JP2001200619A - 密閉式シート防水構造 - Google Patents

密閉式シート防水構造

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JP2001200619A JP2000012508A JP2000012508A JP2001200619A JP 2001200619 A JP2001200619 A JP 2001200619A JP 2000012508 A JP2000012508 A JP 2000012508A JP 2000012508 A JP2000012508 A JP 2000012508A JP 2001200619 A JP2001200619 A JP 2001200619A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 躯体に亀裂等による通気部が形成されようと
も、防水シート裏面側の密閉部における気密性を十分に
確保できる密閉式シート防水構造を提供する。 【解決手段】 本発明は、軟質合成樹脂等からなる防水
シート5の外周縁部が建造物躯体1に気密状態に接合さ
れて、防水シート5と躯体1との間が密閉される密閉式
シート防水構造を対象とする。躯体1と防水シート5と
の間における躯体1上に、空気遮断層として、軟質合成
樹脂等からなる空気遮断シート10が設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ビル屋上の陸屋
根や、ベランダ、バルコニー等の躯体表面に防水シート
を密閉状態に施工するようにした密閉式シート防水構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】ビル屋上の陸屋根等において、ポリ塩化
ビニル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、合成ゴム製等の防
水シートを用いて防水施工する場合、防水シートの全面
を躯体に接着する全面密着工法や、防水シートをその所
要部分のみを躯体に固定する絶縁工法、防水シートを躯
体との間に密閉空間を形成するように施工する密閉工法
等が周知である。
【0003】このうち、密閉工法は、図9及び図10に
示すように、防水シート(5)の外周縁部のみをシート
接合板(6)を介して陸屋根の躯体(1)に気密状態に
接合して、防水シート(5)の中央領域と躯体(1)と
の間に密閉部を形成するものである。
【0004】このような密閉式シート防水構造において
は、防水シート(5)の外周縁部が躯体(1)に気密状
態に接合されているため、陸屋根上に風が吹き込んで防
水シート(5)に揚力が発生しようとも、防水シート裏
面側の密閉部が上記揚力に抗して負圧となり、防水シー
ト(5)が膨れ上がるのを防止することができる。従っ
て、防水シート(5)に皺や有害な変形が発生するのを
防止でき、良好な美観を維持できるとともに、変形等に
よるシート劣化も防止できて、十分な耐久性も得ること
ができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、陸屋根
等の躯体(1)は、例えば鉄筋コンクリート(RC)製
のものが一般的であるが、RC製躯体(1)の場合、経
年劣化により躯体(1)に亀裂が発生してその亀裂を介
して躯体(1)側から防水シート(5)の裏面側に空気
が侵入して、密閉部の気密性が損なわれてしまい、風が
吹き込んだ際の揚力により、防水シート(5)が膨れ上
がって皺や有害な変形が生じる恐れがあるという問題が
あった。
【0006】一方、陸屋根躯体(1)においては、上記
のRC製のもの以外に、軽量発泡コンクリート(AL
C)製のものや、複数枚の金属板が面状に併設された金
属製のもの等も採用されているが、ALC躯体(1)の
場合には、ALC板自体に通気性を有するものであるた
め、躯体内部を通過して防水シート裏面側の密閉部に空
気が侵入することがあり、また金属製躯体(1)の場合
には、隣合う金属板間の隙間を通過して防水シート裏面
側の密閉部に空気が侵入することがあるので、上記と同
様に気密性が破壊されて、上記と同様な問題が発生す
る。
【0007】この発明は、上記従来技術の問題を解消
し、躯体自身に亀裂等の通気部が形成されようとも、防
水シート裏面側の密閉部における気密性を十分に確保で
