JP2017198568A - 溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置及び板エッジ検出方法 - Google Patents

溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置及び板エッジ検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡素な構成で高精度に金属めっき板の板エッジ位置を検出することができる溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置及び板エッジ検出方法を提供する。
【解決手段】溶融金属槽から引き上げられた金属めっき板1のエッジ位置を検出する溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置であって、金属めっき板1の板幅方向に沿って延び、金属めっき板1に対向配置されるライン照明17と、金属めっき板1に対してライン照明17と同一側に対向配置され、金属めっき板1の少なくともエッジを含む領域によって鏡面反射されるライン照明17の正反射光を受光するカメラ16と、カメラ16により受光した情報に基づき金属めっき板1により鏡面反射されるライン照明17の正反射光が途切れる位置を金属めっき板1のエッジ位置として特定する画像処理部とを設けた。
【選択図】図3

Description

本発明は、溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置及び板エッジ検出方法に関する。
溶融金属めっき設備においては、連続的に搬送される鋼板を溶融金属めっき浴中に浸漬させて引き上げた後、該鋼板の両面に対してワイピングノズルからガスジェットを吹き付けて鋼板に余剰に付着した溶融金属を除去している。このような溶融金属めっき設備では、金属めっき板の両面に対してガスジェットを吹き付ける際、金属めっき板の板端において、対向するワイピングノズルから噴射されたガスジェットが相互に干渉すると、溶融金属の除去性能が低下して金属めっき板の板端の板厚が中央部の板厚より厚くなる現象が生じる。
このような問題に対し、鋼板の板端の外側にバッフルプレートを配置し、このバッフルプレートを鋼板の板端に追従させることにより、対向するワイピングノズルから噴射されたガスジェットが相互に干渉することを回避するようにしたガスワイピング装置や、ワイピングノズルに対し、鋼板の板幅方向の両外側に位置する部分をマスクで覆うことによりワイピングノズルから吹き付けられたワイピングガスが鋼板の板幅方向の両外側で衝突することを回避するようにしたものがあり、鋼板の板端の位置を検出することが重要となっている。
従来、鋼板の板端の位置を検出するものとして、ワイピング装置に設けられ、鋼帯の移動方向と交差する検出方向に複数の発光素子を配置すると共に、鋼帯のエッジ部分が通過する領域を挟んで複数の受光素子を各発光素子に対向して配置して、発光素子から投光され鋼帯によって遮光されなかった光を受光素子により受光することで鋼帯のエッジ部分の位置を検出するエッジ検出手段が公知となっている(例えば、下記特許文献1参照)。
また、CCDリニアイメージセンサを用いて鋼板の両縁部を撮像し、取得した画像の明部と暗部との境界を鋼板の縁部として検出する帯状材の位置検出装置も公知となっている(例えば、下記特許文献2参照)。
また、溶融めっき設備に設けられ、金属帯の両端の位置を検出するために、ワイピングノズルの上部両側において金属帯の板幅方向に沿って変位可能に設けられた光学式センサによって構成され、対向する光学式センサの一方が光信号を発し、対向する光学式センサの他方が光信号を受けることにより金属帯の端部の位置を検出するエッジ検出センサも知られている(例えば、下記特許文献3参照)。
また、溶融亜鉛浴(溶融金属めっき浴)を通った後、ガスの吹付けによって溶融金属の付着量が調整され、その後合金化処理炉を通った鋼帯の合金化程度を測定するために、合金化処理炉出側のロールの近傍に照明装置とITVカメラを光軸がロール上の鋼帯に向くように配置した合金化度測定装置において、エッジ検出部によりITVカメラによって撮影した画像の信号から1ライン分の輝度情報を読み込んで鋼帯の両端のエッジ位置を検出するものも公知となっている(例えば、下記特許文献4参照)。
特開2004−269984号公報 特開平5−332728号公報 特開2014−181378号公報 特開平5−99847号公報
