JP2001200680A - ドア枠の通気構造 - Google Patents

ドア枠の通気構造

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JP2001200680A
JP2001200680A JP2000011700A JP2000011700A JP2001200680A JP 2001200680 A JP2001200680 A JP 2001200680A JP 2000011700 A JP2000011700 A JP 2000011700A JP 2000011700 A JP2000011700 A JP 2000011700A JP 2001200680 A JP2001200680 A JP 2001200680A
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JP
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ventilation
door
vertical frame
gap
door frame
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JP2000011700A
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English (en)
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Minoru Yamaguchi
稔 山口
Kenji Hasegawa
賢司 長谷川
Takashi Maeda
俊 前田
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Daiken Trade and Industry Co Ltd
Original Assignee
Daiken Trade and Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造によって優れた通気性能と遮音性
能を発揮するドア枠の通気構造を提供する。 【解決手段】 ドア枠における上枠部と両側縦枠部との
内部にその枠の全長に亘って通気空隙部を設けると共に
上記上枠部と両側縦枠部との前後端部にドアによって仕
切られた前後の室内空間に開口する前後通気口を全長に
亘って形成して一方の室内空間内の上層部から下層部に
亘る空気の流れを水平方向及び縦方向に設けている上記
一方の通気口から上記通気空隙部内及び他方の通気口隙
部を通じて他方の室内空間に流通させて両室内間の換気
を行うように構成していると共に上記通気空隙部内に多
数の小口径直状通気路を多列、多層に設けている通気部
材を配設して、この通気部材の上記直状通気路によって
遮音機能を発揮させるように構成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は住宅等の建物内にお
いて、ドアを開閉自在に設けたドア枠、特に、ドアに仕
切られた一方の空間と他方の空間との間に十分な通気量
を確保すると共に優れた遮音機能を具備し得るドア枠の
通気構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から出入口を形成しているドア枠に
開閉自在に配設したドアにおいては、ドア本体の構成材
料に遮音材を使用する一方、ドア枠に取付けたドアと戸
当たりとを気密的に当接させて遮音性能を高めることが
行われているが、近年、高気密住宅の普及に伴って、ド
アを閉鎖しているにもかかわらず、通気機能を有するド
ア部構造の要望が高まっている。
【0003】このため、図16に示すように、ドア枠Aに
開閉自在に設けているドアCの下端面と床面Dとの間に
隙間(アンダーカット)Eを設けたり、或いは、ドア本
体の表裏面の下部等に換気口を設け、これらの表裏換気
口をドア本体の中空内部を通じて連通させたドア構造と
することが行われているが、前者においてはドア下端と
床面との間に形成された隙間が見苦しくて体裁が悪いと
共に該隙間から光が漏れるという問題点があり、後者に
おいては表裏の換気口がドア本体のデザイン上に大きな
制約を及ぼすという難点を有し、その上、いずれの場合
においても隙間や換気口がドアの遮音機能を大きく損な
うことになる。
【0004】このような問題点を解消するために、例え
ば、特開平8ー240082号公報に記載されているよ
うに、ドアを気密構造とする一方、このドアを開閉自在
に設けているドア枠における上枠の上面にドアの内外側
に連通する上向き開口の凹部又は通孔を設けてなる通気
構造が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように構成したドア枠の通気構造によれば、上枠に通気
用凹部又は通孔を設けているために外部からこの通気構
造が見え難く、従って、ドアの意匠性を損なう虞れがな
いと共にドアの内外に自然流通する空気が直接人体に当
たらないという利点を有するが、凹部又は通孔が上向き
に開口しているために、塵埃が滞留し易くて長期間に亘
る塵埃の堆積により通気抵抗が高くなって充分な通気機
能を発揮することができなくなる虞れがあり、その上、
凹部又は通孔の清掃が極めて困難であって上記塵埃の除
去が行い難いという問題点がある。
【0006】さらに、通気がドア枠の上枠部分のみで行
われるにすぎないから、室内間における上層空気の流通
が可能であっても下層部の空気の円滑な流通が困難であ
り、室内間の通気量が不十分となるばかりでなく下層部
に空気の澱みが発生して良好な室内環境を維持できない
という問題点がある。
【0007】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところはドアによって仕切ら
