JPH11183399A - 表面疵検査装置及び表面観察方法 - Google Patents

表面疵検査装置及び表面観察方法

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JPH11183399A
JPH11183399A JP35792797A JP35792797A JPH11183399A JP H11183399 A JPH11183399 A JP H11183399A JP 35792797 A JP35792797 A JP 35792797A JP 35792797 A JP35792797 A JP 35792797A JP H11183399 A JPH11183399 A JP H11183399A
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JP
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light
angle
camera
steel plate
flaw
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Application number
JP35792797A
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English (en)
Inventor
Takahiko Oshige
貴彦 大重
Yoshiro Yamada
善郎 山田
Mitsuaki Uesugi
満昭 上杉
Yuji Matoba
有治 的場
Masakazu Inomata
雅一 猪股
Seiji Yoshikawa
省二 吉川
Tsutomu Kawamura
努 河村
Hiroyuki Sugiura
寛幸 杉浦
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被検体における凹凸性を持たない模様状ヘゲ
欠陥を検出する。 【解決手段】 本発明の表面疵検査装置は、搬送中の被
検体21における幅方向の複数箇所に配列され、被検体
を互いに異なる光学条件で観察する少なくとも2台の受
光カメラ32a〜32cがそれぞれ組込まれた複数のカ
メラユニット29a〜29dと、この各カメラユニット
に組込まれた各受光カメラの観察データに基づいて被検
体における幅方向の各位置の表面疵の有無を判定する判
定処理部30とを備えている。そして、判定処理部は、
被検体における隣接するカメラユニットの観察範囲の境
界部において、一方のカメラユニットで必要とする全て
の光学条件の観察データが得られなかった場合、不足と
された光学条件の観察データとして他方のカメラユニッ
トで得られた観察データを用いて、境界部における表面
疵の有無を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば薄鋼板等の
被検体の表面疵を光学的に検出する表面疵検査装置及び
被検体の表面状態を観察する表面観察方法に関する。
【0002】
【従来の技術】薄鋼板表面等の被検査面に光を照射して
この被検査面からの反射光を解析することによって、被
検査面に存在する表面疵を光学的に検出する表面疵検査
は従来から種々の手法が提唱され実施されている。
【0003】例えば、被検体表面に対して光を入射し、
被検体表面からの正反射光及び拡散反射光をカメラで検
出する金属物体の表面探傷方法が特開昭58-204353 号公
報に提案されている。この表面探傷方法においては、被
検体表面に対し35°〜75°の角度で光を入射し、被
検体表面からの反射光を、正反射方向と入射方向又は正
反射方向から20°以内の角度方向に設置した2台のカ
メラで受光する。そして、2台のカメラの受光信号を比
較し、例えば両者の論理和を取る。そして、2台のカメ
ラが同時に異常値を検出した場合のみ該当異常値を傷と
みなすことにより、ノイズに影響されない表面探傷方法
を実現している。
【0004】また、被検体からの後方散乱光を受光する
ことによる被検体表面の疵検査方法が特開昭60-228943
号公報に提案されている。この疵検査方法においては、
ステンレス鋼板に対して大きな入射角で光を入射し、入
射側へ戻る反射光、すなわち後方散乱光を検出すること
により、ステンレス鋼板表面のヘゲ疵を検出している。
【0005】さらに、複数の後方散乱反射光を検出する
ことによる平鋼熱間探傷装置が特開平8-178867号公報に
提案されている。この平鋼熱間探傷装置は熱間圧延され
た平鋼上の掻疵を検出する。そして、この探傷装置にお
いては、掻疵の疵斜面角度は10〜40°であり、この
範囲の疵斜面からの正反射光を全てカバーできるように
後方拡散反射方向に複数台のカメラが配設されている。
【0006】また、偏光を利用した表面の測定装置が特
開昭57-166533 号公報及び特開平9-166552号公報に提案
されている。特開昭57-166533 号公報に提案された測定
装置においては、測定対象に45°方向の偏光を入射し
偏光カメラで反射光を受光している。偏光カメラにおい
ては、反射光をカメラ内部のビームスプリッタを用いて
3つに分岐し、それぞれ異なる方位角の偏光フィルタを
通して受光する。そして、偏光カメラからの3本の信号
を、カラーTVシステムと同様の信号処理により、モニ
タに表示し、偏光状態を可視化する技術が開示してい
る.この技術はエリプソメトリの技術を利用しており、
光源は平行光であることが望ましく、例えばレーザ光が
用いられている。
【0007】また、特開平9-166552号公報に提案された
表面検査装置においては、特開昭57-166533 号公報記載
技術と同様に、エリプソメトリを利用して鋼板表面の疵
を検査している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た各公開公報に提案された各測定技術は、いずれも顕著
な凹凸性を持つ疵を検出するか、又は酸化膜等異物が存
在する疵を検出することを目的としたものであり、顕著
な凹凸性を持たない模様状ヘゲ欠陥等に対しては全ての
疵を確実に捕捉することが困難であった。
【0009】例えば、特開昭58-204353 号公報の探傷方
法においては、正反射光と散乱反射光を受光する2台の
カメラを有しているが、その目的は2つのカメラにおけ
る検出信号の論理和によるノイズの影響除去である。し
たがつて、顕著な凹凸性を有する疵、すなわち表面に割
れ・抉れ・めくれ上がりを生じているような疵に対して
は両方のカメラで疵の信号が捉えられるので適用可能で
ある。しかし、いずれか一方のカメラでしか疵の信号を
捕らえられないような顕著な凹凸性を持たない模様状ヘ
ゲ欠陥のような疵の場合は、その疵を全て検出すること
はできない。
【0010】また、特開昭60-228943 号公報の表面状態
検査方法は、表面粗さの小さいステンレス鋼板上に顕在
化した持ち上がったヘゲ疵を対象としている。したがっ
て、顕在化していない持ち上がった部分のない疵や、疵
の存在しない部分も入射側へ戻る光を反射するような表
面の粗い鋼板に適用することはできない。
【0011】特開平8-178867号公報の平鋼熱間探傷装置
は、掻き疵を対象にしており、疵斜面での正反射光を捉
えることに基づいているため、顕著な凹凸性を持たない
模様状ヘゲのような疵の場合には後方散乱反射光では捉
えられないものも存在し、検出もれを生ずる問題点があ