き、例えば風の揚力に対しても防水シートが膨れ上がっ
て変形するのを防止できて、良好な美観を長期維持でき
るとともに、十分な耐久性を得ることができる密閉式シ
ート防水構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明は、防水シートの外周縁部が建造物の躯体
に気密状態に接合されて、前記防水シートと前記躯体と
の間が密閉されるようにした密閉式シート防水構造にお
いて、前記躯体と前記防水シートとの間における前記躯
体上に、空気の透過を遮断するための空気遮断層が設け
られてなるものを要旨としている。
【0009】この発明の密閉式シート防水構造において
は、亀裂等により躯体自身に通気部が形成されたとして
も、上記空気遮断層により、空気の透過を遮断できるた
め、空気が躯体内部から防水シート裏面側に侵入するの
を防止できて、防水シート裏面側における密閉部の気密
性を十分に確保することができる。このため防水シート
表面に風が吹き込んで防水シートに揚力が発生したとし
ても、防水シート裏面側の密閉部が上記揚力に抗して負
圧となり、防水シートが躯体に確実に吸着した状態に保
持される。
【0010】また本発明は、躯体と防水シートとの間に
空気遮断層を設けるという簡素な構造であり、簡単に形
成することができる。
【0011】一方、本発明においては、前記空気遮断層
を、軟質合成樹脂又は合成ゴムからなる空気遮断シート
により構成する場合、空気遮断シートを敷設するだけで
簡単に空気遮断層を形成することができる。
【0012】更に本発明においては、前記空気遮断シー
トを、前記防水シートと同じ材質により構成する場合、
両シートの所要部分を接着ないしは接合一体化する際
に、その接着強度を十分に確保することができる。
【0013】また本発明において、前記空気遮断層が、
前記躯体上に面状に並んで配置される複数の断熱パネル
からなる断熱層を具備し、隣合う断熱パネル間の目地部
に、気密性を有するシーリング材が配設されてなる構
成、又は前記空気遮断層が、前記躯体上に面状に並んで
配置される複数の断熱パネルからなる第1断熱層と、そ
の第1断熱層上に面状に並んで配置される複数の断熱パ
ネルからなる第2断熱層とを具備し、前記第1断熱層に
おける隣合う断熱パネル間の目地部が、前記第2断熱層
における隣合う断熱パネル間の目地部に対し、位置ずれ
した状態に配置されるとともに、前記第1断熱層の目地
部と、前記第2断熱層の目地部とが交差する部分に、気
密性を有するシーリング材が配設されてなる構成を採用
するのが好ましい。
【0014】すなわち、この構成を採用する場合、外断
熱工法に用いられる断熱パネルを利用して空気遮断層を
形成することができるので、空気遮断層を新たに一から
設ける必要がなく、その分、施工作業をより一層簡単に
行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】<第1の実施形態>図1はこの発
明の第1の実施形態である密閉式シート防水構造が適用
されたビル屋上の陸屋根を示す概略断面図、図2は実施
形態の陸屋根の中間部を拡大して示す断面図、図3は実
施形態の陸屋根の端部を拡大して示す断面図である。こ
れらの図に示すように、この実施形態において、陸屋根
の躯体(1)は、鉄筋コンクリート(RC)からなり、
平場(1a)と、その平場(1a)の外周縁に立上り状
に設けられたパラペット(1b)とを有している。
【0016】この躯体(1)の平場(1a)上には、空
気遮断層としての空気遮断シート(10)が配置され
る。この空気遮断シート(10)の所要部分には、開脚
釘、タッピングねじ、コンクリート釘等の固着具(1
1)が貫通されて躯体(1)に固定され、これにより空
気遮断シート(10)が躯体(1)の平場(1a)全域
を覆うように固定される。
【0017】躯体(1)の平場(1a)における外周縁
部に設けられる長尺なシート接合板(6)は、水平フラ
ンジ(6a)と垂直フランジ(6b)とを有する断面L
型の形状に形成されている。このシート接合板(6)の
垂直フランジ(6b)をパラペット(1b)の下部内面
に沿わせるようにして、水平フランジ(6a)が長尺な
シール部材(7)を介して、平場(1a)上における遮
断シート(10)の外周縁部に沿って配置される。そし
てその状態で、水平フランジ(6a)及び垂直フランジ
(6b)が、開脚釘、タッピングねじ、コンクリート釘
