JP3508589B2 - 表面疵検査装置 - Google Patents
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Description
等の被検査面に光を照射してこの被検査面の表面疵等を
光学的に検出する表面検査装置に関する。
この被検査面からの反射光を解析することによつて、被
検査面に存在する表面疵を光学的に検出する表面疵検査
は従来から種々の手法が提唱され実施されている。
し、被検査体表面からの正反射光及び拡散反射光をカメ
ラで検出する金属物体の表面探傷方法が特開昭58−2
04353号公報に提案されている。この表面探傷方法
においては、被検査体表面に対し35゜〜75゜の角度
で光を入射し、被検査体表面からの反射光を、正反射方
向と入射方向又は正反射方向から20°以内の角度方向
に設置した2台のカメラで受光する。そして、2台のカ
メラの受光信号を比較し、例えば両者の論理和を取る。
そして、2台のカメラが同時に異常値を検出した場合の
み該当異常値を疵と見なすことにより、ノイズに影響さ
れない表面探傷方法を実現している。
ることによる被検査体表面の疵検査方法が特開昭60−
228943号公報に提案されている。この疵検査方法
においては、ステンレス鋼板に対して大きな入射角で光
を入射し、入射側へ戻る反射光、すなわち後方散乱光を
検出することにより、ステンレス鋼板表面のヘゲ疵を検
出している。
ことによる平鋼熱間探傷装置が特開平8ー178867
号公報に提案されている。この平鋼熱間探傷装置は熱間
圧延された平鋼上の掻き疵を検出する。そして、この探
傷装置においては、掻き疵の疵斜面角度は10゜〜40
゜であり、この範囲の疵斜面からの正反射光をすべてカ
バーできるように後方散乱反射方向に複数台のカメラが
配設されている。
開昭57−166533号公報及び特開平9−1665
52号公報に提案されている。
れた測定装置においては、測定対象に45゜方向の偏光
を入射し偏光カメラで反射光を受光している。偏光カメ
ラにおいては、反射光をカメラ内部のビームスプリッタ
を用いて3つに分岐し、それぞれ異なる方位角の偏光フ
ィルタを通して受光する。そして、偏光カメラからの3
本の信号を、カラ−T5システムと同様の信号処理によ
り、モニタに表示し、偏光状態を可視化する技術が開示
している。この技術はエリプソメトリの技術を利用して
おり、光源は平行光であることが望ましく、例えばレー
ザ光が用いられている。
案された表面検査装置においては、特開昭57−166
533号公報の記載技術と同様にエリブソメトリを利用
して鋼板表面の疵を検査している。
た各公開公報に提案された各測定技術は、いずれも顕著
な凹凸性をもつ疵を検出するか、又は酸化膜等異物が存
在する疵を検出することを目的としたものであり、顕著
な凹凸性を持たない模様状ヘゲ欠陥等に対してはすべて
の疵を確実に捕捉することは困難であった。
の探傷装置においては、正反射光と散乱反射光を受光す
る2台のカメラを有しているが、その目的は2つのカメ
ラにおける検出信号の論理和によるノイズの影響除去で
ある。したがって、顕著な凹凸性を有する疵、すなわち
表面に割れ、めくれ上がりを生じないような疵に対して
は両方のカメラで疵の信号が捕えられるので適用可能で
ある。
信号を捕らえられないような顕著な凹凸性を持たない模
様状ヘゲ欠陥のような疵の場合は、その疵をすべて検出
することはできない。
表面状態検査方法は、表面粗さの小さいステンレス鋼板
上に顕在化した持ち上がったヘゲ疵を対象としている。
したがって、顕在化していない持ち上がった部分のない
疵や、疵の存在しない部分も入射側へ戻る光を反射する
ような表面の粗い鋼板に適用することはできない。
探傷装置は、主に掻き傷を対象にしており、疵斜面での
正反射光を捕らえることに基づいているため、顕著な凹
凸性を持たない模様状ヘゲ疵のような疵の場合には後方
散乱では捕らえられないものも存在し、検出漏れを生ず
る問題があった。また、一度カメラを設置し、どの角度
の反射成分を受光するかが決定されると、容易にカメラ
位置を変更できない問題もあった。
の測定装置及び特開平9−166552公報の表面検査
装置は、エリプソメトリの技術を用いており、「簿い透
明な膜の厚さ及び屈折率」や「物性値のむら」を検出す
ることはできる。しかしながら、例えば表面処理鋼板の
ように、もともと疵部が母材部と異なる物性値を有して
いたとしても、その上から同一の物性値を有するものに
覆われたような対象に対しては、有効性が低下してしま
う問題があった。
反射光を各CCDの対応する画素で受光し、画素毎にエ
リプソパラメータを計算する必要がある。そのため、特
開昭57−166533号公報においては反射光をビー
ムスプリッタにより3分岐して3つのCCDにより検出
しており、光量が低下したり、CCD間の画素合わせが
困難であるという問題があった。
3台のカメラを鋼板の進行方向に並べたり、縦または横
に並べたり、3台のカメラの傾きを変えたりして、同一
領域を見るようにしている。しかし、鋼板の速度が変化
したときの処理が複雑である問題があった。また、各カ
メラの角度が異なるため光学条件が同一にならない。そ
のために、画素合わせが困難である問題があった。
や特開平8−178867号公報では複数台のカメラの
光軸が共通でなく出射角が異なるため、得られる2つの
画像の対応する画素の視野サイズが異なるほか、被検査
面のバタツキや対象の厚さ変動による距離変化があると
視野に位置ズレを生じるという問題があった。特に特開
昭58−204353号公報では2つのカメラで同じ視
野に対する論理和を取ることが要求されるため問題は大
