JPH11295239A - 表面疵検査装置及びその方法 - Google Patents

表面疵検査装置及びその方法

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JPH11295239A
JPH11295239A JP9912898A JP9912898A JPH11295239A JP H11295239 A JPH11295239 A JP H11295239A JP 9912898 A JP9912898 A JP 9912898A JP 9912898 A JP9912898 A JP 9912898A JP H11295239 A JPH11295239 A JP H11295239A
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angle
polarized
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JP9912898A
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English (en)
Inventor
Yoshiro Yamada
善郎 山田
Takahiko Oshige
貴彦 大重
Mitsuaki Uesugi
満昭 上杉
Yuji Matoba
有治 的場
Masakazu Inomata
雅一 猪股
Seiji Yoshikawa
省二 吉川
Tsutomu Kawamura
努 河村
Hiroyuki Sugiura
寛幸 杉浦
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 模様状ヘゲ欠陥を表面ムラに影響されずに検
出する。 【解決手段】 表面にムラを有する被検査面21をp偏
光成分とs偏光成分とを有する照明光で照明する光源2
2と、被検査面からの受光角が、ムラの要因物質のブリ
ュースター角より大きく設定され、照明光の正反射光を
受光する第1の受光手段27と、受光角が、この受光角
と入射角との和が要因物質のブリュースター角の2倍よ
り大きく設定され、照明光の正反射光以外の光を受光す
る第2の受光手段28と、正反射光及び正反射光以外の
光に基づいて被検査面の表面疵の有無を判定する判定処
理部31とを備え、照明光のp偏光成分に対するs偏光
成分の比率αが、被検査面の材質のp偏光反射率Rpと
s偏光反射率Rs、ムラの要因物質のp偏光反射率R’
pとs偏光反射率R’sとの間で、Rp+αRs=R’
p+αR’sの関係を満たす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば薄鋼板表面
等の被検査面に光を照射してこの被検査面の表面疵を光
学的に検出する表面疵検査装置及び表面疵検査方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】薄鋼板表面等の被検査面に光を照射して
この被検査面からの反射光を解析することによって、被
検査面に存在する表面疵を光学的に検出する表面疵検査
は従来から種々の手法が提唱され実施されている。
【0003】例えば、被検体表面に対して光を入射し、
被検体表面からの正反射光及び拡散反射光をカメラで検
出する金属物体の表面探傷方法が特開昭58-204353 号公
報に提案されている。この表面探傷方法においては、被
検体表面に対し35°〜75°の角度で光を入射し、被
検体表面からの反射光を、正反射方向と入射方向又は正
反射方向から20°以内の角度方向に設置した2台のカ
メラで受光する。そして、2台のカメラの受光信号を比
較し、例えば両者の論理和を取る。そして、2台のカメ
ラが同時に異常値を検出した場合のみ該当異常値を傷と
みなすことにより、ノイズに影響されない表面探傷方法
を実現している。
【0004】また、被検体からの後方散乱光を受光する
ことによる被検体表面の疵検査方法が特開昭60-228943
号公報に提案されている。この疵検査方法においては、
ステンレス鋼板に対して大きな入射角で光を入射し、入
射側へ戻る反射光、すなわち後方散乱光を検出すること
により、ステンレス鋼板表面のヘゲ疵を検出している。
【0005】さらに、複数の後方散乱反射光を検出する
ことによる平鋼熱間探傷装置が特開平8-178867号公報に
提案されている。この平鋼熱間探傷装置は熱間圧延され
た平鋼上の掻疵を検出する。そして、この探傷装置にお
いては、掻疵の疵斜面角度は10〜40°であり、この
範囲の疵斜面からの正反射光を全てカバーできるように
後方拡散反射方向に複数台のカメラが配設されている。
【0006】また、偏光を利用した表面の測定装置が特
開昭57-166533 号公報及び特開平9-166552号公報に提案
されている。特開昭57-166533 号公報に提案された測定
装置においては、測定対象に45°方向の偏光を入射し
偏光カメラで反射光を受光している。偏光カメラにおい
ては、反射光をカメラ内部のビームスプリッタを用いて
3つに分岐し、それぞれ異なる方位角の偏光フィルタを
通して受光する。そして、偏光カメラからの3本の信号
を、カラーTVシステムと同様の信号処理により、モニ
タに表示し、偏光状態を可視化する技術が開示してい
る.この技術はエリプソメトリの技術を利用しており、
光源は平行光であることが望ましく、例えばレーザ光が
用いられている。
【0007】また、特開平9-166552号公報に提案された
表面検査装置においては、特開昭57-166533 号公報記載
技術と同様に、エリプソメトリを利用して鋼板表面の疵
を検査している。
【0008】また、表面に塗装されたニスに影響される
ことなく印刷面、塗装面の色を測定する表面検査装置が
特開昭53-23678号公報に提案されている。この表面検査
装置においては、測定物に対する入射光を入射面に平行
な電界を持つp偏光とし、かつ入射光の測定物に対する
入射角を測定物のブリュースター角に設定している。
【0009】入射角がブリュースター角度に設定されて
いる場合、反射光には入射面に平行する偏光成分(p偏
光)は含まれない。したがって、入射光をp偏光とした
場合、反射光はゼロとなる。よって、入射角度をニスの
ブリュースター角に設定することによって、被測定物表
面に塗られたニスの表面での光沢性の反射をなくし、ニ
スの下の塗装面や印刷面の色の違いを検査可能にするも
のである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た各公開公報に提案された各測定技術は、いずれも顕著
な凹凸性を持つ疵を検出するか、又は酸化膜等異物が存
在する疵を検出することを目的としたものであり、顕著
な凹凸性を持たない模様状ヘゲ欠陥等に対しては全ての
疵を確実に捕捉することが困難であった。
【0011】例えば、特開昭58-204353 号公報の探傷方
法においては、正反射光と散乱反射光を受光する2台の
カメラを有しているが、その目的は2つのカメラにおけ
る検出信号の論理和によるノイズの影響除去である。し
たがつて、顕著な凹凸性を有する疵、すなわち表面に割
れ・抉れ・めくれ上がりを生じているような疵に対して
は両方のカメラで疵の信号が捉えられるので適用可能で
ある。しかし、いずれか一方のカメラでしか疵の信号を
捕らえられないような顕著な凹凸性を持たない模様状ヘ
ゲ欠陥のような疵の場合は、その疵を全て検出すること
はできない。
【0012】また、特開昭60-228943 号公報の表面状態
検査方法は、表面粗さの小さいステンレス鋼板上に顕在
化した持ち上がったヘゲ疵を対象としている。したがっ
て、顕在化していない持ち上がった部分のない疵や、疵
の存在しない部分も入射側へ戻る光を反射するような表
面の粗い鋼板に適用することはできない。
【0013】特開平8-178867号公報の平鋼熱間探傷装置