等の固着具(12)により躯体(1)に固定される。
【0018】また、空気遮断シート(10)の表面全域
から、パラペット(1b)の内面及び上端面にかけて防
水シート(5)が配置される。この防水シート(5)に
おける平場(1a)の外周縁部がシート接合板(6)の
表面に、溶剤溶着、熱風融着、接着剤により気密状態に
接着ないしは接合一体化される。更に必要に応じて、防
水シート(5)と遮断シート(10)とが、所定位置に
おいて部分的に、接着ないしは接合一体化される。
【0019】これにより、防水シート(5)が、その裏
面側に密閉部が形成されるようにして、空気遮断シート
(10)を介して躯体(1)の平場(1a)に張設され
る。
【0020】以上のように、本実施形態の密閉式シート
防水構造によれば、躯体(1)と防水シート(5)との
間における躯体上に、空気遮断シート(10)が配置さ
れているため、たとえ躯体(1)に亀裂が発生したとし
ても、遮断シート(10)により空気の透過を遮断でき
るため、亀裂を介して躯体内部から表面に空気が漏出す
るのを防止できるので、空気が躯体内部から防水シート
(5)と遮断シート(50)との間の密閉部に侵入する
のを防止でき、その密閉部の気密性を十分に確保するこ
とができる。このため、陸屋根上に風が吹き込んで防水
シート(5)に揚力が発生したとしても、防水シート
(5)は、その裏面側の密閉部が、上記揚力に抗して負
圧となり躯体(1)に吸着保持されるので、防水シート
(5)が膨れ上がるのを防止することができる。従って
防水シート(5)に皺や有害な変形が発生するのを確実
に防止できて、良好な美観を維持できるとともに、変形
等によるシート劣化も防止できて、十分な耐久性を得る
ことができる。
【0021】また本実施形態は、防水シート(5)を遮
断シート(10)を介して敷設するだけで簡単に施工す
ることができる。
【0022】ここで、本実施形態においては、躯体
(1)がRCにより構成されているが、本発明は、RC
以外に、ALCや金属からなる躯体にも、上記と同様に
適用することができる。
【0023】防水シート(5)及び空気遮断シート(1
0)としては、軟質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン
樹脂、ポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂からなるも
のの他、非加硫ゴム系シート、ゴムアスファルト系シー
ト等の合成ゴムからなるものを好適に使用することがで
きる。中でも、軟質ポリ塩化ビニル樹脂からなるもの
は、優れた接着性が得られる点で、より好適であり、ま
たポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のポリオレ
フィン系樹脂からなるものは、燃焼時における有害ガス
の発生を防止できるので、廃棄処理の点で、より好適で
ある。
【0024】更に両シート(5)(10)は、互いに同
じ種類の材質により構成するのが好ましい。すなわちこ
の場合、両シート(5)(10)を部分的に接合する際
に、互いに優れた接着性を得ることができる。
【0025】また、両シート(5)(10)は、1枚も
ので構成しても、複数枚のシート(5)(10)を、そ
の端部同士を相互に気密状に接合したものにより構成し
ても良い。
【0026】防水シート(5)としては、厚さが1.0
〜2.5mmのものを使用するのが一般的である。
【0027】また、空気遮断シート(10)としては、
厚さが1.0〜2.0mmのものを好適に使用すること
ができる。すなわち薄過ぎる場合には、破損し易くな
り、気密性が損なわれる恐れがあり、逆に過度に厚過ぎ
るシート(10)を用いても、それに見合うだけの効果
が得られないばかりか、シート自体の重量が重くなっ
て、取扱が面倒になり、施工作業性の低下等を来す恐れ
がある。
【0028】更に空気遮断シート(10)の固着具(1
1)による取付ピッチは、300〜1000mmに設定
するのが好ましい。すなわち取付ピッチが小さ過ぎる場
合には、固着具(11)の取付本数が多くなり、施工作
業性の低下を来す恐れがあり、逆に取付ピッチが大き過
ぎる場合には、遮断シート(10)を躯体(1)に対し
十分な強度で取り付けることができない恐れがなる。
【0029】また遮断シート固定用の固着具(11)と