しかしながら、特許文献1,3に記載されたエッジ検出手段は、高性能な発光素子及び受光素子を用いる必要があり、装置コストが掛かるという問題、また、金属めっき板を挟んで発光素子と受光素子とを配置するため、関連する電線や支持部材の配置が煩雑になるといった問題があった。
また、特許文献2に記載された帯状材の位置検出装置は、溶融金属めっき浴に浸漬されめっき処理された鋼板(以下、金属めっき板と称する)の板端を検出するために用いる場合、溶融金属めっき浴を通った直後の金属めっき板は鏡面状となっていることから、金属めっき板と背景との区別がつきにくく、高精度に金属めっき板のエッジ位置を検出することが難しいという問題があった。
また、特許文献4に記載されたエッジ検出部は、合金化処理炉の出側で鋼帯の両端のエッジ位置を検出することはできるものの、溶融金属めっき浴を出た直後の金属めっき板のエッジ位置検出に適用した場合、鋼帯の両端のエッジ位置を検出することが困難であるという問題があった。これは、上述した通り溶融金属めっき浴を通った直後の金属めっき板は鏡面状となっており、照明装置から照射された光が鏡面反射されるためである。すなわち、照明装置として一般的に使用されるスポット照明等を用いた場合にはその正反射光が画像中に点状で現れ、金属めっき板のエッジ部分で反射された照明装置の光の正反射光をITVカメラで撮像することが困難となるのである。また、特許文献4は、反射光が正反射のみでなく広がりをもった反射光、すなわち、乱反射していることが図3に示されており、反射面となる鋼帯の表面が鏡面状ではないことが分かる。鏡面ではないものを対象にした反射光の検出では、広い角度から反射光を受光できるため、反射光が撮像し難いという課題を持たず、光源も鏡面を対象とした手段となっていない。
このようなことから本発明は、溶融金属槽中に浸漬され引き上げられた鋼板の板端を簡素な構成で高精度に検出することを可能とした溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置及び板エッジ検出方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための本発明に係る溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置は、
溶融金属槽から引き上げられた鋼板の板エッジ位置を検出する溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置であって、
前記鋼板の板幅方向に沿って延び、前記鋼板に対向配置される光源と、
前記鋼板に対して前記光源と同一側に配置され、前記鋼板の少なくとも板エッジを含む領域によって鏡面反射される前記光源の正反射光を受光する受光部と、
前記受光部により受光した情報に基づき前記鋼板により鏡面反射される前記光源の正反射光が途切れる位置を前記鋼板のエッジ位置として特定する解析部と
を備える
ことを特徴とする。
また、上記の課題を解決するための本発明に係る溶融金属めっき設備の板エッジ検出方法は、
溶融金属槽から引き上げられた鋼板の板エッジ位置を検出する溶融金属めっき設備の板エッジ検出方法であって、
前記鋼板の板幅方向に沿って延び、前記鋼板に対向配置される光源と、前記鋼板に対して前記光源と同一側に対向されて前記鋼板の少なくとも板エッジを含む領域によって鏡面反射される前記光源の正反射光を受光する受光部とを設け、
前記受光部により受光した情報に基づき前記鋼板により鏡面反射される前記光源の正反射光が途切れる位置を前記鋼板のエッジ位置として特定する
ことを特徴とする。
本発明に係る溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置及び板エッジ検出方法によれば、溶融金属槽中に浸漬され引き上げられた鋼板の板端を簡素な構成で高精度に検出することができる。
