JP3531002B2 - 表面検査装置 - Google Patents

表面検査装置

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JP3531002B2
JP3531002B2 JP2000045337A JP2000045337A JP3531002B2 JP 3531002 B2 JP3531002 B2 JP 3531002B2 JP 2000045337 A JP2000045337 A JP 2000045337A JP 2000045337 A JP2000045337 A JP 2000045337A JP 3531002 B2 JP3531002 B2 JP 3531002B2
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/84Systems specially adapted for particular applications
    • G01N21/88Investigating the presence of flaws or contamination
    • G01N21/89Investigating the presence of flaws or contamination in moving material, e.g. running paper or textiles
    • G01N21/8914Investigating the presence of flaws or contamination in moving material, e.g. running paper or textiles characterised by the material examined
    • G01N2021/8918Metal

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  • Investigating Materials By The Use Of Optical Means Adapted For Particular Applications (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば薄鋼板表面
等の被検査面に光を照射して被検査面の表面疵を光学的
に検出する表面検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】薄鋼板表面等の被検査面に光を照射して
この被検査面からの反射光を解析することによって、被
検査面に存在する表面疵を光学的に検出する表面疵検査
は従来から種々の手法が提唱され実施されている。
【0003】例えば、被検査体表面に対して光を入射
し、被検査表面からの正反射光及び拡散反射光をカメラ
で検出する金属物体の表面探傷方法が特開昭58−20
4353号公報に提案されている。この表面探傷方法に
おいては、被検査体表面に対し35度〜75度の角度で
光を入射し、被検査体表面からの反射を、正反射方向又
は正反射方向から20度以内の角度に設定した2台のカ
メラで受光する。この2台のカメラの受光信号を比較し
て例えば両者の論理和を取る。そして、2台のカメラが
同時に異常値を検出した場合のみ該当異常値を疵と見な
すことにより、ノイズに影響されない表面探傷方法を実
現している。
【0004】また、被検査体からの後方散乱光を受光す
ることによる被検査体表面の疵検査方法が特開昭60−
228943号公報に提案されている。この疵検査方法
においては、ステンレス鋼板に対して大きな入射角で光
を入射し、入射側へ戻る反射光、すなわち後方散乱光を
検出することにより、ステンレス鋼板表面のヘゲ疵を検
出している。
【0005】さらに、複数の後方散乱反射光を検出する
ことによる平鋼熱間探傷装置が特開平8−178867
号公報に提案されている。この平鋼熱間探傷装置は熱間
圧延された平鋼上の掻疵を検出する。この探傷装置にお
いては、掻疵の疵斜面角度は10度〜40度であり、こ
の範囲の疵斜面からの正反射光をすべてカバーできるよ
うに後方散乱反射方向に複数台のカメラが配設されてい
る。
【0006】また、偏光を利用した表面の測定装置が特
開昭57−166533号公報及び特開平9−1665
52号公報に提案されている。特開昭57−16653
3号公報に提案された測定装置においては、測定対象に
45度方向の偏光を入射し偏光カメラで反射光を受光し
ている。偏光カメラにおいては、反射光をカメラ内部の
ビームスプリッタを用いて3つに分岐し、それぞれ異な
る方位角の偏光フィルタを通して受光する。そして、偏
光カメラからの3本の信号をカラーTVシステムと同様
の信号処理によりモニタに表示し、偏光状態を可視化す
る技術が開示している。この技術はエリプソメトリの技
術を利用しており、光源は平行光であることが望まし
く、例えばレーザ光が用いられている。
【0007】また、特開平9−166552号公報に提
案された表面検査装置においては、特開昭57−166
533号公報に記載の技術と同様にエリプソメトリを利
用して鋼板表面の疵を検査している。
【0008】さらに、特開平9−178669号公報に
提案された測定装置では、3方向の異なる角度の偏光を
受光し、3偏光成分の正常部に対する変化極性と変化量
のパターン、具体的には疵の信号ピーク値の極性と変化
量から疵種等級を判定している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た各公開公報に提案された各測定技術は、いずれも顕著
な凸凹性をもつ疵を検出するか、又は酸化膜等異物が存
在することを目的としたものであり、顕著な凸凹性を持
たない模様状ヘゲ欠陥等に対しては全ての疵を確実に捕
捉することが困難であった。
【0010】例えば、特開昭58−204353号公報
に記載の探傷装置においては、正反射と散乱反射光を受
光する2台のカメラを有しているが、その目的は2つの
カメラにおける検出信号の論理和によるノイズの影響除
去である。したがって顕著な凸凹性を有する疵、すなわ
ち表面に割れや抉れやめくれ上がりを生じているような
疵に対しては両方のカメラで疵の信号が捉えられるので
適用可能である。しかし、いずれか一方のカメラでしか
疵の信号を捉えられないような顕著な凸凹性を持たない
模様状ヘゲ欠陥のような疵の場合は、その疵をすべて検
出することはできない。
【0011】また、特開昭60−228943号公報の
表面状態欠陥方法は、表面粗さの小さいステンレス鋼板
上に顕在化した持ち上がったヘゲ疵を対象としている。
したがって、顕在化していない持ち上がった部分のない
疵や、疵の存在しない部分も入射側へ戻る光を反射する
ような表面の粗い鋼板に適用することはできない。
【0012】特開平8−178867号公報の平鋼熱間
探傷装置は、掻き傷を対象にしており、疵斜面での正反
射光を捕らえることに基づいているため、顕著な凸凹性
を持たない模様状ヘゲのような疵の場合には後方散乱で
は捉えられないものも存在し、検出漏れを生ずる問題が
あった。また、一度カメラを設置し、どの角度の反射成
分が受光するかが決定されると、容易にカメラ位置を変
更できない問題もあった。
【0013】さらに、特開昭57−166533号公報
の測定装置や特開平9−166552号公報の表面検査
装置は、エリプソメトリの技術を用いており、薄い透明
な膜の厚さと屈折率や物性値のむらを検出することはで
