξ) もその一例ではあ
る。ただし、これでは、異なる受光角度にカメラを設置
するため2つの光学系の視野サイズを同一にすることは
できない。また、拡散反射光を測定するために一旦カメ
ラを設置すると、その重み関数を変更することは、カメ
ラの設置位置を変更することが必要であるから、容易で
はない。
必要である。そこで、拡散反射光を捉えるのでなく、鋼
板正反射方向からの測定で鏡面反射成分と鏡面拡散反射
成分の両成分が捉えられることが望ましい。そして、後
者に対しては、重み関数がカメラの設置位置の変更に対
してある程度自由度を持って設定できることが望まし
い。
源として、レーザのような平行光源ではなく、拡散特性
をもつ線状の光源を用いている。また、鋼板正反射方向
から鏡面反射成分、鏡面拡散反射成分を、偏光を用いる
ことにより分離して抽出している。
ために、図20に示すように、まず、線状の拡散光源1
4を鋼板4に平行に配置し、光源に垂直な面内にあり、
入射角が出射角と一致する方向(以降、鋼板正反射方向
と呼ぶ)から鋼板4上の一点を観察したときの反射特性
を考える。
14の中央部から照射された光の場合、テンパ部に入射
した光は鏡面的に反射され、鋼板正反射方向で全て捉え
られる。一方、非テンパ部に入射した光は鏡面拡散的に
反射され、たまたま鋼板法線方向と同一方向を向いてい
る微小面素により反射された分のみが捉えられる。この
ような微小面素は確率的に非常に少ないので、鋼板正反
射方向で捉えられる反射光のうちではテンパ部からの鏡
面反射が支配的となる。
線状光源の中央部以外から照射された光の場合には、テ
ンパ部に入射した光は鏡面反射して鋼板正反射方向とは
異なる方向へ反射し、鋼板正反射方向では捉えることが
できない。一方、非テンパ部に入射した光は鏡面拡散的
に反射され、そのうち鋼板正反射方向に反射された分が
捉えられる。従って、鋼板正反射方向で捉えられる反射
光は全て非テンパ部で反射した鏡面拡散反射光となる。
から照射される光で鋼板正反射方向からの観察で捉えら
れるのは、テンパ部からの鏡面反射光と、非テンパ部か
らの鏡面拡散反射光の和となる。
射方向から被検査面を観察した場合に、偏光特性がどう
変化するかについて説明する。
ては、電界の方向が入射面に平行な光(p偏光)あるい
は入射面に直角な光(s偏光)に関しては、反射により
偏光特性は保存され、p偏光のまま、あるいはs偏光の
まま出射する。また、p偏光成分とs偏光成分を同時に
持つ任意の直線偏光は、p、s偏光の反射率比および位
相差に応じた楕円偏光となって出射する。
から光が照射される場合について考える。図21(a)
に示すように、線状光源14中央部から出射した光は、
鋼板4のテンパ部で鏡面反射し鋼板正反射方向で観察さ
れる。これに関しては上記一般の鏡面状の金属表面での
反射がそのまま成立し、p偏光はp偏光のまま出射す
る。
射した光には、図21(b)に示すように非テンパ部の
結晶表面の傾いた微小面素で鏡面反射し、鋼板正反射方
向で観察されるものがある。この際、鋼板の入射面に平
行なp偏光の光を入射したとしても、実際に反射する傾
いた微小面素に対しては、その入射面と平行ではないた
め、p、s両偏光成分を持つ直線偏光となる。その結
果、この入射光は、微小面素からは楕円偏光となって出
射する。ここで、p偏光の代わりにs偏光を入射した場
合も同様である。
角の直線偏光に関しては、上記理由と同一の理由で傾い
た微小面素に対しては、入射面を基準にすると偏光角が
傾いて作用するため、鋼板正反射方向に出射する楕円偏
光の形状は、線状光源中央から入射しテンパ部で鏡面反
射した光とは異なる。
射する場合について、もう少し具体的に説明する。
14からの光8を方位角αの偏光板15で直線偏光にし
た後、水平に置かれた鋼板4に入射し、その正反射光を
光検出器16で受光することを考える。
れた光8については、テンパ部により鏡面反射された成
分、及び、非テンパ部でたまたま法線が鉛直方向を向い
た微小面素からの鏡面拡散反射された成分が、鋼板上の
点O(およびその結果周辺の領域13)から光検出器1
6の方向へ反射する光に寄与している。
ら見て角度φだけずれた点Aからの光8については、鏡
面反射成分は光検出器16とは異なる方向に反射される
ため、法線角度ξ(鉛直方向に対する法線の角度がξ)
の微小面素による鏡面拡散反射成分のみが寄与する。こ
こで、φとξの関係は、簡単な幾何学的考察により、次
式で与えられる。 cosξ= 2cosθ・cos2(φ/2) /[sin2φ+4・[cos2θ・cos4(φ/2)+sin2θ・sin4(φ/2)]]1/2 (1 ) ただし、θは鋼板への入射角である。
状態について考える。図22で、点Cから出射された光
