JP4712566B2 - リフォームによるドア取付け工法 - Google Patents
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Description
多くの施工現場に於いては依然として次の工法が採られている。即ちドア枠を例にとると、壁下地を施工した後、下地枠を施工し、その後に縦枠を取付ける。この時いったんドアの吊込みを行い、縦枠の取付態様を確認して、以後の作業の為にドアを外す。而る後に幅木を施工し、クロスを貼る。その後にドアの吊込みを終える。
上記の施工技術によると、幅木、クロス貼り施工前に下地枠に対して縦枠を取付ける時に、いったんドアの吊込みを行なう為に、施工現場へ建具枠とドアの双方を同時に持込む必要があり、この同時積載の為にかさばる問題があった。
又、現場でいったんドアを吊込んだ後に、その後の幅木工事、クロス貼りの為にドアを外すものであるが、その外す工事や、外したドアを工事の邪魔にならない位置へ移動したりする作業が大変な手間となっていた。
更には、その後の幅木、クロス貼り施工の為に取付けた建具枠及び取外して置いてあるドア等建具を養生する作業も必要であった。とりわけ、その後に幅木、クロス貼り施工後に建具枠の調整の必要が生じたとか、その後の工事に於いて建具枠に傷が付いてしまったとか、施主の都合によりドアの開き勝手を変更しなければならなくなった等とかで、建具枠の取付けをやり直さなければならなくなった時に、壁を壊してやり直さねばならなかった。
上記左右の下地枠各々に縦枠の嵌合用の嵌合溝を予め形成しておくと共に、上記壁の厚さ以下の幅より成り、表面にドアの端部に対向する面と、それから突出する突部が形成されて成る縦枠を有し、上記左右各々の嵌合溝に対して左右各々縦枠を嵌合させて、取付部材を用いて取付け、而る後に、上記縦枠の表面のドアの端部対向面にドアの端部を対向させてドアを取付けるリフォームによるドア取付け工法に於いて、
上記下地枠の幅寸法を、壁厚内に収まるよう小さく設定し、その幅寸法が小さく成された下地枠を壁に取付けた時に生ずる壁コーナの段差を解消すべく、壁コーナにコーナビートを被覆し、且つコーナビートの裏側にパテ材を充てんし、而る後に上記幅木を施工し、クロスを貼るようにしたことを特徴とするリフォームによるドア取付け工法である。
1)リフォームする住宅のドア開口部を区画する壁厚は種々様々である。従って新築住宅のように建具枠(縦枠)を嵌合保持する下地枠の幅を一定の壁厚に合わせて一定の寸法に定めてしまって、現場でリフォーム工事の際に、その定めてしまった下地枠の幅が現場リフォーム対象住宅の壁厚を越えて、左右に下地枠の端部が出っ張ったりするおそれがある。この為ドア取付け工事のリフォーム工事が出来なかったり、著しい工期の遅れを生じずる。
ところが、この発明によると、下地枠の左右の幅を、想定される種々様々なリフォーム対象住宅のドア取付けの開口部を区画する壁厚に対して十分小さく納まり得る大きさに定め、且つこの結果招来する下地枠と仕上材の間のコーナの隙間をコーナビートの被覆及びパテ材の充てんで埋めるようにしたので、壁厚が種々様々であってもそれら壁厚に影響されることなく幅木の施工及びクロス貼りの全てを終了した後に、完全後付け工法でリフォームによってドアを吊込めるものである。
何故ならば、幅木の施工、クロスの貼り付けの後に左右の下地枠の嵌合溝に縦枠を嵌合し、取付部材によって縦枠の鉛直度、直線度並びに隙間調節を自由に行なえるからである。特にこの調節によって幅木の取付状態を変えることがないからである。この縦枠の調節前に、幅木は、仕様に即して施工でき、従ってクロスも仕様に沿って施工できるからである。
実施形態の説明に当っては、ここでは、リフォームによって高さの高い、床から天井までその高さがあるドアの吊込みを例にとって説明する。
そして、図1〜図5に於いては開き戸について説明し、図6〜図11に於いては引き戸に適用した例を説明する。
ところで、このリフォームによるドアの取付けに於いて最も顕著なことは、ドアを取付け開口部を区画する壁の厚さがリフォーム対象の住宅によって様々であるということである。もう1つは、ドア吊込み用の縦枠(建具枠)及びそれを取付ける下地枠が建築当初の状態から使用年数を経ている為に曲ったり、ゆがんだり又は倒れ、反り、ねじれているということである。
