JP2000065756A - 表面検査装置 - Google Patents

表面検査装置

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JP2000065756A
JP2000065756A JP10238739A JP23873998A JP2000065756A JP 2000065756 A JP2000065756 A JP 2000065756A JP 10238739 A JP10238739 A JP 10238739A JP 23873998 A JP23873998 A JP 23873998A JP 2000065756 A JP2000065756 A JP 2000065756A
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努 河村
Hiroyuki Sugiura
寛幸 杉浦
Mitsuaki Uesugi
満昭 上杉
Seiji Yoshikawa
省二 吉川
Masakazu Inomata
雅一 猪股
Yoshiro Yamada
善郎 山田
Takahiko Oshige
貴彦 大重
Hajime Tanaka
一 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被検査面における表面の割れや捩れやめくれ上
がりのような顕著な凹凸性を持たない模様状ヘゲ欠陥を
確実に検出して、高精度に欠陥を検出する。 【解決手段】信号処理部31は0度,45度,−45度
になるように配置されたリニアアレイカメラ23からの
出力画像信号をシェーディング補正して正常部が全階長
の中心濃度になるように正規化して平坦化し、正常部に
対する相対的な変化を示す画像信号に変換する。この正
常部に対する相対的な変化を示す3種類の光強度信号の
分布の変化極性と変化量とをそれぞれあらかじめ定めた
パターンと比較して偏光の変化を検出する。この3種類
の光強度信号の正常部に対する変化極性と変化量の大小
から表面の物性が母材と異なる疵の疵種を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば薄鋼板表面
等の非検査面に光を照射して被検査面の表面疵を光学的
に検出する表面疵検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】薄鋼板表面等の被検査面に光を照射して
この被検査面からの反射光を解析することによって、被
検査面に存在する表面疵を光学的に検出する表面疵検査
は従来からの種々の手法が提唱され実施されている。
【0003】例えば、被検体表面に対して光を入射し、
被検体表面からの正反射光及び拡散反射光をカメラで検
出する金属物体の表面探傷方法が特開昭58−2043
53号公報に提案されている。この表面探傷方法におい
ては、被検体表面に対し35度〜75度の角度で光を入
射し、被検体表面からの反射光を、正反射方向と入射方
向又は正反射方向から20度以内の角度方向に設置した
2台のカメラで受光する。この2台のカメラの受光信号
を比較し、例えば両者の論理和を取る。そして、2台の
カメラが同時に異常値を検出した場合のみ該当異常値を
傷とみなすことにより、ノイズに影響されない表面探傷
方法を実現している。
【0004】また、被検体からの後方散乱光を受光する
ことによる被検体表面の疵検査方法が特開昭60−22
8943号公報に提案されている。この疵検査方法にお
いては、ステンレス鋼板に対して大きな入射角で光を入
射し、入射側へ戻る反射光すなわち後方散乱光を検出す
ることにより、ステンレス鋼板表面のヘゲ疵を検出して
いる。
【0005】さらに、複数の後方散乱反射光を検出する
ことによる平鋼熱間探傷装置が特開平8−178867
号公報に提案されている。この平鋼熱間探傷装置は熱間
圧延された平鋼上の掻疵を検出する。この探傷装置にお
いては、掻疵の疵斜面角度は10度〜40度であり、こ
の範囲の疵斜面からの正反射光を全てカバーできるよう
に後方拡散反射方向に複数台のカメラが配設されてい
る。
【0006】また、偏光を利用した表面の測定装置が特
開昭57−166533号公報及び特開平9−1665
52号公報に提案されている。特開昭57−16653
3号公報に提案された測定装置においては、測定対象に
45度方向の偏向を入射し偏光カメラで反射光を受光し
ている。偏光カメラにおいては、反射光をカメラ内部の
ビームスプリッタを用いて3つに分岐し、それぞれ異な
る方位角の偏光フィルタを通して受光する。そして、偏
光カメラから3本の信号をカラーTVシステムと同様の
信号処理によりモニタに表示し、偏光状態を可視化する
技術が開示している。この技術はエリプソメトリの技術
を利用しており、光源は平行光であることが望ましく、
例えばレーザ光が用いられている。
【0007】また、特開平9−166552号公報に提
案された表面検査装置においては、特開昭57−166
533号公報に記載の技術と同様に、エリプソメトリを
利用して鋼板表面の疵を検査している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た各公開公報に提案された各測定技術は、いずれも顕著
な凹凸性を持つ疵を検出するか、又は酸化膜等異物が存
在する疵を検出することを目的としたものであり、顕著
な凹凸性を持たない模様状ヘゲ欠陥等に対しては全ての
疵を確実に捕捉することが困難であった。
【0009】例えば、特開昭58−204353号公報
に記載の探傷方法においては、正反射光と散乱反射光を
受光する2台のカメラを有しているが、その目的は2つ
のカメラにおける検出信号の論理和によるノイズの影響
除去である。したがって、顕著な凹凸性を有する疵、す
なわち表面に割れや抉れやめくれ上がりを生じているよ
うな疵に対しては両方のカメラで疵の信号が捉えられる
ので適用可能である。しかし、いずれか一方のカメラで
しか疵の信号を捕らえられないような顕著な凹凸性を持
たない模様状ヘゲ欠陥のような疵の場合は、その疵を全
て検出することはできない。
【0010】また、特開昭60−228943号公報の
表面状態検査方法は、表面粗さの小さいステンレス鋼板
状に顕在化した持ち上がったヘゲ疵を対象としている。
したがって、顕在化していない持ち上がった部分のない
疵や、疵の存在しない部分も入射側へ戻る光を反射する
ような表面の粗い鋼板に適用することはできない。
【0011】特開平8−178867号公報の平鋼熱間
探傷装置は、掻き疵を対象にしており、疵斜面での正反
射光を捉えることに基づいているため、顕著な凹凸性を
持たない模様状ヘゲのような疵の場合には後方散乱反射
光では捉えられないものも存在し、検出もれを生ずる問
題点があった。また、一度カメラを設置し、どの角度の
反射成分を受光するかが決定されると、容易にカメラ位
置を変更できない問題もあった。
【0012】さらに、特開昭57−166533号公報
の測定装置や特開平9−166552号公報の表面検査
装置は、エリプソメトリの技術を用いており、薄い透明
な層の厚さ及び屈折率や物性値のむらを検出することは
できる。しかしながら、例えば表面処理鋼板のように、
もともと疵部が母材部と異なる物性値を有していたとし
ても、その上から同一の物性値を有するものに覆われた
ような対象に対しては、有効性が低下してしまう問題が
あった。
【0013】また、エリプソメトリでは同一点からの反
射光を各CCDの対応する画素で受光し、画素毎にエリ