8が、方位角αの偏光板15を通り、点Oにて鏡面反射
された後の偏光状態は、偏光光学で一般に用いられるジ
ョーンズ行列を用いて、Ec = T・Ein (2) と表される。ただし、Einは方位角αの直線偏光ベク
トル(列ベクトル)、 Tは鋼板の反射特性行列を表す。そ
れぞれの成分は、次のようになる。Ein = Ep・t(cosα,sinα)T =rs (Tmn); T11=tanΨ・exp(jΔ),T22=
1,T12=T21=0
s偏光の振幅反射率比、Δはp・s偏光の反射率により
生じる位相差、rsはs偏光反射率を表す。なお、これら
の行列表現は数1のようになる。
法線角度ξの微小面素で光検出器16の方向に反射された
光の偏光状態は、入射面が偏光板15及び検光子17と直交
しているとすれば、 EA =R(ξ)・T・R(-ξ)・Ein (3) ただし、Rは角度ξの2次元の回転行列であり、その
成分Rmnは次のようになる。 R11=R22= cosξ,R12=-R21=-sinξ
になる。
別の場合であり、鏡面反射成分についても鏡面拡散反射
成分についても(式3) を用いて統一的に考えることがで
きる。
らの反射光の楕円偏光状態を図示すると、図24 のよう
になる。ただし、ここで入射偏光の方位角αは45度、入
射角θは60度、鋼板の反射特性としてΨ=28°、Δ=120
°とした。図より、ξ=0すなわち鏡面反射の場合の楕円
に対し、ξの値が変化するに従って、楕円が傾いていく
のがわかる。従って、例えば光検出器の前に検光子を挿
入し、その検光角を設定することによって、どの法線角
度の微小面素からの反射光をより多く抽出するかを選択
することができる。
される偏光状態の反射光に検光角βの検光子を挿入した
後の偏光状態EDを求めると、 ED = R(β)・A・R(-β)・EA = R(β)・A・R(-β)・R(ξ)・T・R(-ξ)・Ein (4) となる。ただし、A=(Amn)は検光子を表す行列で
あり、A11=1、他の成分は0である。なお、Aの行
列表現は数3のようになる。
検出する法線角度ξの微小面素からの反射光の光強度L
を計算すると、その微小面素の面積率をS( ξ) とし
て、 L = S(ξ)・|ED|2 = rs 2・Ep2・S(ξ)・I(ξ,β) I(ξ,β)=tan2Ψ・cos2(ξ-α)・cos2(ξ-β) +2・tanΨ・cosΔ・cos(ξ-α)・sin(ξ-α) ・cos(ξ-β)・sin(ξ-β) +sin2(ξ-α)・sin2(β-ξ) (5) となる。ここで、I(ξ,β)は前述したように、法線角
度ξの微小面素からの反射光をどの程度抽出できるかを
表す重み関数で、光学系及び被検体の偏光特性に依存す
る。そして、それに鋼板の反射率rs 2、入射光光量Ep2、
面積率S(ξ)を乗じたものが検出される光強度になる。
表面処理鋼板などのように、鋼板表面の材質が均一な対
象を考える場合はrs 2の値は一定と考えられる。また、E
p2は入射光量が光源の位置によらず均一ならば同じく一
定の値としてよい。従って、光検出器が検出する光強度
を求めるには、法線角度ξの微小面素の面積率S(ξ)と
抽出特性I(ξ,β)を考えればよい。
考える。法線角度ξ0の微小面素からの寄与が最も大き
くなるような検光角β0を選定しようとした場合、その
候補は次の式をβについて解くことによって与えられ
る。 [∂I(ξ,β)/∂ξ]ξ=ξ0 =0 (6)
分の寄与が最も大きくなるような検光角を求めると、β
はおよそ-45度となる。ただし、ここでも、鋼板の反射
特性としてΨ=28°、Δ=120°、偏光子の方位角α=45°
とした。図25に、検光角βが-45度の場合、微小面素の
法線が鉛直方向に対してなす角ξと抽出特性、即ち重み
関数I( ξ,-45)の関係を示す。ただし、見やすさのため
に最大値を1に規格化してある。
が最も支配的で(抽出されやすく)、逆に法線角度ξ=±3
5度付近の微小面素からの鏡面拡散反射光が最も抽出さ
れないことがわかる。また、逆にξ=±35度の反射光を
最もよく抽出するような検光角βを式(5)(6)より求める
と、およそβ=45度となる。検光角β=45度に対する法線
角度ξと抽出特性I( ξ,45)の関係を図26に載せた。こ
こで、β=45度の曲線が左右対称でないのは、入射面(微
小面素に対する入射光と反射光により張られる平面)を
基準に考えると、ξが正の場合、見かけ上入射偏光の方
位角αが小さくなる(p偏光に近づく)ことと、鋼板のp偏
光反射率がs偏光反射率より小さいことによる。また、
β=-45°と45°の中間の特性となるβ=90°についても
同図に載せた。
面素からの反射光強度Lは、抽出特性(重み関数)I( ξ,
β) と面積率S( ξ) の積により与えられるから、最終