きかった。
533号公報や特開平9−166552公報では、鋼板
の製造条件の変更や鋼板品種が変わった場合、各方位角
に設定されたカメラでは受光光量が大きく変化するた
め、最適な受光光量を得ることができず、S/N比の良
い信号が得られない問題があつた。
種が異なると、被検査対象表面の母材部の物性値が異な
るため、被検査面の偏光に対する反射特性が変わり、受
光する偏光成分強度比が変わる。このため、異なる方位
角成分の偏光強度を受光するように設定されたカメラで
は、ある条件の鋼板表面では、最適な光量に設定してお
いても、異なる条件の鋼板表面になった時は、光量が低
くなつたり、飽和したりすることがあり、正常な検査が
できなかった。
査装置においては、製造製品に対する品質保証の観点か
ら、疵の検出漏れがないことが絶対条件である。しかし
ながら、表面処理鋼板等まで検査対象とした表面疵検査
装置は実用化されていなかった。
たものであり、被検査面からの反射光に含まれる鏡面反
射成分と鏡面拡散反射成分とを区別して検出し、かつ各
成分の光量を所定値に制御することによって、被検査面
における表面の割れ、扶れ、めくれ上がりのような顕著
な凹凸性を持たない模様状ヘゲ欠陥を確実に検出でき、
高い欠陥検出精度を発揮でき、製品の品質保証ラインに
も十分組込むことができる表面疵検査装置を提供するこ
とを目的とする。
に、本発明は、被検査面に対してこの被検査面に平行な
方位角の成分及び垂直な方位角の成分を有する偏光を入
射する線状拡散光源と、被検査面からの正反射光に含ま
れる鏡面反射成分と鏡面拡散反射成分のうち鏡面拡散反
射成分に比較して鏡面反射成分をよリ多く抽出する方位
角の検光子を有する第1の受光手段と、被検査面からの
正反射光に含まれる鏡面反射成分と鏡面拡散反射成分の
うち鏡面反射成分に比較して鏡面拡散反射成分をよリ多
く抽出する方位角の検光子を有する第2の受光手段と、
第1及び第2の受光手段で受光された鏡面反射成分及び
鏡面拡散反射成分に基づいて被検査面の表面疵の有無を
判定する判定処理部とを備えた表面疵検査装置である。
さらに、第1及び第2の受光手段に入射される被検査面
からの正反射光の光路に、第1及び第2の受光手段に入
射される各光量を所定値に制御するための光量減少フィ
ルターを挿入している。
置において、光の透過率が異なる複数の光量減少フィル
ターが組込まれ、被検査面の変更に応じて、最適の透過
率の光量減少フィルターを各光路に挿入するための光量
減少フィルター切換手段を備えている。
いて説明する。まず、本発明の表面疵検査装置が検査対
象とする鋼板表面の光学的反射の形態を鋼板表面のミク
ロな凹凸形状と関連づけて説明する。
の場合においては、図5(a)に示すように、下地の冷
延鋼板は溶融亜鉛メッキされたのち合金化炉を通過す
る。この間に下地鋼板1の鉄元素がメッキ層2の亜鉛中
に拡散し、通常、図5(c)に示すように合金の柱状結
晶3を形成する。このメッキされた鋼板4は次にロール
5a,5bで調質圧延される。すると、図5(d)に示
すように、柱状結晶3における特に突出した箇所がロー
ル5a,5bで平坦につぶされ、それ以外の箇所は元の
柱状結晶3の形状を維持したままとなる。
にて平坦につぶされた部分をテンパ部6と呼び、それ以
外の調質圧延のロール5a,5bが当接しない元の凹凸
形状を残した部分を非テンパ部7と称する。
部7とを有する鋼板4の表面でどのような光学的反射が
生じるかをモデル化した断面模式図である。
れたテンパ部6に入射した入射光8は、鋼板4の正反射
方向に鏡面的に反射して鏡面反射光9となる。一方、調
質圧延のロール5a,5bが当接しない元の柱状結晶3
の構造を残す非テンパ部7に入射した入射光8は、ミク
ロに見れば柱状結晶3の各表面の微小面素一つーつによ
り鏡面的に反射されるが、反射の方向は鋼板4の正反射
方向とは必ずしも一致しない鏡面拡散反射光10とな
る。
部6及び非テンパ部7の各反射光の角度分布は、マクロ
に見ればそれぞれ図7(a)、図7(b)のようにな
る。すなわち、テンパ部6では鋼板正反射方向に鋭い鏡
面性の反射が発生し、非テンパ部7では柱状結晶3の表
面の微小面素の角度分布に対応した広がりを持った反射
光となる。前述したように、テンパ部6の反射光を鏡面
反射光9と称し、非テンパ部7の反射光を鏡面拡散反射
光10と称する。
部7はマクロ的には混在しているので、カメラ等の光学
測定器で観察される反射光の角度分布は、図7(c)に
示すように、鏡面反射光9及び鏡面拡散反射光10の角
度分布をテンパ部6と非テンパ部7とのそれぞれの面積
率に応じて加算したものとなる。
化亜鉛メッキ鋼板を例に説明したが、調質圧延により平
坦部が生じる他の鋼板にも一般に成立つ。
性を持たない模様状ヘゲ欠陥と呼ばれる欠陥の光学反射
特性について説明する。
鋼板に見られるヘゲ欠陥(ヘゲ部11)は、メッキ加工
前の冷延鋼板原板にヘゲ欠陥(ヘゲ部11)が存在し、
その上にメッキ層2が乗り、さらに下地鋼板1の鉄元素
の拡散によるヘゲ欠陥の合金化が進行したものである。
示す母材12と比較して、例えばメッキ厚に違いが生じ
たり、合金化の程度に違いが生じる。その結果、例え
ば、ヘゲ部11のメッキ厚が厚く母材12に対し凸の場
合には、調質圧延が印加されることによりテンパ部6の
面積が非テンパ部7に比べて多くなる。逆に、ヘゲ部1
1のメッキ厚が薄く母材12に比べ凹の場合には、ヘゲ
部11は調質圧延のロール5a,5bが当接せず、非テ
ンパ部7が大半を占める。また、ヘゲ部11の合金化が
浅い場合には微小面素の角度分布は鋼板方線方向に強
く、拡散性は小さくなる。
の表面性状の相違により、模様状ヘゲ欠陥がどのように