プソパラメータを計算する必要がある。そのため特開昭
57−166533号公報においては反射光をビームス
プリッタにより3分岐して3つのCCDにより検出して
おり、光量が低下したり、CCD間の画素合わせが困難
であるという問題があった。
【0014】また、特開平7−28633号公報では、
3台のカメラを鋼板進行方向に並べたり、縦または横に
並べたり、3台のカメラの傾きを変えたりして、同一領
域を見るようにしている。しかし、鋼板の速度が変化し
たときの処理が複雑である問題があった。また、各カメ
ラの角度が異なるため光学条件が同一にならない。その
ため、画素合わせが困難である問題があった。
【0015】さらに、特開昭58−204353号公報
や特開平8−178867号公報では複数台のカメラの
光軸が共通ではなく出射角が異なるため、得られる2つ
の画像の対応する画素の視野サイズが異なるほか、被検
査面のバタツキや対象の厚さ変動による距離変化がある
と視野に位置ずれを生じるという問題があった。特に特
開昭58−204353号公報では2つのカメラで同じ
視野に対する論理和をとることが要求されるため問題は
大きかった。
【0016】製品の品質検査ラインに組み込まれる表面
検査装置においては、製造製品に対する品質保証の観点
から、疵の検出もれがないことが絶対条件である。しか
しながら、表面処理鋼板等まで検査対象とした表面疵検
査装置は実用化されていなかった。
【0017】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであり、被検査面からの反射光に含まれる鏡面
反射成分と鏡面拡散反射成分とを区別して検出すること
によって被検査面における表面の割れや捩れやめくれ上
がりのような顕著な凹凸性を持たない模様状ヘゲ欠陥を
確実に検出でき、高い欠陥検出精度を発揮でき、製品の
品質検査ラインにも十分組み込むことができる表面検査
装置を提供することを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明に係る表面検査
装置は、投光部と受光部と信号処理部とを有し、投光部
は被検査面に偏光を入射し、受光部は少なくとも3方向
の異なる角度の偏光を受光する複数の受光光学系を有
し、被検査面で反射した反射光を検出して画像信号に変
換し、信号処理部は各受光光学系から出力された光強度
分布を被検査面の地肌正常部の光強度があらかじめ定め
た基準値となるように規格化し、光強度変化量から疵を
抽出し、疵領域における規格化した複数の光強度の変化
極性と閾値を上回る光強度変化量の積分値とをあらかじ
め定めたパターンと比較し疵種を判定し、各受光光学系
から出力された光強度分布のうち疵部において閾値を上
回る光強度変化量の積分値の最大値を演算し、演算した
値により疵の等級を判定することを特徴とする。
【0019】第2の発明に係る表面検査装置は、投光部
と受光部と信号処理部とを有し、投光部は被検査面に偏
光を入射し、受光部は少なくとも3方向の異なる角度の
偏光を受光する複数の受光光学系を有し、被検査面で反
射した反射光を検出して画像信号に変換し、信号処理部
は各受光光学系から出力された光強度分布を被検査面の
地肌正常部の光強度があらかじめ定めた基準値となるよ
うに規格化し、光強度変化量から疵を抽出し、疵領域に
おける規格化した複数の光強度の変化極性と閾値を上回
る光強度変化量の積分値とをあらかじめ定めたパターン
と比較し疵種を判定し、各受光光学系から出力された光
強度分布のうち各画素の絶対値の最大値と閾値を上回る
光強度変化量の積分値の最大値を演算し、演算した値に
より疵の等級を判定することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】まず、本発明の表面疵検査装置が
検査対象とする鋼板表面の光学的反射の形態を鋼板表面
のミクロな凹凸形状と関連づけて説明する。例えば、検
査対象が合金化亜鉛メッキ鋼板の場合においては、図1
(a)に示すように、下地の冷延鋼板は溶融亜鉛メッキ
されたのち合金化炉を通過する。この間に下地鋼板1の
鉄元素がメッキ層2の亜鉛中に拡散し、通常、図1
(c)に示すように合金の柱状結晶3を形成する。この
メッキされた鋼板4は次にロール5a,5bで調質圧延
される。すると、図1(d)に示すように、柱状結晶3
における特に突出した箇所がロール5a,5bで平坦に
つぶされ、それ以外の箇所は元の柱結晶3の形状を維持
したままとなる。この調質圧延のロール5a,5bにて
平坦につぶされた部分をテンパ部6と呼び、それ以外の
調質圧延のロール5a,5bが当接しない元の凹凸形状
を残した部分を非テンパ部7と称する。
【0021】図2は、このようなテンパ部6と非テンパ
部7とを有する鋼板4の表面でどのような光学的反射が
生じるかをモデル化した断面模式図である。この鋼板4
の表面(被検査面)はミクロ的に見ると種々の方向を向
いた無数の微小面素13で構成されている。調質圧延の
ロール5a,5bによりつぶされたテンパ部6に入射し
た入射光8は、鋼板4の正反射方向に鏡面的に反射して
鏡面反射光9となる。一方、調質圧延ロール5a,5b
が当接しない元の柱状結晶3の構造を残す非テンパ部7
に入射した入射光8は、ミクロに見れば柱状結晶3の各
表面の微小面素一つ一つにより鏡面的に反射されるが、
反射の方向は鋼板4の正反射方向とは必ずしも一致しな
い鏡面拡散反射光10となる。したがって、鋼板4の表
面におけるテンパ部6及び非テンパ部7の各反射光の角
度分布は、マクロに見ればそれぞれ図3(a),図3
(b)のようになる。すなわち、テンパ部6では鋼板正
反射方向に鋭い鏡面性の反射が発生し、非テンパ部7で
は柱状結晶3の表面の微小面素の角度分布に対応した広
がりを持った反射光となる。前述したように、テンパ部
6の反射光を鏡面反射光9と称し、非テンパ部7の反射
光を鏡面拡散反射光10と称する。そして、テンパ部6
と非テンパ部7はマクロ的には混在しているので、カメ
ラ等の光学測定器で観察される反射光の角度分布は、図
3(c)に示すように、鏡面反射光9及び鏡面拡散反射
光10の角度分布をテンパ部6と非テンパ部7とのそれ
ぞれの面積率に応じて加算したものとなる。
【0022】以上、テンパ部6と非テンパ部7とを合金
化亜鉛メッキ鋼板を例にして説明したが、調質圧延によ
り平坦部が生じる他の鋼板にも一般に成り立つ。
【0023】次に、本発明の検出対象となる顕著な凹凸
性を持たない模様状ヘゲ欠陥と呼ばれる欠陥の光学反射
特性について説明する。図4に示すように、合金化溶融
亜鉛メッキ鋼板に見られるヘゲ欠陥(ヘゲ部)11は、
メッキ加工前の冷延鋼板原板にヘゲ欠陥が存在し、その
上にメッキ層2が乗り、さらに下地鋼板1の鉄元素の拡
散によりるヘゲ欠陥の合金化が進行したものである。
【0024】一般に、ヘゲ部11は鋼板4の正常部分を
示す母材12と比較して、例えばメッキ厚に違いが生じ
たり、合金化の程度に違いが生じる。その結果、例え
ば、ヘゲ部11のメッキ厚が厚く母材12に対し凸の場
合には、調質圧延が印加されることによりテンパ部6の
面積が非テンパ部7に比べて多くなる。逆に、ヘゲ部1
1のメッキ厚が薄く母材12に比べ凹の場合には、ヘゲ
部11は調質圧延のロール5a,5bが当接せず、非テ
ンパ部7が大半を占める。また、ヘゲ部11の合金化が
浅い場合には微小面素の角度分布は鋼板方線方向に強
く、拡散性は小さくなる。
【0025】次に、このようなヘゲ部11と母材部12
の表面性状の相違により、模様状ヘゲ欠陥がどのように