きる。しかしながら、例えば表面処理鋼板のように、も
ともと疵部が母材部と異なる物性値を有していたとして
も、その上から同一の物性値を有するものに覆われたよ
うな対象に対しては有効性が低下してしまう問題があっ
た。
【0014】また、エリプソメトリでは同一点からの反
射光を各CCDの対応する画素で受光し、画素毎にエリ
プソパラメータを計算する必要がある。そのため特開昭
57−166533号公報においては反射光をビームス
プリッタにより3分岐して3つのCCDにより検出して
おり、光量が低下したり、CCD間の画素合わせが困難
であるという問題があった。
【0015】また、特開平7−28633号公報では、
3台のカメラを鋼板進行方向に並べたり、縦または横に
並べたり、3台のカメラの傾きを変えたりして同一領域
を見るようにしている。しかし、鋼板の速度が変化した
ときの処理が複雑であるという問題があった。また、各
カメラの角度が異なるため光学条件が同一にならないた
めに画素合わせが困難である問題があった。
【0016】さらに、特開昭58−204353号公報
や特開平8−178867号公報では複数台のカメラの
光軸が共通でなく出射角が異なるため、得られる2つの
画像の対応する画素の視野サイズが異なるほか、被検査
面のバタツキや対象の厚さ変動による距離変化があると
視野に位置ズレを生じるという問題点があった。特に特
開平58−204353号公報では2つのカメラで同じ
視野に対する論理和をとることが要求されるため問題は
大きかった。
【0017】さらに、特開平9−178669号公報で
は、異なる複数の偏光角の光強度分布の変化極性と変化
量、具体的にはピーク値の極性と変化量のパターンのみ
で疵種等級判定をするものである。これは疵の一部分の
濃度値であるピーク値から算出した特徴値であり、人間
の目視判定では疵の全体的な、あるいは平均的な濃度情
報や、幅や長さなどの形状情報を含めた判定をしていな
いため、目視判定との一致率が低いという問題があっ
た。
【0018】製品の品質検査ラインに組み込まれる表面
検査装置においては、製造製品に対する品質保証の観点
から、疵の検出漏れがないことが絶対条件である。しか
しながら、表面処理鋼板等まで検査対象とした表面疵検
査装置は実用化されていなかった。
【0019】この発明はかかる事情に鑑みてなされなか
ったものであり、被検査面からの反射光に含まれる鏡面
反射成分と鏡面拡散反射成分とを区別して検出すること
によって被検査面における表面の割れや抉れやめくれ上
がりのような顕著な凸凹性を持たない模様状ヘゲ欠陥を
確実に検出でき、高い欠陥検出精度を発揮でき、製品の
品質保証ラインにも十分組み込むことができる表面疵検
査装置を提供することを目的とするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】この発明に係る表面検査
装置は、投光部と受光部と信号処理部と疵種判定部を有
し、投光部は被検査面に偏光を入射し、受光部は少なく
とも3方向の異なる角度の偏光を受光する複数の受光光
学系を有し、被検査面で反射した反射光を検出して画像
信号に変換し、信号処理部は各受光光学系から出力され
た画像信号について、正常部が全階調の中心輝度になる
ように正規化し、正規化された光強度信号のそれぞれに
ついて、正常部を示す全階調の中心レベルを基準にし
て、正極性と負極性に対してあらかじめ定められた閾値
を超える領域を疵候補領域として抽出し、抽出された疵
候補領域の幅と長さと、複数の受光光学系についての疵
部の濃度ピーク値並びに抽出された正極性と負極性にお
ける疵候補領域内における閾値を超える信号の積分値で
ある濃度積算値の極性の組み合わせパターンを特徴量と
して検出し、疵種判定部は検出された疵の幅と長さと、
濃度ピーク値並びに濃度積算値の極性の組み合わせパタ
ーンから疵の種類を判定することを特徴とする。
【0021】この発明に係る第2の表面検査装置は、投
光部と受光部と信号処理部と疵種判定部を有し、投光部
は被検査面に偏光を入射し、受光部は少なくとも3方向
の異なる角度の偏光を受光する複数の受光光学系を有
し、被検査面で反射した反射光を検出して画像信号に変
換し、信号処理部は各受光光学系から出力された画像信
号について、正常部が全階調の中心輝度になるように正
規化し、正規化された光強度信号のそれぞれについて、
正常部を示す全階調の中心レベルを基準にして、正極性
と負極性に対してあらかじめ定められた閾値を超える領
域を疵候補領域として抽出し、抽出された疵候補領域の
幅と長さと、複数の受光光学系についての疵部の濃度ピ
ーク値と抽出された正極性と負極性における疵候補領域
内における閾値を超える信号の積分値である濃度積算値
の極性の組み合わせパターン並びに各受光光学系間にお
ける濃度積算値の相対比を特徴量として検出し、疵種判
定部は検出された疵の幅と長さと、濃度ピーク値と濃度
積算値の極性の組み合わせパターン並びに相対比から疵
の種類を判定することを特徴とする。
【0022】上記特徴量として検出された疵の濃度ピー
ク値及び濃度絶対値の積算値から疵の等級を判定すると
良い。
【0023】また、特徴量として検出された疵の濃度ピ
ーク値と、濃度絶対値の積算値及び正極性信号の面積比
率から疵の等級を判定することが望ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】まず、本発明の表面疵検査装置が
検査対象とする鋼板表面の光学的反射の形態を鋼板表面
のミクロな凹凸形状と関連づけて説明する。例えば、検
査対象が合金化亜鉛メッキ鋼板の場合においては、図1
(a)に示すように、下地の冷延鋼板は溶融亜鉛メッキ
されたのち合金化炉を通過する。この間に下地鋼板1の
鉄元素がメッキ層2の亜鉛中に拡散し、通常、図1
(c)に示すように合金の柱状結晶3を形成する。この
メッキされた鋼板4は次にロール5a,5bで調質圧延
される。すると、図1(d)に示すように、柱状結晶3
における特に突出した箇所がロール5a,5bで平坦に
つぶされ、それ以外の箇所は元の柱結晶3の形状を維持
したままとなる。この調質圧延のロール5a,5bにて
平坦につぶされた部分をテンパ部6と呼び、それ以外の
調質圧延のロール5a,5bが当接しない元の凹凸形状
を残した部分を非テンパ部7と称する。
【0025】図2は、このようなテンパ部6と非テンパ
部7とを有する鋼板4の表面でどのような光学的反射が
生じるかをモデル化した断面模式図である。この鋼板4
の表面(被検査面)はミクロ的に見ると種々の方向を向
いた無数の微小面素13で構成されている。調質圧延の
ロール5a,5bによりつぶされたテンパ部6に入射し
た入射光8は、鋼板4の正反射方向に鏡面的に反射して
鏡面反射光9となる。一方、調質圧延ロール5a,5b
が当接しない元の柱状結晶3の構造を残す非テンパ部7
に入射した入射光8は、ミクロに見れば柱状結晶3の各
表面の微小面素一つ一つにより鏡面的に反射されるが、
反射の方向は鋼板4の正反射方向とは必ずしも一致しな
い鏡面拡散反射光10となる。したがって、鋼板4の表
面におけるテンパ部6及び非テンパ部7の各反射光の角
度分布は、マクロに見ればそれぞれ図3(a),図3
(b)のようになる。すなわち、テンパ部6では鋼板正
反射方向に鋭い鏡面性の反射が発生し、非テンパ部7で
は柱状結晶3の表面の微小面素の角度分布に対応した広
がりを持った反射光となる。前述したように、テンパ部
6の反射光を鏡面反射光9と称し、非テンパ部7の反射
光を鏡面拡散反射光10と称する。そして、テンパ部6