的に光検出器16で受光する光強度はS( ξ) ・I( ξ,
β) をξについて積分したものになる。例えば、図27に
示すような反射特性を有する鋼板からの反射光を、検光
角βが-45度の検光子を通して受光した場合、図27で示
される面積率S( ξ) を図25のような抽出特性I( ξ,
β) の重みをつけて積分したものが、受光光量となる。
模様状ヘゲ疵があった場合を考える。その場合の面積率
S( ξ) は、それぞれ図17 (a)、(b)、(c)のようになっ
ている。
成分のみに違いがある場合を考える。このような疵を検
光角β=-45度の検光子を通して受光したときの光強度
は、図17(b)を図25 で表される重み関数I( ξ, β) を
かけて積分したものに相当するから、母材部とヘゲ部の
反射光量の違いを検出することができる。また、検光角
β=45度については、図17 (b)に示すように、鏡面拡散
反射成分に違いがなく、違いがあるのはξ=0゜付近のみ
のため、図26に示したβ=45゜の重み関数I( ξ, β) が
ξ=0゜付近で低い値であることを考えると、その積はξ
の全領域で低い値となり、積分により違いが打ち消され
ることになる。従って、母材部とヘゲ部の違いを検出す
ることができない。
反射成分のみに違いがある場合には、逆に、-45度の検
光子を通したのでは検出できない。この場合は、ξ=0゜
より離れたところで重み関数I( ξ, β) が高い値を示
す45度の検光子を通すことにより、検出できる。
成分の違いがなくなっている法線角度ξは、図17 (c)で
はξ=±20度付近であったが、もし、その法線角度ξが
たまたま±30数度付近となる疵があると、45度の検光子
を通しても検出できなくなる。その場合は、別の抽出特
性となるような検光角(例えばβ=90°)の検光子をもう
一つ別に用意し、3つめの光検出器で受光するようにす
ればよい。
特性は図10(a)、(b)、(c)のいずれかであることがほと
んどであるから、いずれか2つの光学条件(この例では検
光角)を用いることにより、大部分の場合、検出ができ
る。但し、上述のような特別の場合、見落としをなくす
ためには、3つの異なる検光角の検光子を用い、対応す
る3つの法線角度の微小面素からの反射光を抽出して受
光するようにすることが望ましい。
射成分、鏡面拡散反射成分ともに違いがある場合には、
基本的には、1つの検光子を通した反射光だけでも、母
材部とヘゲ部の違いを検出できる。
を配置し、その偏光の方位角はp偏光、s偏光をともに含
む角度にする。そして、正反射光のうち、鏡面反射成分
をより透過する偏光角の偏光子を通して撮影するカメラ
と、鏡面拡散反射成分をより透過する偏光角の偏光子を
通して撮影するカメラを使用する。
の共通な光軸での測定であるため、鋼板距離変動や速度
変化に影響されることなく、鏡面反射・鏡面拡散反射そ
れぞれに対応した2つの信号を得ることが可能になり、
顕著な凹凸性を持たない模様状ヘゲ疵を未検出を生じる
ことなく検出可能な表面疵検査装置が実現する。そし
て、どの角度の鏡面拡散反射成分を検出するかは、検光
角を設定することにより容易に変更可能となる。
の強度あるいは比率を測定することにより、上記模様状
ヘゲ疵以外でも、鏡面反射あるいは鏡面拡散反射に影響
を及ぼす表面性状の変化を検出できる。例えば、ダル仕
上げやヘアライン仕上げ等の金属帯の表面仕上げについ
ても、微小な反射面の分布に変化があれば、原理的には
検出可能であり、これらの表面性状の検査への適用も期
待できる。このように、表面仕上げを施す場合の発明
は、金属帯にダル仕上げ又はヘアライン仕上げを施す表
面仕上げ工程と、前記金属帯の被検査面からの反射光を
互いに異なる2種以上の光学条件で抽出し、これら互い
に異なる光学条件で抽出された反射成分の組合せに基づ
き被検査面の表面疵の有無を判定する検査工程と、金属
帯の表面にその疵に関する情報を示すマーキングを施す
マーキング工程と、を有することを特徴とするマーキン
グ付き金属帯の製造方法となる。
発明の装置とともに、公知の方法および手段を併用して
もよいことは言うまでもない。これについては、詳細を
後述する。
た被検査面については、その位置がトラッキング手段に
よりトラッキングされる。トラッキングは、金属帯の搬
送速度から表面疵の位置がマーキング手段に到達する時
刻を算出することにより実施できる。マーキング手段
は、トラッキング手段からのマーキング指示に基づき、
金属帯表面にマーキングを行う。
方法で行うことができる。これは、次の工程で検出しや
すいマーキング方法であれば何でもよく、例えば、イン
クや塗料による印字、打刻機等による刻印、穿孔機によ
る穿孔、グラインダ等による表面粗度の改変、あるいは