見えるかを説明する。上述したモデルに基づきヘゲ部1
1と母材部12の違いについて分類すると一般に次の3
種類に分けられる。
【0026】(a)ヘゲ部11におけるテンパ部6の面
積率及び非テンパ部7の微小面素の角度分布が、母材部
12におけるテンパ部6の面積率及び非テンパ部7の微
小面素の角度分布と異なる(図6(a)、図5
(a))。
【0027】(b)ヘゲ部11におけるテンパ部6の面
積率は母材部12におけるテンパ部6の面積率と異なる
が、ヘゲ部11の非テンパ部7の微小面素の角度分布は
母材部12における非テンパ部7の微小面素の角度分布
と変わらない(図6(b)、図5(b))。
【0028】(c)ヘゲ部11における非テンパ部7の
微小面素の角度分布は母材部12の非テンパ部7の微小
面素の角度分布と異なるが、ヘゲ部11におけるテンパ
部6の面積率は母材部12におけるテンパ部6の面積率
と変わらない(図6(c)、図5(c))。
【0029】図7に示すように、入射光8が当接する微
小面素13の法線方向の鋼板4の鋼板法線方向に対する
傾斜角度を微小面素13の法線角度ξとし、この法線角
度ξとテンパ部6の面積率S(ξ)との関係を、上述し
た(a),(b),(c)の3つの場合について、図6
(a),(b),(c)に示す。
【0030】このテンパ部6の面積率S(ξ)及び微小
面素13の角度分布の違いが、図5(a),(b),
(c)に示すような反射光量の角度分布の違いとして観
察される。図中実線で示す角度分布がヘゲ部11に対応
するヘゲ部角度分布11aであり、点線で示す角度分布
が母材部12に対応する母材部角度分布12aである。
【0031】すなわち、図5(a)はヘゲ部角度分布1
1aと母材部角度分布12aとの間において、鏡面反射
成分と鏡面拡散反射成分とが共に差が存在する場合を示
し、図5(b)は鏡面反射成分のみに差が存在する場合
を示し、図5(c)は鏡面拡散反射成分のみに差が存在
する場合を示す。そして、ヘゲ部角度分布11aと母材
部角度分布12aとでテンパ部6の面積率S(ξ)に相
違がある場合には、図5(a),(b)に示すように、
その差は正反射方向から観察される。具体的には、正反
射方向からヘゲ部11の反射光を測定した場合と母材部
12の反射光を測定した場合に、ヘゲ部11のテンパ部
6の面積率S(ξ)が母材部12のテンパ部6の面積率
S(ξ)より大きい場合にはヘゲ部11は母材部12に
比較して相対的に明るく見える。逆に、ヘゲ部11のテ
ンパ率6が母材部12より小さいときにはヘゲ部11は
母材部12に比較して相対的に暗く観察される。
【0032】ヘゲ部角度分布11aと母材部角度分布1
2aでテンパ部6の面積率S(ξ)に違いがない場合に
は図5(c)に示すように、正反射方向からの単なる受
光強度の差を観察するのみではヘゲ部11の存在を観察
できない。しかし、鏡面拡散反射成分の拡散性(角度分
布)に違いがあるときには図5(c)に示すように正反
射方向以外の拡散方向から欠陥が観察される。
【0033】例えば、ヘゲ部11の鏡面拡散反射成分の
拡散性(角度分布)が小さいときには、一般に正反射方
向に比較的近い拡散方向からヘゲ部11は明るく観察さ
れ、正反射方向から離れるに従い明るさは小さくなり、
ある角度で観察不能となる。さらに正反射方向から遠ざ
かると今度はヘゲ部11は暗く観察される。
【0034】このようなヘゲ部11を母材部12と確実
に区別して検出するためには、図6において、どういう
角度(法線角度ξ)の微小面素13からの反射光を抽出
するのかを検討することが必要である。例えば、図5
(a),(b)の例のように、正反射方向でヘゲ部11
と母材部12の違いを検出するということは、図6で示
される微小面素13の角度分布のうち微小面素13の法
線角度ξ=0について抽出し、ヘゲ部11と母材部12
との違いを検出していることになる。
【0035】ここで、微小面素13の法線角度ξ=0の
反射光を抽出するということを数学的に表現すると、図
6の特性(面積率S(ξ))それぞれに、図8(a)に
示すデルタ関数δ(ξ)で表される抽出特性を示す関数
(以後、この関数を重み関数Ι(ξ)と呼ぶ)を乗じて
積分することに相当する。
【0036】また、例えば、入射角60度において、正
反射方向から20度ずれた40度の角度位置で反射光を
測定することは、図8(b)のようなデルタ関数δ(ξ
+10)なる重み関数Ι(ξ)を用いて計算することに
相当する。
【0037】なお、図7に示すように、反射角度θ度と
微小面素13の法線角度ξと入射光8の入射角度θとの
関係は簡単な幾何学的考察によって(1)式で求まる。 θ度=−θ+2ξ (1) すなわち、どういう角度(法線角度ξ)の微小面素13
からの反射光を抽出するかということは、どのような重
み関数Ι(ξ)を設計するかということに相当すること
が理解できる。
【0038】このような観点から、図6(a),
(b),(c)で表されるような各ヘゲ部11を母材部
12と弁別して検出するための重み関数I(ξ)を考え
ると、図8(a),(b)に示すデルタ関数δ(ξ),
δ(ξ+10)も有効な重み関数I(ξ)の一つであ
る。なお、重み関数Ι(ξ)は、必ずしも図8に示した
特定の法線角度のみを抽出する幅が無限小のデルタ関数
δ(ξ)である必要はなく、ある程度の信号幅を有する
ことも可能である。
【0039】しかしながら、このような弁別手法におい
ては、2つの光学系の視野を同一にすることはできな
い。また、拡散反射光を測定するために一旦カメラを設
置すると、その重み関数Ι(ξ)を変更することは、カ
メラの設置位置を変更することが必要であるから容易で
はない。
【0040】前者の課題に対しては同一光軸上の測定が
必要ある。すなわち、拡散反射光を捉えるのでなく、鋼
板4の正反射方向からの測定のみで鏡面反射成分と鏡面
拡散反射成分との両成分を捉えることが望ましい。そし
て、後者の課題に対しては、重み関数Ι(ξ)をある程
度自由度を持って設定できることが望ましい。
【0041】そこで、本発明においては、まず光源とし
て、レーザのような平行光源ではなく拡散特性を持つ線
状の光源、すなわち線状拡散光源を用いている。また、
鋼板4の正反射方向から鏡面反射成分と鏡面拡散反射成
分とを分離して抽出する必要があるので偏光を用いてい
る。この線状拡散光源の効果を説明するために、図9
(a),(b)に示すように線状拡散光源14を鋼板4
の表面に平行に配置し、光源に垂直な面内にあり、入射
角が出射角と一致する方向である鋼板正反射方向から鋼
板4上の一点を観察したときの反射特性を考える。
【0042】図9(a)に示すように、線状拡散光源1
4の中央部から照射された入射光8の場合、テンパ部6
に入射した入射光8は鏡面的に反射されて、鋼板正反射
方向で全て捉えられる。一方、非テンパ部7に入射した
光は鏡面拡散的に反射され、たまたま鋼板法線方向と同
一方向を向いている微小面素13により反射された分の
みが捉えられる。このような方向を向いている微小面素
13は非常に少ないので、鋼板正反射方向に配設された
受光カメラで捉えられる反射光のうちではテンパ部6か
らの鏡面反射光が支配的である。
【0043】これに対し、図9(b)に示すように、線
状拡散光源14の中央部位外の位置から照射された入射
光8の場合には、テンパ部6に入射した光は鏡面反射し
て鋼板正反射方向とは異なる方向へ反射する。そのた
め、鏡面反射した光は鋼板正反射方向では捉えることが
できない。一方、非テンパ部7に入射した光は鏡面拡散