と非テンパ部7はマクロ的には混在しているので、カメ
ラ等の光学測定器で観察される反射光の角度分布は、図
3(c)に示すように、鏡面反射光9及び鏡面拡散反射
光10の角度分布をテンパ部6と非テンパ部7とのそれ
ぞれの面積率に応じて加算したものとなる。
【0026】以上、テンパ部6と非テンパ部7とを合金
化亜鉛メッキ鋼板を例にして説明したが、調質圧延によ
り平坦部が生じる他の鋼板にも一般に成り立つ。
【0027】次に、本発明の検出対象となる顕著な凹凸
性を持たない模様状ヘゲ欠陥と呼ばれる欠陥の光学反射
特性について説明する。図4に示すように、合金化溶融
亜鉛メッキ鋼板に見られるヘゲ欠陥(ヘゲ部)11は、
メッキ加工前の冷延鋼板原板にヘゲ欠陥が存在し、その
上にメッキ層2が乗り、さらに下地鋼板1の鉄元素の拡
散によりるヘゲ欠陥の合金化が進行したものである。
【0028】一般に、ヘゲ部11は鋼板4の正常部分を
示す母材12と比較して、例えばメッキ厚に違いが生じ
たり、合金化の程度に違いが生じる。その結果、例え
ば、ヘゲ部11のメッキ厚が厚く母材12に対し凸の場
合には、調質圧延が印加されることによりテンパ部6の
面積が非テンパ部7に比べて多くなる。逆に、ヘゲ部1
1のメッキ厚が薄く母材12に比べ凹の場合には、ヘゲ
部11は調質圧延のロール5a,5bが当接せず、非テ
ンパ部7が大半を占める。また、ヘゲ部11の合金化が
浅い場合には微小面素の角度分布は鋼板方線方向に強
く、拡散性は小さくなる。
【0029】次に、このようなヘゲ部11と母材部12
の表面性状の相違により、模様状ヘゲ欠陥がどのように
見えるかを説明する。上述したモデルに基づきヘゲ部1
1と母材部12の違いについて分類すると一般に次の3
種類に分けられる。
【0030】(a)ヘゲ部11におけるテンパ部6の面
積率及び非テンパ部7の微小面素の角度分布が、母材部
12におけるテンパ部6の面積率及び非テンパ部7の微
小面素の角度分布と異なる(図6(a)、図5
(a))。
【0031】(b)ヘゲ部11におけるテンパ部6の面
積率は母材部12におけるテンパ部6の面積率と異なる
が、ヘゲ部11の非テンパ部7の微小面素の角度分布は
母材部12における非テンパ部7の微小面素の角度分布
と変わらない(図6(b)、図5(b))。
【0032】(c)ヘゲ部11における非テンパ部7の
微小面素の角度分布は母材部12の非テンパ部7の微小
面素の角度分布と異なるが、ヘゲ部11におけるテンパ
部6の面積率は母材部12におけるテンパ部6の面積率
と変わらない(図6(c)、図5(c))。
【0033】図7に示すように、入射光8が当接する微
小面素13の法線方向の鋼板4の鋼板法線方向に対する
傾斜角度を微小面素13の法線角度ξとし、この法線角
度ξとテンパ部6の面積率S(ξ)との関係を、上述し
た(a),(b),(c)の3つの場合について、図6
(a),(b),(c)に示す。
【0034】このテンパ部6の面積率S(ξ)及び微小
面素13の角度分布の違いが、図5(a),(b),
(c)に示すような反射光量の角度分布の違いとして観
察される。図中実線で示す角度分布がヘゲ部11に対応
するヘゲ部角度分布11aであり、点線で示す角度分布
が母材部12に対応する母材部角度分布12aである。
【0035】すなわち、図5(a)はヘゲ部角度分布1
1aと母材部角度分布12aとの間において、鏡面反射
成分と鏡面拡散反射成分とが共に差が存在する場合を示
し、図5(b)は鏡面反射成分のみに差が存在する場合
を示し、図5(c)は鏡面拡散反射成分のみに差が存在
する場合を示す。そして、ヘゲ部角度分布11aと母材
部角度分布12aとでテンパ部6の面積率S(ξ)に相
違がある場合には、図5(a),(b)に示すように、
その差は正反射方向から観察される。具体的には、正反
射方向からヘゲ部11の反射光を測定した場合と母材部
12の反射光を測定した場合に、ヘゲ部11のテンパ部
6の面積率S(ξ)が母材部12のテンパ部6の面積率
S(ξ)より大きい場合にはヘゲ部11は母材部12に
比較して相対的に明るく見える。逆に、ヘゲ部11のテ
ンパ率6が母材部12より小さいときにはヘゲ部11は
母材部12に比較して相対的に暗く観察される。
【0036】ヘゲ部角度分布11aと母材部角度分布1
2aでテンパ部6の面積率S(ξ)に違いがない場合に
は図5(c)に示すように、正反射方向からの単なる受
光強度の差を観察するのみではヘゲ部11の存在を観察
できない。しかし、鏡面拡散反射成分の拡散性(角度分
布)に違いがあるときには図5(c)に示すように正反
射方向以外の拡散方向から欠陥が観察される。
【0037】例えば、ヘゲ部11の鏡面拡散反射成分の
拡散性(角度分布)が小さいときには、一般に正反射方
向に比較的近い拡散方向からヘゲ部11は明るく観察さ
れ、正反射方向から離れるに従い明るさは小さくなり、
ある角度で観察不能となる。さらに正反射方向から遠ざ
かると今度はヘゲ部11は暗く観察される。
【0038】このようなヘゲ部11を母材部12と確実
に区別して検出するためには、図6において、どういう
角度(法線角度ξ)の微小面素13からの反射光を抽出
するのかを検討することが必要である。例えば、図5
(a),(b)の例のように、正反射方向でヘゲ部11
と母材部12の違いを検出するということは、図6で示
される微小面素13の角度分布のうち微小面素13の法
線角度ξ=0について抽出し、ヘゲ部11と母材部12
との違いを検出していることになる。
【0039】ここで、微小面素13の法線角度ξ=0の
反射光を抽出するということを数学的に表現すると、図
6の特性(面積率S(ξ))それぞれに、図8(a)に
示すデルタ関数δ(ξ)で表される抽出特性を示す関数
(以後、この関数を重み関数Ι(ξ)と呼ぶ)を乗じて
積分することに相当する。
【0040】また、例えば、入射角60度において、正
反射方向から20度ずれた40度の角度位置で反射光を
測定することは、図8(b)のようなデルタ関数δ(ξ
+10)なる重み関数Ι(ξ)を用いて計算することに
相当する。
【0041】なお、図7に示すように、反射角度θ度と
微小面素13の法線角度ξと入射光8の入射角度θとの
関係は簡単な幾何学的考察によって(1)式で求まる。 θ度=−θ+2ξ (1) すなわち、どういう角度(法線角度ξ)の微小面素13
からの反射光を抽出するかということは、どのような重
み関数Ι(ξ)を設計するかということに相当すること
が理解できる。
【0042】このような観点から、図6(a),
(b),(c)で表されるような各ヘゲ部11を母材部
12と弁別して検出するための重み関数I(ξ)を考え
ると、図8(a),(b)に示すデルタ関数δ(ξ),
δ(ξ+10)も有効な重み関数I(ξ)の一つであ
る。なお、重み関数Ι(ξ)は、必ずしも図8に示した
特定の法線角度のみを抽出する幅が無限小のデルタ関数
δ(ξ)である必要はなく、ある程度の信号幅を有する
ことも可能である。
【0043】しかしながら、このような弁別手法におい
ては、2つの光学系の視野を同一にすることはできな
い。また、拡散反射光を測定するために一旦カメラを設
置すると、その重み関数Ι(ξ)を変更することは、カ
メラの設置位置を変更することが必要であるから容易で
はない。
【0044】前者の課題に対しては同一光軸上の測定が
必要ある。すなわち、拡散反射光を捉えるのでなく、鋼
板4の正反射方向からの測定のみで鏡面反射成分と鏡面
拡散反射成分との両成分を捉えることが望ましい。そし