本発明の実施例1に係る溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置の設置例を示す模式図である。 本発明の実施例1に係る溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置を模式的に示す側面図である。 本発明の実施例1に係る溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置を模式的に示す上面図である。 本発明の実施例1におけるライン照明とカメラの位置関係を説明する模式図である。 本発明の実施例1におけるライン照明とカメラの位置関係を説明する他の模式図である。 図6(a)はカメラによって取得した画像の一例を示す模式図、図6(b)はカメラによって取得した画像の他の例を示す模式図である。 本発明の実施例2に係る溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置の上面図である。 図8(a)はカメラによって取得した画像の一例を示す模式図、図8(b)はカメラによって取得した画像の他の例を示す模式図である。 本発明の実施例3に係る溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置の側面図である。 図10(a)はカメラによって取得した画像の一例を示す模式図、図10(b)はカメラによって取得した画像の他の例を示す模式図である。 本発明の実施例4に係る溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置の上面図である。 図12(a)はカメラによって取得した画像の一例を示す模式図、図12(b)はカメラによって取得した他の画像を示す模式図である。
以下、図面を用いて本発明に係る溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置及び板エッジ検出方法について説明する。
図1から図10を用いて本発明の実施例1に係る溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置の詳細を説明する。
図1に示すように、本実施例の溶融金属めっき設備において、連続的に搬送される鋼板1’は溶融金属めっき浴(溶融金属槽)11内に貯留された高温の溶融金属13中に浸漬された後、溶融金属めっき浴11内に配設されたシンクロール12によって鉛直上方に搬送方向を転換され、上方に引き上げられる。その後、めっき処理された鋼板(以下、金属めっき板と称する)1は、制振装置14によって振動を抑制された状態で、ワイピング装置15から噴出されるガスにより余剰に付着した溶融金属を除去される。
ここで、本実施例において制振装置14は、図1及び図2に示すように上下対でかつ金属めっき板1の板幅方向Wに複数個配設された電磁石(非接触式の板形状矯正装置)14aおよび板厚方向位置検出手段としての渦電流式の変位センサ(板形状センサ)14bを備え、ワイピング装置15の上方に配置されている。
また、ワイピング装置15は、溶融金属めっき浴11から出て上方に向けて走行する金属めっき板1の表,裏面にガスを吹き付けてめっき付着量を制御するワイピングノズルを備えている。
さらに本実施例において、溶融金属めっき設備には、図1〜図3に示すように板エッジ検出装置として二台のカメラ(受光部)16と、ライン照明(光源)17と、画像処理部(解析部)18とが設けられている。
カメラ16は、例えば、CCDカメラとレンズとを備え、金属めっき板1の板エッジ1Aおよびその周囲を金属めっき板1の正面側(金属めっき板1の表面又は裏面に対向する位置)から撮影するように設置される。カメラ16は、例えば、金属めっき板1から1500〜2300[mm]程度離間した位置に配置される。なお、二台のカメラ16は、金属めっき板1に対して同じ側に相互に同一の高さであって且つライン照明17とは異なる高さに設置される。カメラ16は、金属めっき板1によって鏡面反射されたライン照明17の正反射光を撮影する。
また、本実施例においてライン照明17は、複数のLED17aを一列に並べることによってライン状の照明光が得られるように構成されたものとする。当該ライン照明17は、金属めっき板1に対してカメラ16と同じ側に、長手方向が金属めっき板1の板幅方向Wに沿うように設置される。また、ライン照明17は、カメラ16によって撮影した画像中、板幅方向外側については金属めっき板1の板エッジ1Aまで、板幅方向中央側については画像の端部までライン照明17の正反射光が撮像されるようにその長さ及び位置を設定される。
以下、図4及び図5を用いてライン照明17の設置位置についてより詳しく説明する。ライン照明17は、少なくとも当該ライン照明17の板幅方向外側の端部から照射された照明光の金属めっき板1の板エッジ1Aによる正反射光がカメラ16に入射するように配置する必要がある。