金属帯が強磁性体の場合は磁気的マーキング等の所定の
方法で行う。
に一致させてもよいが、幅方向で一致させずに長手方向
のみ位置を一致させてもよい。例えば、プレスライン等
に材料として自動装入する場合は、マーキングの位置を
むしろ幅方向に対して一定の位置とした方が、マーキン
グを検出しやすい場合もある。
面からの反射光を互いに異なる2種以上の光学条件で抽
出し、これら互いに異なる光学条件で抽出された反射成
分の組合せに基づき被検査面の表面疵の有無を判定し、
金属帯表面にその疵に関する情報を示すマーキングを施
すことを特徴とするマーキング付き金属帯の製造方法で
ある。
より表面疵が有ると判定された箇所には、金属帯表面に
マーキングが施される。このように表面疵の存在を示す
マーキングが施されているので、その後の工程、あるい
は需要家において、表面疵の部分を取り除くことが可能
となり、製品に紛れ込むことを防止できる。また、この
製造方法により、金属帯の製造後、表面疵の部分を取り
除くためのコイル分割等の作業を大幅に簡略化あるいは
省略できるので、生産効率が向上する。
いに異なる2種以上の光学条件で抽出してこれら互いに
異なる光学条件で抽出された反射成分の組合せに基づき
被検査面の表面疵の有無を判定する工程と、金属帯の表
面にその疵に関する情報を示すマーキングを施す工程
と、このマーキングを施された金属帯を巻き取ってコイ
ルとする工程と、このコイルを巻き戻してマーキングを
検出する工程と、そのマーキングが示す情報に基づき金
属帯の所定の範囲を回避または除去する工程と、金属帯
の回避または除去されなかった残りの部分について所定
の加工を行う工程と、を有することを特徴とする金属帯
の加工方法としてもよい。
した後、金属帯をコイル状に巻き取る。巻き取ったコイ
ルは、工場等に運搬して薄板の成形加工を行う。成形加
工の際は、事前にコイルを巻き戻して、目視あるいは簡
単な検出器等によりマーキングを検出する。マーキング
が検出された場合、その示す情報から金属帯における疵
を含む不良部分を回避または除去する。
位置に一致させてマーキングが施されている場合は、マ
ーキングが施された部分であり、マーキングが疵の種類
や程度等の情報を有する場合は、その成形加工で不良と
なる疵の種類や程度に基づき決定する。また、金属帯の
所定の範囲を回避または除去するというのは、金属帯の
不良部分を切断して除去し、あるいは、加工の工程への
金属帯の送り量(フィード)を調節して金属帯の不良部分
を通過(パス)させる等、不良部分が加工されないように
加工の工程への金属帯の供給を制御することである。
れる表面からの反射成分の組合せが正常部とは異なる異
常部について、表面にその疵に関する情報を示すマーキ
ングが施されていることを特徴とするマーキング付き金
属帯を製造することもできる。
解析により、正常部とは異なると判定された部分、即ち
表面疵の位置にマーキングが施されている。従って、前
述のように、この金属帯を使用する後工程、需要家にお
いて、その異常部の除去、製品への混入の防止が可能と
なる。
多数の微小鏡面反射面による鏡面拡散反射成分の内、い
ずれか一方又は双方の成分の光量が異常となる部分につ
いて、表面にそれに関する情報を示すマーキングが施さ
れていることを特徴とするマーキング付き金属帯を製造
することもできる。
は鏡面拡散反射の状況が、正常部とは異なる場合、その
位置にマーキングが施されている。ここで、鏡面拡散反
射というのは、前述のように、法線が特定の方向に向い
た微小鏡面反射面が多数分布した面のことである。前述
の発明同様、この金属帯を使用する際、異常部の処置が
容易となる。
する表面疵検査手段を含む複数の表面疵検査手段と、そ
れらの金属帯表面疵の検査結果を総合的に判定し、金属
帯表面に関するマーキング情報を作成するマーキング情
報作成手段とを備えていることを特徴とする金属帯の表
面疵マーキング装置を用いることもできる。
る表面疵検査手段に加えて、疵や汚れ等の寸法・形状あ
るいは照射光の反射率等を検出して、疵や汚れ等の表面
性状の異常を検査する通常の表面検査手段を組み合わせ
て、表面疵その他の異常部の種類や程度を分類する。こ
れにより、鏡面拡散反射の異常を含む種々の表面性状の
異常について、総合的な判定を行い、それら異常部に関
する情報をマーキングすることが可能となる。さらに後
述のように、マーキング情報作成工程において、種々の
表面疵や表面性状の異常について、総合的な分類やラン
ク付けを行い、マーキングのための情報を作成すること
もできる。
で抽出された反射成分の組合せに基づき被検査面の検査
を行う表面疵の検査方法を含む複数の表面検査方法によ
る検査結果を総合的に判定し、金属帯表面に関するマー
