JP2014122515A - 吸音パネルにおける吸音する音の周波数の調整方法及び吸音パネル - Google Patents

吸音パネルにおける吸音する音の周波数の調整方法及び吸音パネル Download PDF

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賢一郎 大隈
Jiro Hamada
二郎 濱田
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Abstract

【課題】コンサートホール、オーディオルーム又は会議室等の壁面や天井面に設置し、特定の周波数の音を吸音する吸音パネルにおいて、製造後においても、吸音する音の周波数を必要に応じてチューニングすることができる吸音パネルを提供する。
【解決手段】吸音パネルA1は、芯材1と、芯材1に取り付けられる正面板2及び背面板3を有し、芯材1は、枠体10と、枠体10の内側に複数並設されており、正面板2及び背面板3と組み合わせることにより区画される空気室を形成する空気室形成部材13と、空気室形成部材13の間に配置され空気室内で空気の流通を遮断する調整体15と、空気室形成部材13に沿って、調整体15が着脱自在な複数の係合溝14,14aとを有し、背面板3が芯材1に対し着脱自在であり、正面板2には空気室に通じる入音口21,22が形成されており、調整体15と入音口21,22の間隔を調整して空気室の長さ又は容積を調整する。
【選択図】図1

Description

本発明は、吸音パネルにおける吸音する音の周波数の調整方法及び吸音パネルに関するものである。更に詳しくは、コンサートホール、オーディオルーム、会議室等の壁面や天井面に設置して、特定の周波数の音を吸音する吸音パネルにおいて、製造後においても、吸音する音の周波数を必要に応じてチューニングすることができるものに関する。
クラシックコンサートや歌手のコンサート、またはスピーチコンテスト等、様々な催し物が行われるコンサートホール、あるいは、このように規模の大きなものでなくても、楽器の練習や音楽の視聴を行うオーディオルームや会議室等には、より良い音響効果を得るために、一般に天井面や壁面に吸音パネルや反射パネル等が使用されている。
このうち、特定の周波数の音を吸音することができる吸音パネルとしては、例えば特許文献1に開示された吸音パネルがある。
特許文献1の吸音パネル<10>は、波板<14>と平板<12>を重ね合わせて管共鳴を生じる複数の空洞<20,26>を形成したものであり、吸音パネル<10>の前面側に空洞<20,26>に連通する開口部<22,24>を形成し、複数台の吸音パネル<10>を、各空洞<20,26>の端部が開口している側端面<10a.10b>同士を突き合わせた状態に配列して相互に連結したものであり、共鳴を利用した吸音パネルを簡易な構成で実現するというものである。
特開2009−30431
しかしながら、前記した従来の吸音パネルには、次のような課題があった。
すなわち、コンサートホールにおいて催される前記したように様々なジャンルの音楽やスピーチ、あるいはオーディオルームや会議室等でも、発生する音の音響的な特性はそれぞれの場合で異なっている。
ところが、前記した従来の吸音パネルは、各空洞に沿う開口部の位置を適宜調整して、吸音する音の周波数を設定する構造となっており、この設定は、吸音パネルの製造時において行われる。そして、吸音パネルで吸音する音の周波数は、一旦設定された後は変えることができなかった。
このため、従来の吸音パネルは、製造後においては、例えばコンサートホールの場合では催し物に合わせて、また、オーディオルームや会議室においても、これらに適した音響効果を発揮できるように、吸音する音の周波数をチューニングすることができなかった。
(本発明の目的)
本発明は、コンサートホール、オーディオルーム又は会議室等の壁面や天井面に設置して、特定の周波数の音を吸音する吸音パネルにおいて、製造後においても、吸音する音の周波数を必要に応じてチューニングすることができる吸音パネルを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