的に反射され、そのうち鋼板正反射方向に反射された分
が受光カメラで捉えられる。したがって、鋼板正反射方
向に配設された受光カメラで捉えられる反射光は全て非
テンパ部7で反射した鏡面拡散反射光である。
【0044】以上2つの場合を併せると、線上拡散光源
14の長尺方向全体から照射される全ての入射光8のう
ち鋼板正反射方向からの観察で捉えられるのは、テンパ
部6からの鏡面反射光と非テンパ部7からの鏡面拡散反
射光との和である。
【0045】次に、鋼板4の正反射方向から線状拡散光
源14を使用して観察した場合に、偏光特性がどう変化
するかについて説明する。一般に、鏡面状の金属表面で
の反射においては、電界の方向が入射面に平行な光(p
偏光)あるいは入射面に直角な光(s偏光)において
は、反射によっても偏光特性は保存される。すなわち、
p偏光のまま又はs偏光のまま出射する。また、p偏光
成分とs偏光成分とを同時に持つ任意の偏光角を有した
直線偏光が反射されると、p、s偏光の反射率非tan
Ψ及び位相差△に応じた楕円偏光となって出射する。
【0046】合金化亜鉛メッキ鋼板に線状拡散光源14
から光が照射される場合を図10(a),(b)を用い
て説明する。図10(a)に示すように、線状拡散光源
14の中央部から出射した光は鋼板4のテンパ部6で鏡
面反射して鋼板正反射方向で観察される。これに関して
は上記一般の鏡面状の金属表面での反射がそのまま成立
する。
【0047】一方、図10(b)に示すように、線状拡
散光源14の中央部位外の位置から出射した光は、鋼板
4の非テンパ部7の結晶表面の傾いた微小面素13で鏡
面反射して鋼板正反射方向で観察される。この場合、鋼
板4の入射面に平行なp偏光の光を入射したとしても実
際に反射する傾いた微小面素13に対して考えた場合に
は入射面は微小面素13に対して平行ではなく、p,s
両偏光成分を持つ直線偏光であるため、楕円偏光となっ
て出射する。線状拡散光源14からs偏光を入射した場
合も同様である。
【0048】また、線状拡散光源14からp,s両偏光
成分を持つ任意の偏光角αの直線偏光が鋼板4に入射し
た場合、線状拡散光源14の中央部以外の位置から傾い
た微小面素13に入射した光は偏光角αが傾いて作用す
るため、鋼板正反射方向に出射する楕円偏光の形状は、
線上拡散光源14の中央部から入射してテンパ部6で鏡
面反射した光とは異なる。
【0049】以下、p,s両性分を持つ直線偏光を線状
拡散光源14から鋼板4に入射する場合について詳細に
検証する。まず、図11に示すように、線状拡散光源1
4からの入射光8を方位角(偏光角)αを有する偏光板
15で直線偏光にした後、水平に配置された鋼板4に入
射させ、その正反射光を受光カメラ16で受光する、前
述したように、線状拡散光源14上のC点から出射され
た入射光8については、鋼板4におけるテンパ部6によ
り鏡面反射された成分、及び、非テンパ部7におけるた
またま法線が鋼板4の鉛直方向を向いた法線角度ξ=0
の微小面素13から鏡面拡散反射された成分が鋼板4上
の0点から受光カメラ16方向へ反射する光に寄与して
いる。
【0050】一方、図12に示すように、線状拡散光源
14上の鋼板4のO点から見て角度φだけずれた点Aか
らの入射光8については、鏡面反射成分は受光カメラ1
6方向とは異なる方向に反射されるため、前述した法線
角度ξの微小面素13による鏡面拡散反射成分のみが寄
与する。
【0051】ここで、入射光8の入射方向を示す角度φ
と微小面素13の法線角度ξとの関係は、入射光8の鋼
板4に対する入射角度θを用いて、間簡単な幾何学的考
察により、(2)式で与えられる。
【0052】
【数1】
【0053】次に、このようにして反射された光の偏光
状態について考える。C点から出射された入射光8が、
方位角(偏光角)αの偏光板15を通り、鋼板4上のO
点にて鏡面反射された後の偏光状態Ecは、偏光光学で
一般に用いられるジョーンズ行列を用いて、 Ec=T・Ein (3) と表される。但し、Einは偏光板15の方位角(偏光
角)αの直角偏光ベクトルを示し、Tは鋼板4の反射特
性行列を示す。そして、直線偏光ベクトルEinと反射
特性行列Tは、p,s偏光の振幅反射率比をtanΨ、
p,s偏光の反射率の位相差を△、s偏光の振幅反射率
をrsとすると、それぞれ(4),(5)式で与えられ
る。
【0054】
【数2】
【0055】同様に、線状拡散光源14上のA点から出
射した入射光8が法線角度ξの微小画素13で受光器1
6の方向に反射された光の偏光状態Eaは入射面が偏光
板15及び受光カメラ16の検光子と直交しているとす
ると(6)式で与えられる。(6)式においてRは回転
行列であり、(7)式で与えられる。
【0056】
【数3】
【0057】(3)式は、(6)式において微小面素1
3の法線角度ξ=0とした特別の場合であり、鏡面反射
成分についても鏡面拡散反射成分についても(6)式を
用いて統一的に考えることができる。(6)式を計算
し、法線角度ξの微小面素13からの反射光の楕円偏光
状態を図示すると、図13に示すようになる。ここで入
射偏光の方位角(偏光角)αは45度、入射角θは60
度、鋼板4の反射特性としてp,s偏光の振幅反射率比
の逆正接Ψ=28度、p,s偏光の反射率の位相差△=
120度とした、図13より、法線角度ξ=0すなわち
鏡面反射の場合の楕円に対して法線角度ξの値が変化す
るに従って、楕円が傾いていくのが理解できる。したが
って、例えば受光カメラ16の前に検光子17を挿入
し、その検光角βを設定することによって、どの法線角
度ξの微小面素13からの反射光をより多く抽出するか
を選択することができる。
【0058】このことを定量化するために、図12に示
すように、(3)式で表される偏光状態Eaの反射光に
対して検光角βの検光子17を挿入した後における偏光
状態Eoを求めると(8)式となる。
【0059】
【数4】
【0060】(8)式においてAは検光子17を表す行
列であり、(9)式で表される。
【0061】
【数5】
【0062】次に、この(8)式から受光カメラ16で
検出する法線角度ξの微小面素13からの反射光の光強
度を求める。前述したように、該当微小面素13の面積
率をS(ξ)とすると、下記(10)式が成立する。
【0063】
【数6】
【0064】上式におけるΙ(ξ,β)は、前述したよ
うに、法線角度ξの微小面素13からの反射光をどの程
度抽出できるかを示す重み関数であり、光学系及び被検
体の偏光特性に依存する。そして、それに鋼板4の反射
率rs2 と入射光光量Ep2と面積率S(ξ)を乗じた
ものが検出される光強度になる。
【0065】表面処理鋼板などのように、鋼板表面の材
質が均一な対象を考える場合は反射率rs2 の値は一定
と考えられる。また、入射光光量Ep2 は入射光量が光
源の位置によらず均一ならば同じく一定の値としてよ
い。したがって受光カメラ16が検出する光強度を求め
るには、法線角度ξの微小面素13の面積率S(ξ)と
重み関数Ι(ξ,β)とを考えればよい。
【0066】ここで、重み関数Ι(ξ,β)について考
える。法線角度ξの微小面素13からの寄与が最も大き
くなるような検光子17の検光角βoを選定しようとし
た場合、その候補は次の(11)式をβについて解くこ
とによって与えられる。
【0067】
【数7】
【0068】(11)式により、法線角度ξ=0、すな
わち鏡面反射成分の寄与が最も大きくなるような検光角
βを求めると、検光角βは約−45度である。但し、こ
こでも、鋼板4の反射特性として前述した反射率比の逆