しては、1本あたりの固定強度が100〜300kgのも
のを使用するのが好ましい。すなわち、固定強度が小さ
過ぎるものを用いる場合には、遮断シート(10)の躯
体(1)に対する強度を十分に確保できなかったり、あ
るいは取付強度を確保するために、固着具(1)の取付
本数が多くなり過ぎて、施工作業性の低下を来す恐れが
ある。逆に固定強度が過度に大きい固着具を用いたとし
ても、遮断シート固定用としては無意味であるばかり
か、却って固着具等の材料コストが増大する恐れがあ
り、好ましくない。
【0030】もっとも、本発明においては、固着具(1
1)の取付ピッチや、種類は、上記のものに限定される
ものではなく、躯体(1)の材質や、形状、状態等に合
わせて、適宜変更するのが良い。更に空気遮断シート
(10)の取付手段は、必ずしも上記のような固着具
(11)を用いるものだけに限られず、例えば躯体
(1)の所要部分に塩ビ鋼板製等の接合板を固着具によ
り固定して、その接合板表面に、空気遮断シート(1
0)を接着ないしは接合一体化するような手段を用いて
も良い。
【0031】本実施形態においては、空気遮断シート
(10)の固着具貫通部に孔が形成されるが、上記した
ように遮断シート(10)として、軟質合成樹脂や合成
ゴムからなるものを使用する場合には、シート自体の収
縮密着性により、遮断シート(10)における固着具貫
通孔の内周面が固着具(11)の外周面に気密状態に密
着するので、空気遮断シート(10)の気密性が損なわ
れるような不具合はない。
【0032】なお、本発明において、空気遮断シート
(10)の表面に、固着具周辺を覆うように気密性を有
するカバーシートを気密状態に接着ないしは接合一体化
する構成を採用すれば、空気遮断遮断シート(10)に
おける固着具貫通部の空気漏れを、より確実に防止する
ことができる。この場合、カバーシートとしては、密着
性の観点から、空気遮断シート(10)と同じ材質のも
のを使用するのが良い。
【0033】シート接合板(6)としては、硬質、また
は半硬質の合成樹脂板、金属板、あるいは防水シート
(5)との接着性を向上させるために塩化ビニル樹脂等
の合成樹脂が片面もしくは両面に被覆された塩ビ鋼板等
の樹脂被覆金属板からなるもの等を使用するのが良い。
【0034】また防水シート(5)をシート接合板
(6)に接合するための手段としては、エポキシ系、ウ
レタン系、ゴム系の接着剤を用いて接着する手段を好適
に使用することができる。更に防水シート(5)とシー
ト接合板(6)の接合面とが、共に同種の樹脂からなる
場合には、溶剤溶着、熱風融着により十分な接着強度で
接合一体化でき、特にシート(5)と接合板(6)の接
合面とが、共に塩化ビニル樹脂からなる場合には、テト
ラヒドロフラン(THF)単独、あるいはTHFに塩化
ビニル樹脂を溶解した溶剤を使用することができ、より
一層優れた接着効果を得ることができる。
【0035】<第2の実施形態>図4はこの発明の第2
の実施形態であるシート防水構造が適用された陸屋根の
平場部分を示す断面図である。同図に示すように、本実
施形態のシート防水構造においては、空気遮断層が、複
数の断熱パネル(25)からなる断熱層(20)により
構成される点が、上記第1の実施形態と相違する。
【0036】すなわち、本実施形態において、躯体
(1)の平場(1a)上には、矩形状の多数の断熱パネ
ル(25)が、縦横に並列状に配置されるとともに、各
断熱パネル(25)の所要部分が、固着具(11)によ
り躯体(1)にそれぞれ固定される。更に隣合う断熱パ
ネル間の隙間(目地部)には、気密性を有するシーリン
グ材(26)が充填される。
【0037】こうして面状に敷設施工された複数の断熱
パネル(25)により、空気の透過を遮断するための断
熱層(20)が形成されるとともに、その断熱層(2
0)上に、上記と同様に防水シート(5)が敷設され
る。
【0038】ここで、断熱パネル(25)としては、例
えば発泡ポリウレタン、発泡ポリスチレン等の樹脂発泡
体からなるものを好適に用いることができる。
【0039】またシーリング材(26)としては、現場
発泡タイプの合成樹脂材や、シリコーンゴム系のもの、
更には目地テープ等からなるものを好適に用いることが
できる。
【0040】その他の構成は、上記第1の実施形態と同
様である。
【0041】この実施形態のシート防水構造において
は、上記と同様に同様の効果を得ることができる上更