見えるかを説明する。上述したモデルに基づきヘゲ部1
1と母材部12の違いについて分類すると一般に次の3
種類に分けられる。
積率及び非テンパ部7の微小面素の角度分布が、母材部
12におけるテンパ部6の面積率及び非テンパ部7の微
小面素の角度分布と異なる(図10(a),図9
(a))。
積率は母材部12におけるテンパ部6の面積率と異なる
が、ヘゲ部11における非テンパ部7の微小面素の角度
分布は母材部12における非テンパ部7の微小面素の角
度分布と変わらない(図10(b),図9(b))。
微小面素の角度分布は母材部12における非テンパ部7
の微小面素の角度分布と異なるが、ヘゲ部11における
テンパ部6の面積率は母材部12におけるテンパ部6の
面積率と変わらない(図10(c),図9(c))。
微小面素13の法線方向の鋼板4の鋼板法線方向に対す
る傾斜角度を微小面素13の法線角度ξとし、この法線
角度ξとテンパ部6の面積率S(ξ)との関係を、上述
した(a)(b)(c) の3つの場合について、図10(a)
(b)(c)に示す。
び微小面素13の角度分布の違いが、図9(a)(b)
(c)に示すような反射光量の角度分布の違いとして観
察される。図中実線で示す角度分布がヘゲ部11に対応
するヘゲ部角度分布11aであり、図中点線で示す角度
分布が母材部12に対応する母材部角度分布12aであ
る。
1aと母材部角度分布12aとの間において、鏡面反射
成分と鏡面拡散反射成分とが共に差が存在する場合を示
し、図9(b)は鏡面反射成分のみに差が存在する場合
を示し、図9(c)は鏡面拡散反射成分のみに差が存在
する場合を示す。
度分布12aとでテンパ部6の面積率S(ξ)に相違が
ある場合には、図9(a)(b)に示すように、その差
は正反射方向から観察される。具体的には、正反射方向
からヘゲ部11の反射光を測定した場合と母材部12の
反射光を測定した場合に、ヘゲ部11のテンパ部6の面
積率S(ξ)が母材部12のテンパ部6の面積率S
(ξ)より大きい場合にはヘゲ部11は母材部12に比
較して相対的に明るく見える。逆に、ヘゲ部11のテン
パ率6が母材部12より小さいときにはヘゲ部11は母
材部12に比較して相対的に暗く観察される。
2aとでテンパ部6の面積率S(ξ)に違いがない場合
には図9(c)に示すように、正反射方向からの単なる
受光強度の差を観察するのみではヘゲ部11の存在を観
察できない。しかし、鏡面拡散反射成分の拡散性(角度
分布)に違いがあるときには図9(c)に示すように正
反射方向以外の拡散方向から欠陥が観察される。
拡散性(角度分布)が小さい時には、一般に正反射方向
に比較的近い拡散方向からはヘゲ部11は明るく観察さ
れ、正反射方向から離れるに従い明るさは小さくなり、
ある角度で観察不能となる。さらに正反射方向から遠ざ
かると今度はヘゲ部11は暗く観察される。
に区別して検出するためには、図10において、どうい
う角度(法線角度ξ)の微小面素13からの反射光を抽
出するのかを検討することが必要である。例えば、先の
図9(a)(b)の例のように、正反射方向でヘゲ部1
1と母材部12の違いを検出するということは、図10
で示される微小面素13の角度分布のうち微小面素13
の法線角度ξ=0について抽出し、ヘゲ部11と母材部
12との違いを検出していることになる。
反射光を抽出するということを数学的に表現すると、図
10の特性(面積率S(ξ))それぞれに、図12
(a)に示すデルタ関数δ(ξ)で表される抽出特性を
示す関数(以後この関数を重み関数I(ξ)と呼ぶ)を
乗じて積分することに相当する。
反射方向から20°ずれた40°の角度位置で反射光を
測定することは、図12(b)のようなデルタ関数δ
(ξ+10)なる重み関数I(ξ)を用いて計算するこ
とに相当する。
と微小面素13の法線角度ξと入射光8の入射角度θと
の関係は簡単な幾何学的考察によって(1) 式で求まる。 θ´=−θ+2ξ …(1) すなわち、どういう角度(法線角度ξ)の微小面素13
からの反射光を抽出するかということは、どのような重
み関数I(ξ)を設計するかということに相当すること
が理解できる。
(c)で表されるような各ヘゲ部11を母材部12と弁
別し検出するための重み関数I(ξ)を考えると、図1
2(a)(b)に示すデルタ関数δ(ξ),δ(ξ+1
0)も有効な重み関数I(ξ)の一つである。
2に示した特定の法線角度のみを抽出する幅が無限小の
デルタ関数δ(ξ)である必要はなく、ある程度の信号
幅を有することも可能である。
ては、2つの光学系の視野を同一にすることはできな
い。また、拡散反射光を測定するために一旦カメラを設
置すると、その重み関数I(ξ)を変更することは、カ
メラの設置位置を変更することが必要であるから、容易
ではない。
必要ある。すなわち、拡散反射光を捉えるのでなく、鋼
板4の正反射方向からの測定のみで鏡面反射成分と鏡面
拡散反射成分との両成分が捉えられることが望ましい。
そして、後者の課題に対しては、重み関数I(ξ)をあ
る程度自由度を持って設定できることが望ましい。
て、レーザのような平行光源ではなく拡散特性をもつ線
状の光源、すなわち線状拡散光源を用いている。また、
鋼板4の正反射方向から鏡面反射成分と鏡面拡散反射成
分とを分離して抽出する必要があるので偏光を用いてい
る。
に、図13(a)(b)に示すように、線状拡散光源1
4を鋼板4の表面に平行に配置し、光源に垂直な面内に
あり、入射角が出射角と一致する方向である鋼板正反射
方向から鋼板4上の一点を観察したときの反射特性を考
える。
14の中央部から照射された入射光8の場合、テンパ部
6に入射した入射光8は鏡面的に反射され、鋼板正反射
