JP2001098653A - 間仕切り壁構造 - Google Patents

間仕切り壁構造

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JP2001098653A
JP2001098653A JP27616599A JP27616599A JP2001098653A JP 2001098653 A JP2001098653 A JP 2001098653A JP 27616599 A JP27616599 A JP 27616599A JP 27616599 A JP27616599 A JP 27616599A JP 2001098653 A JP2001098653 A JP 2001098653A
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ventilation
partition wall
room
facing
peripheral edge
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JP27616599A
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Minoru Yamaguchi
稔 山口
Kenji Hasegawa
賢司 長谷川
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Daiken Trade and Industry Co Ltd
Original Assignee
Daiken Trade and Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた通気手段と遮音手段とを備えた新規な
構造を有する間仕切り壁を提供する。 【解決手段】 建物を2つの部屋に仕切っている間仕切
り壁において、該間仕切り壁における一方の部屋に面し
た幅木又は回り縁と、他方の部屋に面した幅木又は回り
縁とに間仕切り壁の内部空間に通じる通気口を設け、一
方の部屋から該部屋に開口している上記通気口内に流入
した空気流を間仕切り壁の内部空間を通じて他方の部屋
に開口している上記通気口に流出させて両部屋間の換気
を行うように構成していると共に間仕切り壁の内部空間
に多数の小口径直状通気路を多列、多層に設けている通
気部材を配設して、この通気部材の上記直状通気路によ
って遮音機能を発揮させるように構成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は住宅等の建物内の部
屋間、或いは廊下と部屋間を仕切った間仕切り壁であっ
て、特に、通気手段を備えた間仕切り壁構造に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来から間仕切り壁によって仕切られた
部屋間や部屋と廊下間を通気させる手段としては、間仕
切り壁に設けているドアの下端と床面との間に隙間を設
けたり、ドア本体の表裏面の下半部等に換気口を設け、
これらの表裏換気口をドア本体の中空内部を通じて連通
させたり、或いは、天井裏に配設したダクトを通じて行
っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ドアの
下端と床面との間に隙間を設けると外観を著しく損する
ばかりでなく隙間から光が漏れるという問題点がある。
このため、ドア本体に上記のような換気口からなる通気
手段を設けることが望ましいが、間仕切り壁におけるド
ア部分のみの通気構造であるから、通気量が不足する場
合があると共にドアから離れた空間部分の空気の流動性
が損なわれてその部分の空気が淀み、部屋全体の通気が
行えないという問題点がある。一方、天井ダクトによる
場合には通気構造全体が大規模となって大がかりな工事
を必要とする上に高価につくという問題点がある。