れた空間同士における天井側から床面に至る間の空気層
の良好な通気を可能にすると共にドアの意匠性を損なう
虞れもなく、さらに、塵埃の堆積なども生じない優れた
外観を呈し、また、遮音機能も兼ね備えたドア枠の通気
構造を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のドア枠の通気構造は、請求項1に記載したよ
うに、上枠部と両側縦枠部とによって形成してなる正面
門形状のドア枠において、上記両側縦枠部の内部に通気
空隙部を設けると共に該両側縦枠部における互いに平行
な長辺側端部に上記通気空隙部に連通し且つドアによっ
て仕切られた前後の空間にそれぞれ開口する通気口を上
下端間に亘って設けてなる構造としている。
【0009】上記構成の通気用ドア枠において、請求項
2に係る発明は、ドア枠の上記上枠部の内部に通気空隙
部を設けると共に該上枠部における互いに平行な長辺側
端部に上記通気空隙部に連通し且つドアによって仕切ら
れた前後の空間にそれぞれ開口する通気口を長さ方向の
両側端間に亘って設けた構造としている。
【0010】さらに、請求項3に係る発明は、両側縦枠
部の下端間に沓摺りを一体に設けている場合には、その
沓摺りの下部にドアによって仕切られた床面上における
前後空間にそれぞれ連通する水平通気孔部を長さ方向に
所定間隔毎に設けた構造としている。
【0011】請求項4に係る発明は、上記両側縦枠部と
して、縦長長方形状の基板と表面材とを小間隔を存して
重ね合わせ状に対向させ且つ対向面を一定厚みを有する
スペーサ材によって連結することにより上記対向面間に
両側端がドアによって仕切られた建物内の前後空間にそ
れぞれ連通する通気空隙部を形成してなり、この縦枠部
の長辺側端部に開口する上記基板と表面材との間の隙間
部に壁に固定する見切り材の端部を縦枠部の幅方向に移
動調整可能に挿入し且つこれらの見切り材と上記基板又
は表面材との対向面間に上記通気空隙部に連通した通気
口を形成している構造としたことを特徴とする。
【0012】また、請求項5に係る発明は、上記のよう
に構成したドア枠の構造において、通気空隙部内に、多
数の小口径の直状通気路を同一方向に向けた状態で多
列、多層に並設、集合してなる通気部材を配設し、この
通気部材の直状通気路を通気口に連通させた構造として
いる。
【0013】
【作用及び効果】ドア枠における両側縦枠部には、その
内部に通気空隙部を設けていると共に該両側縦枠部にお
ける互いに平行な長辺側端部に上記通気空隙部に連通し
且つドアによって仕切られた前後の空間にそれぞれ開口
する通気口を上下端間に亘って設けているので、ドアに
よって仕切られた一方の空間と他方の空間との間で十分
な通気量を得ることができると共に両側縦枠部の上端か
ら下端に亘って上記通気口を通じて通気が行われて空間
の上層部から下層部までの空気が部分的に澱むことなく
円滑に流通して良好な換気機能を発揮することができ
る。その上、上記通気口は前後方向に開口しているの
で、塵埃が浸入して堆積する虞れもなく、従って、長期
間に亘って通気性を損なうことはなく円滑な通気性を保
持することができ、しかも、ドアに通気機能を持たせる
必要はないから、ドアの意匠上の自由度が高まり、外観
の優れたドア構造を構成することができる。
【0014】さらに、請求項2及び請求項3に係る発明
によれば、ドア枠の上枠に通気空隙部と該通気空隙部を
通じてドアの前後面側に開口した通気口とを設けている
と共に沓摺りの下部にドアによって仕切られた床面上に
おける前後空間にそれぞれ連通する通気用孔部を長さ方
向に所定間隔毎に設けているので、ドアによって仕切ら
れた空間との間で上層部の空気と下層部の空気との換気
が一層良好に行われ、通気量の増大と共に換気範囲の拡
大を図ることができる。その上、室内や通路側から通気
口や水平通気孔部の一方の開口端に掃除機の吸引管の開
口端を臨ませて吸引又は排気することにより、該通気口
に付着している埃や通気空隙部内に侵入している塵埃等
を簡単且つ確実に除去することができて常に清潔で良好
な外観を維持しておくことができると共に通気口や水平
通気孔部は外部から見え難いので、意匠性にも優れて上
記両側縦枠部と共に体裁のよいドア枠を構成することが
できる。
【0015】また、請求項4に係る発明によれば、上記
両側縦枠部を、縦長長方形状の基板と表面材とを小間隔
を存して重ね合わせ状に対向させ且つ対向面を一定厚み
を有するスペーサ材によって連結することにより上記対
向面間で両側端がドアによって仕切られた建物内の前後
空間にそれぞれ連通する通気空隙部を形成しているの
で、構造が簡単で多量生産に適すると共に全長に亘って
均一な断面形状の通気空隙部を容易に且つ正確に形成す
ることができ、この通気空隙部内への後述する通気部材
の配設が簡単且つ確実に行うことができる。
【0016】さらに、この縦枠部の長辺側端部に開口す
る上記基板と表面材との間の隙間部に壁に固定する見切
り材の端部を縦枠部の幅方向に移動調整可能に挿入し且
つこれらの見切り材と上記基板又は表面材との対向面間
に上記通気空隙部に連通した通気口を形成しているの
で、上記通気空隙部や通気口が見切り材によって目立た
なくなって優れた外観を呈したドア枠を構成し得ると共
に前後の通気口が縦枠部の上下方向の全長に亘って内部
に形成した通気空隙部に連通して一方の通気口から流入
した空気流を上記通気空隙部内を通じて他方の通気口側
に円滑且つ均等に流通させることができ、ドアで仕切ら
れた居室等の空間部の良好な換気が可能となるものであ
る。
【0017】その上、壁に設けた開口部にドア枠を取付
ける際に、前後に配した見切り材の端部を基板又は表面
材に摺接させながら幅方向に移動させることによって壁
の厚みに対応して容易に調整することができ、別な部材
を使用することなく両側縦枠部を簡単且つ精度よく施工
することができるものである。
【0018】また、請求項5に係る発明によれば、通気