方向で全て捉えられる。一方、非テンパ部7に入射した
光は鏡面拡散的に反射され、たまたま鋼板法線方向と同
一方向を向いている微小面素13により反射された分の
みが捉えられる。このような方向を向いている微小面素
13は非常に少ないので、鋼板正反射方向に配設された
受光カメラで捉えられる反射光のうちではテンパ部6か
らの鏡面反射光が支配的である。
線状拡散光源14の中央部以外の位置から照射された入
射光8の場合には、テンパ部6に入射した光は鏡面反射
して鋼板正反射方向とは異なる方向へ反射する。そのた
め、鏡面反射した光は鋼板正反射方向では捉えることが
できない。一方、非テンパ部7に入射した光は鏡面拡散
的に反射され、そのうち鋼板正反射方向に反射された分
が受光カメラで捉えられる。したがって、鋼板正反射方
向に配設された受光カメラで捉えられる反射光は全て非
テンパ部7で反射した鏡面拡散反射光である。
14の長尺方向全体から照射される全ての入射光8のう
ち鋼板正反射方向からの観察で捉えられるのは、テンパ
部6からの鏡面反射光と非テンパ部7からの鏡面拡散反
射光との和である。
源14を使用して観察した場合に、偏光特性がどう変化
するかについて説明する。一般に、鏡面状の金属表面で
の反射においては、電界の方向が入射面に平行な光(p
偏光)あるいは入射面に直角な光(s偏光)において
は、反射によっても偏光特性は保存される。すなわち、
p偏光のまま又はs偏光のまま出射する。また、p偏光
成分とs偏光成分とを同時に持つ任意の偏光角を有した
直線偏光が反射されると、p、s偏光の反射率比 tanΨ
及び位相差Δに応じた楕円偏光となって出射する。
から光が照射される場合を図14(a)(b)を用いて
説明する。図14(a)に示すように、線状拡散光源1
4の中央部から出射した光は鋼板4のテンパ部6で鏡面
反射して鋼板正反射方向で観察される。これに関しては
上記一般の鏡面状の金属表面での反射がそのまま成立す
る。
散光源14の中央部以外の位置から出射した光は、鋼板
4の非テンパ部7の結晶表面の傾いた微小面素13で鏡
面反射して鋼板正反射方向で観察される。この場合、鋼
板4の入射面に平行なp偏光の光を入射したとしても実
際に反射する傾いた微小面素13に対して考えた場合に
は入射面は微小面素13に対して平行ではなく、p、s
両偏光成分を持つ直線偏光であるため、楕円偏光となっ
て出射する。線状拡散光源14からs偏光を入射した場
合も同様である。
成分を持つ任意の偏光角αの直線偏光が鋼板4に入射し
た場合、線状拡散光源14の中央部以外の位置から傾い
た微小面素13に入射した光は偏光角αが傾いて作用す
るため、鋼板正反射方向に出射する楕円偏光の形状は、
線状拡散光源14の中央部から入射してテンパ部6で鏡
面反射した光とは異なる。
拡散光源14から鋼板4に入射する場合について詳細に
検証する。まず、図15に示すように、線状拡散光源1
4からの入射光8を方位角(偏光角)αを有する偏光板
15で直線偏光にした後、水平に配置された鋼板4に入
射させ、その正反射光を受光カメラ16で受光する。前
述したように、線状拡散光源14上のC点から出射され
た入射光8については、鋼板4におけるテンパ部6によ
り鏡面反射された成分、及び、非テンパ部7におけるた
またま法線が鋼板4の鉛直方向を向いた法線角度ξ=0
の微小面素13から鏡面拡散反射された成分が鋼板4上
のO点から受光カメラ16方向へ反射する光に寄与して
いる。
14上の鋼板4のO点から見て角度φだけずれた点Aか
らの入射光8については、鏡面反射成分は受光カメラ1
6方向とは異なる方向に反射されるため、前述した法線
角度ξの微小面素13による鏡面拡散反射成分のみが寄
与する。
と微小面素13の法線角度ξとの関係は、入射光8の鋼
板4に対する入射角度θを用いて、簡単な幾何学的考察
により、(2) 式で与えられる。 COSξ=[2・ cosθ・ cos2 (φ/2)] /[sin 2 φ+4・{ cos2 θ・ cos4 (φ/4) +sin 2 θ・ sin4 (φ/2)}]1/2 …(2) 次に、このようにして反射された光の偏光状態について
考える。
(偏光角)αの偏光板15を通り、鋼板4上のO点にて
鏡面反射された後の偏光状態EC は、偏光光学で一般
に用いられるジョーンズ行列を用いて、 EC =T・Ein …(3) と表される。但し、Einは偏光板15の方位角(偏光
角)αの直線偏光ベクトルを示し、Tは鋼板4の反射
特性行列を示す。そして、直線偏光ベクトルEin及び
反射特性行列Tはそれぞれ(4) (5) 式で与えられる。
8が、法線角度ξの微小面素13で受光器16方向に反
射された光の偏光状態EA は、入射面が偏光板15及
び受光カメラ16の検光子と直交しているとすれば(6)
式で与えられる。
法線角度ξ=0とした特別の場合であり、鏡面反射成分
についても鏡面拡散反射成分についても(6) 式を用いて
統一的に考えることができる。(6) 式を計算し、法線角
度ξの微小面素13からの反射光の楕円偏光状態を図示
すると、図17に示すようになる。
αは45°、入射角θは60°、鋼板4の反射特性とし
てp,s偏光の振幅反射率比の逆正接Ψ=28゜、p,
s偏光の反射率の位相差Δ=120゜とした。図17よ
り、法線角度ξ=Oすなわち鏡面反射の場合の楕円に対
して法線角度ξの値が変化するに従って、楕円が傾いて
いくのが理解できる。
検光子17を挿入し、その検光角βを設定することによ
って、どの法線角度ξの微小面素13からの反射光をよ
り多く抽出するかを選択することができる。
すように、(3) 式で表される偏光状態EA の反射光に