に、断熱パネル(25)を空気遮断層として構成してい
るため、断熱パネル(25)が用いられる外断熱工法に
おいて、上記第1実施形態のように空気遮断層用とし
て、別途、空気遮断シート等を設ける必要がなく、その
分、施工作業を簡単に行うことができる。
【0042】なお、本実施形態においては、断熱パネル
(25)を固着具(11)により躯体(1)に固定する
ようにしているが、本発明はそれだけに限られず、断熱
パネル(25)を固定するにあたって、図5(a)に示
すように、施工しようとする断熱パネル(25)の目地
部(外周縁部)に相当する位置に、あらかじめ気密性を
有する接着剤(26a)を塗布しておいて、同図(b)
に示すように、接着剤(26a)が目地部に充填される
態様に断熱パネル(25)を躯体(1)上に敷設して接
着固定するようにしても良い。この場合には、断熱パネ
ル(25)の接着(固定)作業と目地処理作業とを同時
に行うことができるので、より一層効率良く施工するこ
とができる。
【0043】また、本実施形態においては、図6に示す
ように、空気遮断層としての断熱層(20)と防水シー
ト(5)との間における断熱層(20)上に、ケイ酸カ
ルシウム板(ケイカル板)や軽量発泡コンクリート板等
の下地ボード(30)を敷設するようにしても良い。
【0044】<第3の実施形態>図7はこの発明の第3
の実施形態であるシート防水構造が適用された陸屋根の
平場部分を示す断面図、図8はその平場部分を防水シー
トを取り外した状態で示す平面図である。両図に示すよ
うに、この実施形態においては、空気遮断層が、躯体
(1)上に設けられる第1断熱層(21)と、その第1
断熱層(21)上に設けられる第2断熱層(22)とで
構成されている。
【0045】第1断熱層(21)は複数の断熱パネル
(25)が躯体(1)上に縦横に並列状に配置されて、
固着具や接着剤等の所定の固着手段により固定されて形
成される。
【0046】また、第2断熱層(22)は、複数の断熱
パネル(25)が上記第1断熱層(21)上に縦横に並
列状に配置されて、所定の固着手段により固定されて形
成されている。
【0047】このとき、第2断熱層(22)における隣
合う断熱パネル(25)の目地部(22a)が、第1断
熱層(21)における隣合う断熱パネル(25)の(2
1a)に対し位置をずれせた状態に配置される。
【0048】更に第2断熱層(22)において、第1断
熱層(21)の目地部(21a)と第2断熱層(22)
の目地部(22a)とが交差する部分に、気密性を有す
るシーリング材(26)が配設される。
【0049】その他の構成は、上記第1及び第2の実施
形態と同様である。
【0050】本実施形態のシート防水構造によれば、断
熱層(21)(22)が積層される外断熱工法におい
て、各断熱層(21)(22)間の断熱パネル(25)
をずらして配置して、目地部(21a)(22a)を、
対応する断熱パネル(25)により気密状態に閉塞する
とともに、目地部(21a)(22a)の交差部分を目
地処理することにより、防水シート裏面側における密閉
部の気密性を万全なものとしている。このように目地部
(21a)(22a)の交差部分を目地処理するだけ
で、空気遮断層を確実に得ることができる。
【0051】なお、上記実施形態においては、本発明の
シート防水構造を新築の陸屋根に適用した場合について
説明したが、本発明は、それだけに限られず、シート防
水施工された既設の構造物を改修する場合にも適用する
ことができる。
【0052】また、上記実施形態においては、本発明の
構造をビル屋上の陸屋根に適用した場合について説明し
たが、本発明は、それだけに限られず、ベランダや、バ
ルコニー等にも上記と同様に適用することができる。
【0053】また、本発明において、断熱層により空気
遮断層を形成する場合には、断熱層を3層以上形成して
も良く、更に2層以上設けた断熱層上に下地ボード等を
配置するようにしても良い。
【0054】
【発明の効果】以上のように、この発明の密閉式シート
防水構造によれば、躯体上における防水シートとの間に
空気遮断層を設けるものであるため、亀裂等により躯体
自身に通気部が形成されたとしても、空気遮断層によ
り、空気の透過を遮断できるため、空気が躯体内部から
防水シート裏面側の密閉部に侵入するのを防止でき、防
水シート裏面側の密閉部の気密性を十分に確保すること
