JPH10176998A - 鋼板への表面欠陥マーキング方法 - Google Patents

鋼板への表面欠陥マーキング方法

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JPH10176998A
JPH10176998A JP8336651A JP33665196A JPH10176998A JP H10176998 A JPH10176998 A JP H10176998A JP 8336651 A JP8336651 A JP 8336651A JP 33665196 A JP33665196 A JP 33665196A JP H10176998 A JPH10176998 A JP H10176998A
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oil
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suction
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JP8336651A
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Akira Takagi
昭 高木
Yasunobu Maekawa
泰伸 前川
Hidekazu Marukawa
英和 丸川
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼板表面に防錆油が塗布されている場合でも
精度よく表面欠陥の検出を行うことができ、しかも、油
性インクによるマーキングが可能な、鋼板への表面欠陥
マーキング方法を提供する。 【解決手段】 表面に防錆油が塗布された鋼板1を、サ
クションリンガーロール13の間に通すことにより、防
錆油がサクションリンガーロール13に吸収されて除去
されると共に、残る防錆油も均一化される。その後、サ
クションリンガーロール13の後面に配置された表面欠
陥検出器3で表面欠陥の検出を行い、検出された表面欠
陥をトラッキングし、表面欠陥検出器3の後面に配置さ
れたマーキング装置12により、油性インクによるマー
キングを施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼板の表面に存在
する欠陥を光学的方法により自動的に検出し、欠陥の存
在する位置に油性インクによるマーキングを施す方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板の表面には、へげ、ガウジ、スリバ
ー、押疵、擦り疵等、製鋼プロセス及び圧延プロセスに
起因する種々の表面欠陥が存在する。これらの表面欠陥
は製品の強度及び表面性状に悪影響を及ぼすので、最終
製品として使用する以前に欠陥のある部分を除去する必
要がある。
【0003】このために、これら表面欠陥を鋼板の精整
ラインにおいて検出して欠陥のある部分にマーキングを
施し、更に後の工程で欠陥部分を除去することが行われ
ている。表面欠陥のうち、へげ、ガウジ、スリバー等は
光を吸収し、押疵、擦り疵等は光を乱反射する。よっ
て、表面欠陥の検出は、この性質を利用して光学的手法
によって行われるのが一般的である。これら表面欠陥を
検出して有疵部にマーキングを施す技術の一例が、特開
平―291138号公報に開示されている。これらの技
術の例を図6に示す。
【0004】図6において、1は薄鋼板、2は巻取りリ
ール、3は表面欠陥検出器であり、投光器4、受光器
5、データ処理装置6等からなるものである。7は欠陥
の表示、記録、マーキング等を制御する制御装置、8は
メジャリングロール、9はメジャリングロール8に結合
されたパルス発信器、10は欠陥の表示装置、11はレ
コーダ、12はマーキング装置である。
【0005】投光器4によりレーザ光等を薄鋼板1の表
面に投光する。薄鋼板1表面で反射された光は受光器5
で受光され、データ処理装置6によって欠陥の検出が行
われる。データ処理の結果は制御装置7に入力されて処
理され、表示装置10によりオペレータに知らされると
共にレコーダ11に記録される。欠陥の信号は、パルス
発信器9からのパルスに同期してトラッキングされ、マ
ーキング装置12により欠陥が存在する部分にマーキン
グが施される。
【0006】鋼板にマーキングを施す方法としては、鋼
板に機械的なマーキング(擦り疵等)を施す方法、顔料
を吹き付ける方法、油性インクを塗布する方法等がある
が、鋼板に余分な疵を付けず、しかも後工程での取り扱
いに問題を生じない方法としては、油性インクを塗布す
る方法がもっとも好ましいと考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鋼板の
表面に防錆油が塗布されている場合には、図6に示され
るような従来技術には以下のような問題点がある。第1
に、防錆油の塗布むらが存在する場合には、これに起因
して受光器5の受光量が変化し、これに起因するノイズ
のために精度の良い欠陥検出ができない。第2に、マー
キングに油性インクを用いる方法では、鋼板表面に存在
する防錆油のためにインクが滲んでしまい、良好なマー
キングができない。