て、後者の課題に対しては、重み関数Ι(ξ)をある程
度自由度を持って設定できることが望ましい。
【0045】そこで、本発明においては、まず光源とし
て、レーザのような平行光源ではなく拡散特性を持つ線
状の光源、すなわち線状拡散光源を用いている。また、
鋼板4の正反射方向から鏡面反射成分と鏡面拡散反射成
分とを分離して抽出する必要があるので偏光を用いてい
る。この線状拡散光源の効果を説明するために、図9
(a),(b)に示すように線状拡散光源14を鋼板4
の表面に平行に配置し、光源に垂直な面内にあり、入射
角が出射角と一致する方向である鋼板正反射方向から鋼
板4上の一点を観察したときの反射特性を考える。
【0046】図9(a)に示すように、線状拡散光源1
4の中央部から照射された入射光8の場合、テンパ部6
に入射した入射光8は鏡面的に反射されて、鋼板正反射
方向で全て捉えられる。一方、非テンパ部7に入射した
光は鏡面拡散的に反射され、たまたま鋼板法線方向と同
一方向を向いている微小面素13により反射された分の
みが捉えられる。このような方向を向いている微小面素
13は非常に少ないので、鋼板正反射方向に配設された
受光カメラで捉えられる反射光のうちではテンパ部6か
らの鏡面反射光が支配的である。
【0047】これに対し、図9(b)に示すように、線
状拡散光源14の中央部位外の位置から照射された入射
光8の場合には、テンパ部6に入射した光は鏡面反射し
て鋼板正反射方向とは異なる方向へ反射する。そのた
め、鏡面反射した光は鋼板正反射方向では捉えることが
できない。一方、非テンパ部7に入射した光は鏡面拡散
的に反射され、そのうち鋼板正反射方向に反射された分
が受光カメラで捉えられる。したがって、鋼板正反射方
向に配設された受光カメラで捉えられる反射光は全て非
テンパ部7で反射した鏡面拡散反射光である。
【0048】以上2つの場合を併せると、線上拡散光源
14の長尺方向全体から照射される全ての入射光8のう
ち鋼板正反射方向からの観察で捉えられるのは、テンパ
部6からの鏡面反射光と非テンパ部7からの鏡面拡散反
射光との和である。
【0049】次に、鋼板4の正反射方向から線状拡散光
源14を使用して観察した場合に、偏光特性がどう変化
するかについて説明する。一般に、鏡面状の金属表面で
の反射においては、電界の方向が入射面に平行な光(p
偏光)あるいは入射面に直角な光(s偏光)において
は、反射によっても偏光特性は保存される。すなわち、
p偏光のまま又はs偏光のまま出射する。また、p偏光
成分とs偏光成分とを同時に持つ任意の偏光角を有した
直線偏光が反射されると、p、s偏光の反射率非tan
Ψ及び位相差△に応じた楕円偏光となって出射する。
【0050】合金化亜鉛メッキ鋼板に線状拡散光源14
から光が照射される場合を図10(a),(b)を用い
て説明する。図10(a)に示すように、線状拡散光源
14の中央部から出射した光は鋼板4のテンパ部6で鏡
面反射して鋼板正反射方向で観察される。これに関して
は上記一般の鏡面状の金属表面での反射がそのまま成立
する。
【0051】一方、図10(b)に示すように、線状拡
散光源14の中央部位外の位置から出射した光は、鋼板
4の非テンパ部7の結晶表面の傾いた微小面素13で鏡
面反射して鋼板正反射方向で観察される。この場合、鋼
板4の入射面に平行なp偏光の光を入射したとしても実
際に反射する傾いた微小面素13に対して考えた場合に
は入射面は微小面素13に対して平行ではなく、p,s
両偏光成分を持つ直線偏光であるため、楕円偏光となっ
て出射する。線状拡散光源14からs偏光を入射した場
合も同様である。
【0052】また、線状拡散光源14からp,s両偏光
成分を持つ任意の偏光角αの直線偏光が鋼板4に入射し
た場合、線状拡散光源14の中央部以外の位置から傾い
た微小面素13に入射した光は偏光角αが傾いて作用す
るため、鋼板正反射方向に出射する楕円偏光の形状は、
線上拡散光源14の中央部から入射してテンパ部6で鏡
面反射した光とは異なる。
【0053】以下、p,s両性分を持つ直線偏光を線状
拡散光源14から鋼板4に入射する場合について詳細に
検証する。まず、図11に示すように、線状拡散光源1
4からの入射光8を方位角(偏光角)αを有する偏光板
15で直線偏光にした後、水平に配置された鋼板4に入
射させ、その正反射光を受光カメラ16で受光する、前
述したように、線状拡散光源14上のC点から出射され
た入射光8については、鋼板4におけるテンパ部6によ
り鏡面反射された成分、及び、非テンパ部7におけるた
またま法線が鋼板4の鉛直方向を向いた法線角度ξ=0
の微小面素13から鏡面拡散反射された成分が鋼板4上
の0点から受光カメラ16方向へ反射する光に寄与して
いる。
【0054】一方、図12に示すように、線状拡散光源
14上の鋼板4のO点から見て角度φだけずれた点Aか
らの入射光8については、鏡面反射成分は受光カメラ1
6方向とは異なる方向に反射されるため、前述した法線
角度ξの微小面素13による鏡面拡散反射成分のみが寄
与する。
【0055】ここで、入射光8の入射方向を示す角度φ
と微小面素13の法線角度ξとの関係は、入射光8の鋼
板4に対する入射角度θを用いて、間簡単な幾何学的考
察により、(2)式で与えられる。
【0056】
【数1】
【0057】次に、このようにして反射された光の偏光
状態について考える。C点から出射された入射光8が、
方位角(偏光角)αの偏光板15を通り、鋼板4上のO
点にて鏡面反射された後の偏光状態Ecは、偏光光学で
一般に用いられるジョーンズ行列を用いて、 Ec=T・Ein (3) と表される。但し、Einは偏光板15の方位角(偏光
角)αの直角偏光ベクトルを示し、Tは鋼板4の反射特
性行列を示す。そして、直線偏光ベクトルEinと反射
特性行列Tは、p,s偏光の振幅反射率比をtanΨ、
p,s偏光の反射率の位相差を△、s偏光の振幅反射率
をrsとすると、それぞれ(4),(5)式で与えられ
る。
【0058】
【数2】
【0059】同様に、線状拡散光源14上のA点から出
射した入射光8が法線角度ξの微小画素13で受光カメ
ラ16の方向に反射された光の偏光状態Eaは入射面が
偏光板15及び受光カメラ16の検光子と直交している
とすると(6)式で与えられる。(6)式においてRは
回転行列であり、(7)式で与えられる。
【0060】
【数3】
【0061】(3)式は、(6)式において微小面素1
3の法線角度ξ=0とした特別の場合であり、鏡面反射
成分についても鏡面拡散反射成分についても(6)式を
用いて統一的に考えることができる。(6)式を計算
し、法線角度ξの微小面素13からの反射光の楕円偏光
状態を図示すると、図13に示すようになる。ここで入
射偏光の方位角(偏光角)αは45度、入射角θは60
度、鋼板4の反射特性としてp,s偏光の振幅反射率比
の逆正接Ψ=28度、p,s偏光の反射率の位相差△=
120度とした、図13より、法線角度ξ=0すなわち
鏡面反射の場合の楕円に対して法線角度ξの値が変化す
るに従って、楕円が傾いていくのが理解できる。したが
って、例えば受光カメラ16の前に検光子17を挿入
し、その検光角βを設定することによって、どの法線角
度ξの微小面素13からの反射光をより多く抽出するか
を選択することができる。
【0062】このことを定量化するために、図12に示
すように、(3)式で表される偏光状態Eaの反射光に
対して検光角βの検光子17を挿入した後における偏光
状態Eoを求めると(8)式となる。
【0063】
【数4】