すなわち、図4に示すように金属めっき板1が平板状であり湾曲していないと仮定した場合、カメラ16と金属めっき板1の板エッジ1Aとを結ぶ直線L1に対し、金属めっき板1の板エッジ1Aに垂直な直線Laに線対称な直線L1'よりも板幅方向外側から板幅方向中央側へ向けてライン照明17を配置すればよい。これにより、カメラ16で金属めっき板1の板エッジ1Aを撮像した際、図6(a)に示すようにカメラ16によって撮像した画像に、金属めっき板1の板エッジ1Aまでライン照明17の照明光が映し出され、金属めっき板1の板エッジ1Aの位置(以下、板エッジ位置という)1aを検出することができる。
これに対し、図5に示すように金属めっき板1の板エッジ1Aがカメラ16から離反する方向に湾曲していると仮定した場合、図中破線で示すように、カメラ16と金属めっき板1の板エッジ1Aとを結ぶ直線L2に対し、金属めっき板1の板エッジ1Aを挟んで板エッジに垂直な直線Lbに線対称な直線L2'よりも板幅方向外側から板幅方向中央側へ向けてライン照明17を配置する必要がある。これは、ライン照明17を図中実線で示す位置に配置した場合、図6(b)に示すように、カメラ16によって撮像した画像中、ライン照明17の端部が金属めっき板1の板エッジ位置1aよりも板幅方向中央側に映し出されることとなり、金属めっき板1の板エッジ位置1aを検出することができないためである。
そのため、本実施例では平板状で湾曲していない状態の金属めっき板1の板エッジ1Aによって反射される正反射光をカメラ16によって撮像することができる位置よりもさらに板幅方向外側までライン照明17を配置するものとする。これにより、金属めっき板1の板エッジ1Aがライン照明17から離反する方向に湾曲していたとしても、金属めっき板1の板エッジ1Aによって反射される正反射光をカメラ16によって確実に撮像することができる。
また、画像処理部18は、カメラ16によって撮影された図6(a)に示すような画像の情報に基づいて金属めっき板1の板エッジ位置1aを求める。すなわち、カメラ16によって撮影した画像には、板エッジ位置1aが、ライン照明17の光が途切れる位置として現れる。画像処理部18は、この画像中のライン照明17の光が途切れる位置を既知の手法により実座標に変換することで、金属めっき板1の板エッジ位置1aを求める。
なお、例えば図7に示すように、金属めっき板1の板厚方向の位置がずれると、実際には板幅方向Wの板エッジ位置1aが同一であったとしても、金属めっき板1の板厚方向の位置によって板エッジ位置1aの画像上の位置が変化する。
図8(a)に図7に実線で示すように金属めっき板1がカメラ16から距離dの位置にある場合に取得した画像例、図8(b)に図7に一点鎖線で示すように金属めっき板1がカメラ16から距離d’(d’>d)の位置にある場合に取得した画像例を示す。図8(a)に示す画像上の板エッジ位置1aに対し、図8(b)に示す画像上の板エッジ位置1aは、板幅方向Wの中央側に移動して見える。このように金属めっき板1の板厚方向の位置にずれが生じると、金属めっき板1とカメラ16との位置関係によっては画像処理部18によって求める板エッジ位置1aの検出結果に誤差が生じる場合がある。なお、図8中に示すAは、ライン照明17の正反射光である。
そのため本実施例では、カメラ16と金属めっき板1との板厚方向の距離が計測誤差に影響を及ぼすことを防止するため、制振装置14の変位センサ14bから金属めっき板1の板厚方向の位置を取得し、画像処理部18において画像から求めた板エッジ位置1aの検出結果の補正を行う。
以上に説明した本実施例に係る溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置及び板エッジ検出方法によれば、金属めっき板1の表面で鏡面反射されるライン照明17の正反射光をカメラ16によって撮像した画像から、金属めっき板1の板エッジ位置1aを検出することが可能となる。
ここで、金属めっき板1は鏡面状態となっており散乱光が極めて少ないため、カメラ16によって撮像した画像には金属めっき板1によるライン照明17の正反射光が鮮明に映し出される。すなわち、画像中、金属めっき板1部分にはライン照明17の反射光が強い信号(明るい信号)として映し出され、背景部分にはライン照明17の反射光が映し出されたとしても弱い信号(暗い信号)となるため、金属めっき板1部分と背景部分の相違が明確になる。これにより、高性能の発光素子や受光素子を用いることなく、入手しやすい安価な光源及び受光部を用いて金属めっき板1の板エッジ位置1aを検出することが可能になる。
また、金属めっき板1に対して、同一面側にカメラ16及びライン照明17を配置するため、これらに接続される電線やこれらを支持する支持部材の配置が簡便且つ安価となり、さらに、後付工事やメンテナンスが容易になる。