対して検光角βの検光子17を挿入した後における偏光
状態E0 を求めると、(8) 式となる。
される。
出する法線角度ξの微小面素13からの反射光の光強度
を求める。前述したように、該当微小面素13の面積率
をS(ξ)とすると、下記(10)式が成立する。
度ξの微小面素13からの反射光をどの程度抽出できる
かを示す重み関数であり、光学系及び被検体の偏光特性
に依存する。そして、それに鋼板4の反射率rS 2 、入
射光光量EP 2、面積率S(ξ)を乗じたものが検出さ
れる光強度になる。
質が均−な対象を考える場合は反射率rS 2 の値は一定
と考えられる。また、入射光光量EP 2 は入射光量が光
源の位置によらず均一ならば同じく一定の値としてよ
い。
強度を求めるには、法線角度ξの微小面素13の面積率
S(ξ)と重み関数I(ξ,β)とを考えればよい。
える。法線角度ξの微小面素13からの寄与が最も大き
くなるような検光子17の検光角β0 を選定しようとし
た場合、その候補は次の(11)式をβについて解くことに
よって与えられる。
鏡面反射成分の寄与が最も大きくなるような検光角βを
求めると、検光角βは約−45°である。但し、ここで
も、鋼板4の反射特性として前述した反射率比の逆正接
Ψ=28°、位相差Δ=120°を採用し、線状拡散光
源14からの入射光8に対する偏光板15の方位角(偏
光角)α=45°を採用した。
°の場合における微小面素13の法線角度ξと重み関数
I(ξ,−45)との関係を示す。但し、見やすさのた
めに重み関数I(ξ,−45)の最大値を[1]に規格
化してある。
なわち鏡面反射成分が最も支配的で、逆に法線角度ξ=
±35°付近の微小面素13からの鏡面拡散反射光が最
も抽出されないことが理解できる。
を最もよく抽出するような検光子17の検光角βを(10)
式及び(11)式より求めると、およそβ=45°である。
検光子17の検光角β=45°に対する微小面素13の
法線角度ξと重み関数I(ξ,45)の関係を図19に
示す。
性が左右対称でないのは、入射面(微小面素13に対す
る入射光8と反射光により張られる平面)を基準に考え
ると、微小面素13の法線角度ξが正の場合、見かけ上
入射光8の偏光の方位角(偏光角)αが小さくなる(p
偏光に近づく)ことと、鋼板4のp偏光反射率がs偏光
反射率より小さいことによる。
45°の中間の特性となるβ=90°についても計算し
た重み関数I(ξ,90)も図19に示した。
面素13からの反射光強度は、重み関数I(ξ,β)と
面積率S(ξ)の積により与えられるから、最終的に受
光カメラ16で受光する光強度は[S(ξ)・I(ξ,
β)]を法線角度ξについて積分したものになる。例え
ば、図20に示すような反射特性を有する鋼板4からの
反射光を、検光角βが−45°の検光子17を通して受
光した場合、図20で示される面積率S(ξ)を図18
に示す重み関数I(ξ,β)で示される重みをつけて積
分したものが実際に受光した光強度となる。
(b)(c)に示されるような特性のヘゲ部11が存在
した場合を考える。その場合の各面積率S(ξ)は、そ
れぞれ図10(a)(b)(c)のようになっている。
鏡面反射成分のみに違いがある場合を考える。このよう
な疵を検光角β=−45°の検光子17を通して受光し
たときの光強度は、図10(b)に示す面積率S(ξ)
に図18で表される重み関数I(ξ,β)をかけて積分
したものに相当するから、母材部12とヘゲ部11との
反射光量の違いを検出することができる。
子17を通して受光したときの光強度については、図1
0(b)に示すように、鏡面拡散反射成分に違いがない
ため、図19の検光角β=45°の重み関数I(ξ,
β)をかけて積分することを考えると明らかなように、
母材部12とヘゲ部11との違いを検出することができ
ない。
鏡面拡散反射成分のみに違いがある場合には、逆に、検
光角β=−45°の検光子17を通したのでは検出でき
ず、検光角β=45°の検光子17を通したときに検出
できる。
反射成分の違いがなくなっている法線角度ξは、図10
(c)では法線角度ξ=±20°付近であったが、も
し、その角度がたまたま±30数度付近となる疵がある
と、検光角β=45°の検光子17を通しても検出でき
なくなる。
(ξ,90))となるような検光角β(例えば90゜)
の検光子17をもうーつ別に用意し、3番目の受光カメ
ラ16で受光するようにすればよい。
部11の反射特性は図9(a)、(b)、(c)のいず
れかであるので、ヘゲ部11の見落としをなくするため
には、3つの異なる検光角βの検光子17を用い、対応
する3つの法線角度ξの微小面素13からの反射光を抽
出して受光するようにすることが必要である。
鏡面反射成分、鏡面拡散反射成分ともに違いがある場合
には、基本的には、例えば−45°と+45°とのいず
れの検光子17を通した反射光でも母材部12とヘゲ部
11との違いを検出できる。
を用い、第1の受光手段で被検査面からの正反射光に含
まれる鏡面反射成分と鏡面拡散反射成分のうち、鏡面拡
散反射成分に比較して鏡面反射成分をより多く抽出し受
光し、第2の受光手段で被検査面からの正反射光に含ま
れる鏡面反射成分と鏡面拡散反射成分のうち、鏡面反射
成分に比較して鏡面拡散反射成分をより多く抽出してい
る。
みを受光する第1,第2の受光手段にてでも、図9
(a)(b)(c)に示す鋼板4の表面の各反射特性に
おけるヘゲ部11の存在を母材部12との比較において
確実に検出できる。
の共通な光軸での測定であるため、鋼板距離変動や速度
変化に影響されることなく、鏡面反射・鏡面拡散反射そ
れぞれに対応した2つの信号を得ることが可能になり、
顕著な凹凸性を持たない模様状ヘゲ疵を検出もれを生じ