った。また、一度カメラを設置し、どの角度の反射成分
を受光するかが決定されると、容易にカメラ位置を変更
できない問題もあった。
【0012】さらに、特開昭57-166533 号公報の測定装
置及び特開平9-166552号公報の表面検査装置は、エリプ
ソメトリの技術を用いており、「薄い透明な層の厚さ及
び屈折率」や「物性値のむら」を検出することはでき
る。しかしながら、例えば表面処理鋼板のように、もと
もと疵部が母材部と異なる物性値を有していたとして
も、その上から同一の物性値を有するものに覆われたよ
うな対象に対しては、有効性が低下してしまう問題があ
った。
【0013】また、エリプソメトリでは、同一点からの
反射光を各CCDの対応する画素で受光し、画素毎にエ
リプソパラメータを計算する必要がある。そのため、特
開昭57-166533 号公報においては反射光をビームスプリ
ッタにより3分岐して3つのCCDにより検出してお
り、光量が低下したり、CCD間の画素合わせが困難で
あるという問題があった。
【0014】また、特開平7-28633 号公報では、3台の
カメラを鋼板進行方向に並べたり、縦または横に並べた
り、3台のカメラの傾きを変えたりして、同一領域を見
るようにしている。しかし、鋼板の速度が変化したとき
の処理が複雑である問題があった。また、各カメラの角
度が異なるため光学条件が同一にならない。そのため、
画素合わせが困難である問題があった。
【0015】さらに、特開昭58-204353 号公報や特開平
8-178867号公報では複数台のカメラの光軸が共通ではな
く出射角が異なるため、得られる2つの画像の対応する
画素の視野サイズが異なるほか、被検査面のバタツキや
対象の厚さ変動による距離変化があると視野に位置ズレ
を生じるという問題があった。特に特開昭58-204353号
公報では2つのカメラで同じ視野に対する論理和をとる
ことが要求されるため問題は大きかった。
【0016】製品の品質検査ラインに組込まれる表面検
査装置においては、製造製品に対する品質保証の観点か
ら、疵の検出もれがないことが絶対条件である。しかし
ながら、表面処理鋼板等まで検査対象とした表面疵検査
装置は実用化されていなかった。
【0017】また、被検体が例えば製鉄工場で製造され
る鋼板の場合、鋼板は幅広くかつ高速で搬送されている
ので、品質検査ラインに組込まれる表面疵検査装置は、
この高速で搬送状態の幅広い鋼板の表面疵を効率的に検
査する必要がある。
【0018】この場合、同一視野範囲を複数台のカメラ
で観察する場合等においては、同一視野範囲を異なる角
度方向から観察することになり、カメラ視野内の左右に
おいても距離,角度が異なるため、光学条件や画素サイ
ズが変化してしまい、また、焦点ズレも生じることか
ら、高い観察精度を確保できない問題がある。
【0019】また、複数台のカメラの同一視野範囲を被
検体の全幅とした場合には、分解能及び被写界深度等が
高精度で観察する上での限界点(ネック)となる。本発
明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、被
検体を互いに異なる光学条件で観察する2台以上の受光
カメラを各カメラユニットに組込むことによつて、幅広
い被検体の幅方向の各部における表面の割れ・抉れ・め
くれ上がりのような顕著な凹凸性を持たない模様状ヘゲ
欠陥を確実にかつ高速で検出でき、高い欠陥検出精度を
発揮でき、製品の品質検査ラインにも十分組込ことがで
きる表面疵検査装置及び表面観察方法を提供することを
目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解消するため
に、本発明の表面疵検査装置は、搬送中の被検体におけ
る幅方向の複数箇所に配列され、被検体を互いに異なる
光学条件で観察する少なくとも2台の受光カメラがそれ
ぞれ組込まれた複数のカメラユニットと、この各カメラ
ユニットに組込まれた各受光カメラの観察データに基づ
いて被検体における幅方向の各位置の表面疵の有無を判
定する判定処理部とを備えたものである。
【0021】さらに、判定処理部は、被検体における隣
接するカメラユニットの観察範囲の境界部において、一
方のカメラユニットで必要とする全ての光学条件の観察
データが得られなかった場合、不足とされた光学条件の
観察データとして他方のカメラユニットで得られた観察
データを用いて、境界部における表面疵の有無を判定し
ている。
【0022】また、本発明の表面観察方法は、搬送中の
被検体における幅方向の複数箇所に、被検体を互いに異
なる光学条件で観察する少なくとも2台の受光カメラが
それぞれ組込まれた複数のカメラユニットを配設し、こ
の各カメラユニットに組込まれた各受光カメラの観察デ
ータに基づいて被検体における幅方向の各位置の表面状
態を評価する表面観察方法である。
【0023】さらに、被検体における隣接するカメラユ
ニットの観察範囲の境界部において、一方のカメラユニ
ットで必要とする全ての光学条件の観察データが得られ
なかった場合、不足とされた光学条件の観察データとし
て他方のカメラユニットで得られた観察データを用い
て、境界部における表面状態を評価している。
【0024】すなわち、本発明の表面疵検査装置におい
ては、被検体の幅方向に亘って、複数のカメラユニット
が配設されている。そして、各カメラユニットと対応す
る判定処理部とで該当カメラユニットの観察範囲内の表
面疵の有無を判定する。したがつて、各カメラユニット
で被検体の全幅に亘って同時に表面疵の有無が検出され
る。
【0025】各受光カメラは幅方向の同一位置に配設で
きないので、従来、各受光カメラが正確に同一観察範囲
を観察するためには、各受光カメラの被検体に対する姿
勢角度が若干異なる。したがって、被検体の幅方向の各
位置は各光学条件毎に観察される方向が若干異なるので
観察精度が低下する。
【0026】本願においては、隣接する各カメラユニッ
トはそれぞれ個別の観察範囲を有しているが、隣接する
ものどうしの境界部において、一方のカメラユニットで
必要とする全ての光学条件の観察データが得られなかっ
た場合、不足とされた光学条件の観察データとして他方
のカメラユニットで得られた観察データを用いている。
【0027】よって、たとえ概略の同一観察範囲を複数
台のカメラで観察した場合であつても、観察データの不
足部分は隣りのカメラユニットからの観察データを用い
ればよいので、各受光カメラが正確に該当同一観察範囲
を観察する必要はなく、各受光カメラは被写体に対して
同一の姿勢角を維持できる。よって、被検体の幅方向の
各位置は各光学条件毎に観察される方向が異なることは
なく、観察精度が向上する。
【0028】また、このことは被検体の表面状態を観察
する表面観察方法についても同様なことが言える。次
に、被検体の幅方向に亘って配列された各カメラユニッ
トに組込まれた少なくとも2台の受光カメラで被検体の
模様状ヘゲ欠陥等の表面疵を高い精度で検出できる動作
原理を図面を用いて説明する。
【0029】まず、本発明の表面疵検査装置が検査対象
とする鋼板表面の光学的反射の形態を鋼板表面のミクロ
な凹凸形状と関連づけて説明する。例えば、検査対象が
合金化亜鉛メッキ鋼板の場合においては、図8(a)に
示すように、下地の冷延鋼板は溶融亜鉛メッキされたの
ち合金化炉を通過する。この間に下地鋼板1の鉄元素が
メッキ層2の亜鉛中に拡散し、通常、図8(c)に示す
ように合金の柱状結晶3を形成する。このメッキされた