は、掻き疵を対象にしており、疵斜面での正反射光を捉
えることに基づいているため、顕著な凹凸性を持たない
模様状ヘゲのような疵の場合には後方散乱反射光では捉
えられないものも存在し、検出もれを生ずる問題点があ
った。
【0014】さらに、特開昭57-166533 号公報の測定装
置及び特開平9-166552号公報の表面検査装置は、エリプ
ソメトリの技術を用いており、「薄い透明な層の厚さ及
び屈折率」や「物性値のむら」を検出することはでき
る。しかしながら、例えば表面処理鋼板のように、もと
もと疵部が母材部と異なる物性値を有していたとして
も、その上から同一の物性値を有するものに覆われたよ
うな対象に対しては、有効性が低下してしまう問題があ
った。
【0015】また、上述した各従来技術においては、い
ずれも、表面に薄膜が付着し、その膜の有無がムラとな
って観察される検査対象に対しては、ムラを模様状ヘゲ
欠陥として誤って検出してしまう問題点があった。
【0016】表面のムラの存在が外見上重要でなく、か
つムラの程度も小さい場合は、ムラの存在が鋼板性能に
何ら支障を与えることがないので、ムラ自体は無害であ
る。しかし、表面疵検査装置にとっては上述した模様状
ヘゲ欠陥と誤認識するため過検出になる。
【0017】特に、表面塗装が不完全で被検査面の全面
に亘って微細なムラが発生している場合には、ムラの発
生個数も非常に多いため、表面疵検査装置における信号
処理部の処理能力がムラの検出速度に追従できない問題
がある。
【0018】前述した特開昭53-23678号公報の表面検査
装置においては、表面に膜が付着したものを対象として
いるが、反射光を正反射方向の一方向からのみ受光して
いる。したがって、この表面検査装置を、例えば鋼板上
の模様状ヘゲ欠陥のような、顕著な凹凸を持たず、色具
合にほとんど違いがない欠陥の検出に用いた場合におい
ては、全ての欠陥を捉えることはできない。
【0019】製品の品質検査ラインに組込まれる表面検
査装置においては、製造製品に対する品質保証の観点か
ら、疵の検出もれがないことが絶対条件である。しかし
ながら、表面処理鋼板等まで検査対象とした表面疵検査
装置は実用化されていなかった。
【0020】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、照明光のp偏光とs偏光との比率を表面
ムラの原因物質の性質に応じて最適値に設定することに
よって、被検査面からの反射光に含まれる鏡面反射成分
と鏡面拡散反射成分とを精度よく検出でき、被検査面に
おける表面の割れ・抉れ・めくれ上がりのような顕著な
凹凸性を持たない模様状ヘゲ欠陥を、欠陥とはいえない
表面のムラと区別して、確実に検出でき、高い欠陥検出
精度を発揮でき、製品の品質検査ラインにも十分組込む
ことができる表面疵検査装置及び表面疵検査方法を提供
することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記課題を解消するため
に、請求項1の表面疵検査装置においては、表面にムラ
を有する被検査面の所定範囲をp偏光成分とs偏光成分
とを有する照明光で照明する光源と、被検査面からの受
光角が、ムラの要因物質のブリュースター角より大きく
設定され、照明光の正反射光を受光する第1の受光手段
と、被検査面からの受光角が、この受光角と被検査面に
対する光源からの照明光の入射角との和がムラの要因物
質のブリュースター角の2倍より大きく設定され、照明
光の正反射光以外の光を受光する第2の受光手段と、第
1及び第2の受光手段で受光された正反射光及び正反射
光以外の光に基づいて被検査面の表面疵の有無を判定す
る判定処理部とを備えている。
【0022】さらに、照明光のp偏光成分に対するs偏
光成分の比率αを、被検査面の材質のp偏光反射率Rp
とs偏光反射率Rs、ムラの要因物質のp偏光反射率
R’pとs偏光反射率R’sとの間で、Rp+αRs=
R’p+αR’sの関係を満たすように設定している。
【0023】また、請求項2の表面疵検査装置において
は、表面にムラを有する被検査面の所定範囲をp偏光成
分とs偏光成分とを有する照明光で照明する光源と、被
検査面からの受光角が、ムラの要因物質のブリュースタ
ー角より大きく設定され、照明光の正反射光を受光する
第1の受光手段と、被検査面からの受光角が、この受光
角と被検査面に対する光源からの照明光の入射角との和
がムラの要因物質のブリュースター角の2倍より大きく
設定され、照明光の正反射光以外の光を受光する第2の
受光手段と、被検査面からの受光角が第2の受光手段の
受光角と異なる値に設定され、かつこの受光角と被検査
面に対する光源からの照明光の入射角との和がムラの要
因物質のブリュースター角の2倍より大きく設定され、
照明光の正反射光以外の光を受光する第3の受光手段
と、第1、第2及び第3の受光手段で受光された正反射
光及び複数の正反射光以外の光に基づいて被検査面の表
面疵の有無を判定する判定処理部とを備えている。
【0024】さらに、照明光のp偏光成分に対するs偏
光成分の比率αを、被検査面の材質のp偏光反射率Rp
とs偏光反射率Rs、ムラの要因物質のp偏光反射率
R’pとs偏光反射率R’sとの間で、Rp+αRs=
R’p+αR’sの関係を満たすように設定している。
【0025】また、請求項3の表面疵検査装置において
は、表面にムラを有する被検査面の所定範囲を照明光で
照明する光源と、被検査面からの受光角が、ムラの要因
物質のブリュースター角より大きく設定され、照明光の
正反射光の受光する検光子を有する第1の受光手段と、
被検査面からの受光角が、この受光角と被検査面に対す
る光源からの照明光の入射角との和がムラの要因物質の
ブリュースター角の2倍より大きく設定され、照明光の
正反射光以外の光を受光する検光子を有する第2の受光
手段と、第1及び第2の受光手段で受光された正反射光
及び正反射光以外の光に基づいて被検査面の表面疵の有
無を判定する判定処理部とを備えている。
【0026】さらに、各検光子のp偏光成分透過率に対
するs偏光成分透過率の比率αを、被検査面の材質のp
偏光反射率Rpとs偏光反射率Rs、ムラの要因物質の
p偏光反射率R’pとs偏光反射率R’sとの間で、R
p+αRs=R’p+αR’sの関係を満たすように設
定している。
【0027】また、請求項4は、上述した発明の表面疵
検査装置における光源を線状拡散光源で形成している。
さらに、請求項5の表面疵検査方法においては、表面に
ムラを有する被検査面の所定範囲をp偏光成分とs偏光
成分とを有する直線偏光された照明光で照明し、照明光
のp偏光成分に対するs偏光成分の比率αを、被検査面
の材質のp偏光反射率Rpとs偏光反射率Rs、ムラの
要因物質のp偏光反射率R’pとs偏光反射率R’sの
間で、Rp+αRs=R’p+αR’sの関係を満たす
ように設定し、ムラの要因物質のブリュースター角より
大きく設定された受光方向から、照明光の正反射光を受
光し、被検査面に対する照明光の入射角との和がムラの
要因物質のブリュースター角の2倍より大きく設定され
た受光角方向から、照明光の正反射光以外の光を受光
し、受光された正反射光及び正反射光以外の光に基づい
て被検査面の表面疵の有無を判定するようにしている。
【0028】次に、上述した発明の表面疵検査装置及び
表面疵検査方法の動作原理を図面を用いて説明する。ま
ず、本発明の表面疵検査装置が検査対象とする鋼板表面
の光学的反射の形態を鋼板表面のミクロな凹凸形状と関
連づけて説明する。
【0029】例えば、検査対象が合金化亜鉛メッキ鋼板
の場合においては、図8(a)に示すように、下地の冷
延鋼板は溶融亜鉛メッキされたのち合金化炉を通過す
る。この間に下地鋼板1の鉄元素がメッキ層2の亜鉛中
に拡散し、通常、図8(c)に示すように合金の柱状結
晶3を形成する。このメッキされた鋼板4は次にロール