本発明のリフォームによるドア取付け工法は、この2つの条件を乗り越えて、リフォームによってドア吊込み用のドア枠を完全に後付けして、ドアを取付けるようにすると共に、リフォームによって高さの高い床から天井までその高さがあるドアの吊込みを可能にし、而もシンプルな感じを呈するリフォームによるドアの取付け工法である。その為に採用した手段が、ドアの建具枠(縦枠)を取付ける為の下地枠の左右の幅を、リフォーム対象の様々な厚さの壁全てに適用できるように、而も長年の使用によって下地枠が曲ったりしていても適用できるように、壁の厚さ寸法より下地枠の左右幅を必要最低限に小さくしたものであり、且つ壁の厚さより下地枠の左右幅を小さくした分だけ壁のコーナの所に段差が生じてしまうが、その部分をコーナビートで覆い、且つコーナビートの内側にパテ材を充てんし、壁コーナの所の段差を解消するようにしたものである。
先ず、上記に於いて示した下地枠3a、3bの各々にこの下地枠3a、3bを組付ける前に予め建具枠の縦枠を嵌合する為の嵌合溝7a、7bを形成しておく。逆に言えばこの嵌合溝7a、7bを有する下地枠3a、3bを、その嵌合溝7a、7b部分が開口部Aに向かうように組み付けるものである。この嵌合溝7a、7bの各々は、各下地枠3a、3bの表面8に、当該下地枠3a、3bの縦方向に沿って上から下まで凹状に形成するものである。
次いで予め用意しておいた建具枠の縦枠10a、10bの各々を上記下地枠3a、3bの嵌合溝7a、7bに嵌合する。嵌合した状態は図3、図5に各々示されている。即ち縦枠10a、10bの各々の幅Pは上記嵌合溝7a、7bの幅Tに過不足なく嵌合できる程度に設定されていると共に、その奥行Qは嵌合溝の奥行より大に設定されている。
即ち、幅木、クロス施工後に下地枠3a、3bの嵌合溝7a、7bに左右の縦枠10a、10bを取付けるものであり、この左右の縦枠10a、10bへの取付けは、取付部材11によって行なわれるものである。
そして、上記取付部材11は、取付部材11が取付けられている上記左右の縦枠10a、10bの各々の下地枠3a、3b側の側面とは反対側になる側面から下地枠3a、3bへの取付け及び下地枠3a、3bとの間の隙間を調整することができるように構成され、図4、図5に示したように、外周面にネジ部12が形成された筒状部分を有する下地枠3a、3bに取付けられる固定部13と、固定部13のネジ部12に螺合するネジ部が内面に形成されたフランジ14を有する円筒状の回転部15と、上記回転部15に外嵌しフランジ14を介して回転部15を上記左右の縦枠10a、10bの下地枠3a、3b側の側面に回転可能に取付ける取付リング16より成るものであり、しかも、上記固定部13の筒状部分には、ロックプレート17が配設され、このロックプレート17によって、ネジ部12及び切欠18が形成された筒状部分を押し広げることができるように成されている。
さらに、上記取付部材11は、取付部材11を成す固定部13と回転部15が螺合した状態で取付リング16にて左右の縦枠10a、10bにあらかじめ取付けられており、回転部15を回転させるための六角レンチRの嵌合穴19からビス20を挿入し、このビス20によって固定部13を下地枠3a、3bに固定することで取付部材11の固定が行なわれ、これにより、左右の縦枠10a、10bが、下地枠3a、3bの嵌合溝7a、7bに取付けられることとなる。
即ち、一方の縦枠10aに着目して述べると、嵌合溝7aに対して縦枠10aを嵌合させる。そして、嵌合穴19を利用してビス20により固定部13を下地枠3aに取付ける。
次いで、上記縦枠10aの鉛直度及び直線度を調整するものであり、この調整は、上述した取付部材11の回転部15を、下地枠3aに取付け固定された固定部13に対して回転させることによって行なうものであり、上記回転部15の回転は、回転部15に設けられた嵌合穴19に六角レンチRを嵌合させ、これを回転させることによって行なわれ、しかも、上記回転部15は、上記固定部13のネジ部12に螺合しているものであるので、微妙な調整も容易に行なうことができ、縦枠10aの鉛直度及び直線度の調整を正確に行うことができる。
他方の下地枠10bに対する縦枠10bの鉛直度及び直線度の調節及び取付けも同じである。
この後、上記左右の縦枠10a、10bによって構成されたドア枠内にドア21の吊込みを行い、さらに、ドア枠とドア21との間のチリ(隙間)の確認を行い、その調整を行うものであり、このチリの調整も、上記で示した左右の縦枠10a、10bの鉛直度及び直線度の調整と同様の手順で行うことができる。
さらに、上記ドア枠とドア21との間のチリの調整を終えた後、上記取付部材11の固定部13内に配設されたロックプレート17を回転させ、固定部13の切欠18が形成されたネジ部12を押し広げ、回転部15が固定部13に対して回転しないように固定することによって、ドア枠の施工及びドア21の吊込みが完了するものである。
ところで上記リフォームによるドアの吊込み、取付け例として示したものは開き戸であったが、リフォームによって引き戸にも適用できるものである。
図6〜図8はリフォームした片引き戸22に適用した例、図9〜図11はリフォームした引き違い戸22に適用した例であり、以上までに説明したところと同一の部分は同一の符号を付し説明を省略する。