【0004】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは間仕切り壁によって
仕切られた隣接する空間部間の通気をドア以外の部分に
よって意匠性を損なうことなく良好に行わせることがで
き、また、通気口を備えているにもかかわらず遮音性の
向上を可能にすると共に施工が容易な間仕切り壁構造を
提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の間仕切り壁構造は、請求項1に記載したよう
に、建物内の空間を仕切り且つ仕切った空間部に面して
下端縁に幅木を、上端縁に回り縁を固定してなる間仕切
り壁において、一方の空間部に面した幅木又は回り縁の
少なくとも一部と他方の空間部に面した幅木又は回り縁
の少なくとも一部とにそれぞれ通気口を設け、これらの
両通気口を間仕切り壁の中空内部を通じて連通させてな
る構造としている。
【0006】上記請求項1に記載の間仕切り壁構造にお
いて、請求項2に係る発明は、建物内を仕切った上記間
仕切壁における一方の空間部に面した幅木と他方の空間
部に面した回り縁とにのみ、互いに間仕切り壁内の空間
部を通じて連通した通気口を設けていることを特徴とし
ている。
【0007】また、請求項3に係る発明は、上記請求項
1又は請求項2に記載の間仕切り壁構造において、間仕
切り壁の中空内部に、多数の小口径の直状通気路を同一
方向に向けた状態で多列、多層に並列してなる通気部材
を配設し、この通気部材の直状通気路の一端開口部を一
方の通気口に、他端開口部を他方の通気口に連通させて
いることを特徴とするもので、上記通気部材により遮音
性を一層向上させた構造としている。
【0008】さらに、請求項4に係る発明は、上記通気
口にガラリを装着して通気口が目立ち難い幅木や回り縁
に設けていることと相まって優れた外観を呈するように
構成している。
【0009】
【作用】間仕切り壁によって仕切られた部屋や廊下など
における一方の空間部内の空気は、該間仕切り壁の幅木
又は回り縁に設けている通気口から間仕切り壁の中空内
部を流通して他方の空間部内に流入し、互いに換気作用
が行われる。この際、間仕切り壁に固定している上記幅
木や回り縁は部屋や廊下の空間部に全面的に面している
ので、ドアの有無にかかわらず、これらの幅木や回り縁
の所定部分に所望大きさの通気口を設けることによって
部屋内の空気を淀ませることなく流動させて円滑な換気
を行うことができる。さらに、通気口が幅木または回り
縁に設けているから、目立ち難くて間仕切り壁の外観を
損する虞れはない。この場合、通気口にガラリを装着し
ておけば、意匠的に優れた間仕切り壁を形成できる。
【0010】また、上記間仕切壁において、一方の空間
部に対してはその空間部に面した幅木にのみ通気口を設
け、他方の空間部に対しては該空間部に面した回り縁に
のみ通気口を設けた間仕切り壁構造にすると、幅木に設
けた通気口から流入した一方の空間部内の空気は、間仕
切り壁の内部空間を上昇して回り縁に設けて通気口から
他方の空間部内に流出し、これとは逆に、回り縁に設け
た通気口から流入する空気は、間仕切り壁の内部空間を
降下して隣接する空間部側に流出する。従って、例えば
一方の部屋を暖房すると、床部と天井部とに温度差が発
生して空気が対流するが、その対流を上記幅木と回り縁
とに設けている通気口間で自然通気させることができ、
優れた換気機能を発揮すると共に、幅木に設けている通
気口から回り縁に設けている通気口間における間仕切り
壁の内部空間が長いので、遮音性が向上する。
【0011】さらに、間仕切り壁の中空内部に、多数の
小口径の直状通気路を多列、多層に並列してなる通気部
材を配設してこの通気部材の一端開口部を一方の通気口
に、他端開口部を他方の通気口に連通させた構造にする
と、この通気部材を音が通過する際に分散、減衰されて
一層良好な遮音機能を発揮し、隣接する部屋や廊下に音
が漏れるのを防止することができる。なお、上記通気部