5a,5bで調質圧延される。すると、図8(d)に示
すように、柱状結晶3における特に突出した箇所がロー
ル5a,5bで平坦につぶされ、それ以外の箇所は元の
柱状結晶3の形状を維持したままとなる。
【0030】そして、この調質圧延のロール5a,5b
にて平坦につぶされた部分をテンパ部6と呼び、それ以
外の調質圧延のロール5a,5bが当接しない元の凹凸
形状を残した部分を非テンバ部7と称する。
【0031】図9は、このようなテンパ部6と非テンバ
部7とを有する鋼板4の表面でどのような光学的反射が
生じるかをモデル化した断面模式図である。この鋼板4
の表面(被検査面)はミクロ的に見ると種々の方向を向
いた無数の微小面素13で構成されている。
【0032】調質圧延のロール5a,5bによりつぶさ
れたテンパ部6に入射した入射光8は、テンパ部6の各
微小面素13で鋼板4の正反射方向に鏡面的に反射して
鏡面反射光9となる。一方、調質圧延のロール5a,5
bが当接しない元の柱状結晶3の構造を残す非テンパ部
7に入射した入射光8は、ミクロに見れば柱状結晶3の
各表面の微小面素13一つーつにより鏡面的に反射され
るが、反射の方向は鋼板4の正反射方向とは必ずしも一
致しない鏡面拡散反射光10となる。
【0033】したがって、鋼板4の表面におけるテンパ
部6及び非テンパ部7の各反射光の角度分布は、マクロ
に見ればそれぞれ図10(a)、図10(b)のように
なる。すなわち、テンパ部6では鋼板4の正反射方向に
鋭い鏡面性の反射が発生し、非テンパ部7では柱状結晶
3の表面の微小面素13の角度分布に対応した広がりを
持った反射光となる。前述したように、テンパ部6の反
射光を鏡面反射光9と称し、非テンパ部7の反射光を鏡
面拡散反射光10と称する。
【0034】そして、実際には、テンパ部6と非テンパ
部7はマクロ的には混在しているので、カメラ等の光学
測定器で観察される反射光の角度分布は、図10(c)
に示すように、鏡面反射光9及び鏡面拡散反射光10の
角度分布はテンパ部6と非テンパ部7とのそれぞれの面
積率に応じて加算したものとなる。
【0035】以上、テンパ部6と非テンパ部7とを合金
化亜鉛メッキ鋼板を例に説明したが、調質圧延により平
坦部が生じる他の鋼板にも一般に成立つ。次に、本発明
の検出対象となる顕著な凹凸性を持たない模様状ヘゲ欠
陥と呼ばれる欠陥の光学反射特性について説明する。
【0036】図11に示すように、合金化溶融亜鉛メッ
キ鋼板に見られるヘゲ欠陥(ヘゲ部11)は、メッキ加
工前の冷延鋼板原板にヘゲ欠陥(ヘゲ部11)が存在
し、その上にメッキ層2が乗り、さらに下地鋼板1の鉄
元素の拡散によるヘゲ欠陥の合金化が進行したものであ
る。
【0037】一般に、ヘゲ部11は鋼板4の正常部分を
示す母材12と比較して、例えばメッキ厚に違いが生じ
たり、合金化の程度に違いが生じる。その結果、例え
ば、ヘゲ部11のメッキ厚が厚く母材12に対し凸の場
合には、調質圧延が印加されることによりテンパ部6の
面積が非テンパ部7に比べて多くなる。逆に、ヘゲ部1
1のメッキ厚が薄く母材12に比べ凹の場合には、ヘゲ
部11は調質圧延のロール5a,5bが当接せず、非テ
ンパ部7が大半を占める。また、ヘゲ部11の合金化が
浅い場合には微小面素13の角度分布は鋼板法線方向に
強く、拡散性は小さくなる。
【0038】次に、このようなヘゲ部11と母材部12
の表面性状の相違により、模様状ヘゲ欠陥がどのように
見えるかを説明する。上述したモデルに基づきヘゲ部1
1と母材部12の違いについて分類すると一般的に次の
3種類に分けられる。
【0039】(a) ヘゲ部11におけるテンパ部6の面
積率及び非テンパ部7の微小面素13の角度分布が、母
材部12におけるテンパ部6の面積率及び非テンパ部7
の微小面素13の角度分布と異なる。
【0040】(b) ヘゲ部11におけるテンパ部6の面
積率は母材部12におけるテンパ部6の面積率と異なる
が、ヘゲ部11における非テンパ部7の微小面素13の
角度分布は母材部12における非テンパ部7の微小面素
13の角度分布と変わらない。
【0041】(c) ヘゲ部11における非テンパ部7の
微小面素13の角度分布は母材部12における非テンパ
部7の微小面素13の角度分布と異なるが、ヘゲ部11
におけるテンパ部6の面積率は母材部12におけるテン
パ部6の面積率と変わらない。
【0042】すなわち、図12(a)はヘゲ部11に対
応するヘゲ部角度分布11aと母材部12に対応する母
材部角度分布12aとの間において、鏡面反射成分と鏡
面拡散反射成分とが共に差が存在する場合を示し、図1
2(b)は鏡面反射成分のみに差が存在する場合を示
し、図12(c)は鏡面拡散反射成分のみに差が存在す
る場合を示す。
【0043】そして、ヘゲ部角度分布11aと母材部角
度分布12aとでテンパ部6の面積率に相違がある場合
には、図12(a)(b)に示すように、その差は正反
射方向から観察される。具体的には、正反射方向からヘ
ゲ部11の反射光を測定した場合と母材部12の反射光
を測定した場合に、ヘゲ部11のテンパ部6の面積率が
母材部12のテンパ部6の面積率より大きい場合にはヘ
ゲ部11は母材部12に比較して相対的に明るく見え
る。逆に、ヘゲ部11のテンパ部6が母材部12より小
さいときにはヘゲ部11は母材部12に比較して相対的
に暗く観察される。
【0044】ヘゲ部角度分布11aと母材部角度分布1
2aとでテンパ部6の面積率に違いがない場合には図1
2(c)に示すように、正反射方向からの単なる受光強
度の差を観察するのみではヘゲ部11の存在を観察でき
ない。しかし、鏡面拡散反射成分の拡散性(角度分布)
に違いがあるときには図12(c)に示すように正反射
方向以外の拡散方向から欠陥が観察される。
【0045】例えば、ヘゲ部11の鏡面拡散反射成分の
拡散性(角度分布)が小さい時には、一般に正反射方向
に比較的近い拡散方向からはヘゲ部11は明るく観察さ
れ、正反射方向から離れるに従い明るさは小さくなり、
ある角度で観察不能となる。さらに正反射方向から遠ざ
かると今度はヘゲ部11は暗く観察される。
【0046】この図12(a)(b)(c)で表される
ような各ヘゲ部11を母材部12と区別して確実に検出
するために、反射光のテンパ部6に対応する鏡面反射成
分の光強度のみを検出したのでは、図12(c)で示さ
れるヘゲ部11を母材部12と区別して検出できない。
【0047】このような模様状ヘゲ欠陥を未検出なく検
出するためには、鏡面反射に対応した光量と、鏡面拡散
反射に対応した光量とを独立に得ることが必要である。
ここで、表面ムラの発生過程を説明する。例えば、電気
メッキされる鋼板4においては強酸性のメッキ浴槽を通
過した後、ウェッティングを経て強アルカリの中和浴槽
を通過し、湯洗されることによつて、電気メッキ処理が
終了する。このメッキ処理過程において、鋼板上にてメ
ッキ液又は中和液を残さないための絞りロールの絞り不
良、湯洗の際の洗浄ムラなどによりメッキ液や中和液の
残存があると、その痕が製品の表面にムラとなって観察
される。なお、たとえ電気メッキをしない鋼板4でも上
述の洗浄浴槽を通過する場合、上述したムラが発生す
る。
【0048】鋼板母材の材質は1種類でなく多数の種類
があり、また、表面ムラは、薬液の残存膜、母材と薬液
による反応生成膜、母材の酸化膜など各種の膜状に起因
して発生している。そして、表面ムラの形状も帯状、線
状、水玉状など多様である。これら各種のムラの存在が
模様状ヘゲ欠陥を検出する受光器で検出されないことが
必要である。
【0049】次に、鋼板表面に薄い膜が存在する場合の
光学的な反射特性について説明する。図13(a)は鋼
板4の表面に透明の膜14が存在する場合における、テ
ンパ部6と非テンパ部7が形成された場合に、鋼板4の
表面でどのような光学的反射が生じるかをモデル化した
断面模式図である。