正接Ψ=28度、位相差△=120度を採用し、線状拡
散光源14からの入射光8に対する偏光板15の方位角
(偏光角)α=45度を採用した。
【0069】図14に、検光子17の検光角βが−45
度の場合における微小面素13の法線角度ξと重み関数
Ι(ξ,−45)との関係を示す。但し、見やすさのた
めに重み関数Ι(ξ,−45)の最大値を[1]に規格
化してある。図14の特性から、法線角度ξ=0度、す
なわち鏡面反射成分が最も支配的で、逆に法線角度ξ=
±35度付近の微小面素13からの鏡面拡散反射光が最
も抽出されないことが理解できる。
【0070】また、に法線角度ξ=±35°の反射光を
最もよく抽出するような検光子17の検光角βを(1
0)式と(11)式より求めると、およそβ=45度で
ある。検光子17の検光角β=45度に対する微小面素
13の法線角度ξと重み関数Ι(ξ,45)の関係を図
15に示す。ここで、図15の重み関数Ι(ξ,β)の
特性が左右対称でないのは、入射面(微小面素13に対
する入射光8と反射光により張られる平面)を基準に考
えると、微小面素13の法線角度ξが正の場合、見かけ
上入射光8の偏光の方位角(偏光角)αが小さくなる
(p偏光に近づく)ことと、鋼板4のp偏光反射率がs
偏光反射率より小さいことによる。
【0071】また、検光子17の検光角β=−45度と
45度の中間の特性となるβ=0度及び90度について
も計算した重み関数Ι(ξ,0),Ι(ξ,β)も図1
5に示した。Ι(ξ,0)は−50度付近にピークがあ
るが、測定対象の面積率によりξ=15度付近の影響が
最も大きい場合が多い。(10)式で示したように、法
線角度ξの微小面素13からの反射光強度は、重み関数
Ι(ξ,β)と面積率S(ξ)の積により与えられるか
ら、最終的に受光カメラ16で受光する光強度は[S
(ξ)・Ι(ξ,β)]を法線角度ξについて積分した
ものになる。例えば、図16に示すような反射特性を有
する鋼板4からの反射光を、検光角βが−45度の検光
子17を通して受光した場合、図16で示される面積率
S(ξ)を図14に示す重み関数Ι(ξ,β)で示され
る重みをつけて積分したものが実際に受光した光強度と
なる。
【0072】そこで、鋼板4の表面に、図5(a),
(b),(c)に示されるような特性のヘゲ部11が存
在した場合を考える。その場合の各面積率S(ξ)は、
それぞれ図6(a),(b),(c)のようになってい
る。
【0073】まず図5(b),図6(b)のように鏡面
反射成分のみに違いがある場合を考える。このような疵
を検光角β=−45度の検光子17を通して受光したと
きの光強度は、図6(b)に示す面積率S(ξ)に図1
4で表される重み関数I(ξ,β)をかけて積分したも
のに相当するから、母材部12とヘゲ部11との反射光
量の違いを検出することができる。
【0074】また同一疵を検光角β=45度の検光子1
7を通して受光したときの光強度については、図6
(b)に示すように、鏡面拡散反射成分に違いがないた
め、図15の検光角β=45度の重み関数Ι(ξ,β)
をかけて積分することを考えると明らかなように、母材
部12とヘゲ部11との違いを検出することができな
い。
【0075】また、図5(c),図6(c)のように鏡
面拡散反射成分のみに違いがある場合には、逆に検光角
β=−45度の検光子17を通したのでは検出できず、
検光角β=45度の度検光子17を通したときに検出で
きる。但し、母材部12とヘゲ部11の鏡面拡散反射成
分の違いがなくなっている法線角度ξは、図6(c)で
は法線角度ξ=±20度付近であったが、もし、その角
度がたまたま±30数度付近となる疵があると、検光角
β=45度の検光子17を通しても検出できなくなる。
その場合は、別の重み関数例えばΙ(ξ,90)となる
ような検光角β(例えば90°)の検光子17をもう一
つ別に用意し、3番目の受光カメラ16で受光するよう
にすればよい。
【0076】一般に、鋼板4の表面の母材部12及びヘ
ゲ部11の反射特性は図5(a),(b),(c)のい
ずれかであるので、ヘゲ部11の見落しをなくすために
は、3つの異なる検光角βの検光子17を用い、対応す
る3つの法線角度ξの微小面素13からの反射光を抽出
して受光するようにすることが必要である。また、図5
(a),図6(a)のように鏡面反射成分、鏡面拡散反
射成分ともの違いがある場合には、基本的には、例えば
−45度と+45度のいずれの検光子17を通した反射
光でも母材部12とヘゲ部11との違いを検出できる。
したがって、本発明では線状拡散光源14を用い、第1
の受光手段で被検査面からの正反射光に含まれる鏡面反
射成分と鏡面拡散反射成分のうち、鏡面拡散反射成分に
比較して鏡面反射成分をより多く抽出し受光し、第2の
受光手段で被検査面からの正反射光に含まれる鏡面反射
成分と鏡面拡散反射成分のうち、鏡面反射成分に比較し
て鏡面拡散反射成分をより多く抽出している。
【0077】そこで、例えば被検査面からの正反射光の
みを受光する第1、第2の受光手段にてでも、図5
(a),(b),(c)に示す鋼板4の表面の各反射特
性におけるヘゲ部11の存在を母材部12との比較にお
いて確実に検出できる。
【0078】このような光学系により、正反射方向から
の共通な光軸での測定であるため、鋼板距離変動や速度
変化に影響されることなく、鏡面反射・鏡面拡散反射そ
れぞれに対応した2つの信号を得ることが可能になり、
顕著な凹凸性を持たない模様状ヘゲ疵を検出もれを生じ
ることなく検出可能な表面疵検査装置を実現できる。
【0079】そこで、この発明においては、被検査面に
対して一定入射角で被検査面の幅方向全体に偏光を入射
するように投光部を配置し、被検査面からの反射光を受
光する受光部を所定の位置に配置する。受光部は入射し
た光を例えば3本のビームに分離するビームスプリッタ
と、分離した3本のビームを別々に入射して画像信号を
出力する例えばCCDセンサを有する3組のリニアアレ
イカメラと、ビームスプリッタと各リニアアレイカメラ
の間に設けられ、非検査面からの反射光を異なる振動面
の偏光にする検光子とが設けられている。3個の検光子
はそれぞれ異なる方位角、すなわち透過軸が被検査面の
入射面となす角が、例えば、0度,45度,−45度に
なるように配置されている。
【0080】信号処理部は各リニアアレイカメラからの
出力画像信号をシェーディング補正して正常部が全階調
の中心濃度になるように正規化して平坦化し、正常部に
対する相対的な変化を示す光強度信号に変換する。この
正常部に対する相対的な変化を示す3種類の光強度信号
の分布の変化極性と変化量とをそれぞれあらかじめ定め
たパターンと比較して偏光の変化を検出する。この3種
類の光強度信号の正常部に対する変化極性と変化量の大
小から表面の物性が母材と異なる疵の疵種を判定する。
【0081】また、信号処理部は上記処理とともに各受
光光学系から出力された光強度分布から光量変化の画素
の絶対値のピーク値と基準値を上回る光量の絶対値の積
分値を演算し、各受光光学系のピーク値と光量積分値の
最大値から疵種毎にあらかじめ定めたパターンと比較
し、例えば凹凸状の疵のように正常部と表面幾何学形状
が異なる疵の等級を判定する。
【0082】
【実施例】図17はこの発明の一実施例の光学系を示す
配置図である。図に示すように、光学系21は投光部2
2と3板式偏光リニアアレイカメラ23を有する。投光
部22は被検査体、例えば鋼板4の表面に一定の入射角
で偏光を入射するものであり、光源24と光源24の前