(1)本発明は、
複数の空気室と、当該空気室に通じる入音口を有しており、特定の周波数の音を吸音する吸音パネルにおいて、
前記空気室に空気の流通を遮断する調整体を配置し、当該調整体の位置を変えて前記入音口と前記調整体の間隔を調整し、前記空気室の長さ又は容積を調整して、空気室の固有周波数が、吸音する音の周波数に共鳴する周波数となるようにする、
吸音パネルにおける吸音する音の周波数の調整方法である。
(2)本発明は、
吸音する音の周波数を調整して特定の周波数の音を吸音する吸音パネルであって、
芯材と、
当該芯材の正面側に取り付けられている正面板及び前記芯材の背面側に取り付けられている背面板を有し、
前記芯材は、
枠体と、
当該枠体の内側に複数並設されており、前記正面板及び前記背面板と組み合わせることにより区画される空気室を形成する長尺の空気室形成部材と、
当該空気室形成部材の間に配置され、前記空気室内で空気の流通を遮断する調整体と、
前記空気室形成部材に沿って形成され、前記調整体の位置を変えるべく着脱自在な複数の取付部と、
を有し、
前記正面板及び前記背面板のうち、何れか一方又は双方が前記芯材に対し着脱自在であり、
前記正面板には、前記空気室に通じる入音口が形成されており、
前記調整体と前記入音口との間隔を調整して前記空気室の長さ又は容積を調整するようにした、
吸音パネルである。
(3)本発明は、
入音口が、各空気室に対して正面板の上下端部側の二箇所に形成され、調整体は上側の入音口と下側の入音口の間の一箇所に取り付けられている、のが好ましく、推奨される。
(4)本発明は、
入音口が、各空気室に対して正面板の上下端部側の二箇所に形成され、調整体は上側の入音口と下側の入音口の間の二箇所に取り付けられている、のが好ましく、推奨される。
(5)本発明は、
取付部が、空気室形成部材において空気室に面する両面側に形成されている溝であり、当該両溝は遮断部で通気できないように遮断されている、のが好ましく、推奨される。
(6)本発明は、
複数の空気室のうち、調整体を有さず吸音する音の周波数が固定されている空気室を有している、のが好ましく、推奨される。
(7)本発明は、
空気室内部に、高音域の音を吸音するための発泡材料又は繊維材料で形成された吸音材を収容することもできる。
調整体を動かす構造としては、空気室形成部材に所要間隔で形成されている複数の溝に着脱自在な構造の他、例えば空気室の長さ方向にスライドする構造等、各種公知手段を採用することができる。
発泡材料としては、例えばウレタンフォーム等であるが、高音域の音を吸音できるものであれば、特に限定するものではない。
また、繊維材料としては、例えばグラスウール、ロックウール等であるが、高音域の音を吸音できるものであれば、特に限定するものではない。
(作用)
本発明に係る吸音パネルの作用を説明する。
吸音パネルは、例えばコンサートホール、オーディオルーム、会議室等の壁面や天井面等に配置して使用される。
そして、吸音パネルの設置後に、吸音する音の周波数をチューニングする場合は、所要の調整体を動かして、入音口と調整体の間隔を調整し、空気室の長さ又は容積を調整することにより、空気室(又は気柱)の固有周波数(又は固有振動数)が、吸音する音の周波数に共鳴する周波数となるように調整する。
これにより、入音口から空気室に入った音のうち、吸音する特定周波数の音は、空気室内で共鳴を起こし、その音のエネルギーのほとんどが熱エネルギーに変化して空気室の外部へ出ないので、結果的に吸音パネルで反射せず、吸音されることになる。このようにして、吸音する音の周波数をチューニングすることができる。
入音口が、各空気室に対して正面板の上下端部側の二箇所に形成され、調整体は上側の入音口と下側の入音口の間の一箇所に取り付けられているものは、空気室が一つの調整体を挟んで二箇所にあることになり、調整体の位置を変えて調整することにより、二つの空気室の長さが同時に変わり、両方の空気室で吸音する音の周波数が変化する。
また、入音口が、各空気室に対して正面板の上下端部側の二箇所に形成され、調整体は上側の入音口と下側の入音口の間の二箇所に取り付けられているものは、入音口のないデッドスペースができる問題はあるが、入音口がある二つの空気室はそれぞれ独立して周波数の調整ができる。