鋼板4は次にロール5a,5bで調質圧延される。する
と、図8(d)に示すように、柱状結晶3における特に
突出した箇所がロール5a,5bで平坦につぶされ、そ
れ以外の箇所は元の柱状結晶3の形状を維持したままと
なる。
【0030】そして、この調質圧延のロール5a,5b
にて平坦につぶされた部分をテンパ部6と呼び、それ以
外の調質圧延のロール5a,5bが当接しない元の凹凸
形状を残した部分を非テンバ部7と称する。
【0031】図9は、このようなテンパ部6と非テンバ
部7とを有する鋼板4の表面でどのような光学的反射が
生じるかをモデル化した断面模式図である。調質圧延の
ロール5a,5bによりつぶされたテンパ部6に入射し
た入射光8は、鋼板4の正反射方向に鏡面的に反射して
鏡面反射光9となる。一方、調質圧延のロール5a,5
bが当接しない元の柱状結晶3の構造を残す非テンパ部
7に入射した入射光8は、ミクロに見れば柱状結晶3の
各表面の微小面素一つーつにより鏡面的に反射される
が、反射の方向は鋼板4の正反射方向とは必ずしも一致
しない鏡面拡散反射光10となる。
【0032】したがって、鋼板4の表面におけるテンパ
部6及び非テンパ部7の各反射光の角度分布は、マクロ
に見ればそれぞれ図10(a)、図10(b)のように
なる。すなわち、テンパ部6では鋼板正反射方向に鋭い
鏡面性の反射が発生し、非テンパ部7では柱状結晶3の
表面の微小面素の角度分布に対応した広がりを持った反
射光となる。前述したように、テンパ部6の反射光を鏡
面反射光9と称し、非テンパ部7の反射光を鏡面拡散反
射光10と称する。
【0033】そして、実際には、テンパ部6と非テンパ
部7はマクロ的には混在しているので、カメラ等の光学
測定器で観察される反射光の角度分布は、図10(c)
に示すように、鏡面反射光9及び鏡面拡散反射光10の
角度分布をテンパ部6と非テンパ部7とのそれぞれの面
積率に応じて加算したものとなる。
【0034】以上、テンパ部6と非テンパ部7とを合金
化亜鉛メッキ鋼板を例に説明したが、調質圧延により平
坦部が生じる他の鋼板にも一般に成立つ。次に、本発明
の検出対象となる顕著な凹凸性を持たない模様状ヘゲ欠
陥と呼ばれる欠陥の光学反射特性について説明する。
【0035】図11に示すように、合金化溶融亜鉛メッ
キ鋼板に見られるヘゲ欠陥(ヘゲ部11)は、メッキ加
工前の冷延鋼板原板にヘゲ欠陥(ヘゲ部11)が存在
し、その上にメッキ層2が乗り、さらに下地鋼板1の鉄
元素の拡散によるヘゲ欠陥の合金化が進行したものであ
る。
【0036】一般に、ヘゲ部11は鋼板4の正常部分を
示す母材12と比較して、例えばメッキ厚に違いが生じ
たり、合金化の程度に違いが生じる。その結果、例え
ば、ヘゲ部11のメッキ厚が厚く母材12に対し凸の場
合には、調質圧延が印加されることによりテンパ部6の
面積が非テンパ部7に比べて多くなる。逆に、ヘゲ部1
1のメッキ厚が薄く母材12に比べ凹の場合には、ヘゲ
部11は調質圧延のロール5a,5bが当接せず、非テ
ンパ部7が大半を占める。また、ヘゲ部11の合金化が
浅い場合には微小面素の角度分布は鋼板方線方向に強
く、拡散性は小さくなる。
【0037】次に、このようなヘゲ部11と母材部12
の表面性状の相違により、模様状ヘゲ欠陥がどのように
見えるかを説明する。上述したモデルに基づきヘゲ部1
1と母材部12の違いについて分類すると一般に次の3
種類に分けられる。
【0038】(a) ヘゲ部11におけるテンパ部6の面
積率及び非テンパ部7の微小面素の角度分布が、母材部
12におけるテンパ部6の面積率及び非テンパ部7の微
小面素の角度分布と異なる(図13(a),図12
(a))。
【0039】(b) ヘゲ部11におけるテンパ部6の面
積率は母材部12におけるテンパ部6の面積率と異なる
が、ヘゲ部11における非テンパ部7の微小面素の角度
分布は母材部12における非テンパ部7の微小面素の角
度分布と変わらない(図13(b),図12(b))。
【0040】(c) ヘゲ部11における非テンパ部7の
微小面素の角度分布は母材部12における非テンパ部7
の微小面素の角度分布と異なるが、ヘゲ部11における
テンパ部6の面積率は母材部12におけるテンパ部6の
面積率と変わらない(図13(c),図12(c))。
【0041】図14に示すように、入射光8が当接する
微小面素13の法線方向の鋼板4の鋼板法線方向に対す
る傾斜角度を微小面素13の法線角度ξとし、この法線
角度ξとテンパ部6の面積率S(ξ)との関係を、上述
した(a)(b)(c) の3つの場合について、図13(a)
(b)(c)に示す。
【0042】このようなテンパ部6の面積率S(ξ)及
び微小面素13の角度分布の違いが、図12(a)
(b)(c)に示すような反射光量の角度分布の違いと
して観察される。図中実線で示す角度分布がヘゲ部11
に対応するヘゲ部角度分布11aであり、図中点線で示
す角度分布が母材部12に対応する母材部角度分布12
aである。
【0043】すなわち、図12(a)はヘゲ部角度分布
11aと母材部角度分布12aとの間において、鏡面反
射成分と鏡面拡散反射成分とが共に差が存在する場合を
示し、図12(b)は鏡面反射成分のみに差が存在する
場合を示し、図12(c)は鏡面拡散反射成分のみに差
が存在する場合を示す。
【0044】そして、ヘゲ部角度分布11aと母材部角
度分布12aとでテンパ部6の面積率S(ξ)に相違が
ある場合には、図12(a)(b)に示すように、その
差は正反射方向から観察される。具体的には、正反射方
向からヘゲ部11の反射光を測定した場合と母材部12
の反射光を測定した場合に、ヘゲ部11のテンパ部6の
面積率S(ξ)が母材部12のテンパ部6の面積率S
(ξ)より大きい場合にはヘゲ部11は母材部12に比
較して相対的に明るく見える。逆に、ヘゲ部11のテン
パ率6が母材部12より小さいときにはヘゲ部11は母
材部12に比較して相対的に暗く観察される。
【0045】ヘゲ部角度分布11aと母材部角度分布1
2aとでテンパ部6の面積率S(ξ)に違いがない場合
には図12(c)に示すように、正反射方向からの単な
る受光強度の差を観察するのみではヘゲ部11の存在を
観察できない。しかし、鏡面拡散反射成分の拡散性(角
度分布)に違いがあるときには図12(c)に示すよう
に正反射方向以外の拡散方向から欠陥が観察される。
【0046】例えば、ヘゲ部11の鏡面拡散反射成分の
拡散性(角度分布)が小さい時には、一般に正反射方向
に比較的近い拡散方向からはヘゲ部11は明るく観察さ
れ、正反射方向から離れるに従い明るさは小さくなり、
ある角度で観察不能となる。さらに正反射方向から遠ざ
かると今度はヘゲ部11は暗く観察される。
【0047】このようなヘゲ部11を母材部12と確実
に区別して検出するためには、図13において、どうい
う角度(法線角度ξ)の微小面素13からの反射光を抽
出するのかを検討することが必要である。例えば、先の
図12(a)(b)の例のように、正反射方向でヘゲ部
11と母材部12の違いを検出するということは、図1
3で示される微小面素13の角度分布のうち微小面素1
3の法線角度ξ=0について抽出し、ヘゲ部11と母材
部12との違いを検出していることになる。
【0048】ここで、微小面素13の法線角度ξ=0の
反射光を抽出するということを数学的に表現すると、図
13の特性(面積率S(ξ))それぞれに、図15
(a)に示すデルタ関数δ(ξ)で表される抽出特性を
