JP4929117B2 - 遮音扉 - Google Patents

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Description

本発明は、住宅の居室やトイレといった換気性能と遮音性能の両方が要求される場所に適用される遮音扉に関する。
住宅の居室やトイレには、健康上あるいは衛生上の理由から所定の換気性能が要求されるが、その一方で、周囲への音漏れやプライバシーの確保にも配慮する必要があり、従来、換気性と遮音性という相反する機能を満たすべく、数多くの提案がなされてきた。
これらのうち、住宅以外の用途で知られているものとしては例えば、一方の面に設けられた開口と他方の面あるいは枠体周面に設けられた開口とを迷路状あるいは曲折状の中空換気通路で連通させるとともに、該中空換気通路の内面に吸音材を配置した換気遮音装置(特許文献1,2)がある。
また、住宅用途としては例えば、一方の面に設けられた開口と他方の面あるいは枠体周面に設けられた開口とを中空換気通路で連通させるとともに、該中空換気通路の内面に吸音材を配置したものや(特許文献3,5)、中空換気通路内を桟材で仕切ったもの(特許文献4)が知られている。
また、、ドア底面の下方の隙間を利用してドア内外間の通気性を高めたものが知られている(特許文献5〜特許文献7)。
ところが、上述した提案のほとんどは実証試験によって作用効果が確認されておらず、各文献記載通りの作用効果を奏するのかどうか、必ずしも明らかではない。
実開昭62−73092 特開平5−302369 特開平9−235960 特開2001−227257 特開2000−45651 特開2001−132353 特開2001−132354 特開2005−207107 特開2006−57385 特開2006−57386 特開2001−012158
このような状況下、本出願人は、矩形状枠体の構面内に該矩形状枠体の短手方向と平行な横材が複数配置された矩形状フレームと、該矩形状フレームの正面及び背面にそれぞれ気密に接合された一対の面板とからなり、前記矩形状枠体及び前記面板で囲まれた扉内空間が前記各横材によって複数の分割空間に区画されてなる遮音扉であって、前記複数の分割空間のうち、前記各横材を介して隣接する分割空間が互いに連通するように該各横材に所定の貫通孔をそれぞれ形成するとともに、前記矩形状枠体のうち、建込み姿勢にて上部に位置する上枠材に上部貫通孔を形成して前記分割空間のうち、最上段の分割空間を外部に連通させ、前記矩形状枠体のうち、建込み姿勢にて下部に位置する下枠材に下部貫通孔を形成して前記分割空間のうち、最下段の分割空間を外部に連通させ、前記各分割空間に前記面板と非平行にかつ建込み状態にて鉛直になるように所定の仕切板を配置して前記各分割空間の空気層の厚みを前記矩形状枠体の短手方向に沿って変化させた遮音扉を開発した(特許文献10)。
かかる本出願人による発明によれば、JIS A 1417:2000に定められた測定方法で音圧レベル差を測定した結果、扉の防音性能の指標である遮音等級がD−25となるとともに、トイレの換気に必要となる20m/h程度の換気性能を確保できることもわかった。
しかしながら、本出願人の提案をもってしても、換気性能は十分なものではなく、遮音性及び換気性のいずれについても高い性能を備えた遮音扉の開発が待たれているのが現状である。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、遮音性及び換気性のいずれについても高い性能を備えた遮音扉を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る遮音扉は請求項1に記載したように、矩形状枠体の構面内に該矩形状枠体の長手方向と平行に縦仕切材が配置されてなる矩形状フレームと、該矩形状フレームの正面及び背面にそれぞれ気密に接合された一対の面材とを備えるとともに、前記矩形状枠体及び前記一対の面材で囲まれ前記縦仕切材で仕切られた2つの扉内空間のうち、吊り元側に拡がる空間を吊り元側扉内空間とし、所定の横仕切材をその一端が前記縦仕切材に当接され他端が