材を構成している全ての通気路は同一方向に向けて直状
に形成されているから、空気流がこれらの直状通気路内
を殆ど抵抗を受けることなく真っ直ぐに流通、通過し、
通気性を阻害することはない。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の具体的な実施の形
態を図面について説明すると、図1、図2において、1
は建物内の空間を部屋と部屋、或いは部屋と廊下との2
つの空間部に仕切っている間仕切り壁であって、隣接す
る柱11、12の表裏面間、又は間柱の表裏面間に表裏面板
13、14をそれぞれ天井から床に亘って全面的に張設する
ことにより形成されてあり、柱11、12と表裏面板13、14
とで囲まれた内部を中空内部2に形成している。この間
仕切り壁1の表裏面における下端部、即ち、この間仕切
り壁1によって仕切られた一方の空間部(以下、部屋3A
とする)に面した面板13の下端部と他方の空間部(以
下、部屋3Bとする)に面した面板14の下端部とに下端面
が床面端部上に接した一定高さを有する幅木4A、4Bを床
面に沿って全長に亘り固定していると共に上記部屋3A、
3Bにそれぞれ面した面板13、14の上端部に上端面が天井
面の端部下面に接した一定幅を有する細長い回り縁5A、
5B(図3、図4に示す)を天井面に沿って全長に亘り固
定している。
【0013】さらに、間仕切り壁1の下端部表裏面に固
定している上記幅木4A、4Bの所望部分を所定長さだけ切
除することによって通気口6A、6Bを設けていると共にこ
れらの通気口6A、6Bに対応した表裏面板13、14の下端部
も該通気口6A、6Bと同一大きさ、同一形状だけ切り欠い
てそれぞれ開口7A、7Bさせてあり、上記通気口6A、6Bを
この開口部7A、7Bを通じて柱間における間仕切り壁1の
中空内部2に連通させている。
【0014】従って、間仕切り壁1により仕切られた一
方の部屋3A内の空気が該部屋3Aに面している上記通気口
6Aを通じて他方の部屋3B内に連通し、また、他方の部屋
3B内の空気が該部屋3Bに面している上記通気口6Bを通じ
て反対側の部屋3Aに連通して互いに換気を行うことがで
きると共に、このような通気口6A、6Bを柱間における一
スパン部分の間仕切り壁1の幅木4A、4Bにだけに設けて
おくことなくこの間仕切り壁部分と面一に連続している
他の柱間の間仕切り壁部分の幅木4A、4Bにも設けて部屋
3A、3B内の隅々まで空気流が発生するようにし、空気の
淀みが生じないように構成することが可能となる。な
お、1つの間仕切り壁1の幅木4A、4Bに対して1個所の
みに限らず、2個所以上に互いに連通する通気口6A、6B
を設けておいてもよい。
【0015】また、一方の部屋3A側に開口する通気口6A
と他方の部屋3B側に開口する通気口6Bとは、図2に示す
ように、幅木4A、4Bの長さ方向(間仕切り壁1の面板1
3、14の幅方向)に所定間隔を存して左右方向に偏位さ
せた部分に設けている。なお、図3に示すように、通気
口6A、6Bをシャッタ板15、16によってそれぞれ開閉自在
に構成しておいてもよい。この場合、通気口6A、6Bにそ
れぞれ対応して開口している上記面板13、14の設けられ
た開口部7A、7Bをシャッタ板15、16の横幅だけさらに大
きく切除してシャッタ板15、16の収納部17、18をそれぞ
れ設けておき、この収納部17、18にシャッタ板15、16を
開口部7A、7Bに向かって横移動可能に収納して部屋間の
換気時には通気口6A、6Bを開口させておき、換気を行う
必要がない時にはシャッタ板15、16を横移動させて通気
口6A、6Bを閉止させるように構成している。
【0016】さらにまた、上記両通気口6A、6B間を連通
させている間仕切り壁1の中空内部2に遮音作用を奏す
る多数の小口径の直状通気路8aを同一方向(間仕切り壁
1の幅方向)に向けた状態で多列、多層に並設、集合し
てなる通気部材8を内装し、この通気部材8の直状通気
路8aの一端開口部を一方の通気口6Aに、他端開口部を他