示す関数(以後この関数を重み関数I(ξ)と呼ぶ)を
乗じて積分することに相当する。
【0049】また、例えば、入射角60°において、正
反射方向から20°ずれた40°の角度位置で反射光を
測定することは、図15(b)のようなデルタ関数δ
(ξ+10)なる重み関数I(ξ)を用いて計算するこ
とに相当する。
【0050】なお、図14に示すように、反射角度θ´
と微小面素13の法線角度ξと入射光8の入射角度θと
の関係は簡単な幾何学的考察によって(1) 式で求まる。 θ´=−θ+2ξ …(1) すなわち、どういう角度(法線角度ξ)の微小面素13
からの反射光を抽出するかということは、どのような重
み関数I(ξ)を設計するかということに相当すること
が理解できる。
【0051】このような観点から、図13(a)(b)
(c)で表されるような各ヘゲ部11を母材部12と弁
別し検出するための重み関数I(ξ)を考えると、図1
5(a)(b)に示すデルタ関数δ(ξ),δ(ξ+1
0)も有効な重み関数I(ξ)の一つである。
【0052】なお、重み関数I(ξ)は、必ずしも図1
5に示した特定の法線角度のみ抽出する幅が無限小のデ
ルタ関数δ(ξ)である必要はなく、ある程度の信号幅
を有することも可能である。
【0053】しかしながら、このような弁別手法におい
ては、2つの光学系の視野を同一にすることはできな
い。また、拡散反射光を測定するために一旦カメラを設
置すると、その重み関数I(ξ)を変更することは、カ
メラの設置位置を変更することが必要であるから、容易
ではない。
【0054】前者の課題に対しては同一光軸上の測定が
必要ある。すなわち、拡散反射光を捉えるのでなく、鋼
板4の正反射方向からの測定のみで鏡面反射成分と鏡面
拡散反射成分との両成分が捉えられることが望ましい。
そして、後者の課題に対しては、重み関数I(ξ)をあ
る程度自由度を持って設定できることが望ましい。
【0055】そこで、本発明においては、まず光源とし
て、レーザのような平行光源ではなく拡散特性をもつ線
状の光源、すなわち線状拡散光源を用いている。また、
鋼板4の正反射方向から鏡面反射成分と鏡面拡散反射成
分とを分離して抽出する必要があるので偏光を用いてい
る。
【0056】この線状拡散光源の効果を説明するため
に、図16(a)(b)に示すように、線状拡散光源1
4を鋼板4の表面に平行に配置し、光源に垂直な面内に
あり、入射角が出射角と一致する方向である鋼板正反射
方向から鋼板4上の一点を観察したときの反射特性を考
える。
【0057】図16(a)に示すように、線状拡散光源
14の中央部から照射された入射光8の場合、テンパ部
6に入射した入射光8は鏡面的に反射され、鋼板正反射
方向で全て捉えられる。一方、非テンパ部7に入射した
光は鏡面拡散的に反射され、たまたま鋼板法線方向と同
一方向を向いている微小面素13により反射された分の
みが捉えられる。このような方向を向いている微小面素
13は非常に少ないので、鋼板正反射方向に配設された
受光カメラで捉えられる反射光のうちではテンパ部6か
らの鏡面反射光が支配的である。
【0058】これに対し、図16(b)に示すように、
線状拡散光源14の中央部以外の位置から照射された入
射光8の場合には、テンパ部6に入射した光は鏡面反射
して鋼板正反射方向とは異なる方向へ反射する。そのた
め、鏡面反射した光は鋼板正反射方向では捉えることが
できない。一方、非テンパ部7に入射した光は鏡面拡散
的に反射され、そのうち鋼板正反射方向に反射された分
が受光カメラで捉えられる。したがって、鋼板正反射方
向に配設された受光カメラで捉えられる反射光は全て非
テンパ部7で反射した鏡面拡散反射光である。
【0059】以上2つの場合を併せると、線状拡散光源
14の長尺方向全体から照射される全ての入射光8のう
ち鋼板正反射方向からの観察で捉えられるのは、テンパ
部6からの鏡面反射光と非テンパ部7からの鏡面拡散反
射光との和である。
【0060】次に、鋼板4の正反射方向から線状拡散光
源14を使用して観察した場合に、偏光特性がどう変化
するかについて説明する。一般に、鏡面状の金属表面で
の反射においては、電界の方向が入射面に平行な光(p
偏光)あるいは入射面に直角な光(s偏光)において
は、反射によっても偏光特性は保存される。すなわち、
p偏光のまま又はs偏光のまま出射する。また、p偏光
成分とs偏光成分とを同時に持つ任意の偏光角を有した
直線偏光が反射されると、p、s偏光の反射率比 tanΨ
及び位相差Δに応じた楕円偏光となって出射する。
【0061】合金化亜鉛メッキ鋼板に線状拡散光源14
から光が照射される場合を図17(a)(b)を用いて
説明する。図17(a)に示すように、線状拡散光源1
4の中央部から出射した光は鋼板4のテンパ部6で鏡面
反射して鋼板正反射方向で観察される。これに関しては
上記一般の鏡面状の金属表面での反射がそのまま成立す
る。
【0062】一方、図17(b)に示すように、線状拡
散光源14の中央部以外の位置から出射した光は、鋼板
4の非テンパ部7の結晶表面の傾いた微小面素13で鏡
面反射して鋼板正反射方向で観察される。この場合、鋼
板4の入射面に平行なp偏光の光を入射したとしても実
際に反射する傾いた微小面素13に対して考えた場合に
は入射面は微小面素13に対して平行ではなく、p、s
両偏光成分を持つ直線偏光であるため、楕円偏光となっ
て出射する。線状拡散光源14からs偏光を入射した場
合も同様である。
【0063】また、線状拡散光源14からp、s両偏光
成分を持つ任意の偏光角αの直線偏光が鋼板4に入射し
た場合、線状拡散光源14の中央部以外の位置から傾い
た微小面素13に入射した光は偏光角αが傾いて作用す
るため、鋼板正反射方向に出射する楕円偏光の形状は、
線状拡散光源14の中央部から入射してテンパ部6で鏡
面反射した光とは異なる。
【0064】以下、p,s両成分をもつ直線偏光を線状
拡散光源14から鋼板4に入射する場合について詳細に
検証する。まず、図18に示すように、線状拡散光源1
4からの入射光8を方位角(偏光角)αを有する偏光板
15で直線偏光にした後、水平に配置された鋼板4に入
射させ、その正反射光を受光カメラ16で受光する。前
述したように、線状拡散光源14上のC点から出射され
た入射光8については、鋼板4におけるテンパ部6によ
り鏡面反射された成分、及び、非テンパ部7におけるた
またま法線が鋼板4の鉛直方向を向いた法線角度ξ=0
の微小面素13から鏡面拡散反射された成分が鋼板4上
のO点から受光カメラ16方向へ反射する光に寄与して
いる。
【0065】一方、図19に示すように、線状拡散光源
14上の鋼板4のO点から見て角度φだけずれた点Aか
らの入射光8については、鏡面反射成分は受光カメラ1
6方向とは異なる方向に反射されるため、前述した法線
角度ξの微小面素13による鏡面拡散反射成分のみが寄
与する。
【0066】ここで、入射光8の入射方向を示す角度φ
と微小面素13の法線角度ξとの関係は、入射光8の鋼
板4に対する入射角度θを用いて、簡単な幾何学的考察
により、(2) 式で与えられる。
【0067】 COSξ=[2・ cosθ・ cos2 (φ/2)] /[sin 2 φ+4・{ cos2 θ・ cos4 (φ/4) +sin 2 θ・ sin4 (φ/2)}]1/2 …(2) 次に、このようにして反射された光の偏光状態について
考える。
【0068】C点から出射された入射光8が、方位角
(偏光角)αの偏光板15を通り、鋼板4上のO点にて