面に設けられた偏光子25とを有する。光源24は鋼板
4の幅方向に伸びた棒状発光光源及びシリンドリカルレ
ンズからなり、鋼板4の幅方向全体に一様な強度分布を
有する光を照射する。偏光子25は例えば偏光板又は偏
光フィルタからなり、図18の配置説明図に示すよう
に、透過軸Pが鋼板4の入射面となす角αが45度にな
るように配置されている。3板式偏光リニアアレイカメ
ラ23は、図18の構成図に示すように、ビームスプリ
ッタ26と3個の検光子27a,27b,27cと3個
のリニアアレイセンサ28a,28b,28cとを有す
る。ビームスプリッタ26は3個のプリズムからなり、
入射面に誘電体多層膜を蒸着した半透過性を有する反射
面が2面設けられ、鋼板4からの反射光を入射する第1
の反射面26aは透過率と反射率が約2対1の割合にな
っており、第1の反射面26aを透過した光を入射する
第2の反射面26bは透過率と反射率が1対1の割合に
なっており、鋼板4からの反射光を同じ光量の3本のビ
ームに分離する。また、ビームスプリッタ26の入射面
から分離した3本のビームの出射面までの光路長は同じ
にしてある。検光子25aは第2の反射面26bの透過
光の光路に設けられ、図18に示すように、方位角すな
わち透過軸が鋼板4の入射面となす角βが0度になるよ
うに配置され、検光子27bは第2の反射面26bの反
射光の光路に設けられ、方位角βが45度になるように
配置され、検光子27cは第1の反射面26aの反射光
の光路に設けられ、方位角βが−45度になるように配
置されている。リニアアレイセンサ28a,28b,2
8cは例えばCCDセンサからなり、それぞれ検光子2
7a,27b,27cの後段に配置されている。また、
ビームスプリッタ26と検光子27a,27b,27c
の間にはビームスプリッタ26内の多重反射光や不必要
な散乱光をカットするスリット29a,29b,29c
が設けられ、ビームスプリッタ26の前段にはレンズ群
30が設けられている。また、リニアアレイセンサ28
a,28b,28cは同じ光強度の光が入射したときに
同じ信号を出力するように利得が調整してある。
【0083】このように入射した光を分離した3本のビ
ームの光路に検光子27a〜27cとリニアアレイセン
サ28a〜28cが一体化して設けられているから、リ
ニアアレイセンサ28a〜28c等を鋼板4の搬送路近
傍に配置して鋼板4からの反射光を検出するときに、リ
ニアアレイセンサ28a〜28c等の位置調整を必要と
しないとともに鋼板4の同じ位置からの反射光を同じタ
イミングで検出することができる。また、3板式偏光リ
ニアアレイカメラ23内に3組のリニアアレイセンサ2
8a〜28cがまとまって収納されて小型化しているか
ら、3板式偏光リニアアレイカメラ23を鋼板4の反射
光の光路に簡単に配置することができるとともに配置位
置を任意に選択することができ、光学系1の配置の自由
度を向上することができる。
【0084】3板式偏光リニアアレイカメラ23のリニ
アアレイセンサ28a〜28cは、図20のブロック図
に示すように信号処理部31に接続されている。信号処
理部31は信号前処理部32a,32b,32cとメモ
リ33a,33b,33cと疵パラメータ演算部34と
パターン記憶部35と光量記憶部36と基準パターン記
憶部37と疵種判定部38と等級パターン記憶部39と
疵等級判定部40及び出力部41を有する。信号前処理
部32a〜32cはリニアアレイセンサ28a〜28c
から出力された偏光の光強度信号I1,I2,I3の幅
方向等の感度むら等を補正するシェーディング補正等を
行ってから正常部の信号を基準レベルとして、正常部の
信号が255階調の中心濃度である128階調になるよ
うに正規化して、正規化した光強度信号I1,I2,I
3をそれぞれメモリ33a〜33cに格納する。疵パラ
メータ演算部34は、メモリ33a〜33cに格納され
た光強度信号I1,I2,I3の分布に表れた疵部の各
点を正常部の値である128階調を基準にして予め定め
られた閾値を越える変化点について、変化点の最初の幅
方向アドレスA1s1,A2s1,A3s1と変化点の
最後の幅方向アドレスA1e1,A2e1,A3s1を
求め、最初の幅方向アドレスA1s1,A2s1,A3
s1のうちで最初のアドレスをAs1、最後の幅方向ア
ドレスA1e1,A2e1,A3s1の最後のアドレス
をAe1とする。その後、最初のアドレスAs1と最後
のアドレスAe1の間にある信号について閾値を越える
各点について基準値「128」を「0」としたときの濃
度積算値I1s1,I2s1,I3s1と疵ピーク値I
1p1,I2p1,I3p1を求める。疵パラメータ演
算部34は繰り返してスキャンしているリニアアレイセ
ンサ28a〜28cの次回の出力についても同様の演算
を行い、次回の変化点の幅方向アドレスAs2、Ae2
が前回の変化点の幅方向アドレスAs1、Ae1と重な
るアドレスがあった場合、前回の濃度積算値I1s1,
I2s1,I3s1に今回の濃度積算値I1s2,I2
s2,I3s2を加算し、連結濃度積算値Is1,Is
2,ls3を求める。また、前回の疵ピーク値I1p
1,I2p1,I3p1を上回る疵ピーク値があった場
合、前回の疵ピーク値を更新し、新たな疵ピーク値I1
p,I2p,I3pとする。これをライン出力ごとに疵
信号の幅方向アドレスが重なることがなくなるまで繰り
返し、重なる幅方向アドレスがなくなったとき、疵パラ
メータ演算部34は一つの疵の測定が完了したものとみ
なし、これまでに求めた連結濃度積算値Is1,Is
2,Is3と疵ピーク値I1p,I2p,I3pより極
性パターンIppと変化量を示す値パターンVppを算
出するとともに疵部の等級を判定をするための最大濃度
積算値IsMaxと最大疵ピーク値Ipeakを演算
し、パターン記憶部35と光量記憶部36に各特徴量を
出力する。パターン記憶部35は算出された極性パター
ンIppと値パターンVppを記憶し、光量記憶部36
は算出された最大濃度積算値IsMaxと最大疵ピーク
値Ipeakを記憶する。基準パターン記憶部37には
各種極性パターンと値パターン及びこれらに対応する疵
種があらかじめ格納されている。疵種判定部38はパタ
ーン記憶部35に記憶された極性パターンIppと値パ
ターンVppとを基準パターン記憶部37に記憶された
各種極性パターンと値パターンと比較して疵種を判定す
る。等級パターン記憶部39には各疵種毎に最大濃度積
算値IsMaxと最大疵ピーク値Ipeakに対する疵
の等級を示す等級基準パターンがあらかじめ格納してあ
る。疵等級判定部40は光量記憶部36に記憶した最大
濃度積算値IsMaxと最大疵ピーク値Ipeakと疵
種判定部38で判定した疵種を等級パターン記憶部39
に記憶してある等級基準パターンと比較して疵の等級を
判定する。出力部41は疵等級判定部40から出力され
る疵種と疵の等級を不図示の表示装置や記録装置に出力
する。
【0085】次に上記のように構成された表面検査装置
で鋼板4の表面を検査する時の動作を説明する。一定速
度で移動している鋼板4に投光部22から出射されて鋼
板4の表面で反射した偏光は3板式偏光リニアアレイカ
メラ23で受光される。3板式偏光リニアアレイカメラ
23に入射した鋼板4の反射光はビームスプリッタ26
で分離され検光子27a〜27cを通ってリニアアレイ
センサ28a〜28cに入射する。このリニアアレイセ
ンサ28a〜28cで反射光の光強度を検出するとき
に、リニアアレイセンサ28a〜28cの前面に異なる