空隙部内に、多数の小口径の直状通気路を同一方向に向
けた状態で多列、多層に並設、集合してなる通気部材を
配設し、この通気部材の直状通気路を前後通気口に連通
させているので、一方の通気口から入った空気流を通気
部材の多数の集合した直状通気路内を通じて殆ど抵抗を
受けることなく真っ直ぐに流通、通過させることがで
き、他方の通気口から円滑に流出して通気を行うことが
できると共に、一方の通気口から入った音が上記直状通
気路に侵入する時に、該通気口と小口径の直状通気路と
の断面積の著しい相違によって音響インピーダンスが急
激に変化して他方の通気口に至る間に音が減衰され、さ
らに、直状空気路から他方の通気口を通じて放出する際
にも再び音響インピーダンスが急激に変化して音が減衰
され、従って、ドア上枠内の通気空隙部を通じて前後通
気口がドアの前後面側に連通しているもかかわらず、遮
音性に優れたドア枠を構成することができる。
【0019】その上、この通気部材をドア枠における上
枠材と両側縦枠材の通気空隙部及び沓摺りの水平通気孔
部内に配設するという単純な手順によって通気並びに遮
音機能を備えたドア枠を簡単且つ正確に作製することが
できるものであり、また、上記通気部材として、小間隔
を存して対向した薄肉のライナの対向面間を該ライナの
幅方向に小間隔毎に全長に亘って並設した薄肉の帯状隔
離片によって連結することにより隣接する帯状隔離片間
を小口径の直状通気路に形成してなる段ボールの積層体
を採用することによって、通気部材の断面積に対する直
状通気路集合体の通気開口率が80%以上にすることがで
きて通気抵抗の極めて少ない良好な通気作用を奏する通
気部材を容易に得ることができるものである。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明の具体的な実施の形
態を図面について説明すると、図1〜図3において、ド
ア枠1は水平に配した上枠部1Aの両側端に両側縦枠部1
B、1Bの上端を一体に組み合わせて正面門形状に形成し
てなり、このドア枠1を周知のように、室内空間を仕切
っている壁Aに設けられた縦長矩形状開口部の上面と両
側対向面とに亘って固着して出入口を形成してると共に
該ドア枠1にこのドア枠1の前後方向の幅よりも前後面
板間の厚みが薄く形成されているドアBを開閉自在に配
設している。
【0021】上記ドア枠1を構成している上枠部1Aと両
側縦枠部1B、1Bとは実質的に同一構造を有しており、そ
の内部を中空の通気空隙部2に形成していると共に、ド
アBの前後面からそれぞれ前後方向に突出した長辺側端
部におけるドアB側に面した部分に、前後長辺端面から
小間隔を存して該長辺端面に平行な一定幅を有するスリ
ット状の前後通気口3、4を設けてあり、これらの前後
通気口3、4を上記通気空隙部2の前後部に枠部全長に
亘ってそれぞれ連通させている。従って、前側の通気口
3はドアBによって区画されたドア前面側の室内又は通
路に臨んでいる一方、後側の通気口4はドア後面側の室
内又は通路に臨んでいて、これらの通気口3、4と上記
通気空隙部2を通じてドアBで区画された隣接する室内
或いは室内と通路の空間(以下、前後室内として説明す
る)が互いに連通した構造となっている。
【0022】上記上枠部1Aと両側縦枠部1B、1Bとの構造
を更に詳しく説明すると、図4〜図6に示すように、一
定の厚みと幅及び長さを有する長方形状の基板11の前後
長辺端部における一方の面上に一定高さを有する角棒状
の前後枠材12、12を全長に亘って固着すると共に上記基
板11の両側端部、即ち、短辺側端部上に前後両端面を上
記前後枠材12、12の対向端面に密着させて前後枠材12、
12の高さ寸法よりも低い高さ(厚さ)を有する端部枠材
13、13を固着し、さらに、これらの端部枠材13、13の頂
面間に上記前後枠材12、12の対向面間の幅よりも小幅で
且つ上記基板11と同一長さを有する長方形状の表面材14
を架設して該表面材14の長さ方向の両側端部を両端部枠
材13、13の頂面に固着することにより、上記基板11と表
面材14との対向面間と前後枠材12、12と両端部枠材13、
13とで囲まれた一定厚みを有する平面長方形状の偏平空
間部を上記通気空隙部2に形成していると共に前後枠材
12、12と表面材14の前後端面との対向面間で形成された
細幅スリット形状の隙間を上記前後通気口3、4にそれ
ぞれ形成しているものである。
【0023】このように構成した上枠部1Aと両側縦枠部
1B、1Bにおいて、上記通気空隙部2を両端部枠材13、13
間に亘って全面的に連通した1つの広い空間部のまゝに
しておいてもよいが、本実施例においては、この通気空
隙部2を上記両端部枠材13、13と同長、同厚で適宜幅を
有する複数の仕切桟部材15により、所望長さ間隔毎に複
数の分割通気空隙部2aに区画されている。なお、隣接す
る分割通気空隙部2a、2a間を仕切桟部材15によって完全
に不通状態に区画しておいてもよいが、該仕切桟部材15
の長さを短くしたり、厚みを薄く形成しておく等によっ
て互いに連通させた構造としておいてもよい。
【0024】また、上記各分割通気空隙部2a内には、多
数の小口径の直状通気路6を同一方向に向けた状態で多
列、多層に並設、集合してなる通気部材5を、その直状
通気路6を前後方向に向けて配設してあり、全ての直状
通気路6の前後開口端を上記前後通気口3、4にそれぞ
れ連通させている。なお、この通気部材5はドア枠1に
有効な遮音性能を具備させるものであるが、必ずしも設
けておく必要はない。
【0025】上記通気部材5としては図7に示すよう
に、薄肉合成樹脂シートからなる上下ライナ5a、5aを上
下に小間隔を存して対向させていると共にこれらの上下
ライナ5a、5aの対向面間を該ライナの幅方向に小間隔毎
に並設した帯状隔壁片5bによって連結してなるプラスチ
ック段ボール5Aを複数枚、一体に積層してなる積層体か
ら構成しているものであるが、段ボール以外に全長に亘