鏡面反射された後の偏光状態EC は、偏光光学で一般
に用いられるジョーンズ行列を用いて、 EC =T・Ein …(3) と表される。但し、Einは偏光板15の方位角(偏光
角)αの直線偏光ベクトルを示し、Tは鋼板4の反射
特性行列を示す。そして、直線偏光ベクトルEin及び
反射特性行列Tはそれぞれ(4) (5) 式で与えられる。
【0069】
【数1】 但し、 tanΨ:p,s偏光の振幅反射率比 Δ:p,s偏光の反射率の位相差 rS :s偏光の振幅反射率 同様に、線状拡散光源14上のA点から出射した入射光
8が、法線角度ξの微小面素13で受光器16方向に反
射された光の偏光状態EA は、入射面が偏光板15及
び受光カメラ16の検光子と直交しているとすれば(6)
式で与えられる。 EA =R(ξ)・T・R(−ξ)・Ein …(6) 但し、Rは回転行列であり、(7) 式で与えられる。
【0070】
【数2】
【0071】(3) 式は、(6) 式において微小面素13の
法線角度ξ=0とした特別の場合であり、鏡面反射成分
についても鏡面拡散反射成分についても(6) 式を用いて
統一的に考えることができる。(6) 式を計算し、法線角
度ξの微小面素13からの反射光の楕円偏光状態を図示
すると、図20に示すようになる。
【0072】但し、ここで入射偏光の方位角(偏光角)
αは45°、入射角θは60°、鋼板4の反射特性とし
てp,s偏光の振幅反射率比の逆正接Ψ=28゜、p,
s偏光の反射率の位相差Δ=120゜とした。図20よ
り、法線角度ξ=Oすなわち鏡面反射の場合の楕円に対
して法線角度ξの値が変化するに従って、楕円が傾いて
いくのが理解できる。
【0073】したがって、例えば受光カメラ16の前に
検光子17を挿入し、その検光角βを設定することによ
って、どの法線角度ξの微小面素13からの反射光をよ
り多く抽出するかを選択することができる。
【0074】このことを定量化するために、図19に示
すように、(3) 式で表される偏光状態EA の反射光に
対して検光角βの検光子17を挿入した後における偏光
状態E0 を求めると、(8) 式となる。
【0075】 E0 =R(β)・A・R(−β)・EA =R(β)・A・R(−β)・R(ξ)・T・R(−ξ)・Ei
n …(8) 但し、Aは検光子17を表す行列であり、(9) 式で示
される。
【0076】
【数3】
【0077】次に、この(8) 式から受光カメラ16で検
出する法線角度ξの微小面素13からの反射光の光強度
を求める。前述したように、該当微小面素13の面積率
をS(ξ)とすると、下記(10)式が成立する。
【0078】 S(ξ)・|E02 =rS 2P 2 ・S(ξ)・I(ξ,β) I(ξ,β)= tan2 Ψ・ cos2 (ξ−α)・ cos2 (ξ−β) +2・ tanΨ・ cosΔ・ cos(ξ−α)・ sin(ξ−α) × cos(ξ−β)・ sin(ξ−β) + sin2 (ξ−α)・ sin2 (β−ξ) …(10) 上式におけるI(ξ,β)は、前述したように、法線角
度ξの微小面素13からの反射光をどの程度抽出できる
かを示す重み関数であり、光学系及び被検体の偏光特性
に依存する。そして、それに鋼板4の反射率rS 2 、入
射光光量EP 2、面積率S(ξ)を乗じたものが検出さ
れる光強度になる。
【0079】表面処理鋼板などのように、鋼板表面の材
質が均−な対象を考える場合は反射率rS 2 の値は一定
と考えられる。また、入射光光量EP 2 は入射光量が光
源の位置によらず均一ならば同じく一定の値としてよ
い。
【0080】したがって、受光カメラ16が検出する光
強度を求めるには、法線角度ξの微小面素13の面積率
S(ξ)と重み関数I(ξ,β)とを考えればよい。こ
こで、重み関数I(ξ,β)について考える。法線角度
ξの微小面素13からの寄与が最も大きくなるような検
光子17の検光角β0 を選定しようとした場合、その候
補は次の(11)式をβについて解くことによって与えられ
る。
【0081】
【数4】
【0082】(11)式により、法線角度ξ=0、すなわち
鏡面反射成分の寄与が最も大きくなるような検光角βを
求めると、検光角βは約−45°である。但し、ここで
も、鋼板4の反射特性として前述した反射率比の逆正接
Ψ=28°、位相差Δ=120°を採用し、線状拡散光
源14からの入射光8に対する偏光板15の方位角(偏
光角)α=45°を採用した。
【0083】図21に、検光子17の検光角βが−45
°の場合における微小面素13の法線角度ξと重み関数
I(ξ,−45)との関係を示す。但し、見やすさのた
めに重み関数I(ξ,−45)の最大値を[1]に規格
化してある。
【0084】図21の特性から、法線角度ξ=0°、す
なわち鏡面反射成分が最も支配的で、逆に法線角度ξ=
±35°付近の微小面素13からの鏡面拡散反射光が最
も抽出されないことが理解できる。
【0085】また、逆に法線角度ξ=±35°の反射光
を最もよく抽出するような検光子17の検光角βを(10)
式及び(11)式より求めると、およそβ=45°である。
検光子17の検光角β=45°に対する微小面素13の
法線角度ξと重み関数I(ξ,45)の関係を図22に
示す。
【0086】なお、図22の重み関数I(ξ,β)の特
性が左右対称でないのは、入射面(微小面素13に対す
る入射光8と反射光により張られる平面)を基準に考え
ると、微小面素13の法線角度ξが正の場合、見かけ上
入射光8の偏光の方位角(偏光角)αが小さくなる(p
偏光に近づく)ことと、鋼板4のp偏光反射率がs偏光
反射率より小さいことによる。
【0087】また、検光子17の検光角β=−45°と
45°の中間の特性となるβ=90°についても計算し
た重み関数I(ξ,90)も図22に示した。(10)式で
示したように、法線角度ξの微小面素13からの反射光
強度は、重み関数I(ξ,β)と面積率S(ξ)の積に
より与えられるから、最終的に受光カメラ16で受光す
る光強度は[S(ξ)・I(ξ,β)]を法線角度ξに
ついて積分したものになる。例えば、図23に示すよう
な反射特性を有する鋼板4からの反射光を、検光角βが
−45°の検光子17を通して受光した場合、図23で
示される面積率S(ξ)を図21に示す重み関数I
(ξ,β)で示される重みをつけて積分したものが実際
に受光した光強度となる。
【0088】そこで、鋼板4の表面に、図12(a)
(b)(c)に示されるような特性のヘゲ部11が存在
した場合を考える。その場合の各面積率S(ξ)は、そ
れぞれ図13(a)(b)(c)のようになっている。
【0089】まず、図12(b)、図13(b)のよう
に鏡面反射成分のみに違いがある場合を考える。このよ
うな疵を検光角β=−45°の検光子17を通して受光
したときの光強度は、図13(b)に示す面積率S
(ξ)に図21で表される重み関数I(ξ,β)をかけ
て積分したものに相当するから、母材部12とヘゲ部1
1との反射光量の違いを検出することができる。
【0090】また、同一疵を検光角β=45°の度検光
子17を通して受光したときの光強度については、図1
3(b)に示すように、鏡面拡散反射成分に違いがない
ため、図22の検光角β=45°の重み関数I(ξ,
β)をかけて積分することを考えると明らかなように、
母材部12とヘゲ部11との違いを検出することができ
ない。
【0091】また、図12(c)、図13(c)のよう
に鏡面拡散反射成分のみに違いがある場合には、逆に、