方位角βの検光子27a〜28cが設けられているか
ら、リニアアレイセンサ28a〜28cは異なる偏光の
光強度I1,I2,I3を検出して信号処理部31に送
る。信号処理部31の信号前処理部32a〜32cはリ
ニアアレイセンサ28a〜28cから出力された偏光の
光強度信号I1,I2,I3の幅方向等の感度むら等を
補正するシェーディング補正等を行ってから、例えば図
21の疵信号分布図に示すように、正常部の信号が12
8階調になるように正規化し、正規化した光強度信号I
1,I2,I3をそれぞれメモリ33a〜メモリ33c
に格納する。図21において、(a)は光強度信号I1
の分布を示し、(b)は光強度信号I2の分布、(c)
は光強度信号I3の分布を示し、(A)は1ライン目、
(B)は2ライン目、(C)は3ライン目の光強度信号
の分布を示す。疵パラメータ演算部34はメモリ33a
〜33cに格納された光強度信号I1,I2,I3の分
布に表れた疵部の各点を正常値である128階調を基準
として予め定められた閾値例えば±8階調を越える変化
点より、変化点の最初と最後の幅方向アドレスAs1,
Ae1を求め、基準値「128」を「0」としたときの
最大濃度積算値の極性パターンIppと変化量を示す値
パターンVppを算出する。図21(A)に示す例では
正規化した光強度信号I1,I2,I3の疵部の幅方向
アドレスはA1s1=26、A1e1=31、A2s1
=28、A2e1=31、A3s1=24、A3e1=
29であるため、光強度信号I1,I2,I3の疵部を
まとめてオア処理して、疵部の最初のアドレスAs1=
24とし、最後のアドレスAe1=31とする。正常値
128階調を「0」としたときの光強度信号I1,I
2,I3の積分値I1s1,I2s1,I3s1は(1
02,50,98)となり、疵ピーク値I1p,I2
p,I3pは(22,15,21)となる。図21の
(B)に示す次ラインの出力における疵部のアドレス
は、A1s2=26、A1e2=31、A2s2=2
8、A2e2=29、A3s2=25、A3e2=29
で、疵部の最初のアドレスAs2=25、最後のアドレ
スAe2=31となり、光強度信号I1、I2、I3の
積分値I1s2,I2s2,I3s2は(71,39,
59)となる。疵部のアドレスは前ラインと重なるため
同一疵と見なされ、濃度積算値Is1,Is2,Is3
は(173,89,157)となり、疵ピーク値I1
p,I2p,l3pは(22,17,21)となる。図
21の(C)に示す次ラインの出力では前ラインと重な
る疵アドレスはないため、疵パラメータ演算部35は疵
が終わったものとみなし、1ライン目と2ライン目の結
果から疵パラメータ極性パターンIppと変化量を示す
値パターンVppを演算する。このとき濃度積算値は全
てプラスであるから、極性パターンIppを(+,+,
+)として、光強度信号I1を基準に濃度積算値(Is
1,Is2,Is3)=(173,89,157)を規
格化した値パターンVppは(1.0,0.51,0.
91)、最大濃度積算値IsMaxは「173」、疵ピ
ーク値Ipeakは「22」となり、算出した極性パタ
ーンIpp=(+,+,+)と値パターンVpp=
(1.0,0.51,0.91)をパターン記憶部35
に格納する。また、疵パラメータ演算部34は最大濃度
積算値IsMax=173と最大疵ピーク値Ipeak
=22を光記憶部36に記憶させる。
【0086】基準パターン記憶部37には疵の程度に応
じて複数の疵種に対応する極性パターンと値パターンが
実験で定められて、例えば図22に示すように、基準パ
ターンとして格納してある。図22において、疵種A〜
疵種Lは例えば有害度が低い疵から有害度が高い疵の順
に疵種を示し、疵種A〜疵種Lに対応する極性パターン
と値パターンの基準値を示す。また、等級パターン記憶
部39には疵種A〜疵種Lに応じて最大濃度積算値と最
大疵ピーク値と疵の等級を示す相関をあらかじめ調べ
て、図23に示すように等級判定基準値が格納してあ
る。疵種判定部38はパターン記憶部35に記憶された
極性パターンと値パターン例えば図21に示す例の場
合、極性パターンIpp=(+,+,+)と値パターン
=(1.0,0.51,0.91)と、図22に示す基
準パターン記憶部37に記憶された基準パターンとを比
較して疵種を判定する。例えば図21に示す場合には疵
種Aと判定する。
【0087】一方、疵等級判定部40は光量記憶部36
に記憶した最大濃度積算値IsMaxと最大疵ピーク値
Ipeak及び疵種判定部38で判定した疵種とを等級
パターン記憶部39に疵種A〜疵種Lに応じて記憶して
ある最大濃度積算値とピーク値と比較して疵の等級を判
定する。例えば図23に示すように疵種Aで最大濃度積
算値IsMax=150、最大疵ピーク値Ipeak=
10の場合には疵の等級を「軽」と判定し、最大濃度積
算値IsMax=150、最大疵ピーク値Ipeak=
20の場合には疵の等級を「中」と判定する。疵種Aで
最大濃度積算値IsMax=1200、最大疵ピーク値
Ipeak=35の場合には疵の等級を「重」と判定す
るが、最大疵ピーク値Ipeak=20を越えない場合
は、疵の等級を「中」と判定する。最大濃度積算値Is
Max=3000であれば最大疵ピーク値Ipeakに
関係なく疵の等級を「重」と判定する。疵種Cで最大濃
度積算値IsMax=700、最大疵ピーク値Ipea
k=15の場合には疵の等級を「軽」と判定する。疵種
Cで最大濃度積算値IsMax=400のときは等級判
定により有害な疵とは判定されない。このように最大濃
度積算値IsMaxと最大疵ピーク値Ipeakと疵種
により疵の等級を判定するから、鋼板4の表面に生じた
凹凸のない模様状疵だけでなく凹凸状の疵の程度を精度
よく判別することができる。疵等級判定部40は疵種判
定部38で判定した疵種と判別した疵の等級を出力部4
1に送る。出力部41は疵等級判定部40から出力され
る疵種と疵の等級を表示装置や記録装置に出力する。
【0088】この疵の等級判定を行う疵特徴量として最
大濃度積算値IsMaxと各チャンネルにおける濃度積
算値Is1,Is2,Is3と濃度積算値の和ΣIjを
使用し、等級判定の閾値を最適化したときの等級判定疵
数の結果と目視判定疵数の結果を図24に示す。図24
に示すように、最大濃度積算値IsMaxを使用したと
きに目視判定による軽欠陥と中欠陥及び重欠陥で一致し
た数の合計が最大であり最もよく一致した。また、Is
Max,IS1,Is2,Is3及びΣIjのそれぞれ
の判定に、さらに最大疵ピーク値Ipeakを考慮した
ときの等級判定疵数の結果と目視判定疵数の結果を図2
5に示す。図25に示すように最大疵ピーク値Ipea
kを考慮することにより、目視判定との一致率は更に向
上することが確認できた。
【0089】また、図26(a)の側面図と(b)の上
面図に示す光学系1aを使用しても良い。この光学系1
aの受光部61は、レンズの前に検光角βがそれぞれ−
45度,45度,0度に設定された検光子62a,62
b,62cを有する3台のリニアアレイカメラ63a,
63b,63cから構成されている。そして各リニアア
レイカメラ63a〜63cの各光軸は互いに平行に維持
されている。また、各リニアアレイカメラ63a〜63
cの視野のずれは信号処理部31で補正している。信号
処理部31は、各リニアアレイカメラ63a〜63cか
らの信号毎に2値化,疵候補領域抽出,特徴量演算まで
を行い、各疵候補領域の代表座標を比較することによ
り、各リニアアレイカメラ63a〜63cの疵候補領域