って貫通した小口径の多数のハニカムの集合体や、幅方
向に連続的に全長に亘って連通する凹凸加工を形成した
板材の積層体から構成してもよく、要するに、全長に亘
って連通する多数の小口径直状通気路6が同一方向に向
けた状態で多列、多層に集合した構造であればよい。
【0026】なお、通気部材5が段ボールより構成して
いる場合には、プラスチック段ボール以外に紙段ボール
製であってもよく、さらに、段ボールとしては片面段ボ
ールの積層体であっても、両面段ボールの積層体であっ
てもよい。この段ボールを上記各分割通気空隙部2aにそ
れぞれ収納可能な大きさで且つ前後両端面間の幅、即ち
小口径直状通気路6の長さが上記表面材14の幅以下にな
るように裁断すると共に分割通気空隙部2aの厚みに略々
等しい厚みとなるように複数枚積層して上記通気部材5
を形成している。この通気部材5に設けている上記直状
通気路6の大きさは、該直状通気路6が四角形状の場
合、良好な通気機能を発揮させるには一辺の長さが2mm
以上、遮音性を考慮すれば6mm以下が好ましい。また、
直状通気路6が四角形状以外の異形断面を有している場
合においても、その断面積が4mm2〜36mm2 の範囲のもの
を用いればよい。
【0027】いずれにしても、通気部材5はこれらの多
数の小口径直状通気路6を多列、多層に集合した積層構
造を有しており、且つ、直状通気路6の壁を形成するラ
イナ5aや帯状隔壁片5bは0.5mm 厚以下の極めて薄肉のも
のであるから、通気部材5の断面積に対する全ての直状
通気路6の開口面積、即ち、通気部材5の開口率は80%
以上に構成されている。
【0028】このように構成した通気部材5はその両側
端面を隣接する仕切桟部材15、15の対向面間又は枠材13
と仕切桟部材15の対向面間に接した状態にし且つ前後端
面に開口している直状通気路6をそれぞれ前後通気口
3、4の上端部に対して直角に臨ませた状態にしてそれ
ぞれ各分割通気空隙部2a内に配設され、少なくとも上下
いずれかの面を基板11又は表面材14に接着剤等によって
固着されている。
【0029】上記のようにドア枠1の上枠部1Aと両側縦
枠部1B、1Bとを構成しているので、上枠部1Aの前後通気
口3、4はドアBを挟んで該ドアBの全幅に亘って下向
きに開口してあり、両側縦枠部1B、1Bの前後通気口3、
4はドアBを挟んで該ドアBの全高(全長)に亘ってド
アB側に向けて開口している。従って、上枠部1Aと両側
縦枠部1B、1Bとの開口部3、4は室内側からは見え難く
てドアの意匠性を損なう虞れはないと共に塵埃等が堆積
する虞れもなく、長期に亘って円滑な通気性を確保する
ことができる。
【0030】そして、ドアBが閉鎖している状態におい
て、このドアBの前後いずれか一方側、例えば前方側の
室内からの空気流が上枠部1A及び両側縦枠部1B、1Bの前
側通気口3に流入すると、通気空隙部2を通じて後側通
気口4から後方側の室内或いは通路に円滑に流通して換
気作用を行う。この際、両側縦枠部1B、1Bの通気口3、
4は該両側縦枠部1B、1Bの上下端間に亘って縦方向に設
けられているので、室内空間の上層部から下層部に亘っ
ての空気は澱むことなく一方の通気口3から通気空隙部
2を通じて他方の通気口4に流通し、室内全体の換気作
用を奏するものである。また、上枠部1Aにおいてはドア
Bの幅方向に設けている通気口3、4によって室内間の
空間の上層部の空気を広い範囲に亘って互いに流通させ
ることができ、この空気流により室内全体の空気を流動
させて一層、良好な換気作用を奏するものである。その
上、空気の流れは一方の通気口3から侵入後、直角に折
れ曲がって通気空隙部2を通り、再度、直角に折れ曲が
って他方の通気口4から排出されるので、一方の室内か
ら寒気などが他方の室内に吹き抜けることはない。
【0031】さらに、通気空隙部2における各分割通気
空隙部2a内には前後方向に貫通した多数の直状通気路6
を多列、多層に設けてなる通気部材5を配設しているの
で、一方の通気口3から流入した空気流が、直角に向き
を変えながらこれらの直状通気路6内を殆ど抵抗を受け
ることなく真っ直ぐに流通して他方の通気口4から流出
する。
【0032】この際、ドアBが密閉されている状態にお
いて、一方の室内或いは通路側で音が発生すると、その
音は一方の通気口3から通気空隙部2を通じて他方の通
気口4に漏出しようとするが、通気口3、4が室内側の
空間部の極く一部に向かって開口しているために、音波
が伝播する断面積の差が大きくなって音響インピーダン
スが急激に変化し、両者の境界面で反射が生じてそのエ
ネルギの全てが伝播することなく減衰されるものであ
り、さらに、通気空隙部2内に配設している通気部材5
の直状通気路6の断面積が通気空隙部2の断面積に比し
て極めて小さいので、各直状通気路6内に音波が入る
時、及びこれらの直状通気路6から音波がでる時に、断
面積の変化によって上記同様に音響インピーダンスが急
激に変化し、両者の境界面で反射が生じてそのエネルギ
が一層、減衰され、良好な遮音機能を奏するものであ
る。
【0033】図8は遮音性を一層良好にするために、上
枠部1Aと両側縦枠部1B、1Bにおける少なくとも1つの分
割通気空隙部2a内に上記通気部材5と共にグラスウー
ル、ロックウール等からなる吸音材7を配設した遮音構
造の別な実施例を示すものである。即ち、同図において
は上枠部1A内と両側縦枠部1B、1B内における隣接する仕
切桟部材15、15間の分割通気空間部2a内に通気部材5と
共に吸音材7を配設している。吸音材7は通気部材5と
前後方向の幅が同一幅で長さが短く形成されてあり、分
割通気空隙部2aの中央部に通気部材5をその直状通気路
6を前後方向に向けて上記同様に配設すると共にこの通
気部材5の両側端面と仕切桟部材15の対向端面間に上記
吸音材7を配設、固定した構造としている。なお、仕切
部材15の前後端面を同図に示すように、前後枠材12、12