【0064】(8)式においてAは検光子17を表す行
列であり、(9)式で表される。
【0065】
【数5】
【0066】次に、この(8)式から受光カメラ16で
検出する法線角度ξの微小面素13からの反射光の光強
度を求める。前述したように、該当微小面素13の面積
率をS(ξ)とすると、下記(10)式が成立する。
【0067】
【数6】
【0068】上式におけるΙ(ξ,β)は、前述したよ
うに、法線角度ξの微小面素13からの反射光をどの程
度抽出できるかを示す重み関数であり、光学系及び被検
体の偏光特性に依存する。そして、それに鋼板4の反射
率rs2と入射光光量Ep2と面積率S(ξ)を乗じたも
のが検出される光強度になる。
【0069】表面処理鋼板などのように、鋼板表面の材
質が均一な対象を考える場合は反射率rs2の値は一定
と考えられる。また、入射光光量Ep2は入射光量が光
源の位置によらず均一ならば同じく一定の値としてよ
い。したがって受光カメラ16が検出する光強度を求め
るには、法線角度ξの微小面素13の面積率S(ξ)と
重み関数Ι(ξ,β)とを考えればよい。
【0070】ここで、重み関数Ι(ξ,β)について考
える。法線角度ξの微小面素13からの寄与が最も大き
くなるような検光子17の検光角βoを選定しようとし
た場合、その候補は次の(11)式をβについて解くこ
とによって与えられる。
【0071】
【数7】
【0072】(11)式により、法線角度ξ=0、すな
わち鏡面反射成分の寄与が最も大きくなるような検光角
βを求めると、検光角βは約−45度である。但し、こ
こでも、鋼板4の反射特性として前述した反射率比の逆
正接Ψ=28度、位相差△=120度を採用し、線状拡
散光源14からの入射光8に対する偏光板15の方位角
(偏光角)α=45度を採用した。
【0073】図14に、検光子17の検光角βが−45
度の場合における微小面素13の法線角度ξと重み関数
Ι(ξ,−45)との関係を示す。但し、見やすさのた
めに重み関数Ι(ξ,−45)の最大値を[1]に規格
化してある。図14の特性から、法線角度ξ=0度、す
なわち鏡面反射成分が最も支配的で、逆に法線角度ξ=
±35度付近の微小面素13からの鏡面拡散反射光が最
も抽出されないことが理解できる。
【0074】また、法線角度ξ=±35°の反射光を最
もよく抽出するような検光子17の検光角βを(10)
式と(11)式より求めると、およそβ=45度であ
る。検光子17の検光角β=45度に対する微小面素1
3の法線角度ξと重み関数Ι(ξ,45)の関係を図1
5に示す。ここで、図15の重み関数Ι(ξ,β)の特
性が左右対称でないのは、入射面(微小面素13に対す
る入射光8と反射光により張られる平面)を基準に考え
ると、微小面素13の法線角度ξが正の場合、見かけ上
入射光8の偏光の方位角(偏光角)αが小さくなる(p
偏光に近づく)ことと、鋼板4のp偏光反射率がs偏光
反射率より小さいことによる。
【0075】また、検光子17の検光角β=−45度と
45度の中間の特性となるβ=0度及び90度について
も計算した重み関数Ι(ξ,0),Ι(ξ,β)も図1
5に示した。Ι(ξ,0)は−50度付近にピークがあ
るが、測定対象の面積率によりξ=15度付近の影響が
最も大きい場合が多い。(10)式で示したように、法
線角度ξの微小面素13からの反射光強度は、重み関数
Ι(ξ,β)と面積率S(ξ)の積により与えられるか
ら、最終的に受光カメラ16で受光する光強度は[S
(ξ)・Ι(ξ,β)]を法線角度ξについて積分した
ものになる。例えば、図16に示すような反射特性を有
する鋼板4からの反射光を、検光角βが−45度の検光
子17を通して受光した場合、図16で示される面積率
S(ξ)を図14に示す重み関数Ι(ξ,β)で示され
る重みをつけて積分したものが実際に受光した光強度と
なる。
【0076】そこで、鋼板4の表面に、図5(a),
(b),(c)に示されるような特性のヘゲ部11が存
在した場合を考える。その場合の各面積率S(ξ)は、
それぞれ図6(a),(b),(c)のようになってい
る。
【0077】まず図5(b),図6(b)のように鏡面
反射成分のみに違いがある場合を考える。このような疵
を検光角β=−45度の検光子17を通して受光したと
きの光強度は、図6(b)に示す面積率S(ξ)に図1
4で表される重み関数I(ξ,β)をかけて積分したも
のに相当するから、母材部12とヘゲ部11との反射光
量の違いを検出することができる。
【0078】また同一疵を検光角β=45度の検光子1
7を通して受光したときの光強度については、図6
(b)に示すように、鏡面拡散反射成分に違いがないた
め、図15の検光角β=45度の重み関数Ι(ξ,β)
をかけて積分することを考えると明らかなように、母材
部12とヘゲ部11との違いを検出することができな
い。
【0079】また、図5(c),図6(c)のように鏡
面拡散反射成分のみに違いがある場合には、逆に検光角
β=−45度の検光子17を通したのでは検出できず、
検光角β=45度の度検光子17を通したときに検出で
きる。但し、母材部12とヘゲ部11の鏡面拡散反射成
分の違いがなくなっている法線角度ξは、図6(c)で
は法線角度ξ=±20度付近であったが、もし、その角
度がたまたま±30数度付近となる疵があると、検光角
β=45度の検光子17を通しても検出できなくなる。
その場合は、別の重み関数例えばΙ(ξ,90)となる
ような検光角β(例えば90°)の検光子17をもう一
つ別に用意し、3番目の受光カメラ16で受光するよう
にすればよい。
【0080】一般に、鋼板4の表面の母材部12及びヘ
ゲ部11の反射特性は図5(a),(b),(c)のい
ずれかであるので、ヘゲ部11の見落しをなくすために
は、3つの異なる検光角βの検光子17を用い、対応す
る3つの法線角度ξの微小面素13からの反射光を抽出
して受光するようにすることが必要である。また、図5
(a),図6(a)のように鏡面反射成分、鏡面拡散反
射成分ともの違いがある場合には、基本的には、例えば
−45度と+45度のいずれの検光子17を通した反射
光でも母材部12とヘゲ部11との違いを検出できる。
したがって、本発明では線状拡散光源14を用い、第1
の受光手段で被検査面からの正反射光に含まれる鏡面反
射成分と鏡面拡散反射成分のうち、鏡面拡散反射成分に
比較して鏡面反射成分をより多く抽出し受光し、第2の
受光手段で被検査面からの正反射光に含まれる鏡面反射
成分と鏡面拡散反射成分のうち、鏡面反射成分に比較し
て鏡面拡散反射成分をより多く抽出している。
【0081】そこで、例えば被検査面からの正反射光の
みを受光する第1、第2の受光手段にてでも、図5
(a),(b),(c)に示す鋼板4の表面の各反射特
性におけるヘゲ部11の存在を母材部12との比較にお
いて確実に検出できる。
【0082】このような光学系により、正反射方向から
の共通な光軸での測定であるため、鋼板距離変動や速度
変化に影響されることなく、鏡面反射・鏡面拡散反射そ
れぞれに対応した2つの信号を得ることが可能になり、
顕著な凹凸性を持たない模様状ヘゲ疵を検出もれを生じ
ることなく検出可能な表面疵検査装置を実現できる。
【0083】そこで、この発明においては被検査面に対
して一定入射角で被検査面の幅方向全体に偏光を入射す
るように投光部を配置し、被検査面からの反射光を受光
する受光部を所定の位置に配置する。受光部はレンズの
前に検光角がそれぞれ、例えば0°,45°,−45°
に設定された検光子を有する3台のリニアアレイカメラ