【0008】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたもので、鋼板表面に防錆油が塗布されてい
る場合でも精度よく表面欠陥の検出を行うことができ、
しかも、油性インクによるマーキングが可能な、鋼板へ
の表面欠陥マーキング方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題は、防錆油が表
面に塗布された鋼板の表面欠陥を光学的手法により検出
し、検出された欠陥の存在する部分に油性インクにより
マーキングを施す方法であって、塗布された防錆油をサ
クションリンガーロールにより除去した後、サクション
リンガーロールの後面に配置された表面欠陥検出器で表
面欠陥の検出を行い、検出された表面欠陥をトラッキン
グし、表面欠陥検出器の後面に配置されたマーキング装
置により、油性インクによるマーキングを施すことを特
徴とする鋼板への表面欠陥マーキング方法により解決さ
れる。
【0010】ここに、「サクションリンガーロール」と
は、外周面に貫通孔を有する中空ロールの外周面に油含
浸部材を設けて形成され、中空ロールの中空部を負圧に
することにより、油含浸部材に含浸された油を中空部に
吸引して排出可能なロールのことである。
【0011】鋼板の表面に存在する防錆油は、サクショ
ンリンガーロールの油含浸部材により吸収され、さらに
中空ロールの中空部が負圧となっているため、中空ロー
ルの貫通孔から中空部に入って排出される。よって、サ
クションリンガーロールを通過した後の鋼板の表面に
は、ごく少量の防錆油が均一な状態で塗布されている。
【0012】このような状態で光学的表面欠陥検出器に
よる表面欠陥検出を行えば、防錆油の塗布むらに起因す
るノイズを殆ど無くすることができるので、精度の良い
欠陥検出を行うことができる。また、油性インクによる
マーキングを行っても、インクが滲むことが無く、良好
なマーキングを行うことができる。
【0013】また、マーキング装置の後面で、マーキン
グの有無を検出して報知することにより、オペレータに
マーキングが正確に施されているかどうかを知らせるこ
とができるので、マーキング装置の誤動作による誤マー
キングを検出することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図
1、図2を用いて説明する。これらの図において、図6
と同じ装置には同じ符号を付して説明を省略する。図1
において、13はサクションリンガーロール、14はマ
ーキング装置によって施されたマーキングを検出するセ
ンサ、15はマーキング検出器、16は警報器である。
【0015】図6に示される従来技術の例と図1に示さ
れる本発明の実施の形態との第1の相違点は、図1にお
いては、表面欠陥検出器3の上流側にサクションリンガ
ーロール13が設けられている点である。
【0016】サクションリンガーロール13の詳細構造
を図2に示す。図2において、(a)はロール軸方向断
面図、(b)はロール円周方向断面図を示す。中空ロー
ル20の外周には、不織布からなる油含浸部材21が設
けられ、油含浸部材の外面は円筒状とされている。そし
て、その両端面は、ストッパ27により支持されてい
る。中空ロール20には、中空な内部空間と外部とを導
通させる貫通孔22が円周方向及び軸方向にわたって複
数設けられている。更に中空ロール20は、中心軸部が
ジョイント23に回転自在に嵌合され、ジョイント23
の中心を貫通している吸引口24を通して、ホース25
に接続され、ホース25は真空ポンプ26に接続されて
いる。
【0017】このサクションリンガーロール13により
薄鋼板1を上下から挟圧して薄鋼板1の進行と共に回転
させると、薄鋼板1の表面に付着する防錆油は、油含浸
部材21によって延ばされ、吸収される。真空ポンプに
より中空ロール20の中空部を負圧にすると、油含浸部
材21に吸収された防錆油は、貫通孔22を介して中空
ロール20の中空部に引き込まれ、ホース25、真空ポ
ンプを介して排出される。この結果、薄鋼板1の表面に
は、極薄い防錆油の膜が均一に形成される。
【0018】このような状態の薄鋼板1の表面に投光器
4より光を投光し、反射光を受光器5で受光して、デー
タ処理装置6によりデータ処理し表面欠陥を検出する。
その際、防錆油の膜厚は極薄く、しかも均一に塗布され
ているので、防錆油に起因するノイズは殆ど無い。
【0019】データ処理装置6の出力は制御装置7に送
られ、CRT等の表示装置10に表示されると共に、レ
コーダ11に記録される。一方、欠陥信号は、メジャリ
ングロール8に結合されたパルス発信器9からの出力パ
ルスに同期してトラッキングされ、欠陥が存在する部分
がマーキング装置12の位置に来たときに、マーキング
装置でマーキングがなされる。防錆油の膜厚は極薄いの
で、マーキング装置が油性インクによりマーキングを施
すものであっても、良好にマーキングを行うことができ
る。
【0020】図1に示す実施の形態においては、マーキ
ング装置の下流側に、マーキング検出装置が設けられて
いる。これは、マーキングセンサ14によりマーキング
を検出し、マーキング検出器15で信号処理して警報器
16によりオペレータに警報を発するものである。オペ
レータは、表示装置10又はレコーダ11を監視するこ
とにより表面欠陥が検出されたことを知ることができる