キング情報を作成するマーキング情報作成工程を備えた
ことを特徴とするマーキング付き金属帯の製造方法であ
る。
光を互いに異なる2種以上の光学条件で抽出し、これら
の抽出された反射成分の組合せに基づき被検査面の検査
を行う表面疵の検査方法に加えて、通常の表面検査方法
を組み合わせて、表面疵の種類や程度を分類する。ここ
で通常の表面疵検査方法とは、例えば、疵の寸法・形状
あるいは照射光の反射率等を検出して疵や汚れ等の表面
性状の異常を検査する表面検査方法である。このよう
に、鏡面拡散反射の異常を含む種々の表面性状の異常に
ついて総合的な判定を行い、それらの異常部に関する情
報をマーキングする。
れる表面からの反射成分の組合せが正常部とは異なる異
常部を含む表面疵について、表面にその疵に関する情報
を示すマーキングが施されていることを特徴とするマー
キング付き金属帯を製造することもできる。
に加えて、通常の表面疵検査、例えば、疵の寸法・形状
あるいは照射光の反射率等に基づく表面検査結果あるい
は種々の表面性状に関する情報について、その表面にマ
ーキングが施されている。ここで、異常部というのは、
前述のように反射光を2種以上の光学条件で分離したと
き、反射成分の強度あるいは比率が、正常部とは異なる
部分である。
多数の微小鏡面反射面による鏡面拡散反射成分の内、い
ずれか一方又は双方の成分の光量が異常となる部分を含
む金属帯表面に関する情報について、表面にその金属帯
表面に関する情報を示すマーキングが施されていること
を特徴とするマーキング付き金属帯を製造することもで
きる。
常の表面疵検査、例えば、疵の寸法・形状あるいは照射
光の反射率等に基づく表面検査結果あるいは種々の表面
性状に関する情報について、その表面にマーキングが施
されている。ここで、異常部というのは、前述のように
表面からの鏡面反射あるいは鏡面拡散反射の状況が、正
常部とは異なる部分であり、反射光を2種以上の偏光条
件で分離したとき、反射成分の強度あるいは比率が、正
常部とは異なる部分として決定できる。
含む種々の表面疵あるいは表面性状の異常部について、
その情報を示すマーキングが金属帯の表面に施されてい
るので、後工程あるいは需要家において、表面疵の種類
や程度を知ることが可能となり、種々の用途、使用目的
に対応することができる。
ングを施すことにより、表面疵等の部分を切断除去せず
に金属帯を巻き取ることができるので、切断除去により
コイルの個数が増加するのを防止することができる。こ
のように、コイルの個数が増加しないので、コイルのハ
ンドリングにおいては、巻き取りの手間の増加が防止さ
れる。さらに、コイルの運搬、巻き戻し、および加工に
おいても、コイルの処理個数が増加しないのでハンドリ
ングの手間が軽減される。
例を示すブロック図である。表面疵の検出装置41は、金
属帯4の被検査面からの反射光を互いに異なる2種以上の
光学条件で抽出し、信号処理部30で、これら反射成分の
組合せに基づき被検査面の表面疵の有無を判定する。
ーキング手段に到達する時刻を算出する。これは、搬送
ロール45に取り付けられた回転計46で測定された回転速
度に基づき、板長算出手段47により表面疵の位置を板長
に換算し、マーキング手段44に到達するのに要する時間
に換算して得られる。トラッキング手段43は、その時刻
になると、マーキング手段44にマーキングを指示する信
号を発信する。マーキング手段44は、金属帯表面に印字
・穿孔等その位置を示すマーキングを行う。
す。この例では、マーキング49の位置を、長手方向では
表面疵11の位置に一致させており、幅方向ではエッジか
ら一定の位置としている。これにより、プレスライン等
で使用する場合、表面疵11の位置によらず、エッジから
一定の位置でマーキング49を検出することができ、表面
疵11のある部分のリジェクト等の処置をとることが可能
となり、不良品の製造を防止することができる。
び図4にその1例を示す。線状拡散光源22として一部に拡
散反射塗料を塗布した透明導光棒を使用し、その両端か
らメタルハライド光源の光を入射する。光源22の導光棒
から拡散的に出射した光は、シリンドリカルレンズ25と
45°偏光の偏光板26を透過した後、60゜の入射角で鋼板
21の全幅に一直線上に集光されて入射する。反射光27は
鋼板正反射方向に配置されたミラー28でさらに反射さ
れ、受光部を構成するカメラユニット29a〜dに入射す
る。
示すように板幅方向に配置されている。なお、このよう
にミラー28を用いることにより、装置をコンパクトにす
ることができる。また、ミラー28を鋼板21から適当に離
して設置すると、図5のようにミラー28上に全カメラの
視野から外れる領域(全カメラ視野外)が生じ、そこでミ