からなる受光カメラで構成されている。そして各受光カ
メラの各画素が同一視野サイズで一対一に対応するよう
に、各光軸は互いに平行に維持されている。
【0084】信号処理部は各リニアアレイカメラからの
出力信号について、1ライン長さを一定にする鋼板の速
度変動に対する追従処理と鋼板有効領域を決定するため
のエッジ検出処理と幅方向の輝度ムラの補正処理を行
い、正常部が全階調の中心輝度になるように正規化し、
正常部に対する相対的な変化を示す光強度信号に変換す
る。この正規化された偏光の光強度信号のそれぞれにつ
いて、正常部を示す全階調の中心レベルを基準にして、
あらかじめ定められた閾値を超える領域を疵候補領域と
して抽出し、抽出された疵候補領域の幅と、長さと、領
域内における閾値を超える信号の積分値である濃度積算
値と、各受光カメラ間の濃度積算値の相対比率と、濃度
積算値の正常部に対する極性の組み合わせパターンと、
信号の絶対値の最大値である濃度ピーク値、信号の絶対
値の積分値である絶対濃度積算値、疵器に対する正極性
領域の画素比率である正極性面積比の特徴量を検出す
る。疵種判定部では幅、長さ、疵ピーク値、濃度積算値
の極性組み合わせパターン、濃度積算値の相対比率の特
徴量から疵の種類を判定する。
【0085】また、等級判定部では絶対濃度積算値と信
号ピーク及び正極性面積比から疵の等級を判定する。
【0086】
【実施例】図17はこの発明の一実施例の表面疵検査装
置の概略構成を示す配置図、図18はこの表面疵検査装
置を被検査体としての鋼板4の搬送方向にそって切断し
た断面図である。図の矢印方向に搬送されている鋼板4
の搬送路の上方位置には1台の線状拡散光源14が帯状
の鋼板4の幅方向の全幅にわたり配設されている。この
線状拡散光源14は表面疵検査装置全体を覆う遮光ケー
ス21の内側に固定され、拡散反射塗料を塗布した透明
光導棒の両端から内部へメタルハライド光源の光を投光
することによって幅方向に一様の光を出射する。この線
状拡散光源14としては蛍光灯を使用したり、光ファイ
バーの出射端を直線上に整列させたファイバー光源を使
用しても良い。光ファイバー束を使用した場合は、各光
ファイバーからの出射光は光ファイバーの開口数NAに
対応して十分な広がり角を持ち、これを整列させたファ
イバー光源は実質的に線状光源になる。
【0087】線状拡散光源14の幅方向の各位置から出
射された光8はシリンドリカルレンズ22と、方位角
(偏光角)αは45度になるように配置された偏光板1
5を介して走行状態の鋼板4の全幅に対して例えば60
°の入射角θで入射する。鋼板4で反射した反射光23
は鋼板4からの正反射方向に配置されたミラー24へ入
射する。ミラー24で反射された反射光23は遮光ケー
ス21内の上部位置に固定された各受光カメラユニット
25a,25b,25c,25dに入射する。各受光カ
メラユニット25a〜25dは線状拡散光源14と平行
で、かつ鋼板4の幅方向に等間隔に配置されている。各
受光カメラユニット25a〜25dの各受光信号は例え
ばこの表面疵検査装置の操作盤内に配設された判断処理
部としての信号処理部30へ送出される。
【0088】鋼板4の幅方向に等間隔に配設された各受
光カメラユニット25a〜25d内には、図19に示す
ように、3台のリニアアレイカメラからなる受光カメラ
16a,16b,16cが組み込まれている。各受光カ
メラユニット15a〜25d内の各受光カメラ16a〜
16c単体の受光範囲Aは、両側に隣接する他のカメラ
ユニット25a〜25d内の対応する受光カメラ16a
〜16cの受光範囲Aと一部重複するように配置されて
いる。すなわち、鋼板4上の軸方向の任意の位置からの
反射光は、それぞれ少なくとも受光カメラユニット25
a〜25d内の3種類の受光カメラ16a〜16cで受
光される。そして3種類(3個)の受光カメラ16a〜
16cのうち2種類(2個)の受光カメラ又は1種類
(1個)の受光カメラでしか反射光を受光できない例え
ば鋼板4の両側のエッジ外側等の位置は無効領域として
いる。そして、鋼板4の全幅が有効領域に入るように各
受光カメラユニット25a〜25dの幅方向位置と鋼板
4までの距離とレンズの焦点距離等が設定されている。
【0089】このようにミラー24で鋼板4からの反射
光23を反射させて各受光カメラユニット25a〜25
dに入射することにより、装置をコンパクトにすること
ができる。また、図19に示すように、ミラー24と鋼
板4の間隔を適当に定めておくと、ミラー24上に各受
光カメラユニット25a〜25dの視野から外れる領域
Bが生じる。この視野から外れる領域Bでミラー24を
分割して構成することができ、ミラー24の製造費を低
く抑えることができる。
【0090】各受光カメラユニット25a〜25dに組
み込まれた3個の各受光カメラ16a〜16cのレンズ
の前面には、図20に示すように、検光角βがそれぞれ
−45度と45度と0度に設定された検光子17a,1
7b,17cが取り付けられている。この各受光カメラ
ユニット25a〜25dの各受光カメラ16a〜16c
で鋼板4から反射光23を受光し、各受光カメラ16a
〜16c毎の受光範囲A分の各画素毎の光強度はそれぞ
れ光強度信号a,b,cに変換されて信号処理部30へ
送られる。各受光カメラユニット25a〜25dの検光
子17の検光角βが同一値に設定された各受光カメラ1
6a〜16c毎の受光範囲Aは、図19に示すように、
鋼板4の幅方向で一部重複して隙間無く配置されている
ため、各受光カメラユニット25a〜25dの検光角β
=−45度の検光子17aを有する受光カメラ16aか
ら出力される各光強度信号を合成すると、鋼板4の全幅
に相当する幅方向の一つの光強度信号aになる。同様
に、各カメラユニット25a〜25dにおける検光角β
=45度の検光子17bを有する各受光カメラ16bか
ら出力される各光強度信号を合成すると、鋼板4の全幅
に相当する幅方向の一つの光強度信号bになる。また、
各カメラユニット25a〜25dにおける検光角β=0
度の検光子17cを有する各受光カメラ16cから出力
される各光強度信号を合成すると、鋼板4の全幅に相当
する幅方向の一つの光強度信号cになる。この鋼板4の
全幅にわたって信号合成された各光強度信号a,b,c
が信号処理部30に送られる。
【0091】信号処理部30に送られた光強度信号a,
b,cは、図21のブロック図に示すように、それぞれ
平均値間引き部31a〜31cに入力する。平均値間引
き部31a〜31cはスキャン周期毎に入力される光強
度信号a,b,cを平均し、鋼板4の幅方向の1ライン
分の信号を出力する。このような間引き処理を行うこと
により、鋼板4の搬送速度が変化しても信号処理におけ
る1ライン鋼板移動方向の分解能を一定にすることがで
きる。また、スキャン周期毎の光強度信号a,b,cを
平均しているから、信号処理における1ラインの鋼板移
動方向の分解能が受光カメラ16a〜16cの鋼板移動
方向の視野サイズよりも十分大きい場合にも、細かく測
定した平均値を用いることができるので、欠陥等の見落
としをなくすことができる。
【0092】平均値間引き部31a〜31cで処理され
た光強度信号a,b,cは前処理部32a〜32cへ送
られる。前処理部32a〜32cは送られた信号の幅方
向、すなわち1ラインの信号の輝度ムラを補正する。こ
こでいう輝度ムラには光学系に起因する輝度ムラも鋼板
4の反射率に起因する輝度ムラも含まれる。この輝度ム
ラ補正により正常部を信号の全階調の中心レベルとし、