【0050】例えば、合金化亜鉛鍍金鋼板の表面に薄い
膜14が生成された場合を考える。膜14の厚さは10
nm程度と凹凸形状と比較して十分に薄いため、図13
(a)に示すように、調質圧延ロール5a,5bで平坦
化されたテンパ部6と、調質圧延ロール5a,5bが当
接せずに結晶構造が残る非テンパ部7のどちらにも均一
に膜14が生成していると考えられる。
【0051】したがって、鋼板4の正反射方向からの観
察ではテンパ部6で、また、それ以外の方向からの観察
では非テンパ部7のたまたま正反射方向が観察方向と一
致した微小面素13で、図13(b)の拡大図に示すよ
うに、空気/膜14の界面と膜14/鋼板4の界面との
多重反射が生じる。
【0052】次に、膜14による多重反射の偏光特性に
ついて説明する。入射光8を鋼板4へ入射した場合にお
ける反射光の正反射方向への反射率rの入射角φに対す
る依存性を図14(a)(b)及び図15(a)(b)
に示す。但し、鋼板4は合金化亜鉛鍍金鋼板を用いて測
定した。図14(a)(b)は光が入射する場合の屈折
率が1.50である膜14が鋼板4の表面に塗装され、
図15(a)(b)は屈折率が2.75である膜14が
鋼板4の表面に塗装されている場合を示す。
【0053】図14(b),図15(b)に示すよう
に、入射光8をs偏光とした場合には反射率rは入射角
φに対して単調増加関係を有するので、膜14なしと、
10nmの膜14が生成した場合とを比較すると、膜1
4なしの方が全体に反射率rが増加する。
【0054】これに対して、図14(a),図15
(a)に示すように、入射光8をp偏光とした場合に
は、膜14なしの場合、入射角φ=0から入射角φ=7
0°〜75゜近傍までの角度範囲においては、増加に伴
って低下する。そして、入射角φ=70°〜75゜を越
えると、反射率rは急激に増加する。
【0055】また、膜14ありの場合、入射角φ=0か
ら入射角φ=70°〜75゜近傍までの角度範囲におい
ては、反射率rは入射角φにあまり依存しなくて、ほぼ
一定値を維持する。そして、入射角φ=70°〜75゜
を越えると、反射率rは増加する。そして、膜14なし
の反射率特性と膜14ありの反射率特性は入射角φ=5
0°〜60°近傍で交差する。
【0056】すなわち、図13(a)に示すように、鋼
板4上に膜14が生成され、図13(b)に示すよう
に、多重反射が生じると、入射角φが小さい(法線方向
に近い)ときは膜ありの方が膜なしより反射率rが低く
なり、入射角φが大きいときには膜ありの方が膜なしよ
り反射率rは高くなる。そして、入射角φ=50°〜6
0°で、膜14ありの場合と膜14なしの場合との反射
率rが一致する。したがって、入射角φをこの角度に設
定すれば、膜14の存在に起因する表面のムラは観察不
能となり、膜14の影響を受けずに正反射光の光強度を
測定可能となる。
【0057】この角度が膜14のブリュースター角と一
致することは以下のように示される。p偏光入射の反射
率は下記のフレネルの反射の式で表される。 r01P =(n1 cosφ0 − cosφ1 )/(n1 cosφ0 + cosφ1 ) r12P =(n2 cosφ1 −n1 cosφ2 )/(n2 cosφ1 +n1 cosφ2 ) …(1) ここで、r01P 、r12P はそれぞれ空気/膜の界面およ
び膜/鋼板の界面でのフレネル反射係数、n1 、n2
膜14及び鋼板4の福素屈折率、φ0 は入射角である。
また、φ1 、φ2 は以下のスネルの屈折式を満たす角度
である。
【0058】 sinφ0 =n1 sinφ1 =n2 sinφ2 …(2) ここで、膜14が透明膜であると想定し、前述したよう
に、入射角φ0 がこの膜14に対するブリュースター角
であるとき、以下の関係が知られている。
【0059】 sinφ1 = cosφ0 …(3) したがつて、下式も導かれる。 sinφ0 = cosφ1 …(4) (2)(3)(4) 式より (5)式が得られる。
【0060】 cosφ1 =n1 cosφ0 …(5) (5) 式を(1) 式に代入すると、次の関係が成立する。 r01P =0 …(6) r12P =(n2 cosφ0 − cosφ2 )/(n2 cosφ0 + cosφ2 ) …(7) すなわち、(6) 式は、入射光8にp偏光を採用し、入射
角をブリュースター角に設定すると、空気/膜14の界
面での反射は存在しないという公知の性質を表す。
【0061】また、(7) 式は、膜14が存在しない場合
における空気/鋼板4の界面での反射のフレネル反射係
数を表している。すなわち、入射光8にp偏光を採用
し、入射角をブリュースター角に設定すると、膜14/
鋼板4の界面での反射が膜14がないときの空気/鋼板
4の界面での反射と一致することを表している。この二
つの関係から、総合的な反射も膜14がないときに一致
することが言える。
【0062】次に、入射光8がp偏光成分のみでなく、
p偏光成分とs偏光成分とを有した光である場合を考え
る。そして、この光におけるp偏光成分に対するs偏光
成分の比率αであるとする。
【0063】例えば、偏光板により方位角(偏光角)β
の直線偏光を入射した場合、この比率αは三角関数で下
記(8) 式のように表すことができる。 α=tanβ …(8) そして、α=0のときは図14(a),図15(a)に
示すように入射光8がp偏光の場合に相当する。
【0064】また、α=∞のときは図14(b),図1
5(b)に示すように入射光8がs偏光の場合に相当す
る。そして、このs偏光の場合、入射角90゜でムラが
検出されなくなる。
【0065】さらに、比率αがその他の場合(α>0)
には、図16に示すように、入射光8がp偏光成分とs
偏光成分入射光8との両方の偏光成分を持つ場合に相当
する。この場合においても、膜あり及び膜なしの各反射
率特性が交差する表面ムラが検出されない入射角が存在
する。そして、この条件における表面ムラが検出されな
い入射角は、前述したブリュースター角より大きい角度
範囲に存在する。図16に示す例においてはその入射角
は70°近傍に存在する。
【0066】すなわち、前述と同様に、入射角φをこの
角度に設定すれば、膜14の存在に起因する表面のムラ
は観察不能となり、膜14の影響を受けずに正反射光の
光強度を測定可能となる。
【0067】一般に、p偏光成分とs偏光成分とを有す
る直線偏光が物体に入射して反射された場合における反
射率rは、該当物体のp偏光反射率に対して該当物体の
s偏光反射率に前述した比率αを乗算したものを加算し
た値となる。
【0068】したがって、鋼板4のp偏光反射率をRp
とし、s偏光反射率をRsとすると、鋼板4の全体の反
射率Rは(Rp+αRs)/(1+α)となる。同様
に、膜14のp偏光反射率をR´pとし、s偏光反射率
をR´sとすると、膜14の全体の反射率R´は(R´
p+αR´s)/(1+α)となる。
【0069】したがつて、図16における膜あり及び膜
なしの各反射率特性が交差する入射角においては、(9)
式が成立する。 Rp+αRs=R’p+αR’s …(9) この(9) 式から理解できることは、鋼板4の各反射率R
p、Rsが固定の条件で、膜14の材質か変更になった
場合、入射光8のp偏光成分とs偏光成分との比率αを
変更するのみで、(9) 式の条件を維持できる。
【0070】次に、以上の知見を基に被検査面からの反
射光の鏡面反射成分と鏡面拡散反射成分とを捉え、か
つ、表面ムラを検出しない本発明の方法を説明する。ま
ず、p偏光成分とs偏光成分とを前述した比率αで有す
る照明光で被検査面を照明する。そして、第1の光検出
手段で反射光を被検査面の正反射方向から受光する。こ
のとき、被検査面からの反射光を受ける入射角に等しい
受光角を、表面ムラの原因物質である膜のブリュースタ
ー角よりも大きな角度とする。そして、前述した、(9)