取付部が、空気室形成部材において空気室に面する両面側に形成されている溝であり、当該両溝は遮断部で通気できないように遮断されているものは、隣合う空気室間で音の干渉が起こらないので、消音する機能性に支障が出ることを防止できる。
複数の空気室のうち、調整体を有さず吸音する音の周波数が固定されている空気室を有しているものは、吸音する音の周波数が固定されている空気室の固定周波数をあらかじめ使用場所に適した基本的な周波数に設定しておけば、この部分については調整に揺らぎがないので、チューニングがしやすい。
本発明は、複数の空気室と、当該空気室に通じる入音口を有しており、特定の周波数の音を吸音する吸音パネルにおいて、空気室に配置されている調整体を動かして、入音口と調整体の間隔を調整することにより、空気室の長さ又は容積を調整して、その固有周波数を吸音する音の周波数に共鳴する周波数となるように調整することができる。
これにより、吸音パネルを製造した後においても、吸音する音の周波数を必要に応じてチューニングすることができる吸音パネルを提供できる。
本発明に係る吸音パネルの第1実施の形態の構造を示す分解斜視図。 調整体の取り付け構造を示す説明図。 背面板を省略した吸音パネルの背面視説明図。 本発明に係る吸音パネルの第2実施の形態の構造を示す分解斜視図。 調整体の取り付け構造の他の例を示す説明図。
〔実施の形態〕
本発明を図面に示した実施の形態に基づき詳細に説明する。
図1乃至図3を参照して、吸音パネルの第1実施の形態を説明する。図1は、説明の便宜上、正面板を奥側に、背面板を手前側に表した背面側からみた分解斜視図である。
なお、吸音パネルA1は、使用時において後記する正面板2を室内側又は音源側へ向ける点以外は特に決まった方向性はないが、以下の構造の説明では、方向や位置関係を、便宜上、図3を基準とした上下、左右等の用語を用いて表現することがある。
吸音パネルA1は、外形が長方形状の芯材1と、芯材1の正面側に固定されている正面板2と、芯材1の背面側に着脱自在に取り付けられている背面板3を有している。
芯材1、正面板2及び背面板3は、本実施の形態においては木質部材で形成されているが、これに限定するものではなく、各種合成樹脂や金属等の他の材料で形成してもよいし、これら各材料を複合して形成することもできる。
芯材1は、上下方向に長い長方形状の外枠10を有している。外枠10は、左右側の左縦部材101、右縦部材102と、上下側の上横部材103、下横部材104で構成されている。左縦部材101、右縦部材102には、それぞれ上下端部寄り及び中間部の三箇所に、後記する背面板3の各通孔30と連通する雌ネジを有するビス孔具105が埋め込まれている。
外枠10の上側の上横部材103より下方には、上横部材103と所要の間隔で平行に中横部材11が取り付けられている。
上横部材103と中横部材11及び左縦部材101、右縦部材102で囲まれた区域には、所要数の空気室形成部材12が縦横に組み合わされて取り付けられている。各空気室形成部材12は、後記するように、芯材1に正面板2と背面板3を取り付けることで、図1、図3において左から順に、空気室120、121、122、123、124、125、126、127、128、129を形成するものである。なお、前記各空気室を囲む各空気室形成部材13、正面板2、背面板3で四角筒形状の複数の共鳴管状のものが形成される。
また、中横部材11と下側の下横部材104及び左縦部材101、右縦部材102で囲まれた区域には、複数の長尺の空気室形成部材13が、中横部材11と下横部材104間に渡すように、左右方向に所要の間隔で、左縦部材101、右縦部材102と平行に取り付けられている。本実施の形態では、空気室形成部材13は十三本設けられているが、この数に限定されず、適宜設定することができる。