さらに加えて、金属めっき板1の板エッジ位置1aを高精度に検出することができるため、検出した板エッジ位置1aの情報を制御上有用な情報として利用することができる。
例えば、特開2015-218345号公報に開示されているようなワイピング装置15のワイピングノズルの気流吹き出しを適切な幅で行うよう制御することが可能になる。
また、例えば特許第5632596号公報に開示されているような電磁石14aを利用した制振装置14の位置を高精度に金属めっき板1の板エッジ1Aの位置に移動させるよう制御することが可能になる。また、板幅変更や板の蛇行に対応して制振装置14の電磁石14aの位置を確実に板エッジ1Aに追従させることができる。これにより、金属めっき板1の板反りが低減し、均一なめっき厚にすることが可能となる。
また、ワイピング装置15において表裏のワイピング用ガスが衝突することにより板エッジ1Aのめっき厚が厚くなったり(板エッジスプラッシュ)、表裏のワイピング用ガスが衝突することにより騒音が発生したりすることを防止するために、例えば特許第5552415号公報に開示されているように、金属めっき板1の板エッジ1Aにバッフルプレートや可変幅マスクを追従させる手法が公知となっている。本実施例では、このような場合にバッフルプレートや可変幅マスクによるガス噴出し領域の境界位置制御を高精度に行うことが可能となり、板エッジスプラッシュや騒音の発生を低減することができる。
また、金属めっき板1とワイピング装置15のノズルとの間の距離を小さくすることができ、これによりワイピング能力が向上し、均一な薄金属めっき板を高ライン速度で製造できることとなり、生産性の向上及びコストダウンにもつながる。
また、上方に引き上げられ移動している金属めっき板1は、設備の運転状態や金属めっき板1自体の状態によって、板厚方向の位置がわずかにずれることがある。このようなずれを考慮しない状態で、左右のカメラ16によって撮影した画像の情報のみで板エッジ位置1aを特定すると、実際よりも左右方向に僅かにずれた位置を板エッジ位置1aとして出力することが考えられる。これに対し、本実施例では変位センサ14bにより検出される金属めっき板1の板厚方向の位置情報に基づいて板エッジ位置1aを補正することにより、より正確な板エッジ位置1aを取得することができる。更に、本実施例のように、制振装置14として電磁石14aと変位センサ14bとを組み合わせた装置がすでに設けてある設備では、その制振装置14の変位センサ14bからの位置情報に基づいて、金属めっき板1のエッジの位置情報を補正することができるなど、本実施例の溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置は、既存の設備に後付けしやすいという利点もある。
なお、板厚方向位置検出手段としては、上述した変位センサ14bに限らず、レーザ変位計、超音波変位計などの非接触で金属めっき板1の板厚方向の位置を検出することが可能な変位計を用いることができる。
また、金属めっき板1全体が板厚方向や板幅方向Wにずれること以外に、金属めっき板1が板厚方向に傾斜をもったり、湾曲したりする場合がある。本実施例では金属めっき板1の板エッジ1A部分が傾斜したり曲がったりすることを想定して、ライン照明17の端部の位置を、金属めっき板1が平板状であり湾曲していない場合にライン照明17の端部の正反射光がちょうど板エッジ1Aにより反射されてカメラ16に入射する位置(図4参照)に対し、さらに板幅方向外側まで配置する構成としている。これにより、金属めっき板1のエッジ部分に傾斜や湾曲がない場合も、傾斜や湾曲が多少ある場合も、確実に金属めっき板1の板エッジ位置1aを検出することができる。
なお、受光部及び光源としては、上述したカメラ16、ライン照明17に限定されるものではなく、例えば、受光部は汎用的なカメラ、光源は蛍光灯や冷陰極管とするなど、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。ライン照明17として照度の高い照明機器を用いれば、カメラ16の露光時間が短くて済み、高速で移動する金属めっき板1により好適に対応することができる。
図9および図10を用いて本発明の実施例2に係る溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置及び板エッジ検出方法について説明する。