式で示す[Rp+αRs=R’p+αR’s]の関係を
満たすように、比率αを設定することで、ムラを検出す
ることなく、第1の光検出手段で鏡面反射成分を受光で
きる。
【0071】また、第2の受光手段においては、被検査
面からの反射光を受ける受光角を、この受光角と入射光
の入射角との和を表面ムラの原因物質である膜のブリュ
ースター角の2倍より大きな角度とする。そして、受光
角は第1の受光手段の受光角kと一致させないことによ
り、この第2の受光手段に入射する光は、入射光(照明
光)の正反射光ではなく、拡散反射光を捉えることにな
り、鏡面拡散反射成分を捉えることになる。このとき、
微視的に見れば鏡面拡散反射の生じる非テンパ部7の傾
いた微小面素13の一つ一つでは正反射が起きていて、
しかも、(9) 式で示す[Rp+αRs=R’p+αR’
s]の関係を満たしているので、ここでもムラを検出す
る事はない。
【0072】ブリュースター角及び比率αはムラの原因
物質である膜14の複素屈折率により決まる。このた
め、ムラの原因物質である膜14の種類が数種類存在す
る場合には、各ムラの原因物質毎に予め照明光(入射
光)のp偏光成分とs偏光成分との比率αを求めてお
く。そして、ムラの原因物質である膜14の種類が変わ
る場合に、例えば偏光板で照明光(入射光)の偏光方向
を切替える等の方法で比率αを該当膜14に対応するよ
うに調整することにより、光学系の入射角や出射角を変
えないまま、複数種類のムラの検出を防止することが可
能になる。
【0073】また、鏡面拡散反射成分を未検出すること
なく確実に捉えるためには、拡散の一方向からの観察の
みでは不十分で、少なくとも受光角の異なる拡散の2方
向からの観察が望ましい。何故ならば、図12(a)
(c)に示すように、検出不能角が拡散方向に最大1カ
所存在するため、たまたま観察方向がこの検出不能角と
一致した場合には未検出となるためである。
【0074】したがって、本発明の請求項2において
は、第2の受光手段に加えて、この第2の受光手段に対
して異なる受光角を有した第3の受光手段を設けてい
る。もちろん、この第3の受光手段においても、上述し
た(9) 式で示す[Rp+αRs=R’p+αR’s]の
関係を満たしている。
【0075】以上、被検査面を照明する照明光(入射
光)が、p偏光成分とs偏光成分とが前述した比率αを
有する偏光である場合について説明した。しかし、被検
査面を照明する照明光(入射光)が偏光である場合に限
るものてはない。
【0076】すなわち、請求項3に示すように、被検査
面を照明する照明光(入射光)を無偏光とする。この場
合、各受光手段に検光子を設けて、この検光子で、該当
受光手段に向かう被検査面からの反射光のp偏光成分と
s偏光成分とを比率αで透過させてから該当受光手段で
受光させることも可能である。
【0077】この場合、各検光子のp偏光成分透過率に
対するs偏光成分透過率の比率αが、上述した(9) 式で
示す[Rp+αRs=R’p+αR’s]の関係を満た
している。
【0078】また、光源として線状拡散光源を使用する
ことにより、各受光手段にリニアアレイカメラやその他
の走査型の光検出器を使用したとしても、鋼板4の正反
射方向から画角によらず必ず鏡面反射成分及び鏡面拡散
反射成分を受光することができる。
【0079】このように光学系を構築することにより、
膜14の有無に影響されることなく鏡面反射成分及び鏡
面拡散反射成分にそれぞれに対応した2つの信号又は3
つの信号を得ることが可能になり、顕著な凹凸性を持た
ない模様状ヘゲ欠陥を未検出を生じることなく検出可能
となる。
【0080】
【発明の実施の形態】以下本発明の各実施形態を図面を
用いて説明する。 (第1実施形態)図1(a)は本発明の第1実施形態の
表面疵検査方法が採用された表面疵検査装置の側面図で
あり、図1(b)は同表面疵検査装置の上面図である。
【0081】この第1実施形態の表面疵検査装置は製鉄
工場における合金化亜鉛メッキ鋼板の品質検査ラインに
設置されている。図中矢印方向に搬送状態の鋼板21の
搬送路の上方位置に、この帯状の鋼板21の幅方向に線
状拡散光源22が配設されている。この線状拡散光源2
2は、一部に拡散反射塗料を塗布した透明導光棒の両端
から内部へメタルハライド光源の光を投光することによ
って、幅方向に一様の出射光を得る。
【0082】線状拡散光源22の各位置から出射された
鋼板21に対する照射光としての入射光23は、シリン
ドリカルレンズ24と偏光方向が異なる2種類の偏光板
25a,25bのうちの選択された一方の偏光板25
a,25bを介して走行状態の鋼板21の全幅に亘っ
て、かつ走行方向に所定長さを有した矩形形状の所定範
囲を一様に照射する。
【0083】鋼板21の表面には例えば電気メッキによ
る後メッキ工程における反応生成膜、酸化膜等の表面ム
ラが発生している。そして、このムラの原因物質である
膜のブリュースター角及び屈折率は予め測定されてい
る。
【0084】一方の偏光板25aの方位角(偏光角)β
は、この入射光23の鋼板21に対する入射面に対して
平行する方向に設定されている。すなわち、この場合、
線状拡散光源22から鋼板21に照射される入射光23
はp偏光状態である。そして、この場合、照明光のp偏
光成分に対するs偏光成分の比率αは0となる(α=
0)。
【0085】また、他方の偏光板25bの方位角(偏光
角)βは、この入射光23の鋼板21に対する入射面に
対して40°に設定されている。そして、この場合、照
明光のp偏光成分に対するs偏光成分の比率αは有限値
を有する(0<α<∞)。
【0086】第1実施形態装置においては、鋼板21の
表面に光の屈折率2.75を有する膜によるムラが発生
している場合にp偏光の偏光板25aを採用し、鋼板2
1の表面に屈折率1.50を有する膜によるムラが発生
している場合に40°に設定されている偏光板25bを
採用する。
【0087】鋼板21で反射された反射光26a,26
bは、それぞれ受光角がγ1 ,γ2に設定された、例え
ばリニアアレイカメラで構成された第1及び第2の受光
カメラ27,28へ入射する。
【0088】第1の受光手段としての第1の受光カメラ
27の受光角γ1 は膜のブリュースター角である60°
を越える70°に設定されている。そして、そして、第
1の受光カメラ27に受光角γ1 で入射する反射光26
aに対する入射光23の入射角θ1 も膜のブリュースタ
ー角である60°を越える70°に設定されている。す
なわち、線状拡散光源22からの入射光23の入射角θ
1 と第1の受光カメラ27に入射する反射光26aの受
光角γ1 が等しく、共に膜を形成するニスのブリュース
ター角を越える同一値になるるように、第1の受光カメ
ラ27の位置が設定されている。よって、第1の受光カ
メラ27は線状拡散光源22から鋼板21に照射される
直線偏光された入射光23の正反射光の鏡面反射成分を
受光する。
【0089】一方、第2の受光手段としての第2の受光
カメラ28の受光角γ2 は、この受光角γ2 と第2の受
光カメラ28に入射する反射光26bの鋼板21に対す
る入射光23の入射角θ2 を加算した角度(γ2 +θ
2 )が膜のブリュースター角60°の2倍の角度である
120°を越える140°に設定されている。すなわ
ち、入射角θ2 と受光角γ2 との関係が上述した関係を
有するように、第2の受光カメラ28の位置が設定され
ている。
【0090】なお、第2の受光カメラ28の受光角γ2
は、第1の受光カメラ27の受光角γ1 と異なる値に設
定されている。具体的には、受光角γ2 は80°に設定
され、入射角θ2 は60°に設定されている。
【0091】よって、第2の受光カメラ28は線状拡散
光源22から鋼板21に照射される入射光23の正反射
光以外の拡散反射光、すなわち鏡面拡散反射成分を受光
する。
【0092】ここで、各受光カメラ27,28として、