各空気室形成部材13の背面側の縁部には、両側面側のそれぞれ三箇所又は四箇所に空気室形成部材13の長手方向に所要の間隔をおいて、後記する調整体15を係合する取付部である係合溝14、14aが形成されている。各係合溝14、14aは、直方体形状の空隙を形成するように所要の深さ及び幅で設けられ(図2参照)、一方の側面側の係合溝14と、この係合溝14と隣り合う他方の側面側の係合溝14aの間には、後記する背面板3を取り付けたときに両係合溝14、14a間で通気できないようにして、隣合う空気室間で音の干渉が起こらないようにする遮断部144が形成されている。
また、前記左縦部材101、右縦部材102の背面側の内側面側にも、係合溝14bが前記係合溝14、14aと同様の間隔で形成されている。左縦部材101、右縦部材102において、係合溝14bが形成されているのは、左右両端部の各空気室形成部材13の外側の側面に形成されている係合溝14、14aに対応する部分である。
なお、各空気室形成部材13における各係合溝14、14a及び左縦部材101、右縦部材102における各係合溝14bの形成位置は次のとおりである。すなわち、中央部五本の各空気室形成部材13の係合溝14、14aは、空気室形成部材13の上下方向の中間部から下方へ三箇所設けられ、その外側二本の空気室形成部材13の係合溝14、14aは、一段下がって下方へ四箇所設けられている。
更に、その外側一本の空気室形成部材13の係合溝14、14aは、更に一段下がって下方へ四箇所設けられ、その外側の空気室形成部材13の係合溝14、14aは、三箇所設けられている。また、左縦部材101、右縦部材102の係合溝14bは、左縦部材101、右縦部材102の内隣の空気室形成部材13の係合溝14、14aと同じ高さの三箇所に設けられている。
互いに隣り合う空気室形成部材13の係合溝14と係合溝14aの間、左縦部材101の係合溝14bと空気室形成部材13の係合溝14の間及び右縦部材102の係合溝14aと空気室形成部材13の係合溝14bの間には、それぞれ一枚ずつ調整体15が着脱自在に取り付けられる(図2には、隣り合う空気室形成部材13の係合溝14と係合溝14aの間に取り付ける場合を示す)。
調整体15は、ほぼ長方形の平板状に形成されており、長手方向(取り付け時において芯材1の厚み方向)の一端部には、両側へ張り出した係合部150、151を有している。調整体15の長さは、空気室形成部材13の前後方向の幅(芯材1の厚み方向)と同じ長さに形成されている。
また、係合部150、151の長さは、係合溝14、14a、14bの深さと同じ長さに形成されており、係合部150、151の幅は、係合溝14、14a、14bの幅と同じ幅に形成されている。そして、係合部150、151を各係合溝14、14a、14bに差し込んで調整体15を取り付けたときに、調整体15の長手方向の両端面は各空気室形成部材13又は左縦部材101、右縦部材102の前後方向の両端面と面一となる。
芯材1の正面側には正面板2が取り付けられ、背面側には背面板3が取り付けられる。本実施の形態では、正面板2は接着剤等で固定され、調整体15の位置調整の際に取り外す必要がある背面板3は、取付ビス32によって着脱自在に取り付けられている。
なお、背面板3の取り付け構造は、取付ビス32によるものに限定されず、例えば図示はしていないが、先端に径大部があるピンと、径が異なる穴をつないだ長孔を有する係合具からなり、ピンの径大部を係合具の径大穴に入れた後、径小穴と係合させる係合手段を使用した構造としてもよい。また、本実施の形態では背面板3を一枚構造としたが、例えば調整体15による周波数の調整に関係のない部分を固定式にする等、固定式の板と着脱式の板からなる複数の背面板で構成してもよい。
正面板2は、芯材1と正面視で同じ大きさの長方形状である。正面板2の上端寄りには、上下方向に複数近接して並設された表裏面を貫通したスリットからなる入音口20が、左右方向の両端部の一部を残して形成されている。入音口20のやや下方には、入音口20と平行に同様の入音口21が形成されている。また、正面板2の下端寄りには、入音口20、21と平行に同様の入音口22が形成されている。
入音口20は、正面板2を芯材1に取り付けたときに、前記各空気室形成部材12の上部側、つまり前記空気室120、121、122、123、124、125、126、127、128、129の上部側に位置するように形成してある。