検光角β=−45°の検光子17を通したのでは検出で
きず、検光角β=45°の度検光子17を通したときに
検出できる。
【0092】但し、母材部12とヘゲ部11の鏡面拡散
反射成分の違いがなくなっている法線角度ξは、図13
(c)では法線角度ξ=±20°付近であったが、も
し、その角度がたまたま±30数度付近となる疵がある
と、検光角β=45°の検光子17を通しても検出でき
なくなる。
【0093】その場合は、別の重み関数(例えばI
(ξ,90))となるような検光角β(例えば90゜)
の検光子17をもうーつ別に用意し、3番目の受光カメ
ラ16で受光するようにすればよい。
【0094】一般に、鋼板4の表面の母材部12とヘゲ
部11の反射特性は図12(a)、(b)、(c)のい
ずれかであるので、ヘゲ部11の見落としをなくするた
めには、3つの異なる検光角βの検光子17を用い、対
応する3つの法線角度ξの微小面素13からの反射光を
抽出して受光するようにすることが必要である。
【0095】また、図12(a)、図13(a)のよう
に鏡面反射成分、鏡面拡散反射成分ともに違いがある場
合には、基本的には、例えば−45°と+45°とのい
ずれの検光子17を通した反射光でも母材部12とヘゲ
部11との違いを検出できる。
【0096】したがって、少なくとも2台の受光カメラ
が組込まれた各カメラユニットにおいては、他のカメラ
ユニットと共用の線状拡散光源を用い、一方の受光カメ
ラで被検査面からの正反射光に含まれる鏡面反射成分と
鏡面拡散反射成分のうち、鏡面拡散反射成分に比較して
鏡面反射成分をより多く抽出し受光し、他方の受光カメ
ラで被検査面からの正反射光に含まれる鏡面反射成分と
鏡面拡散反射成分のうち、鏡面反射成分に比較して鏡面
拡散反射成分をより多く抽出している。
【0097】よって、たとえ被検査面からの正反射光の
みを受光する2台の受光カメラのみでも、図12(a)
(b)(c)に示す鋼板4の表面の各反射特性における
ヘゲ部11の存在を母材部12との比較において確実に
検出できる。
【0098】このような光学系により、正反射方向から
の共通な光軸での測定であるため、例えばこの表面疵検
査装置を製品検査ラインに組込んだ場合に、鋼板距離変
動や速度変化に影響されることなく、鏡面反射・鏡面拡
散反射それぞれに対応した2つの信号を得ることが可能
になり、顕著な凹凸性を持たない模様状ヘゲ疵を検出も
れを生じることなく検出可能となる。
【0099】以上の説明においては、被検体を観察する
互いに異なる光学条件として、被検体からの正反射光に
含まれる鏡面反射成分と鏡面拡散反射成分とした。しか
し、被検体を観察する互いに異なる光学条件として、例
えば光の異なる波長成分を検出したり、光の異なる偏光
成分を検出したり、RGB等の異なる色相成分を検出し
てもよい。
【0100】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態を図面を用
いて説明する。図1は本発明の一実施形態の表面観察方
法が適用された表面疵検査装置の概略構成を示す模式図
であり、図2はこの表面疵検査装置を被検体としての鋼
板の搬送方向に沿って切断した断面模式図である。
【0101】この実施形態の表面疵検査装置は製鉄工場
における合金化亜鉛メッキ鋼板の品質検査ラインに設置
されている。図中矢印方向に搬送状態の鋼板21の搬送
路の上方位置に、この帯状の鋼板21の幅方向の全幅に
亘る1台の線状拡散光源22が配設されている。具体的
には、線状拡散光源22は表面疵検査装置全体を覆う遮
光ケース23の内側に固定されている。この線状拡散光
源22は、一部に拡散反射塗料を塗布した透明導光棒の
両端から内部へメタルハライド光源の光を投光すること
によって、幅方向に一様の出射光を得る。
【0102】線状拡散光源22の幅方向の各位置から出
射された鋼板21に対する入射光24は、シリンドリカ
ルレンズ25と偏光板26を介して走行状態の鋼板21
の全幅に対して例えば60°の入射角θで照射する。偏
光板26の方位角(偏光角)αは45°に設定されてい
る。
【0103】鋼板21で反射された反射光27は鋼板正
反射方向に配置されたミラー28ヘ入射する。ミラー2
8で反射された反射光27は遮光ケース23内の上部位
置に固定された各カメラユニット29a,29b,29
c,29dに入射する。
【0104】この各カメラユニット29a〜29dは、
前記線状拡散光源22と平行で、かつ鋼板21の幅方向
に等間隔に配設されている。各カメラユニット29a〜
29dの各受光信号は例えばこの表面疵検査装置の操作
盤内に配設された判断処理部としての信号処理部30へ
送出される。
【0105】鋼板21の幅方向に等間隔に配設された各
カメラユニット29a〜29d内には、図3に示すよう
ように、3台のリニアアレイカメラからなる受光カメラ
32a,32b,32cが組込まれている。
【0106】各受カメラユニット29a〜29d内の各
受光カメラ32a〜32c単体の受光範囲Aは、両側に
隣接する他のカメラユニット29a〜29d内の対応す
る受光カメラ32a〜32cの受光範囲Aと一部重複す
るように配置されている。言い換えれは、鋼板21上の
軸方向の任意の位置からの反射光は、それぞれ少なくと
も1つのカメラユニット29a〜29d内の3種類の受
光カメラ32a〜32cでで受光される。
【0107】そして、3種類(3個の)の受光カメラ3
2a〜32cのうち2種類(2個の)の受光カメラ又は
1種類(1個の)の受光カメラでしか反射光を受光でき
ない例えば鋼板21の両側のエッジの外側等の位置は無
効領域としている。そして、鋼板21の全幅が有効領域
に入るように各カメラユニット29a〜29dの幅方向
位置及び鋼板21までの距離、レンズの焦点距離等が設
定されている。
【0108】このように、ミラー28を用いることによ
り、装置をコンパクトにすることができる。また、図3
のよにミラー28を鋼板21から適当に離して設置する
と、ミラー28上に全カメラの視野から外れる領域が生
じ、そこでミラーを分割して構成することができる。こ
のように、ミラー28を分割することにより製造費を低
く抑えることができる。
【0109】図4に示すように、各カメラユニット29
a〜29dに組込まれた3個の各受光カメラ32a〜3
2cのレンズの前面には、検光角βがそれぞれ−45
°、45°、90°に設定された検光子33a,33
b,33cが取付けられている。
【0110】また、線状拡散光源22として、蛍光灯を
使用することもできる。また、バンドルファイバの出射
端を直線上に整列させたファイバ光源を使用することも
できる。各ファイバからの出射光は、ファイバのN/A
に対応して充分な広がり角を持つため、これを整列させ
たファイバ光源は実質的に線状拡散光源となるためであ
る。
【0111】各カメラユニット29a〜29dにおける
各受光カメラ32a,32b,32cで受光された反射
光27における鋼板21の幅方向の各受光カメラ32
a,32b,32c毎の受光範囲A分の各画素毎の光強
度はそれぞれ光強度信号a,b,cに変換されて判定処
理部としての信号処理部30へ送信される。
【0112】図3に示すように、検光子の検光角度βが
同一値に設定された各カメラユニット29a〜29dに
おける各受光カメラ32a,32b,32c毎の受光範
囲Aは鋼板21の幅方向に一部重複して隙間なく配置さ
れている。したがつて、各カメラユニット29a〜29
dにおける検光角β=−45°の検光子33aの各受光