そして図7及び図10に各々示すように引き戸22は天井に吊下げられて開閉されるもので、天井材25を支持する下地材26に吊りレール23を埋込態様で設け、引き戸の走行車輪24を上記レール23上を吊下げ態様にて走らせるようにするものである。この場合、天井材25にクロス27が貼られ、而もレール23が天井材25より上方に位置し、引き戸の上端が天井材25と略同じ高さレベルに位置しているので、人が室内に立って引き戸を観た時、引き戸の吊りレール23をほとんど認めることができない。
つまり上枠なしの観を呈すると共に、引き戸上部からの明かり漏れも完全に防止できる。
そして、引き戸が吊下げられているので図8、図11に示すように引き戸22の下端は床から僅かに浮き上っている。
そして、引き戸の振れ止め28が床に設けられ、その振れ止め28が引き戸22の溝29内に臨んでいる。
1)リフォームする住宅のドア開口部を区画する壁厚は種々様々である。従って新築住宅のように建具枠(縦枠)を嵌合保持する下地枠の幅を一定の壁厚に合わせて一定の寸法に定めてしまって、現場でリフォーム工事の際に、その定めてしまった下地枠の幅が現場リフォーム対象住宅の壁厚を越えて、左右に下地枠の端部が出っ張ったりするおそれがある。この為ドア取付け工事のリフォーム工事が出来なかったり、著しい工期の遅れを生じずる。
ところが、この発明によると、下地枠の左右の幅を、想定される種々様々なリフォーム対象住宅のドア取付けの開口部を区画する壁厚に対して十分小さく納まり得る大きさに定め、且つこの結果招来する下地枠と仕上材の間のコーナの隙間をコーナビートの被覆及びパテ材の充てんで埋めるようにしたので、壁厚が種々様々であってもそれら壁厚に影響されることなく幅木の施工及びクロス貼りの全てを終了した後に、完全後付け工法でリフォームによってドアを吊込めるものである。
何故ならば、幅木5の施工、クロス6の貼り付けの後に左右の下地枠3a、3bの嵌合溝7a、7bに縦枠10a、10bを嵌合し、取付部材11によって縦枠10a、10bの鉛直度、直線度並びに隙間調節を自由に行なえるからである。特にこの調節によって幅木5の取付状態を変えることがないからである。この縦枠10a、10bの調節前に、幅木5は、仕様に即して施工でき、従ってクロス6も仕様に沿って施工できるからである。
2 壁下地
A ドア取付けの為の開口部
3A、3B 下地枠
4 プラスターボード
5 幅木
6 クロス
6a クロスの端部
7A、7B 縦枠を嵌合する為の嵌合溝
8 下地枠の表面
9 嵌合溝の端部
10A、10B 縦枠
P 縦枠の幅
T 嵌合溝の幅
Q 縦枠の奥行
11 取付部材
12 ネジ部
13 固定部
14 フランジ
15 回転部
16 リング
17 ロックプレート
18 切欠
R 六角レンチ
19 嵌合穴
20 ビス
21 開き戸
22 引き戸
E ドア1の端部が対向する面
F 面Eより前に突出形成されている突部
V1 一側
V2 他側
K1 壁の端
E1 面Eの端
F1 突部Fの端
23 吊りレール
24 走行車輪
25 天井材
26 下地材
27 クロス
28 振れ止め
29 溝
W 壁の幅
S 下地枠の幅
30 コーナビート
31 コーナビートの穴
32 パテ材
Claims (1)
- リフォーム対象の住宅の左右の壁各々に下地枠3a、3bを取り付け、次いでそれら壁に必要な幅木5を施工し、クロス6を貼り終えた後に、上記左右の下地枠3a、3b各々に対して、左右の縦枠10a、10bを鉛直度、真直度、隙間調節を行いながら取付部材11を用いて取付け、而る後にドアを取付けるリフォームによるドア取付け工法であって、上記左右の下地枠3a、3b各々に縦枠の嵌合用の嵌合溝7a、7bを予め形成しておくと共に、上記壁の厚さ以下の幅より成り、表面にドアの端部に対向する面Eと、それから突出する突部Fが形成されて成る縦枠10a、10bを有し、上記左右各々の嵌合溝7a、7bに対して左右各々縦枠10a、10bを嵌合させて、取付部材11を用いて取付け、而る後に、上記縦枠の表面のドアの端部対向面Eにドアの端部を対向させてドアを取付けるリフォームによるドア取付け工法に於いて、
上記下地枠3a、3bの幅寸法Sを、壁厚W内に収まるよう小さく設定し、その幅寸法が小さく成された下地枠3a、3bを壁に取付けた時に生ずる壁コーナの段差を解消すべく、壁コーナにコーナビート30を被覆し、且つコーナビート30の裏側にパテ材32を充てんし、而る後に上記幅木5を施工し、クロス6を貼るようにしたことを特徴とするリフォームによるドア取付け工法。
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