前記矩形状枠体のうちの吊り元側に位置する縦材に当接されるように前記吊り元側扉内空間に複数段配置することにより、前記吊り元側扉内空間を長手方向に沿って複数の分割空間に区画した遮音扉であって、前記各分割空間が外部に連通されるように前記縦材に第1の貫通孔を設けるとともに、前記各分割空間が前記縦仕切材の取っ手側に拡がる取っ手側扉内空間に連通されるように前記縦仕切材に第2の貫通孔を設け、前記取っ手側扉内空間が外部に連通されるように前記面材のうちの一方に長手方向に沿ったスリットを設け、前記一対の面材の裏面及び前記横仕切材の対向側面に吸音材を貼着することにより該吸音材で前記各分割空間を取り囲むようにしたものである。
また、本発明に係る遮音扉は、前記面材のうち、少なくともいずれかを板本体及びその裏面に積層された制振材で構成したものである。
また、本発明に係る遮音扉は、前記一対の面材で挟み込まれるように前記吊り元側扉内空間に補剛材を配置したものである。
また、本発明に係る遮音扉は、前記横仕切材をV字状に形成したものである。
また、本発明に係る遮音扉は、前記横仕切材を直棒状に形成しかつ斜めに配置したものである。
また、本発明に係る遮音扉は、前記第1の挿通孔又は第2の挿通孔に対応する箇所に該挿通孔と同形の長孔を形成してなる溝型鋼を、前記第1の挿通孔又は第2の挿通孔と前記長孔とが一致するように前記縦材又は前記縦仕切材に抱き合わせたものである。
また、本発明に係る遮音扉は、前記縦材のうち、前記第1の貫通孔が形成された箇所と所定のクリアランスを形成した状態で該第1の貫通孔を覆う目隠し部材を前記縦材に取り付けたものである。
従来技術の遮音扉においては、それらのほとんどが扉下方と扉上方に空気の出入り口を設けてあるとともに、それらの出入り口を長手方向に沿って連通させてある。そのため、空気の流路となる連通空間が長くなって流体抵抗が大きくなり、換気性能を犠牲にせざるを得ない反面、扉のデザインを優先すれば、空気の出入り口をできるだけ目立たないように扉下方と扉上方に設けぜるを得ないという問題点があった。
本出願人は、かかる点に鑑み、さまざまな観点で研究開発を積み重ねた結果、2つの空気出入り口のうち、一方の空気出入り口を、美観上目立ちにくい吊り元側の縦材に設けるとともに、他方の空気出入り口を扉正面又は扉背面のデザインを兼ねたスリットとして面材に設け、それらの2つの空気出入り口を、短手方向に沿って形成した連通空間を介して相互に連通させることで、遮音性と換気性の両方に高い性能を付与することができるという新たな知見を得たものである。
すなわち、請求項1に係る遮音扉においては、所定の横仕切材を、その一端が縦仕切材に当接されるように、かつ他端が縦材に当接されるように吊り元側扉内空間に複数段配置することにより、吊り元側扉内空間を長手方向に沿って複数の分割空間に区画形成してある。
また、空気出入り口の一方を吊り元側とし、該吊り元側に位置する縦材に第1の貫通孔を設けて各分割空間を外部に連通させてある。また、空気出入り口の他方を扉の正面側又は背面側とし、面材のうちの一方に長手方向に沿ったスリットを設けて取っ手側扉内空間を外部に連通させるとともに、第2の貫通孔を縦仕切材に設けて各分割空間を取っ手側扉内空間に連通させてある。
このようにすると、面材に形成されたスリットを入り口とし、取っ手側扉内空間及び第2の貫通孔を経て、分割空間に流入し、第1の貫通孔を出口とする流路又はその逆の流路が形成されるとともに、該流路の長さは、連通空間を長手方向に形成していた従来に比べて大幅に短くなるため、空気が流れる際の流路抵抗が小さくなり、換気性能が向上する。
面材は、周波数が比較的低い帯域、例えば125Hz〜500Hzにおいて板振動が生じるのを抑制する制振材料で形成するのが望ましいが、板本体及びその裏面に積層された制振材で構成した面材を用いてもかまわない。
ここで、一対の面材で挟み込まれるように吊り元側扉内空間に補剛材を配置したならば、面材の板振動をさらに抑制することが可能となる。