光強度信号a,b,cの各画素のデータを正常部を基準
にした変化分の信号に変換する。また、前処理部32a
〜32cは鋼板4の両側のエッジ位置も検出し、エッジ
における急激な光強度信号a,b,cの変化を疵と誤認
識することを防ぐ処理も行なう。前処理部32a〜32
cで処理された各光強度信号a,b,cは2値化処理部
33a〜33cへ送られる。2値化処理部33a〜33
cは各光強度信号a,b,cに含まれる各画素のデータ
を正常部を示す全階調の中心レベルを基準にして、正極
性と負極性に対してあらかじめ定められた閾値を超える
領域を疵候補領域として抽出して特徴量算出部34a〜
34cへ送る。特徴量算出部34a〜34cは、それぞ
れに対応する正常部からの変化信号に正規化された偏光
の強度信号I1,I2,I3について、抽出された領域
の開始と終了のアドレスと、疵の幅と長さと面積と、抽
出された領域における閾値を超える信号の積分値である
濃度積算値と、抽出された領域における閾値を超える信
号の絶対値の最大値である濃度ピーク値と、抽出された
領域における閾値を超える信号の絶対値の積分値である
絶対濃度積算値及び疵面積に対する正極性領域の画素比
率である正極性面積比等の特徴量を求める。そして疵候
補の特徴量としての疵アドレスと、幅W1,W2,W3
と、長さL1,L2,L3と、濃度積算値IS1,IS
2,IS3と、濃度ピーク値p1,p2,p3と、絶対
濃度積算値ISA1,ISA2,ISA3及び正極性面
積比P1,P2,P3を特徴量統合部38に送る。ここ
で濃度積算値IS1,IS2,IS3は(12)式か
ら、絶対濃度積算値ISA1,ISA2,ISA3は
(13)式から求められる。
【0093】
【数8】
【0094】特徴量統合部35は特徴量算出部34a〜
34cから送られた特徴量から、幅W1,W2,W3の
最大値Wと、長さL1,L2,L3の最大値Lと、濃度
ピーク値p1,p2,p3の最大値pと、絶対最大値I
S1,IS2,IS3の最大値ISと、濃度積算値の相
対率IS2/IS1,IS2/IS3や濃度積算値の正
常部に対する極性の組み合わせパターン(以下、極性パ
ターンという)Kp=(IS1極性,IS2極性,IS
3極性)等を算出して疵総合判定部36へ送る。疵総合
判定部36は、疵候補の濃度積算値の極性パターンKp
と、幅の最大値Wと、長さの最大値L及び濃度ピーク値
の最大値pの特徴量の値をあらかじめ実験により求めら
れた各疵種に対応する値と比較して疵と疑似模様との弁
別と疵の種類を分別する。このとき、まず濃度積算値の
極性パターンKpを用い欠陥の種類あるいは表面ムラ等
の無害欠陥であるかを分類する。そして欠陥と判定した
場合には、形状の特徴量である幅と長さの関係がどのよ
うになっているかにより、点状欠陥か線状欠陥か帯状欠
陥かあるいは面状欠陥かを分類する。この疵種を分類す
るときに濃度積算値の極性パターンKpを使うのは、目
視における判定の際はピーク値のような疵の部分的な濃
度の極性でなく、マクロ的に疵を見た疵全体、あるいは
平均的な濃度の極性による判断をしており、この目視に
よる判定に近い形で判断するためである。また、目視に
よる判定では形状情報すなわち疵と長さの関係での疵種
分類も行うことから、疵種判定には疵の幅と長さでの分
類をする。さらに形状情報として、例えば線状欠陥とさ
れる同一形態の欠陥であっても、信号レベルの高い疵と
低い疵、すなわち目視ではコントラストの強弱の違いか
ら異なる疵種との判定をすることから、濃度ピーク値p
を利用して分類を行う。
【0095】例えば、検出すべき有害欠陥の濃度積算値
の極性パターンKpと濃度ピーク値をpを表1に示す。
【0096】
【表1】
【0097】表1に示すように、有害欠陥の場合は、偏
光の3チャンネル全てについて疵信号が出力されること
から、濃度積算値の極性パターンKpは(−、−、−)
と(+、+、+)を示し、無害欠陥である表面ムラは偏
光の3チャンネルのうち1チャンネルのみ疵信号が出力
される。濃度積算値の極性パターンKpは(0、−、
0),(0、+、0),(0、0、+),(0、0、−)
であり、濃度積算値の極性パターンKpが異なり、有害
欠陥と無害欠陥を分類することができる。
【0098】また、形状は幅と長さの相対関係から、点
状欠陥の小ヘゲと異物付着と、鍍金性欠陥と、線状欠陥
の線ヘゲ,線状マーク、帯状欠陥の帯ヘゲ,線状マーク
及び面状欠陥のヘゲに分類することができる。ここで、
溶融亜鉛鍍金鋼板の欠陥を収集して形状により疵種を分
類した結果を図22に示す。この形状による疵種の分類
では、線状欠陥の線ヘゲと線状マークは同一形態である
が、表1に示すように濃度ピーク値pの違いがあること
から分別することができる。点状欠陥の汚れや鍍金欠陥
も同様に濃度ピーク値pにより分別することができる。
【0099】また、冷延鋼板の場合には、さらに濃度積
算値IS1,IS2,IS3の相対比であるIS2/I
S1とIS2/IS3を使って重大欠陥のヘゲ疵に外観
が似ているステイン状欠陥との分類を行う。ステイン状
欠陥は軽度の欠陥部に付着した水が酸化したものであ
り、濃度は濃いが凸凹がほとんどないために有害度が低
い疵である。そこで、ステイン状欠陥とヘゲ部につい
て、濃度積算値の相対比IS2/IS1,IS2/IS
3について100点以上の疵を収集して測定した結果を
図23と図24に示す。図23は相対比IS2/IS1
とIS2/IS3との関係を示し、(a)はヘゲ疵の場
合、(b)はステイン状欠陥の場合を示す。図24は比
IS2/ISの分布特性を示し、(a)はヘゲ疵の場
合、(b)はステイン状欠陥の場合を示す。図に示すよ
うに、表面が酸化し膜状となっているステイン状欠陥は
濃度積算値IS2が濃度積算値IS1,IS3に比べて
小さい特性を示し、比IS2/ISも1/4以下にな
る。これに対してヘゲ疵の場合は濃度積算値IS2が濃
度積算値IS1,IS3に対して大きく変化し、比IS
2/ISも大きくなる。したがって、ヘゲ欠陥と判定さ
れた疵候補のなかで、最大濃度積算値ISに対する濃度
積算値IS2の比IS2/ISが1/4以下となってい
るものはステイン状欠陥と判定する。また、ステイン状
欠陥以外にも鋼板4の表面に膜状となっている油付着や
シミのような汚れと呼ばれる欠陥も同様にIS1、IS
2、IS3の比を使って分類することができる。
【0100】疵種が決定した後、最大絶対濃度積算値I
S、最大濃度ピーク値p、正極性面積比P1,P2、P
3の特徴量の値をあらかじめ定めた値と比較して、疵の
等級を判定する。ここで濃度積算値に絶対濃度積算値を
使用するのは、疵領域に正極性と負極性が混在する場合
に、正極性と負極性の濃度を単純に積算すると濃度積算
値が小さくなり、正確な等級判定ができないためであ
る。また、目視による等級判定は、絶対濃度積算値が小
さくとも疵領域内の一部でも濃度が濃い場合は等級が重
くなる。この目視判定と一致させるためには、絶対濃度
積算値のみでは厳密な等級判定ができないため、濃度ピ
ーク値も加えて絶対濃度積算値ISと最大濃度ピーク値
pの2つの特徴量についてそれぞれ実際の等級に応じた
閾値を設定することにより、目視判定結果に近い等級に
分類することができる。
【0101】さらに、疵部がめくれあがって非常に重度
のE等級の欠陥では、それより軽度のA〜D等級欠陥と
異なり、疵部に鏡面性の領域と拡散性の領域が存在す
る。この欠陥の濃度特徴量としては、正常部に対して鏡
面性領域は明るいため正極性信号として検出され、拡散
領域は暗いため負極性信号と検出され、正極性と負極製