方の通気口6Bに連通させた構造としておいてもよい。
【0017】上記通気部材8としては図4に示すよう
に、薄肉合成樹脂シートからなるライナ81、81を上下に
小間隔を存して対向させていると共にこれらの上下ライ
ナ81、81の対向面間を該ライナの幅方向に小間隔毎に並
設した帯状隔壁片82によって連結してなるプラスチック
段ボールを複数枚、一体に積層してなる積層体から構成
しているものであるが、段ボール以外に全長に亘って貫
通した小口径の多数のハニカムの集合体や、幅方向に連
続的に全長に亘って連通する凹凸加工を形成した板材の
積層体から構成してもよく、要するに、全長に亘って連
通する多数の小口径直状通気路8aが同一方向に向けた状
態で多列、多層に集合した構造であればよい。
【0018】なお、通気部材8が段ボールより構成して
いる場合には、プラスチック段ボール以外に紙段ボール
製であってもよく、さらに、段ボールとしては片面段ボ
ールの積層体であっても、両面段ボールの積層体であっ
てもよい。この段ボールの積層体を上記間仕切り壁1の
面板13、14間の横幅に等しい幅と通気口6A、6Bの縦幅に
等しい高さを有し、且つ両通気口6A、6B間の長さ間隔に
等しい長さ又は短い長さに裁断して通気部材8を形成
し、この通気部材8を間仕切り壁1の中空内部における
両通気口6A、6B間に配設している。さらに、図1に示す
ように、通気部材8の上面に左右両端が隣接する柱の対
向端面に密接した仕切板19を固定してこの仕切板19によ
り通気口6A、6Bから上方の間仕切り壁1の内部空間2に
対するこれらの通気口6A、6Bの連通を遮断し、両通気口
6A、6Bを通気部材8の直状通気路8aのみを通じて互いに
連通させている。この通気部材8の直状通気路8aの大き
さは、該直状通気路8aが四角形状の場合、良好な通気機
能を発揮させるには一辺の長さが2mm以上、遮音性を考
慮すれば6mm以下が好ましい。また、直状通気路8aが四
角形状以外の異形断面を有している場合においても、そ
の断面積が4mm2〜36mm 2 の範囲のものを用いればよい。
【0019】いずれにしても、通気部材8はこれらの多
数の小口径直状通気路8aを多列、多層に集合した積層構
造を有しており、且つ、直状通気路8aの壁を形成するラ
イナや帯状隔壁片は0.5mm 厚以下の極めて薄肉のもので
あるから、通気部材8の断面積に対する全ての直状通気
路8aの開口面積、即ち、通気部材8の開口率は80%以上
に構成されている。
【0020】このように構成した間仕切り壁構造によれ
ば、一方の部屋3A内の空気流が該部屋3Aに面している通
気口6Aから間仕切り壁1の内部空間2の下端部内に流入
し、通気部材8の多数の直状通気路8aを通じて他方の通
気口6Bから他方の部屋3Bに円滑に流通して換気作用を行
う。この際、一方の部屋3A側で音が発生すると、その音
は一方の通気口6A内に入る時に減衰されたのち、さら
に、通気部材8の直状通気路8aを流通する時にこの小断
面の直状通気路8aによって音波のエネルギが一層、減衰
され、他方の通気口6Bから殆ど音が発することなく排出
されて良好な遮音機能を奏するものである。
【0021】また、上記間仕切り壁構造において、図5
に示すように、両通気口6A、6Bにガラリ9A、9Bを装着し
ておいてもよい。このガラリ9A、9Bは図6、図7に示す
ように、通気口6A、6Bに嵌合可能な矩形状枠91内に複数
枚の羽板92を並設、固定していると共に矩形状枠91の一
方の開口端周縁に額縁形状のフランジ部93を一体に形成
してなるもので、このガラリ9A、9Bをそれぞれ両通気口
6A、6Bに嵌め込んで固定し、通気口6A、6Bの外観を良好
にしている。
【0022】図8は上記通気部材8にガラリ9A、9Bを装
着可能にした通気用ユニット体10を示すもので、段ボー
ルの積層体からなる通気部材8において、表裏側の段ボ
ール80、80を他の段ボールよりも長く形成しておき、一