の対向内面に当接させることなく離しておいてもよい。
【0034】このように構成したので、前後通気口3、
4間の通気性は通気部材5の多数の直状通気路6によっ
て上記同様に確保し得ると共に通気口3内に入った音や
通気部材5の直状通気路6を通過した音が吸音材7によ
り吸収されて防音効果を一層高めることができる。な
お、吸音材7としてはロックウール等の繊維系以外に発
泡ウレタンのような発泡樹脂系の材料を採用してもよ
く、また、実用上の通気性能を低下させない範囲で通気
部材5の一部を吸音材7に置換することにより遮音性能
を向上させるものであって、この場合、遮音性能や通気
性能、コスト等を考慮して適宜変更すればよい。その他
の構造は上記実施例と同一であるので、同一部分には同
一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0035】次に、ドア枠1は上枠部1Aと両側縦枠部1
B、1Bとによって上述したように門形状に形成してお
り、このドア枠1に取付けているドアBを気密に閉鎖さ
せるために、図2、図3に示すように上枠部1Aと両側縦
枠部1B、1Bにはその幅方向の中央部に戸当たり8が固定
され、この戸当たり8にパッキン(図示せず)を介して
ドアBの上端縁辺部と両側縁辺部とが密接するように構
成していると共にドアBの下端縁辺部においては床面と
の間に上記図2で示した従来例のようにアンダーカット
を採用することなくドアBの下端面にゴム製の突条材か
らなるエアタイト10を装着して防音機能を発揮させてい
る。
【0036】また、このようなエアタイト10に代えて両
側縦枠部1B、1Bの下端間に、図9に示すような沓摺り9
を床面に接して一体に設けてもよい。この沓摺り9はそ
の上面に戸当たり部9aを全長に亘って突設していると共
に下面には図10に示すように長さ方向に一定間隔毎に一
定厚みの突片部9bを幅方向に突設して隣接する突片部9
b、9b間に全幅に亘って前後方向に連通する水平通気孔
部9cを形成してあり、これらの水平通気孔部9cによって
ドアBで仕切られた前後の室内空間を連通させている。
【0037】このようにドア枠1の沓摺り9側において
も通気を可能にしているので、上記上枠部1Aと両側縦枠
部1B、1Bとの通気機能と相まって室内の上下層の温度差
による空気の流れを前後の室内間で一層円滑に行わせる
ことができると共に水平通気孔部9cは沓摺り9の下面側
に設けられているから外部からは見え難く、その上、床
面に沿って設けられているから、掃除機などによる内部
の塵埃の除去が簡単に行えると共に室内間を遮光するこ
とができる。
【0038】また、上記水平通気孔部9cに、前後方向に
貫通した多数の直状通気路6を多列、多層に設けてなる
上記通気部材5を配設しておくことにより遮音機能を発
揮させることができる。そして、この沓摺り9を従来の
アンダーカットなどで対応していたドアの該アンダーカ
ット部分に取付けるだけで遮光、遮音機能を備えたドア
枠構造としてリフォームすることができる。なお、水平
通気孔部9cの広さは、沓摺り9を踏み締めた時に撓みが
生じないように、上記突片部9b、9b間の間隔を設定して
おく。
【0039】図11と図12、及び図13〜図15は、上記ドア
枠1における両側縦枠部1B、1Bの別な構造を示すもの
で、一定の前後幅を有する該縦枠部1Bを壁Aの厚みに対
応して該壁Aに開設している開口部の対向端面に見切り
材16、16を介して取付け可能に構成しているものであ
る。即ち、同一幅と同一長さを有する縦長長方形状の基
板11と表面材14とを小間隔を存して重ね合わせ状に対向
させ且つ対向面を一定厚みを有する前後スペーサ材17に
よって一定に連結することにより、上記対向面間で前後
両端部がドアによって仕切られた建物内の前後空間にそ
れぞれ連通する通気空隙部2を形成してなり、さらに、
この縦枠部1Bにおける前後長辺側端部に開口する上記通
気空隙部2の前後端部内に壁Aに縦枠部1Bを取付けるた
めの断面L字状の見切り材16、16の内端部を前後方向、
即ち、縦枠部1Bの幅方向に移動調整可能に挿入し、且つ
これらの見切り材16、16と上記基板11又は表面材14との
対向面間に上記通気空隙部2に連通した前後通気口3、
4を形成した構造としている。
【0040】これらの縦枠部1Bの構造をさらに詳しく説
明すると、上記図11、12に示した縦枠部1Bは、同一大き
さ同一形状を有する縦長長方形状の基板11と表面材14と
の対向面において、基板11にはその前後の長辺側端面か
ら中央部に向かって所定間隔を存した前後部に、長辺側
端面に平行に一定厚みと一定高さを有する角棒状のスペ
ーサ材17、17を全長に亘って固着している一方、表面材
14にはその中央部に一定厚みを有し且つ上記前後スペー
サ材17、17間の幅よりも小幅の仕切板18を全長に亘って
固着していると共にこの仕切板18の前後端面から表面材
14の前後の長辺側端面に向かって仕切板18と同一厚みを
有する小形の長方形状仕切片18’を表面材14の長さ方向
に小間隔毎に固着している。
【0041】そして、基板11の前後スペーサ材17、17上
に表面材14の前後側に固着している上記仕切片18' を重
ね合わせてスペーサ材17に直交する全ての仕切片18' の
中央部を仕切片18' に接着剤で固着することにより縦枠
部1Bを構成している。このように構成した縦枠部1Bは、
基板11上における前後スペーサ材17、17の対向面間で該
スペーサ材17の厚み(高さ)に等しい偏平な通気空隙部
2を全長に亘って形成していると共にスペーサ材17上に
該スペーサ材17の長さ方向に一定間隔毎に固着している
上記隣接する仕切片18' 、18' 間の間隔部で空気流を前
後方向に流通させる通路口19を形成している。
【0042】表面材14の幅方向の中央部に固着している
上記仕切板18は通気空隙部2の幅方向の中央部上に全長
に亘って配設されている一方、仕切片18' はこの仕切板