ることなく検出可能な表面疵検査装置及び表面疵検査方
法が実現する。
変わった場合、被検査対象表面の母材部の物性値が異な
るため、被検査面の偏光に対する反射特性が変わり、受
光する偏光成分強度比が変わる。
品種A、Bの偏光反射特性は、鋼板の品種Aでは、p,
s偏光の振幅反射率比の逆正接Ψ=28゜、p,s偏光
の反射率の位相差Δ=120゜である。一方、鋼板の品
種Bでは、p,s偏光の振幅反射率比の逆正接Ψ=28
゜、p,s偏光の反射率の位相差Δ=80゜である。そ
して、(10)式に2品種の偏光反射特性値を代入し、前述
した模様状ヘゲ疵を検出可能とする検光角90゜、45
゜、−45゜における重み関数を算出し、表1に示す。
テンパ部7であるので、(10)式でξ=0として、算出さ
れた重み関数の値を各検光角の受光光量の相対値とみな
すことが可能である。但し、ここで入射偏光の方位角
(偏光角)αは45゜、入射角θは60゜とした。
では受光光量が異なるため、3検光角全てについて、S
/N比が良くなる最適な光量を得ることは困難である。
さらに、品種A、Bで比較すると、検光角90゜では、
受光光量に変化はないが、45゜、−45゜で2倍程度
の受光光量の変化が生ずる。したがって、品種Aと品種
Bとを同一の光学条件で測定すると、検光角45゜、−
45゜については、両品種でS/N比がよくなる信号を
得ることができず、どちらかの品種で光量が低すぎる、
あるいは飽和光量に達してしまうという問題が発生す
る。
各受光手段に入射される被検査面からの光の光路に対し
て光量減少フィルターを挿入し、3つの各検光角の受光
手段に入射される光量が所定の値になるように調整す
る。
じて、最適の透過率の光量減少フィルターを各光路に挿
入するための光量減少フィルター切換手段を備えること
によって、品種変化や製造条件変化等による、表面偏光
反射特性の変化に影響されることなく、模様状ヘゲ疵を
検出もれが生ずることなく検出可能な表面疵検査装置を
実現する。
用いて説明する。図1(a)は本発明の一実施形態に係
わる表面疵検査装置の側面図であり、図1(b)は同表
面疵検査装置の上面図である。
における合金化亜鉛メッキ鋼板の品質検査ラインに設置
されている。図中矢印方向に搬送状態の鋼板21の搬送
路の上方位置に、この帯状の鋼板21の幅方向に線状拡
散光源22が配設されている。この線状拡散先源22
は、ー部に拡散反射塗料を塗布した透明導光棒の両端か
ら内部ヘメタルハライド光源の光を投光することによっ
て、鋼板21の幅方向に一様の出射光を得る。
鋼板21に対する入射光23は、シリンドリカルレンズ
24と偏光板25を介して走行状態の鋼板21の全幅に
対して例えば60゜の入射角θで照射される。偏光板2
5の方位角(偏光角)αは45゜に設定されている。
正反射方向に配置された受光部27に入射する。この受
光部27は、レンズの前に検光角βがそれぞれ−45
゜、45゜、90゜に設定された検光子28a、28
b、28cを有する3台のリニアアレイカメラからなる
受光カメラ29a、29b、29cから構成されてい
る。
ルター切換手段としてのフィルター切換機構50が設け
られている。
機構50には、6枚の光量減少フィルター20a、20
b、20c、20d、20e、20fが組込まれてい
る。具体的には、各光量減少フィルタ−20a、20
b、20c,20d、20e、20fは、透過する偏光
成分によらず一定の割合で光強度を弱めることが可能な
ニュートラルデンシティ・フィルタで構成されている。
そして、各光量減少フィルター20a〜20fにおける
各光の透過率は同一ではなく、それぞれ異なる値に設定
されている。
20fは、3枚の光量減少フィルター20a、20b、
20cからなる第1のグループと、別の3枚の光量減少
フィルター20d,20e、20fからなる第2のグル
ープとに分割される。
2のグループに所属する3枚の光量減少フィルター20
a〜20c(又は20d〜20f)を受光カメラ29
a、29b、29cの前面に選択的に挿入する。
する3枚の光量減少フィルターを、反射光26の光路に
挿入するかは、検査対象の鋼板21の品種に応じて定ま
り、上位計算機52からの指令に基づいて、フィルター
制御部51にて切換制御される。なお、図1(b)は、
第1のグループの各光量減少フィルター20a、20
b、20cを各受光カメラ29a、29b、29cの前
面に挿入した状態を示す図である。
a、20b、20cを通過する光の光量を、各受光カメ
ラ29a、29b、29c内に組込まれた各リニアアレ
イカメラで受光する光量を十分確保するとともに、光量
が飽和しない最適なレベルに設定することが可能であ
る。
ると、表面の複素屈折率や粗さ等の物性値が品種毎に変
化するため、3台の受光カメラ29a、29b、29c
で受光する各反射光の光量が変化する。
位計算機52の指示に基づき鋼板21の品種が変わるタ
イミングで、各品種に適したグループに所属する3個の
光量減少フィルタ−20a〜20c(又は20d〜20
f)をレンズの前面に切換え配置する。
cの各光軸は互いに平行に維持されている。また、3台
の受光カメラ29a,29b,29c相互間における視
野のズレは、信萼処理部40において補正している。
29cの光軸が平行に維持されていると、3台の受光カ
メラ29a、29b、29cの各画素は同一視野サイズ
で一対一に対応する。このようにリニアアレイカメラを
採用することによつて、ビームスプリッタを用いるのに
比べて、光量のロスがなぐなり、効率的な測定が可能と
なる。
イカメラの代わりに2次元CCDカメラを使用すること
もできる。さらに、単一光検出素子とガルバノミラーや