同様に、入音口21は、前記各空気室形成部材13の上部側、つまり後記する空気室130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143の上部側に位置するように形成してある。
同様に、入音口22は、前記各空気室形成部材13の下部側、後記する空気室130a、131a、132a、133a、134a、135a、136a、137a、138a、139a、140a、141a、142a、143aの下部側に位置するように形成してある。
また、背面板3は、芯材1と正面視で同じ大きさの長方形状である。背面板3の左右両側には、それぞれ上下端部寄り及び中間部の三箇所に通孔30が形成されている。全部で六箇所に設けられている各通孔30は、背面板3を芯材1に合わせたときに、芯材1の各ビス孔具105と合うようになっている。
更に、背面板3の外面側において前記上部側の両通孔30の近傍には、係合金具31が取り付けられている。係合金具31は、径が異なる穴をつないだ長孔(符号省略)を有するもので、壁面側に立てたピンの径大部と、長孔の径小穴側を係合させて壁面に取り付けるためのものである。なお、吸音パネルA1の壁面等に対する取り付け構造については、この構造に限定するものではなく、公知各手段を採用することができる。
そして、各調整体15を所要の係合溝14、14a、14bに取り付け、更に、芯材1に正面板2と背面板3を取り付けることで、正面板2の内面は芯材1の正面側の面にほぼ密着し、背面板3の内面は芯材1の背面側の面にほぼ密着する。
これにより、吸音パネルA1の上側には、各空気室形成部材12、左縦部材101、右縦部材102、上横部材103、中横部材11、正面板2及び背面板3によって、図3において左から順に、空気室120、121、122、123、124、125、126、127、128、129が形成されている。なお、図3では背面板3を省略しているが、空気室120〜129の符号は、便宜上、図3において付している(後記する空気室130〜143、空気室130a〜143aも同様)。また、空気室120〜129の上部には、前記正面板2の入音口20が開口している。
吸音パネルA1の下側には、各空気室形成部材13、左縦部材101、右縦部材102、中横部材11、正面板2、背面板3及び調整体15によって、図3において左から順に、空気室130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143が形成されている。
また、調整体15より下方側には、各空気室形成部材13、左縦部材101、右縦部材102、下横部材104、正面板2、背面板3及び調整体15によって、空気室130a、131a、132a、133a、134a、135a、136a、137a、138a、139a、140a、141a、142a、143aが形成されている。
前記空気室130〜143の上部には、前記正面板2の入音口21が開口し、空気室130a〜143aの下部には、正面板2の入音口22が開口している。また、前記空気室120〜129、空気室130〜143及び空気室130a〜143aは、互いに独立している。
本実施の形態においては、前記調整体15を図1、図3に示す位置に取り付けることにより、前記各空気室で消音できる音の周波数は、空気室120で350Hz、121で500Hz、124で300Hz、125で300Hz、128で500Hz、129で350Hzに設定されている。
また、空気室130で125Hz、131で125Hz、132で130Hz、133で140Hz、134で160Hz、135で200Hz、136で240Hz、137で240Hz、138で200Hz、139で160Hz、140で140Hz、141で130Hz、142で125Hz、143で125Hzに設定されている。更に、空気室134aで500Hz、135aで300Hz、136aで240Hz、137aで240Hz、138aで300Hz、139aで500Hzに設定されている。
前記各空気室で消音できる音の周波数は、前記周波数に限定されるものではなく、各空気室の太さや長さ又は容積を変えることにより適宜設定することができる。また、調整体15を他の係合溝14、14a、14bに付け替えて位置を変えることにより、空気室の長さを変えて消音できる音の周波数を調整することができる。