18の前後端面からそれぞれ表面材14の前後の長辺側端面
にまで配設されているので、仕切片18' 、18' 間で形成
された上記通路口19の内端部はスペーサ材17と仕切板18
との間の通気空隙部2の端部上に連通してこれらの連通
部を屈折通路部20、20に形成していると共に、前後のス
ペーサ材17から外方にそれぞれ突出した前後側の通路口
19の外端部は外部(室内側)に連通してこれらの通路口
19の外端部をそれぞれ前後通気口3、4に形成してい
る。そして、スペーサ材17、17から突出している基板11
の前後端部と通路口19を形成している仕切片18' の外端
部との対向面間の隙間部21に上記見切り材16、16の端部
を挿入可能に構成している。
【0043】上記見切り材16は、壁Aの外面に当接させ
る一半部16a とこの一半部16a に直角に連設している他
半部16b とによって断面L字状に形成されてあり、その
他半部16b の厚みを上記通気口3、4の開口幅、即ち、
基板11と仕切片18' との対向面間の幅に略等しく形成し
て該他半部16b の内端部を上記隙間部21に挿入するよう
に構成している。なお、表面材14の幅方向の中央部上に
は戸当たり8が取付けられている。
【0044】このように構成した縦枠部1Bにおいて、上
記通気空隙部2は全長に亘って全面的に連通した1つの
広い空間部のまゝにしておいてもよいが、この通気空隙
部2をスペーサ材17と同一厚みで且つ長さが前後スペー
サ材17、17間の幅に等しい適宜幅を有する複数の仕切桟
部材15により、上記実施例と同様に所望長さ間隔毎に複
数の分割通気空隙部2aに区画されている。なお、隣接す
る分割通気空隙部2a、2a間を仕切桟部材15によって完全
に不通状態に区画しておいてもよいが、該仕切桟部材15
の長さを短くしたり、厚みを薄く形成しておく等によっ
て互いに連通させた構造としておいてもよい。
【0045】また、上記各分割通気空隙部2a内には、多
数の小口径の直状通気路6を同一方向に向けた状態で多
列、多層に並設、集合してなる上記通気部材5を、その
直状通気路6を前後方向に向け且つその前後端面を前後
スペーサ材17、17の対向端面から小間隔を存した状態で
配設してあり、全ての直状通気路6の前後開口端を上記
小間隔部を介して前後通路口19の内端部にそれぞれ連通
させている。なお、この通気部材5はドア枠1に有効な
遮音性能を具備させるものであるが、必ずしも設けてお
く必要はない。
【0046】上記のように構成した縦枠部1Bは、上枠部
1Aの両側端部にその上端を一体に連結してドア枠1を形
成するものであるが、上枠部1Aとしては上記図1で示し
た通気構造を有する上枠部を採用してもよく、従来から
周知の上枠部を用いてもよい。縦枠部1Bは、壁Aに設け
た出入口を形成する開口部の対向面にその基板11を固定
することにより取付けられ、この縦枠部1Bの前後に見切
り材16、16を配してその他半部1bの内端部を縦枠部1Bの
前後に開口した上記隙間部21に一半部16a の内面が壁A
の外面に当接するまで挿入したのち、見切り材16、16を
壁Aに固定する。従って、この見切り材16と表面材14と
の対向面間で上記通気口3、4を形成している。このよ
うに、見切り材16、16は壁Aの厚みに応じて上記隙間部
21に対するその内端部の挿入深さを調整することにより
取付けが行えるものである。
【0047】こうして上枠部1Aと共にドア枠1を構成し
た両側縦枠部1B、1Bにおいて、ドア枠1に取付けられた
ドアBの前後いずれか一方側、例えば前方側の室内から
の空気流が前側通気口3に流入すると、該通気口3を形
成している前側の各通路口19内を通じて該通路口19の内
端部から屈折通路部20を介して直角に向きを変えて通気
空隙部2の前端部内に入り、通気空隙部2の後端部内か
ら後側の各通路口19の内端部に向かってさらに屈折通路
部20を介して直角に向きを変えて流入したのち、該通路
口19の後側通気口4から後方側の室内に流通して換気作
用を行うものである。両側縦枠部1Bの前後部に設けてい
る上記前後通気口3、4は縦枠部1Bの全長(全高)に亘
って前後の室内にそれぞれ開口しているので、室内の天
井から床面間に亘る空気層を澱ませることなく円滑に流
通させることができる共に、空気流は前後通路口19、19
間において通気空隙部2を介して直角に迂回しながら流
通するので、直線的に吹き抜ける虞れはなく、その上、
迂回しながらの通過中において、偏平な通気空隙部2や
前後通路口19により音が吸収され、遮音効果を奏するも
のである。
【0048】さらに、空気流が通気空隙部2の各分割通
気空隙部2aに通気部材5を配設しておくことによって、
この通気部材5の直状通気路内を音が出入りした際や通
過中に上記同様に音のエネルギーが一層、減衰され、良
好な遮音機能を奏するものである。
【0049】上記図13〜図15に示した縦枠部1Bは、上記
図11、12に示した縦枠部1Bの変形例であって、見切り材
16と基板11との前後端部における対向面間に前後通気口
3、4を形成し、この前後通気口3、4を壁Aの外面に
沿って直角に屈折させた構造としている。
【0050】この縦枠部1Bの具体的な構造を説明する
と、同一大きさ同一形状を有する縦長長方形状の基板11
と表面材14との対向面において、基板11にはその前後の
長辺側端面から中央部に向かって所定間隔を存した前後
部に、長辺側端面に平行に一定高さを有する短柱状の前
後スペーサ材17' 、17' をそれぞれ長さ方向に所定間隔
毎に固着していると共にこれらのスペーサ材17' 、17'
と基板11の前後長辺側端面間との間の基板11の前後端部
上に、スペーサ材17' よりも高さの低い突片22、22を固
着している。一方、表面材14にはその中央部に上記スペ
ーサ材17' の突出高さよりも厚みが薄く且つこれらの前
後スペーサ材17' 、17' 間の幅よりも小幅の仕切板18を
全長に亘って固着してあり、基板11の前後スペーサ材1