ラーを分割して構成することができる。このようにミラ
ーを分割することにより製作費を低く抑えることができ
る。
示すように、レンズの前に検光角-45°、45°、90°の
検光子33a〜cをもつ3台のリニアアレイカメラ32a〜cか
ら構成され、その光軸は平行に保たれている。3台のカ
メラの視野のずれは、信号処理部30で補正している。こ
のように光軸が平行に保たれていると、3台のカメラ32a
〜cの各画素は同一視野サイズで一対一に対応する。ま
た、ビームスプリッタを用いて1つの反射光を分割する
のに比べて、光量のロスがなくなり、効率的な測定が可
能となる。
ラ32a〜32c単体の受光範囲Aは、前掲の図5に示すよう
に、両側に隣接する他のカメラユニット29a〜29d内の対
応する受光カメラ32a〜32cの受光範囲Aと一部重複する
ように配置されている。言い換えれば,鋼板21上の幅方
向の任意の位置からの反射光は、それぞれ少なくとも1
つのカメラユニット29a〜29d内の3種類の受光カメラ32a
〜32cで受光される.ここで、受光部において、リニアア
レイカメラの替わりに2次元CCDカメラを使用することも
できる。また、投光部において、線状拡散光源22とし
て、蛍光灯を使用することもできる。また、バンドルフ
ァイバの出射端を直線上に整列させたファイバ光源を使
用することもできる。各ファイバからの出射光はファイ
バのN/Aに対応して充分な広がり角を持つため、これを
整列させたファイバ光源は実質的に拡散光源となるため
である。
5を用いてその詳細を説明する。各カメラユニット29a〜
29dは、一定間隔で複数ユニットが配置されている。一
つのカメラユニット29a〜29dは,異なる条件(-45 ,45,90
度偏光)で受光する3つのカメラ32a〜32cから構成され
る。それぞれのカメラは,一定間隔離ごとに並べて平行
に設置されている。従って、それぞれの視野も、カメラ
間隔と同じだけずれることになる。
同一である。例えば向かって左から45度,90度,-45 度の
順とする。測定範囲(有効領域)は、例えば、光学条件が
3条件で観察されている範囲とし、1条件のみ、あるいは
2条件のみでしか観察されていない領域(両端部の領域)
は無効とし、使用しない。カメラ間隔およびユニット間
隔は、鋼板最大幅が測定範囲(有効領域)に入るような寸
法として決定する。
るための調整は行わず、各カメラで疵候補領域を決定し
た後、その疵候補領域単位で、各カメラの対応をとる。
前述のように、各カメラのそれぞれの視野は、ずれてい
るので、ある疵候補領域を視野に納めるカメラが3台揃
わない(光学条件が3条件揃わない)場合もある。その場
合は、隣のユニットのカメラの結果を用いて光学条件を
3条件に揃える。この考え方は、3偏光を受光する場合に
限らず、検査体全幅を複数視野に分割し、任意の2条件
以上で観察する場合に適用可能である。
とめて、疵検査手段と呼ぶことにすると、図1に示した
表面疵マーキング装置は、図7に示すようになる。疵検
査手段40は、受光部32a〜32c(図5と図6のカメラに相当)
と信号処理部30を有している。信号処理部30は、異なる
光学条件で抽出された反射光の強度に基づき、信号処理
により前述の拡散鏡面反射成分を検出し、異常部の有無
の判定を行う。その後は図1と同様、トラッキング手段4
3および板長算出手段47により表面疵の位置を算出し、
マーキング手段44で異常部の位置にマーキングを行う。
ック図で示す。受光カメラ32a〜cからの光強度信号a〜c
は、平均値間引き部34a〜cに入力され、平均値が算出さ
れる。次いで、被検査体の長手方向の所定距離の移動に
伴い入力されるパルス信号により、幅方向の1ライン分
の信号として出力される。この間引き処理により、長手
方向の分解能を一定とする。また、平均値の算出頻度
を、被検査体の長手方向の移動距離が受光カメラ32a〜c
の視野よりも大きくならないようにすれば、見落としを
なくすことができる。
て輝度ムラを補正する。ここで、輝度ムラには、光学系
に起因するもの、被検査体の反射率に起因するもの等を
含む。また、前処理部35a〜cでは、金属帯のエッジの位
置を検出し、エッジ部における急激な信号変化を疵と誤
認識しないための処理を行う。
に入力され、予め設定されているしきい値との比較によ
り、疵候補点が抽出される。抽出された疵候補点は、特
徴量演算部37a〜cに入力され、疵判定のための信号処理
が行われる。ここでは、疵候補点が一続きとなっている
場合は1つの疵候補領域として、例えば、スタートアド
レス、エンドアドレス等の位置特徴量や、そのピーク値
その他の濃度特徴量などを算出する。
の信号a〜cの光学条件(検光角β)により、鏡面性疵判定
部38aかあるいは鏡面拡散性疵判定部38bに入力される。