取っ手側扉内空間は、矩形状枠体及び一対の面材で囲まれ縦仕切材で仕切られた2つの扉内空間のうち、取っ手側に拡がる空間を意味するが、この取っ手側扉内空間は、もう一つの扉内空間である吊り元側扉内空間に形成された各分割空間をスリットひいては外部に連通させることを目的とした空間であり、それゆえ、取っ手側の矩形状枠体にまで拡がっている必要はない。
分割空間に面し該分割空間を取り囲む箇所、すなわち一対の面材の裏面や横仕切材の対向側面には、周波数が比較的高い帯域、例えば500Hz〜4kHzの振動を吸収する吸音材を貼着するが、横仕切材自体も、ウレタン等で形成した吸音材で形成するのが望ましい。
横仕切材は、その一端が縦仕切材に当接されかつ他端が縦材に当接されるように吊り元側扉内空間に複数段配置されるものであるが、横仕切材がまっすぐな形状でかつ水平に配置される場合だと、各分割空間内の流路長さが最短となり、換気性能は大幅に向上するが、遮音性能を十分に確保できない懸念がある。
そのため、各分割空間内の流路が最短長さとなるような直線的かつ水平方向(短手方向と平行)とならないよう、換言すれば各分割空間内の流路が非直線状又は非水平方向となるように、横仕切材を構成し又は配置するのが望ましい。
このようにすれば、空気の流路が過度に短縮されるのを防止することが可能となり、空気流路の短縮による換気性能の向上と、流路長さの確保による遮音性能の確保をうまくバランスさせ、確実に両立させることができる。
各分割空間内の流路が非直線状又は非水平方向となるような具体的構成としては、横仕切材をV字状に形成する構成や、横仕切材を直棒状に形成しかつ斜めに配置する構成が考えられる。また、横仕切材を鋸状あるいは波状に形成してこれを水平に複数段配置するといった配置形態であってもかまわない。
ここで、横仕切材をV字状に形成したならば、第1の貫通孔と第2の貫通孔とを結ぶ経路に沿って音が直線的に伝播するのを回避することが可能となり、遮音性を向上させやすくなる。この場合、横仕切材は、第1の貫通孔と第2の貫通孔とが見通せないようにV字の角度を決定すればよい。
第1の貫通孔は、吊り元側の縦材に形成してあるため、扉が閉まっている通常時には、扉が嵌め込まれる壁側の枠材と対向し、外部には露出しない。そのため、特段の目隠し対策を施す必要はないが、縦材のうち、第1の貫通孔が形成された箇所と所定のクリアランスを形成した状態で該第1の貫通孔を覆う目隠し部材を前記縦材に取り付けたならば、扉を開閉する際に第1の貫通孔が露出するのを防止することができる。
以下、本発明に係る遮音扉の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る遮音扉を示した分解斜視図、図2は断面図及び側面図、図3は正面図である。これらの図でわかるように、本実施形態に係る遮音扉1は、矩形状フレーム8と、該矩形状フレームの正面及び背面にそれぞれ気密に接合された一対の面材9a,9bとを備える。
面材9a,9bは、板本体10及びその裏面に積層された制振材11で構成してあり、板本体10は、中質繊維板(MDF)に化粧材を積層して構成することができる。また、制振材11は、例えば市販されている不織布付きゴムシートを用いることができる。
矩形状フレーム8は、吊り元側に位置する縦材としての縦枠材2、取っ手側に位置する縦枠材3、これらの上端を連結する上枠材4及びこれらの下端を連結する下枠材5からなる矩形状枠体6と、該矩形状枠体の構面内にその長手方向と平行になるように配置された縦仕切材7とで構成してある。
ここで、縦仕切材7は、矩形状枠体6及び一対の面材a,6bに囲まれた扉内空間を図2で言えば左右に仕切っており、左側には取っ手側扉内空間21が、右側には吊り元側扉内空間22がそれぞれ拡がっている。なお、縦仕切材7の側方には補強材23を配置してあり、取っ手側扉内空間21は、補強材23、縦仕切材7および面材9a,9bに囲まれた空間となる。
吊り元側扉内空間22には、横仕切材としてのV型仕切材24をそれらの一端が縦仕切材7に当接されるとともに、それらの他端が縦枠材2に当接されるように複数段配置してあり、該V型仕切材により、吊り元側扉内空間22を長手方向に沿って複数の分割空間25に区画してある。