ポリゴンミラーを組合わせた走査型の光検出器を使用す
ることも可能である。
使用することもできる。また、バンドルファイバの出射
端を直線上に整列させたファイバー光源を使用すること
もできる。各ファイバーからの出射光は、ファイバーの
N/Aに対応して十分な広がり角を持つため、これを整
列させたフアイバー光源は実質的に線状拡散光源となる
ためである。
光された反射光26における鋼板21の幅方向の1ライ
ン分の各画素毎の光強度はそれぞれ光強度信号a,b,
cに変換されて判定処理部としての信号処理部40へ送
信される。
ロック図である。一45゜の検光子28aが組込まれた
第1のカメラとしての受光カメラ29a、+45゜の検
先子28bが組込まれた第2のカメラとしての受光カメ
ラ29b、+90゜の検光子28cが組込まれた受光カ
メラ29cから入力された各光強度信号a,b,cはそ
れぞれ平均値間引き部30a,30b、30cへ入力さ
れる。
光カメラ29a〜29cのスキャン周期毎に各受光カメ
ラ29a〜29cから入力される各光強度信号a、b、
cを加算平均し、鋼板21が信号処理における長手方向
分解能に相当する距離を移動した場合に、1ライン分の
信号を出力する。
鋼板21の搬送速度が変化しても信号処理における1ラ
インの鋼板移動方向の分解能を一定にすることができ
る。また、スキャン周期毎の各光強度信号a、b、cを
平均しているので、信号処理における1ラインの鋼板移
動方向の分解能が受光カメラ29a〜29cの鋼板移動
方向の視野サイズよりも十分大きい場合にも、間を細か
く測定した加算平均値を用いることができるので、見落
としをなくすことができる。
された各光強度信号a、b、cは次の各前処理部31a
〜31cへ入力される。各前処理部31a〜31cは、
1ラインの信号の輝度むらを捕正する。ここでいう輝度
むらには、光学系に起因するムラも鋼板21の反射率に
起因するムラも含まれる。また、各前処理部31a〜3
1cは、鋼板21の両側のエッジ位置も検出し、エッジ
における急峻な光強度信号a、b、cの変化を疵と誤認
識することを防ぐ処理を実施する。各前処理部31a〜
31cで信号処理された各光強度信号a、b、cは次の
各2値化処理部32a〜32cヘ入力される。
度信号a、b、cに含まれる各画素のデ一夕を予め決め
られたしきい値と比較し、疵候補点を抽出して、次の特
徴量算出部33a〜33cヘ送出する。特微量抽出部3
3a〜33cは、一続きとなっている疵候捕点をーつの
疵候捕領域と判定し、例えばスタートアドレス、エンド
アドレスなどの位置特徴量や、ピーク値など濃度特徴量
を算出する。
部35では、各受光カメラ29a〜29cに対応する各
特徴量抽出部33a〜33cにより算出された特徴量に
基づいて、疵の種類、程度を判定する。
判定部34及び鏡面拡散性疵判定部35での判定結果及
び特徴量により、検査対象としての鋼板21に対する最
終的な疵種及びその程度を判定する。
抽出部33a〜33cからの位置特徴量を基に、各受光
カメラ29a〜29cにおける視野ズレの補正も行う。
このように、特徴量単位で受光カメラ29a〜29c相
豆間の視野ズレの補止を行うので、受光カメラ29a〜
29c相互間の視野を画素単位で調整しておく必要はな
い。
た合金化亜鉛メッキ鋼板の表面疵の測定結果を図3,図
4に示し、その測定結果に基づく判定結果を表2に示
す。
部6の面積率S(ξ)がヘゲ部11で母材部12より大
きいが、非テンパ部7の拡散性は変わらない疵と、図9
(c)に示すテンパ部6の面積率S(ξ)にはヘゲ部1
1と母材部12間に大きな差はないが、拡散性に差があ
る疵である。
(b)に示すタイプの疵が発生した場合において、−4
5°、45°及び90°に各検光子28a,28b,2
8cの検光角βが設定された各受光カメラ29a,29
b,29cで鋼板21を幅方向に1ライン分走査して得
られた鋼材21の1幅分の光強度信号a〜cの変化を図
3(a)(b)(c)に示す。
定された受光カメラ29aの光強度信号aに疵(ヘゲ部
11)に対応するピーク波形が発生する。この場合、4
5°に検光角βが設定された受光カメラ29bの光強度
信号bには疵(ヘゲ部11)に対応するピーク波形は発
生しない。
(c)に示すタイプの疵が発生した場合において、−4
5°、45°及び90°に各検光子28a,28b,2
8cの検光角βが設定された各受光カメラ29a,29
b,29cで鋼板21を幅方向に1ライン分走査して得
られた鋼材21の1幅分の光強度信号a〜cの変化を図
4(a)(b)(c)に示す。
された受光カメラ29bの光強度信号bに疵(ヘゲ部1
1)に対応するピーク波形が発生する。この場合、−4
5°に検光角βが設定された受光カメラ29aの光強度
信号aには疵(ヘゲ部11)に対応するピーク波形は発
生しない。
するように、一般に拡散反射方向に検出不能となる角度
が存在するが、その角度が異なる2種類の疵について測
定を行った。
0°で光を入射し、正反射方向(60°)と入射方向か
ら20°ずれた受光角(−40゜)方向から無偏光で測
定した結果も同時に記載した。
ズ除去のために論理和をとっているが、これらの疵につ
いては、2つの受光角を同時に検出することは不可能で
ある。さらに言うと、どちらの受光角でも検出できない
疵も存在する。
の異なる受光角に対応する反射光成分を、検光子28
a,28b,28cを用いることにより正反射方向から
抽出しているから、いずれかの受光カメラ29a〜29
cで検出することが可能である。また、検出する必要が
ある疵の反射特性に合わせて、検光角βを最適値に設定
することも容易である。
れるものではない。図1に示す実施形態装置において