特徴量演算部37aの出力は、元の信号aの光学条件が-45
度検光(β=-45゜)である。そこで、この場合は鏡面性疵
判定部38aに入力され、前述のように鏡面反射成分によ
る母材部とヘゲ部の反射光量の違いが検出される。一
方、特徴量演算部37b,cの出力は、元の信号b,cの光学条
件が45度,90度検光(β=45゜90゜)であり、鏡面拡散反射
成分のみに違いがある。そこで、鏡面拡散性疵判定部38
bに入力され鏡面拡散反射成分による疵判定が行われ
る。
定部38aおよび鏡面拡散性疵判定部38bの出力に基づき、
金属帯の被検査面については最終的な疵種およびその程
度を判定する。また、その際、各カメラ32a〜d間および
カメラユニット29a〜29d間の視野の重複(図5)を考慮
し、隣のカメラユニットのカメラからの信号に基づく疵
判定結果を適宜利用することが望ましい。
して疵判定を行う表面疵検査手段と、その他の方式によ
る表面疵検査手段を組み合わせた例を、図9に示す。こ
こで、表面疵検査手段40aは、図7に示した物と同じであ
り、複数の受光部32a〜cで反射光を異なる光学条件で抽
出し、信号処理部30で鏡面拡散反射成分の異常を検出し
て疵判定を行う。
は、通常の表面疵検査手段、即ち疵の寸法・形状から表
面疵を検出して判定する方式の装置、あるいは照射光の
反射率等から表面の汚れや付着物を検出する方式の装置
を用いることができる。表面検査手段40bでは、通常の
表面疵や表面性状の異常について、その種類や程度を分
類する。マーキング情報作成手段42では、検査手段40a,
40bの検査結果に基づき、鏡面拡散反射の異常を含む種
々の表面疵や表面性状の異常について、総合的な分類や
ランク付けを行い、マーキングのための情報を作成す
る。
および板長算出手段47により表面疵の位置を算出する。
マーキング手段44では、マーキング情報に基づき、異常
部の位置にマーキングを行うが、その際、表面疵の種類
や程度に関する情報を示すことが望ましい。これは、マ
ーキングの模様・形状・帯の幅等、検出可能な形態であ
ればよい。また、バーコードあるいはOCR(光学式文字読
取り)を併用すれば、さらに詳細な情報をマーキングす
ることが可能となる。
施すことにより、コイルの個数の増加が抑制されるた
め、コイルの巻き取り、コイルの運搬、および巻き戻し
等のハンドリングにおいても、作業の効率が向上する。
また、金属帯の加工においても、金属帯が疵の部分で途
切れることなく連続して供給されるので、作業の効率化
が期待できる。
測定結果を、図10、11に示す。図10は、前述の図17(b)
に、図11は図17(c)に対応しており、測定した疵は、図1
0に示されるような、テンパ部面積率がヘゲ部では母材
部より大きいが、非テンパ部の拡散性は変わらないもの
(図17b)と、図11に示されるような、テンパ部面積率に
は差はないが、拡散性に差がある疵(図17c)である。図1
1のタイプの疵については、一般に拡散反射方向に検出
不能となる角度が存在するが、その角度が異なる2種類
の疵について測定を行った。なお、比較のため、従来技
術で、入射角60°で光を入射し、正反射方向(60°)と入
射方向から20°ずれた受光角(-40゜)方向から無偏光で
測定した結果も同図に載せた。以上の結果を、表1にま
とめて示す。
ズ除去のために論理和をとっているが、これらの疵につ
いては、2つの受光角同時に検出することは不可能であ
る。さらに言うと、どちらの受光角でも検出できない疵
も存在する。
る受光角に対応する反射光成分を、検光子を用いること
により正反射方向から抽出しているから、いずれかのリ
ニアアレイカメラで検出することが可能である。また、
検出する必要がある疵の反射特性に合わせて、検光角の
最適に設定することも容易である。
での反射が鏡面反射成分と鏡面拡散反射成分とから成る
という知見をもとに、それぞれの成分を抽出して捉える
方法として、線状拡散光源を使用し、p偏光およびs偏光
をともに有する偏光を被検査面に入射し、鋼板正反射方
向から、検光角を適当に設定することにより、鏡面反射
成分をより多く含む成分と、鏡面拡散反射成分をより多
く含む成分を抽出する方法を採用した。
察できない疵も検出可能となり、従来検出できなかった
顕著な凹凸性を持たない模様状ヘゲ疵を未検出すること
なく検出することが可能になった。また、鋼板正反射方
向からの同一光軸上の測定で両成分が捉えられるため、
鋼板距離変動や速度変化の影響を受けない測定が実現し
た。また、検光角を設定することにより、どの角度の鏡
面拡散反射成分を抽出するかを選択できるようになっ
た。
査装置は未検出がないことが絶対条件である。本発明に
より初めて表面処理鋼板等へ広く適用可能な未検出のな