リニアアレイカメラの代りに2次元CCDカメラを使用
することもできる。さらに、単一光検出素子とガルヴァ
ノミラーやポリゴンミラーを組合わせた走査型の光検出
器を使用することも可能である。
【0093】また、線状拡散光源22として、蛍光灯を
使用することもできる。また、バンドルファイバの出射
端を直線上に整列させたファイバ光源を使用することも
できる。各ファイバからの出射光は、ファイバのN/A
に対応して充分な広がり角を持つため、これを整列させ
たファイバ光源は実質的に線状拡散光源となるためであ
る。
【0094】各受光カメラ27,28で受光された正反
射方向の反射光26aにおける鏡面反射成分及び拡散反
射方向の反射光26bにおける鏡面拡散反射成分の鋼板
21の幅方向の1ライン分の各画素毎の光強度はそれぞ
れ光強度信号a,bに変換されて判定処理部としての信
号処理部31へ送信される。
【0095】図2は信号処理部31の概略構成を示すブ
ロック図である。鋼板21で反射された正反射方向の反
射光26aにおける鏡面反射成分を受光する第1の受光
カメラ27、鋼板21で反射された拡散反射方向の反射
光26bにおける鏡面拡散反射成分を受光する第2の受
光カメラ28から出力された各光強度信号a,bはそれ
ぞれ平均値間引き部32a,32bへ入力される。
【0096】各平均値間引き部32a,32bは、各受
光カメラ27,28のスキャン周期毎に各受光カメラ,
27,28から入力される各光強度信号a,bを平均
し、鋼板21が信号処理における長手方向分解能に相当
する距離を移動した場合に、1ライン分の信号を出力す
る。
【0097】このような間引き処理を行うことにより、
鋼板21の搬送速度が変化しても信号処理における1ラ
インの鋼板移動方向の分解能を一定にすることができ
る。また、スキャン周期毎の各光強度信号a,bを平均
しているので、信号処理における1ラインの鋼板移動方
向の分解能が受光カメラ27,28の鋼板移動方向の視
野サイズよりも十分大きい場合にも、間を細かく測定し
た平均値を用いることができるので、見落としをなくす
ことができる。
【0098】各平均値間引き部32a,32bで信号処
理された各光強度信号a,bは次の各前処理部33a,
33bへ入力される。各前処理部33a,33bは、1
ラインの信号の輝度変動を補正する。また、各前処理部
33a,33bは、鋼板21の両側のエッジ位置も検出
し、エッジにおける急激な光強度信号a,bの変化を疵
と誤認識することを防ぐ処理も実施する。各前処理部3
3a,33bで信号処理された各光強度信号a,bは次
の各2値化処理部34a,34bへ入力される。
【0099】各2値化処理部34a,34bは、各光強
度信号a,bに含まれる各画素のデータを予め決められ
たしきい値と比較し、疵候補点を抽出して、次の特徴量
算出部35a,35bへ送出する。
【0100】特徴量抽出部35a,35bは、一続きと
なっている疵候補点をーつの疵候補領域と判定し、例え
ばスタートアドレス、エンドアドレスなどの位置特徴量
や、ピーク値などの濃度特徴量などを算出する。
【0101】鏡面性疵判定部36及び鏡面拡散性疵判定
部37では、各受光カメラ27,28に対応する各特徴
量抽出部35a,35bにより算出された特徴量に基づ
いて、疵の種類、程度を判定する。
【0102】そして、疵総合判定部38では、鏡面性疵
判定部36及び鏡面拡散性疵判定部37での判定結果及
び特徴量により、検査対象としての鋼板21に対する最
終的な疵種及びその程度を判定する。
【0103】
【実施例】図1に示す第1実施形態の表面疵検査装置を
用いた合金化亜鉛鍍金鋼板の表面疵の測定結果を図3に
示す。測定した各疵は、図12(a)に示すテンパ部6
の面積率がヘゲ部11で母材部12より大きく、かつ非
テンパ部7の拡散性がヘゲ部11で母材部12より大き
い疵と、図12(b)に示すテンパ部6の面積率がヘゲ
部11で母材部12より大きいが、非テンパ部7の拡散
性は変わらない疵と、図12(c)に示すテンパ部6の
面積率はヘゲ部11と母材部12間に大きな差はない
が、拡散性に差がある疵との合計3種類の疵である。
【0104】また、この被検査面としての合金化亜鉛鍍
金鋼板の表面は電気メッキによる後工程における反応生
成膜、酸化膜等の表面ムラが発生している。そして、鋼
板21の幅方向の中央部に図12(a)に示すタイプの
疵が発生し、かつ前述した表面ムラが幅方向の端近傍に
発生した場合において、鏡面反射成分を受光する第1の
受光カメラ27及び鏡面拡散反射成分を受光する第2の
受光カメラ28を鋼板21の幅方向に1ライン分走査し
て得られた鋼材21の1幅分の光強度信号a,bの変化
を図3(a)(b)に示す。
【0105】図示するように、第1の受光カメラ27の
光強度信号aに疵(ヘゲ部11)に対応する正方向(明
方向)のピーク波形40が発生する。また、第2の受光
カメラ29の光強度信号bに疵(ヘゲ部11)に対応す
るピーク波形40が発生する。
【0106】また、鋼板21の幅方向の中央部に図12
(b)示すタイプの疵が発生し、かつ前述した表面ムラ
が幅方向の端近傍に発生した場合において、鏡面反射成
分を受光する第1の受光カメラ27及び鏡面拡散反射成
分を受光する第2の受光カメラ28を鋼板21の幅方向
に1ライン分走査して得られた鋼材21の1幅分の光強
度信号a,bの変化を図3(c)(d)に示す。
【0107】図示するように、第1の受光カメラ27の
光強度信号aに疵(ヘゲ部11)に対応する正方向(明
方向)のピーク波形40が発生する。しかし、第2の受
光カメラ28の光強度信号bに疵(ヘゲ部11)に対応
するピーク波形は発生しない。
【0108】さらに、鋼板21の幅方向の中央部に図1
2(c)示すタイプの疵が発生し、端近傍に表面ムラが
発生した場合において、鏡面反射成分を受光する第1の
受光カメラ27及び鏡面拡散反射成分を受光する第2の
受光カメラ28を鋼板21の幅方向に1ライン分走査し
て得られた鋼材21の1幅分の光強度信号a,bの変化
を図3(e)(f)に示す。
【0109】図示するように、第1の受光カメラ27の
光強度信号aには疵(ヘゲ部11)に対応する正方向
(明方向)のピーク波形は発生しない。しかし、第2の
受光カメラ28の光強度信号bに疵(ヘゲ部11)に対
応するピーク波形40が発生する。
【0110】このように、図12(a)(b)(c)に
示す代表的な3種類の模様状ヘゲ欠陥のうちいずれの種
類の模様状ヘゲ欠陥が発生したとしても、この模様状ヘ
ゲ欠陥を確実に検出できる。さらに、図3(a)〜
(f)に示すように、3種類の模様状ヘゲ欠陥の種別も
判別できる。
【0111】そして、図3(a)〜(f)に示すよう
に、模様状ヘゲ欠陥のみが検出され、表面ムラに起因す
る波形は検出されない。発明者等は、この第1実施形態
装置の優れた検出機能を確認するために、図12(a)
(b)(c)で示す疵及び表面ムラを従来の表面疵検査
装置で測定した。
【0112】なお、この従来装置においては、鋼板21
の幅方向に配設された線状光源から鋼板21に入射角6
0°で入射した無偏光の入射光の正反射方向に配設され
た第1の受光カメラで鏡面反射光を受光する。一方、入
射光の正反射方向とは異なる例えば鋼板21の法線方向
に対して40°の方向に配設された第2の受光カメラで
鏡面拡散反射光を受光する。
【0113】測定結果を図4(a)(b)(c)(d)
(e)(f)に示す。図示するように、図12(a)
(b)に示すタイプの模様状ヘゲ欠陥を検出することが
可能である。しかし、図示するように、疵(ヘゲ部1
1)に対応する正方向のピーク波形40の他に、表面ム
ラに起因する波形41が発生する。一般的に波形を観察
するのみでは、疵(ヘゲ部11)に対応するピーク波形
40と表面ムラに起因する波形41とは区別できないの
で、表面ムラに起因する波形41を疵(ヘゲ部11)に