7' 、17' 上に表面材14の前後端部の対向面を接合させ
て接着剤で固着することにより構成されている。
【0051】このように構成した縦枠部1Bは、基板11の
中央部に固着している仕切板18と表面材14との対向面お
よび前後スペーサ材17' 、17' の対向面間で囲まれた空
間部を全長に亘って偏平な通気空隙部2に形成している
と共に基板11の長さ方向に隣接するスペーサ材17' 、1
7' の間隔部を、上記通気空隙部2から基板11上の上記
突片22と表面材14の前後端部との対向面間で形成された
前後隙間部21、21に連通する屈折通路部20、20に形成し
ている。そして、これらの前後隙間部21、21に見切り材
16' 16' の内端部を挿入することにより、前後見切り材
16' 16' の内面に設けた後述する凹溝23によって縦枠部
1Bの前後端部に上記前後屈折通路部20から外部に連通す
る前後通気口3、4をそれぞれ形成している。
【0052】見切り材16' 16' は、壁Aの外面に当接さ
せる一半部16a'とこの一半部16a'に直角に連設している
他半部16b'とによって断面L字状に形成されてあり、そ
の他半部16b'を隙間部21に挿嵌可能な厚みに形成してい
ると共に、図15に示すように一半部16a'の内面から他半
部16b'の内面に亘ってこの見切り材16' の内端面側と外
端面側との間に連通する直角に屈折した凹溝23を見切り
材16' 16' の長さ方向に所定間隔毎に形成してあり、こ
の凹溝23によって内端側が上記屈折通路部20に連通し、
外端側が壁Aに沿って外部に連通する前後通気口3、4
を形成している。なお、表面材14の幅方向の中央部上に
は戸当たり8が取付けられている。
【0053】このように構成した縦枠部1Bにおいて、上
記通気空隙部2は縦枠部1Bの全長に亘って全面的に連通
した1つの広い空間部のまゝにしておいてもよいが、こ
の通気空隙部2内を基板11と仕切板18との対向面間に等
しい厚みを有し且つ適宜幅を有する矩形状の複数の仕切
桟部材15により、所望長さ間隔毎に複数の分割通気空隙
部2aに区画されている。
【0054】また、上記各分割通気空隙部2a内には、上
記実施例と同様に、多数の小口径の直状通気路6を同一
方向に向けた状態で多列、多層に並設、集合してなる上
記通気部材5を、その直状通気路6を前後方向に向け且
つその前後端面を前後スペーサ材17' 、17' の対向端面
から小間隔を存した状態で配設してあり、全ての直状通
気路6の前後開口端を上記小間隔部を介して上記前後屈
折通路部20、20にそれぞれ連通させている。なお、この
通気部材5はドア枠1に有効な遮音性能を具備させるも
のであるが、必ずしも設けておく必要はない。
【0055】上記のように構成した縦枠部1Bは図11、図
12で示した縦枠部1Bと同様に、上枠部1Aの両側端部にそ
の上端を一体に連結してドア枠1を形成するものである
が、上枠部1Aとしては上記図1で示した通気構造を有す
る上枠部を採用してもよく、従来から周知の上枠部を用
いてもよい。縦枠部1Bは、壁Aに設けた出入口を形成す
る開口部の対向面にその基板11を固定することにより取
付けられ、この縦枠部1Bの前後に見切り材16' 16' を配
してその他半部1bの内端部を縦枠部1Bの前後に開口した
上記隙間部21に一半部16a の内面が壁Aの外面に当接す
るまで挿入したのち、見切り材16' 16' を壁Aに固定す
ると、これらの見切り材16' 16' の内面に設けている上
記直角に屈折した複数の凹溝23の内端が屈折通路部20に
連通すると共に外端が壁Aに沿って外部に連通した前後
通気口3、4が形成される。
【0056】こうして上枠部1Aと共にドア枠1を構成し
た両側縦枠部1B、1Bにおいて、ドア枠1に取付けられた
ドアBの前後いずれか一方側、例えば前方側の室内から
の空気流が前側通気口3に流入すると、この通気口3内
を直角に屈折しながら流通して屈折通路部20内に入り、
この屈折通路部20を通じて通気空隙部2内を流通して後
側の屈折通路部20から通気口4内を直角に屈折しながら
通過し、壁Aの外面に沿って後方側の室内に流出して換
気作用を行うものである。
【0057】この際、両側縦枠部1B、1Bは上記実施例と
同様に、前後通気口3、4を縦枠部1Bの全長(全高)に
亘って前後の室内にそれぞれ開口しているので、室内の
天井から床面間に亘る空気層を澱ませることなく円滑に
流通させることができる共に、空気流は壁Aの外面を伝
って前後通気口3、4から直角に屈折しながら互いに流
通し、且つ縦枠部1B内においても屈折通路部20を流通す
るので、直線的に吹き抜ける虞れはなく、その上、屈折
しながらの通過中において、偏平な通気空隙部2や前後
通気口3、4により音が吸収され、遮音効果を奏するも
のである。また、前後通気口3、4は壁Aの外面に沿っ
て開口しているので、室内側からは直視されることはな
く、通常の見切り材と同様に優れた外観を呈する。さら
に、空気流が通気空隙部2の各分割通気空隙部2aに通気
部材5を配設しておくことによって、この通気部材5の
直状通気路内を音が出入りした際や通過中に上記同様に
音のエネルギーが一層、減衰され、良好な遮音機能を奏
するものである。
【0058】次に、本発明の具体的な実施例と比較例と
を示すと共にこれらの通気性、遮音性を比較する。
【0059】実施例1は、上記図1〜図3に示した構造
を有するドア枠であり、上枠部1Aと両側縦枠部1B、1Bに
設けている通気空隙部2内に通気部材5を配設している
と共にドアの下端面にエアタイト10を装着してなるドア
構造である。
【0060】実施例2は、上記実施例1のドア構造にお
いて、ドア枠を構成している上枠部1Aと両側縦枠部1B、
1B内の通気空隙部2に通気部材5と共にグラスウールよ
りなる吸音材7を設けたドア構造である。
【0061】実施例3は、上記実施例1のドア構造にお
いて、ドア枠の下端に図9、図10で示した沓摺り9を配