い表面疵検査装置を用いた表面疵マーキングによるマー
キング付き金属帯の製造が実現できるので、従来検査員
による目視の検査に頼っていた表面疵検査を自動化でき
るとともに、簡単な手段でその情報を後工程やユーザ側
に知らせることが可能となり、その産業上の利用効果は
大きい。
図。
成の1例を示す模式図。
の金属帯幅方向の配列を示す図。
を示す図。
図。
ロック図。
ック図。
1例を示す図。
別の1例を示す図。
断面を示す図。
部における入射光と反射光の関係を示す断面模式図。
分布図。
を説明するための断面図。
散反射成分の角度分布図。
法線角度と面積率の関係を示す図。
の角度の関係を示す図。
図。
面の入射位置の関係を示す図。
の微小面素からの反射光の偏光状態を示す図。
ている場合の微小面素からの反射光を示す図。
が偏光されている場合の微小面素からの反射光を示す
図。
関係を示す図。
(検光角:-45゜)。
み関数の関係を示す図。
を示す図。
Claims (9)
- 【請求項1】 金属帯の被検査面からの反射光を互いに
異なる2種以上の光学条件で抽出する複数の受光部と、
これら互いに異なる光学条件で抽出された反射成分の組
合せに基づき被検査面の表面疵の有無を判定する信号処
理部とを有する疵検査手段と、金属帯表面にその疵に関
する情報を示すマーキングを行うマーキング手段とを備
えていることを特徴とする金属帯の表面疵マーキング装
置。 - 【請求項2】 金属帯の被検査面からの反射光を互いに
異なる2種以上の光学条件で抽出し、これら互いに異な
る光学条件で抽出された反射成分の組合せに基づき被検
査面の表面疵の有無を判定し、金属帯の表面にその疵に
関する情報を示すマーキングを施すことを特徴とするマ
ーキング付き金属帯の製造方法。 - 【請求項3】 金属帯の被検査面からの反射光を互いに
異なる2種以上の光学条件で抽出してこれら互いに異な
る光学条件で抽出された反射成分の組合せに基づき被検
査面の表面疵の有無を判定する工程と、金属帯の表面に
その疵に関する情報を示すマーキングを施す工程と、こ
のマーキングを施された金属帯を巻き取ってコイルとす
る工程と、このコイルを巻き戻してマーキングを検出し
てそのマーキングが示す情報に基づき金属帯の所定の範
囲を指定する工程と、この指定された範囲を回避または
除去した金属帯の残りの部分について所定の加工を行う
工程と、を有することを特徴とする金属帯の加工方法。 - 【請求項4】 異なる2種以上の光学条件で分離される
表面からの反射成分の組合せが正常部とは異なる異常部
について、表面にその疵に関する情報を示すマーキング
が施されていることを特徴とするマーキング付き金属
帯。 - 【請求項5】 表面からの鏡面反射成分あるいは多数の
微小鏡面反射面による鏡面拡散反射成分の内、いずれか
一方又は双方の成分の光量が異常となる部分について、
表面にそれに関する情報を示すマーキングが施されてい
ることを特徴とするマーキング付き金属帯。 - 【請求項6】 受光部と信号処理部とを有する表面疵検
査手段を含む複数の表面疵検査手段と、それらの金属帯
表面の検査結果を総合的に判定し、金属帯表面に関する
マーキング情報を作成するマーキング情報作成手段とを
備えていることを特徴とする請求項1記載の金属帯の表
面疵マーキング装置。 - 【請求項7】 互いに異なる2種以上の光学条件で抽出
された反射成分の組合せに基づき被検査面の検査を行う
表面疵の検査方法を含む複数の表面疵検査方法による検
査結果を総合的に判定し、金属帯表面に関するマーキン
グ情報を作成することを特徴とする請求項2記載の金属
帯のマーキング付き金属帯の製造方法。 - 【請求項8】 異なる2種以上の光学条件で分離される
表面からの反射成分の組合せが正常部とは異なる異常部
を含む金属帯表面に関する情報について、表面にその金
属帯表面に関する情報を示すマーキングが施されている
ことを特徴とする請求項4記載のマーキング付き金属
帯。 - 【請求項9】 表面からの鏡面反射成分あるいは多数の
微小鏡面反射面による鏡面拡散反射成分の内、いずれか
一方又は双方の成分の光量が異常となる部分を含む金属
帯表面に関する情報について、表面にその金属帯表面に
関する情報を示すマーキングが施されていることを特徴
とする請求項5記載のマーキング付き金属帯。
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JP2000350758A JP4821044B2 (ja) | 1999-06-25 | 2000-11-17 | マーキング付き金属帯の製造方法 |
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