ここで、縦枠材2には、各分割空間25が外部に連通されるよう、第1の貫通孔としての貫通孔26を設けてあるとともに、縦仕切材7には、各分割空間25が取っ手側扉内空間21に連通されるよう、第2の貫通孔としての貫通孔27を設けてある。ここで、貫通孔26は、2つの空気出入り口のうち、一方の空気出入り口となる。
また、面材9aには、取っ手側扉内空間21が外部に連通されるよう、長手方向に沿ったスリット12を設けてあり、かかるスリット12は、2つの空気出入り口のうち、他方の空気出入り口となる。
一方、一対の面材a,9bの各裏面及び横仕切材24の対向側面のうち、各分割空間25を取り囲む面には、図4に示すように吸音材31を貼着してある。なお、図1及び図2は、便宜上、吸音材31の表示を省略した。
吸音材31は図4でよくわかるように、横仕切材24の上面、該横仕切材の上方に位置する横仕切材24の下面及び面材9a,9bの各裏面に貼着されるので、その配置形状はV字ボックス状となる。
吸音材31は、公知のものから適宜選択すればよいが、例えばPET繊維で製造された吸音材を採用することができる。
本実施形態に係る遮音扉1においては、V型仕切材24を、それらの一端が縦仕切材7に当接され、かつ他端が縦枠材2に当接されるように、吊り元側扉内空間22に複数段配置することで複数の分割空間25を形成するとともに、吊り元側に位置する縦枠材2に貫通孔26を、縦仕切材7に貫通孔27を、面材9aにスリット12をそれぞれ設けることにより、各分割空間25を外部に連通させてある。
このようにすると、面材9aに形成されたスリット12を入り口とし、取っ手側扉内空間21及び貫通孔27を経て分割空間25に流入し、貫通孔26を出口とする空気流路が形成される。
図5は、居室又はトイレと廊下とを隔てる間仕切り壁52の扉開口に本実施形態に係る遮音扉1を設け、居室又はトイレの換気扇を作動させて内側(同図では上側)を負圧にしたときの空気の流れを示したものである。
この場合、居室やトイレが負圧となっているため、空気は、同図矢印で示すようにまず、面材9aに形成されたスリット12から取っ手側扉内空間21へと流入し、続いて貫通孔27から各分割空間25に流入し、貫通孔25から居室又はトイレへと流出する。ここで、空気流路の長さは、扉の短手方向長さと同等なので、十分な換気性能が確保される。なお、遮音扉1は、公知の扉と同様、蝶番51によって間仕切り壁52に取り付けられるが、図2(b)でよくわかるように、挿通孔26は、蝶番51の設置箇所を避けて設けてあるため、空気の出入りに支障はない。
一方、居室やトイレで発生した音のうち、低周波成分については、面材9a,9bの制振材11で板振動が抑制されるとともに、高周波成分については、各分割空間25を取り囲むように配置された吸音材31で吸音される。ここで、分割空間25は、V型仕切材24で仕切られたものであるため、貫通孔26から入った音は、V字状の分割空間25を取り囲むように配置された吸音材31に吸収されるとともに、貫通孔26、貫通孔27及びスリット12を流れるときの摩擦抵抗によって減衰し、かくして十分な遮音性能が確保される。
以上説明したように、本実施形態に係る遮音扉1によれば、空気流路の長さは、連通空間を長手方向に形成していた従来に比べ、大幅に短くなって抵抗が小さくなり、換気性能が大幅に向上する。加えて、扉周囲、特に扉と床との間に隙間を設けるいわゆるアンダーカットをする必要がなくなるため、居室やトイレからの光漏れを防ぐことも可能となる。
また、本実施形態に係る遮音扉1によれば、V型仕切材24によって分割空間25が形成されているため、空気流路長さの過度な短縮が防止されるとともに、音を直線的に伝播させることなく、分割空間25を取り囲む吸音材31にぶつけて吸収させることが可能となり、かくして遮音性も十分に確保することができる。
本実施形態では、横仕切材としてV型仕切材24を採用したが、本発明に係る横仕切材はかかる構成に限定されるものではなく、図6に示すように、縦仕切材7への接合端よりも縦枠材2への接合端が低くなるように、直棒状の仕切材24aを斜め配置するようにしてもよい。
かかる構成においても、後述するように上述した実施形態と同様の作用効果を奏する。