なお、所要の空気室(図3において右端部の空気室143)にウレタンフォーム等の発泡材料で形成した適宜大きさの吸音材16を入音口21にかかるように詰めることで、例えば1KHz以上の前記設定で吸音できない比較的高い周波数の音を吸音することが可能になる。吸音材16は、グラスウール等の繊維材料で代替することもできる。
(作用)
吸音パネルA1は、例えばコンサートホール、オーディオルーム、会議室等の壁面や天井面等に配置して使用される。壁面等への取り付けは、係合金具31を壁面に立てたピンに係合して行い、取り外しも簡単にできる。
吸音パネルA1によれば、前記した各周波数の音を各空気室によって吸音することができるので、これにより、より良い音響効果を得ることができる。
そして、吸音パネルA1の設置後に、吸音する音の周波数をチューニングする場合は、背面板3を取り外し、所要の調整体15を動かして、入音口21、22と調整体15の間隔を調整することにより、各空気室の固有振動数(固有周波数)が、吸音する音の周波数に共鳴する周波数となるように調整する。
その後、背面板3を芯材1に再度取り付ける。これにより、入音口21、22から各空気室に入った音のうち、吸音する特定周波数の音は、各空気室内で共鳴を起こし、その音のエネルギーのほとんどが熱エネルギーに変化して各空気室の外部へは出ないので、結果的に吸音パネルA1で反射せず、吸音されることになる。
吸音パネルA1は、製造後又は設置後においても、このようにして、吸音する音の周波数をチューニングすることができる。
なお、吸音パネルA1の各空気室のうち、上部側の空気室120〜129は、調整体15を有さず吸音する音の周波数が固定されている。これによれば、吸音する音の周波数が固定されている空気室120〜129の固定周波数を、あらかじめ使用場所に適した基本的な周波数に設定しておけば、この部分は揺らぎがないので、チューニングがしやすい利点がある。
次に、図4を参照して、吸音パネルの第2実施の形態を説明する。
なお、図4において、前記吸音パネルA1と同等箇所には同じ符号を付して示し、構造について重複する説明は省略する。
吸音パネルA2では、空気室136を構成している調整体15の下方の係合溝14、14aで二段下がった位置に調整体15aが取り付けられている。これにより、空気室136の下方には、前記吸音パネルA1の空気室136aより空気室が短く吸音する音の周波数が高い空気室136bが形成されている。
また、空気室140aを構成している調整体15の上方の係合溝14、14aで二段上がった位置に調整体15bが取り付けられている。これにより、空気室140aの上方には、前記吸音パネルA1の空気室140より空気室が短く吸音する音の周波数が高い空気室140bが形成されている。
なお、前記空気室136と空気室136bの間、及び空気室140aと空気室140bの間には、それぞれ調整体15、15a、調整体15、15bで通気が遮断されたデッドスペースが形成されるが、調整体15が空気室の一箇所に取り付けられている前記吸音パネルA1と相違して、空気室136と空気室136b及び空気室140aと空気室140bは、それぞれ互いに独立して吸音する音の周波数を一定の範囲内で調整できる。
図5を参照して、調整体の取り付け構造の他の例を説明する。
本例では、各空気室形成部材13には、前記係合溝14、14a、14bと同じ位置に係合溝14cが形成されている。係合溝14cは、空気室形成部材13の厚み方向の全長にわたり所要の深さで形成されており、溝の上下幅は例えば1mm程度に狭小に形成されている。
各係合溝14cに取り付けられる調整体15cは、金属製で前記木製の調整体15を更に薄くした形状に形成されている。調整体15cの係合部150c、151cの幅は、両端が係合溝14cにおいて空気室形成部材13の厚み方向の中間部に位置するように設定されている。これにより、同じ空気室形成部材13の係合溝14cに調整体15cを並べて取り付けることができる。