したドア構造である。
【0062】実施例4は、上記図11、図12に示した構造
を有するドア枠であり、上枠部1Aとしては上記実施例1
と同一構造のものを採用していると共にドアの下端面に
エアタイト10を装着してなるドア構造である。
【0063】比較例1は、図16で示した従来より用いら
れている一般的なドア構造において、ドア枠Aに開閉自
在に設けているドアCの下端面と床面Dとの間に6mmの
通気用隙間Eを設けてなる通気構造とした。
【0064】以上の実施例1〜4と比較例1のドア構造
における遮音性と通気性についての測定結果を表1に示
す。
【0065】
【表1】
【0066】上記表1において、遮音性能はJIS A 1417
により、対になっている残響室の界壁開口部に各枠材及
びドアを取り付けて試験し、両室の平均音圧レベルを求
めてその差から遮音性を求めた。なお、遮音等級はJIS
A 4706に基づいて判定した。一方、通気性能はJIS A 15
16に基づき、ドアの室内外の圧力差が1.0 Paの時の通気
量を測定した。
【0067】上記表1から明らかなように、実施例1〜
4と比較例1との遮音性能を比較した場合、実施例1〜
4ではいずれも250Hz以上の周波数域で比較例より
も遮音性能が優れており、遮音等級も1ランク向上して
いる。また、実施例2では通気空隙部にグラスウールを
充填している分だけ、実施例1よりも高音域で優れた遮
音性能を発揮する。実施例3は通気機能を備えた沓摺り
を採用している分だけ、実施例1よりも遮音性能は若干
劣るが実用上、問題は生じない。実施例4は実施例1と
略同等の遮音性能を有している。
【0068】また、実施例1〜4と比較例1との通気性
能を比較した場合、比較例1ではドアの下端側のみの通
気用隙間によって通気しているのに対して、上記実施例
1〜実施例4ではドアの3方又は4方で通気している
が、いずれも比較例1と同等が僅かに大きい通気量を示
しているにすぎず、遮音性能と通気性能の両方を満足し
ているものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すドア構造全体の一部切
欠斜視図、
【図2】その簡略縦断側面図、
【図3】両側縦枠部の横断面図、
【図4】上枠部と両側縦枠部の一部切欠平面図、
【図5】その簡略断面図、
【図6】その一部拡大斜視図、
【図7】通気部材の簡略斜視図、
【図8】吸音材を設けている上枠部又は縦枠部の一部切
欠平面図、
【図9】沓摺りを用いたドア枠の下端部の縦断側面図、
【図10】その下面側を上向きにした一部の斜視図、
【図11】本発明における縦枠部の別な構造を示す斜視
図、
【図12】その拡大横断面図、
【図13】本発明における縦枠部のさらに別な構造を示
す斜視図、
【図14】その拡大横断面図、
【図15】一方の見切り材を分離させた状態の一部を断
面した簡略斜視図、
【図16】従来例を示す簡略縦断側面図。
【符号の説明】
1 ドア枠 1A 上枠部 1B 縦枠部 2 通気空隙部 3、4 前後通気口 5 通気部材 9 沓摺り 9c 水平通気孔部 11 基板 14 表面材 16 見切り材 17 スペーサ材 21 隙間部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 俊 富山県東砺波郡井波町井波1番地の1 大 建工業株式会社内 Fターム(参考) 2E036 JA06 JC03 KA07 KB02 LA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上枠部と両側縦枠部とによって形成して
    なる正面門形状のドア枠において、上記両側縦枠部の内
    部に通気空隙部を設けると共に該両側縦枠部における互
    いに平行な長辺側端部に上記通気空隙部に連通し且つド
    アによって仕切られた前後の空間にそれぞれ開口する通
    気口を上下端間に亘って設けていることを特徴とするド
    ア枠の通気構造。
  2. 【請求項2】 上枠部の内部に通気空隙部を設けると共
    に該上枠部における互いに平行な長辺側端部に上記通気
    空隙部に連通し且つドアによって仕切られた前後の空間
    にそれぞれ開口する通気口を長さ方向の両側端間に亘っ
    て設けていることを特徴とする請求項1に記載のドア枠
    の通気構造。
  3. 【請求項3】 両側縦枠部の下端間に沓摺りを一体に設
    け、この沓摺りの下部にドアによって仕切られた床面上
    における前後空間にそれぞれ連通する水平通気孔部を長
    さ方向に所定間隔毎に設けていることを特徴とする請求
    項1、請求項2に記載のドア枠の通気構造。
  4. 【請求項4】 両側縦枠部は、縦長長方形状の基板と表
    面材とを小間隔を存して重ね合わせ状に対向させ且つ対
    向面を一定厚みを有するスペーサ材によって連結するこ
    とにより上記対向面間に両側端がドアによって仕切られ
    た建物内の前後空間にそれぞれ連通する通気空隙部を形
    成してなり、この縦枠部の長辺側端部に開口する基板と
    表面材との間の隙間部に壁に固定する見切り材の端部を
    縦枠部の幅方向に移動調整可能に挿入し且つこれらの見
    切り材と上記基板又は表面材との対向面間に上記通気空
    隙部に連通した通気口を形成していることを特徴とする
    請求項1、請求項2に又は請求項3に記載のドア枠の通
    気構造。
  5. 【請求項5】 通気空隙部内に、多数の小口径の直状通
    気路を同一方向に向けた状態で多列、多層に並設、集合
    してなる通気部材を配設し、この通気部材の直状通気路
    を通気口に連通させていることを特徴とする請求項1な
    いし請求項4のうち、いずれか1項に記載のドア枠の通
    気構造。
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