対応するピーク波形40と誤認識する懸念がある。
【0114】また、図4(e)(f)に示すように、図
12(c)に示すタイプの模様状ヘゲ欠陥を検出するこ
とができない。この場合、模様状ヘゲ欠陥を検出できな
いのみならず、表面ムラに起因する波形41が発生す
る。
【0115】この場合は、実際に図12(c)に示す模
様状ヘゲ欠陥が存在するのに、この模様状ヘゲ欠陥を検
出できずに、検出が不必要な表面ムラが検出される不都
合が生じる。
【0116】このように、第1実施形態の表面疵検査装
置においては、従来装置では検出できなかったタイプの
模様状ヘゲ欠陥を、表面ムラの存在を排除した状態で、
確実に検出でき、結果として、顕著な凹凸性を持たない
模様状ヘゲ疵を検出もれすることなく確実にかつ高い精
度で検出することが可能になった。
【0117】また、鋼板21における膜のムラの原因物
質の光の屈折率に応じて、線状拡散光源22から鋼板2
1へ照射される入射光(照射光)23の光路に介挿する
偏光板の方位角(偏光角)βを例えばp偏光状態又は4
0°状態に切換えている。
【0118】したがって、たとえ、鋼板21の表面のム
ラの要因物質が変更になったとしても、このムラの要因
物質の光の屈折率に応じて、入射光(照射光)23の光
路に介挿する偏光板を選択して最適な比率αを前述した
(9) 式を満たすように設定することによって、入射角や
受光角等を含む光学系を何等変更することなく、常に模
様状ヘゲ欠陥のみを高い精度で検出できる。
【0119】(第2実施形態)図5は本発明の第2実施
形態の表面疵検査装置の上面図である。図1に示す第1
実施形態の表面疵検査装置と同一部分には同一符号が付
してある。したがって、重複する部分の詳細説明は省略
する。
【0120】この第2実施形態の表面疵検査装置におい
ては、第1実施形態の表面疵検査装置における第1、第
2の受光カメラ27、28の他に、第3の受光カメラ2
9が設けられている。
【0121】この第3の受光カメラ29の受光角γ3
は、この受光角γ3 と第3の受光カメラ29に入射する
反射光26cの鋼板21に対する入射光23の入射角θ
3 を加算した角度(γ3 +θ3 )が膜を形成のブリュー
スター角60°の2倍の角度である120°を越える1
40°になるように設定されている。すなわち、入射角
θ3 と受光角γ3 との関係が上述した関係を有するよう
に、第3の受光カメラ29の位置が設定されている。
【0122】なお、第3の受光カメラ29の受光角γ3
は、第1,第2の受光カメラ27,28の各受光角γ
1 ,γ2 と異なる値に設定されている。具体的には、第
3の受光カメラ29の受光角γ3 は85°に設定され、
入射角θ3 は55°に設定されている。
【0123】よって、第3の受光カメラ29は線状拡散
光源22から鋼板21に照射される直線偏光状態の入射
光23の正反射光以外の拡散反射光、すなわち、第2の
受光カメラ28とは異なる方向の鏡面拡散反射成分を受
光する。
【0124】第1,第2,第3の受光カメラ27,2
8,29から出力された光強度信号a,b,cは信号処
理部31aへ入力される。図6は信号処理部31aの概
略構成を示すブロック図である。この信号処理部31a
は、図2に示した第1実施形態装置の信号処理部31に
対して、第3の受光カメラ29から出力された光強度信
号cに対する信号処理系統を追加したものであり、各部
機能は第1実施形態装置の信号処理部31とほぼ同じで
あるので、説明を省略する。
【0125】
【実施例】図5に示す第2実施形態の表面疵検査装置を
用いた合金化亜鉛鍍金鋼板の表面疵の測定結果を図7に
示す。測定条件は第1実施形態の表面疵検査装置の場合
と同じである。
【0126】鋼板21の幅方向の中央部に図12(b)
に示すタイプの疵が発生し、かつ端部近傍に表面ムラが
発生した場合において、鏡面反射成分を受光する第1の
受光カメラ27、鏡面拡散反射成分を受光する第2の受
光カメラ28、及び異なる方向からの鏡面拡散反射成分
を受光する第3の受光カメラ29を鋼板21の幅方向に
1ライン分走査して得られた鋼材21の1幅分の光強度
信号a,b,cの変化を図7(a)(b)(c)に示
す。
【0127】さらに、鋼板21の幅方向の中央部に図1
2(c)示すタイプの疵が発生し、かつ端部近傍に表面
ムラが発生した場合において、第1,第2,第3の受光
カメラ27,28,29を鋼板21の幅方向に1ライン
分走査して得られた鋼材21の1幅分の光強度信号a,
b,cの変化を図7(d)(e)(f)に示す。
【0128】このように、図12(b)(c)に示す代
表的な模様状ヘゲ欠陥のうちいずれの種類の模様状ヘゲ
欠陥が発生したとしても、この模様状ヘゲ欠陥を確実に
検出できる。さらに、図7(a)〜(f)に示すよう
に、模様状ヘゲ欠陥のみが検出され、表面ムラに起因す
る波形は検出されない。
【0129】また、第2実施形態装置においては、複数
の受光方向から鏡面拡散反射成分を受光しているので、
図7(f)に示すように、第1,第2の受光カメラ2
7,28では検出できなかった疵も確実に検出でき、未
検出が防止できる。
【0130】なお、本発明は上述した第1、第2の各実
施形態装置に限定されるものではない。第1、第2の各
実施形態装置においては、線状拡散光源22から鋼板2
1に対する入射光(照明光)23の経路に、この入射光
のp偏光成分に対するs偏光成分の比率αを変更するた
めに、2種類の変更板25a,25bを設けた。
【0131】しかし、線状拡散光源22から鋼板21に
対する入射光(照明光)23の経路に挿入している偏光
板25a(25b)を除去して、鋼板21を照明する入
射光(照明光)を無偏光とする。そして、第1,第2の
受光カメラ27,28の前面に検光子を設けて、この検
光子で、各受光カメラ27,28に向かう鋼板21から
の各反射光26a,26bのp偏光成分とs偏光成分と
を比率αで透過させてから該当受光手段で受光させるこ
との可能である。
【0132】この場合、各検光子のp偏光成分透過率に
対するs偏光成分透過率の比率αを、発生するするムラ
の要因物質に応じて、上述した(9) 式で示す[Rp+α
Rs=R’p+αR’s]の関係を満たすように設定す
ればよい。
【0133】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の表面疵検
査装置及び表面疵検査方法においては、被検査面からの
反射光を受光する各受光手段の受光角をブリュースター
角より大きく設定し、かつ照明光又は反射光のp偏光と
s偏光との割合を表面ムラの要因物質の性質に応じて最
適値に設定することによって、各受光手段にて受光され
る反射光に、被検査表面におけるムラに起因する要因が
入ることを未然に防止している。
【0134】したがって、被検査面からの反射光に含ま
れる鏡面反射成分と鏡面拡散反射成分とを精度よく検出
でき、被検査面における表面の割れ・抉れ・めくれ上が
りのような顕著な凹凸性を持たない模様状ヘゲ欠陥を、
欠陥とは言えない表面のムラと区別して、確実に検出で
き、高い欠陥検出精度を発揮でき、製品の品質検査ライ
ンにも十分組込むことができる。
【0135】さらに、たとえ、被検査面の表面のムラの
要因物質が変更になったとしても、このムラの要因物質
の性質に応じて、入射光(照射光)の光路に介挿する偏
光板の偏光角度又は各反射光の光路に介挿する検光子の
検光角度を選択して最適な比率を設定することによっ
て、入射角や受光角等を含む光学系を何等変更すること
なく、常に模様状ヘゲ欠陥のみを高い精度で検出でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の表面疵検査装置の概
略構成を示す側面図及び上面図
【図2】 同表面疵検査装置の信号処理部の概略構成を
示すブロック図
【図3】 同表面疵検査装置で測定された光強度信号波
形図