なお、調整体15cを取り付けていない各係合溝14cは、隣合う各空気室をつなぐことになるが、各係合溝14cは、前記したようにごく狭小であるので、各空気室が干渉を起こして、消音する機能性に支障が出ることはない。また、他の作用については、前記調整体15の取り付け構造と同様であるので、説明は省略する。
本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形が可能であるということは言うまでもない。
A1 吸音パネル
1 芯材
10 外枠
101 左縦部材
102 右縦部材
103 上横部材
104 下横部材
105 ビス孔具
11 中横部材
12 空気室形成部材12
120〜129 空気室
13 空気室形成部材
130〜143 空気室
130a〜143a 空気室
14、14a 係合溝
144 遮断部
14b 係合溝
14c 係合溝
15 調整体
150、151 係合部
15a、15b 調整体
16 吸音材
2 正面板
20 入音口
21 入音口
22 入音口
3 背面板
30 通孔
31 係合金具
32 取付ビス
A2 吸音パネル
136b 空気室
140b 空気室
15c 調整体
150c、151c 係合部

Claims (7)

  1. 複数の空気室と、当該空気室に通じる入音口を有しており、特定の周波数の音を吸音する吸音パネルにおいて、
    前記空気室に空気の流通を遮断する調整体を配置し、当該調整体の位置を変えて前記入音口と前記調整体の間隔を調整し、前記空気室の長さ又は容積を調整して、空気室の固有周波数が、吸音する音の周波数に共鳴する周波数となるようにする、
    吸音パネルにおける吸音する音の周波数の調整方法。
  2. 吸音する音の周波数を調整して特定の周波数の音を吸音する吸音パネルであって、
    芯材と、
    当該芯材の正面側に取り付けられている正面板及び前記芯材の背面側に取り付けられている背面板を有し、
    前記芯材は、
    枠体と、
    当該枠体の内側に複数並設されており、前記正面板及び前記背面板と組み合わせることにより区画される空気室を形成する長尺の空気室形成部材と、
    当該空気室形成部材の間に配置され、前記空気室内で空気の流通を遮断する調整体と、
    前記空気室形成部材に沿って形成され、前記調整体の位置を変えるべく着脱自在な複数の取付部と、
    を有し、
    前記正面板及び前記背面板のうち、何れか一方又は双方が前記芯材に対し着脱自在であり、
    前記正面板には、前記空気室に通じる入音口が形成されており、
    前記調整体と前記入音口との間隔を調整して前記空気室の長さ又は容積を調整するようにした、
    吸音パネル。
  3. 入音口が、各空気室に対して正面板の上下端部側の二箇所に形成され、調整体は上側の入音口と下側の入音口の間の一箇所に取り付けられている、
    請求項2記載の吸音パネル。
  4. 入音口が、各空気室に対して正面板の上下端部側の二箇所に形成され、調整体は上側の入音口と下側の入音口の間の二箇所に取り付けられている、
    請求項2又は3記載の吸音パネル。
  5. 取付部が、空気室形成部材において空気室に面する両面側に形成されている溝であり、当該両溝は遮断部で通気できないように遮断されている、
    請求項2、3又は4記載の吸音パネル。
  6. 複数の空気室のうち、調整体を有さず吸音する音の周波数が固定されている空気室を有している、
    請求項2、3、4又は5記載の吸音パネル。
  7. 空気室内部に、高音域の音を吸音するための発泡材料又は繊維材料で形成された吸音材を収容した、
    請求項2、3、4、5又は6記載の吸音パネル。
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JP2016020584A (ja) * 2014-07-15 2016-02-04 フクビ化学工業株式会社 吸音パネル
JP2017009759A (ja) * 2015-06-19 2017-01-12 大和ハウス工業株式会社 吸音構造

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