本実施例に係る溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置及び板エッジ検出方法は、板厚方向位置検出手段として、実施例1の変位センサ14bに代えて、図9に示すように、ライン照明17とカメラ16とを上下方向に所定距離Hだけ離間して配置するものである。
図10(a)に、図9に実線で示す位置に金属めっき板1がある場合に取得される画像の例、図10(b)に、図9に一点鎖線で示す位置に金属めっき板1がある場合に取得される画像の例を示す。図10(a)及び図10(b)に示すように、金属めっき板1のカメラ16からの距離に応じて画像中に映し出されるライン照明17の正反射光Aの高さは変化する。
このことを利用して、本実施例では画像処理部18において、ライン照明17とカメラ16との距離H、及び、カメラ16によって撮影した画像中におけるライン照明17の正反射光の高さ位置から金属めっき板1の板厚方向の位置を算出し、算出した位置に基づいて画像から求めた板エッジ位置1aの検出結果の補正を行う。
その他の構成は実施例1において説明したものと概ね同様であり、実施例1と重複する説明は省略する。
このように構成される本実施例に係る溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置及び板エッジ検出方法によれば、実施例1に係る発明に比較して、受光部として、左右方向だけでなく、上下方向の情報も得られるカメラ16を採用し、カメラ16とライン照明17とを上下方向で所定距離Hだけ異なる位置に配置することにより、金属めっき板1からの正反射光が、金属めっき板1のカメラ1からの距離に応じて画像中(カメラ16の視野内)で上下にずれることを利用して、カメラ16とは別に板厚方向検出手段を設けることなく、金属めっき板1の幅方向の位置情報に加えて板厚方向の位置情報をも取得することが可能になる。
図11および図12を用いて本発明の実施例3に係る溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置及び板エッジ検出方法について詳細を説明する。
図11に示すように、本実施例に係る溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置は、実施例1の変位センサ14bに代えて、板厚方向位置検出手段として金属めっき板1の板幅方向両側の各板エッジ1Aに対し、一台目のカメラ16に加えて二台目のカメラ19を設けるものである。
具体的には、二台目のカメラ19は一台目のカメラ16と同一のものとし、本実施例ではこれら二台のカメラ16,19を、板幅方向Wに沿って、金属めっき板1の板幅の変更や金属めっき板1の蛇行によって生じる板エッジ1Aの変動範囲wの両端に対応する位置に設置する。カメラ16,19は同一の高さで、当該カメラ16,19の光軸が平板状で湾曲していない状態の金属めっき板1の板表面に直交するように配設される。このようにカメラ16,19の光軸を金属めっき板1の板表面に直交させれば、板幅方向Wのセンサ分解能を向上させることができる。
そして、画像処理部18において、既知の手法であるステレオ法を用いてカメラ16,19によってそれぞれ撮影した図12(a),図12(b)に示す画像の情報に基づき、板エッジ位置1a及び板厚方向の位置を検出する。なお、図12中に示すAは、ライン照明17の正反射光である。
すなわち、本実施例では、二台のカメラ16,19により金属めっき板1の板エッジ1Aを同時に撮影し、既知のステレオ法を用いて金属めっき板1の板厚方向の位置と板エッジ位置1aとを同時に計測することにより、金属めっき板1の板厚方向の位置の変位による板エッジ位置1aの誤差を低減する。
その他の構成は実施例1において説明したものと概ね同様であり、実施例1と重複する説明は省略する。
このように構成される本実施例に係る溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置及び板エッジ検出方法によれば、受光部としてカメラ16,19を金属めっき板1の各エッジ部分に対して板幅方向Wに沿って二台設けたので、いわゆるステレオ法に基づいて、金属めっき板1の板厚方向の位置情報を取得できる。
また、仮に一台のカメラ16又は19が故障した場合でも、金属めっき板1の板厚方向のずれに基づく補正はできなくなるものの、大きなずれが生じていない限り、緊急対応として、残りの一台のカメラ19又は16だけでも、一定レベルの精度での金属めっき板1の板エッジ位置1aの情報を得ることができる。なお、画像処理部18は、金属めっき板1が板厚方向にずれがないことを前提とした場合に、それぞれのカメラ16,19の位置ごとに決まる条件で処理を行う。