【図4】 従来の表面疵検査装置で測定された光強度信
号波形図
【図5】 本発明の第2実施形態の表面疵検査装置の概
略構成を示す上面図
【図6】 同表面疵検査装置の信号処理部の概略構成を
示すブロック図
【図7】 同表面疵検査装置で測定された光強度信号波
形図
【図8】 同表面疵検査装置の検査対象となる合金亜鉛
メッキ鋼板の製造方法及び詳細断面構造を示す図
【図9】 検査対象の鋼板におけるテンパ部と非テンパ
部における入射光と反射光との関係を示す断面模式図
【図10】 同テンパ部と非テンパ部とにおける反射光
の角度分布図
【図11】 鋼板に存在するヘゲ部の生成過程を説明す
るための図
【図12】 ヘゲ部における鏡面反射成分及び鏡面拡散
反射成分と、母材部における鏡面反射成分及び鏡面拡散
反射成分との関係を示す図
【図13】 表面に膜が存在する場合の検査対象の鋼板
におけるテンパ部と非テンパ部における入射光と反射光
との関係を示す断面模式図
【図14】 被検査面に対する入射光の入射角と反射率
との関係を示す図
【図15】 同じく被検査面に対する入射光の入射角と
反射率との関係を示す図
【図16】 p偏光成分に対するs偏光成分の比率を変
えた場合における被検査面に対する入射光の入射角と反
射率との関係を示す図
【符号の説明】
4,21…鋼板 6…テンパ部 7…非テンパ部 8…入射光 9…鏡面反射光 10…鏡面拡散反射光 11…ヘゲ部 12…母財部 13…微小面素 22…線状拡散光源 23…入射光 25a,25b…偏光板 26a,26b,26c…反射光 27…第1の受光カメラ 28…第2の受光カメラ 29…第3の受光カメラ 31,31a…信号処理部 40…ピーク波形 41…波形
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 的場 有治 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 猪股 雅一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 吉川 省二 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 河村 努 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 杉浦 寛幸 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にムラを有する被検査面の所定範囲
    をp偏光成分とs偏光成分とを有する照明光で照明する
    光源と、 前記被検査面からの受光角が、前記ムラの要因物質のブ
    リュースター角より大きく設定され、前記照明光の正反
    射光を受光する第1の受光手段と、 前記被検査面からの受光角が、この受光角と前記被検査
    面に対する前記光源からの照明光の入射角との和が前記
    ムラの要因物質のブリュースター角の2倍より大きく設
    定され、前記照明光の正反射光以外の光を受光する第2
    の受光手段と、 前記第1及び第2の受光手段で受光された正反射光及び
    正反射光以外の光に基づいて前記被検査面の表面疵の有
    無を判定する判定処理部とを備え、 前記照明光のp偏光成分に対するs偏光成分の比率α
    が、前記被検査面の材質のp偏光反射率Rpとs偏光反
    射率Rs、前記ムラの要因物質のp偏光反射率R’pと
    s偏光反射率R’sとの間で、 Rp+αRs=R’p+αR’s の関係を満たすことを特徴とする表面疵検査装置。
  2. 【請求項2】 表面にムラを有する被検査面の所定範囲
    をp偏光成分とs偏光成分とを有する照明光で照明する
    光源と、 前記被検査面からの受光角が、前記ムラの要因物質のブ
    リュースター角より大きく設定され、前記照明光の正反
    射光を受光する第1の受光手段と、 前記被検査面からの受光角が、この受光角と前記被検査
    面に対する前記光源からの照明光の入射角との和が前記
    ムラの要因物質のブリュースター角の2倍より大きく設
    定され、前記照明光の正反射光以外の光を受光する第2
    の受光手段と、 前記被検査面からの受光角が前記第2の受光手段の受光
    角と異なる値に設定され、かつこの受光角と前記被検査
    面に対する前記光源からの照明光の入射角との和が前記
    ムラの要因物質のブリュースター角の2倍より大きく設
    定され、前記照明光の正反射光以外の光を受光する第3
    の受光手段と、 前記第1、第2及び第3の受光手段で受光された正反射
    光及び複数の正反射光以外の光に基づいて前記被検査面
    の表面疵の有無を判定する判定処理部とを備え、 前記照明光のp偏光成分に対するs偏光成分の比率α
    が、前記被検査面の材質のp偏光反射率Rpとs偏光反
    射率Rs、前記ムラの要因物質のp偏光反射率R’pと
    s偏光反射率R’sとの間で、 Rp+αRs=R’p+αR’s の関係を満たすことを特徴とする表面疵検査装置。
  3. 【請求項3】 表面にムラを有する被検査面の所定範囲
    を照明光で照明する光源と、 前記被検査面からの受光角が、前記ムラの要因物質のブ
    リュースター角より大きく設定され、前記照明光の正反
    射光の受光する検光子を有する第1の受光手段と、 前記被検査面からの受光角が、この受光角と前記被検査
    面に対する前記光源からの照明光の入射角との和が前記
    ムラの要因物質のブリュースター角の2倍より大きく設
    定され、前記照明光の正反射光以外の光を受光する検光
    子を有する第2の受光手段と、 前記第1及び第2の受光手段で受光された正反射光及び
    正反射光以外の光に基づいて前記被検査面の表面疵の有
    無を判定する判定処理部とを備え、 前記各検光子のp偏光成分透過率に対するs偏光成分透
    過率の比率αが、前記被検査面の材質のp偏光反射率R
    pとs偏光反射率Rs、前記ムラの要因物質のp偏光反
    射率R’pとs偏光反射率R’sとの間で、 Rp+αRs=R’p+αR’s の関係を満たすことを特徴とする表面疵検査装置。
  4. 【請求項4】 前記光源は線状拡散光源であることを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の表面疵検
    査装置。
  5. 【請求項5】 表面にムラを有する被検査面の所定範囲
    をp偏光成分とs偏光成分とを有する直線偏光された照
    明光で照明し、 前記照明光のp偏光成分に対するs偏光成分の比率α
    を、前記被検査面の材質のp偏光反射率Rpとs偏光反
    射率Rs、前記ムラの要因物質のp偏光反射率R’pと
    s偏光反射率R’sの間で、Rp+αRs=R’p+α
    R’sの関係を満たすように設定し、 前記ムラの要因物質のブリュースター角より大きく設定
    された受光方向から、前記照明光の正反射光を受光し、 被検査面に対する前記照明光の入射角との和が前記ムラ
    の要因物質のブリュースター角の2倍より大きく設定さ
    れた受光角方向から、前記照明光の正反射光以外の光を
    受光し、 前記受光された正反射光及び正反射光以外の光に基づい
    て前記被検査面の表面疵の有無を判定することを特徴と
    するを表面疵検査方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001066262A (ja) * 1999-06-25 2001-03-16 Nkk Corp 表面疵マーキング装置およびマーキング付き金属帯ならびにその製造方法
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