カメラ32aから出力される各光強度信号aを信号合成
すると、図3で示す鋼板21の全幅に相当する幅方向の
一つの光強度信号aとなる。
【0113】同様に、各カメラユニット29a〜29d
における検光角β=45°の検光子33bの各受光カメ
ラ32bから出力される各光強度信号aを信号合成する
と、図3で示す鋼板21の全幅に相当する幅方向の一つ
の光強度信号bとなる。
【0114】さらに、各カメラユニット29a〜29d
における検光角β=90°の検光子33cの各受光カメ
ラ32cから出力される各光強度信号cを信号合成する
と、図3で示す鋼板21の全幅に相当する幅方向の一つ
の光強度信号cとなる。
【0115】したがつて、信号処理部30には鋼板21
の全幅に亘って信号合成された各光強度信号a,b,c
が入力される。図5は信号処理部30の概略構成を示す
ブロック図である。
【0116】−45°の検光子33aが組込まれた各カ
メラユニット29a〜29dの各受光カメラ32a、+
45°の検光子33bが組込まれた各カメラユニット2
9a〜29dの各受光カメラ32b、90°検光子33
cが組込まれた各カメラユニット29a〜29dの各受
光カメラ32cから入力された鋼板21の幅方向に亘っ
て信号合成された各光強度信号a,b,cはそれぞれ平
均値間引き部34a,34b,34cへ入力される。
【0117】各平均値間引き部34a〜34cは、各受
光カメラ32a〜32cのスキャン周期毎に各受光カメ
ラ32a〜32cから入力される各光強度信号a〜cを
平均し、鋼板21が信号処理における長手方向分解能に
相当する距離を移動した場合に、鋼板21の幅方向の1
ライン分の信号を出力する。
【0118】このような間引き処理を行うことにより、
鋼板21の搬送速度が変化しても信号処理における1ラ
インの鋼板移動方向の分解能を一定にすることができ
る。また、スキャン周期毎の各光強度信号a〜cを平均
しているので、信号処理における1ラインの鋼板移動方
向の分解能が受光カメラ32a〜32cの鋼板移動方向
の視野サイズよりも十分大きい場合にも、間を細かく測
定した平均値を用いることができるので、見落としをな
くすことができる。
【0119】各平均値間引き部34a〜34cで信号処
理された各光強度信号a〜cは次の各前処理部35a,
35b,35cへ入力される。各前処理部35a〜35
cは、1ラインの信号の輝度ムラを補正する。ここでい
う輝度ムラには、光学系に起因するムラも鋼板21の反
射率に起因するムラも含まれる。また、各前処理部35
a〜35cは、鋼板21の両側のエッジ位置も検出し、
エッジにおける急激な光強度信号a〜cの変化を疵と誤
認識することを防ぐ処理も実施する。各前処理部35a
〜35cで信号処理された各光強度信号a〜cは次の各
2値化処理部36a,36b,36cへ入力される。
【0120】各2値化処理部36a〜36cは、各光強
度信号a〜cに含まれる各画素のデータを予め決められ
たしきい値と比較し、疵候補点を抽出して、次の特徴量
算出部37a,37b,37cへ送出する。
【0121】特徴量抽出部37a〜37cは、一続きと
なっている疵候補点をーつの疵候補領域と判定し、例え
ばスタートアドレス、エンドアドレスなどの位置特徴量
や、ピーク値などの濃度特徴量などを算出する。そし
て、その際、各カメラユニット29a〜29dの重複領
域については考慮して算出する。
【0122】鏡面性疵判定部38及び鏡面拡散性疵判定
部39では、各受光カメラ32a〜32cに対応する各
特徴量抽出部37a〜37cにより算出された特徴量に
基づいて、疵の種類、程度を判定する。
【0123】そして、疵総合判定部40では、鏡面性疵
判定部34及び鏡面拡散性疵判定部35での判定結果及
び特徴量により、検査対象としての鋼板21に対する最
終的な疵種及びその程度を判定する。
【0124】
【実施例】図1に示す実施形態の表面疵検査装置を用い
た合金化亜鉛鍍金鋼板の表面疵の測定結果を図6,図7
に示し、その測定結果に基づく判定結果を表1に示す。
測定した各疵は、図12(b)に示すテンパ部6の面積
率S(ξ)がヘゲ部11で母材部12より大きいが、非
テンパ部7の拡散性は変わらない疵と、図12(c)に
示すテンパ部6の面積率S(ξ)にはヘゲ部11と母材
部12間に大きな差はないが、拡散性に差がある疵とで
ある。
【0125】そして、鋼板21の幅方向の中央部に図1
2(b)に示すタイプの疵が発生した場合において、−
45°、45°及び90°に各検光子33a,33b,
33cの検光角βが設定された各受光カメラ32a,3
2b,32cで鋼板21を幅方向に1ライン分走査して
得られた鋼材21の1幅分の光強度信号a〜cの変化を
図6(a)(b)(c)に示す。
【0126】図示するように、−45°に検光角βが設
定された各受光カメラ32aの光強度信号aに疵(ヘゲ
部11)に対応するピーク波形が発生する。この場合、
45°に検光角βが設定された各受光カメラ32bの光
強度信号bには疵(ヘゲ部11)に対応するピーク波形
は発生しない。
【0127】また、鋼板21の幅方向の中央部に図12
(c)に示すタイプの疵が発生した場合において、−4
5°、45°及び90°に各検光子33a,33b,3
3cの検光角βが設定された各受光カメラ32a,32
b,32cで鋼板21を幅方向に1ライン分走査して得
られた鋼材21の1幅分の光強度信号a〜cの変化を図
7(a)(b)(c)に示す。
【0128】図示するように、45°に検光角βが設定
された各受光カメラ32bの光強度信号bに疵(ヘゲ部
11)に対応するピーク波形が発生する。この場合、−
45°に検光角βが設定された各受光カメラ32aの光
強度信号aには疵(ヘゲ部11)に対応するピーク波形
は発生しない。
【0129】
【表1】
【0130】図12(c)のタイプの疵については、図
示するように、一般に拡散反射方向に検出不能となる角
度が存在するが、その角度が異なる2種類の疵について
測定を行った。
【0131】なお、比較のため、従来技術で、入射角6
0°で光を入射し、正反射方向(60°)と入射方向か
ら20°ずれた受光角(−40゜)方向から無偏光で測
定した結果も同時に記載した。
【0132】従来技術では、2つの受光角で受光しノイ
ズ除去のために論理和をとっているが、これらの疵につ
いては、2つの受光角を同時に検出することは不可能で
ある。さらに言うと、どちらの受光角でも検出できない
疵も存在する。
【0133】それに対し、本発明の実施形態では、3つ
の異なる受光角に対応する反射光成分を、検光子33
a,33b,33cを用いることにより正反射方向から
抽出しているから、いずれかの受光カメラ29a〜29
cで検出することが可能である。また、検出する必要が
ある疵の反射特性に合わせて、検光角βを最適値に設定
することも容易である。
【0134】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れるものではない。図1に示す実施形態装置において
は、各カメラユニット29a〜29d内にはそれぞれ3
台の受光カメラ32a〜39cを組込んだが、−45°
の検光子33aを有する受光カメラ32aと、+45°
の検光子33bを有する受光カメラ32bとの2台の受
光カメラのみであっても、鋼板21の表面からの正反射
光の光軸方向からヘゲ部11の存在を母材部12と区別
して十分検出できる。
【0135】
【発明の効果】以上説明したように本発明の表面疵検査