また、本実施形態では特に言及しなかったが、面材9a,9bの板振動が十分に抑制できない場合には、図7に示すように、V型仕切材24の折曲部分に補剛材71を挿入した上、該補剛材を面材9a,9bで挟み込むようにするのがよい。
かかる変形例においては、補剛材71を介して面材9a,9bが一体化されるので、面材9a,9b全体の面外剛性が高くなり、板振動を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では特に言及しなかったが、吊り元側扉内空間24を大きく確保したことによって、矩形状フレーム8の面外剛性が小さくなって扉に要求される剛性が不足する場合には、図8に示すように、挿通孔26に対応する箇所に該挿通孔と同形の長孔82を形成してなる溝型鋼81を、挿通孔26と長孔82とが一致するように縦枠材2に抱き合わせるとともに、挿通孔27に対応する箇所に該挿通孔と同形の長孔84を形成してなる溝型鋼83を、挿通孔27と長孔84とが一致するように縦仕切材7に抱き合わせるようにする。
かかる構成によれば、広い吊り元側扉内空間24を確保したことによる扉の剛性低下を、遮音性や換気性を何ら損なうことなく、適切に補うことが可能となる。なお、上枠材4及び下枠材5にも同様な溝型鋼を抱き合わせ、これら4本の溝型鋼を矩形状に連結するようにすれば、高い扉剛性を確保することができる。
また、本実施形態では特に言及しなかったが、図9に示すように、縦枠材2と所定のクリアランスδが形成されるよう、貫通孔26を覆う目隠し部材93を該縦枠材2に取り付けるようにしてもよい。目隠し部材93は、帯状の板91とその背面に突設され縦枠材2に接着される取付部92とから構成してあり、該取付部92の突設厚さをδに設定してある。
かかる構成によれば、遮音扉1を開閉する際、貫通孔26が露出するのを防止することができる。
(試験用扉の仕様)
試験用扉は、幅700mm、高さ1,950mm、厚み36mmの扉とするとともに、スリットの幅を11mmとし、貫通孔の径を20mmとした。横仕切材はV型仕切材とするとともにその折れ曲がり部分に補剛材を挿入し、吸音材は4mmのPET樹脂を用いて図4と同様に配置した。V型仕切材は、水平軸に対して30度の角度をなすように製作した。制振材は、厚さ1mmの不織布付きゴムシートを用い、板本体は、厚さ3mmのMDFを用いた。
(遮音性の確認試験)
遮音試験は以下の手順で行った。まず、試験用扉が取り付けられた居室内に、音源であるスピーカ及び音源側のマイクロフォンを設置するとともに、居室外であって試験用扉近傍にも受音側のマイクロフォンを設置した。
なお、スピーカは居室の奥側のコーナーに向かって45度方向で、斜め上向きとなるように設置し、音源側のマイクロフォンは、居室内に均一に5個設置するとともに、受音側のマイクロフォンは、試験用扉から250mm離れた位置に均一に5個設置した。
次に、スピーカから様々な周波数の音を発生させ、居室内に設置した音源側のマイクロフォン及び居室外に設置した受音側のマイクロフォンでそれぞれ音圧レベルを測定した。なお、発生させる音の周波数は、125,250,500,1K,2K,4K(Hz)とした。
次に、各マイクロフォンの測定結果から音源側である居室内と受音側である居室外との間の音圧レベル差(dB)を求めた。なお、測定は、JIS A 1417:2000 建築物の空気遮断性能の測定方法 付属書2(規定)特定場所間音圧レベル差の測定方法に準じて行った。
図10は、かかる測定から得られた居室内と居室外との間の音圧レベル差を示したグラフである。同図でわかるように、試験用扉の音圧レベル差(実線で表示)は、125Hzで15dB、250Hzで18dB、500Hzで25dB、1KHzで29dB、2KHzで31dB、4KHzで33dBとなり、高周波帯域では余裕をもって遮音等級D25(同図一点鎖線で表示)をクリアし、250〜500Hzの帯域でも遮音等級D25をクリアできることがわかった。
なお、V型仕切材に代えて図6に示す直棒状の仕切材を採用し、同様の遮音試験を行ってV型仕切材との参考比較を行った。