ので、表面欠陥が検出されかつ警報器16からの警報が
無いとき、又は表面欠陥が検出されないのに警報器16
からの警報が発せられたときは、マーキング装置が誤作
動していると判断することができる。
【0021】
【実施例】図3に、サクションリンガーロールによる鋼
板上の油の除去効果の例を示す。図3は、鋼板幅方向に
おける油付着量の相対値を示すものである。サクション
リンガーロールを使用しない場合(図3の点線)には、
油付着量が多く、しかも幅方向で付着量がばらついてい
る。それに対し、サクションリンガーロールを使用した
場合には、油の付着量は1/3以下に減少し、しかも幅
方向で均一に塗布されている。
【0022】図4に、表面欠陥検出器の信号波形の例を
示す。サクションリンガーロールを使用しない場合の波
形である(a) においては、ノイズレベルが高く、欠陥信
号がノイズに埋もれてしまって欠陥が検出できない。こ
れに対し、サクションリンガーロールを使用した場合の
波形である(b) の場合には、ノイズレベルが低くなり、
欠陥の存在が確認できる。
【0023】表1に、防錆油が塗布されている鋼板をサ
クションリンガーロールに通し、その後で表面欠陥検出
を行った場合と、無塗油の鋼板の表面欠陥検出を行った
場合の、欠陥一致率(欠陥名一致率と欠陥グレード一致
率)を示す。ここに、欠陥一致率とは、表面欠陥検出器
による判定結果と人間による目視判定の結果が一致した
割合を示すものである。
【0024】対象品種は、電気亜鉛めっき鋼板と冷延鋼
板(板厚0.25〜3.2mm 、板幅610 〜1880mm)であり、ラ
イン速度は20〜250mpmである。
【0025】
【表1】
【0026】表1によると、冷延鋼板については、サク
ションリンガーロールを使用した場合、欠陥名一致率、
欠陥グレード一致率とも79%である。これは、無塗油の
場合の85%、81%にぞれぞれ及ばないものの、無塗油の
場合に比してそれほどかわらない良好な成績である。
【0027】電気亜鉛メッキ鋼板についても、同様のこ
とがいえる。図5に、サクションリンガーロールを使用
した場合と使用しない場合の、油性インクによるマーキ
ング性能を示す。図5において、縦軸は印字性能を示
し、○はインクのにじみがなく文字がはっきり見えるレ
ベル。△は、インクのにじみが若干あり、文字が変形す
ることがあるもの。×は、インクのにじみがひどく文字
がわからない程度のものを示す。横軸は鋼板の種類を示
す。
【0028】図5によると、サクションリンガーロール
を使用しない場合、各鋼板とも印字性能は△以下であ
り、とくに冷延鋼板とZn−Ni電気亜鉛めっき鋼板につい
ては×である。これに対し、サクションリンガーロール
を使用した場合には、いずれの鋼板ついても、印字性能
は○印であって良好である。
【0029】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、防錆油が塗布された状態でも、鋼板の表面
欠陥を精度よく検出することができ、かつ、油性インク
で確実にマーキングをほどこすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施するための装置の例を示す図で
ある。
【図2】 本発明に使用するサクションリンガーロール
の例を示す図である。
【図3】 サクションリンガーロールによる鋼板上の防
錆油の除去状況の例を示す図である。
【図4】 サクションリンガーロールを使用した場合と
使用しない場合の表面欠陥検出器の信号波形の例を示し
た図である。
【図5】 サクションリンガーロールを使用した場合と
使用しない場合の印字性能を示す図である。
【図6】 従来の表面欠陥検出、マーキング装置の例を
示す図である。
【符号の説明】
1:薄鋼板、2:巻取りリール、3:表面欠陥検出器、
4:投光器、5:受光器、6:データ処理装置、7:制
御装置、8:メジャリングロール、9:パルス発信器、
10:表示装置、11:レコーダ、12:マーキング装
置、13:リンガーロール、14:マーキングセンサ、
15:マーキング検出器、16:警報器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防錆油が表面に塗布された鋼板の表面欠
    陥を光学的手法により検出し、検出された欠陥の存在す
    る部分に油性インクによりマーキングを施す方法であっ
    て、塗布された防錆油をサクションリンガーロールによ
    り除去した後、サクションリンガーロールの後面に配置
    された表面欠陥検出器で表面欠陥の検出を行い、検出さ
    れた表面欠陥をトラッキングし、表面欠陥検出器の後面
    に配置されたマーキング装置により、油性インクによる
    マーキングを施すことを特徴とする鋼板への表面欠陥マ
    ーキング方法。
  2. 【請求項2】 マーキング装置の後面で、マーキングの
    有無を検出して報知することを特徴とする請求項1に記
    載の鋼板への表面欠陥マーキング方法。
JP8336651A 1996-12-17 1996-12-17 鋼板への表面欠陥マーキング方法 Pending JPH10176998A (ja)

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