の濃度部分が混在する。したがって、絶対濃度積算値I
Sと濃度ピーク値pによる判定では分類できないため、
疵部の全面積に対する正極性領域の面積比率により疵の
等級を判定し、等級A〜Dと等級Eとを分類する。この
ようにして疵の検出精度を高めることができる。
【0102】なお、上記実施例では疵の等級を複数の受
光光学系における絶対濃度積算値の最大値と濃度ピーク
値の最大値を使って判定したが、絶対濃度積算値と濃度
ピーク値の最大値に限らず、平均値や加算値等で判定し
ても良い。
【0103】
【発明の効果】この発明は以上説明したように、被検査
面に対して一定入射角で偏光を入射しその反射光の異な
る角度の偏光の光強度を検出し、疵候補領域における疵
の幅と長さ及び異なる角度の偏光についての疵部の濃度
ピーク値並びに正常部を基準にした濃度積算値の極性の
組み合わせパターンを特徴量として検出して疵の種類を
判定したり、疵候補領域における疵の幅と長さ及び異な
る角度の偏光についての疵部の信号最大値と信号の積分
値と各受光光学系の間での信号積分値の相対比と正常部
に対する信号の積分値の極性の組み合わせパターンと信
号絶対値の積分値並びに正極性信号の面積比率を特徴量
として検出して疵の種類を判定することにより、散乱光
や回折では弁別できなかった表面疵を精度良く弁別する
ことができる。
【0104】また、疵の種類を判定してから、濃度ピー
ク値と濃度絶対値の積算値から疵の等級を判定したり、
濃度ピーク値と濃度絶対値の積算値及び正極性信号の面
積比率から疵の等級を判定することにより、目視判定に
近い判定をすることができ、疵の検出精度を高めること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼板表面のミクロな凸凹形状を示す説明図であ
る。
【図2】鋼板表面の光学的反射を示す断面模式図であ
る。
【図3】鋼板表面の反射光の角度分布を示す説明図であ
る。
【図4】ヘゲ欠陥を示す説明図である。
【図5】鋼板表面の反射光量の角度分布の違いを示す説
明図である。
【図6】法線角度をテンパ部の面積率との関係を示す説
明図である。
【図7】微小面素の法線角度を示す説明図である。
【図8】重み関数を示す説明図である。
【図9】線状拡散光源からの光の鋼板表面における反射
特性を示す説明図である。
【図10】線状拡散光源からの光の鋼板表面における反
射を示す説明図である。
【図11】直線偏光を鋼板表面に入射したときの反射光
を示す説明図である。
【図12】直線偏光を鋼板表面に入射したときの反射光
を示す他の説明図である。
【図13】微小面素からの反射光の楕円偏光状態を示す
説明図である。
【図14】微小面素の法線角度と重み関数を示す説明図
である。
【図15】微小面素の法線角度と重み関数の関係を示す
他の説明図である。
【図16】鋼板の反射特性を示す説明図である。
【図17】この発明の実施例の表面検査装置の概略構成
図である。
【図18】上記表面疵検査装置の断面図である。
【図19】各カメラユニットの鋼板の幅方向に対する配
列を示す配置図である。
【図20】カメラユニットに組み込まれた受光カメラの
配置図である。
【図21】信号処理部の構成を示すブロック図である。
【図22】特徴量の幅と長さによる疵種分類を示す疵種
分布特性図である。
【図23】ヘゲとステイン欠陥のIS2/IS1,IS
2/IS3の相関を示す比較図である。
【図24】ヘゲとステイン欠陥のIS2/ISの相関を
示す比較図である。
【符号の説明】
4;鋼板、15;偏光板、16;受光カメラ。17;検
光子、21;遮光ケース、22;シリンドリカルレン
ズ、24;ミラー、25;受光カメラユニット、30;
信号処理部、31;平均値間引き部、33;前処理部、
33;2値化処理部、34;特徴量算出部、35;特徴
量統合部、36;疵総合判定部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉浦 寛幸 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−166552(JP,A) 特開 平9−178669(JP,A) 特開 平9−178666(JP,A) 特開2000−65751(JP,A) 特開2000−65754(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/84 - 21/958 PATOLIS

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 投光部と受光部と信号処理部と疵種判定
    部を有し、投光部は被検査面に偏光を入射し、受光部は
    少なくとも3方向の異なる角度の偏光を受光する複数の
    受光光学系を有し、被検査面で反射した反射光を検出し
    て画像信号に変換し、信号処理部は各受光光学系から出
    力された画像信号について、正常部が全階調の中心輝度
    になるように正規化し、正規化された光強度信号のそれ
    ぞれについて、正常部を示す全階調の中心レベルを基準
    にして、正極性と負極性に対してあらかじめ定められた
    閾値を超える領域を疵候補領域として抽出し、抽出され
    た疵候補領域の幅と長さと、複数の受光光学系について
    の疵部の濃度ピーク値並びに抽出された正極性と負極性
    における疵候補領域内における閾値を超える信号の積分
    値である濃度積算値の極性の組み合わせパターンを特徴
    量として検出し、疵種判定部は検出された疵の幅と長さ
    と、濃度ピーク値並びに濃度積算値の極性の組み合わせ
    パターンから疵の種類を判定することを特徴とする表面
    検査装置。
  2. 【請求項2】 投光部と受光部と信号処理部と疵種判定
    部を有し、投光部は被検査面に偏光を入射し、受光部は
    少なくとも3方向の異なる角度の偏光を受光する複数の
    受光光学系を有し、被検査面で反射した反射光を検出し
    て画像信号に変換し、信号処理部は各受光光学系から出
    力された画像信号について、正常部が全階調の中心輝度
    になるように正規化し、正規化された光強度信号のそれ
    ぞれについて、正常部を示す全階調の中心レベルを基準
    にして、正極性と負極性に対してあらかじめ定められた
    閾値を超える領域を疵候補領域として抽出し、抽出され
    た疵候補領域の幅と長さと、複数の受光光学系について
    の疵部の濃度ピーク値と抽出された正極性と負極性にお
    ける疵候補領域内における閾値を超える信号の積分値で
    ある濃度積算値の極性の組み合わせパターン並びに各受
    光光学系間における濃度積算値の相対比を特徴量として
    検出し、疵種判定部は検出された疵の幅と長さと、濃度
    ピーク値と濃度積算値の極性の組み合わせパターン並び
    に相対比から疵の種類を判定することを特徴とする表面
    検査装置。
  3. 【請求項3】 特徴量として検出された疵の濃度ピーク
    値と濃度絶対値の積算値から疵の等級を判定する請求項
    1又は2記載の表面検査装置。
  4. 【請求項4】 特徴量として検出された疵の濃度ピーク
    値と、濃度絶対値の積算値及び正極性信号の面積比率か
    ら疵の等級を判定する請求項1又は2記載の表面検査装
    置。
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