方の段ボール80をその長さ部分だけ一方の通気口6A側に
向かって突出83させると共に他方の段ボール80を上記長
さ部分だけ他方の通気口6B側に向かって突出83させ、こ
れらの突出部83にそれぞれ上記通気口6A、6Bに直接連通
する通孔84、84を設けなるものである。
【0023】そして、この通気用ユニット体10を図9に
示すように間仕切り壁1の中空内部2における上記表裏
面板13、14間に配して一方の突出部83の通孔84を開口部
7Aを通じて一方の通気口6Aに直接連通させ、他方の突出
部83の通孔84を開口部7Bを通じて他方の通気口6Bに直接
連通させた状態で固定して通気口6A、6B又は開口部7A、
7Bに嵌め込んだガラリ9A、9Bの矩形状枠91の端部を通孔
84にそれぞれ嵌合させている。なお、この通気用ユニッ
ト体10の両側の通孔84、84に予め、ガラリ9A、9Bを貼着
しておき、これらのガラリ9A、9Bをそれぞれ通気口6A、
6Bに臨ませるように構成しておいてもよい。
【0024】図10、図11は本発明の別な実施例を示すも
ので、上記実施例においては通気口6A、6Bを間仕切り壁
1における幅木4A、4Bに設けているが、この実施例にお
いては間仕切り壁1の上端部表裏面に固定している回り
縁5A、5Bの所望部分を所定長さだけ切除することによっ
てそれぞれ通気口6C、6Dを設けていると共にこれらの通
気口6C、6Dに対応した表裏面板13、14の上端部も該通気
口6C、6Dと同一大きさ、同一形状だけ切り欠いてそれぞ
れ開口7C、7Dさせてあり、上記通気口6C、6Dをこの開口
部7C、7Dを通じて間仕切り壁1の中空内部2に連通させ
ている。
【0025】従って、間仕切り壁1により仕切られた一
方の部屋3A内の空気が該部屋3Aに面している上記通気口
6Cを通じて他方の部屋3B内に連通し、また、他方の部屋
3B内の空気が該部屋3Bに面している上記通気口6Dを通じ
て反対側の部屋3Aに連通して互いに換気を行うことがで
きる。なお、このような通気口6C、6Dは上記実施例と同
様に、柱間における一スパン部分の間仕切り壁1の回り
縁5A、5Bにだけに設けておくことなくこの間仕切り壁1
に面一に連続した他の間仕切り壁部分回り縁5A、5Bにも
設けて部屋3A、3B内の隅々まで空気流が発生するように
し、空気の淀みが生じないように構成することが可能と
なる。また、1つの間仕切り壁1の回り縁5A、5Bに対し
ても1個所のみに限らず、2個所以上に互いに連通する
通気口6C、6Dを設けておいてもよい。
【0026】また、一方の部屋3A側に開口する通気口6A
と他方の部屋3B側に開口する通気口6Bとは、回り縁5A、
5Bの長さ方向(間仕切り壁1の面板13、14の幅方向)に
所定間隔を存して左右方向に偏位させた部分に設けてあ
る。なお、これらの通気口6A、6B間における間仕切り壁
1の中空内部1の上端部内には、上記実施例と同様に遮
音作用を奏する多数の小口径の直状通気路8aを同一方向
に向けた状態で多列、多層に並設、集合してなる通気部
材8を内装しておいてもよい。この場合、該通気口6C、
6Dは、その直状通気路8aの一端開口部を一方の通気口6A
に、他端開口部を他方の通気口6Bに連通させた状態に
し、且つ、その下面を左右両端が隣接する柱の対向端面
に固定した仕切板19の上面に載置された状態で配設され
てあり、従って、上記通気口6C、6Dから下方の間仕切り
壁1の内部空間2に対するこれらの通気口6C、6Dの連通
を遮断し、両通気口6C、6Dを通気部材8の直状通気路8a
のみを通じて互いに連通させている。なお、上記通気口
にガラリ9A、9Bを装着しておいてもよい。
【0027】このように構成した間仕切り壁構造によれ
ば、一方の部屋3A内の空気流が該部屋3Aに面している通
気口6Cから間仕切り壁1の内部空間2の上端部内に流入
し、通気部材8の多数の直状通気路8aを通じて他方の通
気口6Dから他方の部屋3Bに円滑に流通して換気作用を行
う。この際、一方の部屋3A側で音が発生すると、上記実