の対応付けを行っている。
【0090】この実施例においても、前記実施例と同様
な結果を得ることができる。また、このように各リニア
アレイカメラ63a〜63cの光軸が互いに平行に維持
されていると、3台のリニアアレイカメラ63a〜63
cの光学条件は全く同一となり、各画素も同一サイズと
なる。また、3台のリニアアレイカメラ63a〜63c
を配置しているので、ビームスプリッタを用いるのに比
べて光量の損失がなくなり、より効率良く測定すること
ができる。また、このような信号処理を行うことによ
り、各CCD間の画素毎の位置合わせを省略することも
可能である。
【0091】
【発明の効果】この発明は以上説明したように、被検査
面に対して一定入射角で偏光を入射し、その反射光の異
なる複数の偏光の光強度分布を検出し、検出した強度分
布を正規化し、正常部に対する疵部の異なる偏光の光強
度信号の変化極性と変化量とを算出し、算出した変化極
性と変化量とをそれぞれあらかじめ定めたパターンと比
較して疵種を判定するようにしたから、簡単な処理で疵
種を迅速に判定することができる。
【0092】また、各受光光学系から出力された光強度
分布から光量変化の積分値及びピーク値の最大値を演算
し、演算した最大濃度積算値と最大疵ピーク値から疵の
等級を判定するから、凹凸のない模様状疵だけでなく凹
凸状の疵の程度を簡単な処理で精度良く判別することが
できる。
【0093】さらに、簡単な処理で迅速に疵種と疵の等
級を判定するから、装置自体の構成を簡略化することが
できるとともに、高速で移動しているシ−ト状製品の表
面にある異常部をオンラインで精度良く検出することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼板表面のミクロな凹凸形状を示す説明図であ
る。
【図2】鋼板表面の光学的反射を示す断面模式図であ
る。
【図3】鋼板表面の反射光の角度分布を示す説明図であ
る。
【図4】ヘゲ欠陥を示す説明図である。
【図5】鋼板表面の反射光量の角度分布の違いを示す説
明図である。
【図6】法線角度をテンパ部の面積率との関係を示す説
明図である。
【図7】微小面素の法線角度を示す説明図である。
【図8】重み関数を示す説明図である。
【図9】線状拡散光源からの光の鋼板表面における反射
特性を示す説明図である。
【図10】線状拡散光源からの光の鋼板表面における反
射を示す説明図である。
【図11】直線偏光を鋼板表面に入射したときの反射光
を示す説明図である。
【図12】直線偏光を鋼板表面に入射したときの反射光
を示す他の説明図である。
【図13】微小面素からの反射光の楕円偏光状態を示す
説明図である。
【図14】微小面素の法線角度と重み関数の関係を示す
説明図である。
【図15】微小面素の法線角度と重み関数の関係を示す
他の説明図である。
【図16】鋼板の反射特性を示す説明図である。
【図17】この発明の実施例の光学系を示す配置図であ
る。
【図18】光学系の動作を示す配置説明図である。
【図19】3板式偏光リニアアレイカメラの構成図であ
る。
【図20】信号処理部の構成を示すブロック図である。
【図21】疵信号を示す光強度分布図である。
【図22】疵種と極性パターンと値パターンの相関を示
す基準パターン図である。
【図23】疵種と疵特徴量と等級の相関を示す基準パタ
ーン図である。
【図24】最大疵ピーク値を考慮せずに濃度積算値によ
る疵の等級判定疵数の結果を示す比較図である。
【図25】最大疵ピーク値を考慮した疵の等級判定疵数
の結果を示す比較図である。
【図26】他の実施例の光学系を示し、(a)は側面
図、(b)は上面図である。
【符号の説明】
4 鋼板 21 光学系 22 投光部 23 3板式偏光リニアアレイカメラ 24 光源 25 偏光子 26 ビームスプリッタ 27 検光子 28 リニアアレイセンサ 31 信号処理部 32 前処理部 33 メモリ 24 疵パラメータ演算部 35 パターン記憶部 36 光量記憶部 37 基準パターン記憶部 38 疵種判定部 39 等級パターン記憶部 40 疵等級判定部 41 出力部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉浦 寛幸 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 上杉 満昭 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 吉川 省二 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 猪股 雅一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 山田 善郎 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 大重 貴彦 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 田中 一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 2G051 AA37 AB07 BA11 BA20 BB01 BB07 BB09 BB20 CA03 CA07 CB01 CC07 CC20 DA06 EA09 EA11 EA12 EA14 EA16 EA23 EB01 EC01 EC02 EC03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 投光部と受光部と信号処理部とを有し、
    投光部は被検査面に偏光を入射し、受光部は少なくとも
    3方向の異なる角度の偏光を受光する複数の受光光学系
    を有し、被検査面で反射した反射光を検出して画像信号
    に変換し、信号処理部は各受光光学系から出力された光
    強度分布を被検査面の地肌正常部の光強度があらかじめ
    定めた基準値となるように規格化し、光強度変化量から
    疵を抽出し、疵領域における規格化した複数の光強度の
    変化極性と閾値を上回る光強度変化量の積分値とをあら
    かじめ定めたパターンと比較し疵種を判定し、各受光光
    学系から出力された光強度分布のうち疵部において閾値
    を上回る光強度変化量の積分値の最大値を演算し、演算
    した値により疵の等級を判定することを特徴とする表面
    検査装置。
  2. 【請求項2】 投光部と受光部と信号処理部とを有し、
    投光部は被検査面に偏光を入射し、受光部は少なくとも
    3方向の異なる角度の偏光を受光する複数の受光光学系
    を有し、被検査面で反射した反射光を検出して画像信号
    に変換し、信号処理部は各受光光学系から出力された光
    強度分布を被検査面の地肌正常部の光強度があらかじめ
    定めた基準値となるように規格化し、光強度変化量から
    疵を抽出し、疵領域における規格化した複数の光強度の
    変化極性と閾値を上回る光強度変化量の積分値とをあら
    かじめ定めたパターンと比較し疵種を判定し、各受光光
    学系から出力された光強度分布のうち各画素の絶対値の
    最大値と閾値を上回る光強度変化量の積分値の最大値を
    演算し、演算した値により疵の等級を判定することを特
    徴とする表面検査装置。
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