装置及び表面観察方法においては、被検体を互いに異な
る光学条件で観察する2台以上の受光カメラを各カメラ
ユニットに組込むと共に、カメラユニットの観察範囲の
境界部において、一方のカメラユニットで必要とする全
ての光学条件の観察データが得られなかった場合、不足
とされた光学条件の観察データとして他方のカメラユニ
ットで得られた観察データを用いて、境界部における表
面疵の有無を判定している。
【0136】よつて、被検体の幅方向の各位置は各光学
条件毎に観察される方向が異なることはなく、観察精度
が向上する。その結果、幅広い被検査面の幅方向の各部
における表面の割れ・抉れ・めくれ上がりのような顕著
な凹凸性を持たない模様状ヘゲ欠陥を確実にかつ高速で
検出でき、高い欠陥検出精度を発揮できる。
【0137】また、幅品質保証の観点からは、表面疵検
査装置は未検出がないことが絶対条件である。本発明に
おいては、被検体の幅方向に複数のカメラユニットを配
列している。したがって、たとえ被検体が幅広い鋼板で
あったとしても幅方向の各位置における表面疵を高速で
かつ高い精度で検出でき、この表面疵検査装置を工場の
製品検査ラインに組込むことによって、従来までは検査
員による目視の検査に頼っていた表面疵検査を自動化で
きるようになった点で産業上の利用効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の表面観察方法が適用さ
れた表面疵検査装置の概略構成を示す模式図
【図2】 同表面疵検査装置の断面模式図
【図3】 同表面疵検査装置に組込まれた各カメラユニ
ットの鋼板の幅方向配列を示す図
【図4】 一つのカメラユニットに組込まれた各受光カ
メラの配置を示す図
【図5】 同表面疵検査装置の信号処理部の概略構成を
示すブロック図
【図6】 同表面疵検査装置で測定された光強度信号波
形図
【図7】 同じく同表面疵検査装置で測定された光強度
信号波形図
【図8】 同表面疵検査装置の検査対象となる合金亜鉛
メッキ鋼板の製造方法及び詳細断面構造を示す図
【図9】 検査対象の鋼板におけるテンパ部と非テンパ
部における入射光と反射光との関係を示す断面模式図
【図10】 同テンパ部と非テンパ部とにおける反射光
の角度分布図
【図11】 鋼板に存在するヘゲ部の生成過程を説明す
るための図
【図12】 ヘゲ部における鏡面反射成分及び鏡面拡散
反射成分と、母材部における鏡面反射成分及び鏡面拡散
反射成分との関係を示す図
【図13】 鋼板の照射部における微小面素の法線角度
と面積率との関係を示す図
【図14】 鋼板に対する入射光の入射角と微小面素の
法線角度との関係を示す図
【図15】 微小面素の法線角度と重み関数との関係を
示す図
【図16】 線状拡散光源の各位置からの各入射光と鋼
板上の入射位置との関係を示す図
【図17】 線状拡散光源の各入射光が偏光されていた
場合における反射光の偏光状態を示す図
【図18】 線状拡散光源の中央部からの各入射光が偏
光されていた場合における微小面素からの反射光を示す
【図19】 線状拡散光源の中央部以外の位置からの各
入射光が偏光されていた場合における微小面素からの反
射光を示す図
【図20】 微小面素の法線角度と反射光の楕円偏光状
態との関係を示す図
【図21】 反射光の光路に検光子を挿入した場合にお
ける微小面素の法線角度と重み関数との関係を示す図
【図22】 検光子の検光角を変更した場合における微
小面素の法線角度と重み関数との関係を示す図
【図23】 微小面素の法線角度と面積率との関係を示
す図
【符号の説明】
4、21…鋼板 6…テンパ部 7…非テンパ部 8,24…入射光 9…鏡面反射光 10…鏡面拡散反射光 11…ヘゲ部 12…母財部 14,22…線状拡散光源 15,26…偏光板 16,32a,32b,32c…受光カメラ 17,33a,33b,33c…検光子 23…遮光ケース 24…シリンドリカルレンズ 27…反射光 29a,29b,29c,29d…カメラユニット 30…信号処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 的場 有治 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 猪股 雅一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 吉川 省二 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 河村 努 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 杉浦 寛幸 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送中の被検体における幅方向の複数箇
    所に配列され、前記被検体を互いに異なる光学条件で観
    察する少なくとも2台の受光カメラがそれぞれ組込まれ
    た複数のカメラユニットと、この各カメラユニットに組
    込まれた各受光カメラの観察データに基づいて前記被検
    体における幅方向の各位置の表面疵の有無を判定する判
    定処理部とを備えた表面疵検査装置であって、 前記判定処理部は、前記被検体における隣接するカメラ
    ユニットの観察範囲の境界部において、一方のカメラユ
    ニットで必要とする全ての光学条件の観察データが得ら
    れなかった場合、不足とされた光学条件の観察データと
    して他方のカメラユニットで得られた観察データを用い
    て、前記境界部における表面疵の有無を判定することを
    特徴とする表面疵検査装置。
  2. 【請求項2】 搬送中の被検体における幅方向の複数箇
    所に、前記被検体を互いに異なる光学条件で観察する少
    なくとも2台の受光カメラがそれぞれ組込まれた複数の
    カメラユニットを配設し、この各カメラユニットに組込
    まれた各受光カメラの観察データに基づいて前記被検体
    における幅方向の各位置の表面状態を評価する表面観察
    方法であって、 前記被検体における隣接するカメラユニットの観察範囲
    の境界部において、一方のカメラユニットで必要とする
    全ての光学条件の観察データが得られなかった場合、不
    足とされた光学条件の観察データとして他方のカメラユ
    ニットで得られた観察データを用いて、前記境界部にお
    ける表面状態を評価することを特徴とする表面観察方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001066262A (ja) * 1999-06-25 2001-03-16 Nkk Corp 表面疵マーキング装置およびマーキング付き金属帯ならびにその製造方法
JP2001201456A (ja) * 1999-06-25 2001-07-27 Nkk Corp マーキング付き金属帯の製造方法
JP2004085348A (ja) * 2002-08-27 2004-03-18 Dainippon Printing Co Ltd 3色パターンの検査装置および方法
JP2007532910A (ja) 2004-04-12 2007-11-15 ザ・ボーイング・カンパニー 複合建造物の欠陥位置を示すために光を用いるシステムおよび方法

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