施例同様に、その音は一方の通気口6C内に入る時に減衰
されたのち、さらに、通気部材8の直状通気路8aを流通
する時にこの小断面の直状通気路8aによって音波のエネ
ルギが一層、減衰され、他方の通気口6Dから殆ど音が発
することなく排出されて良好な遮音機能を奏するもので
ある。なお、両通気口6C、6Dにガラリ9A、9Bを装着して
おいてもよいことは上記実施例と同様である。
【0028】また、以上のいずれの実施例においては、
部屋3A、3B側に面した幅木4A、4Bにそれぞれ設けている
上記通気口6A、6B、又は回り縁5A、5Bにそれぞれ設けて
いる通気口6C、6Dは、間仕切り壁1の幅方向に所定間隔
を存した状態で開口させているが、図12に示すように、
通気口6A、6B又は通気口6C、6Dを幅木4A、4B又は回り縁
5A、5Bの対向した表裏同一部分にそれぞれ設けておいて
もよい。この場合もこれらの通気口6A、6B又は通気口6
C、6D間における間仕切り壁1の中空内部2に上記通気
部材8を配設しておくことが好ましい。なお、通気部材
8の配設は、その直状通気路8aの両端開口部を上記実施
例とは直角方向に向きを変えて表裏側の通気口6A、6B又
は通気口6C、6Dにそれぞれ直通状態に連通するように設
けられる。また、通気口6A、6B又は通気口6C、6Dは幅木
4A、4B又は回り縁5A、5Bの一部に限らず、全長に亘って
設けておいてもよい。
【0029】図13、図14は本発明のさらに別な実施例を
示すもので、柱間の間仕切り壁1の上下端部表裏面にそ
れぞれ固定している上記回り縁5A、5Bと幅木4A、4Bにお
いて、間仕切り壁1によって仕切られた一方の部屋3Aに
面している幅木4Aと、他方の部屋3Bに面している回り縁
5Bとにそれぞれ通気口6A、6Dを設けてこれらの通気口6
A、6Dを該間仕切り壁1の表裏面板13、14(上記図にお
いてはこれらの面板13、14は全面的に除去した通気形態
を示している)にこれらの通気口6A、6Dに直接連通させ
て切り欠いている開口部を通じて中空内部2に連通さ
せ、この中空内部全体を通じて互いに換気可能に構成し
ているものである。
【0030】この場合、上記間仕切り壁1に隣接する柱
間の間仕切り壁1側にも、一方の部屋3Aに面している幅
木4Aと、他方の部屋3Bに面している回り縁5Bとにのみそ
れぞれ通気口6A、6Dを設けた上記と同一通気構造を構成
しておいてもよく、或いは、図に示すように一方の部屋
3Aに面している回り縁5Bと、他方の部屋3Bに面している
幅木4Bとにのみそれぞれ通気口6B、6Cを設けておいても
よい。また、これらの通気口6A、6D又は6B、6Cは、間仕
切り壁1の全幅に亘って設けているが、一部にのみ設け
ておいてもよい。なお、通気口6A〜6Dには上記実施例と
同様にガラリ9A、9Bを装着しておくことが望ましい。
【0031】このように構成したので、例えば冬期にお
いて他方の部屋3A内を暖房すると、床面よりも天井側の
空気の温度が高くなってその温度差により対流が生じる
が、その対流が間仕切り壁1の回り縁5Bに開口している
通気口6Dから間仕切り壁1の中空内部2を通じて降下し
て一方の部屋3Aに面した幅木4Aに開口している通気口6A
からこの部屋3A内に流入し、両部屋3A、3B間において自
然通気による換気が行われるものである。
【0032】また、間仕切り壁1の中空内部2には、上
下通気口6A、6D間を通気させる上記通気部材8を配設し
ておいてもよい。この通気部材8は、その長さが隣接す
る柱11、12の対向面間の幅に等しく且つ幅は間仕切り壁
1の表裏面板13、14の対向面間の間隔に等しい正面横長
直方体形状に形成され、且つ多列、多層に並設、集合し
ている多数の小口径の直状通気路8aを上下方向に向けた
構造を有している。そして、この通気部材8を複数本、
間仕切り壁1の中空内部2に上下方向に所望間隔毎に配
設してこれらの通気部材8によって中空内部2を複数の
中空室2a〜2eに区画している。