ができる。このため防水シート表面に風が吹き込んで防
水シートに揚力が発生したとしても、防水シートは躯体
に吸着保持されて、防水シートが膨れ上がるのを防止で
き、防水シートに皺や有害な変形が生じるのを防止でき
て、良好な美観を維持できるとともに、変形等によるシ
ート劣化も防止できて、十分な耐久性を得ることができ
る。また本発明は、躯体と防水シートとの間に空気遮断
層を設けるという簡素な構造であるため、簡単に施工す
ることができるという効果がある。
【0055】本発明において、空気遮断層を空気遮断シ
ートにより形成する場合、空気遮断シートを敷設すると
いう簡単な作業で空気遮断層を形成することができると
いう利点がある。
【0056】また本発明において、空気遮断層を、面状
に並列配置された複数の断熱パネルの目地部を気密処理
したものにより構成する場合には、外断熱工法に用いら
れる断熱パネルを利用して空気遮断層を形成できるの
で、空気遮断層を新たに一から設ける必要がなく、その
分、施工作業をより一層簡単に行うことができるという
利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態である密閉式シート
防水構造が適用されたビル屋上の陸屋根を示す概略断面
図である。
【図2】第1実施形態の陸屋根における中間部分を示す
断面図である。
【図3】第1実施形態の陸屋根における端部を示す断面
図である。
【図4】この発明の第2の実施形態である密閉式シート
防水構造が適用されたビル屋上の陸屋根中間部を示す断
面図である。
【図5】上記第2実施形態を基本構造とする第1変形例
を示す断面図である。
【図6】上記第2実施形態を基本構造とする第2変形例
を示す断面図である。
【図7】この発明の第3の実施形態である密閉式シート
防水構造が適用されたビル屋上の陸屋根中間部を示す断
面図である。
【図8】第3実施形態の陸屋根中間部を防水シートを取
り外した状態で示す平面図である。
【図9】従来の密閉式シート防水構造が適用されたビル
屋上の陸屋根を示す平面図である。
【図10】上記従来の陸屋根を示す断面図である。
【符号の説明】
1…躯体 5…防水シート 10…空気遮断シート 20、21、22…断熱層 21a、22a…目地部 25…断熱パネル 26…シーリング材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防水シートの外周縁部が建造物の躯体に
    気密状態に接合されて、前記防水シートと前記躯体との
    間が密閉されるようにした密閉式シート防水構造におい
    て、 前記躯体と前記防水シートとの間における前記躯体上
    に、空気の透過を遮断するための空気遮断層が設けられ
    てなることを特徴とする密閉式シート防水構造。
  2. 【請求項2】 前記空気遮断層が、軟質合成樹脂又は合
    成ゴムからなる空気遮断シートをもって構成されてなる
    請求項1記載の密閉式シート防水構造。
  3. 【請求項3】 前記空気遮断シートが、前記防水シート
    と同じ材質により構成されてなる請求項2記載の密閉式
    シート防水構造。
  4. 【請求項4】 前記空気遮断層が、前記躯体上に面状に
    並んで配置される複数の断熱パネルからなる断熱層を具
    備し、 隣合う断熱パネル間の目地部に、気密性を有するシーリ
    ング材が配設されてなる請求項1記載の密閉式シート防
    水構造。
  5. 【請求項5】 前記断熱層の上面に、複数の下地ボード
    が面状に並んで配置されてなる請求項4記載の密閉式シ
    ート防水構造。
  6. 【請求項6】 前記空気遮断層が、前記躯体上に面状に
    並んで配置される複数の断熱パネルからなる第1断熱層
    と、その第1断熱層上に面状に並んで配置される複数の
    断熱パネルからなる第2断熱層とを具備し、 前記第1断熱層における隣合う断熱パネル間の目地部
    が、前記第2断熱層における隣合う断熱パネル間の目地
    部に対し、位置ずれした状態に配置されるとともに、 前記第1断熱層の目地部と、前記第2断熱層の目地部と
    が交差する部分に、気密性を有するシーリング材が配設
    されてなる請求項1記載の密閉式シート防水構造。
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