この参考比較試験は、制振材を片面のみとした試験であったため、両者いずれも250〜500Hzの範囲で遮音等級D25をわずかにクリアできなかったが、両者の差は、125Hzで1dB、1KHzで1dB、それぞれV型仕切材が直棒状仕切材を上回っただけで、他の周波数帯では差は見られなかった。
このことから、縦仕切材7への接合端よりも縦枠材2への接合端が低くなるように、直棒状の仕切材24aを斜め配置した遮音扉であっても、上述の実施形態に係る遮音扉と同様、遮音等級D25をほぼクリアできるものと思われる。
(換気性の確認試験)
建築基準法では、居室の天井高や面積にもよるが、換気性能として概ね100cm2以上の相当隙間面積が必要とされている。これを受けて、上記試験用扉とは別に、形状及び大きさは同じで10cm×10cmの開口を有する標準扉を製作し、該標準扉と試験用扉に対し、それぞれ換気試験を行った。
換気試験の結果、試験用扉は、標準扉と同等の換気性能を有しており、建築基準法で義務付けられている相当隙間面積を概ねクリアできることがわかった。
本実施形態に係る遮音扉の分解斜視図。 本実施形態に係る遮音扉の図であり、(a)は鉛直断面図、(b)はA−A線方向の矢視図、(c)はB−B線方向に沿う鉛直断面図。 本実施形態に係る遮音扉の正面図。 吸音材の配置状況を示した図であり、(a)は斜視図、(b)は鉛直断面図。 空気の流れを示した遮音扉の横断面図。 変形例に係る遮音扉の分解斜視図。 変形例に係る遮音扉の分解斜視図。 溝型鋼による補強状況を示した斜視図。 目隠し部材の設置状況を示した斜視図。 遮音性能を示したグラフ。
符号の説明
1 遮音扉
2 縦枠材(縦材)
3 縦枠材
4 上枠材
5 下枠材
6 矩形状枠体
7 縦仕切材
8 矩形状フレーム
9a,9b 面材
11 制振材
12 スリット
21 取っ手側扉内空間
22 吊り元側扉内空間
24 V型仕切材(横仕切材)
24a 直棒状仕切材(横仕切材)
25 分割空間
26 貫通孔(第1の貫通孔)
27 貫通孔(第2の貫通孔)
31 吸音材
71 補剛材
81,83 溝型鋼
93 目隠し部材

Claims (7)

  1. 矩形状枠体の構面内に該矩形状枠体の長手方向と平行に縦仕切材が配置されてなる矩形状フレームと、該矩形状フレームの正面及び背面にそれぞれ気密に接合された一対の面材とを備えるとともに、前記矩形状枠体及び前記一対の面材で囲まれ前記縦仕切材で仕切られた2つの扉内空間のうち、吊り元側に拡がる空間を吊り元側扉内空間とし、所定の横仕切材をその一端が前記縦仕切材に当接され他端が前記矩形状枠体のうちの吊り元側に位置する縦材に当接されるように前記吊り元側扉内空間に複数段配置することにより、前記吊り元側扉内空間を長手方向に沿って複数の分割空間に区画した遮音扉であって、前記各分割空間が外部に連通されるように前記縦材に第1の貫通孔を設けるとともに、前記各分割空間が前記縦仕切材の取っ手側に拡がる取っ手側扉内空間に連通されるように前記縦仕切材に第2の貫通孔を設け、前記取っ手側扉内空間が外部に連通されるように前記面材のうちの一方に長手方向に沿ったスリットを設け、前記一対の面材の裏面及び前記横仕切材の対向側面に吸音材を貼着することにより該吸音材で前記各分割空間を取り囲むようにしたことを特徴とする遮音扉。
  2. 前記面材のうち、少なくともいずれかを板本体及びその裏面に積層された制振材で構成した請求項1記載の遮音扉。
  3. 前記一対の面材で挟み込まれるように前記吊り元側扉内空間に補剛材を配置した請求項1記載の遮音扉。
  4. 前記横仕切材をV字状に形成した請求項1記載の遮音扉。
  5. 前記横仕切材を直棒状に形成しかつ斜めに配置した請求項1記載の遮音扉。
  6. 前記第1の挿通孔又は第2の挿通孔に対応する箇所に該挿通孔と同形の長孔を形成してなる溝型鋼を、前記第1の挿通孔又は第2の挿通孔と前記長孔とが一致するように前記縦材又は前記縦仕切材に抱き合わせた請求項1記載の遮音扉。
  7. 前記縦材のうち、前記第1の貫通孔が形成された箇所と所定のクリアランスを形成した状態で該第1の貫通孔を覆う目隠し部材を前記縦材に取り付けた請求項1記載の遮音扉。
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