【0033】従って、例えば、上記一方の部屋3Aに面し
た通気口6Aから中空室2a内に空気が流入すると、その中
空室2aから順次、複数本の通気部材8と複数の中空室2b
〜2eを通じて他方の部屋3Bに流通して換気が行われると
共に、一方の部屋3A側で音が発生すると、その音は上記
一方の通気口6A内に入る時に減衰されて中空室2a内に入
ったのち、最初の通気部材8の直状通気路8aを流通する
時にこの小断面の直状通気路8aによって上述したように
その音波のエネルギが一層、減衰されて次の中空室2b内
に至り、さらに、この中空室2bから次の中空室2cに音が
侵入する際に、再び通気部材の直状通気路8aによって減
衰され、従って、他方の部屋3B側に開口している通気口
6Dからは殆ど音が発することなく排出されることになっ
て良好な遮音機能を奏するものである。
【0034】なお、上記いずれの実施例においても、間
仕切り壁1によって仕切られた空間部を部屋3A、3Bとし
たが、部屋と通路との空間部に仕切った場合においても
本発明の通気機能と遮音作用を発揮する間仕切り壁構造
を採用し得ることは勿論である。また、間仕切り壁を面
材、幅木、回り縁、通気部材等を一体化したパネルとす
れば、施工が簡単になる。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1に係る間
仕切り壁構造によれば、建物内の空間を仕切り且つ仕切
った空間部に面して下端縁に幅木を、上端縁に回り縁を
固定してなる間仕切り壁において、一方の空間部に面し
た幅木又は回り縁の少なくとも一部と他方の空間部に面
した幅木又は回り縁の少なくとも一部とに通気口を設
け、これらの両通気口を間仕切り壁の中空内部を通じて
連通させた構造としているので、(通気口は比較的目立
ち難い幅木や回り縁に設けているので、外観を損する虞
れはなく、)間仕切り壁によって仕切られた部屋や廊下
などにおける一方の空間部内の空気を、該間仕切り壁の
幅木又は回り縁に設けている通気口から間仕切り壁の中
空内部を流通して他方の空間部側に円滑に流通させるこ
とができ、隣接する空間部間の良好な換気が可能となる
ものである。
【0036】さらに、間仕切り壁に固定している上記幅
木や回り縁は部屋や廊下の空間部の全長に亘って全面的
に面しているので、ドアの有無にかかわらず、これらの
幅木や回り縁の所定部分に所望大きさの通気口を設ける
ことができ、従って、部屋内の空気を淀ませることなく
流動させて円滑な換気を行うことができる間仕切り壁構
造を形成し得るものである。また、通気口が幅木または
回り縁に設けているから、目立ち難くて間仕切り壁の外
観を損する虞れはなく、その上、請求項4に記載したよ
うに、この通気口にガラリを装着しておくことによって
意匠的に優れた間仕切り壁を形成することができる。さ
らにまた、一方の空間部に面した上記幅木に設けている
通気口の清掃が容易に行えると共に、この通気口に掃除
機の吸引管の開口端を臨ませて吸引又は排気することに
より、間仕切り壁1の内部空間内に侵入している塵埃等
を容易に除去することができる。
【0037】また、請求項2に係る発明によれば、建物
内を仕切った上記間仕切壁における一方の空間部に面し
た幅木と他方の空間部に面した回り縁とにのみ、通気口
を設けているので、幅木に設けた通気口から流入した一
方の空間部内の空気を、間仕切り壁の内部空間を上昇さ
せて回り縁に設けて通気口から他方の空間部内に流出さ
せることができ、これとは逆に、回り縁に設けた通気口
から流入する空気を、間仕切り壁の内部空間を降下させ
て隣接する空間部側に流出させることができる。従っ
て、一方の部屋内で暖房した場合によって生じる空気の
対流を上記幅木と回り縁とに設けている通気口間で自然
通気させることができ、優れた換気作用を発揮させるこ
とができると共に、幅木に設けている通気口から回り縁
に設けている通気口間における間仕切り壁の内部空間が
長いので、一方の通気口から音が侵入しても他方の通気