本発明は、溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置及び板エッジ検出方法に適用することができる。
1 金属めっき板
1A 板エッジ
1a 板エッジ位置
1’ 鋼板
11 溶融金属めっき浴(溶融金属槽)
12 シンクロール
13 溶融金属
14 制振装置
14a 電磁石
14b 変位センサ(板厚方向位置検出手段)
15 ワイピング装置
16,19 カメラ(受光部)
17 ライン照明(光源)
18 画像処理部(解析部)

Claims (7)

  1. 溶融金属槽から引き上げられた鋼板の板エッジ位置を検出する溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置であって、
    前記鋼板の板幅方向に沿って延び、前記鋼板に対向配置される光源と、
    前記鋼板に対して前記光源と同一側に配置され、前記鋼板の少なくとも板エッジを含む領域によって鏡面反射される前記光源の正反射光を受光する受光部と、
    前記受光部により受光した情報に基づき前記鋼板により鏡面反射される前記光源の正反射光が途切れる位置を前記鋼板のエッジ位置として特定する解析部と
    を備える
    ことを特徴とする溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置。
  2. 前記鋼板の板厚方向の位置を検出する板厚方向位置検出手段を備え、
    前記解析部が、前記板厚方向位置検出手段から取得した鋼板の板厚方向の位置に基づいて、鋼板の幅方向の板エッジ位置を補正する
    ことを特徴とする請求項1記載の溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置。
  3. 前記板厚方向位置検出手段が、前記鋼板の走行領域を挟んで対向配置され、前記鋼板の制振を行う電磁石を有する制振装置に設けられた変位センサである
    ことを特徴とする請求項2記載の溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置。
  4. 前記板厚方向位置検出手段が、上下に異なる位置に配置された前記光源と前記受光部とであり、
    前記受光部が前記光源の正反射光の上下方向の位置情報を取得可能であり、
    前記解析部が、前記光源と前記受光部との位置関係および前記受光部によって取得した前記光源の正反射光の上下方向の位置に基づいて前記鋼板の板エッジ位置を求める
    ことを特徴とする請求項2記載の溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置。
  5. 前記板厚方向位置検出手段が、前記鋼板の板エッジ位置を挟んで板幅方向に沿って設けられた二台の前記受光部であり、
    前記解析部が、二台の前記受光部の位置関係および二台の前記受光部により受光した情報に基づいてそれぞれ取得した前記鋼板の板エッジ位置からステレオ法により前記鋼板の板厚方向の位置を検出する
    ことを特徴とする請求項2記載の溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置。
  6. 前記光源が、前記鋼板が平板状である場合に前記受光部に前記鋼板のエッジによって反射される前記光源の正反射光が入射する位置を含みさらに前記鋼板の幅方向外側まで延設されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の溶融金属めっき設備の板エッジ検出装置。
  7. 溶融金属槽から引き上げられた鋼板の板エッジ位置を検出する溶融金属めっき設備の板エッジ検出方法であって、
    前記鋼板の板幅方向に沿って延び、前記鋼板に対向配置される光源と、前記鋼板に対して前記光源と同一側に対向されて前記鋼板の少なくとも板エッジを含む領域によって鏡面反射される前記光源の正反射光を受光する受光部とを設け、
    前記受光部により受光した情報に基づき前記鋼板により鏡面反射される前記光源の正反射光が途切れる位置を前記鋼板のエッジ位置として特定する
    ことを特徴とする溶融金属めっき設備の板エッジ検出方法。
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