は、3台の受光カメラ29a、29b、29cを用いた
が、−45°の検光子28aを有する受光カメラ29a
と、+45°の検光子28bを有する受光カメラ29b
との2台の受光カメラのみであっても、鋼板表面からの
正反射光の光軸方向からヘゲ部11の存在を母材部12
と区別して十分検出できる。
たグループに所属する各光量減少フィルター20a〜2
0cの検光角90゜、45゜、−45゜の受光カメラ2
9a、29b、29cに対応する各透過率と、鋼板21
における品種Bに対応したグループに所属する各先量減
少フィルター20d〜20fの検光角90゜、45゜、
−45゜の受光カメラ29a、29b、29cに対応す
る各透過率との対応を示す。
になるタイミングで、各受光カメラ29a、29b、2
9cの前面に挿入されている各光量減少フィルター20
a〜20fの透過率が表3に示す値に切換設定される。
更になっても、3の検光角の各受光光量を同等に保つこ
とが可能であるので、被検査面に対する表面疵の検出精
度を向上できる。
は、フィルター切換機構50を用いて、各受光カメラ2
9a、29b、29cの前面に挿入されている各光量減
少フィルターの透過率を鋼板21の品種A、B毎に変更
するようにした。
も、反射光量が変わらない検光角に設定されたカメラが
ある場合、例えば、検光子の方位角(検光角)が90゜
の受光カメラについては透過率の切替機構がなく固定と
する構成としても、各検光角の受光カメラの受光光量を
同等にすることが可能である。
の品種のみの場合は、各光量減少フィルターの透過率の
切換機構は必要でなく、フィルタは固定とする構成であ
ってもよい。
査装置においては、被検査面での正反射光が鏡面反射成
分と鏡面拡散反射成分とからなるという知見に基づい
て、それぞれの成分を区別して抽出して検出している。
具体的には、線状拡散光源を使用し、p偏光、s偏光を
共に有する偏光を被検査面に入射し、鋼板の正反射方向
から、検光角を適当に設定することにより、鏡面反射成
分をより多く含む成分と鏡面拡散反射成分をより多く含
む成分とを抽出する構成とし、さらに、正反射光の各成
分の強度を受光する際に光路途中に光量減少フィルター
を配置した。
は観察できない疵も検出可能となり、従来検出できなか
った顕著な凹凸性を持たない模様状ヘゲ疵を検出漏れす
ることなく検出することが可能となった。
の測定で両成分が捕らえられるため、鋼板距離変動や速
度変化の影響を受けない測定が実現した。また、検光子
の検光角を調整することにより、どの角度の鏡面拡散反
射成分を抽出するかを選択できるようになった。
応じて、透過率の異なる光量減少フィルターを受光手段
の前に設けたり、異なる透過率の光量減少フィルターに
切り換えて、各受光手段の受光光量を一定に保つことが
できるため、被検査対象の種類や製造条件が変更し、正
反射光の鏡面反射成分と鏡面拡散反射成分の強度比が変
化した場合にについても、各成分の受光手段の受光光量
をS/N比の良いレベルに調整し、安定した表面疵検査
結果が得られるようになった。
査装置は未検出がないことが絶対条件である。そこで、
本発明により表面処理鋼板等へ広く適用可能な未検出の
ない表面検査装置が実現できたので、従来までは検査員
による目視の検査に頼っていた表面疵検査を自動化でき
るようになった点で産業上の利用効果は大きい。
構成を示す側面図及び上面図
示すブロック図
形図
信号波形図
鉛メッキ鋼板の製造方法及び詳細断面構造を示す図
部における入射光と反射光との関係を示す断面模式図
角度分布図
ための図
射成分と、母材部における鏡面反射成分及び鏡面拡散反
射成分との関係を示す図
と面積率との関係を示す図
法線角度との関係を示す図
示す図
板上の入射位置との関係を示す図
場合における反射光の偏光状態を示す図
光されていた場合における微小面素からの反射光を示す
図
入射光が偏光されていた場合における微小面素からの反
射光を示す図
態との関係を示す図
ける微小面素の法線角度と重み関数との関係を示す図
小面素の法線角度と重み関数との関係を示す図
す図
量減少フィルター 24…シリンドリカルレンズ 26…反射光 27…受光部 40…信号処理部 50…フィルター切換機構 51…フィルター制御部 52…上位計算機
Claims (2)
- 【請求項1】 被検査面に対してこの被検査面に平行な
方位角の成分及び垂直な方位角の成分を有する偏光を入
射する線状拡散光源と、 前記被検査面からの正反射光に含まれる鏡面反射成分と
鏡面拡散反射成分のうち鏡面拡散反射成分に比較して鏡
面反射成分をよリ多く抽出する方位角の検光子を有する
第1の受光手段と、 前記被検査面からの正反射光に含まれる鏡面反射成分と
鏡面拡散反射成分のうち鏡面反射成分に比較して鏡面拡
散反射成分をよリ多く抽出する方位角の検光子を有する
第2の受光手段と、 前記第1及び第2の受光手段で受光された鏡面反射成分
及び鏡面拡散反射成分に基づいて前記被検査面の表面疵
の有無を判定する判定処理部とを備えた表面疵検査装置
であって、 前記第1及び第2の受光手段に入射される前記被検査面
からの正反射光の光路に、前記第1及び第2の受光手段
に入射される各光量を所定値に制御するための光量減少
フィルターを挿入した ことを特徴とする表面疵検査装
置。 - 【請求項2】 光の透過率が異なる複数の光量減少フィ
ルターが組込まれ、前記被検査面の変更に応じて、最適
の透過率の光量減少フィルターを前記各光路に挿入する
ための光量減少フィルター切換手段を備えたことを特徴
とする請求項1記載の表面疵検査装置。
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