口に至る間に減衰させることができて遮音性が向上する
ものである。
【0038】さらに、請求項3に係る発明によれば、上
記間仕切り壁の中空内部に、多数の小口径の直状通気路
を同一方向に向けた状態で多列、多層に並列してなる通
気部材を配設し、この通気部材の直状通気路の一端開口
部を上記一方の通気口に、他端開口部を他方の通気口に
連通させた間仕切り壁構造としているので、一方の通気
口から入った空気流を通気部材の多数の集合した直状通
気路内を通じて殆ど抵抗を受けることなく真っ直ぐに流
通、通過させることができるのは勿論、この通気部材の
多数の小口径直状通気路を音が通過する際にそのエネル
ギーを著しく減衰させることができ、そのため、遮音機
能を発揮して隣接する部屋や廊下に音が漏れるのを確実
に防止することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】隣接する部屋に面した幅木に通気口を設けた場
合の間仕切り壁の一部切欠き簡略斜視図、
【図2】その要部の簡略横断面図、
【図3】シャッタ板を配した状態の簡略横断面図、
【図4】ダンボール積層体の簡略斜視図、
【図5】通気口にガラリを装着した状態の横断面図、
【図6】ガラリの斜視図、
【図7】その縦断面図、
【図8】通気用ユニット体の斜視図、
【図9】通気用ユニット体を配設した状態の横断面図、
【図10】隣接する部屋に面した回り縁に通気口を設け
た場合の間仕切り壁の一部切欠き簡略斜視図、
【図11】その要部の簡略横断面図、
【図12】通気口を直通状態に設けた場合の簡略横断面
図、
【図13】隣接する部屋に面した幅木と回り縁とに通気
口を設けた場合の間仕切り壁の一部切欠き簡略斜視図、
【図14】その簡略縦断面図。
【符号の説明】
1 間仕切り壁 2 中空内部 3A、3B 部屋 4A、4B 幅木 5A、5B 回り縁 6A、6B 通気口 8 通気部材 8a 直状通気路 13、14 表裏面板
フロントページの続き Fターム(参考) 2E001 DB02 DF02 EA09 FA07 GA12 GA59 GA63 GA87 HC09 HD11 NA07 NC03 ND11 ND16 2E002 EB12 FA03 FA05 JC01 MA18 MA21 MA27 NB01 QC07 WA07 WA13

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物内の空間を仕切り且つ仕切った空間
    部に面して下端縁に幅木を、上端縁に回り縁を固定して
    なる間仕切り壁において、一方の空間部に面した幅木又
    は回り縁の少なくとも一部と他方の空間部に面した幅木
    又は回り縁の少なくとも一部とにそれぞれ通気口を設
    け、これらの両通気口を間仕切り壁の中空内部を通じて
    連通させていることを特徴とする間仕切り壁構造。
  2. 【請求項2】 建物内を仕切った間仕切壁における一方
    の空間部に面した幅木と他方の空間部に面した回り縁と
    にのみ、通気口を設けていることを特徴とする請求項1
    に記載の間仕切り壁構造。
  3. 【請求項3】 間仕切り壁の中空内部に、多数の小口径
    の直状通気路を同一方向に向けた状態で多列、多層に並
    列してなる通気部材を配設し、この通気部材の直状通気
    路の一端開口部を一方の通気口に、他端開口部を他方の
    通気口に連通させていることを特徴とする請求項1又は
    請求項2に記載の間仕切り壁構造。
  4. 【請求項4】 通気口にガラリを装着していることを特
    徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の間仕
    切り壁構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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